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1981-04-23 第94回国会 衆議院 逓信委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年四月二十三日(木曜日)     午前十時五分開議  出席委員    委員長 佐藤 守良君    理事 伊藤宗一郎君 理事 加藤常太郎君    理事 畑 英次郎君 理事 堀之内久男君    理事 阿部未喜男君 理事 鈴木  強君    理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君       秋田 大助君    鴨田利太郎君       川崎 二郎君    近藤 元次君       白川 勝彦君    長谷川四郎君       吹田  愰君    森  美秀君       久保  等君    武部  文君       楯 兼次郎君    米田 東吾君       鳥居 一雄君    小渕 正義君       藤原ひろ子君    村上  弘君       依田  実君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 山内 一郎君  出席政府委員         内閣官房内閣審         議室長     石川  周君         大蔵政務次官  保岡 興治君         郵政政務次官  渡辺 紘三君         郵政大臣官房長 奥田 量三君         郵政省郵務局長 魚津 茂晴君         郵政省貯金局長 鴨 光一郎君         郵政省人事局長 岡野  裕君  委員外出席者         大蔵省銀行局総         務課長     北村 恭二君         逓信委員会調査         室長      芦田 茂男君     ――――――――――――― 委員の異動 四月二十三日  辞任         補欠選任   福永 健司君     近藤 元次君   森山 欽司君     白川 勝彦君   木下敬之助君     小渕 正義君 同日  辞任         補欠選任   近藤 元次君     福永 健司君   白川 勝彦君     森山 欽司君   小渕 正義君     木下敬之助君     ――――――――――――― 四月二十二日  身体障害者に対する郵政行政改善に関する請願  (神田厚君紹介)(第三四四五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法  律案内閣提出第六二号)      ――――◇―――――
  2. 佐藤守良

    佐藤委員長 これより会議を開きます。  郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米田東吾君。
  3. 米田東吾

    米田委員 為替法並びに振替法の一部改正に関連して、冒頭に大臣に二、三御質問を申し上げておきたいと思います。  大臣も御承知のように、けさ未明でありますけれども公労協関係の春闘の賃上げのストライキが、公労委調停委員長見解をもちまして、幸いに労使これを受け入れられまして妥結を見ることができたわけであります。非常に私どももほっとして喜んでおるわけです。この委員長見解をこれから仲裁というルールに乗せまして、最終的に政府もあるいは労働側もこれを受諾する、あるいは拘束を受けるということになると思うのです。  問題は、したがってこれから政府部内のこの委員長見解処理で、場合によってはまた国会予算上、資金上の関係処理という問題が起こってくるわけであります。このことがまた非常に重要な問題になろうかと思います。  そこで、大臣にこの際お聞きしておきたいのでありますけれども郵政省におきましても、この委員長見解実施につきまして万全の準備がこれからなされると思うのでありますけれども、昨年のような事態がないように、ひとつ誠意をもってこの実施努力をされまして、速やかに円満にこの問題が最終決着できるように、大臣の判断と指導が必要だと思うのであります。この公労協賃上げ妥結に当たって、この際大臣から、いま申し上げましたような点を含めまして所信をまずお伺いしておきたいと思います。
  4. 山内一郎

    山内国務大臣 昨夜遅く公労委委員長見解が出まして、まだ政府部内ではそれに対する協議というものは一切行われておりません。しかし毎年の例からいきまして、仲裁裁定が出て、それを政府がどういうふうに扱っていくかという段取りになることは、もういまお話しのとおりでございまして、私といたしましては誠意をもってこれらに対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  5. 米田東吾

    米田委員 いま大臣お答えがありましたように、ひとつ誠意をもって円満に、しかも速やかに決着がつくように、ぜひ大臣の一層の指導努力をお願いしたいと思っております。  なお、かりそめにも、予算上、資金上云々で昨年苦い経験をしているわけでございます。われわれは、見方によっては仲裁裁定実施多分に政治に利用されたという見方すらしているわけでございます。したがって、実施が大変おくれたという経過もございます。特に、郵政省にとりましては、最近両者努力によりまして労使関係というものは非常に改善されておるわけであります。しかもそういう中で、郵政省自体国民に負託されておるサービス改善、あるいは貯金関係、保険関係含めまして大衆のニーズにこたえてサービスを拡大していかなければならぬという問題が山積しておるわけであります。したがいまして、郵政省がまたそうした内部の事情に反するような処理にならないように、これはぜひ大臣からひとつ配慮しておいていただきたい。実はきょう職員局長も来てもらおうと思ったのでありますが、昨晩遅かったようでありまして、ひとつこれは大臣から、事務当局を含めまして、指導よろしきを得ていただきたいということ、もう一回御答弁いただきたい。
  6. 山内一郎

    山内国務大臣 最近は労使関係が非常によくなっておりまして、大いに働いていただいておるわけでございますので、そういう点も、使用者側にとっても十分今回の問題についても考慮していかなければいけないということは考えておるわけでございます。  そこで、まだ全然財政当局との話もやっておりませんし、ゆうべのいまでございますので、御趣旨の点は十分にわかりましたので、最大努力をさせていただきたい、こう考えておるわけでございます。
  7. 米田東吾

    米田委員 はなはだくどいようでございますけれども、もう一点、実はあなたの所管に電電公社全電通労働組合との問題の解決も含まれておるわけであります。昨年は特に電電関係に非常に問題があったということで、国鉄と電電国会におきましては議決案件として処理をされるというような事態にもなったわけであります。ことしはそういうことはないと思いますけれども電電公社全電通との関係はまだ公労委を経ておらないようでありますから、自主交渉が進められている段階だと思いますけれども、いずれにしても山を越したし、めどはもう委員長見解で出されておるわけでありますから、大体この線に沿って収拾されるものと確信します。したがいまして、この実施につきましても同様、ひとつ大臣の高い配慮を要望しておきたいと思いますが、いかがでございますか。
  8. 山内一郎

    山内国務大臣 全電通についても、もちろん私は、本当にいろいろ働いていただいておりますので、さらにこの労使の協調の程度を高めてまいりたい、こういう気持ちでいっぱいであるわけでございます。それに対しましては、もちろん今回のベースアップということについても重要な要素でありますので、郵政と同様に、ひとつ最大努力をさせていただきたいと思っておるわけでございます。
  9. 米田東吾

    米田委員 ぜひひとつ御要望申し上げておきたいと思います。  次に、この法案の関係に入るわけでございますけれども、最初に聞いておきたいのは、この為替振替法律改正と不可分の関係を持つと思うのでありますが、郵便貯金関係につきましてこの際若干お聞きしておきたいことがあるわけであります。  第一点は、いま内閣で進めていらっしゃる金融懇審議の現況、それから、これからどういう経過を経て、答申のめどもほぼ示されておるようでありますけれども、これから審議を経なければわからぬわけでありますから、大体どんな方向金融懇意見がまとまって答申にこぎつけるのか、今後の問題につきまして、この際ひとつ現状を聞かせておいていただきたい、こう思っております。
  10. 石川周

    石川(周)政府委員 金融分野における官業の在り方に関する懇談会はいままでに五回開催されております。主として関係省庁関係団体等からのヒヤリングということで、どこにどういう問題意識があるかということを幅広く事情聴取をしているという状況でございます。  これからの段取りでございますけれども、私ども承っておるところでは、しばらくヒヤリングを続けまして、八月末までには何とか意見というようなものを取りまとめ、総理に御報告がいただけるのではないか、このように理解いたしております。
  11. 米田東吾

    米田委員 この総理大臣諮問機関である俗称金融懇は、その発足の経過からいたしまして、多分郵便貯金制度について、あるいは金利について、あるいはその商品となるべき内容等につきましても広く議論をするという性格を持っておるようでございます。そういうところからいきますと、ことしの三月以来五回ほどなさっていらっしゃるそうでありますけれども、大体どういうところから意見を徴して、ヒヤリングを受けていらっしゃるのか、これからはどういうところを呼んで聞こうとされるのか、わかりましたらその点をひとつ聞かせていただきたい。
  12. 石川周

    石川(周)政府委員 いままでヒヤリングをさせていただきましたところは郵政省大蔵省、それから中小企業団体の役員の方、消費者団体労働団体方々、それから全銀協、生保協会、農中、相銀、信金という金融機関方々でございます。それから、これからヒヤリングをお願いする予定にいたしておりますのは、経済企画庁、日本銀行、経団連、それから学者の方々にも一、二名お願いをする予定にいたしております。それからさらに再度郵政省大蔵省からもいろいろお話を承りたいという先生方の御意向が示されております。
  13. 米田東吾

    米田委員 広く意見を徴することは結構でございますから、ぜひひとつこれはなさっていただきたいと思うのでありますけれども、いまお聞きしました限りにおきましては、ちょっと感ずるのは、特に郵便貯金というものを俎上にのせてのいろいろな意見交換がなされるわけでありますから、やはり郵便貯金利用者の声といいますか意見、こういうものを徴することについてもひとつ十分な配慮が必要だと私は思います。いまお話し段階では消費者団体労働団体、二つございましたけれども、これらも含めまして、いまのお答えでは多分業界あるいは市中銀行、大手の銀行あるいは役所、信用組合農協関係等中心のようでございまして、預金者の生の声を徴するというような配慮に欠けているような感がするわけでありますけれども、この点は今後補充されますかどうですか。
  14. 石川周

    石川(周)政府委員 どういう方々からヒヤリングをしたいというのは、私ども事務局で選定したわけではございませんで、先生方の御希望でございますので、いま先生からそのような御感想がございましたのは、委員方々に私から御報告、お伝え申し上げたいと思います。ただ私ども事務局立場から見ております限りの感じといたしましては、やはり消費者団体中小企業労働団体、それぞれ郵便貯金利用者であろうと思いますし、そういう声が全くないというふうにも理解しておりません。しかし、先生お話報告申し上げます。
  15. 米田東吾

    米田委員 全くないとは言っておりません。配慮はしているとは思いますし、現にいま答弁された中にも入っているようであります。ただ、市中銀行とか、都市銀行とか、あるいは信用組合とか、農協とか、金融の面では相当きめ細かく配慮して意見を徴するということがなされておりますけれども利用者立場からという観点で見ますと、少しまだ足りないんじゃないかという感じがしたものでありますからいま申し上げたわけであります。なお、これは委員のメンバーの先生の御意向ということにたてまえはなりましょうけれども、やはり事務当局のいろんな計画あるいは提言というものも大きなウエートを占めておるのだろうと思いますから、あなたの方でもひとつそういう配慮をしていただきたい、こういうふうに思っておりますが、よろしゅうございますか。
  16. 石川周

    石川(周)政府委員 この懇談会は、先生承知のように当初から非常にデリケートな問題、性格を含んでおりまして、事務局はできるだけ御意見を申し上げることを差し控えておりますので、先生方の御意向というものを中心に運営させていただいております。
  17. 米田東吾

    米田委員 いま申し上げたことはひとつぜひお伝えください。  それから、この郵貯懇郵政省としてはもうすでに一回意見聴取されているようでありますし、これからももう一回ぐらいあるといういまの答弁でございますけれども郵政省としては、その主張はほぼ尽くされておるのか、また今後どのように主張されようとするか、できたらひとつこれも聞かせていただきたい。
  18. 鴨光一郎

    鴨政府委員 二月十八日の金融懇の会合におきまして郵政省考え方を述べました。その内容は、わが国におきまして金融をめぐる経済環境が変化をしてきている。個人金融活動の一層の充実が今日重要な政策課題となっている。それからまた、金融懇におきまして郵便貯金のみを取り上げるのではなく、金融制度の各般にわたって国民的視点から幅広い検討が必要であるということを基本に据えまして、預貯金金利あり方、これは現在の決定方式が最も適切であるというふうなこと、あるいは公的部門における資金運用等あり方につきましては、資金が集まったということが問題ではなくてむしろその配分に問題があるというふうなこと、それから金融分野におきます官業民業あり方につきましては、官業であると民業であるとを問わず、金融機関というものは預金者立場に立って国民の福祉の増進、経済社会の発展に資するという観点が重要であるといったことを、概略で申し上げますと以上のようなことになりますが、郵政省主張として申し述べてございます。  ただ、先ほどお話ございましたような次の機会がございます。これまでいろいろ、大蔵省を初め民間の諸団体といったところからの御意見も出てきております。したがいまして私ども、この次の機会におきましては、当然そういった関係の向きの御意見等をも踏まえて、さらに幅広く私たちの主張を申し述べたい、そして金融懇におきまして郵政省考え方を十分に御理解をいただきたいということを望んでいるというところでございます。
  19. 米田東吾

    米田委員 ずばり言って、議論はこれからだということになりましょうが、いままで私どもがいろいろ仄聞するところによりますと、郵便貯金、特に定額貯金、この見直しという観点一つポイントとして言われておると思うのです。それから金利一元化郵便貯金金利が高いという観点でのいろいろな議論一つポイントになっておるやに聞いておるわけです。そういう点に対して金融懇自体はこれからの議論が展開されるわけでありますから、まだどういう方向結論づけられるかわかりませんけれども郵政省としては、これらの問題につきましては十分資料をそろへ、そして預金者立場に立った公正な主張をなされるべきだと私は思うのでありますが、これらの点について、どうですか、PRが少し足りないのではないでしょうか。いかがですか。
  20. 鴨光一郎

    鴨政府委員 PRが足りないのではないかという御指摘でございますけれども、私どもも精いっぱい郵政省立場というものをあらゆる機会をとらえて主張をし、あるいは理解を求めるということで努力をいたしております。ただ、正直申しまして、私ども主張に対する十分な御理解が得られているであろうかという点については、危惧をいたしているところでございます。なお今後とも一層の努力をいたしたいと思っております。  先ほど前段で御質問のございました定額貯金見直しという点につきましては、ただいままでのところでいろいろ民間サイド等から言われております議論ポイントは、郵便貯金の急増の原因が定額貯金にある、採算を重視する民間としてはそういった商品の取り扱いが困難である、そういうことで、定額貯金商品内容を見直すことによってシフトを防止すべきだ、こういうふうな主張があるように思います。この点に関しましては、国民ニーズに反する、いわば預金者不在議論であるというふうにわれわれ考えております。郵便貯金といたしましては、全国あまねく公平にサービスを提供するという義務の中で、民間では経営の成り立たない地域においてもサービスを提供しているという不利な条件もございます一面で、経営努力によって経費率を低くして効率的な経営の中で定額貯金のような商品を提供しているということでございます。  それから金利一元化の論議につきましては、その一元化すべきであるという考え方ポイントは、金利決定一元化していないと金融政策機動性が阻害される、特に短期資金性格が強い営業性預金と長期かつ安定的資金である個人貯蓄性預金とを区別することなく金利の変更を行うこと、それから金利金融当局が下げたいときに下げられるようにするといったことのために、金利決定一元化しようというふうな主張と受けとめております。しかし現在の、先ほども申し上げましたような形で、つまり預金者保護立場から決定されるものと、主として金融業界産業界立場から決定をされるものとが併存をしておる、そして両者状況に応じて調整され、結果的に国民全体の利益が擁護されるという現在の金利決定方式は適切なものであるというふうに考えております。もしこれが変更されるようなことがございますと、預金者保護の機能が失われてしまうことになるのではないかということでわれわれの考え方基本的に固めているというところでございますが、なお、そういった点についての国民的な御理解を得られるべくこれからも最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
  21. 米田東吾

    米田委員 わかりました。金融懇のこれからの議論、それから中身が問題でありますけれども、これは本委員会委員先生を呼ぶわけにもなかなかいきませんし、また、議論はこれからという段階でもありますから、これ以上深く申し上げてもどうかと思います。ただいま貯金局長が答弁されましたように、この問題は実は逓信委員会では、郵便貯金をいかにして国民のものにするか、利用者預金者立場を守るか、そういう観点でもうずっと一貫して議論してきている問題であります。大体いま局長が答弁されましたような趣旨はほぼわれわれの議論の中で一貫して筋として流れておる。言葉をかえますならば、逓信委員会議論そのものを受けられたような内容になっていると私はいま聞いたわけであります。ひとつ確信を持って、私は今後もそういう主張を堂々と公正に金融懇に反映するようにぜひひとつ努力をしていただきたいし、特に大臣にもそのことをお願いしておきたいと思っております。  なおもう一つ郵政審の中にこの貯金問題を含めまして一つ特別委員会が設けられて、これも大分審議が進んでいるように聞いているわけでありますけれども、その方はいまどんな状況になっておりますか、これからどうなるか、ちょっとお聞きしておきたい。
  22. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵政審議会でございますけれども、昨年の十一月に開かれました郵政審議会におきまして、郵便貯金をめぐる問題等を踏まえて、郵便貯金役割りといったものについての郵政省考え方を主体的に確立すべきだという御意見をいただいておったところでございます。私どもといたしましては、そういった御意見を受けまして、実はことしの一月に郵便貯金の今後果たすべき役割りということにつきまして、郵政審議会に御意見を聞くために御諮問を申し上げたわけでございます。その中で郵便貯金基本問題特別委員会というのが設けられまして、鋭意審議が行われております。  これまでの状況でございますが、各界参考人からのヒアリングを含めまして、これまでに七回の会議が二月五日以降開かれております。その中では、個人貯蓄性預金である郵便貯金にふさわしい金利あり方あるいは資金運用といった問題を初めといたしまして、経済社会の変動に対応した郵便貯金の今後果たすべき役割りについて総合的な検討をいただいているところでございます。審議の期間といたしまして、私どもおおむね一年間という予定をいたしておりますけれども、緊急のテーマ、当面の大きな課題でございます郵便貯金金利あり方、それと資金運用あり方、こういったことにつきましては、委員先生方からも強い御意見が出されたこともございまして、七月ごろまでには中間答申をいただけるものというふうに考えているところでございます。  なお、七月までの間、五月には、さらに日銀、労働界といったところのヒアリング、あるいは金利資金あり方につきましての引き続いての御審議といったことが予定をされているところでございます。
  23. 米田東吾

