○山原
委員 私は、
日本共産党を代表して、
国立学校設置法の一部を改正する
法律案の採決に当たり、わが党
提案の修正案に賛成し、政府原案に反対の討論を行います。
この法案に対する採決が、私
どもが賛成する部分と反対する部分を混在させた一括採決になる可能性もありますので、それぞれの態度を明らかにして討論をいたします。
まず第一に、千葉
大学人文
学部改組、香川
大学への法
学部設置、滋賀医科
大学への
大学院設置と神戸
大学への医療技術短期
大学部併設は、国民と
大学関係者の強い要望でもあり、積極的に賛成するものであります。
第二は、宇宙航空
研究所の廃止及び宇宙科学
研究所の新設を初めとした
国立大学共同利用
研究機関の設置についてでありますが、これらの機関が全構成員の声を民主的に反映して運営されるよう
文部省として十分配慮すべきであることを要望するとともに、特に宇宙科学
研究所については、平和利用、自主、民主、公開の原則を運営の基本に据えること、宇宙航空
研究所の改組に当たっては、
定員外職員も含めた全職員の不利益とならないよう措置されることを改めて要望して、賛成をするものであります。
第三は、鹿屋体育
大学についてでありますが、この
大学の特徴の一つに武道
課程の問題があります。
わが国の伝統的スポーツである剣道・柔道などいわゆる武道について、他のスポーツと同様に重視し、振興、発展を図ることは重要なことであります。
まず私は、鹿屋体育
大学における武道の
教育研究が「真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にして、しかも個性豊かな文化の創造をめざす」とした
教育基本法を初めとする
教育の民主的諸原則にのっとって行われることを強く
希望するものであります。
既存の地方
大学の拡充の中で体育
学部の新設を図るのではなく、新
構想の単科
大学方式をとるなど納得できない面を初め、その運営、
教育内容などについて、資料不足のため不明な部分があることは、まことに遺憾千万でございます。
今日のスポーツ、レクリエーション活動の急速な大衆化
状況と相まって、
社会体育分野の
指導者
養成は、切実な国民的要望であることも否定できません。
したがって、今後における
問題点の慎重な
検討を前提としつつ、武道を含めた体育
指導者の
養成を民主的に推進し、体育・スポーツ分野における科学的な
研究、
教育の発展を図る
立場から、全教職員の声を尊重することはもちろん、全国の体育
教育関係者や国民の英知や要求を結集して、国民の期待にこたえる
大学として発足すべきだと思います。
今後の運営、
内容の
推移につきましては、その都度
報告を求め、以上の
観点から追及をしていく
姿勢であることを明確にしておきたいと思います。
第四は、鳴門
教育大学についてでありますが、修正案
提案の際述べましたように、
現職教員の
大学院志望に当たり、
教育委員会による恣意的な規制が行われかねない問題や、徳島
大学教育学部改組との未調整の問題など幾つかの疑点が残されています。
もちろん
教員養成と
現職教員の研修は、いささかも軽視されてよいものではなく、積極的に前進させなければならないものであります。その
方向は、教師集団に差別と分断を持ち込んだり、
教員統制強化のための管理体制確立に利用されるものであってはならぬと考えております。
新
教育大学の
構想が、
昭和四十六年の中教審答申に示された上級
教員づくりの
構想を背景にしたものではないかとの従来からの批判についても、そうではないとする確固たる歯どめはなく、さきに触れた同意の問題とも相まって、これらの懸念は払拭されておりません。
こうした問題は、
教員研修の
あり方や
大学自治の問題にもかかわって、広く
教育の
あり方全体に重要な影響を与える性格のものであり、慎重な審議、
検討による問題解決が図られるべきであるとの
立場から、
現状において鳴門
教育大学の設置には賛成できません。
また、鳴門
教育大学と徳島
大学との
関係について言えば、徳島
大学の意向が十分尊重されるべきであることを付加して申し上げたいと思います。
以上述べました理由から、本法案には賛成すべき部分を持ちながら、一括採決に当たっては、総合的判断から反対の
立場をとらざるを得ないのであります。
したがって、わが党の修正案に賛成し、政府原案に反対をいたしまして、討論を終わります。