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平石委員 いまの大臣のお言葉で大体
考え方はわかりましたので、時間の
関係でこの程度にとどめさせていただきます。
ところで、この障害者に対する
施策の中で、いわゆる自立更生といった面での
観点からお
伺いを進めたいと思います。
このような障害者の
方々が自立更生をしていくということになりますと大変なことなんです。本人ももちろんのこと、社会も大変なことです。だから、リハビリとタイアップをしながら、あるいはお医者さんともタイアップをしながら職業訓練を行う、あるいは言語障害の者は言語障害についての矯正をしていかねばなりません。そのように
施策はたくさんあるわけです。そして、そういった
方々が今度社会に出てまいりますと、いま雇用促進法がありますけれ
ども、この促進法によって企業側に何とかこの雇用率を達成するまで雇用してほしいという行政指導がなされておる。ところが実際に行ってみますと、そこには競争の原理が働いておるわけです。そういう競争の原理の中へこういった障害者の
方々が入っていかねばなりません。ここに
考えてみなければならない一つのものがある。いま私たちは、こういった
方々を社会が受け入れるということになりますと、その競争の原理に打ちかっていくだけのものを備えてやらなければならぬ。そうしないと社会は受け入れてくれない。受け入れにくい。雇用率が達成できないというのもそこに原因がありましょう。
そういう
意味で、いままでのやり方というものについても、十分その点を
考えてのやり方をしていただきたい。大変な苦労はあろうと思います。苦労はおろうと思いますけれ
ども、そういう
考えのもとにやらないと、いわゆる完全参加、平等ということをテーマにする国際障害者年――完全参加という形になりますと、私たちはややもすれば
保護主義に陥っていく。そういうことは
考えてないでしょうけれ
ども、やはり
保護主義でもってそういういたわるということは大変温かい気持ちで結構なことなんですけれ
ども、そのことがかえって現実の社会へ出たときに果たして対応できるかな、それに打ちかてるかなという心配も一方にあるわけであります。
そういうことを
考えてオーストラリアにけいれん性麻痺センター――これは脳性小児麻痺の人ばかり集めておる。これはもう
政府の方も御存じだと思うが、ここは不可能なことはないというレポートであります。どんな人であっても、必ずどこか一点は十分開発をし、訓練をしていくならば、健常者と同一ないしは健常者以上に能力を発揮せられる。あそこでは、一例を申しますと、もう手も足も動かない、そういう脳性小児麻痺の方が首だけは動く。そうしますと頭にリングをして、それでタイプを打っておる。物すごい速さでタイプをばあっと打っている。健常者はかなわぬ。そのように、一つ一つ能力の開発をしていくならば、必ずそこには健常者以上の能力を発揮いたします。
このレポートは非常にりっぱなレポートでありますが、このけいれん性麻痺センターと併設をした産業センター、これは半導体をつくっておるわけです。そして非常に高度な技術と、そういったものを――健常者は便所あるいは昼食の時間に食事を構えてあげる、こういうサーバントみたいなものです。全部脳性小児麻痺の方がやっておる。そして高い生産性を上げて、オーストラリアでは少なくとも三五%ぐらいのものをつくっておる。非常に生産性が高いですから、その給与も
日本円にしまして二十万、三十万です。だから十分社会生活ができるわけです。こういうような例もございますので御一考願いたい。
もう一つ御紹介申し上げておきますが、これも
厚生省、
労働省御案内だと思いますが、岡山県にあります新生電器さん、私ここへも行ってきました。ここでもいまのようなお話を聞きました。ここはどういうところかというと、ちょっと御紹介申し上げますが、そこの従業員は、健常者が七十四名、それから障害者が百十八名です。ここで健常者と同じように机を並べてやっておりますが、非常に成績がよろしい。初めは別々の棟に置いて工場でやってもらったが、成績が悪いので、健常者の中へはめ込んで一緒に並べてやってみますと、むしろ障害者の方の能力が高いということを社長さんからお聞きしたわけです。これらを
考えたときに、今後の行政のあり方あるいは指導、訓練について、そういったことを
考えながら、競争原理に打ちかつように持っていっていただきたい。そのためには、更生のできる者、そしていわば植物人間になって全面介助をもらわねばならない、介助を受けねばならないといったような形に、ここもある程度幅を広げて区分をするような形にして、やはりいまの障害等級の中へ入れていただいて、更生のできる者はそういった形で訓練をしていく、お医者さんとタイアップしてやる、そして介助の必要な人は障害等級の中に入れていただいて、それぞれの援護
措置を講ずる、こういう形にお願いしたいと思うわけです。
時間がございませんので、この問題はこれで終わらしていただきます。
次は、これはローカルの問題にかかってきますが、運輸大臣お見えいただいておりますので……。ほかの大臣の方、
労働大臣、どうぞお引き取りいただいて結構でございます。それから大蔵大臣も結構でございます。
運輸大臣にお
伺いいたしますが、国鉄再建法が昨年の十一月末にできました。そして国鉄再建のために、地方ローカル線については少なくとも赤字路線として廃止をしようということで、政令の作成に精力的に取り組んでおられると思うのですが、いろいろ取りざたされる
対象路線等で
関係の地区の
方々は大変な不安に陥っておる。これはどのような形で早く政令ができるのか、いわば注視をしておるわけですが、このめどはいつごろになりましょうか、お
伺いをしたい。