    米田委員 いまここでこのような質問をするのはまだちょっとどうかなと思いますけれども、心配になりますのは、大臣金融懇結論郵政審結論が、たまたま一致すればいいけれども相反するような結論になったときに一体どう調整されるのでしょうかね。これは私、あり得るような気がするわけなのでありますけれども、その場合に、法律に基づく郵政審結論が尊重されるべきなのか、あるいは総理大臣という高い地位の人の私的諮問機関金融懇答えというものが尊重されるべきなのか、あるいは足して二で割るような調整がなされるのか。いずれにしてもこれはちょっと気がかりになる面でありますけれども、これについてはどういうふうにわれわれ理解しておったらいいのか。大臣からもちょっと聞きたいし、なお内閣の方では恐らくそういう観点でも検討して、その場合どうするという方針なんかもあるいは議論されているのじゃないかと思いますし、準備があるのじゃないかと思いますから、室長の方からも見解の持ち合わせがありましたらひとつ聞かせておいていただきたい。
  24. 山内一郎

    山内国務大臣 いま金融懇郵政審議会両方におきまして、郵便貯金並びに一般の官業あり方官業民業金融界におけるあり方について御審議をしていただいている最中でありますけれども、従来から郵便貯金というのはいろいろと長い伝統もございますし、これは庶民貯金である、こういうところから、庶民皆さん方貯金をどうやって保護し、利益を増進していくかということがずっと長くやられているわけでございます。  ところが、昨年郵便貯金がふえたというようなことからいろいろと問題が出てきたのでございますけれども銀行側の方から言わせると、銀行というか民間金融業界から言わせると、自分の方の預金が減ってきて困る。実際よく調べてみるとそうでもないのですね。定期性のものがふえているわけです。当座的なものが減って定期性のものがふえているということは、預ける方が定期定期というふうに有利な方に動いているというあらわれであると思うわけでございます。  そこで、どうやればもっと金融の方からスムーズにいくかということをお考えになっている人がありますので、金利一元化したらスムーズにいくじゃないかというような考え方も出てくるわけですが、それでは郵便貯金を預けている人の立場はどうしてくれるのだということは当然反論として出てくるわけでございます。したがっていま金融懇におきまして、郵政省としても全力を挙げまして、郵便貯金がどういうものであるかということ、金利一元化をされる場合には郵便貯金の利子について十分考慮してくれるかどうかという問題が最大の焦点になるわけでございますが、そういう点について十分御理解を得るべく努力をしている最中でございますので、われわれは、両方とも本当に御審議をいただければ大体同じ答えが出るはずであるというところで、いま違ったような結論が出ればどうするのですかということについては、そこまで考えてないのです。全力を挙げて御理解を得るべく最大努力をしているところでございます。  そこで、いまどうやってやっているかというのは、通常金利二元化と言っております。もう御承知でございますからくどくど申し上げませんけれども銀行預金と郵便局の貯金の最高利率というものは必ず合わせるように、これは大蔵と郵政当局が協議をして決めているわけでございます。上げる場合も下げる場合も同様でございます。その線でつながっておるわけでございまして、その線以外のそれぞれの商品については、両方が一番いいと思うものを研究してやっているというのが現状でございますので、そういう点も十分にひとつ飲み込んで見解を述べていただくようにいまやっているところでございます。
  25. 米田東吾

    米田委員 余りいま議論する時期でもございませんから、大臣見解を聞いて終わりますけれども、しかしおっしゃるようにもともとこれは審議を尽くせば結論が違うということはないだろう、これはそういうことだと私は思いますけれども、もともとしかしそういう認識が立ち得るとすれば、金融懇なんというもの自体が生まれるはずはなかった、私はそう思うのであります。これはやはり政治的ないろいろな事情があって、今日変則的な総理大臣の私的の諮問機関だというようなことで金融懇が生まれて、そして、まあ言葉は悪いけれども郵便貯金あるいは定額貯金をまないたに乗せてあっちこっちからこれをひとつ検討してこれを崩していこう、こういうことで金融懇というものがいま進められていこうとしているのじゃないかと私は思うわけでありますから、そういう情勢を考えますと、大臣のいまの御答弁では少し甘過ぎるのじゃないかというような気がしないわけでもないわけであります。しかし、これは仮定の問題であって、いままだ議論段階ではありませんからこれ以上申しませんが、ひとつ十分配慮して、大臣としても内閣の有力な閣員の一人でいらっしゃるわけでありますから、十分な対処をひとつお願いしておきたい、こう思っております。  オンラインの関係で二、三この際聞いておきますが、大体現在までどれくらいオンラインシステムを導入し、端末機の設置を含めましてオンライン計画でどれくらい郵政省は投資をしているのですか。特にこの為替貯金会計の関係でどのような支出がなされておるのか、投資の状況をひとつ聞かしていただきたいと思います。
  26. 鴨光一郎

    鴨政府委員 最近貯蓄、送金、決済等金融サービスの向上を求める国民の要望というのはますます強まっているわけでございます。郵政省といたしましては、こうしたお客様の要望にこたえ、サービスの向上を図る、国民から負託された使命を果たすためということで、現在為替貯金のオンライン化を推進をいたしておるところでございます。  いまお話のございましたオンラインシステムの全国網完成に要しますシステム建設費でございますが、内訳といたしまして、ソフトウエア開発費、端末機器、電子計算機、局舎設備等、合わせましておよそ千九百億円というふうに考えているところでございます。
  27. 米田東吾

    米田委員 約千九百億円の投資が今日までなされていらっしゃるということでおりますが、それに基づいての現在の状況はどうなんですか。  それから、全国各郵便局所在地を含めまして、これが完全に整備されるには今後どれくらいかかるのですか、どういう作業日程が考えられておるのですか、聞かしていただきたいと思います。
  28. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほどお答え申し上げました千九百億円と申しますのは、オンライン網完成までのすべての建設的な経費でございます。五十六年度分までで申し上げますと、システムの創設費は約千四百億円でございます。したがいまして、五十七年度以降オンラインシステム完了までにその上に五百億円を加えまして千九百億円になるということでございます。  オンラインの進捗状況でございますけれども為替貯金事業のオンラインによる取り扱いは、三年前の五十三年八月から神奈川県下の郵便局から開始をいたしまして、その後対象地域を拡大をしてきております。ことしの四月二十日現在でオンラインによる取り扱いを行っている郵便局は、管内で申しまして、東京、関東、東海、近畿、中国、四国、信越管内の十六都府県、郵便局の数で約七千六百局ということに相なっております。これは全国の郵便局の約四一%に当たりますが、サービスをして差し上げられる人口の比で申しますと約五四%ということに相なります。これから先五十六年度中にさらに先ほど申し上げました管内のほかに、北陸、東北地方、それから五十七年度になりますと、九州、北海道というふうに順次取り扱い地域を拡大いたしまして、昭和五十八年度末には全国網を完成させるという予定にいたしております。
  29. 米田東吾

    米田委員 五十八年末を目途にして全国網の完成ということで取り組んでいらっしゃる、わかりました。なるべくひとつこの完成を急がれるように、ということは、やはりサービスの提供はなるべくなら時間的ずれがなくて全部全国一律にサービスの提供ができるようになるというのが好ましいわけでありますから、努力をしていただきたいと思っております。  それで、いまの大体の資金と、それから全国網の整備をされました段階で、一体サービスの提供面でどれだけの質的なあるいは量的な改善がなされるのか。投資に見合うだけの預金者サービス利用者サービスというものが必要になってくると思うのでありまして、この法律改正では、当面なされるべきことが改正案として提案されておりますけれども、これだけでは不十分だと私は思うのでありますが、もっとどういうものが考えられているのか、そこらあたりもひとつ聞かしていただきたいと思います。
  30. 鴨光一郎

    鴨政府委員 オンライン化によりまして、これまでには通常貯金の利子記入の即時化、恩給等の振替預入の場合の通帳記入の即時化、現金自動預払い機、ATMと称しておりますが、その設置、各種通帳、証書の改ざんあるいは盗難等によります詐取防止といったことの面でのサービス改善を図ってきたところでございます。今後さらに為替振替の送金、決済サービス改善を行ってまいりたいと思っておりますが、ただいま御審議いただいております振替為替法の御審議をいただいていく中でさらにサービス改善にも努めたいというふうに考えております。  なお、オンラインの効果を十分に生かしまして、せっかくつくりましたオンラインでございますので、先ほど申し上げましたサービス以外の利用者サービスの向上にわれわれとしても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  31. 米田東吾

    米田委員 私は余り金融面では玄人ではございませんで、素人なんですけれども、いまいろいろ今後のサービスの面で答弁されましたが、民間のたとえば信用組合とかあるいは市中銀行サービス面で非常に好評を博しておりますような一つの通帳ですべてを仕切る、総合口座と言うのですか、そういうようなものも今後の導入計画の中に入っているのですか、入っていないのですか。
  32. 鴨光一郎

    鴨政府委員 総合口座につきましては、現在お願いをいたしております為替振替法改正そのものに直接の関係はございません。これは、これまでのゆうゆうローンのサービスあるいは定額貯金サービス、通常貯金サービス、そういった既存のサービスの組み合わせというふうな形でサービスの提供が可能であると考えております。  なお、オンラインとの関係等につきまして当面いろいろ詰めを行っている段階でございます。お客様のためということを中心にいたしまして、ただいま申し上げましたようなサービスについても検討中であるということでございます。
  33. 米田東吾

    米田委員 最近の風潮として、官業民業を圧迫する、このことがしばしばいろいろなところで使われているわけであります。特にいわゆる民業的な分野に競合して、官業という一つの国の機関としてあまねく公平に、しかもサービスを提供している郵便事業とかあるいは貯金保険事業、こういうものはもともと民業に対する圧迫でなくて補完とし、あるいは競合してなおサービスの密度を高めるという趣旨から生まれて今日に至っておるわけでありますから、余りこのことは気にする必要がないのじゃないかと思うのでありますけれども、大分最近、貯金におきましても、保険におきましても、心配されておるような気がするわけであります。  私は、郵便の特殊性といいますか、あるいは郵便局がいま全国どこへ行きましても津々浦々に散らばって存在しておる、二万を超える郵便局の窓口が全国に散らばっているというこの優位性というものを生かし、またそれだけ利用者サービスが他にまさって供給できるという優位性を生かして、いいと思うものはどんどんやるべきだ、そうしなければ、せっかく千九百億の投資をして近代的なオンライン化システムを導入して利用者利益を図っているその趣旨に何か水を差すような、あるいはブレーキをかけるような結果になるのじゃないかというような気がするわけでありますから、ひとつそういうことに余りこだわらないでどんどんやっていくべきだと思うし、そのことが百年間培ってきた郵便貯金の、また利用者に対する使命だ、責任だ、こういうふうにも思うわけでありますから、どんどんやっていただきたいと思いますが、その決意はよろしゅうございますか。  多分にほかの方からなかなか圧力がかかって、ちょうどこの間郵便年金が最高七十二万円までに改正されましたけれども、目玉と言われる即時年金がとうとう実現できなかったような例もあるわけでありますから、この総合口座のメリットを全国くまなく、山の中の人たちにも供給できるような努力は早くやってもらいたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。
  34. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生お話しのございました官業民業圧迫あるいは官業民業の補完に徹すべきであるという考え方につきましては、事郵便貯金に関しましては、先生お話しのように明治以来百年の長い間、われわれといたしましては国民のためということを中心サービスの提供に努力してきたところでございます。と同時に、いわ言われております官業民業関係につきましては、私どもといたしましては、先ほど申しました国民立場に立って両者がよりよいサービスを提供することこそが、国営、民営を問わず金融機関としての使命であるというふうに考えております。  特に全国民に均一のサービスをあまねく公平に提供するという立場で申しますと、金融機関のほとんどございません農漁村あるいは山村といったところにまで、いわゆる全国津々浦々に郵便局を設置しております郵政省によって初めてあまねく公平なサービスの提供ができるというふうに、われわれはその責任という意味でも強く感じているところでございます。  同時に、金融サービスに対する国民ニーズというものが非常に多様化し、また強くなってきているわけであります。われわれとしては時代にふさわしいサービスの提供をし、国民の利便を図ることが国営事業としての郵便貯金事業に課せられた使命であるというふうに考えております。  そういったことで、この立場に立って今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
  35. 米田東吾

    米田委員 それからもう一つ、今度の改正為替証書が最高百万円までに改定されるわけなんでありますけれども、この百万円という金額は何か根拠があるのですか。  どうも私はこれも小出しをして控え目に、とりあえず百万円くらいまでということで出てきているのじゃないかというような気がするわけでありまして、今日の経済社会情勢からすれば、郵便局の扱う為替がオンライン化して非常に利用者に歓迎される事態を迎えての改正として考えれば、これはどうもいただけないんじゃないかなという気がするわけでありますが、根拠があったら教えてもらいたいし、私はできれば郵便貯金の限度額の三百万円くらいまでを限度として、その程度までに上げておいた方がよろしいんじゃないか。大体二十年ぶりでこの限度額の改正が出ておるわけでおりますし、この先また二十年間を考えると、とてもじゃないが十万円と同じような百万円の価値になってしまうような心配もあるわけでありますから、これもひとつ聞かしておいてもらいたい。  それからもう一つ、制度の問題でありますけれども、先行き一番心配になる点として貯金関係の外務員制度、これはいまなかなか風当たりの強い一つの対象として挙げられておるように思うのでありますけれども、私は貯金百年と外務員制度を切り離すことはできないと思いますし、これほど貯蓄の郵便局として愛されてきたのは外務員制度の成果だと私は思っておるわけでありますが、これは今後も継続されるというふうに理解してよろしいのかどうか。  なお、募集手当の制度なんかについても、とかく民業からいろいろな声があるようでありますが、これについてもひとつ今後の腹構えを聞かしておいてもらいたいと思います。
  36. 鴨光一郎

    鴨政府委員 御指摘のように現行の普通為替電信為替の証書の金額の制限額は、昭和三十六年に十万円というふうに定められたわけでございます。これは当初十万円を超える送金需要というのがほとんどなかったといったことでそういうふうな制限をいたしてきたわけでございますが、最近に至りましてこの十万円を超える送金需要が確かに増加をいたしてきております。それから、一人当たりの国民所得等見ましても、この二十年間に約十倍となっているといった社会経済情勢の推移といったことがございます。それからなお、ただいま進めておりますオンラインシステムによりまして防犯措置が強化できるというふうなこと、そういった防犯措置の面からも、余り高額なものはいかがなものかというのが当初の考え方であったわけでございますが、そういった点が技術革新の成果を取り入れて改善できる、そういったことを踏まえまして、今回の改正案では百万円に引き上げさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。  なお、今後の状況につきましては、利用の実態等を十分に見きわめて適切な対処をしてまいりたいというふうに考えております。  それから外務員制度の問題でございますが、郵便貯金というのは、これまでいわゆる簡易で確実な貯蓄の手段というものをあまねく公平に国民の皆様に提供するということを使命としてまいりました。そのために、国民の貯蓄心の涵養、それから具体的な貯蓄の実践という面では、どうしても国民の皆様に対する積極的な働きかけというものが必要であり、またそれを行うことが郵便貯金の目的に沿うものであるというふうにわれわれは考えております。それで、貯金の外務員と申しますものは、いま申し上げましたような目的に即した積極的な働きかけを行うために配置した者でございます。そういうことで、これも長いこと国民の貯蓄の向上に十分大きな役割りを果たしてきたと考えておりますし、そういった国民の健全な資産形成という目的のためには、今後ともこういった外務員の活躍というものが欠かせないだろうというふうにわれわれは考えております。  それから募集手当でございますが、いま申し上げましたような国民の貯蓄心の向上、そして貯蓄心の向上だけではやはり不足する面がございまして、貯蓄の実践を促すためにはどうしても積極的な働きかけというものがこれからも必要であろうというふうに考えております。で、そういう積極的な働きかけが必要であるという職責を外務員が持っておりますが、そういう職責を自覚して、積極的、意欲的な努力を傾注する職員に対しまして、その努力に報いるための配慮ということで、企業体としてこの募集手当を支給しているわけでございます。  これまで外務員が営々と自転車等を乗り回しながら、数多くのお宅を訪問してまいりました。それが国民の資産形成のお手伝いをしてきたわけでございます。それに対する相応の評価としての募集手当支給ということは、当然のことであるというふうに考えております。そういった意味で、これを廃止しようというふうな動きあるいは考え方に対しましては、われわれは断固反対をしたいというふうに考えております。
  37. 米田東吾

