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1981-04-21 第94回国会 衆議院 大蔵委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年四月二十一日(火曜日)     午前十時十五分開議  出席委員    委員長 綿貫 民輔君    理事 越智 伊平君 理事 大原 一三君    理事 小泉純一郎君 理事 山崎武三郎君    理事 伊藤  茂君 理事 沢田  広君    理事 鳥居 一雄君 理事 竹本 孫一君       相沢 英之君    今枝 敬雄君       木村武千代君    熊川 次男君       笹山 登生君    椎名 素夫君       白川 勝彦君    泰道 三八君       中村正三郎君    平泉  渉君       平沼 赳夫君    藤井 勝志君       森田  一君    柳沢 伯夫君       山中 貞則君    与謝野 馨君       大島  弘君    佐藤 観樹君       塚田 庄平君    戸田 菊雄君       平林  剛君    堀  昌雄君       村山 喜一君    柴田  弘君       渡部 一郎君    玉置 一弥君       正森 成二君    蓑輪 幸代君       柿澤 弘治君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君  出席政府委員         大蔵政務次官  保岡 興治君         大蔵大臣官房会         計課長     加茂 文治君         大蔵大臣官房審         議官      小山 昭蔵君         大蔵大臣官房審         議官      吉田 正輝君         大蔵省主計局次         長       吉野 良彦君         大蔵省銀行局長 米里  恕君         運輸大臣官房会         計課長     大塚 秀夫君         郵政省電波監理         局長      田中眞三郎君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部外勤課長  田中 和夫君         行政管理庁行政         監察局監察官  加藤 武久君         国土庁土地局地         価調査課長   福本 英三君         法務大臣官房司         法法制調査部参         事官      岡崎 彰夫君         大蔵省主計局法         規課長     角谷 正彦君         文部省社会教育         局社会教育課長 五十嵐耕一君         文化庁文化部著         作権課長    吉田  茂君         厚生省児童家庭         局母子衛生課長 福渡  靖君         農林水産省農蚕         園芸局種苗課長 谷垣 孝次君         通商産業省立地         公害局保安課長 柴田 幹夫君         通商産業省機械         情報産業局航空         機武器課長   坂本 吉弘君         通商産業省生活         産業局繊維製品         課長      若林  茂君         通商産業省生活         産業局窯業建材         課長      岩田 誠二君         資源エネルギー         庁公益事業部計         画課長     矢橋 有彦君         特許庁総務部総         務課長     守屋 一彦君         建設省国土地理         院総務部長   久保木哲彦君         大蔵委員会調査         室長      葉林 勇樹君     ————————————— 委員の異動 四月二十一日  辞任        補欠選任   麻生 太郎君    泰道 三八君 同日  辞任        補欠選任   泰道 三八君    麻生 太郎君     ————————————— 四月二十日  新一般消費税新設反対不公平税制是正に関す  る請願外一件(中路雅弘紹介)(第三一五七  号)  共済年金改善に関する請願久保等紹介)(  第三一五八号)  同(中路雅弘紹介)(第三一五九号)  同(松本善明紹介)(第三一六〇号)  同(蓑輪幸代紹介)(第三一六一号)  同(山原健二郎紹介)(第三一六二号)  同(久保等紹介)(第三三三八号)  共済年金改善に関する請願外二件(鈴木強君  紹介)(第三一六三号)  同(瀬長亀次郎紹介)(第三一六四号)  同(馬場昇紹介)(第三一六五号)  同外一件(日野市朗紹介)(第三一六六号)  同(正森成二君紹介)(第三一六七号)  地方自治体に美術品を譲渡した所得の非課税措  置に関する請願井出一太郎紹介)(第三二  一三号)  同(小川平二紹介)(第三二一四号)  同(小沢貞孝紹介)(第三二一五号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第三二一六号)  同(串原義直紹介)(第三二一七号)  同(倉石忠雄紹介)(第三二一八号)  同(小坂善太郎紹介)(第三二一九号)  同(清水勇紹介)(第三二二〇号)  同(下平正一紹介)(第三二一二号)  同(中村茂紹介)(第三二二二号)  同(羽田孜紹介)(第三二二三号)  同(林百郎君紹介)(第三二二四号)  同(宮下創平紹介)(第三二二五号)  医業税制の確立に関する請願新村勝雄君紹  介)(第三三一五号)  大型間接税導入反対及び歳出削減に関する請  願外二件(相沢英之紹介)(第三三一六号)  同(五十嵐広三紹介)(第三三一七号)  同(石川要三紹介)(第三三一八号)  同(越智伊平紹介)(第三三一九号)  同外二件(奥田幹生紹介)(第三三二〇号)  同外一件(梶山静六紹介)(第三三二一号)  同(粕谷茂紹介)(第三三二二号)  同外一件(金子一平紹介)(第三三二三号)  同(金子岩三紹介)(第三三二四号)  同外一件(川田正則紹介)(第三三二五号)  同(小坂善太郎紹介)(第三三二六号)  同外八件(塩崎潤紹介)(第三三二七号)  同外一件(砂田重民紹介)(第三三二八号)  同(田村元紹介)(第三三二九号)  同(泰道三八君紹介)(第三三三〇号)  同外一件(中村弘海紹介)(第三三三一号)  同(長谷川四郎紹介)(第三三三二号)  同(原田憲紹介)(第三三三三号)  同外一件(船田元紹介)(第三三三四号)  同外一件(松永光紹介)(第三三三五号)  同(森清紹介)(第三三三六号)  同外一件(山崎拓紹介)(第三三三七号)  身体障害者に対する地方道路税免除等に関する  請願坂田道太紹介)(第三三三九号)  同(近岡理一郎紹介)(第三三四〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  各種手数料等改定に関する法律案内閣提出  第五二号)      ————◇—————
  2. 綿貫民輔

    綿貫委員長 これより会議を開きます。  各種手数料等改定に関する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
  3. 沢田広

    沢田委員 これは大蔵大臣にと思ったのですが、政務次官がおられますから、憲法六十三条をひとつ読んでくれませんか。
  4. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 憲法六十三条を朗読いたします。   内閣総理大臣その他の國務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について發言するため議院出席することができる。又、答辯又説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。以上でございます。
  5. 沢田広

    沢田委員 これはとにかく五日飯どころじゃない。おもちゃ屋へ行ってばらまいたような法案提出の仕方でありまして、本来ならばこれらの三十四件について全部の大臣を要求し、同時にまた答弁をする義務を負っているということをまず前段に確認をしまして、これから法案提出する場合には、大蔵省もこういう安易な法案提出の仕方については今後十分注意をしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。これからまた行革問題その他が出てきますと、えてしてこういう安易な出し方というものが起こり得るわけです。そういうことについて、ぜひひとつ反省を特に求めておきたいと思うのであります。  これは本来大蔵省が全部答弁できるのかどうかわかりませんが、せっかく呼んであるのでありますから……。ただ、二分ずつ答えてもらっても六十分以上かかってしまう。ひとつどこかをとらえて聞くことにする。どこに当たるかは、それは自分の運が悪いと思ってもらう以外にない。  それで、これは総理府にお伺いしますが、現在の公務員の、われわれ専門語で乗率とこう言っておるのでありますが、職員一人当たり経費年間幾らと押さえているか。もちろん報酬、年金退職金厚生費、その他出張旅費、それらを全部、一切の人件費、その一人当たり人件費についてお答えをいただきたいと思います。——時間がむだになりますから……。大体きょうは余り細かい点はレクチュアしてない。こっちは一人なんです。そっちは一万人なんです。一万人も相手にしてレクチュアをわざわざしなかったのは、こういうこともあるんだということです。ひとつこういう法案の出し方については、それぞれの担当省担当課というものは、一切を自分で勉強して、真剣勝負でここへ来てもらいたい。幼稚園や小学校、中学校の生徒じゃあるまいし、全部教えてやらなければ回答ができない、そんなばかな話はない。だからきょうはおおむねのレクチュアは教えてやったけれども細かい点は一切レクチュアはやらない。答えられなかったら腹を切るつもりでひとつ答えてもらいたい。そのぐらいでなければ公務員としての資格要件を欠く、こういうふうにも思います。また、そのくらいのことを知らないようでは不勉強であると反省をしてもらわなければならぬ。総理府が答えられなければ次に行きますけれども総理府が一応公務員の問題を取り扱っているわけでありますから、当然その程度のものは各省別に答えられなければならぬだろうと思っておるわけであります。これは答えられないんですか、答えられるんですか、どうですか。——時間の問題ですから、後でそれぞれ……。この中では総理府から不動産鑑定に関する法律というのが出ているんですよ。出ていなければけしからぬ、法案が出ているんだから。(「国土庁来ています」と呼ぶ者あり)だから総理府として出てきているんで、総理府の代表として来ているわけですからね。本来なら大臣なんであって、そういうことで答えられないようじゃ話にならない。——いないんじゃしようがないから、国土庁が、答えられませんと言うんだったら、答えられませんと答えてください、代表して来ているんだから。
  6. 福本英三

    福本説明員 お答えいたします。  いま総理府の一人当たり人件費というようなお話でございましたが、私どもの方は国土庁の、しかも土地局の一部門でございまして、総理府全体の人件費などにつきましては、全く資料も準備もいたしておりませんので、この席では私ども答えられないし、また担当外のことでございますので、資料も持っておりません。
  7. 沢田広

    沢田委員 これは後ですぐに総理府の方に手配してお答えいただきたい。  続いて、これも国土庁にお願いしておきましょう、せっかくそう答えたんですから。  憲法第十五条と公務員法の条文は省略します。これは言っちゃってもいいんですが、読んでもらおうと思ったんですが、時間の関係で省略しましょう。憲法十五条は、全体の奉仕者であるということが、まず公務員の任務、これは憲法で規定してある。次に、公務の民主的かつ能率的な運営ということがある。それから常に平等の取り扱いという言葉がある。この点は国土庁あたりに聞いてもしようがないんだろうと思うのですが、どうですか政務次官、この原則で書いてあることは間違いないことだろうと思うし、そういうことについてどう理解しておるか。いま言ったようなことがわからぬで、能率的な運営なんかできっこないですよ。企業でいけば、幾ら人件費がかかるかということが最大の中心の問題、幾ら乗率がかかるのかということが最大の関心事なんだ。そのことがわからないで、全体の奉仕者だなんて、能率だなんてことは言えた義理じゃない。だからその点から見て、これは後で、これも総理府が来ないんじゃ困るんだが、ひとつお答えをいただきたい。これは大蔵省で答えてもらおうか、法律提案責任者だから。
  8. 保岡興治

    保岡政府委員 先生指摘憲法十五条、そこにすべての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないと書いてある趣旨は、憲法に定めてあるとおりでございます。したがって、これは憲法解釈でいろいろあると思いますけれども、一部の奉仕者でない、全体のために働く公僕であるという趣旨を定めてあるものと思います。
  9. 沢田広

    沢田委員 法務省、しようがないから来ている順番だ。大体あなたの省の人件費はどの程度コストがかかって一日当たり、とりあえずは一年当たりで結構です、一年当たり幾らかかっているか。答えられたら立ってください。——答えられないんだから立たない、こういうことだ。文部省、答えられますか、答えられたら答えてください。
  10. 五十嵐耕一

    五十嵐説明員 いま直接の資料を持ち合わせておりませんので、後ほどお答えをさせていただきたいと思います。
  11. 沢田広

    沢田委員 答えられないということです。  次は文化庁——立たないから答えられないとみなす。厚生省——運輸省
  12. 大塚秀夫

    大塚(秀)政府委員 一般会計で約千四百億程度でございます。
  13. 沢田広

    沢田委員 そんなことを聞いてないんだよ。職員一人当たりの一切の経費年間幾らかかりますか、こういうことを言っておる。
  14. 大塚秀夫

    大塚(秀)政府委員 ちょっと計算しておりませんので、後ほど……。
  15. 沢田広

    沢田委員 じゃ答えられないんじゃないか。通産省。——特許庁
  16. 守屋一彦

    守屋説明員 お答え申し上げます。  私どもで直接支出いたしております人件費はおおむね百億でございまして、それに対しまして二千四百名弱の人員を抱えておりますので一人頭四百万ちょっとになります。ただし、この辺は年金とか恩給とか、そういうものは直接入っておりません。
  17. 沢田広

    沢田委員 これも答えにならない。では農林水産省——なし。建設省
  18. 久保木哲彦

    久保木説明員 先生の御質問は建設省全体ということでございまして、その点については資料を持ち合わせておらないのでございますが、国土地理院といたしましては、人件費その他の物件費といたしまして四十億円でございます。職員数が九百三十名ということでございますので、大体四百万というところでございます。
  19. 沢田広

    沢田委員 さっき言ったように一人当たり人件費とは給与だけではありません。電気も使えば光熱費も使えば、あるいは厚生費も使えば、年金もあれば退職金もあれば、その他その人がいるために要する費用というものは一切人件費の部分とみなして幾らかかりますか、こういうことなんです。この問題がわからないで手数料のところへよくのこのこ出てこられたと思う。そのコストがわからないで、手数料算定をする基礎は何になるのかということなんです。そんなものが答えられないで手数料審議はできないじゃないですか。手数料とは、いわゆる公の税金で養われている皆さん方特定個人に便益を図るために必要な経費を徴収をする、特定個人利益だけに要する場合については、その必要な経費税金で賄うことは不当である、だから必要な手数料を取って、その特定個人利益の供与には与えない、こういうことが手数料を取る第一原則ですね。そうでしょう。間違いないでしょう。どうですか。
  20. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 手数料の基本的な考え方は、ただいま委員のおっしゃったとおりでございます。
  21. 沢田広

    沢田委員 だとすれば、そのコストがわからずして手数料算定基礎というのはない。その中から行政サービスとして何%除くか除かないかの問題は別問題ですよ。しかし正確なコスト算定されないで手数料そのもの金額が出てきっこない。たとえば郵便料金も今度値上がりした。それによって一回の書類の返事を出すにしたって、とにかく七十円くらい高くなって、人件費を加えたら百円を超えてしまうんじゃないかと思うんだが、それの人件費が確定しなければ手数料算定根拠は出てこないのですよ。各省各省コストを使うのか、全体の公務員コストを使うのか、その点について大蔵省はどういうふうな把握でこれらの手数料算定基礎を置いたのですか、お答えいただきたい。
  22. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 各個別の算定当たりまして、私どもそれらの算定の統一的な調整を図りますために、以下に申し上げますような考え方各省調整を図っているところでございます。  その考え方は、まず先生指摘人件費でございますが、人件費につきましては、手数料かかわりのあります当該行政事務に従事いたします職員のいわば現員現給をつかまえまして、その当該職員にかかります人件費具体的にさらに申し上げますれば、当該職員職員基本給あるいは通勤手当その他の諸手当、さらには超過勤務手当あるいはまた当該職員にかかります共済組合負担金といったように、それぞれその事務に従事する職員に直接かかわりのある、したがいまして計算も比較的容易にできます金額をはじいてまいる。  それからまた、物件費についても御指摘がございましたが、おっしゃいますように人件費だけではございませんで、鉛筆代から紙代からいろいろかかるわけでございますので、それらの物件費につきましても、それぞれ予算積算上、その当該事務に要します経費として積算されております庁費旅費あるいは謝金のたぐい等は、極力これを行政コストということで反映させるように計算をお願いをするというようなことで調整をしているわけでございます。
  23. 沢田広

    沢田委員 きわめて矛盾もはなはだしいですね。新規採用された人間がそこへ来れば、大体十一万ぐらいなもので計算するということになる。ところが、二十年、三十年いた人がいれば、そこへ行けば恐らく二十何万円の給料算定するということになる。法律で決めてしまって、そんなものは一年とか三年動かないでいるわけじゃない。動いていった場合どうするのですか。しかもこの法律は、下らない範囲という決め方をしているでしょう。これは全くくだらない話だ。そんな答弁事務に対応できますか。それはどういう人間があろうと、係長だっているのだし、課長もいるのでしょう。局長もいるのでしょう。判こも要るのでしょう。やはり判こ代だってかかるのだ。その時間だってかかるのですよ。当然それも算入されなければおかしいでしょう。あなたの答弁答弁になっていないじゃないですか。そうでしょう。担当する当該職員だなんてばかな話が通るわけないじゃないですか。
  24. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 基本的には先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、先生おっしゃいますように、現にたとえばAさん、Bさんと、月給が極端に違う人が、去年は月給の安いAさん、ことしは月給の非常に高いBさんというようなことになりますれば、先生指摘のように、計算当たりまして、計算の結果が非常に開差を生じてくるということもあり得るわけでございますが、現実の実態から申しますと、そういう極端な事例は見受けられないというふうに考えております。したがいまして、それらを平均的に計算をいたしました数値が、実際におおむね妥当な金額であろうというふうに考えておる次第でございます。  それからもう一点……
  25. 沢田広

    沢田委員 もういいよ。その辺でいいよ。ぼくもだてに市会を十二年とか県会を十六年やってきているわけじゃないのだよ。みんなわかっているのだよ。そんなことが答弁になるわけはないでしょう。手数料というものの原則がそうであったと仮定すれば、そういう原則に基づいての適正な価格は幾らになります、そして行政サービスとして幾ら見ます、だからあなたの手数料幾らになります、こういうことにならなければ筋が通らぬでしょう。  それは各省平均ですよ。いずれにしても全体の公務員平均ですよ。地方公務員にいけば地方公務員平均でなければならぬのですよ、理論的に。当該職員だなんて、そればかりやっているわけじゃないのだもの。ほかの仕事だってやるのでしょう。それじゃその従事した時間だけを算定しますか。そんなことはないのだよ。これだけの手数料、何の手数料を持ってきたってそういうことにはならない。結果的には、一定の職務の中の一部のものなんですよ。本当ならこれでもうストップですよ。審議対象にならない。すれ違いで話にならないのだから。何にも内容を調べてこないのだから。もう少しきちんとしたものを持って臨んでもらうという姿勢がなければ、これは話にならない。少なくともどの手数料については幾らコストです、こういうことにならなければ、法案提出責任者としての義務は果たしていないでしょう。この手数料の定義は何なのです、その中にこれだけかかるのですけれども行政サービスとしてこれだけ減額します、こういう算出根拠がなかったらおかしいでしょう。当該職員だなどというのは一年一年かわってしまうのだ。法律はそうじゃないですよ。数年はそのまま置かれるわけです。数年か、あるいはもっと長く置かれている場合もありますね。そういうことが出てこないと、あとこれから審議する対象に全然いかない。少し休んで勉強して出直してもらった方がいいのじゃないかと思う。
  26. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 先生おっしゃいますように、当該事務に要します行政コスト……
  27. 沢田広

