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廣江政府委員 政府が経済
見通しを立てる、
物価の
見通しを立てますときに、個別的なものを積み上げていってこれこれになるというような方法は、年という長い期間をとりますとなかなかむずかしいわけでございまして、この辺はある
程度マクロ的な見方をせざるを得ないわけでございますので、そういう前提でお答えをさせていただきます。
お尋ねの野菜でございますが、野菜はCPIの中のシェアは三%
程度で、それほど大きくないわけでございますが、経験則に徴しましてもわかりますとおり
かなりの上下変動をいたします。特に昨
年度五十五
年度の場合は非常に気象条件の変化を受けまして、夏は何十年ぶりという冷夏でございまして、八月から九月にかけて野菜の
価格が
かなり高騰している。これは比較をいたしましただけでも三〇%の
動きをしているわけでございます。また年明け以降でございますが、寒波、特に異常乾燥の
影響が強うございまして、これが響いて一月以降の野菜
価格が
かなり高騰しておって、昨年の年明け以降が非常に高騰したことはまだ記憶に新しいところでございますが、それに迫るような高騰をしたわけでございまして、私
どもはそこまでは考えていなかったというのが原因でございます。
そこで、
数字で示せというお尋ねでございます。そういう事情もいろいろございまして、
数字で示すときにはどこに基準をとるのかといったような点がございましてなかなかむずかしいわけでございますが、お尋ねにお答えする意味で五十五
年度の、わかっておりますまでの、二月までの資料で申し上げますと、野菜は四月から二月までの実績で言いますと、総合で七・九%上がっておりますが、そのうちの寄与度は〇・一%弱というくらいの
数字になろうと思います。先ほど申し上げました冷夏であるとかことしの正月以降の
異常寒波、異常乾燥という点からこの
数字を見ると多少少ないのではないかというお
感じもあろうかと思いますが、これは先ほど申し上げたように五十四
年度というのが非常に異常な高騰を示した年でございまして、これを
数字で申し上げますと寄与度で〇・七%ほど野菜だけで押し上げておりますので、例年が、その前の年が〇・一五くらいでございますので、
かなり高く押し上げたということがあると思います。その上に先ほど申し上げたような押し上げとなっているという点をお含み願いたいと思うわけでございます。
これを裏づける意味から、もう少し別の観点から申し上げますと、CPIの指数と野菜の指数は直接の関連はございませんし、上になったり下になったりということもございますので、これもその
程度の御認識でいただかないといけないと思いますけれ
ども、ことしの場合、二月までの総合指数は一三九・一ということになろうかと思いますが、野菜は一四七・四でございますので、六%ほど高くなっているという点で五十五
年度の
物価に及ぼした野菜の
影響というものを御推量願いたいと思うわけでございます。
さて、それでは五十六
年度はどうかということでございますが、先ほど最初にお答えいたしましたように、五十六
年度も個別的にごうごうという見方はいたしておりませんけれ
ども、まず通常の変動に対しては対処できるようなことを想定いたしまして五・五%というものができ上がっているとお考えいただきたいと思います。その上に立ちまして私
どもは、今年それから昨年の、特に秋冬野菜の高騰等の経験を十分にかみしめまして、五十六
年度においては遺漏のないような十分な心構えで
対策も打っていかなければいけないというふうに考えております。