    米田委員 最後に人事局長、大変御苦労さんでございました。昨晩は徹夜であったそうでございますが、幸いに妥結を見たようでございまして、御苦労でございました。ついては、これから舞台は、この賃上げ実施機関としての政府郵政省に移るわけであります。  先ほど私は冒頭にそれにつきまして大臣のお考えや御決意を承りましたけれども、担当の局長として、ひとつこの仲裁実施につきまして十分慎重な配慮、それから迅速な処理を御要望しておきたい。  予算上、賃金上の問題は政府の高度の問題であり、また国会の問題になりましょうけれども、少なくとも昨年のようなああいう意地の悪い、政治絡みの処理でおくらせるようなことがないように、これは大臣からも御見解をいただきましたけれども、あなたの方もひとつ事務当局として十分な配慮をお願いしておきたい。せっかくおいでいただきましたから、一言お考えを聞かしてください。
  38. 岡野裕

    ○岡野政府委員 先生、大変遅参をいたしまして申しわけございませんでした。  郵政部内の職員の新賃金の関係につきましては、この三月の初めに関係労働組合から要求がございまして、四月までずっと団体交渉をやってまいったのでございますが、これはどうも不調に終わりました。十七日に調停申請をいたしたわけでございます。その結果、ついけさの一時半でございますか、調停委員長見解ということで、舞台は職権仲裁というようなことで、仲裁裁定を仰ぐという方向に移るわけでございます。  というような意味で、予算措置、いろいろベースアップの問題あるいは定昇の問題、それぞれ予算としては私ども数字があるわけでございますが、やはり仲裁裁定が出ました段階で、その数値いかんによりまして財政関係当局とも十分協議をいたしまして検討してまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。  ちょうど私どもの部内の労使関係が、二年ほど前から労使安定正常化という方向に一歩歩みつつある段階でございますので、この上ともいろいろな角度から御高配、お見守りをいただきたい、こんなふうに思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
  39. 米田東吾

    米田委員 終わりました。
  40. 佐藤守良

    佐藤委員長 米田東吾君の質疑は終わりました。  阿部未喜男君。
  41. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 この法律案改正は、為替貯金事業のオンライン化に伴い業務の簡素化を図って利用者の利便を図ろうとするまことに結構な改正でございますから、全面的に賛意を表するものでございます。  ただいま同僚議員からもお話がございましたが、この機会にさらに一歩を進めて、いわゆる定額貯金、普通貯金あるいはゆうゆうローン等をまとめての総合口座の開設をお考えになったらどうか。これはいま貯金局長の方からも御答弁がございましたが、これはひとつ大臣もこの機会に、特に法律改正の必要はないように思われますので、速急に検討してもらいたいと思いますが、大臣いかがですか。
  42. 山内一郎

    山内国務大臣 先ほど局長からも答弁いたしましたけれども、ひとつできるだけ早くやりまして、国民皆さん方に便宜を与えるようにやってまいりたいと考えております。
  43. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 次に、いわゆる為替貯金事業が今回のオンラインシステムを行うに当たって料金の調整をやりたいと言っておるわけですけれども、全国的にオンライン化されるまでにはなお二、三年の期間があるように承っておりますが、全国的なオンライン化ができ上がらないうちに料金だけを調整されるというのはどういう考え方でございますか。
  44. 鴨光一郎

    鴨政府委員 オンライン化は五十三年の八月から着手をいたしまして、五十八年度末のオンライン全国網完成を目途に鋭意作業を進めているところでございます。確かに御指摘のように、昭和五十六年度がちょうどそのピークにさしかかるときでございます。  で、ただいま御指摘のございました料金につきまして、いろいろ段階別を改めますというふうなことでの調整をいたすべく法改正の御審議をいただいているところでございますけれども、今回の改正案の中には、そのほかにも、オンライン化に伴いまして郵便為替法郵便振替法上、国民の皆様に対するサービス改善に資するべく手直しを要する点がございます。それらをお願いをいたしておるわけでございます。その中で為替関係につきましてはことしの十月、それから振替関係につきましては来年の七月というふうなことで、それらの実施につきまして準備段階というふうなこともそれぞれ必要でございますので、先ほど申し上げましたような料金の段階別の改正といった問題等を含めまして、総体的にサービス改善のための改正案を御審議いただきたいということでございます。
  45. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 これは料金の値上げならば、サービスが提供されないうちに値上げをすることは私は反対なんですけれども、全体的にながめて見ますと、必ずしも値上げではなくて、むしろオンライン化によって料金が安くなる、こういう内容でございますから、したがってこの時期に料金調整をすることに反対はいたしませんけれども、この料金調整の中で、普通為替はもちろん安くなっておりますし、電信為替についても大体安くなっておるようですけれども、電信為替の居宅払いが非常に高くなっておるようですが、その理由をひとつ説明してくれませんか。
  46. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ただいまの御質問は、このたびの改正案の中に盛り込んでございます電信為替の料金で申しますと、法律に定める基本の料金のほかに郵送料相当額を省令で定めさせていただくということにいたしておりますが、その省令で定める郵送料というふうなことを含んだ問題についての御指摘かと思います。今回の改正一つの点といたしまして、郵便料金につきましてこれまで法定料金の中に定められておりましたものを省令で定めさせていただくような案にいたしております。これは郵便料相当額といいますものが料金の中で比較的大きなウエートを占めるに至ったということで、御承知のように居宅払いにつきまして郵便、しかも現金書留ということでの送達を要しますためにそのようなことに相なるということでございます。
  47. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 その改正趣旨はわかりましたが、特にいま郵政省がお考えになっておる案を示されておりますけれども、この法定部分その他の料金を合算してみますと、たとえば五万円以下の場合には六百六十円、これは法定料金が四百円、それに郵便料の速達料が二百円、普通の郵便料が六十円で合計六百六十円、こういう感じに大体なっておるようでございます。ところが、五万円を超しますと、法定料金が五百九十円、速達料が二百円、簡易書留料というものが二百五十円入って、そして郵便料が入るから五万円を超した途端に一挙に千百円にここではね上がる。五万円以上が全部そうですけれども、特に五万円を超えて十万円の間がいままでの電信為替料金に比べて突出してくるわけですが、この五万から十万の間について特に簡易書留にしなければならないという特段の理由がありますか。
  48. 鴨光一郎

    鴨政府委員 電信為替先生いま御指摘の点は、証書払いの問題に相なるわけでございます。電信為替証書を発行して受取人に送達するというのが証書払いの制度でございます。この送達につきまして、従来から電信為替証書を受取人に確実に送達する、それからそれを確認をするということのために書留扱いとしてまいったわけでございます。先ほど申しました省令の案、これはあくまでも案でございますけれども、その中で、五万円までのものにつきましては先生から御指摘がございましたとおり、また十万円以下のものにつきましても御指摘のとおりの料金案というものを持っているわけでございますが、送金の確実性を確保するという点からは、先ほど申しました従来のような扱い、つまり送金額の大小にかかわらず書留扱いとすべきであるというのが本来であるというふうにわれわれ考えているわけでございます。ただ、少額送金の利用者方々の料金負担という点を考慮いたしまして、われわれとしましては、証書払いの場合、五万円を超えますと簡易書留扱いということにするべく予定をいたしておるわけでございますが、五万円以下の場合につきましては、普通郵便で、ただし速達扱いにはさせていただく予定でございますけれども、そういう形で料金負担をお願いをしよう、その場合に、確実な送達という点で、もし万一事故が発生をいたしました場合これは郵政省が危険負担をするということで、その少額の送金について料金面での配慮をさせていただこうというのが、私どもいま考えております案でございます。
  49. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 趣旨はわかるのですが、特に五万から十万の間、ここは今回の料金改定で突出してくるのです。なぜ五万から十万の間を簡易書留にしなければならないか。十万以上が簡易書留であっても、これは料金に従来と余り大きい差が出ないのです。ところが五万から十万の間は著しく突出してくるのです。だから、この間を無理に簡易書留にしなくても、普通の送達方法で、希望する場合には居宅払いの現金書留ができるわけです。それがないものについては、五万円までだから簡易書留にしなくても安全だ、五万円を超えたら危険があるから簡易書留にすると言うが、率直に言うと封筒の中に入ったときはわからないのですよ。ですからここは、刻み方として十万までは簡易書留にしなくていい、そうすると料金が非常になめらかになるのです。それでなければ、ここは非常に突出するからちょっとおかしい。  これはまだ案でございますからどうでもなるはずなんです。十万までは普通の送達方法によって、希望があれば居宅払いの現金書留にする。これは郵便料を負担してもらえばいいわけですから。そういう方法をとると、料金の突出がなくて非常になめらかになって、従来の料金から比べても余り無理がなくなるのです。ここだけ非常に突出してくる、これをお改めになったらどうですかと言うのです。
  50. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生の御指摘の点、私どもも大変貴重な御意見というふうに拝聴させていただいたわけでございますけれども先ほど申しましたように、これまで電信為替の証書払いにおきましては、すべてのものを金額の大小にかかわらず書留扱いとしてまいったものを、今回特に若干そういったこれまでの考え方を改めてみたいというところで、ただいま五万円以下のものにつきまして、先ほど御説明申し上げたような取り扱いにいたしたいというふうに考えているわけでございます。  御指摘のようにどこに線を引くべきかという点につきましては、われわれもいろいろ頭を悩ましたところでございますけれども先ほど申し上げましたような経緯の中で踏み出しますにつきましては、今回の改正を認めていただいた場合の省令といたしましては、できましたらこの当初の案で進めたいと思っているわけでございます。
  51. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 あなた方の悪いくせは、一遍自分たちで考えたら変えようとしないのですよ。しかし、だれが見ても五万から十万の間だから簡易書留にしなければならないという理屈はどこにもない。十万以上でもよければ、一万以上から簡易書留にしても構わないのです。ところが、たまたま料金体系を見るとこの五万から十万の間が突出してくるから、これを十万にすれば非常に滑らかになります、十万以上は簡易書留扱いにしますよと――五万と十万の間が非常に突出するからおかしいと私は言うのです。ですから、これは改めてもそうおかしな問題ではないので、いまからお決めになる問題ですから、ひとつ検討していただきたい、自分の意見に余りこだわらずに。私の言うところの方が理屈があると私は思っていますよ。利用者立場から見れば、何でここだけがこんなに高くなるのだということになりますから、これを十万円から上に筋を引けば非常に滑らかになりますと、そういうことを申し上げておりますので、これは検討してもらいたいと思いますが、どうですか。
  52. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生の大変貴重な御意見を身にしみて承ったわけでございますけれども先ほど申し上げましたように、これまでずっと書留扱いにいたしてまいりました。そこで、この簡易書留扱いでございますけれども、それをやめた場合の事故の発生につきまして、これは万一もないというふうに考えておりますけれども号ただ、事故の発生、それからお客様が確実に受け取っていただいたということの確認というふうな面でも、その金額が大きくなるほどトラブルが大きくなるというふうな面もございますので、私どもといたしましては、先ほど申しましたように当面は五万円で踏み出してみようかという気持ちでございます。ただ、先生の御指摘は、私ども将来に向けて検討させていただきたいというふうに考えております。どうもありがとうございました。
  53. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 いや、余りありがたくないですよ。それは一万円から簡易書留にした方がなお安全ですよ。全部簡易書留にした方がなお安全ですよ。しかし、利用者の負担を考えてあなた方は、五万円までは普通の送達方法でいこう、五万を超えたら簡易書留にしようと、こうおっしゃるのでしょう。ところが従来に比較をしてそこは非常に料金が高くなるから、十万を超えたら簡易書留にする、こういうふうにすれば非常にうまくいきますと、料金が滑らかにいきますから。それで踏み出してみて、おっしゃるようにもし事故が頻発するようであるならば、五万円あるいは一万円に落とさなければならないかもわからない。事故が頻発すれば、一万円以上簡易書留にしなければならぬかもわからぬです。それはやってみなければわからぬし、同じ部内で郵便事業というものをもう少し信頼するとするならば、余り突出した料金にならないように手直しをされる方がいいんじゃないですかと、こういうことを私は申し上げておりますので、踏み出しだから五万円以上というのじゃなくて、踏み出しだから滑らかに十万円以上でいってみて、もし問題があるならば後でいつでも変えられるじゃありませんか。私の言うことの方が正しいのじゃないでしょうか。どうですか。
  54. 鴨光一郎

    鴨政府委員 実は私ども案を考えます場合に、それぞれの金額別の利用状況というふうなものを頭に置いて考えているわけでございますけれども、その中で五万円までのものの比率と申しますものが現在七割ほどございます。そういったことで、この五万円以下のものでいたしたいということを案として申し上げているわけでございますが、踏み出しますときに、後で戻ったらよろしかろうという点につきましては、もちろんそういうことも可能ではございますけれども、そういたしますと、戻りますときに、どうしてもいままで低い料金であったものが高くなってしまう。高くなったものが安くなるという点はわれわれといたしましてとりやすいところでございますけれども先ほどから申し上げておりますように、恐縮でございますけれども、踏み出すということでやりましたときに、後戻りということが非常にしにくいという点もございますので、私どもとしましては先ほどから申し上げているような考え方に立っているということでございます。
  55. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 もう余りこだわりませんけれども、料金を改定するとき、安くなるというのは普通の場合は考えられないのですよ。料金の改定というのは高くなるというのがだれが考えてもわかっている理屈であって、料金改定が、少し高くなったから後戻りというのはうそで、料金改定は上がるとみんな思っておるのですよ。だから、安い料金の踏み出しで、どうしてもいけなければ、事故があれば上げてもいいじゃないですかと。この方が筋が立っておるし、七割を占める五万円以下のものを安全に送達できるという前提に立ちながら、三割の中の一部の五万円から十万円の間だけが危険だという理屈はどこにも成り立たないのですから、余りこだわらずにひとつ検討してもらいたいと思っております。いいですかもうそれで。いろいろ聞きたいことがあるものですから……。  それから次に、郵便振替の本人払いの場合には、自分で郵便局を指定をしてそこに印鑑を届けて、その印鑑と照合をして本人払いができるわけですけれども、これは非常に不便で、といってどこでもできるのでは危険があるし、印鑑をそんなに届けておくわけにはいきませんが、われわれの場合を想定しますと、せめて二つの郵便局ぐらい、たとえば郷里の方の郵便局とこっちの東京の方の郵便局のどこかを、二つぐらい指定をしておいて、そのどちらでも本人払いができる制度にしてもらえると非常に便利がいい。せっかくオンラインシステムができるわけですから、その程度のことはできぬだろうかと思うのですが、これはどうですか。
  56. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵便振替サービスの中での本人払いでございますけれども、これはその加入者の口座からのいわば払い出しという手段でございます。そういうことで、なおかつ取り扱いの料金も無料ということで、送金、決済という二つの手段として見ましたときには、いま申しましたのは送金ではなくて決済という側面があるわけでございます。そういったことで、その払い出し局を一局に限定をしているということがこの現在の考え方ポイントでございます。
  57. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 現在の考え方ポイントはわかっておるのです。しかし、本人が振替口座を持っておって本人が取るわけですからね、これは送金じゃないですよ、この場合は。ただ取る場所が一カ所なのか二カ所なのかという違いなんです。私がとにかく郵便局の振替口座に加入しておって振替の中にお金を預けてあるわけですから、そこからもらうのに、ほかの人にやるならばこれは明らかに送金ですが、しかし、自分が取るのに別府だけ、あるいは大分県の一つの局しか取れないのでは不便だから、東京の方でも自分の金が口座にあるときには本人払いで取れるように、せめて二カ所ぐらいは指定できないかと、こう言っておるのです。
  58. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど申し上げましたように、送金か決済か、この二つの考え方の間でいまお話しの点の判断をいたさなければいけないわけでございますが、やはり送金手段ということとの兼ね合いということを考えますと、御指摘のような払い出し局を二つにするということが、送金との兼ね合いにおきましていろいろな問題があるというふうに考えますので、どうも先生の御指摘に逆らうようでございますけれども、一局というふうな考え方を現在とっているわけでございます。
  59. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 現在とっておるから、しかも私が申し上げるようにそれは送金という性格ではない、自分が加入しておる口座から本人払いで払い出してもらうのに何で送金になりますか。ただ、現行制度では一局しかできない。それを、私どものように二重の生活をしておる者はもう一つ本人払いができる局を指定をさしてもらいたい、こう言っておるだけですよ。それができない理由が一体どこにあるのですか。
  60. 鴨光一郎

