○有島委員 では、三番目のことに入ります。
さっき
西岡さんからも、
日本民族の学習エネルギーはすさまじいもので、これにどうこたえていくかということもあるというようなことを言われましたけれ
ども、うちの公明党の
考え方として、二十年先といえば二十一世紀になりますし、先のことを考えてもわからないと言えばわからないことですけれ
ども、
方向としては、もう少し命の通ったという
意味で、生命の世紀にしようじゃないかというようなことを考えています。ということは、科学技術の世代といいますか、科学技術もやはり人間性から出ていることに違いないけれ
ども、いま何となく人間と人間との触れ合いというものが疎外されていく
方向の文明になってきているという反省といいますか、そういう見方があるわけです。
教育につきましても、人間と人間との触れ合いの中から触発されていくということが前提となって、そこにいろいろな設備、施設あるいは教科書とかそういうような問題が出てくるわけなのでありましで、教科書にいたしましても、私たちの中で
議論いたしますと、中
学校のときなんか教科書はどんなのを使っていたか、
三塚先生なんかちゃんと覚えていらっしゃるかもしれませんけれ
ども、われわれはほとんど忘れているわけですね。しかし、教師の顔は覚えているわけです。特に怒られた連中は覚えているわけです。ですから、人との触れ合いというのが基本なんであろう。特にこれは基本のところにだんだん戻す
方向にこれから行くべきじゃなかろうか。戻しながら、使っていく教科書なり教材なり
学校の設備あるいはいろいろな
学校の運営なり、そういうものもやはりいろいろ考えていく。そして、その一番軸になるのが、われわれの言葉で言えば、人間回復といいますか生命を取り戻すというか息を通わすというか気心を通じるというか、そっちの
方向に持っていくべきだ、そんなふうに思うわけです。
そこで、
高等教育についてそのことを言いますと、
高等教育の中でどうしても少人数
教育を確保しなければならないというふうに思うわけです。これは少人数
教育の確保されているところもあるわけですね。ゼミナールを必ずやるところ、それから実習をやっているところ、論文を書いているところもありますけれ
ども、大部分が、大部分というか、これはもう少ししっかりした統計をとらなければいけないのですけれ
ども、結論的に、どの学生さんも
大学を卒業してまいりますと言うからには、数単位のあるいは十数単位の少人数
教育といいますか授業といいますか、だれだれ
先生のもとにこの一年いた、二年いたというような手ごたえを持たして
大学を終えさせられるということがどうしても必要じゃないかということを思うわけであります。できれば、これは
文部大臣にもお願いしたいのだけれ
ども、
大学設置基準の中にそういった少人数
教育を確保するということも
規定していただくように将来はやってもらいたいと思っているくらいであります。
そしてもう
一つ、これも現在常識的になってまいりましたけれ
ども、生涯学習といいますか生涯
教育、そういう流れの中で、
学校や社会
教育設備だとか施設あるいは家庭の
あり方だとか、そういうものを生涯
教育という流れの中でもう一遍考え直してみる。特に
学校というものを考え直してみる。その中で考え直すというから、どういうふうに考え直すかと言えば、
学校と社会
教育とがどのように協力ができるか、あるいは家庭と
学校というものがどのような協力体制を結ぶことができるか。これもとかく形はあるのだけれ
ども、断絶しているような状況があるわけで、私たちは、
教育の協力の広場というようなことを言っているわけなんですけれ
ども。それから、いろいろなインフォメーションといいますか、いろいろな
情報が非常に多くなっている。それもどのようにコミュニケートといいますか、どういうふうに言ったらいいのか、いま血が通うような知識にし直していくかというような問題ですね。そういうことに
高等教育が機能していかなければならない。そこで少人数を確保する、すると、少人数を確保する
方向に、この三年間どのぐらい動いてくれるのだろうかということが私なんかも一番気になるわけです。
よく間違えられてしまうのは、割り算でいきまして、教授の数と学生の数とばっと割っちゃって、それでもって一人当たり何人になりました、
国立学校は幾ら、
私立学校は幾ら、こういうようなことがあるわけですけれ
ども、私の申し上げているのは、そういうことではなくて、
先ほど申し上げましたように、どの学生さんでもある少人数学習というものが確保される、そのかわりとして大教室であるいは放送で通信でというようなものが併用されるということになれば、これは実現できる問題である。
幸い、この「
高等教育の
計画的整備」ということの中で、
大学の
教育形態の機能的分担、連携の
関係であるとか、あるいは柔軟性を持たせるとか、そういったことを言われておりますけれ
ども、そういうものもこの三年間ひとつ具体的に踏み出していくというか進めていくというか、そういうことをぜひやってもらいたいというふうに思うわけです。
それで、
自由民主党の
皆さん方の基本的なお考えをそういった面で承っておきたい。われわれの考えとしては、こんなふうで、非常に舌足らずで恐縮ですけれ
ども、いかがでしょうか。