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高木説明員 現在通学の割引率は、先ほどちょっと申しましたように、七七・何%かになっております。それから通勤と言われるものについては五〇%になっております。五〇%は、これは
法律で限度が決められておりまして、
法律の限度いっぱいの割引率ということになっているわけでございます。そこで、通勤につきましては定期を御利用いただきますと、いろいろな面でたとえば改札とか出札とかという面で私
どもも
経費が少なくて済みますから、定期については普通切符よりは割引があってよろしいわけでございますけれ
ども、それにしても五〇%は割り引きなさいというのはいささかきついわけでございまして、それを将来いつの時期かわかりませんが、
改定をさせていただきたいという気持ちを持っておるということを運輸審議会において副総裁が申したわけでございます。ただこれは
法律で限度が決まっておりますからそう簡単にはできないわけでございまして、十分国会での御審議を要することになります。それから学生の方につきましては現在
法律では五〇%以上引きなさいというのに対して七七%引いておりますから、
法律の改正とは
関係なく多少とも直していかれる。そうかといって余り激しいことはできませんので、年々少しずつ直さしていただいておるということでございます。
そこで、定期につきましても、いわゆる
値上げあるいはそうした割引率の是正によって、一体
国鉄離れが進んでいるかどうかということでございますけれ
ども、
国鉄全体としては、お客さんが五七年度をピークにして減っておりますけれ
ども、通勤利用者は主として大都会である
関係もありまして、現在のところは、定期利用者は、学生さんあるいは通勤を通じましてほぼ増減なしという
状態であるわけでございます。
そこで今後の問題としては、通勤につきましても、
法律を改正していただくことを前提にして、いずれかの時期に多少の手直しをさしていただきたい。学生の方は、いまのところまだ
法律と
関係ございませんこともあり、しかし一方において、先ほどのお尋ねにもございましたように、
家計負担への
影響を考えて少しずつの
改定をしていくということでございます。
その場合に、どのくらいの割引率ならばいいと考えるかということにつきましては、まだ十分研究ができておりませんけれ
ども、やはり通学と通勤とでは若干の差があってしかるべきものではなかろうかという前提では考えておるわけでございまして、学生さんについて通勤と同じようにしなければいかぬのだというところまでは考えておりません。これらの
作業は、先ほ
ども触れましたように父兄
負担の問題いかんということで、厚生省、文部省、
運輸省の間でいま御協議をいただいておることもありますし、まだ余り詰めた議論はしていないわけでございます。
それから、先ほど
お触れになりました中で、東海道線だけで物すごい赤字があるじゃないかということなんですけれ
ども、それはそのとおりでございます。これをどうするかということについては、御存じのように人員を全体として二割減らすということをいま考えておるわけでございますが、いまのところの
見通しでは、東海道線についても二割人員を減らしますと、大体とんとんか少し黒字になるという
状況になろうかと思います。
地方交通線につきましては、もうすでにいろいろな
意味で簡素化が行われておりますので、余り大ぜいの職員を使っておりません。余り大ぜいの職員を使ってないにもかかわらず、
収入が少ないために赤字になっておるわけでございますので、これはいわゆる合理化だけではなかなか
収支償わすところにはいかないわけでございまして、それに、エネルギー的にも非常にロスが大きい。
国鉄の車両というのは風袋が非常に大きいわけでございますが、バスであれば車両そのものの目方が軽い
関係がございまして、お客様の少ない場合には、車両の目方の軽いバスの方がエネルギー的にも非常に
効果が大きいということで、単に赤字だけのことではなくて、やはりこれはそういうエネルギー資源あるいは労働資源という見地から見ましても、全体の合理的な運営という点から言えば、御迷惑は十分
承知の上ではございますが、減らさしていただきたいということで、東海道線は東海道線として何とか黒字にするように
努力をいたしますので、その点だけはお含みをいただきたいというふうに考えます。