    鴨政府委員 基本的な考え方は、先ほど申し上げておりますような送金という形との兼ね合いということでございます。もう一カ所どうだということにつきまして、そういった送金との兼ね合いということがあるわけでございますけれども、なおわれわれとして検討をさせていただきたいというふうに考えております。
  61. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 なかなかかたくて、簡単にできそうなことがなかなか簡単にいかないですね。いま申し上げたように、これは私は当然過ぎるほど当然なことだと思うのです。自分の口座を持っておるのに、現行は一つの局だけれども、二重生活をしておってもう一カ所くらい自分の振替口座から本人払いの金がもらえないなんて、これはばかな話ですよ。ひとつぜひ検討しておいてください。  その次に、最近郵便貯金あり方がいろいろ議論されて、これも同僚議員からも質問があったとおりで、内閣にいわゆる郵貯懇なるものが設けられていろいろいま検討されておるようでございます。郵政省としても極力この郵便貯金というものの理解を得るように努めてもらいたいと思いますし、また民間金融機関でもいろいろな考え方主張されておりますし、これは当然なことだと私は思っております。われわれも郵貯について各界の意見をお聞きしておるわけですけれども、先般、銀行協会の皆さん方から御意見をお聞きしたときに、郵便貯金に対して述べられた意見の中で、われわれ国会の責任が問われるような問題が実は話をされたわけでございます。この際、この点について郵政当局並びに政府大蔵省関係から明らかにしておいてもらいたいと思います。  その一つは、郵便貯金金利が高い理由が、たとえば固定資産税がかからないとかいろいろ述べられておりますけれども、その中に、郵便貯金金利が高いのは、郵便料金を値上げをして、郵便事業の会計から郵便貯金の会計にお金を繰り入れておるから、結局は税金で賄われておるようなもので、それで郵便貯金が高い金利を払うことができるのだ。少なくとも郵政業務について立法し、そしてチェックをしておるわれわれとしてそういうことがあり得ては大変だと思うのですけれども、これは文書にして公然と流されておりますから、その点、郵貯特会の中での貯金会計とのかかわり合いについて説明をしておいてもらいたいと思います。どなたが適任ですか。
  62. 鴨光一郎

    鴨政府委員 御指摘の点は、郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計への経費の繰り入れに関することにあるというふうに思われます。その中で貯金事業の運営に必要とする経費は適正に分計をいたしまして、郵便貯金特別会計から郵政事業特別会計に繰り入れをいたしておりまして、いまお話がございましたような郵便料金にしわ寄せをしておるというようなことは全くございません。  なお、郵便貯金特別会計の収支につきましては、郵政事業特別会計もそうでございますけれども予算、決算とも国会に御提出を申し上げているところでございます。
  63. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 郵貯特会の予算、決算をわれわれ見せてもらっておりますから、そういうことはあり得ぬと思うのですけれども、実は銀行協会の事務局長さんがちゃんとそういうことをお述べになっておるわけですが、銀行の方を管理、監督されておる大蔵省の方は同時にまた郵政事業特別会計についても目を通しておられるわけでございますが、これは誤りなのか、銀行協会が述べておることが正しいと思っておられるのか、大蔵当局の見解を聞きたいと思います。
  64. 北村恭二

    ○北村説明員 特別会計の内容等、直接の担当ではございませんけれども、一般的な考え方として申し上げれば、それぞれの事業に要する経費というのはそれぞれの算定根拠があって区分し、経理されているということでございまして、民間金融機関の方でそういった区分のあり方といったようなことについて問題があるのじゃないかという指摘をしているということは私ども仄聞しております。しかし、特別会計そのものの内容ということについては、それぞれの所管しておるところで適正に処理しているというふうに私ども了解しております。
  65. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 いま大蔵当局はそれぞれ正確に分計されておると理解しておるということでございます。その大蔵省の方で管理、監督、指導、育成をされておる民間金融機関の連合体である銀行協会の方で、そういうことを公然と言って歩いておるわけですから、これはひとつ厳重に注意しておいてもらわないと、われわれ国会郵政事業の会計等についてチェックしておる者の立場からも非常に迷惑な気がしますが、これは御忠告いただけますか。
  66. 北村恭二

    ○北村説明員 金融機関がどういうような意見をどういう形で申し上げたのか、私正確にいま存じませんが、要するに特別会計の経費の区分のあり方といったようなことについての問題の提起と申しますか、そういうことであれば、それは問題の提起としてあるのかもしれないというふうに存じております。具体的な内容、どういうことを言ったかということを現在ちょっと正確に承知しておりませんので、よく調べてみようと思います。
  67. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 先ほど大蔵御当局も、そういうことを言っておるということは耳にしておる、こうお話しになっておりました。必要ならば、私はいただいたプリントを持っておりますから、その中に書かれておりますので差し上げても結構ですが、こういう誤った宣伝は控えてもらわなければいかぬと思いますので、ひとつ大蔵省の方で善処をお願いしておきたいと思います。  次に、同じくこの銀行協会がお述べになった意見の中に、これは文書にも出ておりますが、郵便貯金の特別会計の赤字は昭和五十四年度では二千億を超えておる、たしか二千億をちょっと切っておった、その前後の金額だったと思いますが、ところが実際に昭和五十五年度の年度末で計算をすれば六千億を超えておるのではないかというふうに言われております。そして、これは第二の国鉄で、国が扱う貯金の高い利子を払ったツケはやがて国民の税金となって回ってくる、明らかに第二の国鉄になるのだ、そういうふうに言われておるのですが、郵貯の赤字というのはぼくらの承知しておる数字と明らかに違いますが、これはどうなっておりますか。
  68. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵便貯金特別会計の収支でございますが、昭和五十四年度末におきましては累計で千九百三十五億円の赤字がございました。五十四年度は単年度黒字でございましたけれども、いま申し上げたような数字に累計ではなっております。それが五十五年度の収支差額では二千億円ほどの黒字になりました結果、五十五年度末の累計では若干の黒字に転じたという状況にございます。  いま民間等で言われております問題は、会計の二つの原則、一つは発生主義というもの、もう一つは現金主義というもの、この二つの制度のとり方によって生じてくるものでございますが、郵便貯金特別会計は、国の会計原則である現金主義という原則を昭和二十六年、ちょうど三十年前のこの会計創設以来一貫して採用をいたしております。したがって、当然のことに発生主義を採用しております会計とは会計の制度そのものが異なっておるわけでございまして、伴いまして支払い利子の計上方法が異なるのはある意味では当然でございます。私どもといたしましては、この国の他の会計におきましても一般的に現金主義がとられているということ、同時にまた一貫してそういう会計原則をとってきておるということから、いま私が申し上げましたような五十四、五十五年度の収支状況になっているということでございます。
  69. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 それはもし民間銀行協会等でおっしゃっておるような利息のとらえ方をすれば、六千億の赤字になるわけでございますか。
  70. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど申しましたように会計の原則が全く異なるわけでございますが、仮に現時点で発生主義に切りかえたといたしますと、まあ六千億ということが言われておりますが、そのような金額が発生するかと思われます。
  71. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 そうすると、それは言われるようにやがて税金か何かで補てんをされなければならないお金になるわけですか、ずっと運用していく間に解消されていくことになるのですか。
  72. 鴨光一郎

    鴨政府委員 これまでも私ども一貫して現金主義の会計原則に従って経理をいたしてきておりますが、先ほど申し上げましたように昭和四十九年から五十三年にかけまして毎年赤字が発生をいたしました。これは預託利子とそれから支払い利子との利差の関係から出てきたものでございますけれども、その累積赤字が、先ほど申しましたように五十四年度末千九百三十五億ございましたが、これは郵便貯金特別会計自体、いわゆる収支相償の独立した採算をとっているところでございます。そういうことで、発生をいたしました赤字も長い期間の中では解消をするということを目途に経営を行っているわけでございます。先ほど申しましたように、五十五年度末におきましてこの累積の面では若干の黒字になったというふうな収支の状況にあるわけでございます。  いま申し上げましたのは仮に発生主義をとったとするとということでございまして、私どもとしましては、現在の現金主義の会計原則というものは法律の定めでもございまして、これをとってまいります中で、先ほど申し上げましたような収支相償の原則にのっとって運営をいたしていくということでございまして、将来にわたってそういう赤字が累積を続けるということでは決してございません。
  73. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 私どももそう理解しております。これは預託利率と支払い利率との関係で、そのときどきで相違は出てきますけれども、長期的にはそんな赤字が出てくるはずはないと思っておるわけでございます。しかし、どこかの銀行、特定の銀行をつかまえて、あそこの銀行は大変赤字があるのだ、そのうちつぶれるだろうと言われたら、これは銀行にとっては致命的なことになるわけでございますが、こういうこともまた述べられておるわけですけれども、この点について大蔵省の方ではどうお考えになっておるのですか。やがて郵便貯金は大変な赤字を抱えて、税金で肩がわりをしなければならない時期が来るというふうにお考えになっておるのか、いまのいわゆる現金主義でやっていって十分に運営ができ得るのだというふうにお考えになっておるのか、大蔵省見解をちょっと聞いておきたい。
  74. 北村恭二

    ○北村説明員 先ほど特別会計の収支につきまして、現金主義で計算した場合と、それから発生主義的な考え方で計算した場合ということでの問題提起があったわけでございまして、その考え方というのは、要するに民間は完全な発生主義でやっているということで、いわゆる資金コストあるいは収益といったようなことについてそういう観点から考えられている、そこに郵便貯金特会との差があみということを民間としては言ったのだろうというふうに私どもは了解しております。  その点についてどう考えているかということにつきましては、特別会計のあり方という基本問題に触れる問題でございますし、現在そういう会計方式をとっているということは事実でございますので、どう考えるかということは、いまのそういう事実関係があるということで答弁させていただきたいと思います。
  75. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 とり方によってそうなるだろうということは、そこまでは私も理解するのです。しかし、これは第二の国鉄になって、国民の税金に肩がわりをされる、その後がこうなるのです。ここまで言ったら少し言い過ぎじゃないですか。第二の国鉄になって、やがて国民の税金で肩がわりをされることになるだろう、こう言うのですから、あの銀行は間違いなく倒れるぞということになるわけでしょう。そこまで言ったら、ちょっとこれは言い過ぎだ。しかし、明らかに第二の国鉄になる可能性があるということを指摘しておるのですよ。これは私は非常に重大だと思うのです。発生主義と現金主義でこれだけの差が出ますよというまでは、それは理論としては正しいでしょう。しかしその先、たまたま郵便貯金は現金主義をとっておるから、これは大変な赤字になって、第二の国鉄になって、税金でもって肩がわりをしなければならぬということになると、ちょっと言い過ぎだと思うのですが、この点ちょっと言い過ぎではないかという指導をされる必要があるのじゃないでしょうか。特に大蔵省としては、かわいがって育成している民間金融機関のことでございますからね。いかがですか。
  76. 保岡興治

    ○保岡政府委員 先ほどから事務当局の方からお答えしているとおり、会計の処理の仕方としてはいま申し上げたとおりでございますが、将来の収支の見通しというのか、そういうことになりますと、これはまた別の考え方もあろうと思います、そういう見通しについて民間金融機関が述べたことでございますので、それは一つの見通し、考え方でございますので、大蔵省としてそれをとやかく言うことはいかがかと思う次第でございます。
  77. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 それはちょっと問題がありますよ、政務次官。いま私が言うように、あの銀行は大変な借金でつぶれるのだぞと言われておって、それを銀行が黙っておりますか。理屈は同じでしょう。ただ、利息のとらえ方で差が出ますというまでは、これはまた理論として正しいのです。やがてあれはつぶれるぞ、第二の国鉄になって大変な赤字が出て、国民が税金で肩がわりさせられますよ、こういうことをあなた方の監督のもとにおる銀行協会が言っておるのを、それは考え方の違いであなたは済まされますか。
  78. 北村恭二

    ○北村説明員 大蔵省としての考え方をということの方が早いかと思いますので、そちらから先にお答えさせていただきますが、要するに大蔵省は、貯金特別会計の中での定額貯金金利といったようなものが、将来特別会計にとってかなり利子負担の増加と申しますか、言いかえれば下方硬直性というような言葉も私ども使っておりますが、そういった負担増として将来どういう影響を持つかというようなことについて考える必要があるのではないかということは、私ども指摘させていただいております。  民間の方がいろいろと郵便貯金について大変関心を持っておりまして、いろいろといろいろなところで意見を述べておることは御指摘のとおりでございますけれども、しかし私ども民間金融機関が正確な理解をしていただくということが必要だとは思っておりますが、そういう立場で私ども金融機関との間では接触してまいりたいというふうに思っております。
  79. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 もう少し強く指導してもらいたい。われわれは、郵便貯金が国の機関でないなら、何もそういうことを言う必要はないのです、銀行同士でけんかすればいいのですから。しかし、われわれが立法して、われわれが運営を監視しておる中で行われておる郵便貯金がこういう非難を受けることになりますと、われわれ国会議員として黙っておれない、こういうことになるのですよ。その点はひとつ十分大蔵省としても意にとめてもらいたい。貯金金利一元化の問題は、これはまた別の次元ですよ。これは別の次元として、新しい商品をどうするかということを話し合えばいいのであって、貯金金利一元化されないからといって、こういうことを言って歩くということは、私はきわめて不都合だと思うのです。  さらにもう一つ伺っておきますが、銀行協会の方で郵便貯金のディスクロージャーの問題について提起をされておるわけですね。われわれは郵便貯金は公開されておるというふうに理解をしており、その内容についても背景についても十分監督をしておるつもりでございます。逆に民間はどうだ、こう聞きましたら、民間の方はいろいろ支障があってちょっとディスクロージャーはぐあいが悪いのだというお話でございましたが、貯金局長郵便貯金は秘密運営していますか。
  80. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、郵便貯金特別会計の収支につきましては、予算、決算とも参考資料を添えまして国会に御提出申し上げて御審議をいただいているわけでございます。公開をして、国民の代表の先生方に御審議をいただいているということでございます。
  81. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 民間銀行協会が郵便貯金のディスクロージャーを強く求めるという言い方をするということは、あたかも郵便貯金が公開されていないような印象を与えるわけでして、これも私はきわめて誤った伝え方だというふうに考えます。われわれは、郵便貯金が公開されて、その会計の内容も知っておるわけですから、そんなことはないと思っておりますが、そういうことが明らかにこれも言われております。  その次にこういうことが言われているのですよ。民間金融機関の場合には、国債をたくさん引き受けるので資金が非常に不足をしてくる。郵貯は、最近財投の方ですか、あるいは資金運用部の方ですか、幾らか国債を引き受けてもらうようになったけれども、郵貯は国債を引き受けないから。その次に、いやそれは郵貯が国債を引き受けたっていいじゃないか、財投の金もかなり余っておるようだから。その財政の運用についてはわれわれも意見を述べてもいいのだと言ったら、郵貯が引き受ける場合には民間金融機関が引き受ける場合と条件が違うのじゃないかと言うのですね。同じ条件では引き受けないはずだと言うから、そういうことはないはずだと私は言ったのですが、もし郵貯で――郵貯といって、直接郵政省が引き受ける場合と、大蔵省が財投の中から引き受ける場合、あるいは資金運用部で受け持つ場合、いろいろな方法がありましょうが、仮に郵便貯金が直接郵政省運用として国債を引き受けるとするならば、特にいまの民間金融機関が引き受けておるのとは違う条件を出さなければ引き受けられませんか。これは地方債も同じです。
  82. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在、郵便貯金資金は、一部ゆうゆうローンに充てますものを除きましてすべて資金運用資金法に従っての預託をいたしているところでございます。その預託の利率でございますけれども、これはこれまでの何年かを見ましても、いま先生御指摘の国債の発行者利回りよりも常に低位にございます。つまり郵貯で直接に国債を、いま民間が新発債を引き受けているのと同じ条件で引き受けましても、資金運用部に預託をいたします場合よりは有利になるということが明確でございます。  それからなお、先ほどの御指摘の点で、第二の国鉄になるのではないかという点で、ちょっと一言だけつけ加えさせていただきたいと思いますけれども、これまで出てまいりました赤字につきましては、郵便貯金特別会計自身の責任におきまして借り入れをいたしております。その借り入れに対しましては、みずからの負担で利子の支払いをいたしているところでございまして、一般会計からの負担は一切受けていないわけでございます。なおかつこの赤字につきましては、先ほど申しましたように長期的に収支相償の原則ということで、長い目では解消をするということを基本に置いているわけでございます。
  83. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 それに関連をして、この郵貯の金利が高いために資金運用部の預託利子が当然高くなる、そこで政府資金の利息が高くなって国民の負担が大きくなってくる、こういうふうな言い方をされておるのですが、この資金運用部の預金利息が本当に高いのか。先般私ども地方自治体の方々にいろいろお伺いしたのですけれども、地方自治体ではむしろ政府融資の場合の方がありがたい、政府資金をもっとたくさん回してもらいたい、こういう意見があるのです。銀行筋では預託利息が高いから地方自治体の負担が大きくなってくる、こう言っておるわけですけれども、実際そうなれば、金利民間金融機関の方が安ければ、地方公共団体民間金融機関から融資をしてもらってもいいわけでございますが、大体どんな割合というのですか、どんなふうになっておりますか。それは大蔵省の場合には利子補給などをされておる関係もありますから、何もかも一概にはいきませんが、常識的に考えて預託利息が高いから金利が高くなって民間金融機関よりも政府の融資が高くなる、そういう実態にありますか。
  84. 北村恭二