    沢田委員 数字で言ってくれと言っているのだ。どの省ならどの省、これは幾らかかって幾らだとちゃんと具体的に言ってくださいよ。そんな抽象的な答弁を求めているのじゃない。具体的な数字を言ってくださいよ。——こう時間のサボタージュをされていたのでは話にならない。延長してくれるなら話は別ですが……。  たとえば、これは警察庁が後で来るだろうと思うが、拾得物保管費公告費費用負担は、拾得された場合に拾得者は応じなければならないことになっています。拾得物保管費用公告費用費用負担は、これは法律で拾得された品物から差し引く、こういうことになっているわけです。では、この費用幾らになっているのか。それと手数料との関係も実は出てくるわけです。それでは、時間の関係がありますから、それぞれ調べてもらいながら先にいきますが、後で調べておいてくださいよ。  民事訴訟費用等に関する法律及び同規則による手数料はどうなっているか。法務省いますね。それから民事調停法罰金等臨時措置法による手数料はどうなっているか。それから、執行官法の第九条の手数料は最高裁が決めることとなっておりますけれども、その関係はどうなっているか。しかも規則第三条は五万円以下の執行で千五百円から七千円。執行官給料はどのぐらいかなというふうに私は考えますが、執行に行く場合には相当な時間を要するわけです。これが千五百円なんです。それから競売の場合は十万以下の競売で四千円なんです。同じく十五条は十万円を超える場合で八百円、これはどういうふうになっているのか。それから公証人手数料規則はどうなのか。それから消防法の十六条四項による危険物。これは一日がかりで全部読んでみた。全部めくってみた。それから出したのですが、公証人手数料規則は五十万円で二千円であります。消防法十六条の四、それから風俗営業等取締法による第二条、公安委員会許可の限度は千円で置かれている。全くめちゃくちゃなんです。それから猟銃関係空気銃許可更新、これは都道府県で五百円、再交付は百円、更新は四百円、こういうふうになっている。それから、火薬類取締法の第四十九条では三百円から七百円、千円、こうなる。これは、わずかずつ入っていますね。旅券法も入っているでしょう。土地収用法関係は、これも同。それから、宅地造成規制法の第十九条の関係も三万円、安過ぎる。それから土地利用基本計画法、それから工場立地法の申請手数料は取られていない。  あと言っていきますとこの法律に出ているのとダブりますけれども、温泉法にも申請手数料はない。それから水道業者の指定、これもない。通信教育みたいな、こんなものに——こんなものと言っては悪いけれども、こんな取らなくてもいいようなものに一課程千円から三千円の範囲内で取っている。それから、環境関係法の立入検査、これは後で申し上げますが、基本的な問題ですから。それから、公害紛争処理法の調停、裁定の関係。その他アヘン、これは入っていますが、麻薬、覚せい剤、大麻。それから食品衛生法、旅館業法、それから消費者生活用の製品安全法による処置、それから生活関連の買い占めの法律、有毒物質を含有する家庭用品の規制、さらに、採掘と採石が今度の法律に載っておりますが、登録免許税法の関係、砂利採取法の関係は入っておりますが、これらについてそれぞれ、いま言ったようなものにないものもある。これはどういう基準で、われわれは置いてもいいと思うようなもの——これ以外にまずひとつ一番問題になるのは環境関係の立入調査権、これは法律で立入調査をやることになっている。これはやはり事業の運営については一銭も取らない。どんなに国民に害を与えるものであろうと、とにかく事業関係については手数料は徴収しない、一切税金のサービスでやっておる。ところが、個人、私人になるとそれが皆取られるという仕組みになっている。その辺にこの手数料全体のあり方から見て若干問題がある。  だから、環境の関係だけで申し上げますと、たとえば振動、航空機騒音、農用地土壌汚染、それから油の汚れ、それから海洋汚染、水質汚染、大気汚染、悪臭、廃棄物処理等々の環境関係法についての立入調査その他に対する手数料は取っていない。これは要するに国民に害を与えるということであって、当然原因者負担の原則法律にもあるわけです。ですから、手数料というもののあるべき姿、手数料というものはどういう状態において考えられなければならないかという基本がどうも全体を見て欠けておるということになる。事業申請等についてはほとんどわれわれの税金を使って公務員が動いている、これは全体的にこの法律体系を見るとそうなる。不平等ですよ。私人であろうと法人であろうと、そのことについては税金で賄わなければならないものと本人の負担に属するものと、これは明確に区分をしなければならないのではないか、こういうふうに思います。  全然答弁できないのですから、これは本来ならば夕方にでも私は質問していきたいと思うのですけれども、とにかく回答にならない。レクチュアするとしないとがこんなに違うのかということがわかってくる、何を勉強しているのかということをわれわれが疑問に思うくらいなのです。ですから、そういう点について、これはばさっと言ってしまいましたけれども、その区分を一つ一つお答えいただきたいと思うのですが、最後に人件費関係は、もし何だったら私、若干、十分くらい休憩しますから、その間にいままで言ったことについてそれぞれ準備して答えてください、十分間休憩してもらいますから。(「ほかのをやればいい」と呼ぶ者あり)ほかのって、一応全部言ってしまったのですから、あと細かい点は残っていますけれども、それに答えられる準備の時間を十分、私の質問時間の中でやるのですから、温情あふるる措置なのですから、それで答えてください。不満足な答えでは話にならぬから……。答えるの。
  28. 角谷正彦

    ○角谷説明員 先ほどの国家公務員人件費でございますが、全体として見ました場合、先ほど吉野次長から御答弁申し上げました職員基本給等にかかります平均は四百八万円ということになっております。各省庁につきましていろいろ年齢構成その他がございますので、これにつきまして差があることはありますし、それからまた現に手数料等の算定につきましてこれを適用したわけではございませんが、総平均は以上のような状況になっております。
  29. 沢田広

    沢田委員 そういうでたらめを言うから私も怒りたくなる。四百八万円なんてとんでもない。公務員の乗率は恐らく七百万円を超えているはずですよ。たとえば損害賠償の請求その他にあった場合に、それは給与だけは四百八万円かもしれぬ、残業その他も入れて。退職金年金厚生費光熱費、それから言うならばもっと室内の器具、こういうものまで加えた人件費の一人当たりが算出されなければ、一人当たりコストとは言わないのですよ。
  30. 角谷正彦

    ○角谷説明員 確かにいまお答えを申し上げましたのは職員基本給職員手当超過勤務手当共済組合負担金等でございまして、それにつきまして四百八万円でございます。そのほか退職金でございますとか共済の整理資源、それを含めました広い意味の人件費が約四百七十万円ということになっております。  私ども手数料等につきまして積算しました場合の人件費基礎としましては、いま申し上げた四百八万円を一応平均的なベースとしてやっているということでございます。  それから物件費等につきましては、個別の手数料事務を認定します場合に、それにかかります人当庁費でございますとか、それからそれにかかる光熱水料、旅費等につきまして、これは物件費として別途積算いたしておりまして、手数料コストに算入している、こういうことでございます。
  31. 沢田広

    沢田委員 だから、いま言ったように、全部が  それで働く日数を大体幾日に見ていますか。——いや、あなたは答えなくてもいい。大体二百二十日ですよ、労働月日は。四週五休になったからもっと減るだろうと思いますが、西ドイツその他から比べればまだ多いのでしょうけれども、大体実働は二百二十日。そうすると、たとえばぼくらは八百万ぐらいかかると思うのだが、六百万にすると大体一日二万円ですよ。費用弁償として考えられる費用公務員一人一日当たり三万円。だから一人が運転手をして一人が用足しに行ったらこれは言うならばあほうなんです。それならタクシーを使った方がずっと得なんです。三万円の給与を払った運転手を使って、三万円の人間を乗せて用を足すなんということは、効率的に言ったらちっとも効率はよくない。だから、そういうことは大体私の目勘定ですが、細かい数字はあれだが、退職金年金を含めると、どんなことを言っても最低その程度を下回らない金額になる。それがいわゆる人件費コスト、いわゆる単純コストという。それも八時間にすれば一時間当たり大体四千円だ。一時間当たりの仕事を幾らかかると仮定すれば、一時間当たり四千円の費用がそこでかかる。そういうことは手数料コストの場合にまず考えられなければならぬのだ。これを出す以上、基礎が確定しなければならない。しかもこれは向こう何年六・五%ずつ上昇するということで七カ年計画はできているのでしょう。そうすると、この法律を考えるとすれば、加重平均をするか、あるいは最小二乗法でいくか、あるいは算術平均をするか別として、六・五%するのですから、そのコストに対してある一定の二、三年先を展望することは当然の数理ではないですか。もし私が企業で考えるとすれば、そういう計算をしなければ、こんなものの仕事をやる場合の手数料は決められませんよ。手数料を決める場合には、その程度算定基礎を明示して、これだけかかるのです、この中から行政サービスとして幾ら国が負担をするか、それが今度いわゆる判断の問題なのです。その内容が全然明示されないで、何が判断の材料になりますか。
  32. 角谷正彦

    ○角谷説明員 積算上、時間数につきましては休日等を引きまして年間二千二百八十八時間ということで大体統一しているつもりでございます。  それから、物件費人件費、それぞれ行政事務によりましていろいろ物件費の内容等異なってまいりますので、先生おっしゃる意味での広い意味での人当庁費等を含めたという概念もあり得るかと思いますけれども算定当たりましては、各省物件費人件費それぞれ分けまして、個別に細かく積算して積み上げているということになっているわけでございます。  それから、人件費あるいは物件費基礎でございますが、昭和五十五年度の予算をベースにしておりますので、そういう意味では、おっしゃるように、今後のベースアップ等につきまして、その分が入っていないじゃないかという御指摘は確かにそのとおりかと思います。しかし、そういった点につきまして、今後そういった将来の物価上昇あるいは賃金上昇を見込んだ手数料算定をすべきかどうかといった問題につきましては、五十三年度の例にならいまして、過去の物価、賃金の実績に応じた改定をするという考え方をとって統一的に今回やっているわけでございまして、そういった問題につきましては、今後いろいろ勉強させていただきたいというふうに考えております。
  33. 沢田広

    沢田委員 とにかく答弁になっていないですね。われわれが求めている手数料の額を判断をしていく基礎というものが全然出ていない。これはひとつきちんと出してもらって、それで人件費というものにコストというものを——たとえば図書館へ行ってコピーをとって三十円ということでしょう。この三十円の問題は、これもどういうふうな根拠によるのかということにもなる。現在の法律にはない。しかし、大体コピーをとると二十八円ぐらいが原価になりますね、リース制にしろあるいは買って減価償却を考えてみましても。そういうようなことで、その二円は何になるのだ。国庫収入金になるのか、納付金になるのか。これはなっていない。ともかくそういうように二円は手数料となるのかならないのか、法律的にはどうなのか、これも国会には来ていないからわからないけれども、不明瞭であります。  要するに、国家公務員のあり方がいま能率的に何とかということを言っているけれども、いろいろいま行革の問題で問われているけれども、まずみずからが自分コスト幾らかということを知らないで仕事をしている。労働歌じゃありませんけれども、みずからの価値に目覚めよと、私、もう一回言いたい。自分がどれだけの価値を持って仕事をしているのか、どれだけの税金を食って仕事をしているのかという大前提がないと、これは議論にならない。だから、それをもう少しきちんとしてからこの法案は出してもらいたかったし、もう少し整理してもらいたかったというふうに期待をして、各省でそれぞれ各省の単価を全部出してくださいよ。私が言うのは、企業的なコストを言っているわけでず。こういう庁舎の維持管理だって当然入る。企業的なコストとして公務員一人当たり幾らかかるか、各省別に出してそれが手数料の根拠になっていかなければ、これは理論的な根拠にはならないと私は思うのでありまして、この点は後刻ということにしておいて、十分ぐらい残して質問を終わりますから、後で提出をしていただきたい。そうでなければ、これが幾らが高いか安いかという議論はできないでしょう。これが正しいとか正しくないとかという判断の材料にならないでしょう。何をもって審議対象にしようというのですか。これは話にならぬ。  それからもう一つ。順番に言ったから、民事訴訟費用等に関する法律規則はどうなりましたか。
  34. 岡崎彰夫

    ○岡崎説明員 お答え申し上げます。  民事訴訟費用等に関する法律に決めております申し立て手数料はどういう考えでできているかという御質問かと思いますが、この訴訟費用の申し立て手数料と申しますのは国民の裁判を受ける権利と密接に関連するものでございまして、ほかの行政手数料とはやや性質を異にいたしまして、原価主義と申しますか実費計算をしてそれに基づいて手数料算定するという考え方をとっておりません。実際訴訟にかかる費用のうち一部を受益者にも負担をしてもらうという考え方で定められております。
  35. 沢田広

    沢田委員 そうであったとしても、幾らかかりますか、それに対して税金で補う分は六割なんですか、あるいは五割なんですか、八割なんですか、そういうことにならなければこの根拠は出てこないでしょう。さらに今度改正してないということの意味は何なのかということを言いたい。  それから執行官法の第九条の問題もどうなるのか。あるいは民事調停法罰金等臨時措置法に関する手数料はどうなるのか。この点もこの法律では触れていないということで、なぜ今回見逃したのかを聞きたいわけだ。
  36. 岡崎彰夫

    ○岡崎説明員 民事訴訟費用等に関する法律にかかる申し立て手数料につきましては、実は昭和四十六年にこの法律ができまして手数料を定めましてからずっと値上げがなされないままになっておりまして、昨年の国会におきましてこれを値上げしております。約三倍でございますが、昭和四十六年にこの法律ができましてから後の経済情勢の変化等を勘案しまして約三倍に値上げをしております。したがいまして、今年度はそういう値上げの法案を出しておりません。
  37. 沢田広

    沢田委員 前の方は、前に上がったからだということですね。  次に、執行官の方を答えてください。
  38. 岡崎彰夫

    ○岡崎説明員 執行官手数料につきましては、これは最高裁判所の規則で定めておりまして、私どもの直接の所管ではございませんが、この手数料につきましても随時経済事情の変動等を勘案しまして値上げがされておるようでございます。
  39. 沢田広

    沢田委員 手数料関係は、それは最高裁のあれもあるでしょうけれども原則は一つなんです。要するに公務員特定の案件に要した経費を取っていくというのが手数料ですよね。その事務なりその仕事なりに携わって、特定個人利益というか便益、特定個人利益に該当する部分については、実費支弁という原則手数料ですよ。これが論理ですね。執行官だっていま言ったように日当三万円もする。競売なんか十万以下でも四千円。こういうふうに特定に安くしている場合には政策的なものが持たれているわけです。三万円かかるのだけれども四千円しか取らない、一割しか取らない。それ以外は税金で持っていいかどうか、それを決めるのがここなんです。あなた方が決めるのじゃないんだよ。そこの基本が崩れているということを言いたい。どこまでが個人の負担の限界であるのか、どこまでが行政サービスになるのか、その性格判断をするのが手数料原則ですよ。  若干飛びますが、たとえば砂利の採取なんかは細かくいろいろ決めてはあるようです。あるようですが、三千円ですよね。これは川の中の石をとる。これは建設省だ。砂利の採取は三千円なんです。採石法も申請料三千円なんです。それじゃその後、見に行かないでいいかといったら、そうはいかない。これは、河川の管理者が見に行かなければ民地まで行ってしまいますから見に行く。その費用なんかは全然入っていない。三千円でだれが——そんな採石なんというのは、利益を追求するんでしょう。砂利採取なんてそうでしょう。そんなものがわずか三千円で便宜を計らってやる義理はどこにあるんですか、われわれの税金で。しかも、トン数をオーバーして三倍にも積んで、過重トン数を積んで、そしてよその地域までかっさらって、雨が降ればもとへ戻ってしまいますからまたもとへ戻ってかっさらっていく。そういう監査手数料は三千円でどこに入っているんですか。建設省、答えてください。
  40. 岩田誠二

    ○岩田説明員 お答えいたします。  三千円というのは業務主任者試験受験手数料あるいは認定手数料でございまして、認可手数料というのは別途定めてございます。
  41. 沢田広

    沢田委員 わかっているよ。それでもこんな金額では話にならぬでしょうということを言っているんだよ、全体的に細かいのがあるけれども。だから言ってみなさい、幾らかかって幾らだったと。
  42. 岩田誠二

    ○岩田説明員 認可手数料は一万五千円を一万七千円に改めることになっております。
  43. 沢田広

    沢田委員 だから、さっき言ったように河川管理者のそれぞれの何とか事務所がありますね。名前、名称を省略しますが、全国にまたがり一級河川について出先管理者がいるんだ。その職員が行く一日の日当は幾らかかるかというんです。そういう費用からいくと、とても三千円や四千円、一万七千円で、しかも国民の税金をそこへつぎ込むことが果たして妥当なのかどうかということの認定をわれわれはここでしなければならぬからあえて申し上げているわけなんです。これはいままでずいぶんいろいろな問題を起こしてきたことでしょう。しかも、癒着はする、飲み食いはする、そしてよけい持っていくことを認めていく、こういう悪の温床になってきた事実は否定できないでしょう。  それから次に、もっと言うと大麻。栽培者に対して百円なんです。いまの今日の時代に、百円とか三百円とかいうことが常識的にあり得るかどうか。覚せい剤は政令で決めることになっていますが、アヘンもケシの栽培で千円、栽培許可が三百円。こういう状況が果たして手数料の定義というものの中で妥当なのかどうか、われわれはきわめて問題がある。いまの問題でひとつ答えてもらいましょう。  それから猟銃、これは都道府県関係の問題になりますが、総理府令で定めることになっているわけです。総理府令で猟銃及び空気銃許可更新第七条の二項それから第二十九条で、都道府県で五百円、再交付は百円、更新が四百円、こういうふうになっているわけです。  全体的に見て非常にアンバランスである。大蔵省はこれを見てうのみにしたんじゃないの。それはそれぞれの委員会審議はしてきたんだろうと思うのですけれども、きわめて雑多であり、趣旨が一貫してないし、どこに政策要素があってどこにこの手数料を取っていく意味があるのか、これは何のためにやるのか、その辺の目的意識も非常に不明確ですね。これじゃ話にならぬ。  しかも、火薬類なんかの方でも今度は改定になっていますが、七百円とか千円とか二千円とか、こんなばかばかしい数字になっている。  しかも、土地収用法はこれには載ってなかったと思うのですが、土地収用法なんかもなぜ今度改定が出てこなかったのか。百二十五条は二万円の範囲内。土地収用法でやっていったら二万円で済むと思いますか。それはどういうことです。  しかも、宅地造成規制法第十九条で三万円。宅地造成でどれだけ市の職員なり県の職員なり国の職員が悩まされてきたか、どれだけの税金をこれに食われてきたか、その実態を大蔵省は知っていますか。それを三万円以下にしておいて、結局宅地造成では今度も改正はされていない。もうこのごろはデフレになりそうだからなくなりそうですけれども、あのさんざんもうけたときにこの程度しか取ってこなかった。こういうアンバランスが果たして許されていいのか。国民の感情から、これは絶対に認められない。  しかも、通信教育みたいなところで一課程千円も取っている。冗談じゃないですよ。アヘンやその他は百円だとか二百円、鉄砲持っても五百円だと言っておいて、通信教育を受けるような人がなぜ千円も納めなければならぬのですか。全く首尾一貫せず本当にでたらめな提案、思いつき提案というか体裁が整ってない、論旨が一貫してない。  これはもう本当に審議できない。私のは三十八分までですから、以上申し述べた事項についてひとつ御検討した上で、後で残りの時間質問いたしますから勉強しておいてください。本当にけしからぬ。
  44. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 手数料の性格から申しまして、先ほど来沢田委員が御指摘になっておりますように、手数料金額そのものは、人件費物件費等のコストを積み上げた金額そのもので決定をするのが原則でございますし、かつまたそのコストどおりに決定されておりますものが大部分でございます。ただし、手数料の性質によりまして特別にコスト以上のものを政策的にちょうだいをいたす場合もございますし、逆にまた先ほど先生御引用になりましたが、社会教育関係の通信教育の手数料でございますが、こういったものにつきましてはやはり国民生活上の配慮というような考慮も加えましてコスト以下に決定をするという例も間々ございます。しかしながら、原則はあくまでコストそのもので決めるということでございます。
  45. 綿貫民輔

