○林(百)
委員 私は、日本競輪選手会、競輪界の、ことに会計問題についてメスを入れたい、こういうように思うわけなのです。
きょうは、国税庁の四元さん、警察庁の漆間さん、
前田刑事局長もお見えになっておりますが、これは
監督官庁が通産省ですから、通産省を主として、
監督の
権限が十分
行使されていなかったということからこういう
事態が発生したのではないかということで、
事態の
内容を主として通産省の車両
課長に
質問するようになりますが、四元さんも漆間さんも
前田さんも聞いていただいて、捨ておきがたいとお考えになる節々がありましたら、ひとつ適当な方法で手を入れていただくし、また私の方でも、場合によっては選手会の方から警察庁の方へしかるべき手続をとるようになるかとも思いますが、そういう意味で、
質問の
中心は三野車両
課長さんを
中心としていたしたいと思うわけです。
日本競輪選手会の経理の不正問題、これは選手が四千人近く、実働三千八百人と言われますが、四千九十人くらいでございまして、車券の売り上げが一兆数千億、二兆円近く、これが自治体の財政を潤したり、そして一方では日自振や日本競輪選手会の財政の一部をなしているわけなのです。それから、選手の賞金が三百六十億円なのです。
日本競輪選手会、いわゆる日競選と申しますが、これは二十七年にできました通産省認可の社団法人で、本来なら労働組合的な性格も持った社団法人でございまして、競輪施行団体の自治体と労使交渉したり、賞金額を決めたりするわけなのです。この日本競輪選手会の年間の予算が約二十二億くらいになっているわけですが、これが日競選の中央の幹部によって大分壟断」されておるという不満が選手の方から起きてまいりました。
問題が発生してまいりました経緯を、時間を追って概略たどってみますと、五十五年の六月二十六日の五十四年度決算総会で、競輪運営の改善対策会計、これから多額の工作金が政界へ流れている。私の方もちょっと受取をとってみたのですけれ
ども、至るところに、国会
関係、国会
関係、中央政界、それから国会
関係、それも場所はどこだというと、ゆかり、レミー、岸本、こういう料亭。それから佐々木秀世氏に至っては、普通の
新聞紙にも出ておりますけれ
ども、五十年から五十四年までに約四千七、八百万円の金が日競選から、事務所の開設費から病院に入っている入院費から看護費まで出ている。何で特定の国
会議員にこんな四千何百万円もの金を出すか。それからそのほか、額は小さいから額は言いませんけれ
ども、出ている
名前を見ますと、宮澤喜一さん、あるいは
東京都から出た天野さんだとか島村さんだとか、あるいは参議院の斎藤栄三郎さんだとか、あるいは谷川和穗さんだとか、こういう
名前もずっと出てくるわけですね。だから、どうしてこういう政界とこんなに癒着をしなければならないか。それから官房副長官の瓦力さんですね。これに百万円も金が入っている。
こういうことから、選手会の方が、これはおかしい、競輪の運営の改善のための
資金あるいは選手の訓練のための
資金がこんな政界へどかどかと流れていく、そうして
理事者の受取のない出金伝票で、伝票だけで金を引き出してきて、後何に使ったか全然受取がついておらないというような問題もあるということで実は問題になりまして、五十五年の八月六日から七日、日競選の監事が会計について
調査をいたしまして、五十五年の八月十一日の臨時総会で監査
報告が出たわけなんです。
その監査
報告を見ますと、どうもこれは通産省へ出たのの裏
報告があるわけなんですね。この監査
報告を見ますと、主なところを拾い上げてみますと、「支払先の領収書がとれない事(とりずらい事)を理由に取扱者の領収書が伝票に添付されているが、これは本来、支払証明書をおこし責任者の署名捺印を受け処理すべきものであると考える。」要するに、支払い先の領収書がとれないということを理由に取扱者の
理事者の領収伝票だけがある。何に使ったかはわからない。
それから、「支払先支払事由が定期的な定まったものでありながら、領収書の処理が違うのが見受けられた」、定期的に払うべきものが領収書が違うものがくっついている。
それから、支払いの発生日と支払い期日の違いが数カ月に及ぶものがたくさんある。
「
昭和五十年度、五十一年度、五十二年度は決算書に基づき担当者より
説明を受けたが、監事としての意見は差し控える。」といって、監事としての意見は述べておらない。
最後に、「尚私達の判断では適確を逸すると思われるので、公認会計士を含め、
調査をすることも必要かと考えます。」こういうように書いてあるわけなんです。
さらに、「
関係者との懇親会、会食等の
出席者が明確になされていないが、機密
事項に基づくとあれば、その様な処理を考えるべきである。」とか、「改善対策業務に携わる組織が明確にされていない。よって理解しずらい点が多々出てくる。」
こういう監査
報告が
昭和五十五年の八月十一日に臨時総会を開いて出されたわけなんです。
これは十三日に通産省にも出していますが、どうも通産省の方には私がいま読んだ部分は出さなくて、「監査の結果並びに意見」として、「
昭和五十三年度、五十四年度についての監査の結果、事務処理方法に改善を要するものがあるが、証憑書類の整備はほぼなされていた。しかし
指摘する点も多々あった。」というようなものです。これは「十三日通産省へ」と書いてあるわけなんです。
こういう事実がありまして、いま言ったような監査
報告が八月十一日の臨時総会に出されたのですが、総会では、これでは
承知できない、しかし
指摘する点も多々あったというのだから、
指摘する点が多々あったなら、どういう点が
指摘する点が多々あったのか、それをさらに
調査すべきだということで、最初は運営改善対策会計だけだったのですけれ
ども、新たにこれに対する特別
調査委員会が小川崇氏を
委員長として発足したのですが、これがやがて訓練会計からカレンダー会計までずっと調べざるを得なくなった。やっている間に改善対策会計だけで済まなくなった。こういう
経過があったのですが、これは通産省知っていますか。