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鈴木(強)
委員 これは
公社制度等の問題とも絡みまして、いろいろまた意見もありますが、時間がありませんから次に移ります。
もうすでに同僚
委員から
指摘されておりますが、
公社の
納付金の問題でございます。
率直に言って、日本の国家財政を再建するためにということで
電電公社から現在決算上黒字になっているその金を取り上げようということを考えついたのだと思いますが、現在のこの
公社法制定のいきさつからしましても、当初
政府が提案された
公社法は、黒字は
一般会計に納めてもらう、そのかわり赤字になればこれは補てんしてもらえる、要するに当時の国鉄方式だった。それが衆参両院の
審議の過程において、
発展、拡充が非常に急ピッチで行われなければならない
事業にかんがみ、黒字のあった場合には資本勘定に入りそれからまた建設
財源に回っていく、こういう仕組みに
法律が変わったわけですよ。
ですから、私はそういう意味から言って、
政府みずからが立法の趣旨に反して、四
年間であろうともその四千八百億の金を取り上げようということは、その立法の精神に全く反したことであって、違法の行為を
予算編成のときにやったんだ。まあ違法なことを知っているでしょう。ですから、今度は一括して
納付金の
法律をどこかの
委員会に出してそれによって合法化しよう、こういうことだと思うのですよ。
私どもは、大臣もこの問題については最初から非常に固い決意で
納付金については反対の態度をとられておりました。われわれもそれを
信頼し、鞭撻し、プッシュもいたしました。しかし結果的にこの四千八百億を四
年間にわたって納めることになったのでございますが、私たちは率直に言って、この後第七次五カ年計画、第八次五カ年計画、続いて参りますこの
公社の
事業計画というものがこの
措置によってどういう影響を受けるのか。少なくともプラスにはならない、マイナスになっていく。それをどうしてカバーしていくのか、非常に心配があるわけですね。
しかも
遠近格差の
是正も長い
懸案でありました。これを直すことは私たちは大賛成であります。加えて今度は五百キロ以上の値下げと日曜祭日の割引をやります。そうしますと、平
年度にいたしまして約二千二、三百億になりますか、それに
政府納付金が千二百億ですから、三千数百億の金が消えていくわけですね。ことしの収支決算を見ると九百三十八億ですか、一応黒字になっておりますが、果たしてこれが五十七
年度どうなっていくのか、五十八
年度どうなっていくのか。さっきもお話がありましたように、拡充法は五十七年に切れます。しかもこれは理由があるので、
昭和四十七年に切れまして、これが最後ということで十
年間の延長をしてきているわけですから、これを延ばすということはいままでの経緯からして不可能に近いわけですね。
そうなりますと、一体第七次計画、第八次計画がうまくいくのかどうなのか。
国民のニーズは非常に強くなってきている。電信電話の
需要供給は満ちた。どこにも電話が通ずるようになった。しかし、まだ古い機械がたくさんあるわけですから、それを新しい機械にかえていかなければならない。料金も誤算があるのじゃないかといって、この
委員会でもずいぶん追及されております。ですから、その明細書がわかるような機械も早く取りつけてもらいたい、こういう希望もあります。それから、ファクシミリを初めこれからいろんな新しい
サービスが出てくるでしょう。それからパリへ行ってみて私ども驚くのですけれども、街頭を見ても電柱は一本もない。みんな地下に入っておりますね。日本におきましても、とりあえず大都市くらいはああいうふうな方法によって街の美観をつくっていくということも大事でしょう。そういうためには、共同溝の
設置なりあるいはいろんな工夫をしなければなりませんし、もろもろのやりたいことはあると思うのですね。ですから、そういう七次、八次に対する建設
財源がどうなっていくのか、それに対してこのことがどういう悪い影響を及ぼすのかということの心配を、私は強く持っておるわけですね。ことしは千二百億財投から金を出して、そして吸い上げた分は見てやろう。これはしかし借金でございますからね。
公社に聞きたいのですが、たとえば四
年間四千八百億とられて、利息を幾ら払って、そして何年償還なんですか。結局元本で四千億の金が幾ら余って返ってくるのか、こういうことも聞きたいし、それから