    綿貫委員長 それじゃ沢田さんの言っておられます点と答弁と多少ずれておりますから、どういうことを求めておられるのかよく話して、後から答弁してください。  じゃ戸田さん、次、引き継いで質問いただけませんか。——ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  46. 綿貫民輔

    綿貫委員長 速記を始めてください。  保岡政務次官
  47. 保岡興治

    保岡政府委員 先生、いろいろ手数料行政コスト等の基準についてもう少し明確にしろという御意見、これはいろいろお述べになった点、もっともな点もあろうかと思います。しかしながら、一応先生の御意見は御意見として、大蔵省各省で今後、調整をして定めた積算の基礎としての数字は承知しておりますので、検討した結果に基づいて改正をお願いしておりますので、それを個々にお答えをさせていただきたいと思います。
  48. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 最初に、私から、一つの例示といたしまして法務省の関係の司法試験の受験手数料を例に引きまして御説明をさせていただきたいと存じます。  この司法試験に従事いたします職員人件費が、五十五年度、いわゆる人事院勧告後の計数でございますが、四千二百六十八万三千円でございます。やや詳細になりますが内訳を念のため申しますと、俸給が千四百四十九万一千円、扶養手当が九十五万四千円、調整手当が百二十三万六千円、それから諸手当が五十四万五千円、さらに特別手当六百七十一万七千円、超過勤務手当二百二十五万一千円、共済の負担金が百六十五万二千円、それから他の部課から応援をしてもらいます職員の分が千四百八十三万七千円、これらを合計いたしましたものが先ほど申し上げました四千二百六十八万三千円になるわけでございます。これは年間の数字でございます。  それから次に物件費でございますが、これも五十五年度予算額でございますが、総額七千五百九十一万二千円でございます。念のため内訳を申し上げさせていただきますと、人当庁費が三十八万九千円、委員手当が千三百三十三万七千円、諸謝金が二千五百六十万九千円、職員旅費が七百七万四千円、委員旅費が七百三十三万九千円、それから庁費、これは鉛筆とか紙とかいろいろなものでございますが二千百四十七万五千円、光熱水料が六十八万九千円、以上合計いたしましたものが先ほど申しました七千五百九十一万二千円になるわけでございます。  そこで、先ほどの人件費四千二百六十人万三千円と、ただいま申し上げました物件費七千五百九十一万二千円を合計いたしましたものが、一億一千八百五十九万五千円に相なるわけでございます。  そこで、これを一件当たりコスト計算をいたしますために、これを処理件数で割ってまいるわけでございますが、この処理件数が年間でトータル三万四百九件というふうに計算をされてございます。そのうち一次試験の分と二次試験の分とに分かれるわけでございますが、一次試験の分が千七百五十三件、二次試験の分が二万八千六百五十六件、こういうことになるわけでございまして、先ほど申し上げました総金額一億一千八百五十九万五千円をただいま申しました処理件数でそれぞれ割ってまいります。もちろん、一次試験と二次試験とでもともと単価の差がございますので、その差を加味いたしまして割ってまいりますと、一次試験につきましては二千三十円という金額が出てまいります。それから二次試験につきましては四千十四円という金額が出てまいります。これに対しまして、現在定められております手数料単価は一次試験が千五百円、二次試験が三千円でございます。したがいまして、今回は先ほど申し上げました一次試験二千三十円を千円単位に丸めまして二千円に引き上げる、それから二次試験の四千十四円でございますが、これも千円単位に丸めまして四千円に引き上げるというふうな計算をいたしているわけでございます。  ただいま司法試験について例示して御説明申し上げましたが、以下基本的には同様の計算をそれぞれ積み上げてやっている次第でございます。
  49. 沢田広

    沢田委員 ほかの省、答えは続くのですか。
  50. 保岡興治

    保岡政府委員 先生いろいろ御指摘があったわけでございますが、いまのように一つ一つ細かい数字を詳しく述べますと時間もかかりますので、恐縮でございますが、例を二、三挙げて先ほどお述べになりましたものの中から選んで御指摘をいただければ幸いでございますが……。
  51. 沢田広

    沢田委員 一つは、通信教育の社会教育法の文部省、それから砂利採取の問題が一つ、それから麻薬関係の問題、とりあえずこの三つだけお答えいただきたいと思います。
  52. 五十嵐耕一

    五十嵐説明員 文部省関係の社会通信教育でございますが、これは社会通信教育を実施しております公益法人、あるいは学校が実施いたします社会通信教育につきましてのものでございます。これにつきましては、私ども考え方といたしましては、先ほど先生から御指摘のございましたように非常に公益性が高いということから低目にやっておるわけでございます。そういう意味におきまして、今回の改定考え方につきましては物価上昇率の最低の部分に基づきまして上げていこうという考え方で、五十二年九月の改定から五十五年九月までの物価上昇率の二八・五%といいますものを掛けまして今回の改定額というものをお願いしておるわけでございます。
  53. 沢田広

    沢田委員 あとはひとつ資料で。そういう抽象的な答弁をいま求めたわけではないのでありまして、後でわが党の議員も質問をしますが、各省に聞いたってだめですから本当はここで大蔵大臣が必要になってくるのですよ。  じゃ私は提言として、政務次官も腹をくくってお答えをいただきたいと思いますが、たとえば土地収用法で定められている限度はないのです。ないのですが、二万円の範囲内というふうにして定められておる。実際に土地収用法にかかる経費というものと公共性というものとを兼ね合わせた場合にどうかということが一つの疑問として残ります。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 ひとつこれは検討していただきたいと思うのであります。それから、公共用地取得に関する特別措置法というのがありまして、この第五条には四万円を限定しているわけであります。これも再検討していく必要がある。これは一日じゃ終わらなかったのですが、一応全部調べてきたつもりであります。つけていくべきものもあるのではないか。とにかくめくるだけでも大変ですよ。それから、さっき言った土地造成の規制法の三万円というのは時代的な背景を考えてみて適当かどうかと思います。それから、土地利用基本計画法と工場立地法の場合、特に工場立地法について何ら手数料を取ってない。どこかに工場団地をつくるにしても、工場立地法で整備するにしても、下水の問題、排水の問題水質の問題、大気汚染の問題、振動の問題、こういうものが伴って、工場立地法の問題を税金だけで賄っていくということが果たして正しいかどうか。やはりある程度立地をする人に負担を求めていくということが原則的に考えられなければならないのじゃないかと思うのです。  以上、この辺までをまとめて、御検討いただけるかどうかということ。いまこれからということにはいかぬでしょうけれども土地利用基本計画法は土地の権利の移転、それから買収申請を知事のところに出すわけですね。そういうものですが、これも申請手数料を、現場を見て、開発行為がいいのかどうか、周辺の地理はどうかというものを県の職員なり国の職員は調べてこなければ許可する、しないの問題にならない。ですから、当然原因者負担というものも伴って、その経費の一部負担はあるべきである、こういうふうに私は考えるわけです。  以上、どれについてということではなく、ひとつ方向的にお答えください。
  54. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 幾つか御指摘ございましたが、たとえば土地収用法関係でございますが、これは今回改定を予定いたしてございませんが、先ほど申し上げましたようなやり方でコスト計算いたしましたところ、現在の法定の限度の中にはまっているというような計算が出ておりますために、今回改正はいたしていないという事情がございます。そのほかに公共用地の関係の問題なりあるいは工業立地の問題、それからまた宅地造成の問題、それぞれ御指摘ございましたが、ただいま私どもの方から的確にお答えを申し上げる準備もないわけでございますが、ただいまの御指摘趣旨も踏まえまして、今後当該所管省庁の考え方もそれぞれあろうかと思いますので、所管省庁とも十分検討をさせていただきたいと存じます。
  55. 沢田広

    沢田委員 それから、さっきの通信教育だけは、ほかのものと比較して私はゼロでいい。通信教育なんかで金を取るなどということを考えるよりも、いま言ったようなものをちょっと考えただけでも、これはほかのことで十分財政的には補てんできる。しかも、今度三千五百円に一課程で上がるなんて、確かに郵便料金の値上がったことは認めないわけではありませんけれども、通信教育をしようというようなことは、いわゆる政策として相当考慮していくべき余地のあるものなんですから、そういう意味においてこれはある程度どうかなというふうに考えています。  それから、さっき言ったのでありますが、環境関係法についての立入検査というのがあるのです。これは環境関係だけではありません。工場なんかも全部そうですが、この立入検査が全額税金でいいかどうか、これも実は問題があるわけです。この立入調査をしなければならないようになった、年一回ずつなら年一回立入調査をする、これは食品衛生もそうですが、そういうようなものを全部税金で賄っていくということは果たして正しいかどうか。今日取っている司法試験だとか著作権だとか意匠だとかいろいろありますが、ある意味においてはほとんど個人的なものが多い。事業的なものはわりあい取っていない。どうも事業には甘いという言い方をしたのではいけないですが、鉱業権にしてもそのとおりなんです。採石権にしてもそうなんです。これはそういうようなことから見ると、どうしてもこの環境関係の立入調査に伴う手数料を、法的に定められておる分については、設定とまではいかないのでしょうけれども、やはり他にあって措置すべきであるというふうに思うのです。振動、航空機の騒音も、いま国民からはこういう公害に対していろいろ言われているわけですね。カエルが鳴いたからうるさいなどと言ってくるところもあるぐらいですから、そういうようなことも含めてそれが全部公共のサービスで、税金で賄われていくことが果たして正しいのかどうか。あるいは工場の水質にシアンが流れたという場合に、ある程度はっきりすれば当然その費用は原因者負担になるのでありますが、はっきりしない場合、年一回の立入検査、年二回の立入検査、そういうものには手数料を当然徴収していく、こういうことが整合性を得ていく道ではないか、こういうふうに思うわけです。  以上でまたとめて、次にいきます。
  56. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 第一点の社会通信教育認定の手数料の問題でございますが、先ほど文部省からも若干御説明がございましたが、実はこの手数料につきましては、原則的な考え方によりましてコストを積み上げてまいりますと、実は約四万円弱のコスト計算に相なるわけでございます。そこで、先ほど先生も御指摘になりましたようなこの種の手数料の性格、特に家庭に及ぼす影響といったようなものも考慮をいたしまして、現在は三千円ないし九千円という単価になっておるわけでございますが、いかにコスト主義とはいえ、いきなり四万円にも上げるというわけにはまいらないということで、せめてCPIの上昇率にとどめようということで、三千五百円から一万五百円に引き上げ幅を抑えているという実態にございますことを御理解賜りたいと存じます。  それから第二点の立入検査の問題でございますが、これはかなり基本的かつ重要な問題の御指摘かと存じます。ただ、ただいま私どもが感じますのは、この立入検査と申しますのは、立入検査の相手方の意思いかんにかかわらず、国がいわば強制力をもって実施をいたしてまいるものでございます。一方、手数料の方は、冒頭に先生も御指摘になりましたように、国あるいは地方公共団体が特定の人のために事務あるいはサービスを提供する場合に、その反対給付として手数料というものを徴収しようというような性格のものでございますので、立入検査というように国が相手方の意思いかんにかかわらず強権をもって臨む場合に、その費用負担をいかなる形において調達をするかという問題につきましては、この手数料の問題とは別個の重要な問題として、別の角度から検討をされる必要がある問題ではないかというふうにいまとっさに感じている次第でございますが、これも先生の御指摘でございますので、なお私どもよく勉強してまいりたいと存じます。
  57. 沢田広

    沢田委員 もしそういうことだとすると、公害紛争処理法の調停、裁定、これは法律の四十五条ですが、これは公害を受けた側が言うと金が取られる。発生しているところの立入調査は金が取られない。受けている側は被害者でありますから、被害者が調停、裁定を頼む、そのときには規則で取られる。ところが発生しているところには、いま言ったような基本的な違いがあるという言い方で言われる。だから結果的に、日本の社会構造というものは個人個人が集まっているのですけれども、企業も個人の一つとして見ていかなければいかぬのではないかということなんですよ、基本的な物の考え方としては。ただ発動の意思が相手側にあるか、こちら側にあるか。しかし、これは国民同士の問題ですから、そういう意味において、さっきの公務員憲法で言われている全体の奉仕者という立場が、どこまでこの手数料の中に生かされていくのかということが一つあるわけです。それから公平というものがどうやって確保されていくのか、そういうことで言っているわけです。  それから、警察が来ていただいているそうですから、この際お伺いしておきます。  拾得物保管費用、それから公告費用負担、これを拾得者から徴収する、その部分を差し引いた残りを拾得物の時効になれば渡す、こういうことになっておりますが、この拾得物保管費公告費の現在時点における価格、取り扱い、これをお答えをいただきたいと思いますし、それから銃砲等、レーガンも撃たれたぐらいでありますから、猟銃といえどもなかなかこれからの取り締まりはむずかしくなるだろうと思いますし、暴力団等には相当こういうものがいっているわけでありますが、きわめて再交付その他が安易過ぎる。私も、この間改正をしまして取り扱いについてむずかしくしたことは承知をしておりますが、費用としては少し安過ぎるのではないか。たとえば通信教育三千五百円に対して猟銃の再交付が百円とか五百円とかということは、ちょっと世の中の普遍性からいって整合性が乏しいのではないか、こういうふうにも思うのでありますが、いかがでしょうか。
  58. 田中和夫

    田中説明員 お答えいたします。  遺失物は年間約百七十万件ほどございまして、その保管費用につきましては、取り扱いといたしましてその遺失物が各警察署に保管しておるものでございますから、保管費用そのものについてはこれといって費用はかかっておりません。なお、これを高額の場合は官報等に記載いたしまして公告いたしますので、この費用がかかります。警視庁の例を申し上げますと、年四回官報に公告しております。そして、一回当たりおおよそ百件でございまして、その費用が五千円でございます。したがいまして、年に二万円の費用ということになります。なお、この費用につきましては、その遺失物を取りに来た人、すなわちもとの所有者であるとか、あるいは新たに拾得したことによって所有者になった人、この人から徴収する、こういうことになっておるのでございます。  以上でございます。
  59. 沢田広

    沢田委員 これはあと聞いても若干どうかと思うけれども、結果的に手数料というものの本質的な議論というのが、政府部内でもというか官僚の中でやられてない。もう少し議論をして、本当の受益者として負担すべき限界を、一〇〇なら一〇〇を出していって、それで各省で連絡をとって、これは三割の公共サービスである、これは二分の一の公共サービスである、そういう明確な判断の基礎を持っていく必要性があると思いますね。そういう点については総括的に政務次官なり大蔵省から、両方からでもいいですが、これはもう一回再検討していただきたいと思う。普通ならばこれは、これだけの国会で出された法案だから、撤回してもらってやり直してもらいたいような気持ちで本当はいるのですよね。そうはいかぬでしょうが、そういう、ややいいかげん的なものが多いように感じられる。われわれに説得力がないという気がする。これは公共サービス、たとえば風俗営業取締法、厚生省来ているのでしょうけれども、これは公安委員会許可申請千円なんですよね。こういうものと、さっきの通信教育、それからさっき言った、麻薬の方は出ていますが、大麻などについてもそうですし、それからあと特に問題になる医薬品の製造検定管理申請、それから毒物の手数料、これらについては不明なんですね。ないのです。こういうものについては、うんと官費を使っているものなんですよ。たくさんの税金を使っているものなんです。どの程度か、そういうものが必要になっているのではないか、こういうふうに思います。以上の点でお答えいただきたいと思います。
  60. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 手数料算定いたします場合の考え方につきまして、先生指摘になりましたように、必ずしも十分に現在整合性がとれたものとなっているとは言いがたい面があることは御指摘のとおりかと存じます。ただ、繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、手数料というもののいわば本質から考えまして、原則はあくまで、積み上げられましたコストによって定められるべきものであるということは先生も御理解いただけると存じます。  ただ、問題の一つは、このコスト計算いたします場合に、現在のような範囲のコストコストとして織り込むだけで十分かどうかという、いわば算定の範囲にかかる問題が一つございます。これも私ども今後よく勉強していきたいと存じます。  それから問題の第二は、原則コスト計算をするのだけれども、中にはやはり当然——たとえば特許料のように相手方に特別の経済的利益を付与するというような性格がある場合には、現に現在もコスト以上のものを手数料として定めさしていただいているわけでございますけれども、そういったものについての何か整合性のある統一的な考え方があってしかるべきではないかという御意見、それからまた逆に、これは現在もあるわけでございますが、その手数料というものの性格等を勘案をいたしまして、手数料コスト以下の水準に決めているものもございますが、これらにつきましても、何か統一のとれた考え方で整理ができないものかというような御意見かと拝聴したわけでございますが、御指摘はまことにごもっともな面を含んでございますので、従来からもそういった問題意識を持ちまして勉強はいたしているわけでございますが、何分にも、余りにも多数の手数料にわたってもございます。それからまた、それぞれ制度的に長い沿革、歴史を持っているものもございまして、なかなか簡単に、一概に割り切れない面もございます。なお御指摘の点も踏まえまして、今後とも検討を続けさしていただきたい、かように存じます。
  61. 沢田広

    沢田委員 最初に述べたように、全くこれは、きょうは審議対象になる内容にまでは至らなかったということで、まさに時間の空費であったという感、むなしさを感じますが、後でひとつ、出した根拠については先ほど述べたように各省提出していただくようお願いをいたしておきます。はなはだ不本意でありますけれども、これはもう、あとやってもこれ以上進まぬだろうと思いますし、各省も、もう少しこれは質問に対応する態勢を——大蔵省が指示するのか、どこが指示するのかわかりませんけれども、全部が全部物を言わなければ答えられないのだったら、こんなことは速記録を残すだけの仕事になってしまうということになるわけですから、もう少し勉強して出てきてもらうように警告をいたしまして、質問を終わります。
  62. 大原一三

