○正森
委員 何も決まってないと言われましたが、私がいままでるる防衛庁の政府
委員や
防衛庁長官に言いましたように、五十六年度を基本として新規施策も五十六年度と同じような水準でやはり入れた、政府
委員がこう言っているのです。だから、その新規施策の歳出化部分は、これはやはり「その他」の「その他」で入らない部分は予備枠で見てもらう、それを見てくれるのですな、こう言って閣議で
発言したと言っているのですから、非常にはっきりしているじゃないですか。新規施策を予備枠で見るつもりなんですね。
そうだといたしますと、この「
財政の中期展望」の歳出部分というのは、たとえば防衛予算案
一つをとりましても非常にふくれ上がっていくという内容をやはり内包している。いま政府
委員は巧みに、
お答えにはなりませんでしたけれ
ども、われわれがもらっている中期業務見積もりの試算では、対GNP比〇・九%前後で伸びる場合と、いきなり一%にする場合と、五十九年に一%にする場合と、いろいろ書いてあるのですね。それに基づいて
考えますと、もし〇・九%がそのまま維持されるとしても、政府の計画ではGNPというのは五十七年度から一一・七%ずつ伸びることになっているでしょう。そうしたら、〇・九%維持するだけで防衛予算は毎年一一・七%は必然的にふえるということになるのです。ことしの七・六一%やら、あるいは人件費をちょっとごまかして実際は九・七ですけれ
ども、それどころじゃなしに、最低一一・七はふえていくということにならざるを得ないのですね。これはまさに軍備増強のための中期展望であるという一面は、否定することができないと思うわけであります。
そこで、厚生大臣に、伺いたいと思います。厚生大臣は、予算編成のときに、いろいろお
考えがあったようでございますけれ
ども――
防衛庁長官、あなたは予備枠を使って防衛予算を確保したいという意味のことを言われたようですが、
国民は決して防衛費の増強を望んでいないのですね。
ここに二月九日付の読売新聞がありますが、「防衛、
国民は“さめた目”」とこう書いてあって、「政府が予算案で防衛費を大幅に増やしたことに、
国民の五三・一%が反対」これは回答した人の中で五三・一ですね。
ここに私は、「
国民のための
財政百科」というのを持ってきています。これはいろいろいいことが書いてあるのですが、
防衛庁長官も読んでほしいのです。その五十五ページに世論の動向が書いてあります。私がなぜこれを言うかといいますと、あなたは「防衛計画の大綱」を見直すのにも三つ条件がある、
一つは国際情勢の変化で
一つは
国民世論の動向、もう
一つは中業の
達成程度、こう言っているのですね。三つのうちの
一つに
国民世論の動向を挙げているのです。
その
国民世論は、先ほどの読売新聞でも
防衛力の増強を、予算の中でふえることには賛成でなかったのですが、七九年十一月二十四日に読売、八〇年十月十日に毎日新聞が世論調査を行っております。回答しないという人を除いた率で見ますと、
財政再建のために特に厳しく削るべき項目で防衛関係費を挙げている人が六一・七%、これは読売です。
防衛力強化のための増税に反対七五・八%、
防衛力強化のための増税、福祉切り詰めに反対七二・六%、これは毎日、こういう内容になっているのですね。
ですから、あなたがもしいろいろな点で
国民世論の動向ということを参考にされるというのなら、ぜひこういう点は参考にしていただかなければいかぬ、こう思うのですね。あなた、われわれのこの「
国民のための
財政百科」をお持ちですか。――持っておられない。それじゃ、これを無料で差し上げますからぜひ読んで、そういう世論の動向があるということを御参考にしていただきたいと思うのです。