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沢田委員 あちこちいくようでありますが、自動車保険のあり方について
大蔵大臣と法制局においでをいただいておりますが、ちょっと
お答えをいただきます。
実は
大蔵大臣、この間事故センターというのを、きょう参議院を通過するそうでありますが、その中で私たちが若干疑問に思いますのは、自動車保険というのは
一つの事故に、植物人間とかという問題であったのですが、二千万円なら二千万円支払われる。本人の請求権は二年で時効になる。そうするとその
案件は
法律上これはすべて落着したことになる。それが不十分であるかどうかは別問題。一応
法律上はそれで終結をしている。それを保険の余った金の中から介護料三千円出したり、それから今度またその保険の中から病院みたいな、収容所みたいなものをつくってみたり、これはどうも
法律上も二重給付になる。一たん終結して時効も過ぎてしまったものをまた吹き返していくという論理は、法体系上あり得ないのではないか。それは厚生省が
考えるなら別なのです。ただ、保険の金で給付をしていくという形は、現物給付であるかないかは別問題として、しかも三千円もその後出しているのですが、そういうことは法理上成り立たないのではないか。そうなると、交通事故を起こしても、時効というものは何のための時効なのだろう、何のための時効なのかということに問題が出てくるわけです。時効というものは、
法律上も明らかなように、それによってすべて権利、
義務それぞれ解消されたということなのです。ところが、保険金の中で思いつきみたいに
大蔵省は三千円を介護料で出し始めている。これは保険金の中で完全な二重給付でしょう。また、今度何かつくる、これも保険金の中でやるとすれば二重給付でしょう。こういうことなら指を、手を取られた人たちがとんでもない時分になって、おれにはこれでこれだけの障害があるのだというので、請求権を認めるということなのかということになると思うのです。
私は、事故センターの
中身までここで議論しようとは思いませんが、自動車保険のあり方、金が余っているから何か適当に使えばいいや、こういう物の発想で、いま行革がこれだけ騒がれている中で、そういうことの発想が
大蔵省の
大臣の所管の中で、そしてほかの省に利用されているか、されていないかは別問題として、保険は
大蔵省の
大臣の所管、そういうことが
——これはどろぼうネコみたいなものだ。だから、そういうことが許されて果たしていいのかということを感ずるわけです。
保
険部長も来ているけれ
ども、いままでは消防車だの何か出していた。それは不特定多数に出していた。これもよくないことだけれ
ども、不特定多数の公共の利益に還元していた。これは特定の個人に還元する。これは完全に趣旨が違う。そういうことから言って、これは法理上も完全な二重給付だ。だから法制局にも来てもらったのですが、法制局の見解も聞いたし、それから
大蔵大臣も、知らなかったか知っていたかどうかわからぬけれ
ども、こんなばかなことをやらしておくことははなはだけしからぬ、私はこういうふうに思いますが、性質がいい悪いの問題ではなくて、法理論上成り立たない話をやっているということ、
お答えをいただきたいと思う。