    ○大原(一)委員長代理 戸田菊雄君。
  63. 戸田菊雄

    ○戸田委員 最初に大蔵省に質問したいと思うのです。  いま同僚の沢田議員、行政コストの積算方法について大変詳しく説明があったのですが、司法試験の場合です。私はどうも納得いかないのは、一つは、いろいろ積算基礎がありますが、結局料金に対する概念というものが一致していないと思うのですね。だからいまのような結論が出るのですけれども、これは五十五年度の状況のもとでこの手数料算定をやったと思うのですね。それで、現状五十六年度を見通してこういう結論が出ましたと、したがって第一次試験に対しては二千円にアップで、第二次試験に対しては四千円にアップ、こういう結論です。これは何年見通しでやっているのですか。五十六年度単年度だけの見通しということであれば、来年度の物価上昇その他経済変動によってまたこれはすぐ改定するということになるのじゃないですか。そういう点は過分に見積もりをしているのですか。どういう前途の見通しのもとにやっているのですか。その辺をひとつ聞かしてください。
  64. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、人件費物件費、いずれにつきましても五十五年度予算額をベースにいたしまして積算をいたしてございますから、将来にわたります物価等の上昇まで織り込んでいるというものではございません。
  65. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それではすぐにコスト割れするんじゃないですか。そうすると、来年また改定するということになってきますか。だから、これはイギリスの例ですが、イギリス等の場合は、免許関係手数料についてですが、「免許関係手数料・料金・出生・婚姻・死亡に関する登録、度量衡の検定等に関するものがある。課税的性格を有するものとしては、犬、銃砲等の免許がある。」等々で、全部区別をして整理をしていますね。さらに「料金の決定に当たっては、経済費用の回復のため必要な額と乱用防止のために行う各目的料金の額との中間をとるものが多い。」そういうところに中心を置いて料金策定というものをやっている。  ところが、いまのお話を聞きますと、まるきり、五十五年度の経済状況を、あるいは人件費を、あるいは行政コスト、こういうものを土台にして積算をしますけれども、結局五十六年度に充当させるだけであって、前途の見通しがないというように、いまの回答ではなっておる。そうするとまた来年改定していかなければならぬ、こういうことになるんじゃないですか。だからイギリスのように、料金決定については「経済費用の回復のため必要な額と乱用防止」ですね、そういうものを含めて、若干将来を見通して作成をするという整合性を持った料金策定をやっているわけでしょう。これがないのですね。これは三十四の法律がありますけれども、全部そういう状況でやられたら、一斉にまた来年改定ということになりかねないでしょう。そこが納得いかないのです。説明してください。
  66. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 確かに御指摘のとおりでございます。したがいまして、来年度あるいは再来年度、今回いたしましたと同様のコスト計算を積み上げてやってまいりました場合に、これはもちろん処理件数の増減等がございますから、物価や人件費の増加が直ちに一件当たりの単価にストレートに響くとは必ずしも限りませんけれども、まあしかし一般的に申し上げますれば、人件費なり物件費の上昇がありました場合には、改めてこれを改定をしなければならないということになるわけでございます。  ただ、御指摘になりましたように、ある程度ゆとりを持たすと申しますか、二、三年先までの物価、人件費の動向をにらみまして、ゆとりを持たして法定をさしていただくということも、確かに一つの考えかと存じます。存じますが、同時にしかし、仮にそういったやり方をすべての手数料について実施いたしますといたしますと、先々の人件費や物価の上昇まで織り込んで、いまからいわば先の分まで織り込んだ手数料を取るのはけしからぬというような御批判も一方には出てまいろうかと存じます。  したがいまして、仮にゆとりを持たしてやるということにいたしますと、法律上はある程度ゆとりを持った限度額を決めさしていただきまして、その中でそのときどきの物価や人件費の動向に応じて政令あるいは省令で決めさせていただく、つまりある程度を政省令以下、つまり行政府への裁量、授権をお願いをするというようなことに結果的には相なろうかと思います。  ところが、この手数料金額をいかなる場合に法律金額まで決め、それからまた、いかなる場合に政省令に具体的な金額をゆだねるかといったような点につきましても、なかなかむずかしい問題がございます。したがいまして、私ども、そういった問題意識も踏まえまして勉強はいたしてございますが、なかなかまだ今日までのところうまい考え方が見出し得ていないという状況でございます。  したがいまして、今後、方向といたしましては、ある程度政令以下の政府の裁量に授権をさせていただくというのも一つの方向でございますし、それからまた、法律には、たとえば算定に当たっての考え方だけをお決めいただきまして、その考え方で政府が適時に決めてまいるといったようなやり方も一つの方法かと存じますが、なかなかまだそこまで踏み切りがついていないというのが現在の状況でございます。  今後よく検討をしてまいりたいと存じます。
  67. 戸田菊雄

    ○戸田委員 納得するような答弁じゃないのですけれども、この法案を見ますと、幾つか疑問点がある。だから、いま回答があったように、現時点ではしかし法律上、三十四の法律案の料金改定ですから、それを外して政令あるいは省令でということにはなっていないんですね、この法律案の提案は。そうでしょう。だからどうしたって、いま言うように経済変動があれば、たとえば行政コスト最大の要因だと言われる人件費、これだって毎年一万円以上上がるのでしょう。物件費だって上がるでしょう、資材その他にしたって。五十五年度は七・八%、本年は五・五%の見通しでしょう。こういうふうに上がっていくのですから、単年度で、五十五年度の積算方式でやって五十六年度間に合う状況であっても、五十七年度以降はこれはまたすべて改定せざるを得ないのではないですか。だからやはりこの点の見通しのきいた積算方式と料金策定というものをやらなければ、これは納得いきませんよ。どうなんですかね。
  68. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、委員指摘のとおりでございまして、来年、再来年に、人件費あるいは物価の動向によりましては改めてまたすべての手数料につきましてコストの見直しを行い、そうして法律改正の必要のあるものについてはまた改めてお願いをするということにせざるを得ないわけでございます。現在のところはそういった考え方で今回も法律案を御提案申し上げているわけでございますけれども、しかし、別途検討の課題といたしましては、先生指摘になりましたように、ある程度ゆとりを持たした決め方というようなものが合理的にできないものかどうか、それは十分検討をさせていただきたいというふうに存じているわけでございます。  今回の法律案を提案いたしますにはなかなかそこまで整理がまとまりませんで、間に合わなかったというのが偽らざる状況でございます。
  69. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それでは二点だけ明確にしていただきたいと思うのですが、その第一点は、手数料の概念についてもう一回見解を述べてください。  それからもう一つは、行政コストとは何だ。私も相当この行政コストについていろいろ引っ張り出してみたけれども、明確なものはないです。行政コストというのは一体何ですか、二点について。
  70. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 まず、手数料とは何かというお尋ねでございますが、これは一般的に申しますと、手数料と申しますのは、特定の人のためにする公の役務、または特定人に供用する公物の使用について、その反対給付として徴収する料金というふうに観念をされております。  それから、第二点の行政コストとは何かということでございますが、この手数料との関連で申し上げますならば、この手数料のベースとなっておりますそれぞれの行政事務あるいは行政サービスに要します費用、実費、それがコストだというふうに観念的には考えるべきものであろう、かように考えます。
  71. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それでは具体的に各省の見解を承ってまいりたいと思いますが、一つは、先ほど沢田委員も話を出しましたが、文部省の社会教育法に基づく今回のコストの積算方式をひとつ説明してください、それから著作権法。それから、通産省、来ていると思いますが、武器製造法の積算をひとつ説明してください。代表的なもの、以上三点。
  72. 五十嵐耕一

    五十嵐説明員 お答え申し上げます。  社会教育法におきまして学校教育以外の社会通信教育といいますものを実施いたします民法の公益法人それから学校でございますが、それが社会通信教育を実施します場合におきまして、文部大臣の認定の社会通信教育をやりたいという希望がございました場合におきまして、文部省におきまして非常に優良なものかどうかを認定するということでございます。  その認定に当たりましては、当然事務を担当します係の者がおりますし、それからその教材とか補助教材等につきまして学識経験者にお願いをするというようなこともございます。そういうことの人件費でありますとか、謝金でありますとか、庁費でございますとか、そういうものを計算いたしますと、一件当たりの単価が約三万九千円強ということに相なります。それがコストでございます。  それで、具体的な経費につきましては、法律におきまして三千円から九千円ということになってございますが、これを直しましたのが五十三年でございますので、それ以降の物価上昇率というものも計算をしたわけでございますが、そうしますと、五十二年の九月から五十五年の九月までの消費者物価指数の上昇率が約一六・五%ということに相なりまして、コストの面ということで上げますと非常に大幅になるということで、最低の物価上昇率で上げるということで、ただいまお願いしておりますような金額で改正をしたいというようなことでございます。
  73. 吉田茂

    吉田説明員 今回の著作権関係手数料でございますが、著作権者が不明等の理由によりまして著作権者と連絡することができない場合、あるいは著作物を放送する場合に著作権者との協議が成立しない場合、あるいは協議することができなかった場合等の場合に、文化庁の長官が著作権料を裁定するという件が一件あるわけでございます。これにつきましては、やはり人件費物件費等を全部積算いたしますと、一件当たり約九千円ということになるわけでございまして、それを五千円を九千円ということでお願いしておるわけでございます。  それからもう一つは、著作権のいろいろな紛争があるわけでございますが、それを訴訟ではなくて行政的にあっせんするという制度があるわけでございます。俗に著作権紛争解決あっせんと申しておるわけでございますが、その手数料人件費物件費に分けまして積算してまいりますと、三万円近い額になってくるわけでございますが、余り急激な引き上げということを避けたいという考えで一件当たり一万円を二万円ということでお願いをしておるわけでございます。
  74. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 武器等製造法の関係で今回お願いしております手数料の引き上げに関しまして御説明申し上げます。  武器等製造法におきます許可関係で、幾つかの条文がございますが、まず製造事業の許可という法三条の点を代表として申し上げますと、五十二年度と比較いたしまして人件費を十万六千二百四十三円とし、また物件費を九千七百九十二円、また審査旅費を三万三千八百八十円、一件当たりの単価を出しましたところ、五十五年度で十四万九千九百十五円という数字になりました。これを十五万円といたしまして、現在の十四万円から引き上げをお願いしている次第でございます。
  75. 戸田菊雄

    ○戸田委員 著作権と社会教育法の問題については、先ほど司法試験の計算方式があったようでありますが、あの計算方式によって資料を後で全部出してもらいたいと思います。これはいいですか。
  76. 五十嵐耕一

    五十嵐説明員 お出しいたします。
  77. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それで、まず武器製造法からちょっと質問してまいりますが、内容を見ますと、武器製造事業許可手数料、それから種類変更許可手数料特定設備設置等許可手数料、工場移転許可手数料、猟銃等製造事業許可手数料、こういうことになっておるわけですが、これはその内容によって今回の改定額も違うし、たとえば許可手数料については一万円の引き上げでしょう。それから変更許可は六千円、設置許可手数料は二千円、移転は一万二千円アップ、猟銃の事業許可手数料八千円。どうしてこんなに違ってきますか、その内容を説明してください。
  78. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 お答え申し上げます。  いま先生指摘の各法条に関します手数料の引き上げ幅の違いにつきましては、これは主として人件費の違いでございます。人件費の単価につきましては、一時間当たりの当該担当官の人件費を出しておりますが、それに要します審査時間というものがそれぞれ違ってまいりまして、たとえば製造事業では六十一時間、あるいは種類の変更では三十時間、その他審査時間がそれぞれ違いますので、結果的に、コスト計算いたしました結果上げ幅が異なってくる、こういう理由でございます。
  79. 戸田菊雄

    ○戸田委員 結局、武器製造法の二十七条、この手数料改定ということになるわけですけれども、この内容はいま言ったように七項目に分類をされている。土台の積算方式がどうも私は納得いかないのですよ。たとえば第三条の、製造の許可を受けるときには通産大臣許可を得なさいということですから、いま言ったような積算方式でいけるんだろうと思うのです。それから、二項目で第八条の「武器の種類の変更」、いろんな武器があると思いますよ。いま武器製造会社がどのくらいあるかわかりませんけれども、そういうものに対して全部審査をするわけですから、人件費等についてはむしろ製造許可よりも多いんじゃないかと私は思うのですね。二体どのくらい武器製造会社があるか。そして、製造する武器の種類の変更ですから、これだって、日進月歩の技術革新をやられておる今日ですから、弾一発をつくるにしたっていろいろ変わってくる。これは一体どのくらいあるんですか。ちょっと説明してください。
  80. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 お答え申し上げます。  武器等製造法に基づきまして事業の許可を受けておりますのは、現在二十八企業ございます。ただ、許可の内容は、それぞれの武器製造事業者が製造いたします武器の種類ごとに許可をとる、こういうことに相なっておりまして、私どもが分類をしております武器の種類は、たとえば銃、砲、銃弾、砲弾、その他爆発物、もろもろのものがございまして、それぞれ武器の種類に応じて製造の事業の許可を受けておる、こういうことになっております。たとえば銃で申し上げますと、日立製作所とかあるいは豊和工業とか小松製作所、全部で八つほどの企業が銃の製造の許可を受けている、こういうことでございます。
  81. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それじゃ第三項の、設備の設置等の許可についてですが、これは十条ですね。第三条は「武器の製造(改造及び修理を含む。以下同じ。)の事業を行おうとする者は、工場又は事業場ごとに、その製造をする武器の種類を定めて、」申請を出しなさい。十条は、武器製造事業者の当該武器の製造あるいは設備、これを新設、増設または改造。余り変わらないんじゃないかと思うのですね。第三条と第十条の内容というものは余り変わらない。第十条の内容をもって第三条の申請をするわけでしょう。それが設置、変更、改造その他があった場合。だからこれは第一項の事業手数料とほぼ匹敵していいんじゃないかという気がするんですよ。どうですか。
  82. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 お答え申し上げます。  武器製造の事業の許可先生指摘の第三条でございますけれども、ある企業ないしは個人が武器というものの製造の事業をそもそも行うかどうかということに関して審査をいたす、こういうことに相なるわけでございます。武器製造の事業を行わしめるということにつきましては、当然のことながら、事業者が工場設備全体につきまして亡失、盗難、そういった危険に対して十分な防護施設を施しているかどうか、そういうことによって公共の安全が確保されるかどうかという点、それから法上にもございますが、申請をしております事業者ないしは人がこの法の欠格条項に該当しないかどうか、こういったいわばこの事業に参入をいたします際の資格を審査いたします。それだけの十分な設備を持ち、技術上の基準を満たしているかどうか、こういう点につきまして経理面及び人格面と申しますか、その人が欠格条項に当たっていないかどうかという点、それから安全確保のための事業者の要件、こういった点につきまして各般にわたり審査をいたさねばならない、こういうことでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたようにこれに要します審査の時間と申しますものは一件当たりどうしても多くかからざるを得ない、こういうふうに考えております。  先生指摘の設備の新設、増設という点に当たりましても、もちろん私どもといたしまして、この製造事業者がすでにやっております事業に能力増その他で設備を増設いたします場合には慎重な審査をいたす必要はあるのでございますけれども、一応すでに与えられた許可に基づきまして事業者としての適格性を有しているという前提で、新たに設置されます設備が果たして私どもが定めております技術上の基準に該当するかどうかという点をチェックする。もちろん慎重なチェックは必要ではございますけれども、審査に要する時間は、当初のこの事業に参入してまいります際の事業の許可よりはそれほど多くの時間をとらなくても審査はできるのではないか、こういう点で、いわばこれに要します審査時間の差に基づきまして一応積算をいたしておるわけでございます。
  83. 戸田菊雄

    ○戸田委員 農林省、おりますね。四点ほど提起をしておったのですが、種苗法についてちょっと説明してください。
  84. 谷垣孝次

    ○谷垣説明員 お答え申し上げます。  種苗法に基づきます品種登録出願料と品種登録料につきましては、昭和五十三年の農産種苗法の一部改正に伴いまして種苗法が新たに制定され、新しい品種の保護制度、いわゆる品種登録制度が発足したわけでございます。これに伴いまして新しく出願料及び登録料の定めが設けられた次第でございます。これらの出願料につきましては、品種登録により利益を得ます出願者に対しまして行政事務に要する経費を一部負担させるというものでございまして、また品種登録料につきましては、品種登録の効力を維持していく上で同じような趣旨から品種登録者が納付する手数料である、こういう性格のものでございまして、今回は、五十三年に発足したわけでございますから、その後の物価上昇率の上げ度合いに応じまして、特許料に準じまして引き上げさせていただいておる、こういう次第でございます。
  85. 戸田菊雄

    ○戸田委員 各省の代表的なものの例を、いま積算基礎を含めて説明願ったわけでありますが、第一の社会教育法に基づく公益法人の問題、この認可手数料についても片や千円で片や二千円、こういうことになっておるわけですが、これもちょっと私は納得がいかないし、それから事業認可を出しても、公益法人、社団もしくは財団と、こういうことになりましょう。そういうことになっても、これは結果的には通信教育をやる人に転嫁されてしまう。いま政府全体としては教育問題について非常に重視をして、かつ私学助成なども漸次年々改善をしている状況でしょう。だから、こういうものに対しては行政サービス、国の負担でもってやっていく、こういうのが生涯教育その他を通じて私は非常にいいのじゃないか。ことに社会教育法は、御存じのように教育基本法を受け継いで、そういう法律を土台にして社会教育法というものができておるのですから、非常に広範にわたって各種設備問題を含めてやっておる。通信教育やっている人はいまどのぐらいおりますか。相当数に上るでしょう。だから、この点はぜひひとつ検討していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
  86. 五十嵐耕一

    五十嵐説明員 お答えいたします。  ただいまの文部大臣の認定の社会通信教育の受講者数は、五十四年度で見ますと三十三万二千何がしというようなことでございます。社会教育法の規定自体の中に「文部大臣は、認定を申請する者から手数料を徴収することができる。」という規定がございまして、その規定を受けまして私ども必要最小限の認定手数料を取るということをやっておりまして、今回におきましても、そういう意味におきまして、物価上昇率の最低限の金額に抑えておるということでございます。
  87. 戸田菊雄

    ○戸田委員 政策的判断ができないから事務答弁もやむを得ないと思うのです。きょうは大臣もいませんからしようがないのですけれども、どうでしょうね、通信教育をやるような人は、昼間汗水たらして働いてそして夜間に行くとか、あるいは大学であれば夏期ヒヤリングでもって約四十日ぐらい職場を休んでいかなければいけないのです。そういった苦衷の中で何とか勉強していこうという者から少しながらも手数料を取っていくということは、一面でいろいろな角度で助成体制をやっておるのですから、このぐらいの助成体制はあってもいいのじゃないかと思うのですね。これはひとつ政務次官、どうですか。
  88. 保岡興治

    保岡政府委員 それは先ほど来議論されてきた手数料の性格とも基本的にはかかわると思いますけれども、また一方、先生おっしゃっている御意見というものは、一つの政策判断としてそういうことが考えられるかもしれません。他にどういう問題点があるかにわかにはお答えできませんけれども、そういったことは第一義的には文部省で政策判断をどうするかということにかかわっていると思いますので、今後よく文部省と相談させていただきたいと思います。
  89. 戸田菊雄

    ○戸田委員 これはぜひひとつ今後の問題として検討を加えていただいて、でき得ればそういう助成体制でいっていただきたいというふうに考えているのです。確かに法律上は「徴収することができる。」とありますけれども、あるから全部取らなければいけないかというと、それは性格にもよりましょう。ぜひひとつその点は要望しておきたいと思います。  それから、種苗法関係説明を受けたのですけれども、これは法律でもって主たる穀物、米とか大麦とか小麦とか、あるいは大豆も入っておったと思うのでありますが、そういうものは除外をするということになっておりますから、それ以下ということになりますると、主としてどういう植物が多いのでしょうね。ことに私が心配するのは、各県もそうだろうと思うのですが、いまいろいろな角度で民間サイドで奨励をしている。県は種苗センターを民間に請け負わせてやっているのが多いのです。そうすると、植林の場合ですと、山に木を植えて、そのうち八割が成功して、三十年程度たたないと伐木できない。そういうことになってきまずから、非常に長年月を要するのですね。だから、こういうものに対しては、私は相当配慮していいのじゃないかというふうに考えておるのですけれども、この点の見解をぜひお聞かせを願いたいと思うのです。
  90. 谷垣孝次

