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野間委員 しかし、それぞれの国においてそれぞれの特性があるわけでしょう。だから、たとえば
土地が狭隘だからだめだとか、あるいはコストが高くつくからだめだ、こういうふうになりますと、結局いま世界の大半の
食糧を輸出しておるアメリカ、これ並みでなかったらだめだということになるわけですね。ですから、逆の観点から見ますと、ではもう
日本の
農業はなくなったっていいじゃないか、これはそんなことは言いませんけれ
ども、極論すればそんなところにいくのじゃなかろうか、私はこう思うのですね。世界各国を見ましても、それぞれの国がそれぞれの英知を集めて創意工夫しながら
自給率を高めていく、こういう
政策をずっととっておるわけですね。
これは私が申し上げるように、
政策的に誘導しなければ、なかなか急激に思うようにはいかないし、また長い間の積み重ねがこうなるわけでありますから、やはり投資な
どもそういう長い目でいろいろな点を掘り下げて
考えて、そしてもっといいものをつくらなければ、これでは非現実的だというようなことで突っぱねるということではどうにもならないのではなかろうか、こういうふうに思わざるを得ないのです。
特に、私は、鈴木総理が
所信表明の中でも言われておりますけれ
ども、一九八〇年代は二十一世紀への足固めだ、こう言われておるわけですね。そういう点からしても、
長期の
展望の上に立って検討されなければならない。特に
見通しや
答申等について見ましても、前のものが五年ですでに改定、
大臣、そうですね、わずか五年たってもう今度また改定したわけでしょう。私、いろいろな数字を見比べてみましたけれ
ども、わずか五年しかたってないのにかなり数字をいじくっていますよね。五年しかたってないのにいじくらなければならぬ、これでは大変心もとない感じが私はするわけです。
大臣は、よりよいものをいつでも
努力し、工夫し、
改善していくのにはやぶさかではないというような答弁をされましたけれ
ども、ぜひその点をこれからも取り入れていただいて、
自給率を高めるために御
努力をお願いしたいと思います。
関連して、いわゆるワイズメンの提言ですが、これがあります。これはたしか本
会議席上において鈴木総理は、高く評価しこれを具体化することを命じた、指示したということでしょうか、こういう答弁をされております。つまり、提言そのものが非常に評価が高いということ、これをやはり具体化する必要がある、そして各関係にこれを指示したのだというようなことが言われておりますけれ
ども、この中で
農業の問題をとってみましても、私はなぜ高く評価をしなきゃならぬのか非常に不思議に思うわけであります。
しかも、この日米賢人
会議というのは、これは単なる民間人の勝手な発言ではない、それぞれの
政府に対して物を申しておりますし、この中にはいろんな、要するに
政府と関係の深い人がそれぞれ入っているということはすでに御案内のとおりであります。この中でも「
日本の
農業が現在もまた今後も当分の間、貿易自由化への圧力の対象となることは明白」だ、こういう記載もありますし、
日本の
自給率を高めることは非現実的というか、「
日本の
食糧政策の重点が特定水準の自給自足率の確保から、より柔軟性をもつ
方向へと移行することが望ましい。」こういうような提言がされておるわけですね。
こういう点からいたしますと、
食糧の問題についても、いま以上に貿易の自由化、これをさらに
日本の門戸を開放してどんどん入れる、入れるためのひとつ条件をつくれというようなことが提言にあるわけでありますけれ
ども、こういう提言をどうして鈴木総理が高く評価されるのか。事
農産物、
農業問題について、
農林大臣はどのようなお
考えを持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。