○小林(進)
委員 何しろ十二時十分までに質問をやめろというのでございますから、いつでもどうも時間がなくて質問の意を尽くせないのであります。
今度は、
事件に
関係するが、
国民の側から見るとどうも日本の
裁判は時間がかかり過ぎる。ロッキード
裁判一つとっても、もう四年間もやって、余分なことですけれ
ども、五十一年二月五日、これはアメリカの国会から火を噴いてきている。それで衆議院の予算
委員会でこれを取り上げた。私は、そのときの野党を代表する予算の筆頭
理事でございます。私が取り上げたのです。そのときにはまだ日本の
検察庁、警察も何にも動いていなかった。これは重大問題だから予算
委員会で
証人喚問をして問題の所在を明らかにすべきである。ずいぶん自民党から抵抗されましたけれ
ども、当時の予算
委員会の
委員長は荒舩清十郎さん、亡くなられましたけれ
ども、これはりっぱな人でございました。重大問題だ、これはやはり国会が優先的に取り上げるべきだということで、大分議論いたしましたが、二月十六日でしたか、初めて衆議院で
証人喚問をした。丸紅の
ルートあるいは全日空の
ルート、十六、十七でしたか、二日間にわたって
証人喚問をやったことがそもそもこの問題に火をつけて、それから
検察庁が動き出す、警察が動き出すという形で、全く国会の主導型でこのロッキード問題はでき上がった。これは歴史的事実でありまするから、
皆さん方お忘れにならないように、くどいようでありまするが、そのことだけ申し上げておきます。
しかし、それが今日でもう四年有余近く来ているけれ
ども、まだこうやって
裁判がやられている。やられる
裁判長や
関係者の方々は、こうやって、激職ばかりではないとおっしゃいまするけれ
ども、お亡くなりになるほど、だれが見ても激職だと言われるような苦労をしているけれ
ども、
国民の側から見れば日本の
裁判はいつでも長過ぎる。それは選挙違反だってそのとおりだ。
最高裁までいくときには、もう選挙が二回も三回も過ぎてしまって後の話になっていくということです。この矛盾を
一つどうかぜひ解決しなければいかぬ。
一方には、
裁判官は知的職業ですから、判決
一つ書くのたって——普通の
行政官なんというものは、みんな下級の
職員に原案を書かせて、最後にいったら鉛筆でもって赤いところを二、三本入れて判こを押しておけばそれででき上がる。
裁判官は下級
職員に判決文を書かすわけにいかない、みずから全部書かなければならない、そういうことでほかの職業とは全く違うのだから、しかも冷静な判断、知能、知識を要するのでありまするから、普通の労働者のような余り時間で拘束するようなオーバーな
仕事をやっていただくわけにいかぬのであります。
そこで私は、もっと
裁判官の予備員というものを設けたらどうだろうか、重大な
事件だから、これは一週間に一回ずつやったって四年も五年も続くような
公判なら、同様なことをやる予備の
裁判長を控えに置いてもいいじゃないかということも
考えられる。だから私は、もっと
裁判官というものをふやしたらどうかと思うのです。それをふやすかふやさないかというような問題になってくると、いわゆる人事権だとか予算権は
行政府が持っているから、
最高裁ではともかくやはり
大蔵省その他に恐る恐る人員増加の許可願を出して、そこでだめだと言われればだめになっちまう、こういう形にならざるを得ないわけであります。どうですか。
裁判官の
欠員ばかりつくっておかないで、いま少し予備員がちゃんといて、しかも
裁判官が落ちついてりっぱな判決、りっぱな作業ができるような基本的な仕組みをこの際
考えられたらいかがでしょうかな。
あなたは、一年のうちにおやめになるから
年度末になると二十三名の
欠員があるとおっしゃるが、五十四年だって十八名の
欠員、五十三年だって二十名の
欠員、毎年毎年
年度の末にいけば、二十名だの十八名だの二十三名だのといって
裁判官の
欠員ができてくる。
年度末に来たところでその年間において
欠員が出ないようにちゃんとこれを予備員をつくっておいたらどうですか。そんなことを金を出さないなんという
行政府に対しては、
司法権の独立の立場からひとつ対等の立場で交渉されたらいかがです。応援しますよ、こっちが。御答弁を得たいと思います。