    ○北村説明員 郵便貯金金利、預託金利、それから政府関係機関の貸し出しの基準金利という相互の関係というのは非常に複雑な関係にございます。単純な理論で申し上げれば、確かにその調達コストというものが高くなれば特別会計の収支ということとの関連で預託金利の決め方ということも問題になろうと思いますし、預託金利の決め方いかんによっては政府関係機関の収支に財政上どういう影響があるかということも出てくると思います。特に政府関係機関の基準金利というのは、民間のプライムレートと現在同一になっておりますから、貸出金利の水準というのは、そのときの経済情勢によって決まるということでございます。非常に長期の資金調達手段を持っているところがどういうふうな金利負担になるかということとの相互関係というのは、非常に複雑な問題があろうかと思っております。
  85. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 いま運用されておる中で、政府が、これは政府資金だから資金運用部なり財投の金を使わなければならないと言って公共団体に押しつけるわけではないわけでしょう。押しつけるのですか、これだけは政府資金を使いなさいと言って。地方公共団体が借り入れをするとするならば、銀行金利の方が安いのだけれども政府資金があるのだから高い利子のこれを使いなさい、そういうことはないのでしょう。自治体の皆さんに聞いたら、政府資金の方がありがたいと言うのですよ、銀行から借りるよりも。そういう言い方なんですがね。だから私は現行の運用の中で、貯金の預託より高いから政府資金が高くなってそうして地方公共団体が大変苦労しておるというふうには考えていないのです。ですが、そういう言い方をしておるということを、時間がありませんから申し上げておきます。  最後にもう一つ民間金融筋でイコールフッティングの問題を盛んに言うわけですね。同じ条件で取り扱わせてくれという言い方なんですけれども、このイコールフッティングの問題を議論する場合には、預金だけでイコールフッティングという問題はなかなかむずかしい問題で、イコールフッティングと言うならば、当然これは金融分野においても同じ条件がなければいけない。したがってその限りで、預貯金だけを取り扱う郵便貯金民間金融機関がイコールフッティングの議論をするのは当たらないのではないかと私は思うのですが、これは専門家の大蔵省、どうでしょうか。
  86. 北村恭二

    ○北村説明員 イコールフッティングと言うときに、確かにいろいろなとらえ方というのはあろうかと思います。ただいま民間金融機関が非常に問題としておりますのは、何といっても資金吸収の面で競合関係にあるという意味での郵便貯金ということとの間での問題、特に資金吸収手段の商品性の問題とか、そういうことに非常に関心があるわけでございまして、そちらからイコールフッティングということを強く申し上げているという実情にあるわけでございます。
  87. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 本来、郵便貯金民間金融というものの違いは、大きく分ければ二つある。一つは、郵便貯金庶民の零細なお金を貯蓄を目的として預かるというところに特色がある。民間金融機関の場合には、これはいわゆる預金であって、余ったお金をそこに預けてまた使う、そういう形になっておる。したがって、預金の目的そのものにまず大きい違いがあるのではないか。しかし、すべてがそうかというと、全部がそうとは言いません。大きい流れとしてそういうものが長い歴史の中で培われてきておる。二点目は、集まったお金の使い方です。いまいろいろおっしゃっていますけれども、もし郵便貯金というものがあした忽然としてなくなったとするならば、一体国の財政が賄っていけるだろうか。財政投融資はどうなるだろうか。今日まで本当に国の財政をいろいろな分野から賄ってきたのは、やはり郵便貯金というものの持つ特質だったと思うのです。  そういう意味合いから、私は預金をする人たちの立場に立ち、同時に国の財政運営上の立場から考えても、この郵便貯金というものが直ちに民間金融と同日にその利子の取り扱い等が論じられる筋のものではない、こう考えておりますが、最後に大臣の御所見を伺って、終わりたいと思います。
  88. 山内一郎

    山内国務大臣 いま先生の言われたとおりでございまして、郵便局の貯金の利子のあり方とそれから銀行預金の利子のあり方、これはおのずから違うわけでございます。郵便局の方は、預けた人本位に考えまして、十分に、安全に利益が増進するようにしてあげましょう。それから銀行の方は、借りる人もおりますから。預ける人もおりますし、借りる人もいる。借りる方が有利であればいいというお考えもあるわけでございますから、全然違うのでございますね。そういう点で、そういう点を十分にPRをして大いに努力をしてまいりたいと考えております。
  89. 阿部未喜男

    ○阿部(未)委員 終わります。
  90. 佐藤守良

    佐藤委員長 阿部未喜男君の質疑は終わりました。  鈴木強君。     〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
  91. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 時間が非常に少のうございますので、一、二の点について質問をいたします。  先ほど来田委員からも御質問がございましたが、為替貯金のオンライン化の進捗状況は大体わかりましたが、いただきました郵政省の資料によりますと、五十六年度末で大体七一%、これは利用人口割合でございますが、五十七年度が八九%、五十八年度が一〇〇%と、こういう進捗状況になっていくわけでありますが、今回提案されております為替振替の料金の改定につきましては、為替の方は本年十月一日、それから振替は明年度の六月一日実施と、こういうふうになっておるわけですが、この料金は、オンライン化が完全に終了しないわけですけれども、終了しない地域に対してもこの料金が適用される、こういうことになるのでございましょうか。
  92. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回改正されます郵便為替、郵便振替料金の中には、引き上げになる部分もございますが、引き下げになる部分もございます。全体といたしまして、現行料金と改正料金とでは利用者の負担は変わらないということから、電信為替の料金を含めまして、全国一斉に料金を改正させていただこうというものでございます。こういうふうに今回の改正は、全体といたしまして利用者の負担増を極力少なくするように配意をいたしているところでございまして、そういったことで電信の利用者にもわれわれの考え方を十分御理解をいただけるものというふうに考えているところでございます。
  93. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それはもう、たとえば電信為替の場合を見ましても、三千円以下の場合は現行五百七十円が四百六十円と百十円安くなるわけですからね。しかし、やはりオンラインがまだ未完成のところは依然として電報によってやられていくということになりますと、その電報料金というものは払わなければならぬというわけですから、郵政省としては大変なサービスをしておるものだ、こう思うわけであります。  そこで、法定されております基本料金というものはわかりますが、ここに漠然と、たとえば七万円以下の場合に現行八百七十円が千百円、こういうふうになりますね。それから居宅払いの方は九百十円が千二百円、こういうふうになるわけですが、法定基本料金と省令で定める電信または郵便料を含む正味料金がこの千百円ないし千二百円ですから、その内訳はどういうふうになりますか。そこの七万円以上十万円以下のところだけですね、ここのところをちょっと説明してください。
  94. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生の御指摘は、ただいま御審議をいただいております法律改正案の中で、省令ということで郵便料相当分を定めさせていただこうということと関連をいたしておると思います。  御指摘の点が、電信為替の七万円以下の場合の送金額についての現行、改正の料金の比較の御質問だったと思いますが、七万円以下の現行の料金の構成で申し上げますと……。(鈴木(強)委員「それはいいから、新しく改正の千百円の方を」と呼ぶ)新しい方の千百円の内訳といたしましては、法律で定めさせていただく部分が五百九十円、それに、証書払いの料金で申し上げますと、これは郵便料といたしまして、先ほど申しましたように改正案の中で省令として考えさせていただいている、これも案でございますけれども、五百十円でございます。内訳が普通郵便料六十円、速達料二百円、簡易書留料二百五十円、これを合わせまして、郵便料といたしまして五百十円になります。これと法律上の法定の料金五百九十円を合わせまして千百円ということでございます。
  95. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それからこの五万円以下の場合の、同様に電信為替ですか、現在七百七十円が六百六十円になります。この六百六十円の内訳は、基本料金と省令料金はどうなりますか。
  96. 鴨光一郎

    鴨政府委員 五万円以下の場合を同じく改正案で申し上げますと、六百六十円の内訳でございますが、法定をいたします料金が四百円、それから省令の中に考えておりますものが二百六十円でございます。その二百六十円の内訳は、普通郵便料の六十円と速達料の二百円、合わせて二百六十円ということでございます。
  97. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 そこでお伺いしたいのは、五万円以下の場合は、省令による簡易書留料といいますか、書留郵便で送るための二百五十円というものがないわけですね。何だか知らないけれども、ちょっとこれは区切りがおかしいのですが、いずれにしても、七万円以下の場合はこの簡易書留料というものがありますから、これは簡易書留で送るわけですね。どうして五万円以下の場合は簡易書留にしないのか、その辺がちょっと理解しがたいのですけれども
  98. 鴨光一郎

    鴨政府委員 電信為替の証書払いにおきましては、御承知のように電信為替証書を発行して受取人に送達をするということになっておりますが、この送達につきましては、従来から電信為替証書を受取人に確実に送達する、それからまたそのことを確認をするということのために書留扱いとしてまいったところでございます。  そういう意味では、送金の確実性を確保するという上からは、送金額の大小にかかわらず書留扱いとするべきであるというのがやはり基本ではございますけれども、今回の改正では、利用者の料金負担という点を考慮いたしまして、特に五万円以下の、比較的少額というふうに考えておりますが、その五万円以下の送金につきましては書留としない。逆に、五万円を超えます――先ほど七万円以下でちょっとわかりにくいという御指摘がございまして申しわけございませんが、それは五万円を超え七万円以下という意味の案でございますけれども、その五万円を超えるものにつきましては従来どおり書留、これは簡易書留でございますが、書留扱いとしたものとして料金をいただく予定にいたしているわけでございます。  なお、五万円以下の送金の場合、書留扱いとしないことによります万一の事故の発生につきましては、郵政省が危険負担をするということにいたしているわけでございます。
  99. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 そうすると、五万一円以上の簡易書留にする分についても郵政省が責任を負うわけでしょう。その下は負って上は負わない、だから簡易書留にした、こういう趣旨ですか。
  100. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほど申し上げましたのは、全体としてできるだけ確実な送達を図るということからいたしますと、全部を書留にする方がよろしいわけでございますけれども、お客様の少額送金の料金負担という観点から、特に五万円以下のものについては私どもの責任において普通郵便で送らせていただく形で、省令では郵便料金の方の負担を低くなるように考えているということでございます。五万円以下のものを特にそういう形でやってみようというのがこの考え方でございます。
  101. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 これは一貫性が全くないのですよ。さっきも阿部委員から質疑がありまして、何かわれわれにはわからぬ同じような答弁をしておりましたけれども、こういうことについてももう少し慎重に考えるべきでしょう。たとえば簡易書留にするなら全部する、それから希望によっては簡易書留にする場合もあるとかということならいいですけれども、これで見ると何か責任は五万一円以上のものについては負わないとかということになるが、これはそうではないでしょう。もしこれが紛失した場合には郵政省が責任を持たなければならぬことは同じでしょう、額によって違うわけじゃないでしょう。だから、より確実にするというのであるならば、簡易書留にするならする。また五万円以上であっても、少なくとも天下の郵政省が安全確実、迅速に届けてやるという責任があるわけですから、これは簡易書留にわざわざしなくても済むわけですよ。なぜここで切ったかということについて、非常に理解しにくいことでございます。  これは大臣、ちょっとやり方について、非常に理解しにくいことですから、次の機会にでもこの辺は十分検討していただくように特にお願いをしておきたいのです。これはおかしいですよ。
  102. 山内一郎

    山内国務大臣 いろいろ階段があったり、ある金額まではどうするとか、ある金額以上はどうするとか、いろいろ取り扱いが違う点の御指摘だと思いますけれども先ほど局長から阿部委員に対して、検討してみます、こういう答弁がございましたので、鈴木委員のいまの問題も同様でございまして、検討をさせていただきたいと思います。
  103. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 時間がございませんので次に参ります。  今度の第六条で外国郵便振替についての料金問題が改正になりますが、この内容を拝見しますと、「条約に料金の範囲が規定されているときは、その範囲内において、」省令でもって決める。「条約に料金の範囲が規定されていないときは、万国郵便連合の郵便振替に関する約定に規定する同種の料金を超えない範囲内」で省令で決める。後者の方が今度新しく入ってくるわけですね。現在国会に提案されております約定は、二国間協定のものとしては、日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の郵便支払指図の交換に関する約定というのが一つあります。それから外国郵便小切手業務に関する約定、それから外国郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定、これが国会に提案されて、参議院先議で、いま衆議院に回っていると思いますが、これとの関係改正になると思いますが、郵便為替及び郵便旅行小為替の方は現在の料金が最高二十フランが三十フランになる、それから小切手業務については徴収する料金が規定されるようになっております。それから、グレート・ブリテンとの関係につきましては、これは前にもイギリスは、昭和五十四年八月に日本と英国との間の業務及び同国の仲介業務というものが郵便為替の場合に廃止をされておるわけですね。今度は振替の方にそれが入ってきているわけですが、それらの関連ともあわせて、いずれにしても省令によって料金が定められるわけです。これは国会を約定が通らなければいけないわけですが、そういうものの省令の素案はできておりますか、できておったら示してもらいたい。時間がありませんから、資料でも結構です、後ほどでもいいですが、その点ひとついかがでしょうか。
  104. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵便振替法第六条を改正する事情でございますが、現在条約につきましては、先生お話のございましたように、国会で御審議をお願いいたしているところでございます。この振替法六条の改正理由でございますが、二月十三日に東京で署名を終わりまして現在国会に御提出申し上げております約定に関連をいたすものでございます。この条約が日英両国間で締結をされますと、この条約により外国郵便振替の払い出し業務を行うことになるわけでございますが、この条約には料金の範囲の規定がございませんで、料金は各郵政庁が定めるということにされております。すでにこの種の規定を含みます二国間約定が締結されております外国郵便為替の料金につきましては、郵便為替法にその基準を定める規定がございますが、外国郵便振替につきましては、実はこれが今回初めてこの種の規定を含む二国間約定が締結されるわけでございます。このことと、またこれから先このほかにも同種の条約が締結されるということも考えられますために、現在御提案申し上げております郵便振替に関する条約に関連いたします六条の改正をお願いしているわけでございます。  ここに掲げてございます省令で定める中身につきましては、恐縮でございますがまだ案が固まったものがございません。
  105. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 それで、今度新しくいわゆる二国間の日英間の問題が直ちにこれに入ってくるわけですけれども、万国郵便連合の方で決めております料金、今度は三十フランになるようですけれども、最高限度というものはその三十フランよりも高くなっているのか安くなっているのか、その辺はどういうふうになっておりますか、条約的に、約定の中は。
  106. 鴨光一郎

    鴨政府委員 料金につきましては万国郵便連合の約定に規定をいたします料金の範囲で「同種の料金を超えない範囲内において」定めさせていただくということにいたしております。額は三十フラン以下ということでございます。
  107. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 時間がありませんので、私はちょっと最後に要望しておきたいのですけれども、この制度は歴史的にも非常に古いものでありまして、振替が明治三十九年、為替は明治八年と、非常に簡易で確実な送金の方法として国民の中に定着していると私は思うのであります。したがって、今度オンライン化を契機にしてさらに一層のサービスの向上をしていただくことでございますから非常に結構なことでございますし、私たちは大いに期待をしているわけでありますが、特に昭和四十年七月に新設されました定期継続振替制度の利用状況を見ておりますと、少なくとも五十四年度当時の資料を見ますと、前年に比べて口座、預かり金等も減っておるわけでございます。それからもう一つは、昭和三十一年七月に創設されました簡易払い制度、これにつきましても口座数、払い出し件数ともに減少の傾向にある、こういうふうなことが実態だと思います。  それから、外国郵便振替の場合におきましては現在十五カ国との間に業務を行っているわけでございますけれども、主としてヨーロッパ大陸の方に限定をされているという傾向がございます。したがって、これらの問題につきましても、さらにひとつ各国とも十分な連携をとりつつ、相手国の理解の中で業務がさらに前進できるようなことを努力してもらいたい、こういうふうに思っております。  為替の方は現在大体八十一カ国というぐあいに相手国も多くなっておりますが、それに比べますと郵便振替は非常に少ないわけでございます。その点をひとつ十分御配慮の上、今後がんばっていただきたいと思います。  特に、オンライン化というものが進みまして、先ほど伺いますと約二千億の金が投資されるわけであります。これによりまして現在の貯金局の機構その他もかなり変わってまいります。そしてそこに働いておりました職員の数も相当数減っているわけです。労使間の話し合いによって職種転換、配置転換、それぞれのことは労使間でやっていただいておるわけでありますから、それはそれに任すとしても、そこに働いて長い間苦労してきた人たちの血と涙の中に今日の事業があることをどうぞひとつ忘れないで、職員に対する一層の待遇改善、同時に、われわれ国民に対してサービスをよりよくしていただく、こういうことを根底に置いてこれからも大いに努力をしていただきたい、こういうことをお願いをし、大臣から簡単に所信をお聞きして、終わります。
  108. 鴨光一郎