総裁の頭の中にありましたら教えてもらいたいのですが、なければ事務当局でもいいのですけれども、第七次計画について私はこの前の
委員会でも秋草
総裁に質問しました。第六次の三年目にきている、もう四年目に入る。そうしますと、五十八年から新しい計画を起こさなければならぬわけですね。だからどういうふうな仕事をやろうとしているのか、地域
サービスはどうなるのか、さっき言ったようないろんなことを考えながら、第七次ではこれだけの金がかかりますというものを持っているかと聞いたら、持っていない、できていないと言う。それなら第六次と第七次とどっちが金がかかると思うかと聞いたら、第七次の方がかかるでしょうというような抽象的な回答しか返ってこない。
ですから
総裁、これはもっと積極果敢に長期計画をつくって、それに骨をつけ肉をつけて血を通わせるようなものをつくって、それを
国民の前に明らかにして、
電電公社はこういうところを目標にしていくんだ、そういうプリンシプルを示していくことも必要だと思うのですよ。そういうものがあってこそ初めて、今度これだけの金をとられればこれだけはね返ってきてこれだけ影響があります――当面は建設
財源は
財政投融資で見てくれるかもしれませんよ。しかしそれはやがて借金として返ってくる。料金は下げる、銭はとられる、拡充法はもう期限がくる、一体どこから
財源を求めてくるか。みんな借金じゃないか。いま五兆三千億もある借金にますます借金が加わる。債務償還の金はふえてくる。それが
国民によくわかるような一つのものがなければこれは話にならないんです。ひとつ
総裁がぜひそういう点を督励して計画の促進をしていただいて、
国民にもよく理解をしていただき、コンセンサスを得ていこうというその
総裁の考え方、それを
基本にしてやれば私はりっぱなものができていくと思うのですよ。そういう点から、この問題については
公社法違反のことを
政府が立法府を無視してやった、これはけしからぬ。それで、千二百億財投で見ると言うけれども、そんなもの借金だ。これが幾ら返さなければならぬのか。大変な借金をさせられてくる。そんなばかげたことはないと私は思っております。
ですから、遠距離格差の問題等についても、本当ならばわれわれが最初から主張しておったグループ料金制というものがあるんですよ。それは確かに問題でした、この前のときに。杉並の道路一つ隔てて武蔵野市になる。武蔵野市を二十三区に入れるかどうか。武蔵野市の方から言えば、二十三区、こんな広いところを当時は何ぼかけたって七円でいったわけです。その後三分になりましたけれどもね。ですから、そんな差別があっておかしいじゃないか。じゃもっと三鷹も入れろ、八王子まで入れろ、こういう意見もあった。そこまではいかないとしてももう少し工夫するとか、あるいは山梨県でしたら、甲府を中心にして近村があります。最近局番をなくして甲府と同じ番号になりました。やはりグループ料金制というものを志向しながら長距離電話の料金についても考えて、そして将来の収支の問題等も考えながら料金が安定化していくようなことを考えなければ、一方だけ下げちゃって再来年は料金値上げだということになったんじゃ困るでしょう。赤字になったら千二百億とろうと言ったって、
納付金の
法律つくったって、これは取れませんよ。
要するに、これは従業員の
努力だ。一生懸命がんばって、そして
努力して黒字をつくるわけでしょう。黒字をつくってまた取り上げられる。従業員の苦労だって大変なことですよ。従業員の待遇のことだって考えなければならぬ。そういう意味において、一つのきちっとしたわかりやすいもの、
基本を早くつくっていただいて、そしてこれを
国民の皆さんによく周知してやっていくというようなことをしてもらいたいと思うのです。
いまもう時間がありませんからあれもこれもみんな言ってしまいましたけれども、どうかひとつこの
納付金について、私たちはあくまでも反対でございまして、そんなばかげたことをやられたんじゃ電電
事業というものを破壊する大きな爆弾だ、こう考えておるわけですから、いまからでも撤回してやってもらいたいと思うのですが、
予算を組んじゃったんですからなかなかそうもいかないでございましょうから、できるだけ来年からでも打ち切ってもらう。そのかわりにはその体制をつくってやってもらうというような形にしていただきたいな、こう思っているわけですよ。これはひとついまの話の中から
総裁からも御所見があったら承りたいと思います。