○稲葉
委員 きょうは外務省を呼んでなかったから。あなたは外務省出身だからあれだけれ
ども、これは
昭和四十年にできたのです、条約局の法規課で。あの当時は法規課長はいまのユーゴスラビア大使の中江氏じゃないかな。あるいは中江氏がかわった後かな。ちょっとわかりませんが、これができているのは
昭和四十年なんです。その後の
状況が非常に変わっているわけです。そしてこれはちょっと抽象的なんですよ。たとえば住宅公団に入る資格があるとかないとかという問題も出てきていますね。それから、外国人が公立学校の小学校、中学校の教職員になる資格があるとかないとか、これに対するこの資料はどうも古いのですよ。これはわかっているでしょう。古いということは知っているでしょう。
昭和四十年のことなんだから古いのですよ。
それで、ただ法律が並べてあるだけで抽象的なんですね。たとえば、
日本にいる外国人で内国民と同じような対遇を受けている場合もありますね。憲法の場合で、税金を払う関係とかなんとかの方は、「國民」と書いてあるけれ
ども、外国人も含むわけでしょう。それから、二十五条の方の健康で文化的な
生活ですか、あれは
日本国民だけだとかいろいろな議論がありますけれ
ども、あるいは二十二条の職業選択の自由の場合でしたか、外国人と国民とを区別しない条文が一カ所憲法の中にありましたね。
そこで問題は、これはいま
法務省に聞くんじゃなくて、この次に文部省でも呼んできて聞きたいと思っているのですが、外国人であって小学校の
先生なんかをやっているところ、採用しているところが
日本の中にもあるわけですね。こういう点を文部省と
相談してよく調べておいてください。これはいまのところ、そういうふうに採用するということにしていて、実際に採用してないところもまだあるのです。よくわかりませんが、中国人の場合に対してもありますしね。いま一番いいのは三重県でしょう。三重大学を卒業した女の
先生が四日市の小学校におられますね、これは朝鮮人の人ですが。あるいは滋賀県でもありますね。兵庫でもそうですし、それから東京、大阪もそうなんですが、愛知県がだめでそういうのはやってませんけれ
ども、こういうふうな形で、朝鮮人であっても
日本人の小中学校の
先生になっている人がいるんですね。四日市の例をよく調べてごらんなさい。そこで非常な人気というか何というか、評判がいい。李という
先生ですがね。
だから、そういうような
状況がありましてこれがどんどん国際化をしていく中において、
日本に生まれて
日本の大学を出た人が、
日本の小学校、中学校の
先生になれないなんということはないので、どんどんそういうふうにするように進んでいかなければいけない、こういうふうに私は思っておるのです。この点が各県によってばらばらなんですね。これはこの次に文部省に聞きますが、あなたの方でもそういう点をよく調べておいていただきたいと思います。
いま言ったのは条約局法規課の編さんですが、これはその後非常に変わってきているのもありますから、外務省とよく
相談をして具体的に調べておいてください。
それから、大平要さんの「
日本における外国人の法律上の
地位−公法関係」というのがここに書いてありますね。私、大平さんは知っていますが、私よりも大分先輩の人でしたか、検事をやっていて後で判事になりまして、たしか高裁の判事をやっておられたですが、非常にまじめな勉強家の方でしたがね。この人の本もあるのですが、これも率直に言うと古いのですよ。ですから、いま
日本における外国人の
地位がどういうふうになっているかということを、その新しいものを外務省と
相談をしたり何かしてよく調べておいていただきたい、こういうふうに考えるわけです。
そこで、その他いろいろ質問をしたいところもあるのですが、きょうは代議士会がありまして、どうしてもそっちへ出て説明しなければならないものもありますので、この程度にしておきます。
最後に、これは前に
お話したときに
大臣がお答えになったのですけれ
ども、イミグレーションアクトという言葉はそれでいいじゃないかということなんですが、これは母法はそういうふうになっています。しかし、それを
出入国管理法と訳すのは、いかにもちょっと取ってつけたような印象を私は受けるのです。これはあなた方の方としてはいろいろあるでしょうけれ
ども、
出入国法という管理をとった法律を出したこともあるわけですからね。これについては私
どもの方も
理事会でよく
相談したいと思っているのですよ。きょうその話を出しましたから、
相談しますから、あなたの方としてもひとつお考えを願いたい、こう思うのです。同じことを申し上げて恐縮ですけれ
ども、
難民に対して管理するということを
日本がやるという形に発表されますと、誤解を招いて
日本の外交上の非常に大きなマイナスになるのではないか、こういうことをぼくは考えるものですから特に申し上げる次第です。
その他の質問はまた別の日にさせていただきたい、こういうふうに思います。