○柳谷
政府委員 お答えいたします。
最初の御質問は、定員の問題であったかと思います。いま御質問のすべてのことにつきまして、一般的に昨年の内閣
委員会で与野党
一致で御決議をいただきました。また内閣
委員の方が在外を視察していただきまして、貴重な御示唆をいただきました。それらを踏まえまして、私
ども昨年度の予算編成に当たってはできるだけの
努力を払ったつもりでございます。いま御質問の点は、そのような
努力がどういうふうに具体的にあらわれているかということの関連でのお尋ねかと思いますけれ
ども、定員につきましては、五十六年度予算において百十五名の増員を得ております。ただし、削減がございますのでいわゆる純増ベースで見ますと八十名ということになっております。これは私
どもとしては、私
どもが抱えている最小限の目標ということから言いますと、決して十分満足できるものではございませんけれ
ども、現在の厳しい定員事情の中で財政当局、行政管理当局が相当な配慮をしてくださったということは評価をしておりますので、これは息の長い問題として五十七年以下降引き続き
努力をしていきたい、こう考えておる次第でございます。
それから、
在外公館職員の態度のことについて御指摘をいただきました。私
どもは、
在外公館における特に領事事務でございますが、その他いろいろな用務を持って
在外公館を訪問される方も多いわけで、こういう方についての応接態度あるいは現地事情についての十分な御
説明等に遺憾なきように、昔から機会をとらえてはいろいろ教育、指導をしているつもりでございます。いま不親切ではないかという御指摘がございました。最近もちょっとそういう
新聞投書がございましたが、早速調べてみましたら、これは事実無根でございまして、ああいう投書はフェアでないという現地
日本人会からの声がまたすぐはね返ってきたのでございます。あの部分については事実に相当しないわけでございますけれ
ども、これは公館職員、それ以上に現地職員も含めまして、窓口の応接態度が非常に誤解を招きやすいこともございますので、この点については繰り返しその辺の教育、指導を続けていきたい。百人中九十九人が誠意を持って全力を払ってやりましても、一名そういう者が出まして、それが全体のように思われては非常に遺憾であるということで、心していきたいと思っております。
それから、在勤期間の点の御指摘でございます。これは私
どもつとに、短い勤務では十分勤務が果たせないということで、実は定員の状況との関連がございまして、定員が不足している間はどうしても次の任地へすぐ回さなければならないというやや自転車操業的な人事をやってまいりましたので、過去においては二年あるいは二年を若干超える程度でございましたけれ
ども、近年非常に
努力した結果、最近では平均いたしまして大体二年七カ月というところまで来ているわけでございますが、三年ローテーションというのを
一つの制度として打ち立てたい。特に瘴癘地に三年在勤するためには、諸外国が行っておりますような健康管理休暇とかその他の医療施設等々を一層完備する必要が別途あるわけですけれ
ども、そういうものと相まちまして、目標といたしましてはなるべく早い時期に、全部とはいかないかもしれませんけれ
ども、原則三年という方向に持っていき、さらに専門家につきましては四年、あるいは同じ任地に再度赴任せしめるというようなことで、御指摘のような任地における人脈づくりとか相手国に食い込むというようなことに一層の改善を図りたいと思っております。
それからもう
一つは、在外の職員のうち特に六号俸以下の職員の手当が不十分じゃないかという御指摘でございました。この点は、在外
給与法の第五条の規定に従いまして
在勤基本手当を定めているわけでございます。この在外
給与法によりますと、「
在外職員が
在外公館において勤務するのに必要な衣食住等の経費に充当するために
支給されるものとし、その額は、
在外職員がその体面を維持し、且つ、その職務と責任に応じて能率を充分発揮することができるように」云々、これが基準になっているわけでございますので、幹部職員と若手の職員との間には上下格差というものがある程度存在するのはやむを得ない、当然のことだと思っております。
日本におきまして管理職者と入省早々の方との
給与の差は一対七とか一対八とか聞いておりますけれ
ども、在外におきましては、大使と新入職員の格差はたしか一対三ぐらいになっておりまして、私
どもは、現在の格差は大体において妥当なものでないかというふうに考えております。