○島田委員
局長、果たしてそうでしょうか。私はどうもいまお述べになっている点については反論があります。疑問なしとしません。
たとえば、面積に大分浮動があったというお話でありますが、しかし、少なくとも四万二千ヘクタールまで落ち込んだとき以降ここ数年の傾向を見ますと、着実に面積がふえています。それは予想もしないハイペースで伸びているのですね。そのファクターは何か。いろいろありますが、最も大きな影響を受けたものは減反政策ですね。米の減反政策によるビートヘの転換、これは第一の要因として挙げることができるだろう。
政府が今後減反はやりません、こういうことならいまおっしゃったような面積の浮動というのは
考えられると私は思います。しかし、恐らく第二次減反はいまのまま三年間固定して進めるわけですし、第三次の減反だって腹の中ではすでにお
考えでしょう。どこにも逃げようがない、北海道では。まずビートに着目するでしょう。現在の面積がそれを裏書きするように、昨年六万四千八百ヘクタールがことしはすでに七万ヘクタールになろうとしている。これはそれを裏書きして余りあるものがあるのではないでしょうか。
また、
価格の変動ということをおっしゃいますが、国際的な
糖価の動きを見ても、確かにサイクルはありますよ。しかし、それは
水準が確実に上がっているのですね。下がっているということではない。最近の
糖価の動きを、国際的にも
国内的にも一過性と見るか構造的に見るかという見方の違いはあると思います。しかし、ロンドン相場にしても一般
砂糖相場にしても、確実に
水準は上がっているのですね。下がるという要素はそんなにない。しかも先ほど冒頭で国際的な
砂糖の在庫のお話がございましたが、ここ数年まだ厳しい状況にあるだろう。こうなりますと、
糖価は一定
水準をたどるということは予想にかたくありません。
国内的にもそれの影響を受けるということは当然であります。いまの
価格メカニズム制度というものがある限りそれは連動するということになるわけでありますから。
そうしますと、面積は減る要素はない、
価格も大体こういう
水準でいくだろう、こう見てまいりますと、ビートというものは注目、脚光を浴びるのは当然であります。ですから、面積がうんと減るだろう、単収も減るだろう、こういう予測を立てて
砂糖政策をお立てになるとしたら、根本のところが誤りを犯してしまうということになりはせぬか、こういう
考え方を私は強く持っています。
いま
国内の
砂糖の状況をこうやって長々論議をいたしますのは、今度のいわゆる
合併に伴うところの
事業団の持つ意味と性格に非常に大きくかかわっているからであります。もちろん私は、前提として今後も
事業団の機能が現状をいささかも下回るようなことがあってはならないし、むしろ大事な
砂糖部門を担当してひとつしっかりやってもらわなければならない、その
基盤づくりというものが必要だ、その基盤をやはり正確に見通しておくことが必要だ、こういう立場に立って内外の情勢を
お尋ねをしているわけであります。
しかし、
局長と私の
考え方あるいは将来の見通し等についてどうも大きく食い違うようであります。これではどうも私は
砂糖の問題を取り扱う上で心配でなりません。まあきょうは
事業団法の質疑でございますから、余り長く生産のところでとまっているわけにはまいりませんが、しかしそこのところは、やはりいまのようなお
考えでこれからの
砂糖をお
考えになるとしたら、これは大変だなという気を私はいまの質疑を通して強く持ちました。この辺はぜひひとつ正確な判断と見通しをお立ていただきたい。そうでないと、生産をしている者、
砂糖をつくっている者も、それを預っていく
事業団の立場におられる人々たちも困っちゃいますね。混乱してしまいます。その辺の見通しというものがそういうことでは、どうも私は安心してこれから
砂糖を
農林省にお任せすることができないような気が実はいたします。
そこで、もう
一つ問題がございます。
国内の
沖繩と奄美につきましては生産が必ずしも
考えているほど着実に伸びているという状況にはないようでありますが、いま申し上げましたように
国内産糖の大宗を占めると言われるビート糖がこのようにハイペースで伸びております。先ほ
どもお話にありましたが、少なくとも
国内の産糖量は七十万トンを超える。これは間違いありませんね、もう現在でも七十一万一千トンという産糖量になるわけでありますから。そういたしますと、全体の需要量というのは、先ほどお話がありましたように
国内の一人当たりの消費量というのは残念ながら計算上は減っているようであります。しかし、
砂糖を摂取してないのではない、甘味を摂取してないということではなくて、それは何らかの形でお菓子にかわったりあるいは異性化糖にかわったりといったような
部門で数字的には移動があるようでありますけれ
ども、しかし総体的にはそんなに大きく需要量が減っているという
状態ではない、こういうふうに見ることができると思うのです。
つまり総体の需要量というのは少なくとも三百万トンのところの前後で推移をする。また、こうやって見てまいりますと、先ほ
どもお話にありましたが、大体四十四年以降そんなに大きく需要量の数字は変わっておりません。ちょっと申し上げますと、四十四年のころで
砂糖の総体の需要量が二百七十三万トンでありました。現在が二百八十七万トンということになると、その中間においても三百万トンを超すという
状態も高度経済成長の時期にはありましたし、そんなに大きく需要量は減っておりませんね。そういたしますと、
国内の
砂糖の生産量がどんどん伸びてきて、需要量がそんなに変わらないとすればどこが減るのか、こういうことになります。当然大半を輸入に依存しているわが国の
状態でございますから、輸入のところで数字的な調整がなされるという結果に相なるわけであります。
しかし、御存じのように、精
製糖業界におきましては、やはり一定の量というものをこなしていかなければならない状況にいま置かれているということを
考えますと、
国内産糖がどんどん伸びていく、自給率が高まるということは
政府の方針でもあり、また私
ども強く主張してきた点でございますから、全体のキャパシティーが変わらないで
国内産糖が伸びれば、輸入糖が減るというのはやむを得ないことではあるのですが、この辺のところの調整というのはなかなかむずかしい側面を持っている。単純に、伸びてきたから片っ方が減るのはいたし方ないということで済ませられる問題ではないわけですね。たとえば精
製糖業界においては、多数の設備投資をし、そしてまた多くの労働者を抱え、それぞれそこで生活をしているわけです。そういう点を
考えますと、やはりここで何らかの
一つの
方向というものを示していかないと、全体の
砂糖政策ということにはならないだろう、こういうふうに私は
考えているのであります。
そういう点については、先ほどの生産の
段階における見通しと同じように、
砂糖の精製の
部門においても一定の見通しを立てておかなくてはならないと思うのですが、この辺はどのように御理解をされているのか、あるいは見通しをされているのか、これをひとつ
お尋ねをしておきたいと思うのです。