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五十嵐委員 まあこれが、
地方の時代とこう言うけれ
ども、一皮むくと
地方の時代というものの素顔は、ぼくはそういうようなものでないかと思うのですね。これは健康な政治や
行政の姿とは言えないのではないでしょうか。やはりこういう非常に異常な、だれしも感じている
状況の根底にあるのは、全予算の三分の一も補助金だという、このどこの国にもないわが国の特異体質、補助金
行政という面にあるのであって、いま
行政改革で当面最大の課題として補助金をとらえるということは、ぼくはこういう意味ではやはり的を射たものとも言えるのではないかというふうに思うのです。
お
伺いしますと、政府はすでに大蔵省に対して、今月中に補助金削減の基本構想をまとめることを指示したということだそうであります。大蔵省では、月内にそのたたき台をつくると言っています。五月上旬の総理の訪米前までにこれを出して、
内閣と自民党で協議をするということになるわけでしょう。七月下旬の第二臨調の中間答申を経て、八月にもいわゆる行革臨時国会が開かれるというスケジュールになるというのでありますから、まことにあわただしい日程と言えるわけであります。
しかし、事はきわめて重大だと思うのであります。なぜならば、
地方行財政制度改革というのは、真の分権と自治というものを念願とするすべての
地方政治、
行政関係者の、それは実に長い間の、常に念頭から離れることのなかった最大の課題なわけだからであります。私は、少なくとも
地方、国にかかわる補助金等の制度改革に関しては、この際やはり真っ向から受けて立つ、この機会に年来の懸案を解決していくんだ、こういう課題の突きつけ方をしていかなくちゃならぬのではないかと感ずるのです。単に、補助金を一律削減するというような安易な方途ではなくて、真の分権と自治というものを基本としながら、
地方団体とともに私
どもの主張を貫く決意がこの場合必要でないかと思うのです。
すでに、昨年七月の全国市長会の「国庫補助負担金の整理合理化に関する具体的改善方策」の提言や、一昨年十一月の、国庫補助負担制度の合理化を中心にした「
地方行財政に関する今後の
措置についての報告」というようなものがそれぞれ行われている。また、昨年末の第十七次あるいは第十八次の
地方制度調査会の答申におきましても、強くこれらのことは提言を見ているところであります。問題点は、こうして余りにも明らかであり、しかも、その問題点の理解という点において関係者の見解というのはほとんど一致している、その改善を求める姿勢において合意がほぼ成り立っていると言っていいのではないかとぼくは思うのです。
第十七次
地方制度調査会の答申は、国庫補助金等の整理合理化について次の項目を挙げています。一、国庫補助金等の整理、二、国庫補助金等の交付方式等の合理化、三、国庫補助負担基準の改善、四、直轄事業負担金の改善、五、国庫補助金等に係る事務手続の簡素合理化、六、国庫補助金等の整理合理化に対する
地方公共団体の姿勢。これらの内容については改めて言うまでもなく、御承知のとおりであります。
知事会の報告は、国庫補助負担制度について当面早急に改善すべき事項として、第一に、人件費補助、零細補助、同化、定型化した事業に対する補助の一般財源化への促進、二番目には、補助負担制度の改善方策として、統合・メニュー化あるいは総合化、事務費補助、負担方式の合理化、補助負担率の整合性の
確保、そして、都道府県の補助を条件とする国庫補助の改善をそれぞれ提言しているわけであります。
あるいは全国市長会は、その具体的改善方策として、第一に、人件費関係、法施行事務費関係、零細補助金、
地方に同化定着した事業、
道路目的財源などの国庫補助負担金を一般財源とすべきこと、第二には、廃止すべき国庫補助金、第三に、納付金とすべき国庫負担金、第四に、国庫負担金とすべき国庫補助金、第五には、統合・メニュー化の促進、第六に、総合包括的補助金の創設、第七に、補助負担率の整合性の
確保、第八に、補助条件の改善、第九に、事務手続の簡素合理化について、それぞれ提言をしているわけであります。
いずれも、ほとんど同趣旨の提言と言えるのであって、私などにしてみても、部分的には不満な点はあるが、この場合、一致できる方針と言っていいのではないかというふうに実は評価できると思うのです。しかも一口に国庫補助金と申しましても、言うまでもなくその大半は
地方公共団体に対して支出されているのであって、実に
地方における歳入の四分の一はこれに当たるのでありますから、その改善のよしあしというのは、
地方自治の盛衰にかかわる決定的な影響を持つものだというふうに私
どもは理解をしなければならぬと思う。
いま申し上げたようなことについて、
行政局長、財政局長の少しく詳しいかねがねの所信を御披瀝いただきたいと思います。