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亀岡国務大臣 総理から各省八ないし一〇%の整理をするようにというような話は、私は全く聞いたこともありませんし、指示を受けたこともございません。どこからどういうふうになって新聞記事になったのか、私ら自身も実は驚いておるところでございます。臨調の
答申もないのにそういうことが言われるはずがない、行管長官なんかもそういう感じを述べておられるようでございます。しかし、先ほど行管から
説明のありましたような線で、鈴木内閣としては歳出の削減をし、そして予算
編成をする、機構を整理をして来年度の予算を
編成をする、こういう方針を決めておるわけでございますので、内閣として、私
どもも省を挙げて協力をしていかなければならないという決意を持っておる次第でございます。いま角屋委員からも御
指摘のありましたとおり、農林
関係はいろいろな面で財界からの提言あるいは賢人の提言、何々の提言といったように厳しい批判を受け、しかも過保護であるとかいろいろなことを言われる中で、
食糧の供給を黙々として続けてきておるわけでありまするし、適宜適切な
輸入によって本当に
食糧に対して
国民に心配をかけたことのないような
体制をつくってきておる
農林水産省という自負もあるわけでございます。特に私は声を大にして閣議でも何でも言い続けてきておりますことは、とにかく
日本のいわゆる土地基盤の
整備、
先進国では土地基盤の
整備等は百年、二百年前からもう推進されてきておるわけでございます。
日本の場合は戦後基盤
整備らしい措置がとられてきておる、こう言っても過言ではないと思うわけでございます。したがいまして、先ほ
ども議論のありましたとおり、土地改良、
農業基盤の
整備等はまだまだやらなければならぬところが非常に多く残っておる。
農村の環境
整備も進んでおらないというような、そういう中で、しかも
農業の近代化あるいは
生産性の
向上の
立場から見た規模
拡大の推進というような点もこれからである。しかも去年
国会から
食糧自給力強化の
決議をちょうだいをしておる。これによってこれからの十年間の
長期見通しを立て、「八〇年代の
農政の
基本方向」を
答申をいただいて、これからだ、こういうことで全国農民にも厳しいこの国際
情勢の中で、もう乳価も据え置き、あれもこれも据え置きといったような厳しい要請を
農家の方々に示して協力をいただいておるという、こういうさなかに、しかも農林省百年目というときに、この厳しい行政改革を断行しなければならないというわけでございます。したがいまして、これはもう何としても私としては、少なくとも五十六年度の事業費をどんなことをしても下ってはいけないなというような感じがいたすわけでございます。そんな器用なことができるかという御疑問を持たれる方がおるかと思いますけれ
ども、そういう点にいろいろな知恵を出せないものだろうかということで、省内で鋭意
検討をいたしておるところでございます。
したがいまして、私はもう過保護というのは、大変広い農林水産行政の中の一部分をとらえてみれば、あるいは過保護になっておるということがあるかもしれませんけれ
ども、
農政全般としては非常に厳しい中から
生産者、消費者の要請にこたえて
農政を推進しておるという確信も持っておるわけでございます。したがいまして、やはり
農家の協力も理解も得られるような筋の通った第二臨調の中間
答申がなされるもの、こう確信をいたしておるわけでございます。