    ○谷垣説明員 お答え申し上げます。  先生指摘ございました種苗法のとっぱなの指定種苗という点でございますけれども、実はこの法律は二つの制度から成っておりまして、品種の表示をいたします品種表示制度と、新しく設けられました新品種の保護制度、この二つから成っておるわけでございます。  新品種の保護制度につきましては、あらゆる植物、農産物、種苗全体が適用対象になっておるわけでございますけれども、品種表示制度につきましては指定された種苗、つまり種苗のうちでもすでに別途の法律で同様の表示制度が規定されております米、麦、大豆、それから林業用種苗、これは主要農作物種子法及び林業種苗法で規定されておるものですから、この品種表示制度の適用対象からはこれを除外しておる次第でございます。しかし、品種登録の適用対象につきましてはあらゆる種苗を対象にしておるということでございまして、現在品種登録の出願状況から見ますと、野菜、果樹、花類、それから観賞用樹木、キノコ、工芸作物、飼料作物、食用作物、多岐にわたっておる状況でございます。  それから第二に御指摘がございました植物種苗の品種登録につきましては、その手数料につきまして相当の配慮がなされていいじゃないかという点につきましては、何せこの植物品種の登録につきましては、私ども単に書類審査だけではございませんで、現地調査並びに栽培試験という複雑な手間暇と金のかかる作業を通じて登録審査を進めてまいるところでございまして、それに要する経費も相当かかります。優秀な植物品種を登録し、その新しい品種を育成していくということは、育成者の権利の保護を図るだけじゃなくて、農業の振興に資するという基本的な問題でございますし、したがって、コストをそのまま登録料に付加していくということは、こうした制度の趣旨に照らして必ずしも適当ではないということから、その費用の一部を国が負担するということで制度の発足以来やってまいっておるところでございまして、今回の改定当たりましても、そのような趣旨から、制度発足以来の物価上昇率の引き上げ分だけを引き上げさせていただくということで提案させていただいておる次第でございます。
  91. 戸田菊雄

    ○戸田委員 これは要望ですけれども、品種改良には大変な努力をするわけですよ。あらゆる努力を傾注してようやく新しい品種改良をやっていく、こういうことですから、むしろ私は生産人に対して奨励金をやってもいいと思うのですよ。そういうものがいずれも金を取る対象にされるということになれば、少し残酷じゃないかという気がしますね。だからこういう点も私は十分検討していただきたいし、漁業法に言う漁民だっていま大変な状況です。オイルの値上げその他によって沿海、浅海漁業は廃船をしなければならないというところまで追い込まれていますよ。そういう者に対してさらに追い打ちをかけるように、わずかですけれども、今回二百円見当再度また引き上げをする、こういうことも私は十分配慮していただきたい、これを要望して、その次にまいります。  この武器等製造法ですが、武器を製造できるというのは全く大資本で、特定業でしょう。たとえば日本で言うなら三井、三菱等々中心にして重工業、こういったところでいろいろつくられているわけです。いまそういった人たちは何を言っているかというと、アメリカや西ドイツ方式で軍事産業二七%くらい国家予算に組み入れろ、ここまできているのですから、私はそういう推移を考えるなら本問題等についてはもう少しやはり取るのは高めてもいい、こう考えるのですけれども、それが基礎料金として十四万見当では、それは膨大なもうけでしょう。だからそういう問題は抜本的に見直しをする時期じゃないかというふうに考えますが、これはどうですか。
  92. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 ただいま先生指摘の武器製造事業者の内容についてちょっと概略を申し上げさしていただきますと、確かに先生指摘のように私ども許可しております二十八企業の中には、たとえば三菱重工業とか日立製作所とか日産自動車とかそういった大企業がございます。ただ一方で、たとえば銃とか銃弾、そういったものをつくっております企業には、小さいところでは従業員数で百五十人くらいあるいは一番小さいところでは七十人くらいの中小企業もございます。確かに武器と言われるものの最近の技術の発展というものが非常に大きいものでございますから、そういったものにつきましては、比較的大きな企業がこれに当たるということがございますけれども、実際には銃の中にも拳銃あるいは機関銃、小銃、そういったものあるいは砲弾、銃弾といったものにつきましてはいわゆる中小企業でもこれをつくり得る、そういう実態もございまして、必ずしも御指摘のような超大企業というものだけに限られているわけではございませんので、その点は現状御説明をいたしたいと存じます。
  93. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それじゃ具体的にこの機会ですからお伺いをしておきますが、この武器等製造法第二条一項一号の銃砲は主としてどこでつくっていますか。二号の銃砲弾はどこでつくっていますか。それから三号の爆発物はどこでつくっていますか。それから四号、五号、二項の猟銃、捕鯨砲、もり銃等々、種類別に全部説明してください。
  94. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 お答え申し上げます。  銃につきましては、先ほどちょっと触れましたですが、日立製作所、豊和工業それから小松製作所、三菱重工、日本製鋼所、日特金属、新中央工業、それから渡辺鉄工所、こういうふうになっております。  砲につきましては、豊和工業それから日本製鋼所、日特金属及び新中央工業でございます。  銃弾につきましては、旭精機工業、それから日本工機でございます。  砲弾につきましては、中国火薬及び日本工機でございます。  弾体でございますが、中国火薬、ダイキン工業、豊和工業、小松製作所、日本工機になっております。  薬きょうでございますが、ダイキン工業、小松製作所、日本工機でございます。  信管でございますが、東北金属、中国火薬、ダイキン工業、日立造船、細谷火工それから石川製作所、三菱重工、日本電子機器それから日本工機、リコー時計、島津製作所、株式会社ゼネラルでございます。  次に、爆発物でございますが、中国火薬、細谷火工、日本工機、こういったところでございます。
  95. 戸田菊雄

    ○戸田委員 いま発表になったような内容なんですが、これなら私は、仮に一、二中小企業と目されるものが入っておりますけれども、それは特定の部品とかなんとかということになるのだろうと思うのです。総体的な武器の構成というものはやはり大会社の方が多いようですから、ですから私これはもう少し抜本的に将来等見通して検討する必要があるだろう、こういうふうに考えますが、その見解どうですか。
  96. 坂本吉弘

    ○坂本説明員 ただいま申し上げましたように必ずしも大企業あるいは超大企業といったものばかりではございませんけれども、いずれにしろ私ども手数料の額を決めさせていただくに当たりましては、一応これに要しますコストを前提といたしまして、それに基づきまして算定はいたしておるわけでございます。ただ、もちろん人件費及び物件費その他の値上がり状況、そういったものを勘案する必要はございますし、また先生指摘のように相手方の負担力という点ももちろん勘案していくことは必要だと思います。そういう点で、今後ともこれが適正な価格であり得るように私ども常々検討はしてまいりたい、かように考えております。
  97. 戸田菊雄

    ○戸田委員 それで、代表的な内容についてお伺いをしましたが、各省おいでになっているところもあると思うのですが、時間の関係上あとはひとつ大蔵省に質問してまいりますので、各省の方はなはだ失礼ですけれども、これでよろしゅうございます。  そこで大蔵省にお伺いしますけれども、今回の増収額は国で幾らくらい、地方自治体で幾らくらい、合わせてどのくらいになっておるか、その点が一つであります。  それから今回の手数料引き上げ項目は二百三十一項目と理解をしておるのでありますが、これは誤りないと思うのですが、それに加えて大蔵政令でざらにこの料金引き上げをやっているものがありますね。これはどのくらいあって、額どのくらいあるのか、その内容についてひとつ発表していただきたいと思います。  それからもう一つは、司法試験の第二次試験ですでに三月中、四月中に出しているものがありますね。これが五月にかかるものがあるのかどうかわかりませんが、こういうものの取り扱いはどうなのか。それから不動産鑑定士もすでに三月五日に受付をやっているのですから、こういう問題についてはどういう取り扱いになるのか、この辺の見解についてひとつお知らせいただきたいと思います。  以上四点ほどですが、まず大蔵省の見解を伺っておきたいと思います。     〔大原(一)委員長代理退席、小泉委員長     代理着席〕
  98. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 まず第一点の、今回の手数料改定に伴います増収額でございますが、これは一般会計、特別会計両方ございますが、両者通じまして約六十六億円というふうに見込んでございます。  ただし、現在御審議をいただいておりますこの一括法によります関係のものは、そのうち四十一億円ということに相なっております。それからまた、今回国と同様に地方公共団体につきましても同様の趣旨手数料の見直しをお願いしているわけでございますが、先ほど申しました国の増収額とは別に地方公共団体全体におきまして約三十一億円の増収が図られているというふうに自治省の方から伺っております。  それから第二点の、大蔵省関係手数料についてのお尋ねでございますが、大蔵省関係では今回法律改正という形でお願いをするものはなかったわけでございますが、政令改正によりまして合計十二件の手数料改定を予定いたしておりまして、その増収額は約六億一千八百万円というふうに見込んでございます。  それから第三点の、司法試験につきましてはすでに試験実施の公告が行われているが、受験手数料はどうなるのかというお尋ねでございます。御指摘のように、司法試験につきましてはすでに実施の公告が行われてございますので、この法律が施行をされました後に受験を申し込まれる方々の手数料につきましては、特に改定前の手数料金額によるというような経過措置を講じさせていただいております。  それから、不動産鑑定士の関係でございますが、これは法規課長の方から答弁させていただきます。
  99. 角谷正彦

    ○角谷説明員 昭和五十六年度の不動産鑑定士の問題でございますが、第一次試験、第二次試験、第三次試験とも二月二日に公告を行っております。ただ、具体的な実施といいますか、試験案内を配付いたしまして願書を受け付けておりますのは、一次試験につきましては三月の初めにそういうことを行いまして、すでに四月十九日に試験が終わっておりますので、これはもうすでに問題はございません。  二次試験につきましては、公告は二月二日にやったようでございますが、試験案内等を配付いたしますのは五月十一日、そこで手数料の額を決めるわけでございます。それから、受験願書等を受け付けるのは六月二日ということに、なっておりまして、まだ受け付けておりませんので、五月一日までにこの法律を予定どおり通していただきました場合には、新しい手数料が適用になるのじゃないだろうかというふうに考えております。
  100. 戸田菊雄

    ○戸田委員 課長、その一番最後の、これはもうすでに出しているんです。それが許可されているわけでしょう。今度新法ができ上がったからそれを追っかけまた追加処置をするということはどうなんですかね。だから発生時限で、三月中というならばこれは一切よろしゅうございます、こういうことにならないのですか。
  101. 角谷正彦

    ○角谷説明員 試験の公告につきましては、いつやるというふうなことだけを公告して事前に受験者の便に供するということになっております。したがいまして、具体的にどういう形でどういう手数料でやるかということは、試験案内等を配付いたします五月十一日時点の段階でこれを決めるというのが従来の扱いでございまして、そういったことから実際に受験者にどういう形でやるということを具体的に額も決めて案内するのが五月十一日、受け付けが六月二日ということでございまして、まだ若干時日がございますので、従来の例に準じまして五月一日実施させていただく場合におきましては新しい受験手数料をいただくことになっておる。これは従来の慣行として扱っているところでございます。
  102. 戸田菊雄

    ○戸田委員 いま説明になったように、大蔵省政令のもとで料金改定なされたものがあるわけですが、その一つには公認会計士受験料それから税関手数料というのがありますね。これは私の調べでは十三億円、非常に収入が多い。これは中身はどういうものでしょうか。それから国の機関委任事務対象になって改定が行われているものがいま発表になったのでは十二件ある、こういうことですね。額にして六億一千八百万。この中で、たとえば犬の登録手数料、これは百円ほど上がっているんですが、問題は風俗営業許可手数料というのがありまして、これが一万円から一万二千円で二千円アップになっている。そういうことになりますと、これは利用者に転嫁することになるでしょう、この辺は。それに酒税は全部上がっていく。だから大変な値上がりですよ。実際、酒税総平均が二四%何がし、こう言っても三〇%くらいもうやられている。それにまた追い打ちをかけるように手数料が上がるのですから、これもまた加味されて利用者に転嫁される、そういう結果になっていくのですね。  それから漁船の登録手数料、これも約八百円アップになっていますね。さっき要望しましたように、船員のいまの事情というものは大変な状況なんですよ。もう油が高くて船を出すことができない、もう休んだ方がいい、こういう状況ですから、そういう生活実感から言ってもこういう問題については政策的判断をして免除体制をとるとか助成体制をとっていくとか、こういうことがあってしかるべきだと私は思いますが、その辺はどうですか。
  103. 加茂文治

    ○加茂政府委員 税関関係手数料についてお答えさしていただきます。  税関関係手数料は、五十六年度収入見込み額は十八億五千八百六十九万八千円でございまして、五十五年度に対しまして六・三%の増でございます。  その内訳は、免税原料品製品検査手数料が三十五万六千円でございます。それから臨時開庁承認手数料四億二千六百三十五万一千円、それから収容に要した費用二百四十八万二千円、コンテナ承認手数料七百九十万円、時間外使役許可手数料七億一千九百七十四万四千円、指定地外貨物検査手数料三千八十六万八千円、不開港出入許可手数料六億七千九十九万七千円でございます。
  104. 角谷正彦

    ○角谷説明員 機関委任事務につきまして、風俗営業取締法等御質問がございましたが、実はこの手数料改定につきましては、私ども現在提案しております一括法に基づくということではなくて、むしろ地方行政委員会で御審議いただいております地方交付税法等の一部改正法の中で自治省が提案をさしていただいていることでございますので、ちょっと内容等につきまして私の方でどうこう申し上げるという立場にございませんが、先生のおっしゃる一般的な問題として考えました場合に、確かにそういった個別のコストへの反映あるいは個別の相手の業態、業種、そういったことによって手数料の額を反映させるべきではないか。たとえば漁船については燃費が上昇した結果、非常に経営が苦しくなっている、そういったことを何かの形で反映させるべきではないかという御指摘は、ある意味ではうなずけない点がないわけではないわけでございますが、ただ先ほどからいろいろ私ども申し上げておりますように、手数料というのはあくまで実費を徴収して、適正なコストを反映さしてその実興をいただくというふうなたてまえに立って物を考えておりますので、そういった政策的な配慮等につきましては、たとえば農林漁業予算におきまして、ことしにおいても燃料油の高騰対策ということを講じているような形で、別途、これは別の立場で配慮をすることを検討するのが筋ではないだろうか、このように考えておる次第でございます。
  105. 戸田菊雄

    ○戸田委員 どうもやはり完全な審議はできないのですね。いまの答弁のように、地方自治体に関するものは自治省だ、それから余り明快なことを大蔵省は言えません、こういう状況ですね。今回、農水省、総理府、それから通産省、運輸省、郵政省等々各法律を持っているところが全部一括やったわけでしょう。だから、私は財特法のときにも一たん疑問を投げかけたのですけれども、やはり納付金にしても、中央競馬会あり、電電公社あり、日航株の処分の問題あり、こういったのを一緒くたにして一つの法案で提案することは、大体国会の審議権を軽視することじゃないか。だから、それぞれ各省の持っているものは、国会としては十六常任委員会をもってそれぞれ専門的な立場でやるのですから、そういうことを経て本当は審議をすべきだと私は思うのですね。それを、今回三十四の各省法律を、手数料を全部一括してしまって、そしてやれというのですから、本来ならば委員長等にもお願いをしたいのですけれども、これは連合審査その他を通じてやはり綿密な点検をやるということでなければ、本格的な審議にはならぬですよ。そういういわば国会軽視、制限をするような結果になっておるわけです。そういう意味合いで、私はこの法案もまさに欠陥の法案と言わざるを得ない。だから、こういう審議法は後でやはり議運とかを通じてしかるべく検討してもらう必要があります。そういう面の内容検討については委員長にもお願いをしておきたいのですけれども、同時に政務次官、こういう審議はまずいんじゃないでしょうか。どうでしょう。
  106. 保岡興治

    保岡政府委員 前回の手数料の改正の際にも同じような提案をさしていただいているわけでありますが、手数料全般について見直しをする、しかも統一的な観点からこれを行う。したがって、手数料そのものの根拠となる行政事務等の政策にかかわる問題の議論というよりか、むしろ行政コスト、物価上昇等の観点から負担が低くなってきているものを改正する。そういうような金額そのものに着目しての改正を主眼としていることなどから、むしろまとめて一括して御審議をいただいた方が、手数料そのものの性質を深く掘り下げていろいろ御議論をいただいて、その結果を踏まえて、また政府としても対処する、あるいは実施時期等についても統一的な時期を定めて、各種手数料間の負担の公平も図っていく、そういうメリットもあるので、こういう提案を一概に否定できない。もちろん国会の問題もありますから、いろいろ御意見を承って対処していきたいと思いますが、他に同じような提案の仕方の例もないわけではありませんので、こういう提案の仕方も合理的な理由があると考えている次第でございます。
  107. 戸田菊雄

    ○戸田委員 これはやはり国会の審議権から言って重要な問題だというふうに私は考えておりますので、いずれまた時を改めて論議をしなければいけまいというふうに考えております。ぜひひとつ今後は合理性を持った審議内容にしていただきたいというふうに考えております。  それから、今回の料金改定では、旅券の発給手数料、不動産登記簿の閲覧、謄本交付手数料等々を据え置きにしておりますね。これはどういう理由でしょう。
  108. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 今回法律改正をお願いしていないものがございますが、ただいま御指摘がございましたような旅券法関係その他全体で、法律の数にいたしまして十九法律がございます。  たとえば旅券法について申し上げますと、現在法律で定められております限度額がございますが、今回、先ほど来申し上げておりますようなコスト計算をいたしました結果、この法定されております金額の限度内にはまっているというようなことで法律改正をお願いをしない、簡単に申しますと、現在の単価でもコストに見合っているからあえて改正を要しないというようなグループが一つございます。  それからもう一つのグループは、現在の法律の定め方が、法律手数料金額そのものを定めずに、ある上限の金額を定めておる場合がございます。そこで、今回コスト計算をいたしました結果、この法律に基づきまして政令あるいは省令の段階で引き上げは予定をするわけでございますが、法律に定められております上限を突破するというようなことがないということであえて法律改正をお願いをしない、こういうグループがございます。  今回お願いしておりませんのは、性格的に申しますと、ただいま申しましたような二つの態様のものがございます。
  109. 戸田菊雄

    ○戸田委員 結果的に、今回の改正によって五十六年度総額千三百二十二億円、こういうことになると思うのですが、内容については先ほど答弁をいただいたとおりであります。このことによって生計費ないし物価に波及する割合はどのくらいあると思っていますか。その点が第一点であります。  それから冒頭いろいろこの欠陥について指摘をしたとおりですが、答弁はいただいておるわけであります。結局五十三年改定をして、今回五十六年改定。それから四十一年というのがありますね。そういうふぞろいな状況がいっぱいあるのです。それから額にしてもそうです。そういう問題について非常に理念が一貫しておりませんし、そういういわば具体的な改定作業についてもばらばらのような印象を与える。こういう問題について、やはりこれは今後十分検討いたしまして再整備をする必要があるだろうというふうに考えますが、その辺の見解はどうなのか、以上二点についてまずお尋ねをします。
  110. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 今回の手数料改定で増収になります金額は、先ほど申し上げましたとおり、国の場合は全体で約六十六億円でございますが、その内容は、大物といたしまして特許の関係で約二十八億円、それから電波法の関係で十二億円、この六十六億円の大部分はこれらによって占められているわけでございます。もちろんそのほかにも、先ほど来種々御議論があったものもあるわけでございますが、金額的にはそれぞれそう大きな金額ではございません。したがいまして、私どもといたしましては、今回の手数料改定が直ちに一般の家計と申しますか、家庭の消費生活に大きな影響を与えるとかあるいはまた物価に大きな影響を与えるとかいうような内容のものではないというふうに考えているわけでございます。  それから第二点の手数料改定についての基本的なあり方についてのお尋ねでございますが、これも去る五十三年に今回と同じように手数料のすべてにわたりまして見直しをして人件費あるいは物価の動向に応じて上げるべきものは上げるという作業をいたしたわけでございますが、今回も、すでに前回から三年を経過しているということもございますし、歳入、歳出両面にわたりましてできる限りの努力をいたさなければならないという財政の状況でもございまして、前回と同じような考え方でお願いをしたわけでございますが、今後の問題といたしましては、よりこれがタイミングを失せずに上げるべきものは上げられるような法律の仕組みと申しますか、一つには、先ほどもちょっと申し上げましたけれども法律では大筋だけお決めいただいて、細部につきましては政省令以下にゆだねていただくといったようなやり方も含めまして、時期を失せずに手数料改定が行い得るような方法というものを私どもも十分研究をしていきたい、かように考えております。
  111. 戸田菊雄

