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田中(眞)
政府委員 まず、
技術基準証明制度導入の思想でございますけれ
ども、近年十万台以上の
無線局がふえてまいっております。それで恐らく今年中には二百万台を超すであろうというような情勢にあるわけでございますけれ
ども、御存じのように
電波監理局の人員というものはここ十年間ずっと減ってまいっております。十万台ないし二十万台ふえる
無線局についての対応でございますけれ
ども、やはり比較的定型的なものもございますけれ
ども、どうしても新しい機種とかあるいはその重要度に応じましてそちらの方の検査というようなものに重点を置かなければいけないというようなところで、人員、経費を制限されている中でどうして
電波行政と申しますか、
無線局管理の実を上げていくか。どうしてももうパンク寸前であるというようなことで、
技術基準適合証明制度につきましては、最近ふえてまいりました、新しく出てまいりました自動車公衆電話とかあるいはスピードメーターとか比較的数が多くて、しかも設置後に、どういうふうに設置されているか、つまりアンテナがどう張られておるかというようなことが余り関係のないもの、しかもやはり重要性はあるということで、そうしたものについては事前に
技術基準証明制度、証明
機関に
免許前の段階あるいはメーカーがつくった段階で審査をいたしまして、それによる
電波法で決められております予備
免許ないしは検査、工事落成後の検査というようなものを省略しまして対応してまいりたいというようなことがございます。
まず、ふえる
無線局とふえない人員と経費でどうするかというようなことで、いろいろふえてまいります
無線局に対応することでしぼり出した知恵というのが、
一つ技術基準証明制度でございます。
それからもう
一つ、国家試験の方でございますけれ
ども、これは昨年の数字だと思いますけれ
ども、二十二万人の従事者試験の申請者というものがございます。そのうちの十七万人が、いま新しく試験
機関というものをつくって、そちらの方に実際の国家試験の事務に関するほとんどの部分をやっていただこうという性質のものでございまして、ただ試験問題の作成の
基準的考え方あるいは試験をいたしました、合格にするあるいは不合格にする判定の
基準、そうしたものだけは
郵政大臣にそのまま残しまして、その他の受験票の受付あるいは試験問題の作成、それから会場の準備、試験の監督、機械的な採点
基準によります採点等々をやろうとしておるわけでございますけれ
ども、これによりましては、現在のところ大体年に二回かなりピーク的にやっておるわけですが、アルバイトあるいは検定課というところで試験をやっておるわけでございますけれ
ども、そこ以外の他部の応援というようなことで、年間延べ一万人程度の力をかけておるわけでございます。これを
民間に移譲いたしまして平均的に、経常的にと申しますか、
東京の場合ほとんど毎週といいますか、いままでに比べれば、いままでは年二回であったわけですけれ
ども、ほとんどいつでも受けられるというような状態にし、また地方におきましても二回の試験を三回にふやすというようなことで経常化すると同時に、採点等にも機械化等の
設備を導入いたしまして能率を上げていこう、こういう考えでございまして、確かに従来、いままで電信級、電話級のアマチュアあるいは特殊無線技士の国家試験を国がやっておったわけでございますので、それに相当する部分の手はよそに向けられるわけでございます。
これにつきましては、やはり従事者自体につきましても、最近の海難事故等々によりまして、船舶に乗る従事者の素質の再教育とか新しい問題もいろいろ出てきておるわけでございまして、先ほ
ども申しましたように、急増する
無線局あるいは変貌する
電波行政というものに、こうしたもので振り当てていかないことにはどうにもならないということで、確かに人数は浮くわけでございますけれ
ども、より一層の
電波行政の拡充、充実というようなことに振り向けてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。