○中西(績)委員 時間が参りましたので、いろいろまだ反論したいこともありますけれ
ども、ただ
一つ、スポーツとしてどうなのかということです。ところが、いろいろ
調査をしたり何かしてみますと、根性づくりだとかこういう精神的な側面だけが強調されるようなことが非常に多いわけですよ。したがって、これは今度、体育の中でも、では教材としてどうだろうかという場合には、いろいろ
論議がありますよね。これは一致していません。そういう状況にまであるわけなんです、この武道というのは。
なぜ私はそのことを言うかというと、広辞苑を引いてみますと、武道というのは「武士の守るべき道」、「武術に関する道」だとか、こういうことをまだ書いておるように、そういう精神的な側面だけを強調するというのが、いろいろ
調査をしてみると、その占める割合というのが非常に高いわけなんですね。そうなってまいりますと、これは非常に問題があるのではないかということを私は感じるからであります。
そして、いま言うように、あなたが言われるように、国連ユネスコの場合の第一条の中の幾つかの項目の中にあることも私、知っています、知っておるけれ
ども、しかし、本格的にこうしたものが、いま私が申し上げた全般的にある中で位置づけをする場合に、このことがそういうふうにされなくちゃならぬのか。
たとえば、わずか一校と言いましたね、一校の中の六十人、片一方は八十人ですよ。しかも、いまあなた
たちが示しておる、
文部省が発しておるいろんなやつを見てみますと、有段者を体育指導者として採用するように指導すると言っていますけれ
ども、そうなってまいりますと、小さな学校の場合には、剣道あるいは柔道の教師が入ってきたら、ほかの人は入れぬですよ。三五%のシェアがある。シェアと言ったらちょっとまずいですけれ
どもね、三五%に達しろとあなた
たちは指導しているように、その人が行った日には、ほかのことはもうだめなんですよ、それがやはり中心のものになってくる可能性があるわけです。それは何人もいて、三人おるうちの一人ぐらいならまだいいでしょう。小規模の場合にはそうはなりません。しかも、これは女性は余りやらないんですよ。男性を中心にしてやれと書いてあるでしょう、あなた方の指導では。
こういうことを
考えてまいりますと、全体的に占める割合というのは、段位のある者しか採用するなとかなんとかいうような指導にはならぬ。そういうことを
考えておるからこそ、この一校のみについて建設をするのに、武道というものを中心的なものに据えて、いままでの全体の体育の中での見方でなくて、別個にこれを仕立てていくという
意味は大変問題があるのではないかと私は
指摘をしておきます、時間がありませんから。
したがって、私は大臣に最後にお願いなんですけれ
ども、やはり私
たちは、こうした
大学を設置する場合には、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、まず私
たちが気をつけなければならぬのは、
国民の要求に基づいて推進するための保障の一環として社会体育指導者の
制度をどうしていくのかということをもう一度
考え直して見る必要があるのじゃないでしょうか。
なぜかというと、その養成の
制度、そしてさらに、今度は資格の
制度、全般的なものをどういうふうにしていくかということを急ぐ余り間違ったのでは大変ではないでしょうか、私はこう感じます。
それから二つ目が、
大学で武道の専攻を置く場合も、他種目と切り離して特殊化するということについては、私は納得がいきません。この点は大変問題ではないでしょうか。全体としてのスポーツの振興を図るという中でのいわゆる指導者であり、愛好者という体制でなくてはならないと思います。
それから三つ目に、さっきの憲章問題とかかわり合って、体育・スポーツ、レクリエーション、こういうものの社会的な意義と人間的な権利としての視点をもう一度十分見直していく必要があるのじゃないでしょうか。
ですから、こういうものを満たすということになれば、それに基づくカリキュラムをどう編成していくかということが
考えられなければならないと思うのです。この点をやはり十分
考えておく必要があるのではないでしょうか。カリキュラムの問題ですね。
そして最後になりますけれ
ども、いわゆるこういう
大学、いま鹿児島の
教育長から
文部省に帰っておる人が言っておる
発言の中にこういうことが言われていますね。「社会体育の専門家や武道の専門家、さらには東南アジアからの体育留学生を受け入れるような
大学になるのでは、」、さらには「西のミニ筑波になる可能性も強い。
文部省には従来そのような
考えがあった」、こういうようなことを言っておりますように、筑波
大学そのもののあり方ということを
考えてみますと、従前から私はずっと
指摘をしておりますように、そこには
大学の
原則である自治が本当に確立をされるだろうか、こういうことを大変恐れるものであります。
特に私は、
文部省から資料としていただきました兵庫の参与を見ましても、六人いらっしゃいますけれ
ども、本当に開かれた
大学になっているだろうか、こういうことを私は危惧いたしております。
こういうことからいたしまして、本当に高い体育とスポーツの科学的な研究というものを中心に据えた
大学にしていただいて、
大学らしい
大学にしていただきたいと思います。
以上、時間がありませんから、すべてを申し上げまして、
質問を終わらせていただきますが、大臣、ぜひこの点について御理解をいただきたいと思います。