    鴨政府委員 最初に、定期継続振替、簡易払い、それから外国の郵便為替の問題について簡単に御説明をいたします。  定期継続振替につきましては、公共料金を簡便な口座振替により自動的に支払うサービスで、昭和四十年以来提供いたしておりますが、ここ五年間の利用状況は、口座数、件数ともほぼ横ばいの状況にございます。そういう状態になっている理由といたしましては、民間金融機関の自動振替の普及といったことが影響しているのではないかというふうに考えております。  それから、簡易払いにつきましては、定期に多数の払い出しを行う口座加入者に対する払い出しの制度でございます。昭和三十一年以来提供いたしておりますが、これも最近五年間の利用状況について見ますと伸び悩みの状況にございます。ただ、今回お願いをいたしております改正案の中で、簡易払いの支払い通知書を五万円から十万円に引き上げるということにいたしておりますので、こういった面で今後とも利用者により便利に利用していただけるよう努力をいたしたいと考えております。  それから、外国郵便為替につきましては、現在七十一カ国との間で実施をいたしておりますが、送金需要がないあるいは外国郵便為替実施していないというふうなことで、国が特にヨーロッパに限定をされているという状況にございます。  それから、外国郵便振替につきましては、現在十五カ国との間で実施をいたしておりますが、国内での郵便振替の普及に力を入れている段階にある国が多いわけでございます。そういうことで外国郵便振替による送金需要が少ないというふうなこともございますけれども、今後とも送金ルートの開設につきまして相手国に働きかけはいたしてまいりたいと考えております。  なお、オンラインに伴います、これはお客様に対するサービスの面と経営の合理化、効率化という側面を持っておりますが、当然その中で働いております職員との関係につきましても、それらとの関連におきまして、労働条件の改善等につきましては今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  109. 山内一郎

    山内国務大臣 郵便事業は国民の信頼を得るということが一番重要でございまして、そのためには労使が協調しておのおの責任を果たしていくということは先生の御指摘のとおりでございまして、従来もそういうつもりでやっておりますけれども、さらにその線を進めてまいりたいと考えております。
  110. 鈴木強

    ○鈴木(強)委員 ありがとうございました。
  111. 堀之内久男

    ○堀之内委員長代理 鈴木強君の質疑は終わりました。  竹内勝彦君。
  112. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 この際、郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案に関連してまず伺っておきたいのですけれども、この郵便為替及び郵便振替というものは日常どういうものに使われ、どんな利便を国民に与えておるものか、この際その点をはっきりさせておきたいと思いますので、概略で結構でございます、御説明ください。
  113. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵便為替それから郵便振替はそれぞれ法律がございます。その中で、簡易で確実な送金、決済の手段としてあまねく公平に利用させるということで、国民の皆様の円滑な経済活動のお手助けをするということを目的にしているものでございます。具体的には郷里への送金あるいは慶弔金の送金といったもの、それから電気、ガスの料金、地方公共団体の公金、商品の代金などの払い込みといった形で、国民の日常生活に非常に密接なかかわりのある送金に用いられているわけでございます。こういったことで、今回、為替振替業務のオンライン化によりましてさらにその機能を充実して、国民の皆様の負託にこたえていきたいというふうに考えているところでございます。
  114. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 オンライン化が現在までで五〇%ぐらい進んでおるやに伺っておりますが、今後五十八年度末をめどにオンライン化を進めていくということ、非常に結構なことでございます。これには設置の費用の方も全国をカバーするために多くの額が費されると解釈されます。現在までどのくらいの費用がかかり、そしてまた今後、全国をカバーするためにはどのくらいの費用がかかっていくのか、それを明らかにしてください。
  115. 鴨光一郎

    鴨政府委員 オンラインのためのシステムの創設経費でございますけれども、このシステム創設のために、オンラインシステム完了までの間に総額で千九百億円ほどの資金を必要といたします。なお、いままでにという御質問でございますが、五十六年度までのものでトータルをいたしますと約千四百億円でございます。したがいまして、それから先五十七年度以降におきまして、オンラインシステム完了までにさらに約五百億円というふうに見込んでいるわけでございます。
  116. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 電信為替については、従来電報を利用していたものがオンラインシステムによって処理することによってどの郵便局でも為替金を払い渡すことができる。いままでの場合と比較してどういった点が簡便になるのか、また送金手数料等の点でも今回の法改正によって国民に与えるメリットですね、どういうようになるのか、説明をしてください。
  117. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回お願いをいたしております法改正中心は、為替貯金業務のオンライン化に伴います郵便為替、郵便振替サービス改善を図るためのものでございます。今回の改正によりましてサービス改善が図られる主な点でございますが、郵便為替につきましては、普通為替、電信為替について受取人がどこの郵便局でも払い渡しを受けることができるようにするということ、それから電信為替につきまして、受取人に証書あるいは現金を送達をして払い渡します方法のほかに、郵便局の窓口で受取人に現金を交付するという形での払い渡しができるようにすること、それから普通為替証書、電信為替証書の一枚当たりの金額の制限を十万円から百万円に引き上げること。  それから郵便振替におきます主なものを申し上げますと、オンライン化によりまして小切手を振り出した加入者の振替口座の現在高が郵便局の窓口で即時に把握ができるようになります。それで、小切手払いの手続を簡易化する。それからその振替口座の現在高の範囲内で直接小切手払いができるようにする。また、先ほど為替と同じように、通常現金払い、電信現金払い両方についてでございますが、郵便局の窓口で受取人に現金を交付することができるようにするというようなこと、それから、証書一枚当たりの金額の制限の引き上げというようなことを予定いたしておるわけでございます。
  118. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 いわゆる市中銀行と郵便局との間の連携というのが今後考えられないか。その間において送金業務というものができるのか、あるいは今後しようとする決意はあるのか、そういった展望も聞かしていただければありがたいと思います。
  119. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在私ども、五十二年八月から始めましたオンラインにつきまして、全国網の完成を五十八年度末を目途に鋭意進めており、五十六年度が実はそのピークに当たるわけでございますが、先生御指摘の点につきましては、まず何よりもいま私どもが私ども自身の全国網完成というところに全力を注いでいる状況でございますので、それの完成をまず第一義に考えたい。  それから、御指摘の点につきましては、技術的には不可能ということではないわけでございますが、いろいろな問題が数々あろうかと思います。そういった点につきまして、利用者の皆様のことを念頭に置きながら可能な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  120. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 現在の郵貯あるいは銀行との間の論争、いろいろなものがございます。国民不在というか預金者不在、こういった形になるのじゃないかと思います。預金者としては、預金する場合、その機関を信頼し、かつ最高のサービスを受けることを期待しております。ところが、たとえば今回オンライン化に伴う現在の為替振替業務を簡便化するだけの改善であっては――預金者は、郵政省が莫大な資金を投じて設置したオンラインシステムが五十八年度末完成すれば、銀行サービスと同じものを提供してくれるか、こういった面を期待すると思うのですね。いわゆる総合口座サービスといったようなものに応じられるかどうか。たとえば銀行等におきましては、いろいろな払い出しにしても、電話料金にしても、ガス料金にしても、水道料金にしても、そういったものを総合口座のシステムで自動的に払い出しがいまできるような形になっていますね。そういったものを今後郵政省としてどういうように考えているのか、今後、銀行と同じようなサービス方向として持つべきではないか、それにはどのような法改正が必要であり、諸施策の対応というものが必要になると思いますけれども、どういった点が大切なのか、その見解を述べてください。
  121. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回の改正につきましては、先ほども申し上げましたように、郵便為替及び郵便振替をオンライン化するのに伴いまして迅速化、手続の簡素化といったサービス面の改善を図るということで、現在法的整備をお願いしているわけでございますが、この改正によりまして郵便局の送金、決済業務につきましてもサービス内容改善が大きく行われるというふうに考えております。  なお、御指摘の総合口座あるいは公共料金の自動支払いといったサービスにつきましても、先ほど申し上げておりますようなわれわれとしてのオンライン化の進展努力の結果、あるいはお願いをいたしております今回の法改正等によりましてサービス実施に必要な基盤を整備をいたした上で、利用者方々ニーズに積極的に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  122. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それでは次の問題に移りますが、御承知のとおり五十九年実施でグリーンカード制度が発足する運びになっております。この問題はその後いろいろな論議を呼んでおるようでございます。国民から見ると、税金逃れのための方策が安易に行われるようでは公正さを欠くことになるのでございます。このオンラインシステムが完全実施されていくのが同じく五十九年でございまして、郵貯においても架空名義の預金で税金逃れというような形になってはなりませんので、名寄せという面が今後どのように完璧なものになっていくのか、その状況、見通しを説明してください。
  123. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵便貯金の名寄せにつきましては、御承知のように地方貯金局という後方機関におきまして、預金者ごとに全国一本で名寄せをいたしております。この名寄せにつきましては従来手作業で実施をしてきております。ただ、オンライン化が進んでおりますので、オンライン化が終わりました地域から順次コンピューターによる名寄せに切りかえているところでございます。現在、人口で申しまして全国の半分近くをカバーいたします地域でコンピューター名寄せに移行いたしております。したがって、これによって正確かつ迅速な、また効率的な名寄せがいままで以上に行えるものというふうに考えております。  それからグリーンカード制度が五十九年の一月からということで実施予定されておるわけでございますが、この五十九年一月からは郵政省としてもグリーンカードによる本人確認を行うということと同時に、グリーンカード番号による名寄せを行うということにいたしております。そういうことで、オンライン化が完成をいたしました段階には、名寄せも全地域につきましてグリーンカードを用いてコンピューター処理になるということでございますので、限度額管理が一層徹底できるようになるわけでございます。
  124. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 郵貯における現在の限度額ですね。住宅積立預金だとか財形貯蓄、こういったものは除いておりますけれども、あらゆる種類のものを含めて三百万円になっている。この限度額の引き上げは、諸般の社会情勢により引き上げる方向郵政省も毎年計画しているようですけれども、その辺の今後の見通しはどうなのか、伺いたいと思います。
  125. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵便貯金の一般の預入限度額、現在三百万円でございますが、これを五百万円に引き上げる、それから高年層の方々につきましては、その一般の預入限度とは別枠で一千万円まで、いわゆるシルバー貯蓄というものの創設につきまして昨年末大蔵省と鋭意折衝を重ねたところでございます。これらは非課税限度額の拡大という形になりまして、税制にかかわる問題ということに相なりますので、現在の厳しい財政事情ということから実現を見るに至らなかったところでございます。われわれといたしましては、国民の健全な資産形成に資するために、あるいは老後の生活をより安心をして過ごしていただくということのために必要な措置であるというふうに考えております。今後も財政事情は厳しいものがあると思いますけれども、その中でもわれわれいま申し上げましたような制度の実現について精いっぱいの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  126. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 ここで一つ考え方として、限度額の及ぼす範囲ですね、定期性預金すなわち定額預金であるとか定期預金、積立預金等、そういったものにしぼっていって、むしろ通常の普通預金、これに関しては、もう利息も低いし、かつ預払い、出し入れ自由で、これは課税するためにも預金残高を押さえる時点が非常にむずかしいということと、また今日一般大衆の中でも、たとえば家を建てるとか、あるいは結婚資金などで、しばらく、一日、二日でも大金を手元に置くときがございますね。そういうときに、現行では三百万円以上を預けると課税対象になってしまうわけでしょう。それを、こういう普通預金に関してはそれを取っ払って、これを課税対象にしないというようなそういう考え方、そういうような提案をしたいわけでございますけれども、この出し入れが自由にできるようなそういう何らかのものを、そういう限度額を超えた形で考えられるようなそういった考え方はないでしょうか。
  127. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在郵便貯金は御承知のように通常貯金、積立貯金定額貯金といろいろございますけれども、それらを通じまして利用者お一人の限度額が三百万円ということになっているわけでございます。先生承知のとおりでございますけれども、これを通常貯金を無制限に受け入れるということにいたしました場合に、問題といたしまして、仮に課税扱いということで措置をいたそうといたしますと、これまで郵便貯金が長年ずっと原則非課税ということで取り扱われてまいりまして、国民の皆様にもそういうものとして受けとめられているということとのかかわりの問題がございます。それから逆に無制限に受け入れてこれを非課税扱いということにするといたしますと、逆に今度民間のマル優といった他の非課税貯蓄とのバランス上の問題といったものが出てまいります。そういったことで、いろいろ検討を要する面が多いと思いますけれども、御指摘の点につきましては、われわれといたしましても今後慎重に検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。
  128. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 それでは最後に大臣に、お考え方、今後の見通し等も含めて御決意のほどを伺って終わりたいと思いますが、この郵貯の特別会計、ここ数年赤字経営となっておりますね、現状は。今後どうなっていくのか、今後の見通しはどうか。今後オンライン化など新サービスによって経営は確実に健全化される見通しになっていかなければならないと思いますし、その辺の郵政大臣としての見通しと御決意をお伺いしておきたいと思います。
  129. 山内一郎

    山内国務大臣 特別会計大分赤字でございましたけれども、五十五年から黒字に転換した、こういう状態でございます。したがって、今後の問題としては、財投の預託金利との関連性が非常に強うございますので、そういう点は十分気をつけながら、赤字が出ないように健全な経営ということで、いろいろ御審議をいただいているオンラインの問題についても五十八年には完成をいたしまして、国民サービスに徹してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  130. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 終わります。
  131. 堀之内久男

    ○堀之内委員長代理 竹内勝彦君の質問は終わりました。  次に、西村章三君。
  132. 西村章三

    ○西村委員 今回提案されております郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案につきましては、その内容為替貯金業務の総合機械化に伴う制度の改善あるいはサービス改善、料金の適正化などでありますので、利用者の利便の向上という観点から私どもも挙げて賛意を表するものであります。  すでに同僚委員から改正内容についての質問がございましたので、私は問題点をしぼりまして為替貯金業務の総合機械化の進展に伴う効果につきまして、なかんずくオンライン化による為替貯金業務の取り扱い、対象業務の拡充、利用者への一層のサービスの向上についてこの際伺っておきたいと思います。  そこでまず伺いますが、郵政省ではすでに昭和五十三年から関東、近畿、東京など都市部の郵政局管内を中心にオンラインによる業務の取り扱いを行っております。また昨年より郵便貯金自動支払い機による取り扱いも開始をしております。そこで、これらの今日までの実績を踏まえて、今回の法改正によって利用者サービスはどのような改善が図られるのか、まずこの点から答えていただきたいと思います。
  133. 鴨光一郎

    鴨政府委員 今回の法改正中心は、為替貯金業務のオンライン化に伴いまして、郵便為替及び郵便振替サービス改善を図るためのものでございますが、オンライン化によりまして、まず郵便為替、郵便振替とも相当のスピードアップということができることになります。  そのほか今回の法改正によりましての改善内容といたしましては、郵便為替では、普通為替と電信為替につきまして、受取人はどこの郵便局でも払い渡しを受けることができるようにするということ、それから電信為替につきまして、受取人に証書または現金をお送りをして払い渡す方法のほかに、郵便局の窓口で受取人に現金をお渡しをする方法、それから普通為替証書、電信為替証書の一枚当たりの金額の制限、現在十万円でございますものを百万円に引き上げるといったサービス改善、これは為替関係でございます。  それから郵便振替の面では、オンライン化によりまして、小切手を振り出した加入者の振替口座の現在高が郵便局の窓口で即時に把握できるということになりますので、小切手払いの手続を簡易化いたしまして振替口座の現在高の範囲内で直接小切手払いができるようにする。それから、証書の面での限度額の引き上げといった、これは為替に準ずるような中身のものがございますが、そういったサービス改善を期しているところでございます。
  134. 西村章三

    ○西村委員 この法案が成立いたしました後、郵便為替が五十六年度の後期、郵便振替は五十七年度の前期にそれぞれ取り扱いが開始をされるようであります。今後オンライン化の整備が完全に行われる五十八年の末時点で、その効果として可能となるサービスの向上はどのようなものが期待をされておるのか、特に現行サービスの向上はもとよりでありますが、新種サービスの可能性についてもこの際お答えいただきたいと思います。
  135. 鴨光一郎

    鴨政府委員 為替貯金業務のオンライン化と今回の法改正によりますサービス改善、これは先ほど申し上げましたように、迅速化、効率化あるいは手続の簡易化が図られるという効果がございます。  それから今後でございますけれども、総合口座等のサービス実施につきまして積極的に対処する、そういった形でオンラインの効果を十分に生かした利用者サービスの向上に努めたいと考えておりますが、いま申しました総合口座等のサービス実施につきましては、必ずしもオンラインの全国完成を待つのではなくて、できるだけ早い時期に実施できるように検討しているところでございます。
  136. 西村章三