    ○戸田委員 次長、物価、生計の面に与える影響、経企庁長官はきょう呼んでいませんですが、経済企画庁にもこれは伺ってみました。本来六十数億ですから大したことはないでしょうとこう言いますが、これは消費者物価指数その他には最初から入れておらないですね。その波及効率はわからぬ、これが実態ですよ。もし大したことはないだろうと言うなら、やはり影響はあるでしょう。必ずこれははね返っていくのですよ。いろいろな各省の提案内容を見ましても、それはいきますよ、消費者に転嫁されますから。だから、そういうことになっていれば、私はやはり厳密に、物価等の問題については政府も重視をしているさなかでもありますし、もう少し慎重にその辺は検討していただきたいというふうに考えておるわけでございますが、この点はどうですか。ひとつもう一度。
  112. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 御指摘のように、程度の多少はあるにいたしましても、消費者物価に影響はあるはずでございます。ただ、現在のCPIというあの技術的な仕組みの中にこの今回お願いしております手数料関係の項目は入らない仕組みになっているというふうに聞いております。したがいまして、厳密な意味で今回の手数料改定がCPIに計量的にどの程度はね返るものかということを算定する手段がないわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたが、マクロ的に申しまして、金額的にもそう大きな金額ではないという角度から、消費者物価に与える影響はそれほど大きなものではなかろうというふうに申し上げた次第でございます。どうぞ御了承いただきたいと存じます。     〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕
  113. 戸田菊雄

    ○戸田委員 最後に、各省に連絡をしておった各法案の積算根拠、そういったものは全部後で資料で出していただきたいと思いますし、それからきわめて欠陥法案と言われる内容のものが多々ありますから、そういうものは今後整合性を持ったものに改定をして納得のいくものをひとつ次回は提案をしてもらいたい、このことを要望して私の質問を終わります。ありがとうございました。
  114. 綿貫民輔

    綿貫委員長 鳥居一雄君。
  115. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 三十四法案、各種手数料に関する引き上げを図ろう。それで、ただいまの戸田委員指摘もありましたが、CPIに直接は寄与しないかもしれませんが、この波及効果というのはいろいろな面で数字に出てくるだろうと思うのです。確かにマーケットバスケット方式の品目の中に手数料というのはない。ないために直接は寄与率として数字にコンマ幾つ幾つというような形では出てこない。しかし、これが上がることによって引き続き地方自治体における手数料に波及するであろうと思いますし、あるいは民間のこの種のものの引き上げということはその効果たるや幾つも挙げられるだろうと私は思うのです。そのうちの一つ、今回の三十四法案には入りませんが、たとえば銀行の各種手数料がありますが、送金や振り込み、これも五月の中旬ごろ引き上げることで三年ぶりの引き上げが検討されている、このように報道されているわけです。郵便料金あるいは印紙代、用紙代、こういうものが引き上げられたためにそのコストアップ分を今回の引き上げによって二倍から三倍銀行手数料の引き上げをやろう、こういう報道がありますが、この点について銀行局はどんな見解をお持ちであるのか。仮に、現在の銀行手数料を二倍から三倍引き上げる、こういうことが実施されることになりますと、他行向けの送金手数料が普通送金で一回六百円。現行三百円であります。また、小切手帳の発行手数料、現在一冊百円、手形の発行手数料、現在百五十円、これがそれぞれ四百円から五百円になるだろうと予想されます。一方、郵便局における為替貯金業務のオンライン化が進んでおりまして、この国会にも本院の逓信委員会法律一部改正がすでに上程されておりますけれども、送金や振り込み、これらのサービスがこういう形で銀行の手数料引き上げということになりますと、郵便局業務との関連でまたまた銀行自体の手数料の引き上げが大きくクローズアップされる。したがいまして、この時期、それから上げ幅、これについて重大な関心を持たざるを得ないのですが、銀行局、どういうふうにとらえていらっしゃいますか。
  116. 米里恕

    ○米里政府委員 お答えいたします。  銀行、金融機関の手数料でございますが、これは当局に対する認可事項あるいは届け出事項というようなことではなく、各行が自由に自主的に定めておるというような関係のものでございます。今回引き上げを検討しておるというような新聞記事は私も拝見いたしましたが、私どもは直接にはいつどのくらい引き上げるかということについて全く聞いておりません。ただ、私どもの一般的な考え方を申し上げますと、御承知のように金融機関の収益も最近いろいろな環境変化によりまして非常に苦しくなってまいっておるというような情勢が特に顕著になってまいっております。こういった中において、為替手数料の問題につきましても、基本的な考え方としては、やはり受益者負担ということで、コストの上昇分に見合った分は受益者に対して手数料として払っていただくという形がいいのではないかというように考えております。と申しますのは、これをコスト割れというような形で余り低い手数料で据え置いてまいりますと、どうしてもどこかほかにしわが寄るということになります。最終的に見ますと預金者あるいは貸出先、取引先等にしわ寄せが参るというようなことになりかねないような性質のものでございますので、そういった意味合いでは、やはり振り込みなり送金なり代金取り立てなりを依頼した方が、コストの上昇分に見合った分につきましては、それぞれ受益者という立場から負担していただくというようなことが基本的には正しいのではないかというように考えております。ただ、当初申し上げましたように、具体的にまだ金融機関から、いつ、どのくらい上げるかというような話は全く聞いておりません、という状況でございます。  なお、郵便局との関係、御指摘いただきましたような問題もあろうかと思います。その辺は、コマーシャルバンクとしての金融機関が自主的に定める手数料の決定に際してどういうふうに考えていくかという問題であろうかと思います。
  117. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 具体的に引き上げ法案につきまして伺ってまいりたいと思うのですが、今回の改定によりまして約四十一億の増収が図られる、こうございますが、主なものを取り上げて、内訳はどんなぐあいでしょうか。
  118. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 この一括法でお願いをいたしておりますものの増収額は、ただいま御指摘になりましたように総額で四十一億円でございますが、その主なものを申し上げたいと存じます。  法令関係で申し上げますと、まず特許法の関係で約十二億円、それから実用新案法で約七億円弱、それから意匠法で二億円弱、商標法で約六億円、それから電波法で約十二億円弱、ただいま申し上げました特許関係四法とそれから電波法、以上の五法律関係で約三十九億円になるわけでございます。その他二十九法律がございますが、この二十九法律関係合わせましたところで約二億円、合計約四十一億円ということになるわけでございます。
  119. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 今回手数料改定当たりましては、およそ一〇%程度の引き上げをめどとする、こういう基本的な考え方があっただろうと思うのです。具体的に上程されたものでは一七%、これは一体どういうことでしょうか。それと、いま特許法関係の四法と申されましたが、特許法は確かに十三億円の増収、二番目にランクされている電波法十二億円。上位、この横綱級の中に電波法があるわけですね。電波法の内訳を見てみますと、引き上げ率が五〇%に及ぶというのがずらり並んでいるわけです。これは一体どういうことでしょうか。
  120. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 第一点の、今回一〇%程度の引き上げをめどとして作業をしたのではないかという御指摘でございますが、実はそういう事実はございません。私どもは、現時点で、先ほど来御議論ございましたように、五十五年度予算をベースにいたしまして、各手数料ごとにコストを積み上げてまいったわけでございまして、その結果が御指摘のように全体を平均いたしましたところで約一七、八%程度の引き上げになったということでございます。  それから第二点の電波法の関係でございますが、金額的に確かに大物でございます。この電波法の関係手数料につきましては、これも一般の原則に従いまして個別にコスト計算を積み上げてまいりますと、きわめて引き上げ率が大幅になるわけでございます。そこで、これも電波法の関係だけではございませんが、先ほど御議論ございました著作権法の関係もそうでございますが、個々にコスト計算をいたしまして、その引き上げ率が二倍以上になりますものにつきましては、いわゆる激変緩和というような考え方もとりまして、引き上げ率は二倍を限度にするというような統一的な方針で臨んだわけでございます。その結果、電波法の関係につきましては二倍の引き上げにとどまっているということでございます。
  121. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 電波監理局においでいただいておると思いますが、今回の電波法絡みの手数料の引き上げ、これはどういう根拠で引き上げられておりますか。
  122. 田中眞三郎

    田中(眞)政府委員 お答え申し上げます。  全般的なのと同じ考え方でございまして、原価にできるだけ見合うものにするということでございますけれども、ただ、そのうち無線の種類といたしまして非常に多岐多様にわたっております。と申しますのは、個人の興味のためのたとえばアマチュア無線とかあるいは今日のように非常に普及しております放送局、あるいは漁船と申しますか、飛行機等生命の安全に関係するというようなことでございまして、特に、申し上げました放送の末端の、辺地に届けるための放送局とか、あるいは零細な漁業用のもの等につきましては、かなり政策的に抑えてございます。そのうち電波関係手数料、いろいろ落成検査とか申請手数料とか等々あるわけでございますけれども、そのうちでも特に申請手数料につきましては、いま申しましたように各種の手数料の内容によりまして、原価を割りまして抑えてあるものもございますが、その他の落成検査料あるいは変更検査料等につきましては並びでございまして、できる限り原価に近つける、こういうような思想でございます。
  123. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それでは、各種無線局がありますけれども、放送局に限って御説明をいただきたいと思うのですが、何で五〇%という、一・五倍になるという引き上げなんでしょうか。
  124. 田中眞三郎

    田中(眞)政府委員 お答え申し上げます。  放送局、特にテレビでございますけれども、テレビのうちの免許申請手数料につきましては、いま先生指摘のように二倍ないし五割以上のものがほとんどでございますが、これにつきましては、かなり電力の配分によりまして細分もいたしましたわけですけれども、申請手数料につきましては非常に原価を抑えておるということで、今度の改正によりましてもなお原価には遠いものがあるということでございます。しかしながら、落成後の検査手数料というものがございますけれども、これにつきましては五割を超すものはございません。でもかなり高額でございまして、四割五分程度上げるというようなことを省令の段階でも考えておる次第でございます。  それから定期検査手数料でございますけれども、これにつきましても五割を超えるものはないというようなことでございますが、やはりコスト計算いたしますと、放送局の場合、実際に混信のない絵がわれわれが予定したとおりの場所まで、予測したとおりの強さで行き届いているかというようなことも検査いたしますので、こういう値になっておる次第でございます。
  125. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 現在、郵政省にとりましても、また放送事業者にとりましても難視解消という大変大きな課題を持っておりますね。これまで参議院の逓信委員会におきましても、たびたび難視解消のために政府に対しましてその具体的に実効あらしめるような附帯決議が五十一年から毎年のように表明されてまいりました。「難視聴解消については、効率的に推進するとともに、抜本的対策を速やかに確立すること。」「難視聴解消対策を効率的に推進すること。なお政府は、ミニ・サテの利用を促進するため、放送事業者の負担をさらに軽減するよう特段の配慮をすること。」  一方におきまして、現在いわゆるテレビジョン放送局と言われるものの数を具体的に調べてみますと、難視解消のためのテレビジョン放送局、つまり中継の役割りをして、谷間に向かって、見えない地域に向かって電波を発射する、こういうのが難視解消のための具体的ないわゆる極微小電力局と言われるもので、これも実はテレビジョン放送局の中に位置づけされているわけですね。空中線電力〇・一ワット以下、ですからその後は型式検定という形で検査もきわめて省略化され、そして数多く具体的に難視解消対策が進むようにという配慮も当然これにはあっただろうと思うのです。それから出力がやや大きくなった微小電力局、いわゆるサテライト局、日本全国にテレビジョン放送局と言われるのが約一万局、このうちの七千局に当たるのがこのサテライト局であり、難視解消というにしきの御旗のもとに民放各社に協力を要請し、そして建設を急いできたものですね。それから一方、型式検定になったいわゆる〇・一ワット以下のミニサテ、これが約二千局。ですから、法規上は確かに放送局、親局というのと全く変わらない位置づけであり、出力が一方においては大きいから、一方においては小さいからというだけの配慮で今日まで来ているわけです。ここに不合理性はありませんか。
  126. 田中眞三郎

    田中(眞)政府委員 お答え申し上げます。  先生ただいま御指摘になりましたように、昭和五十五年度末のテレビジョン局数というものは総計一万一千五十局ということになっております。そのうちNHKが六千三百七十局、民放は九十五社で四千六百八十局、これを私どもで使っております一次局といいますか一次プラン局という角度あるいは電力別の角度から分類いたしますと、親局に相当するものが百七十局、二次プランと申しておりますが中継局が千六百八十五局、その次に電力的に位しますのが六千二百八十三局、ミニサテと言われるものが二千九百十二局、このミニサテについては実は先ほど御指摘になりましたように難視解消が非常に重要であるということで、そうした声にこたえまして型式検定等も五十二年から始めたということでございます。  それで、先生いまおっしゃいますのは検査あるいは申請その他についても放送局として親局も中継局も、あるいは微小局と言われるもの、ミニサテ局と言われるもの、管理上も何らかの区別をつけるべきではないのかということでございますけれども、ただ電力の差はございます。したがいまして、地形にもよりますけれども、親局のカバーする世帯数と中継局のカバーする世帯数と、ミニサテになりますと非常に限られてくるわけでございますけれども、その予定しておりますサービスエリアといいますか放送区域と申しておりますけれども、ある局をつくりました際に、目指しております電波が確実にその地域に予定しておるとおり届いているかどうかということについては、世帯数の差こそあれ意図しているものは同じであるというところから、ほとんど同じような管理の仕方と申しますか検定の仕方をしておるわけでございます。ただ、ミニサテと型式検定を受けておるものについては、これは送受信設備につきましては検査はもちろん省略いたしております。放送局でございますので、同じミニサテでもどういうところで親の電波を受けて、受信アンテナを引っ張ってきて、それをどういう場所に設置しまして、どういう送信アンテナで送り出すかということになります。そうしますと、空中線等につきましては同じミニサテでもやはり山岳あるいは地形によりましてそれぞれに応じた受信空中線なり送信空中線あるいは送信パターンと言われるものですけれども、そういうものをその地形に合わせたかっこうにいたしませんと十分な目的は達せられないということでございますので、検査の態様等は、山岳等で検査にも参りにくいわけでございますけれども、同じ手法でやっておる。そういうことをしませんと、せっかくつくりましても混信の問題があったり、きっと電波が届くだろうと思ったところが、ちょっとした樹木あるいは小さなでこぼこがあったりして目的のところへ届かぬということもございますので、同じような手法で、かなり緻密な検査をした上で合格させておるというような実情にある次第でございます。
  127. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 ミニサテは規格品ですよね。それで大体四百万程度。民放各社が乗りますと、四波乗っかって、共建の場合一社当たり百万の負担。そのかわり、民放各社にとりましてはコマーシャルベースに乗らない、実情におきましてはもうお荷物なわけですね。それで、難視を解消しなければならないというのは国の方針であるから、協力要請をして、その要請に応じてミニサテの建設を目標を設け、そして実施している、こういう状況の中に一方あるわけですね。  それから、具体的にミニサテの建設をし検査をする経過を見てみますと、まず型式検定をやりますね。それで機械がまともなものであるという検査をやります。手数料の方のかかわりからいきますと、免許の申請手数料というのがかかるわけです。そして、でき上がっている機械を山の上へ持っていって設置をしまして、設置をしました後、完成後の検査手数料というのがかかるわけです。完成後年月がたちまして、毎年一回の定期検査、いま人手不足等から三年に一遍程度おやりになっているようでありますが、この種の検査はやらなくてもいい検査なんですね。完成後検査も、完成後に改善を要求したという事例は、これまでに一万一千局ありますけれども、一件もないはずなんです。電波監理局の職員の人が山の上へ行きますね。それで、日当を負担するのは民放側ですよ。その民放側は、それまでにメーカーの責任において検査をし、間違いのないものだという確認をメーカー自身がとっているわけですね。その上、契約の上から言って、民放側が技術基準の中にあるかどうかというのをもう一度検査するわけですね。その上郵政省が、完成しましたというのでまた山の上へ登っていきまして、三重の、三度目の検査をやるわけです。ですから、技術基準の中にない例というのはいまだかつて一件もないというのがこの完成後検査ですね。そういう実態の中で手数料そのものを設けていること自体、私はおかしいと思うのですよ。  行政機構の簡素化、いま盛んに検討をされている項目であります。私は、民間に協力を求めて、そして難視解消の一翼を担っていただいている民間に対して、あくまでも免許申請者であるから郵政省としては疑ってかかるのだ、こういう姿勢がいつまでもいつまでも続いて変わらないだろうと思うのです。〇・一ワット以下のミニサテにおいてすら、この姿勢が堅持されたままですね。民に対する官の監督権限といいましょうか。だから、この種の改善できる仕組み、型式検定で厳重にやって、そしてその後は山の上の検査というのはメーカーがやり、メーカーの報告を求めた上で民放が放送事業者としてやり、その上郵政省が出向いていってやる必要はない。むしろ仕組みの上からいけば、報告をさせて、その報告どおりいっているかどうか後で抜き取りの検査をやってみる、こういうような方式でいけば全廃できるだろうと思うのです。いかがですか。
  128. 田中眞三郎

