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竹本委員 大変参考になる御
意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。ただ、きょうは各界の指導者がおいでになりますから私の考え方を一口だけ申し上げますが、いまお話のありました公共性と自主性尊重の問題です。これは私
どもが金融界あるいは財界で行われている
議論を見ておりますと、若干、官僚に対する不信感というものも根底にあるでしょう、しかしそのほかの考え方として何だか二つのものが非常に違うように、また相対立し激突するように受けとめられておるということを私は非常に残念に思っているのです。たとえば
銀行は公共性があるんだと言っても言わなくても、あるいは第一条に目的
規定を書いても書かなくても
銀行の社会的な地位と責任は同じだと思うのです。書いたから国債をたくさん持てというわけでもないでしょうし、書かなかったら何でもやっていいというわけにもいかないのですから、もう少し良識を持って受けとめれば何も大騒ぎするほどの問題ではないと私は思うのです。それから自主性の問題だって、私
どもも計画的市場経済体制でなければだめだという
立場をとっておるわけですが、それは要するに自主性を尊重しなければいけない、活力が出ないという考え方からそれを言っているわけです。だから大蔵省が幾ら行政指導が好きでも活力を抑えてしまう、創意工夫を抑えてしまうというようなばかなことまで考えるはずはない。そういう
意味から言えば、自主性尊重と書いたら安心ができると言われるならば大いに書いて結構ですけれ
ども、書かなくても同じだと私は思うのです。それを大騒ぎして逐条審議でわいわい言ったということは省エネルギー時代、少しむだが多かったと私は思っているのです。いずれにいたしましても公共性と自主性尊重というものは互いに矛盾するものではない、しかしどちらも第一条に書いたのですから話はすこぶる結構だと思いますけれ
ども、聞いておりますと何だか御
議論の過程は少しむだが多過ぎたというふうに私は思っておりますので、そのことを念のためにつけ加えておきたいと思います。
それから国際感覚の問題、
村本先生から非常に有益なお話を先ほど来承っておるわけでございますが、私は、
日本の政治家も
日本の経済界も、
先生も痛感しておられるように国際感覚が少し足らぬと思うのですね。それは私はこの前本
委員会においても言ったのですけれ
ども、たとえばフランスが
日本の自動車の輸入を三%に抑えておるというのでこれはけしからぬ話だと思って私もいろいろ調べてみると、ECの諸国が外国の自動車を二〇%買っているときに
日本は大体二%しか買わないのですね。アメリカの自動車の関係だって輸出と輸入が恐らく一%と違っていないでしょう。そういうばかなことをやる国は先進国としては受けとめないというのがフランスの感覚で、何だか聞いてみると
日本は発展途上国扱いなんですね。発展途上国の輸入については制限してもよろしい、
日本が二%であるから三%ならよ過ぎるくらいだ、こういうような受けとめ方を、全部ではないかもしらぬがフランスはしておると思うのですね。フランスの受けとめ方が正しいかどうかは別としまして、先ほど来のお話のように
日本のビヘービアというかマナーが国際的視野から見ると誤解を招くほどおくれておる。そういう
意味で、利害関係の面から見てもあるいはビヘービアの面から見ても、
日本はもう少し国際感覚というもの、国際視野というものを高めなければならぬと思うので、この点はひとつ
村本先生にさらに一層の御活躍、御指導をいただきたい、要望を申し上げておきたいと思います。
次は、論客の
吉國さんにひとつお願いいたしたい。先ほど来申しましたデメリット、メリットについて一通りの御
意見を伺いたい。あわせて、ビジョンの問題と関連いたしますが、御承知のようにこの現行法は
昭和二年からの話で、先ほど来御
議論がありますように五十年たっている。これだけの激動期に、そして戦争があった、戦争に負けた、民主革命だ、こういう大激動期に五十年も同じ
法律で賄っていくと考えるというところに私は
日本の政治あるいは大蔵省の姿勢の問題があると思うのです。あなたも大蔵省の先輩だから特にそれを言うのですが、五十年古い
法律を振り回して平気でおるというところに、問題意識、時代感覚がなさ過ぎはしないかということが第一だ。きょうはその問題を取り上げませんが、
日本銀行だって
昭和十七年ですか、総力発揮と書いてある。戦争用語ですよね。そういうものを民主革命の今日に振り回して喜んでおるということ自体がやはり問題がありはしないか。先ほど国際感覚がえらいおくれて発展途上国並みだと言いましたけれ
ども、国内感覚も余り進歩していない。五十年前あるいは日銀法は四十年前の
法律でそのままいけると思っておるような感覚を一遍反省するというか再
検討する必要がありはしないかと思うが、御
意見はいかがであるかお伺いいたしたい。