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瀬崎委員 その中身をもう少し具体的にしてほしかったのですが、時間がありませんからこちらから言いましょう。つまり、
一つのカリキュラムを組みまして、初心者の技術実習からだんだん高度なものにいって、コンピューターその他の
関係、データ通信等の工事もできるように、そういうことをやっているわけですね。だから非常にこの助成金をたくさん使うわけなんです。その上、元請の企業が従業員をこの技能実習に参加させた場合有給扱いとせよ、こういうように雇用事業団は指導しております。そのかわり、企業に対しては、その派遣した労働者一人当たり三千円の助成金がもらえることになっているんです。返ってくるんですね、企業の側は。ところが、下請の親方やそのもとにいる労働者にも技能実習のため講習は受けなさいよという指導が行われているが、こっちの方にはこの三千円の目当補助が出ないわけなんです。大体この電信電話工事協会というのは、もう資本金一億円以上の大企業が圧倒的。正会員七十人というのは認定元請七十一社のうちの関東電気工事を除いた全部なんです。元請会社の
団体なんですね。こうなってきますと、本来は技能実習のために——
公社の仕事をしようと思えばいやでもおうでも習わなければならない技能実習を、この
制度ができたおかげで、国から補助金をもらってやれるようになった。おまけに、そこへ労働者を参加させればその日当まで三千円は国から返してもらえる、こんなありがたいことになってきている。先ほどおっしゃった労働者の雇用の安定のためではなくて企業の経営の安定のため、こんなことになっているんですね。こんな
状態だから、電話の架設をやる原価の中に大体技能の実習費なんて織り込むのはおかしいわけなんです。何にもかからない。こういう点は
指摘をしておいて、この
制度も相当いい
制度には違いないと思うけれども、
大臣の方で改善をしてもらう必要があると思いますね、本当に労働者に役立つように。
そこで、
官房長官はお急ぎのようですから、進みます。
この電電
公社の元請認定
制度というのは、私は非常に害悪があると思う。認定元請業者というのは、
昭和四十九年から六十九社、それが五十三年に沖繩県の二社と別の一社が加わり、逆に一社が外れていまの七十一社体制なんです。だから、事実上ここ十年近く元請の企業というのは固まったままなんですね。ところが、
公社の発注は何ぼでもふえていくんですから、当然元請は急成長できることになるわけなんです。営業の苦労も何にもしなくたって、ちゃんと
公社から仕事をおろしてもらえるようになるんでしょう。こんなありがたい企業は世にないと思いますね。自由経済の原則に最も反しているのがこの
公社対元請の
関係だと思うのです。
なぜこんなことが可能になるんだろうか。それはこの図を見ていただいたらよくおわかりです。何と言っても
公社をめぐる巨大な取引から発生する諸悪の根源というものは、
公社幹部の元請企業に対する大量の常識外れの天下りだと思うのです。私もかつて
日本住宅公団の天下りを問題にしましたが、それでさえ世間で騒がれたのに、これはもうその比じゃないですね。この上位十社、役員総数百五十二人中八十六名、実に五七%は
公社の天下り。完成工事高のほぼ全額を
公社に依存している企業ばっかりですね。一〇〇%というのが二つもある、いわゆる
公社以外の仕事をしないんですから。こうなってきますと、電電
公社工事局と言った方がいいくらいだと思います。第二電電
公社といいましょうか。ひどい会社になると、会長、社長、専務、みんな天下り。現在
政府は、確かに
公務員の天下りについては一定の規制を加えていますが、
特殊法人から民間へについてはほったらかしなんです。ここを何とか手を入れない限り、こういう醜い黒い霧というものはなくならないと思うのです。ぜひ
官房長官が閣議に諮って何らかの規制というものを打ち出していただきたい。
官房長官の
答弁を求めます。