○藤井政府
委員 実は人事院といたしましては、定年制に関する意見を申し述べました際に、事は定年だけの領域でとどまるものではないのであって、これは広範な領域に及ぶものである、したがいまして、これを契機として任用制度、
給与その他の勤務条件、研修制度、また退職後の生活設計に関するいろいろな配慮等を含めまして、長期的な対策を並行して
検討する必要があるということを申し述べました。
それと、昨年、御
承知のように
給与勧告をいたしました際の
報告に、
目的は同じでございますが、その理念といいますか、発想といたしまして、若干次元が異なりますが、
一つの提言といいますか、われわれの決意というものを申し述べております。それは戦後における新しい公務員制度が導入されて三十数年を経過するということに相なっておるわけであります。その間いろいろな経緯はございましたが、民主的、能率的な公務員制度として、わが国の社会に定着をして今日まで来ておって、その点は全般的に
相当程度の評価を得ておるものであると考えておりますけれ
ども、また他面、その間における社会、経済情勢の展開、変化というものは大変目まぐるしいものがございまして、先刻来もいろいろ御
指摘、御
論議がございますように、わが国における顕著な高年齢社会あるいは高学歴社会、そういうものを中心にいたしまして大変な変動が起きてまいっております。こういうものを背景にいたしまして、三十年を経過したこの公務員制度全般について掘り下げた再
検討をしていく必要が生じておるのではないかという認識に実は立っておるわけであります。事柄は大変広範でございますが、人事諸制度に関連のあるすべての項目、すなわち任用、
給与その他の勤務条件あるいは職員の福利、厚生、その他万般の問題について掘り下げて
検討をしていく必要性があるということを
指摘をいたしたのであります。本年度から予算措置も講ぜられてその柱が立ちましたこともございまして、本格的な調査にかかっております。今後鋭意
作業を続けてまいりまして、できるだけ早く、いまもお話がございましたように、定年制が実施される時期とのにらみ合わせについてよく考慮しながら、この問題に精力的に取り組んで、
結論を得次第その具体化についていろいろ発言も申し上げ、また御
審議をいただきたい、かように考えておるわけでございます。