○
森実政府委員 ただいまえさの
管理の問題それから
需給の推移の問題、また日米交渉における経過等各般の御
質問がございました。要点を申し上げたいと思います。
えさの
管理の問題でございますが、現在わが国が輸入しております飼料穀物は千六百五十万トンという規模でございまして、これ以外にいわば配合飼料原料であるトウモロコシ、大豆かす等を加えればもっと大きな量になるわけでございます。これは私が申すまでもなく、外国の農地面積を五百万ヘクタールも六百万ヘクタールも使って
生産されたものが輸入されているという
実態にあるわけでございます。
今日までの状況を見ますとき、確かにいろいろな物の
見方はあるでしょうけれ
ども、アメリカを中心にいたしました
生産力の順調な発展のもとで、きわめて割り安に民間の貿易を通じて入手されている
実態があるわけでございます。これからの
需給の
見方にも
関係してくるわけでございますが、やはりできるだけ割り安な
価格で安定的に輸入を図るということが、飼料穀物政策のこれからも基本ではないかと私は思います。そういう
意味で、やはり各般にわたる施策を講ずることは必要かと思いますが、直ちにこのことが国が
管理をすることをもたらすというふうに
考える必要はないのではないかというふうに思っているわけでございます。
需給の推移でございます。昨年、アメリカの熱波とかソ連の凶作等で一時
価格が高騰いたしました。しかし、昨年の十一月ないし十二月から比較的安定状況にあります。これは南半球の豊作、さらにその後アメリカ等の作付も比較的順調であり、雨もあったこと、さらに申し上げればソ連の買い付けも一巡したこと、そういった状況で、いまは一応落ちついた状況だと思っております。一番新しい状況等を総合いたしますと、特別の天候の変動がない限り、当面飼料穀物の
需給並びに
価格について不安な材料はないというふうに私
どもは見ているわけでございます。
しかし長期的には、やはりいままでのようにアメリカに膨大なセットアサイドの面積があるわけではございませんし、なかなか畜産物の
需要は根強い点がございます。そういったことから、飼料穀物の
需給は逐次タイトな方向に向かってくる、
価格も割り高な状況になってくるということは否定できないと思いますが、また同時にそういった
価格効果を通じて、いままでの直線的ないわば世界的な畜産物の
消費の
拡大、増産ということにも、ある
程度市場なり
価格効果を通じて抑制が働いてくるという面は事実あるだろうと思います。私
どもそういった点から、やはり輸入の安定化努力並びに今後発展途上国の開発努力に対する援助等の措置は強化していかなければなりませんが、当面、特に国が直接介入して飼料穀物の貿易なり
流通を
規制するような状況ではない、このように思っているわけでございます。
日米間の
協議でございますが、昨年の十二月の時点で
協議が行われて、これはすでに公表されているところでございます。まだその後定期の正式
協議は行われておりませんが、頻繁に私
ども情報の交換を行っております。
今日の状況で申し上げますと、飼料穀物の作付面積は大体前年並み、雨量等も比較的いままでは順調である、それからもう
一つは南半球自体が非常に豊作であった、もう
一つは、ソ連へのエンバーゴーは廃止されましたけれ
ども、ソ連自体の買い付けばすでに一巡している、さらに
価格効果もあって多少世界的には
消費が頭打ちになって、むしろ
在庫量もふえたというふうな状況から、比較的安定した状況であるという
連絡を受けているわけでございますし、また昨年の十二月において、私
どもも飼料穀物を初め輸入穀物の輸出の安定化についてアメリカ側に要請をしたところでございますが、これについてはアメリカ側も基本的にわが国の立場を十分尊重して、安定販路としてのわが国の市場を重視する旨を明らかにしているところでございます。