    ○西村委員 オンライン化の進行に伴いまして、必然的にオンラインによる取扱対象業務は拡大されるのでございます。今回の改正でも当初郵政省では、通常貯金の口座から電気代、水道料金、電話料金、これら公共料金の自動振替制度の導入というものを考えておられたことは、この新聞の報道によっても明らかでございます。またもう一つは、為替金の払い渡しを通常貯金に預入できる、いわゆる振り込みのための為替法の第九条改正についても考えていたようでありますが、提出されました改正案の内容にはこのことがほとんど入っておりません。まず、なぜ見送られたのか、その理由を明らかにしてください。
  137. 鴨光一郎

    鴨政府委員 お尋ねがございました最初の方の問題は、いわゆる公共料金の自動振替の問題かと思います。この問題につきましては、支払い者の通常貯金の払戻金をもちまして振替口座への公共料金の払込金に充てる、そういうような場合に該当するものでありまして、為替貯金業務のオンライン化に伴い効率的な事務処理が可能になるということで、できるだけ早期に実施できるように検討いたしております。同時に、今回の改正案の中に盛り込んでございます料金低減条項の対象ということで低廉な料金でサービスを提供できるようにしていきたいと考えているところでございます。  それから、後段の為替金の払い渡しを通常貯金に預入するというサービス、いわゆる振込送金でございますが、これはソフトウエアとか、事務処理方法等の面で、われわれといたしましてもなお引き続き検討はすべき点があるということで、今回はひとまず実施を見送ることにいたしたところでございますが、今後とも鋭意検討を進めてサービス改善に努めたいというふうに考えております。
  138. 西村章三

    ○西村委員 関連をいたしまして、これは先ほど同僚委員からも若干御質問ございましたが、現在、公共料金の自動振替制度として送金や決済の手段に使われております定期継続振替制度、これは最近五年間、取扱口座数あるいは件数、またその金額も横ばいもしくは非常に低減をしてきております。  たとえば昭和五十一年度には取扱口座数は一千五百八十二万四千口、金額が一兆二千百五十二億九千万、これだけありましたものが、五十四年度におきましては口座数が千八百二十四万九千、ほぼ横ばい、そして取り扱いの金額に至りましては六千八百八十八億三千六百万円、およそ半減をしているのであります。先ほど民間金融機関振替制度の普及が原因だ、こういうことがありましたが、私はむしろ制度の欠陥が今日こういう現象を生んでおる、こう思うのであります。郵政省はこの問題について何が理由で減っておるのか、このことについてどう考えておられるか。
  139. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生からお話のございました定期継続振替と申しますものは、簡便な口座振替によって公共料金を自動的に支払うサービスでございます。昭和四十年以来郵政省として提供をしてまいりました。  いま先生御指摘のございました数字につきまして、ちょっと私どもの手元にございます数字と違っておるわけでございますが……(西村委員「ちゃんと今度の資料に出ている数字だよ」と呼ぶ)どうも失礼いたしました。最近五年間の利用状況について見ますと、利用件数はほぼ横ばいの状況にございますけれども、これが横ばいの傾向にあるのは民間金融機関で行っている預金口座を利用した自動支払い、こういったものが利用者ニーズに合致をし普及したことによるというふうに私ども考えております。  そういうことで、通常貯金の払戻金を先ほど申しました公共料金等の払込金に充てる、いわゆる自動払い込みのサービスにつきまして、われわれとしてもその実施検討いたしているというところでございます。  数字につきましては、どうも失礼をいたしました。
  140. 西村章三

    ○西村委員 すべてこれは検討検討なんですが、その前に局長のいまの答弁資料、これは何ですか。ちゃんと今度のあれに出ているじゃないですか。何を根拠にしゃべっているのですか。この辺のことをもう一度答えてください。あなた方がつくった資料じゃないですか、これは。
  141. 鴨光一郎

    鴨政府委員 どうも大変失礼いたしました。     〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕  先生お話のございましたのは、郵便振替の中の払い込みで電気事業料金その他のものでございますが、これは一件一件を窓口にお持ちをいただいて払い込んでいただくというものでございます。数字につきましては、先ほどお話のございましたような、たとえば昭和五十一年度の数字で口数が千五百八十三万四千口、金額が一兆二千百五十二億九千万円という数字でございます。大変失礼いたしました。
  142. 西村章三

    ○西村委員 いずれにいたしましても取扱口座数は横ばいからやや減少方向にありますし、取扱金額は著しく減少しておるということであります。この現行の制度は利用者サイドから考えますと、繁雑で、しかも一銭の利息もつかない、こういう不満がございます。自分の持っておる通常貯金口座とは別に振替口座をつくらなければなりませんし、加えてこの口座は幾ら長く置いておいても一銭の利息もつかない。したがって、一般の人々は民間金融機関の利息のつく普通預金や総合口座を利用するのは当然の成り行きであります。  たとえて申し上げますと、NHKの受信料なんかは、せっかく全国に二万二千の郵便局があるわけですから、こういうものに完全に利用していただくと受信料の徴収なんかもきわめてスムーズにいくわけであります。  そこで、今後郵政省はこの制度を改善してサービスの向上に努める意思があるのか。先ほど来できるだけ早くということでありましたけれども、私もできるだけ早い方がいいと思う。いつごろならできるという見通しをつけておられるか、その辺についてお答えをしていただきたい。
  143. 鴨光一郎

    鴨政府委員 定期継続振替につきましては、最近五年間利用件数が伸び悩んでおりますことは先ほども申し上げたとおりでございます。民間金融機関で行っております預金口座を利用した自動支払いというものが普及をしたということでございますが、私ども先ほど申し上げました自動払い込みのサービス実施検討いたしておりますが、この検討はできるだけ早い機会にということで、ちょっと具体的な日時を申し上げられないのが恐縮でございますけれども、何とかできるだけ早い機会にということで努力をいたしておるところでございます。そういうことで御了解をいただきたいと思うわけでございます。
  144. 西村章三

    ○西村委員 どの辺にその隘路があるのですか。どういう条件が整えば実現ができるということなんですか。
  145. 鴨光一郎

    鴨政府委員 隘路と申しますか、物理的なというような形でのものでは隘路というのに該当するものはないわけでございます。ただ、もちろん現在御審議をいただいております法律改正というものは、それが一つの前提でございます。そのほかに、ソフトウエアにつきましての準備といったようなこと、その他事務的に詰めるべき事柄がございますので、そういったことを鋭意詰めた上でなるべく早い機会にということを考えているものでございます。
  146. 西村章三

    ○西村委員 これ以上申し上げてもなかなか前へ進まないと思いますから、次の問題へ移ります。  もう一つ見送られた内容の中に、いわゆる銀行の振り込みと同じサービス為替金の払い渡しを通常貯金に預入できる、そのための為替法の第九条の改正があったわけでありますが、この問題は大蔵省が二つの反対理由を挙げまして、今国会の提出が見送られたと私は聞いておるのであります。  反対理由の第一は、郵便為替法で規定する送金と郵便貯金法で規定をする通常貯金への預入とがそれぞれ別々の法体系で規定されているのに、郵政省改正案はこれをクロスオーバーさせてしまっているところが問題点だと指摘をしております。そして、それぞれの法律趣旨に照らして、あいまいな形で両者が渾然一体化することは制度の否定につながるという批判でございます。  しかし、私はこの批判は全く当たらないものだと思うのであります。すなわち、法律というものは常に総合的にかつ有機的に解釈し運用すべきものでございまして、固定的、観念的に運用すべきものではございません。わが国の現行制度の中にも、法体系としてのクロスオーバーをしている制度は数限りなく存在をいたしております。郵政業務の中でも、たとえば電信為替業務あるいは代金引きかえ郵便物業務、振替預入業務、これはそれぞれいろいろな法律状況に基づいて行われているものでありまして、こういった制度が数多くあるわけです。したがって、この批判は全く当たらないわけでありますが、大蔵省のこの批判につきまして、郵政省としての見解はいかがでございますか。
  147. 鴨光一郎

    鴨政府委員 お尋ねがございました為替法貯金法の体系のクロスオーバーの問題でございますが、私どもといたしましては、振込送金すなわち貯金口座に預入して払い渡しをするという送金の形式を、現在ございます法律の中で郵便為替法改正によって実施できるというふうに考えております。そういう意味合いにおきまして、法体系の上でも問題はないというふうに理解をいたしているところでございます。
  148. 西村章三

    ○西村委員 今後郵便為替法についての改正の再検討はなさるおつもりですか、どうですか。
  149. 鴨光一郎

    鴨政府委員 いま申し上げました問題につきましては、郵便貯金の限度額管理の面で、ソフトウエア上いろいろ工夫を要する面がございます。そういうことで、郵便貯金の限度額管理につきましては、これまでもわれわれ十分徹底して厳正に行ってきたところでございますけれども、そういったソフトウェアやあるいは事務処理の面でさらに若干検討を加える必要がございます。そういうことで、今回はひとまず改正案の中に盛り込まなかったわけでございますけれども、当然、いま申し上げましたような点についての検討を加えて、これもできるだけ早く実現できるようにいたしたいと考えております。
  150. 西村章三

    ○西村委員 きわめて前向きの答弁でございますから了解をいたしますが、いま局長が答弁をされましたいわゆる郵便貯金の限度額管理、これがしり抜けになるというのが大蔵省のこの振込制度の反対の第二の理由でございます。実際にそのような懸念が持たれるのか、実態としてこの際明確にしていただきたいと思います。
  151. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在、問題といたしまして、確かに御指摘のような限度額管理の問題があるわけでございますけれども、これはしり抜けということよりも、具体的な限度額管理をソフトウエアあるいは事務処理の面でどういうふうにとらえることができるかというところの問題でございまして、そういった点での工夫をいま考えているというところでございます。
  152. 西村章三

    ○西村委員 従来この限度額管理につきましては、いわゆる手作業による名寄せをやっておったわけでございますが、このオンライン化の導入によりましてそれが一層厳格にかつ適正に管理をされると伺っておるのでありますが、この点についてもう少し詳しく説明してください。
  153. 鴨光一郎

    鴨政府委員 限度額管理につきましては、これまで手作業によってやっておりましたことはお話しのとおりでございます。  ただ、現在進行中のオンライン化の中で、コンピューターによります名寄せをオンライン化実施の地域から順次やっていくということでございまして、これによりまして、従来の手作業よりさらに迅速、正確あるいは効率的に実施ができるわけでございます。それから五十九年一月からグリーンカード制度が実施をされますけれども、その際には、このグリーンカード番号によります名寄せも実施をすることにいたしておりますので、そういった面で、現在も十分な努力をしているつもりでございますが、そういう機械的なあるいは制度的な側面を織り込みながら一層厳格な管理ができるというふうに考えております。
  154. 西村章三

    ○西村委員 大臣、お聞きのとおりでございます。約二千億近い経費をかけてオンライン化を実行いたしているわけでございますが、このオンライン化あるいは総合機械化の効果は、事務処理の効率化と迅速化、これは当然のことでありますが、加えて利用者の利便の向上、サービスの向上に最大に生かされるべきものだ、こう思うのであります。したがって郵政省も、現行サービスの向上はもとよりでありますけれども、いわゆる総合口座制度の開設であるとか、自動振替制度の導入であるとか、こういうものに最大限の努力をしてもらいたい、今後一層努力を重ねてもらいたい、このことを強く要望するのでありますが、最後に大臣見解と決意を聞かしていただいて私の質問を終わりたいと思います。
  155. 山内一郎

    山内国務大臣 いろいろ御指摘がございまして、せっかくたくさんの金をかけてオンライン化をしていくのであるから、もっとさらに国民サービスをすべきである、これは当然のことでございます。いろいろ郵政省としても努力をしてまいったのでございますけれども、現在では総合口座の問題がおくれている、あるいは公共料金の自動振替の問題、こういう点についてさらに積極的に努力をして実現に向かってまいりたいと考えております。
  156. 佐藤守良

    佐藤委員長 西村章三君の質疑は終わりました。  藤原ひろ子君。
  157. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 郵便為替振替法、この質問に入る前に、私は一、二点郵政省に確認をしておきたいということがありますので、その点からまず質問をさせていただきたいと思います。  去る二月二十五日でございましたが、当委員会で私は団地配達員の処遇の問題についてお尋ねをいたしました。その中で団地配達員の間において賃金に大きなアンバランスが生じているということを指摘をさせていただきましたが、郵政省としてその後この問題につきましてどのような対処をなさったでしょうか、お尋ねをいたします。
  158. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 お答え申し上げます。  去る二月二十五日、ただいま先生がおっしゃったとおり、当委員会におきまして団地配達に従事をしている主婦の方々の処遇につきまして先生から問題の提起と是正すべき点について御指摘がございましたが、私どもその後労働省とも打ち合わせをしましたが、少なくとも制度的には法律、通達には違反してないという結論が出たところでございます。しかし、労働条件というのは単に法律、通達に違反をしてないということでよしとするものではないことは当然でございまして、絶えず諸条件に対応した向上を図ることは当然でございますので、先日の先生の御意見を十分踏まえて今後とも検討、措置を加えていく所存でございます。
  159. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 大きなアンバランスが生じている点を指摘をしてどのようにされましたかという質問をしているわけですが、通達に違反があるかないか、そういうことできょうは論議をしようとはしておりません。私どももきょうは国政の運営に協力をして質問時間数をそれぞれ十分ずつ減らしているという状況ですので、ぜひとも問いに対してお答えをいただきたいと思います。  前回の質問の中で、魚津郵務局長は、団地配達員の賃金について、東京では時間給六百七十円だ、全国平均では六百五十円だ、こういう説明をされていたわけでございますが、十大都市の場合にこの平均時間給が支給されているというふうに理解をしていいのでしょうか。もしも違うということであれば、十大都市の最低時間給は幾らが適当と考えていらっしゃるかという点をお尋ねいたします。
  160. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 団地配達の主婦の方々に支給している賃金というものにつきましては、二月の二十五日にお答えしたとおりでございます。ただ、実態を調べてみますと、団地配達の主婦というかっこうで定数を流し、それに見合った賃金を令達するという形で運用されているものばかりでなくて、たとえば忙しいという意味の繁忙でございますとか、それから病気その他の欠務によりまして後補充をするという形で措置をしているものが現実には皆無ではないというふうに思っております。したがいまして、そういったかっこうで措置をした賃金というものにつきましては、先回お答えをいたしました賃金よりも低い形で雇用しているという実態が部分的にはあるというふうに理解をしているところでございます。
  161. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それでは、郵務局長が先日来説明をされた時間給より低い賃金のところがあれば、そのところは最低賃金、つまり最低の時間給というところまで引き上げるということをお約束いただけますでしょうか。
  162. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 結論はそういうことでお約束をいたしたいと思います。若干補足をして申しますと、団地配達という現象面で行われていることが本省郵政局で計画として実施をしているものと若干の乖離があるわけでございます。その乖離をこの機会に十分調査をした上でなくしたいという意味で先生に御指摘をされました点について是正に努めていく所存でございます。
  163. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 また、郵政省がお調べになったところで、実際の仕事は団地配達員としての業務に従事をさせているが、しかし採用するときは一般の非常勤職員、こういうことで雇用をしているという方たちが東海、近畿、それから東京、そういったところなど各地方の郵政局管内にいるように思うのですね。しかもこのケースの人たちは、賃金につきましても低賃金の中で働いているというふうに聞いているわけなんです。郵政省としてこの方たちの処遇について、いつまでに改善をしようというふうに考えていらっしゃるのか、それからまた、賃金の面におきましても、団地配達員として処遇をされれば時間給にしてどれぐらいの額が引き上げられるのかという点、お答えをいただきたいと思います。
  164. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 先ほど申し上げましたように、制度の運用について乖離のある部分、その点については至急是正をするということで作業を進めてまいる所存でございまして、少なくとも五月中にはそういう御指摘のないかっこうで実施に移してまいりたい。したがいまして、賃金は二月の二十五日に先生お答え申し上げたとおりの額というかっこうで運用されるわけでございます。じゃ五十六年度はずっとその額であるのかどうかということでございますが、五十六年度の賃金単価のあり方というものをいろいろの情勢を考えて、ある時期には手直しをするという計画も一方では持っているところでございます。
  165. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それでは引き続きまして、団地配達員の労働条件の一つでございます年休の問題についてお尋ねをしたいと思います。  前回の質問の中でも、郵務局長は、労働基準法第三十九条の要件に合致する人の場合は最低年十日の年休を与えることになっている、このように御答弁をいただいたわけでございます。これは団地配達員を雇用している各郵便局で確実に実施されていますでしょうか。いかがでしょうか。
  166. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 私ども、調査をいたしました。そしてさらに、この国会で御答弁を申し上げていることが事実と違うことのないようにチェックもいたしたわけでございますが、要するに基準法の三十九条の要件を充足する団地配達に従事している主婦には年次休暇が付与されているというふうに現状を把握しているところでございます。
  167. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 郵務局長さんのお言葉でございますが、私どもがつかんでいる中ではまだそうなっていないというのがあるので、ちょっと質問をしたいわけですが、二月二十五日に質問して、約二カ月たっているわけですね。そこで、私もせっかく取り上げたわけですから、お約束いただいた中でどうなっているのかということで、念のために昨日、年休が与えられていなかった局についてもう一度調べさせていただいたわけです。その結果、年休については当局の方から何も言われていない、したがって改善はされておりませんし、以前のままの状態であるということなんですね。調査をした局の名前を具体的に挙げてもいいのですけれども、皆さんの立場からすれば、このようなところで指摘されてから二カ月もたっている、しかもこの点について改善がされていないということで、局長さんはもうちゃんとされているのだというつもりだったけれどもそうでないというようなことは、皆さんにとっては名誉な話でもございませんので、あえてどこだということは申し上げませんけれども、団地配達員を雇用している局は全国で百六十局しかないわけですね。そういう状態ですから、皆さんの方でぜひとも調査をしていただいて、改善がされていないということであれば即改善をするというふうにしてほしいと思いますが、郵務局長さんいかがでしょうか。
  168. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 改善すべきところがあれば、もちろんためらうことなく直ちに改善をするということは当然のことでございますが、ただ一つ、私はこの機会に、年次休暇をめぐる問題につきまして、先生も御案内のところでございますが、発給をするためには二つの大きな要件があろうかと思うのです。一年継続して労働するということと全労働日の八割以上労働するという要件に法がかからしめているところでございまして、果たして先生のお手元にございます。その局で、そういう要件に合致した上でなお与えられていないということなのかどうか、その辺は確かめる点がございますが、ともあれ、法に決められた条件が守られていないという事実は、理由のいかんを問わずわれわれ直ちに直すということは当然でございますので、冒頭申し上げた方針で措置をしてまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
  169. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 私がいままで指摘をいたしました団地配達員の賃金と年休の問題につきましては、今日改めて問題になるのは、前回も申し上げましたように、郵政省の側に、雇い入れに当たっては労働条件を明示すべきこと、こういう労基法の第十五条一項の規定が完全に実施されていないからだというふうに思うわけです。あなた方は、労働省に対する説明では、労働条件については明示していると答えていらっしゃるようなんです。  そこで郵政省にお聞きをしたいと思うのですが、労働条件について明示している項目と内容、一番最近のもので結構でございますから、後ほど私どもの方に資料として提出をしていただけませんでしょうか。局長さん、この点についていかがでしょう。
  170. 魚津茂晴