    田中(眞)政府委員 先生ただいま御質問の件、いろいろな角度から御一緒におっしゃったように思いますけれども、まず難視解消の重要性というものを郵政省としてもつかまえて、各放送事業者にいろいろ協力も求めておる。そういうようなところから、たとえば同じ考え方で、ミニサテとかそうしたものについては、国の指導も協力要請もあるわけだから、たとえばそうしたことで手数料等は免除するといいますか、あるいは要らないと申しますか、そういう御趣旨の件についてでございますけれども、やはり難視解消については、先生御存じのように、助成金というようなものもやっておるわけなのでございます。国の助成でやっておるわけなんですけれども、その辺の、実際に検査等をやりました際の検査手数料というものと、国で共同受信設備などに助成をしておるのだからということについては、多少趣旨が違うかというふうに考えておるわけでございます。  それから二番目の点でございますけれども、一万一千局に及ぶ局をつくっておって、いままで一件もその検査に合格しないといいますか、そういう問題は起こらなかったじゃないかという点のことでございますけれども、これにつきましては、メーカーの機械等も大変よくなってきておりますし、民放事業者あるいはNHKの事業者等の経験が非常に豊かになってまいりまして、ほとんど机上で計算したとおりに出ておるというようなことは事実でございますけれども、これは長い間の経験によりまして、あるいは私どもの協力もありまして、そういう結果になっておるということでございますけれども、やはりその途中で、そこへ行きますまでには、場所によりましてはかなりメーカーの人も苦労し、あるいは放送事業者の方もいろいろ工夫いたしまして、計算どおりあるいは申請書どおりにするためには、そうした時点で検査を受けていただいているというような面もかなりあるように私どもとしては理解しておるわけでございます。  ただ、その建設途中に、メーカーないしは申請者、放送事業者自体の報告結果というものはあるわけでございまして、そうしたものを利用いたしまして、検査の手数を省くと申しますか、チェックするポイントをできる限り少なくするというような努力は私どももしておるつもりでございます。  特にミニサテにつきましては、十数年前から何とかこういう簡便な方法と申しますか、たとえて申しますと、こちらの山の木にひっかけて電波を出してみて、ぐあいが悪いようだったら隣の木にかけるというようなやり方、つまり事前調査というものも大きな局と違うわけなんだから、そういうような面、あるいは現在のミニサテはたしか四チャンネルはワンボックスと申しますか、先生御存じのように、トランスか何かみたいなものにちょこっと入れればいい。それで六チャンネルあるところは、そういうものをツーボックス用意すれば、八チャンネルまでは出るというようなことで、そういう努力も、何とか簡便な方法はないかということで、私どももしてまいったと思います。  それから、先ほど先生ちょっと価格のことをおっしゃいましたけれども、私もいま数字を持っておりませんけれども、一チャンネル当たりの機材だけで申しますと、二十万とか三十万とかいうような……(鳥居委員「四百万」と呼ぶ)そうでございましょうか、まあそうしたもので、辺地の文化に恵まれない方のところに電波をお届けするというようなことで努力をしてまいっておるつもりでございます。
  129. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 いま例をミニサテで取り上げましたけれども、ミニサテに限らずもっと広がって議論できる話なんですが、この検査だけは私はむだで全廃できる、こういうものだと思っているのです。つまりミニサテの、山の上に設置をしまして、いま国の助成という話がありましたが、国の助成はちょっと違うのです。辺地共聴アンテナの場合には、ミニサテと違いまして、これは助成できるようになっているのです。しかし受けた電波を谷間に向かって発射するということに対しては、びた一文助成がないのです。全部民放負担なんです。それでしかも、一台およそ四百万です、それで、検査する場合の九四%が人件費ですよ。つまり九四%が手間代なんですよ。ですから、これは検査手数料が高過ぎるとか安過ぎるとかいう問題ではなくて、完成後検査が全く必要のない、民放に協力をしてもらって、しかも技術基準をこのようにというその基準まで明示されていて、基準どおりできている規格品を山の上へ持っていって、それで運転を開始する。開始後、メーカーがチェックをしますよ。ちゃんとフィールドチェックもやるのですよ。受信状況、これも輻射電力のチェックもやりますよ、メーカーが民放の前の段階として。民放も放送事業者としてそれをやるのですよ。だから、民放からの報告を受ければ、郵政省としては監督の責任は十分果たしていけるでしょうと私は指摘をしているわけです。それで、もしミニサテができるようになった段階で、サテライトの数の方が七千局ですから、莫大なものです。これの定期検査と言えば毎年やるわけですから、これの簡素化へ向かって行政改革ができないか、こういう指摘をしているわけなんです。電波監理局長から答弁いただいた上で、行管からも御意見いただきたいと思うのです。
  130. 田中眞三郎

    田中(眞)政府委員 その前に、先ほど私の思い違いでございまして、やはり四百万だそうでございますので、訂正させていただきます。  次に、十分にメーカーなりあるいは放送事業者がチェックした後であるので、わざわざダブるような検査は必要ないのではないかという御指摘についてでございますけれども、その辺私どもも十分報告を活用するというような形で、たとえば電波が届いているところについて実視といいますか、実際に見るというようなところにつきましては、私どもといたしましてもチェックと申しますか、一緒に開局した喜びを分かち合いたいというようなことからも、完全に廃止するというつもりはございませんけれども、できる限り御指摘のように事業者なりメーカーなりの報告、あるいはデータというものも活用してまいりたい。それからミニサテについては、特に前々から事業者の方からも要請がございまして、かなり思い切って安くしておるというふうに私どもとしては考えておる次第でございます。  なお、御指摘趣旨に沿いまして、こうしたものについては難視解消を進める立場からも十分に配慮すべき項目であるというふうには考えておる次第でございます。
  131. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それは長年おやりになってきた行政事務ですから、引き続きおやりになろうという意気込みはよくわかることです。しかし、難視解消という事業がちょうど折り返し点に来たところでもあり——NHKとして、はっきりテレビが見えない、いわゆる難視解消ができていない世帯数が五十一万、民放各社が百十万世帯。それで、これを見えるようにするためにミニサテを各所につくっていってどのぐらいかかるか、五千億かかると言われている事業ですね。ですから、行政の対応というのが、手を差し伸べられるか、あるいは協力だけは要請するけれども、あとは勝手にやる事業として監督を強め、そしてその手数料を巻き上げるだけ巻き上げていこうという考え方に立つかどうかによってずいぶん違ってくるのです。これはもう明らかに、手数料を取る形を維持することに無理があると私は思っております。今後の難視解消事業のために、一回行政監察をやる必要があると思いますが、いかがですか。
  132. 加藤武久

    ○加藤説明員 行政監察につきましては、毎年度、前年度末におきまして監察業務運営方針を定めまして、通常の場合でございますと、これによりまして計画的に実施をいたしているわけでございます。  昭和五十六年度の監察業務運営方針で定めております監察予定テーマの中には、先生指摘の難視聴対策のための放送局の設置に係ります無線設備の検査関係の問題については、含まれていないわけでございます。昭和五十六年度におきましては、臨時行政調査会への協力など、いろいろ懸案事項を抱えておりますので、この問題を行政監察のテーマとして新たに取り上げますことはなかなかむずかしい面もあるわけでございますが、先生指摘の問題につきましてはさらに十分検討さしていただきたい、このように考えております。
  133. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 電波監理局としては、行管が監察をして、その結果どうする、こうするというのは非常にいやなことだろうと思うのですね。いまやらないと言っていますから、この点は電波監理局としてひとつ検討をしていただいて、今後の難視解消のためにどう対応していくべきか、検討をぜひ願いたいと思いますが、どうですか。
  134. 田中眞三郎

    田中(眞)政府委員 先生の御趣旨、十分わかりますので、そういう方向で前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
  135. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 最後に。三十四本のさまざまな手数料関係法案がございますけれども、この中で、獣医師法による獣医師免許登録手数料、今回の法律改正で引き上げを行おう、改定額が千百円。獣医師法に対しまして、医療法に基づく病院開設許可手数料あるいは診療所開設許可手数料、歯科衛生士法に基づく歯科衛生士免許手数料、あるいは保健婦、薬局開設。人間にかかわるものが政令であり、けだもののたぐいが法律、これは一体どういうことなんでしょうかね、政務次官
  136. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 御指摘のように、一般論で申し上げますならば、現在、手数料を定めております法律、政令、省令、いろいろございますが、いろいろ沿革的な理由もございまして、必ずしもある統一的な考え方で、法律金額そのものを定むべきもの、あるいは法律では上限なり考え方を定めて、細目は政省令にゆだねるべきもの、あるいはまた、全く白紙で法律が政省令以下にゆだねるべきものといったような考え方の交通整理が必ずしも十分にできているとは言いがたいところがございます。ただいま御指摘の問題も、突然のお尋ねで私、的確にお答えする準備はございませんけれども、そういった一般的な問題の一部分ではないか、かように考えます。
  137. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 確かに、こうやって見てみまして、司法試験が法律ですね。不動産鑑定士受験手数料、これが法律ですね。同じような宅地建物取引主任者試験、これが政令であり、公認会計士受験手数料、これは省令でありばらばらですね。このばらばらに対してどこも責任を持ってないというところが問題なわけですよ、どこにも責任ありません。それぞれ各所管の省庁がその手数料について決めているんであって、提案の責任のある大蔵省は全く関係ない、こういう立場をおとりになっているわけです。ですから、前回五十三年の引き上げの段階で、本委員会において、その整合性を問う、今後検討するように、こういう決議がなされているわけです。その決議の後どんな努力をして、このふぞろいを何とかしよう、こういうことをやってこられたのでしょうか。その点、伺いたいのです。
  138. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 まず最初にお断り申し上げなければなりませんのは、ただいま御審議をいただいております手数料改定法案は、これは一括法であるということもございまして、現在の手数料の定め方そのものにつきましては変更を加えることなく、ただ五十三年度改定以来の物価の動向等に顧みましてその金額改定をするという目的にしぼりましてお願いをしているわけでございます。  したがいまして、今回の改定法案で、それぞれの手数料について最も妥当な定め方についての改正をも盛り込み得るような内容になっていないことは非常に残念に存じております。  それから、御指摘のように、五十三年度の手数料法の御審議の際にも附帯決議の形で御指摘があったわけでございます。そこで、私どもは部内におきまして、考え方の交通整理を種々やってございますが、これも一般的に申しますと、いわば手数料はその事務に要しますコストを反対給付として納めていただくものでございますから、一般論で申し上げますと、おおむね政省令以下にゆだねていただいていいものが多いのではないかということが、一般的な考え方として言い得るかと存じます。  しかしながら他面、先ほど来種々御議論がございますように、政策的な要素をも加味いたしまして、コスト以上のものあるいはコスト以下のものというふうに調整をすべき性格のものも間々あるわけでございます。その辺の振り分けをしていかなければならないわけでございまして、率直に申しまして、現在までのところ、統一的な方針を持ってお示しをできるような答案は用意できてございません。  しかしながら、その後、個別の法律を改正する際には、たしか一件か二件あったかと思いますが、従来は法律金額そのものを定めておりましたものを、政令以下にゆだねさせていただくというような改正も、個別法の改正の機会をとらえましてやってまいっている実績は、多少ではございますが、ございます。  それから、今後の方針でございますが、行政改革の一環といたしまして、昨年の暮れに「今後における行政改革の推進について」という閣議決定がございますが、その中に「同種・類似事項の規定を有する法令のうち規定の統一的整合を図る必要があるものについて、関係規定の整序を行う。」という一項目がございます。私どもは、そのようないわば行政改革推進の一環という意味も込めまして、今後精力的に検討を進めていきたいというふうに考えております。
  139. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 これは五十三年の本委員会の附帯決議、その経緯もあることで、ただいまの答弁を伺っておりまして、大変不満です。  しかし、時間でありますので、私の質問を終わります。
  140. 綿貫民輔

    綿貫委員長 本会議散会後、直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時五十五分休憩      ————◇—————     午後二時三十三分開議
  141. 綿貫民輔

    綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。蓑輪幸代君。
  142. 簑輪幸代

    蓑輪委員 本法律案についていろいろな経過があるわけですけれども、三十四法律のうち十六法律が通産省ということになっております。全体として手数料法案自体が通産省が多いということはあると思うのですけれども、通産省法案が一番多くて、それであと各省庁の手数料の状況を見てみますと、全体としてそれに対処する姿勢と申しますか、非常にアンバランスになっている、便宜的な態度だというふうに思うのです。改正されるものがあるかと思えば改正されないものもあるわけですが、今回改正されないというふうにされた部分についてはどういう理由になるのか、それをお答えいただきたいと思います。人件費物件費はいずれも毎年上がっているわけですが、そういう中で、今回改正しないという法律はいかなる根拠に基づくのか、お尋ねしたいと思います。
  143. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 御指摘のように、今回この法案で改正をお願いしております法律の数は三十四件でございますが、この法案に織り込まれておらないものがございます。午前中の御質疑にもございましたが、今回法律改正をお願いしていないものは、大別いたしまして二つの態様がございます。  一つは、ほかの手数料と同様に、人件費あるいは物件費に基づきましてそれぞれの手数料に要しますいわゆる行政コストを積算いたしましたところ、現在法律で定められております金額の範囲内に行政コストがおさまっているというものでございます。こういうタイプのものにつきましては、この法律が全体として手数料の水準をその後の物価あるいは人件費の動向に応じて修正をしていくという目的に統一をしてございます関係上、そういった法律上の限度の中にはまっているものにつきましては、あえて改正をお願いをしないというふうにいたしたものでございます。  それからもう一つのタイプは、これはそれぞれ現在定められております単価につきまして再計算をいたしましたところ、現在の手数料の水準を上回る結果にはなるわけでございますが、法律との関係で申しますと、法律には法律上の上限の金額が定められてございまして、具体的にはその法律に基づきます政令あるいは省令で現在の手数料が定められている、そういうものにつきましては、計算をいたしました結果、現在の政省令で定められております単価を改定する必要はあるわけでございますけれども、しかし法律に掲げられてございます上限の金額はあえて改正を要しないというものでございます。  以上申しましたような二つの態様のものにつきましては、今回法律改正をお願いをしていないわけでございます。
  144. 簑輪幸代

    蓑輪委員 二つのタイプがあるということで、最初の方ですけれども、これは現在の手数料金額の範囲内におさまっているということです。そうだとしますと、物価の上昇、人件費の上昇があるにもかかわらず、その範囲内におさまっているということは、前回の手数料値上げの際に先取りをしたのではないかというふうにも疑われるわけですけれども、その点いかがでしょうか。
  145. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 確かに、一般的に申しますと、人件費あるいは物価が増加いたしますと、コスト計算によります金額も増加をするのが通常でございます。しかしながら、午前中にも申し上げましたように、一件当たり手数料算定いたします場合には、その手数料のもとになっております行政事務に要する人件費あるいは物件費の総額をそれぞれの処理件数で割り出しまして、割った結果を一件当たりの単価にするわけでございます。したがいまして、要因といたしましては、人件費物件費との構成割合が変化いたしますとか、あるいはまたその総額を割る処理件数が変化いたします場合、たとえば総額は五%ふえた、しかし処理件数も同様にたとえば一〇%ふえているということになりますと、逆に割った答えは減少するというようなことになるわけでございまして、そういった幾つかの要因がございまして、物によりましては、人件費物件費が増加したにもかかわらず、一件当たり手数料の単価としては増加をしないというケースが出てまいるわけでございます。
  146. 簑輪幸代

    蓑輪委員 そうしますと、今回の手数料改定に当たっては、出されている法案関連だけではなく、すべての手数料について積算をなさって、それでもって数字を出してみたところ、現在の金額の範囲内におさまっているという結論になったものがあるということになるわけですね。それが、五十五法律ですか、その全体の手数料五十五法律の中でどれがそれに当たるのかということは明らかになるわけでしょうか。
  147. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 今回改正をお願いいたさなかった法律の件名は全体で十九件ございまして、ただいま手元に法律名は持ってございますが、もし必要がございますれば具体的に法律名を読み上げさせていただきたいと存じます。
  148. 簑輪幸代

    蓑輪委員 それは、あれば後ほどいただければ結構です。  この法律案提出するために、積算を初めとして、ずいぶんたくさんの人たちが準備のために携わられたというふうに思うのです。いわゆる法案提出のための経費というのがかかっておると思うのですけれども、その経費というのはそれぞれあると思いますが、特に通産省が多いので通産省に、この法案提出のための経費というのは一体幾らかかったのか、お答えいただきたいと思うのです。
  149. 矢橋有彦

    ○矢橋説明員 資源エネルギー庁の公益事業部計画課長でございます。  ただいまの御質問でございますが、実情を見ておりますと、私ども部を挙げまして各課で相当の残業をやっているというのが実態ではございますけれども、具体的な金額幾らかということにつきましては、他の業務と一緒にやっている関係もございまして、正確なところははっきりいたしませんので、御容赦いただきたいと思います。
  150. 簑輪幸代

    蓑輪委員 幾らかかっているかという数字はあらかじめわかっているようにお聞きしておったのですけれども、きょうおっしゃられないのでやむを得ませんが、この値上げのために要する費用と、それから手数料を上げて得られる増収分と、バランスがどうなのかということはかなり問題だと思うのです。経費をかけたよりも収益の方が少ないということであるならば一体何のために手数料の引き上げを行うのかという問題にもなるわけですので、その点、各省庁、できればこの法案提出のための諸経費を明らかにして出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  151. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 先ほど通産省からも御答弁がございましたが、この法律改正のためにどの程度経費がかかったかという問題になりますと、ほかの一般の事務といわば渾然一体となっております部分もかなりございますので、明確に改定に要する経費というものを計数的に幾ら幾らというふうにお示しすることは、現実問題として各省とも困難ではないかというふうに存じますので、御了承願いたいと存じます。
  152. 簑輪幸代

    蓑輪委員 それはちょっと了承できないと思うのですね。といいますのは、このそれぞれの手数料を算出するに当たって幾ら経費がかかるのか、人件費がかかるのか、あるいは物件費がかかるのかというのを全部お出しになって、それから割り出してきて、たとえば司法試験受験手数料は千五百円とか二千円とかと出てくるわけですね。そのときに携わられる公務員の方々は、それ専門の方もあれば、兼務の方もあると思うのです。今回のこの手数料法案を出すために、残業も含めて、勤務に携わった公務員の方々は、確かに兼務もあるかと思いますけれども、でも、そのうちでこの関係部分というものははじき出すことは不可能ではないというふうに思うのです。それをあらかじめちょっと聞いたこともありますので、ぜひそれは調べていただきたい。そうでなければ何のために値上げするのか、値上げをした分と値上げをして増収になった分とそれにかかる経費と、このバランスというものは実に重要な問題ではないでしょうか。これから今後の問題でもこれはかかわってくることだというふうに思うのです。先ほどの積算一つ一つの問題も非常に大事なことですけれども、この経費もぜひ手数料法案が妥当かどうかということの重要な判断になると私は思うのです。ぜひ調べていただきたい。
  153. 綿貫民輔

    綿貫委員長 ちょっと蓑輪さんに申し上げますが、先ほど沢田さんからも同じようなお話がございまして……
  154. 簑輪幸代

    蓑輪委員 違います。沢田委員の御質問は、一つ一つの手数料が出されてきた根拠となる人件費物件費の問題でして、私が申し上げているのは、こういうのを出してくるに当たって計算とか業務に携わった分、残業した分、そういう実費について幾らかかったかということです。
  155. 綿貫民輔

    綿貫委員長 それは理事会で一遍協議させてください。そういうことを一つ一つ全部やったら、役所をもう一つつくらなければなりませんから……。
  156. 簑輪幸代

    蓑輪委員 そんなことはないのです。
  157. 綿貫民輔

    綿貫委員長 理事会で協議いたします。
  158. 簑輪幸代

    蓑輪委員 それではそれはそれで結構です。次に進めます。  今回の手数料の中で行政コストと言われる中でさらに政策コストを加味しているというような話もあるわけです。そういう中で公共料金の値上げとか所得減税の据え置きなんかで生活は大変厳しくなっているわけで、当然その際国民に影響が大きいというふうに判断されるものについては適当な判断を加えるというふうなことがあり、国民生活を守るという観点で配慮された分もあるかと思いますが、それはこの中でどれとどれというふうに言えたら幾つか例を挙げていただきたいと思います。
  159. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 今回手数料改定いたします際に原則としてはすべて積み上げをいたしました行政コストにより決定をすることにしているわけでございますが、御指摘のように、手数料によりましては、その改定の及ぼす影響がかなり急激になりますものでありますとか、あるいはその手数料かかわりのあります行政の実態からいたしまして、できるだけ低位にとどめることが行政的にも妥当であるというような判断が加えられるものもございまして、幾つかいわゆる行政コスト以下の水準にとどめたものがございます。午前中にも御議論がございましたが、社会教育法に基づきます社会通信教育の認定手数料でございますが、これはいわゆるコスト計算によりますとかなり大幅な引き上げになりますので、これはCPIの上昇率程度にとどめたというものがございます。  それからまた、著作権法に基づきます著作権の紛争解決あっせん手数料でございますが、これもコスト計算をいたしますと三倍近い引き上げになりますので、これはいわゆる激変緩和というような考え方を入れまして、現在の二倍にとどめるというふうにいたしてございます。  そのほかに農林の関係ではいわゆる種苗法に基づきます植物品種の登録出願料あるいは登録料、それからまた農薬取締法に基づきます農薬登録手数料、これらにつきましてもコスト計算上かなり大幅な引き上げになるわけでございますが、特に品種育成の重要性あるいは農薬開発促進の必要性といったような政策的判断も加味をいたしまして、これらにつきましてはCPIの上昇率程度の引き上げにとどめるというような配慮をいたしている次第でございます。
  160. 簑輪幸代

