○武部
委員 時間が来まして、私は最後に、
申請が非常に大きな問題を含んでおる
事業報酬、これについて述べてみたいと思います。もう時間がありませんから、主として私の方から、皆さんがお出しになった
支出項目、
値上げについての
支出項目を詳細に検討した結果、次のようなことを皆さんに指摘をしたいのであります。
この
支出項目を見ますと、五十四年に対して五十六年は十四社
平均で
修繕費が三五・九%増、
経費が三八・三%増、
事業報酬が二九・四%増、こういう大変大幅な
増加を示しておるのであります。この
事業報酬というのが、電力やガス、こういうものは電気
事業法なりあるいはガス
事業法、そういうものによって認められておるわけでありますが、私鉄にはこの法定はない。したがって電力、ガスに準じた扱いがされておる。この
事業報酬をこのように
理解をするわけです。したがって、私鉄の
事業報酬というものは利潤の先取りではないか、こういうふうに言われております。
それはそれといたしまして、私が計算をいたしました数字によると次のようになる。ちょっとこれを聞いておいていただいて後でお答えいただきたいのですが、十四社の
平均の自己資本率は一〇・四%、他人資本率は八九・六%であります。
申請の五十五年九月の金利を見ますと、定期預金金利一年もので七・七五%、公社債応募者利回りは八・六四五%、全産業の自己資本利益率は九・五四%、配当必要率、これは利益準備金一%を含んでおりまして、一一%になっておる。これを
平均いたしますと、自己資本の報酬率は九・二三四になります。これは
申請書を分析するとそうなるのです。したがって、他人資本報酬率八・六六六となっておりますから、これで
平均をしてみますと八・七二%の
申請になります。八・七二%の
事業報酬になる。これを今回は十四社で八・五にして
申請をしておる、こういうことが出てくるのであります。これは
申請ですから間違いありません。
それならば、一体
現行の利率はどうなのか、調べてみますと、定期預金の金利は七%、公社債応募者利回りは八・三八とか配当必要率は八・八とかいろいろ出まして、
現行は八・二七六%になります。これが自己資本であります。それから他人資本率は、
内容を省きますが八%になります。したがって、これから出てくる
現行の上
平均の利率は八・〇三であります。こういうことになります。
また、きょうから公定歩合が一%下がります。貯金利子が〇・七五%連動いたします。この〇・七五%の連動、さらに公社債応募者利回りを〇・五%マイナスにした連動、こういうことで自己資本率と他人資本率の報酬率を計算いたしますと七・五五%というものが出てきます。
いま私は三つの数字を申し上げました。
申請は八・五%であります。
現行は八・〇三%であります。もし公定歩合が一%下がって、〇・七五連動間違いありませんが、そうすると七・五五%という数字になります。これによって皆さんの
申請の
事業報酬率を計算をしてみました。
そうすると、
京成は、あなたの方は八・五で
事業報酬額を算定をし
申請しておりますが、これが六十一億六千六百万円であります。これは先ほど申し上げた
現行の八・〇三、
現行の利率にいたしますと、これが五十八億二千五百万円で、三億四千百万円の水増し
事業報酬であります。さらに公定歩合の引き下げ、利下げの連動によってこの金額は一挙に水増し六億八千九百万円になるのです。これは
京成であります。
小田急は、同じような
申請を先ほど申し上げた利率で計算をしてみますと、
現行の利息でも五億一千四百万円の水増し、公定歩合の連動によって十億三千九百万円の
事業報酬率の水増しになる計算が出てきます。
阪急は、同じ計算によって
現行で六億二千五百万円の水増し、公定歩合の連動によって十二億六千二百万円の水増しという計算が出てくるのであります。
こういう計算に基づいて十四社の
事業報酬の
申請が、
現行の利率あるいは公定歩合の引き下げに伴う連動によって一体どういう計算になるか、これを調べてみました、計算をしてみたわけです。
そういたしますと、
事業報酬だけでどういう数字になるか。時間が来ましたからもうやめますが、
申請の
事業報酬は、十四社
合計で、八・五%、千百六十七億九千万円の
申請であります。
現行八・〇三%の利息で計算いたしますと、これは千百三億三千二百万円、差は六十四億五千八百万円であります。公定歩合の連動による利率の引き下げによって、一挙にこれは百三十億五千三百万円にふくれ上がるのであります。こういう計算が成り立つのであります。もし私の主張が間違いならば、間違いと指摘していただいて結構でありますが、時間の関係で、これは
運賃とどういう関連を持つか、こういう点で数字を調べてみました。
たとえば
京成電鉄は、先ほど申し上げましたように、六億八千九百万円の
事業報酬が水増しになるわけでありまして、皆さんが
申請されておる、特に
京成は差し引き損益五十四億八百万円という損益表をお出しになっておる。ここにございますが、これで計算しますと、一二・七%お出しになった赤字が減ってくる、こういう結果になります。したがって、この六億八千九百万円というものを
収入合計から見ますならば、二・八%に当たるのであります。
事業報酬を
現行の利息に連動さしただけで、
事業報酬だけで、
京成は二・八%
申請よりも下げることが可能だ。この計算でいきますと、小田急は二・四%、阪急は二・一%、十四社
平均で二・二%
申請よりも下げることがこれだけで可能だ。まだほかに減価償却、
動力費、配当、いろいろなものがございますが時間の関係でできませんが、
事業報酬だけでさえこういうふうになるのです。
これについて
民鉄の側の御
意見、それから運輸省の御
意見を聞いて、私の質問を終わりたいと思います。