    ○魚津政府委員 お求めのとおり、資料として提出さしていただきます。
  171. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 前回の質疑の中で、団地配達員に対する基本的な考え方であるとか、あるいは処遇の問題について、皆さん方が考えていらっしゃることと私が理解をしていることに違いがあるというふうに私は思ったわけなんです。この点につきましては後の機会に譲りたいというふうに思うのですけれども、とりあえずきょう御指摘申し上げました点につきましては早急に改善をしていただきたいと強く要望をいたしまして、為替振替法に関する問題についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。  午前中からの質疑の中でも出ておりますけれども、今回の郵便為替法及び振替法改正といいますのは、郵便貯金のオンライン化に伴いますことによりまして改正されるものですから、この郵貯オンライン化に関係する問題を除いて今回の法改正を論議することはできないというふうに思うわけです。そこで、私もこの郵貯オンライン化の問題につきまして一つ二つ質問をさせていただきたいというふうに思います。  行政改革に関連をしまして、昨年地方の貯金局の統廃合の問題が論議になったわけでございます。ことしもまた政府は行政改革を重要な課題として位置づけて、国民の批判を浴びながらその課題に取り組んでいるわけです。そこで郵政省にお尋ねをいたしますが、現在貯金の業務について九つの計算センターと十九の事務センターの体制をとっているわけですが、行政改革に関連をして、この体制を変更されるつもりがあるのでしょうかどうでしょうか。それともこの体制というのはいまのまま維持をしていくというおつもりなのでしようか。いかがでしょう。
  172. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在進めております為替貯金業務の総合機械化、いわゆるオンライン計画でございますが、為替貯金業務のうち、現在二十八の地方貯金局で行っております利子計算とか、原簿記録といった事務を仰せのように九カ所の地方貯金局に集中いたしまして、これを計算センターということにする面、それからそのサブセンターといたしまして、残りの十九カ所でございますけれども、これを事務センターといたしまして、利用者への各種通知書等の発行とか、あるいは利用者からの各種請求の処理、証拠書類の整理、保管といった事務処理を行うことにいたしているわけでございますが、こういう総合機械化に伴います対応は、五十五年度以降の行政改革の趣旨にのっとった措置でございまして、五十九年度末までに計画的に、いま申しましたように地方貯金局の二十八局を九局の計算センターとそのほかの十九局を事務センター、出張所という形で改組をすることにいたしておるわけでございます。これは先ほど申しましたように行政改革の趣旨にのっとったものでございまして、この形で進めてまいるということでございます。
  173. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 いまの御答弁では、昨年確定をいたしました体制でことしもやっていくということでございますね。このことに関連をしてお尋ねをしたいと思うのです。  たしか昨年だったと思いますが、京都の貯金局の局舎の移転が計画をされて、予算も要求していたというふうに用いておりましたが、この計画は現在どのようになっているんでしょうか。また、他の事務センターの場合はこのような計画があるんでしょうか。いかがでしょうか。
  174. 鴨光一郎

    鴨政府委員 京都の地方貯金局につきましては、去る二月にオンラインによる業務の開始をいたしました。これまで順調に推移をいたしております。現在のところ、具体的な移転計画を立てるに至っておりません。  それから、他の局についてどうかという点は、同じような移転の計画はという御趣旨かと思いますけれども、他の局につきましても移転としての計画はございません。
  175. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 もう一度お尋ねしますが、京都貯金局の局舎移転というのはなくなって、いまのままでやるということですか。
  176. 鴨光一郎

    鴨政府委員 京都地方貯金局の局舎につきましては、建築後かなりの期間を経過いたしておりますので、将来的にその改善について検討してまいりたいと考えているところでございます。
  177. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 将来的であって、その将来というのはいつの時期か、近い将来か遠い将来かということも決まっていないわけですね。
  178. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ただいまの時点で具体的にいつというふうに決まったものではございません。
  179. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それでは、いま説明された程度のことは、該当する地方貯金局の職員の方々にも早く説明をしていただきたいと思うのです。こんな簡単なことまで当局側がはっきり言わないという中で、京都貯金局の職員の方に私が出会いますと、あれどうなっているんだろうかということで、日々が非常に不安だと言うんですね。自分の職場が統廃合されていく、やっと残ったけれども、どこかへ移転されるというふうに聞いているけれども、どこへ行くんだろう、われわれは一体どこで仕事をするんだろう、それがいつ決まるんだろうかと大変気にしていらっしゃるわけなんですね。そういうことにたびたび出会うわけですので、きょう念のためにお聞きしたのですが、いまおっしゃったような程度のことだったら、現在はそこでがんばってくれ、近い将来か遠い将来かそんなことはまだわからぬが、行くかもしれない、いまばたばたするな、あわてなくていいですよ、安心して働いてくださいというふうなことを、地方の貯金局の局長さんが職員に説明できるように、本省として指導していただきたいと思います。それいいでしょうか。
  180. 鴨光一郎

    鴨政府委員 総体的に申し上げまして、二十八の地方貯金局が現在ございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、九つの計算センターと十九の事務センターとに改組はいたしますけれども、それぞれの場所におきましてそれぞれの業務を営むという点についての特段の変更は予定をいたしておりません。そういうことで、京都につきましても恐らくそういった事情、ちょっと現地で具体的にどこまでお話がいっているのかつまびらかでございませんけれども、そういうふうなお尋ねがあれば、いま私が申し上げたような御説明ができるということでございます。
  181. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それではぜひそういった問題は、職員の方にも周知徹底といいますか、疑問を持ったままで仕事をしているという状態がないように指導をしていただきたいというふうに思うのです。  それでは次に、郵貯のオンライン化に伴う職員の訓練の問題について若干お尋ねをしたいと思うのですが、郵政省は職員の訓練についてどのような取り組みを行っていらっしゃるのでしょうか。
  182. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先生の御指摘は、特にオンラインの導入のための職員訓練というふうに拝聴いたしましたけれども、特に窓口の端末機の配備局におきます職員訓練につきましては、だれにでも理解ができるようにという工夫をこらしまして研修をいたしているところでございます。
  183. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 貯金の業務にとりまして気を配らなければならないことは、郵便であるとか保険の業務と違いまして、全国約一万三千ある無集配の特定郵便局、これが非常に大きな役割りを果たしているという観点が大事じゃないかと私は思うのです。この一万三千局の無集配局にもすべてに端末機を入れて初めて貯金のオンライン化が有効に機能することになるわけなんですね。  そこでお尋ねをしたいと思うのですが、無集配局の男女の職員の比率、これは一体どうなっているでしょうか。また、この婦人職員の平均年齢、平均勤続年数、こういったものはどのようになっているでしょうか。
  184. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在手元にございます資料で、大変恐縮でございますが、郵便局の中の無集配という限定のものがございませんが、郵便局で申し上げますと、男性が八七%、女性が一三%という数字が出ております。
  185. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 無集配の特定郵便局の職員数はおわかりになりませんか。
  186. 鴨光一郎

    鴨政府委員 申しわけございませんが、これは調べればわかることでございますけれども、現在のところ手持ちをいたしておりません。
  187. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 それじゃ平均年齢とか平均の勤続年数もおわかりになりませんでしょうか。
  188. 鴨光一郎

    鴨政府委員 平均年齢でございますが、省全体で三十九歳九カ月、それから貯金関係では四十二歳ちょっとということになっております。
  189. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 質問に当たりまして私ども郵政省の方から資料をいただいたのですね。これによりますと、五十四年十月二日現在ですが、無集配特定郵便局の職員数、平均年齢及び平均勤続年数、これを一覧にしていただいて、男子は四十三歳三カ月、平均勤続年数は二十三年三カ月、女子は平均年齢が三十四・九歳、それから勤続年数は十五年八カ月というふうにいただいたのですが、これは間違いございませんか。
  190. 鴨光一郎

    鴨政府委員 ただいまの資料は恐らく人事局の方から先生の手元に差し上げたものだというふうに考えておりますが、中身の確認はいたしておりませんが、恐らく人事局のものだろうと考えております。
  191. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 多分間違いないということでいいのですね、人事局から出ておろうとどうであろうと。いかがですか。
  192. 鴨光一郎

    鴨政府委員 郵政省から出たものであるといたしますと間違いがないというふうに思います。
  193. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 人事局から出たのであると間違いでしょうか。これに基づいて質問をしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  194. 鴨光一郎

    鴨政府委員 先ほども申しましたように、郵政省から御提出申し上げたものという前提でございますと、間違いがないはずでございますので、その趣旨で御質問いただいてよろしかろうと思います。
  195. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 特定局といいますのは、婦人の職員が非常に多いという職場ですね。これが特徴だというふうに思います。それに、平均年齢が三十四歳ということですから、ほとんどの方は家庭を持っておられる、子供さんがいらっしゃる、そういう条件のもとで働いているわけなんです。その上、特定局は職員の数が非常に少ないわけですね。このような条件のもとで、この方々を対象に郵政省は訓練をされてきたわけですね。この訓練を行うに当たりまして、郵政省はどのような点を配慮をして訓練の計画を組み、あるいは実施をなさってきたでしょうか、御説明いただきたいと思います。
  196. 鴨光一郎

    鴨政府委員 職員の方々の中には、いろいろな年齢あるいは環境の方がおいでになることは仰せのとおりでございますけれども先ほど申しましたオンラインの導入のための職員訓練という点で申し上げますと、これは内容につきまして、だれにでも理解ができるような工夫をこらしております。  それから、研修に当たりましては、健康管理ということについても十分配意をいたしております。  それから、研修を受けて帰局をいたしました後、オンラインに関しましては他の職員を指導していただくということも考えているわけでございますが、その場合、わかりやすいテキストを配付いたしまして、十分に対応できるような配慮をいたしております。  それからまた、そういったことで不足する場合につきましては、場合によって郵政局のベテランの職員等によります臨局指導といった形でのバックアップ体制をとっておりまして、その点でも心配はないというふうに考えております。  それから、訓練自体は原則的には全員の泊まり込みという形で実施をいたしておりますけれども、中で、社会通念上真にやむを得ない事情というものがあります場合に、通って訓練をしていただくということも認めておりまして、こういった個別の事情につきましては今後とも十分配意をしていきたいというふうに考えております。
  197. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 今日、訓練はすべての地域で完了しているわけでもなく、今後引き続き残りの地域の職員の方々を対象にこの訓練を行っていかなければならない、こういうふうに思われるわけですけれども皆さん方はいままでやってきた訓練の中で、何か改善すべきだという点は持っておられるのでしょうか。また、その点につきまして検討されているというふうなことがあれば御答弁いただきたいと思います。
  198. 鴨光一郎

    鴨政府委員 現在計画をいたしております訓練におきましては、ただいま申し上げましたような点について配意をいたしておりまして、御指摘のような形でいま何か具体的に当面している問題があるかという点につきましては、現在そういう具体的な問題を私ども把握をいたしておりません。  ただ先ほど申しましたように、いろいろな状況というものが出てまいりました場合には、その個々の状況に応じた適切な措置を講じてまいりたいというのが私ども考え方でございます。
  199. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 訓練につきまして、私が職員の方から聞いている点を申し上げたいと思いますので、ぜひ御参考にしていただきたいと思うわけでございます。  一つは、訓練で出張をした職員のかわりにアルバイトを雇えということになっているようですけれども、そのアルバイトは特定局にすべて任されているのですね。そのために特定局では、そんな適当な人を雇う人脈がないということで、アルバイトを結局は雇用しないで、他の職員にその分の仕事がしわ寄せされているというのが実態のようです。そこで郵政局なり、またその下の普通局単位でもいいわけですけれども、一定のアルバイトの人たちを確保しておいて、そして順次その人たちを各局の希望によって配置をする、こういうようなことも考えてよいのではないかというふうに私は思うわけなんです。全部の局を一堂に集めて訓練をやっているのではなくて、地域を設定しながら順次訓練をやっているわけなんですから、私が申しました方法をとれば、アルバイト雇用問題についてはある程度解消できるのではないかというふうに思うわけです。  それから、先ほども申し上げましたが、特定局の職員は既婚婦人が多いわけですし、また夜、家をあげるのが大変困難な状態があるということはもう明らかなんです。したがって、いま行われておりますように、研修所に集めて、みんなが一堂に会して、三泊四日というような泊まり込みの方式だけでなくて、もう少し別の方法を検討してみる必要があるのではないかというふうに思われます。  それから最後に、このオンライン化というのは、貯金の業務にとってはもちろんのこと、それに関係をしている職員にとりましても大変重大な転換をするわけなんですから、もっと時間をかけて訓練を十分にやってもよいのではないかというふうに思われます。訓練を受けてきたけれども、不安で職場のみんなにそれを伝達する、指導するというふうなことができないといいますか、大変不安だという人も中にはいるというふうに聞いているわけですね。そういうことにならないようにしてもらいたいというふうに思うわけなんです。  貯金の事業の中で、特定局が果たしている役割りというのは非常に重要なものになってきております。その役割りから見るならば、貯金のオンライン化への出発に当たりましては、万全の準備を整えて出発をしてもらいたいというふうに思うわけです。最後に大臣の方からこの点につきましてお答えをいただいて終わりたいと思います。  その一つ前に、ちょっと郵政省に今後のことについてお願いをしておきたいのですが、いただきました資料、いつも郵政省からいただくのは、郵政省の何課というのが書いてないのですね。厚生省であるとか、よその省からいただきますと、きちんと書いてありますが、郵政省からいただいたものには出どころがはっきり書いたものをめったに、全部といっていいほどもらったことがないので、いまのような混乱も起こると思うのですね。責任の所在もそれで明らかになると思いますので、その点も今後御要望したい。  最後に、いま申し上げました特定局に対するいろいろな配慮、また私なりの提案について大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
  200. 山内一郎

    山内国務大臣 いろいろ御指摘を受けましたが、オンライン化に伴いまして訓練が必要なことは、どうしても避けることはできない問題でございます。したがって、訓練に当たっていろいろ御注意がございましたけれども、そういう点はひとつ十分に事務当局検討させまして、やらさせてまいりたいと考えているわけでございます。
  201. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 終わります。
  202. 佐藤守良

    佐藤委員長 藤原ひろ子君の質疑はこれをもって終わりました。  これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  203. 佐藤守良

    佐藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。  郵便為替法及び郵便振替法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  204. 佐藤守良

    佐藤委員長 起立総員。よって、本案は可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  205. 佐藤守良

    佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  206. 佐藤守良

    佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十分散会