    蓑輪委員 五十二年の審議のときに、電気、ガスの問題等については行政コストの七割程度にとどめましたというような答弁があったと思うのですけれども、今回もこの電気、ガスに関する行政コストについてはこれを七割にとどめたものというふうに理解してよろしいのでしょうか。
  161. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 おおむねそのとおりと承知いたしております。
  162. 簑輪幸代

    蓑輪委員 なぜ行政コスト原則とする中でこれらの分については七割にとどめたのでしょうか。
  163. 矢橋有彦

    ○矢橋説明員 御答弁申し上げます。  ただいま御質問の件につきましては、主として保安面の検査を中心としたものでございます。手数料と申しますのは、ある特定個人に対する行政サービスの対価といった意味もあろうかと存じますけれども、同時に、それが公共の福祉に役立つという場合には、その程度に応じまして、総合勘案いたしまして一部は国が負担をするということが至当かと考えておる次第でございます。
  164. 簑輪幸代

    蓑輪委員 公共性、公共の福祉というようなことが言われましたけれども、電気、ガスの場合は事業法によって供給を拒むことができないというようなことがある反面、逆に営業権が独占的に保障されているというふうにも言えるわけなんですね。その点から言えば、企業の保護政策ではないかというふうに逆に見えるわけです。私は、電気事業法に関連して、この保安面の検査ということをおっしゃいましたので、今度の敦賀原発の問題についてちょっとお伺いしたいというふうに思います。  この電気事業法の関連についての手数料算出根拠というのを明らかにしていただきたいと思いますが、使用前検査というようなものとかあるいは条文で決められている検査について、一体どのような内容で、それによってこの数字が導き出される経過についてお答えいただきたいと思います。
  165. 矢橋有彦

    ○矢橋説明員 御答弁申し上げます。  ただいまの件でございますが、具体的に、その仕事を行う場合に必要な人員は何人で、出張の距離がどの程度であり、延べ何人要るかという人件費の実費を計算いたします。あわせまして、書類その他のいわゆる庁費に当たる部分を積み上げまして、合計を出しまして平均的なコスト算定するわけでございます。
  166. 簑輪幸代

    蓑輪委員 この手数料についても、午前中、司法試験の手数料で明らかになりましたような内訳等は明らかにしていただけるのでしょうか。
  167. 矢橋有彦

    ○矢橋説明員 当然計算根拠を明らかにすることは可能でございます。ただし、大変項目が多岐にわたりまして、ここで御答弁申し上げますのは繁雑になろうかと思いますので、後刻その資料先生のお手元にお届け申し上げたいと存じます。
  168. 簑輪幸代

    蓑輪委員 昨日の原子力安全委員会でいろいろな論議の後、委員長が会見で「処理建屋の増設工事が完成したあとに使用前検査を行っていれば、今回の事故は防げた」と述べていると報道されておりますけれども、そうしますと、使用前検査というものが十分にやられてなかったのではないか。一体何のための検査であるのか。先ほどの保安面とか、公共の福祉とか言われておりますけれども、これが十分行われていなかったのではないかというふうに疑わざるを得ないわけです。その点からいって、果たして検査の内容自身が適切であったのかどうか、そしてこの手数料の決め方自身もそれにふさわしい手数料であったのかどうかということが十分議論されなければならないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  169. 矢橋有彦

    ○矢橋説明員 原子力発電所にかかわる使用前検査についての御質問でございますが、申すまでもなく、使用前検査と申しますのは電気工作物の使用前に材料、構造等につきまして技術基準に適合しているか否かにつきまして工程ごとに検査をすることでございます。ケースによっていろいろと手間のかかるケースとそうでないケースとあろうかと存じますが、平均的にはたとえば工程検査、竣工検査、合わせましてこの積算では延べ百九十三日人の経費を計上している次第でございます。
  170. 簑輪幸代

    蓑輪委員 資料をいただいてまた十分検討したいというふうにも思いますけれども、事は、原子力発電所というのは重大な事故にかかわる問題でありますし、これに対する危険性の認識が関係者に欠如しているというようなことも問題になるでしょうし、この件について言えば事故の報告義務違反という問題もあり、事故を隠蔽する体質さえもあるのではないか。こういう中で監督官庁の検査というものが非常に重要な役割りを帯びてくるというふうに思います。そういう点で、あわせてこの手数料問題も総合的な審議の中で考えなければ適切なものとは言えないのではないか。したがって、今回いろいろな手数料を出すのだからこの電気事業法の場合も一緒にちょこっと値上げを審議するというようなことでは、この原発問題について非常に不十分だ。私は、この手数料審議の方法そのものがきわめて便宜的なやり方であり、だからこそこういう問題は手数料を含めて総合的な審議関係委員会で徹底的にすべきではないかというふうに思います。この点に関してどのように認識しておられるか、政務次官、御答弁いただけませんか。
  171. 保岡興治

    保岡政府委員 先ほども答弁申し上げましたが、今回は手数料全般を見直す、しかも行政コストあるいは物価上昇等の要因を考慮して具体的な金額そのものに着目してこれを改正するというようなことから、手数料全般にわたって御議論をいただく中で御審議をいただくということの方がいいのではないかということや、また多くの手数料を実施する時期等を統一して負担の公平を図るというようなことなどから、一括して御審議をいただく方がいいのではないか、こういうことで御提案申し上げておる次第でございます。
  172. 簑輪幸代

    蓑輪委員 やっぱり納得できないということを申し上げて、次へ進みます。直接手数料かかわりが薄くなるかもしれませんが、栄養改善法というのが出されておりますので、これに関連してちょっと質問させていただきたいと思います。  粉ミルクの問題ですが、特殊栄養食品という表示が行われているわけです。粉ミルクはいま発展途上国で重大な問題を引き起こしているということを御存じでしょうか。乳児用粉ミルク問題を考える会というところでいろいろな資料を出しておりますし、大変問題になってきているのですが、最近のアジア、アフリカなどでは、赤ちゃんを母乳で育てるといった当然の生活習慣を無理やり壊して、高価な粉ミルクの使用によって貧困化を一層進めているというような問題が起こっています。ミルクの費用が家計の三〇%から六〇%以上も占めているというようなところも出てきております。哺乳びんの消毒も十分できず、清潔な水もないところで、十分な知識もないままに、場合によっては極端にミルクを水で薄めて飲ませるというような状況も起こってきているというふうに言われています。人工栄養児のうち一千万人以上の赤ちゃんが栄養失調や伝染病にかかって、その多くが死亡しているとも言われています。母乳を飲まなくなるということによって抵抗力が弱まって、その結果、いままで成長できた条件の中でも免疫がなくなって生き残れなくなっているという驚くべき問題も指摘されているわけです。これを婦人が無知だと責めることはできないと思います。  特に重大なのは、ここに日本の粉ミルクメーカーがかかわっているということです。  たとえば、パナマにおける森永ミルクの場合、病院の外来診療室において販売員が母親たちに直接粉ミルクの調合法を実演し、印刷物を配付していることや、看護婦を利用して、出産のため入院中の母親に二かんずつミルクを配付する、妊婦から受領証をもらってくると八十円の手数料を看護婦に支払うというようなこともやられております。二かんを子供に飲ませてしまうころには母乳が出なくなって、どんなに無理をしても結局ミルクを買わなければならない。生活が苦しいためにミルクを薄めて飲ませなければならないというようなことも起こっているわけです。  パキスタンの明治乳業の場合は、健康管理施設を通じて頼まれてもいない見本品を無料配付しているとか、インドネシアでは、現地語では何の説明も書かれていないミルクを販売しているというような問題もあります。  また、マレーシアにおける雪印乳業の場合には、マザー・クラフト・ナース、母親の相談に応ずる看護婦ということのようですけれども、この人たちが積極的な販売促進チームの一員に位置づけられているという状況です。  母乳よりはるかにすぐれているかのような誇大広告がされていたり、保健や医療機関を巻き込んでのサンプルの配付、買収、こうした悪らつな手法で一九七八年の粉ミルクの販売総数は約四十八億かんに伸びたと言われております。このうち半数近い量がいままでそんなに売られていなかった発展途上国に売りつけられていると国連センターのP・ポーゴルツ氏という人が指摘している状況です。  世界保健機構、WHOとか国連児童基金、ユニセフから八〇年に勧告が出されていますけれども、なかなかこれが改善されていないというのが実情です。毎日二万人の人々が栄養不良や伝染病なんかで死亡しているというふうにも言われている理由の一つに、不適当な方法によるミルクの売り込み、知識のないまま、消毒もせず、極端に薄めて与えるなどの粉ミルクの問題が取り上げられているわけです。事は赤ちゃんの命にかかわる重大問題になっています。日本の特殊栄養食品の許可を受けている粉ミルク、その粉ミルクメーカーがもうけ主義の売りつけ方でこういうふうに発展途上国に進出をし、国際的非難の的になってきているというような状況があるわけですが、こういう状況を御存じかどうか、そしてそれをどのように受けとめておられるのか、また、今後どのように対応されるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
  173. 福渡靖

    ○福渡説明員 お答えいたします。  厚生省としては、特に母子保健の立場で申し上げますと、子供の健康を確保する、よりよい健康をつくり上げていくという考え方で仕事をしておるわけですが、その中で母乳栄養というものが非常に大事であるということは私どもが常日ごろ強調しておるところです。そういう母乳推奨運動というのを進めている反面、乳児にとってミルクというものが必要な場合、その必要なときにはどういうような使い方がいいのか、また必要であるときには一番いいミルクを確保しておかなければならない、こういうような考え方で、ミルクの問題についても保健上必要な対応をしておるわけでございます。  いま御質問がありましたけれども、外国への対応ということになりますと、厚生省としては仕事の性質上ちょっと承知をしていない部分がございます。ただ、ミルクメーカー等の話の中では、常に母乳を第一に考える、それを踏まえてミルクというものを製造し、そして必要なときに必要な量が確保できるように努力をする、こういうような企業の姿勢であるということを聞いておりますし、また、私どもも一般の医療機関あるいは妊婦に対する教育活動の中で、安易にミルクに走らないように、母乳をやる努力をまず第一にやるようにというような形で教育をしておりますので、私どもの方の行政の姿勢というものはそういうことで御理解をいただきたいと思います。貿易の問題になりますと、厚生省の所管ではないと思います。
  174. 簑輪幸代

    蓑輪委員 貿易の問題は厚生省の所管ではないなどと言っておられるような状況ではないというふうに思うのです。それじゃどこがこれを所管して、だれが責任を持ってやってくださるということになるのですか。
  175. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 所管外ではございますが、貿易の問題ということになりますと、やはりこれは通産省が責任を持って事に当たるというのが筋道かと存じます。
  176. 簑輪幸代

    蓑輪委員 厚生省が通産省だとかあるいは農林省だとか言うかもしれませんけれども、どこの省庁にせよ日本の政府の問題であり、国の問題ですから、これは今回手数料を出している大蔵省なりが責任を持ってひとつ今後の問題についても対処していくように努力いただきたいと思います。厚生省はWHOとの関係からいっても、これは所管ではないなどと言っておられないと思いますけれども、これは後ほどまた追及をしていきたいというふうに考えます。  続いて火薬類取締法の問題ですけれども、その中での玩具煙火の問題についてちょっとお尋ねをしたいと思います。  国民生活センター危害情報室の資料によりますと、いわゆる花火で、玩具煙火と言うそうですけれども、五十四年のやけど、裂傷などによる死者六人、負傷者六十人を出して、火災の発生が三百十五件になっているということなんですね。製造上の問題、輸入の問題あるいは使用者側の問題などいろいろあると思うのですけれども、安全性のチェックということが非常に大事だというふうに思います。現在は日本煙火協会というような民間の団体に任されているようですけれども、これはやはり責任を持って通産省が所管をして、この安全性確保のために取り組むべきではないかというふうに思います。  あわせて通産省に続いてお伺いしますけれども、玩具煙火の場合に子供がやけどをするということが多いわけです。夜、花火をするということでパジャマを着たりしているわけですけれども、子供の衣類について事故を未然に防ぐという点で、たとえばアメリカなどでは可燃性繊維法というのをつくりまして、着火しやすく燃えやすい繊維でゼロ歳から十四歳の子供のパジャマやガウンなどをつくることを禁じている。その燃焼テストは垂直法という厳しいもので、テスト用繊維を垂直にして火を当てるという方法をやり、水洗いと乾燥を五十回繰り返した後で試験をするというふうにしているわけですね。  それからオーストラリアでは、消費者保護法というもので燃えやすく溶けやすい繊維の子供の寝巻きについて規制をしている。テスト方法は、着火、燃焼の速さ、強さ、溶けて流れる炎滴など、総合的に評価して、合格品には火に対する危険性の低い衣服と表示する。不合格でもデザイン規定にかなっていれば火に対する危険が低いようにデザインされていますが、火に近づけてはいけないという表示をする。デザイン規定にもかなっていない場合には注意、燃えやすい、火に近づけてはいけませんというふうな注意表示をしたりしているわけです。ところが、日本は子供用の寝巻きや衣類の燃焼性に関する特別な規制というものが全くないわけです。病院とかホテル、映画館のカーテンなどでは一定の規制があるようですけれども、私はこの際子供用衣服についてこうした注意表示、危険表示などというようなもの、それから規制ということを十分検討すべきではないかと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
  177. 柴田幹夫

    柴田説明員 先生の御質問の前段につきまして、、われわれ所管いたしておりますので、お答えさしていただきます。  玩具煙火の安全性でございますけれども、われわれといたしましては、火薬類取締法の中におきまして全体これを取り締まっております。たとえば、玩具煙火の製造につきましては、都道府県知事の許可にかかわらしめております。そういたしまして、玩具煙火の種類ごとに使用する火薬類の性質あるいは火薬類の量、花火の構造、機能等品種に応じまして必要な保安上の規制というものを行っておるところでございます。  また、今日玩具煙火につきましては、非常に輸入が多うございまして、中国とか台湾、韓国、こういったところから輸入が多うございますが、この輸入につきましても、同じく火薬類取締法に基づきまして輸入の許可ということをやっておりまして、玩具煙火の種類ごとに国内製品と同様の薬量規制というものを行っておるわけでございます。これとあわせまして、先生指摘のように日本煙火協会では事故の発生の防止と、いわゆる自主保安の確保ということでございますけれども、こういった観点から検査基準というものを設けまして、自主検査を実施しておるところでございます。輸入品につきましては、輸入機構におきまして担当官が品種ごとにサンプルを抜き取りまして、封印をいたしまして検査所に提出するという形で行っておりますし、国内品につきましては、生産された品種のものにありまして、その生産量に応じまして所要のサンプル数を検査所に持ち込んで検査しておる。それで合格いたしましたものにつきましては合格証、俗にSFマークと称しておりますが、それをやっておるわけでございます。  先生指摘のとおり、残念ながら——玩具煙火類の事故というものも、おかげさまで漸減傾向は示しております。しかしながら、なかなか絶滅するということがむずかしいわけでございまして、やはり正しい使い方をしていただければ非常にありがたいのです。そういった意味で、われわれといたしましても小学校、中学校、こういったところを対象といたしまして年間十五万枚のビラをつくりまして、使用の際の正しい使い方というものをPRしておるわけですが、中にはやはりともすれば変わった使い方をされる方もございまして、あるいは田舎ですと、わらなんかが積んでございますと、そこへ落下いたしますと火事になる。残念ながらそういう事態がございますけれども、われわれといたしましては、今後とも事故を少しでも減少するようにこういったPR活動、普及、啓蒙、こういったことをやってまいりたいと存ずる次第でございます。
  178. 若林茂

    ○若林説明員 繊維製品について御説明申し上げます。  御指摘の繊維の燃焼面についての安全性の問題でございますけれども、現在家庭用品品質表示法がございまして、これで燃焼についての品質表示の必要性の高いものとしてカーテン、カーペット、これについてはすでに一定の基準ができておりまして、これについては難燃とかあるいは防炎とかそういう文字の表示が義務づけられているわけでございます。先生指摘のこのほか衣料品につきましては、現在通産省の繊維検査所でこの辺にどのような基準でどのような表示をさせるかにつきまして調査、研究中でございます。この結論を待ちまして表示等について検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  179. 簑輪幸代

    蓑輪委員 子供用の衣服については、特に一日も早く規制が望まれますので、早急な結論をお願いしたいというふうに思います。  最後に、電気用品取締法についてですが、甲種電気用品ということになりますと、冷蔵庫とか全自動洗たく機、電気がまなど家庭で使われるほとんどの電気用品がこの甲種に含まれているわけです。今回の改正は、製造事業の登録手数料ということですけれども、これに関連して、安全性の問題について少しお伺いします。  これまで五十四年の五月山口県で冷蔵庫が燃えたとか、五十五年七月武蔵野で炊飯ジャーが漏電するとか、あるいは電気カーペットでやけどするなど、甲種電気用品による火災や事故の問題も大分出ているわけです。特に主婦にとっては、家族の生活を守る、安全を守るという点でも非常に心配されるわけですけれども、五十三条一項の二の認可手数料あるいは三の受験手数料については据え置かれているというふうになっていますが、これがどういう理由によるものなのか。  それから電気冷蔵庫とかそれからテレビとか保温式の電気がまとか全自動洗たく機などは、家族全員が留守のときでもコンセントが差し込まれたままというような電気製品になるわけですが、これらの安全性という点では、アメリカやカナダでは独特の基準が設けられているというふうに言われています。アメリカでは民間の任意試験所、火災保険協会が独自のテストに合格した電気製品にULマークというのをつけていて、この基準は火災などの安全について厳しく規定して、いる。たとえば電気冷蔵庫のモーターやコンプレッサーは異常な高温になっても十五日間は保護装置が作動・し、回路を遮断するようになっていることというふうに規定しているわけです。カナダ標準協会試験所の規格では、このULの十五日間というのが十八日間というふうに決められているというふうになっているわけです。日本でも電気製品が非常に普及し、家族で旅行に出かけて留守になるとかというような場合も間々あるわけで、甲種電気用品型式認可マークを付与するという場合には、こういうふうな安全基準というものも設けるべきではないかというふうに考えます。そういう御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  180. 矢橋有彦

    ○矢橋説明員 御答弁申し上げます。  安全基準につきましては常に見直しを続ける必要があることでございます。特に最近のように技術の進歩が著しい時代でございますので、私どもといたしましては今後とも現在の状況にマッチしたように安全基準の見直しを続けてまいる所存でございます。
  181. 簑輪幸代

    蓑輪委員 ほかにまだお尋ねしたい点がございますが、時間ですので終わります。
  182. 綿貫民輔

    綿貫委員長 柿澤弘治君。
  183. 柿澤弘治

    柿澤委員 それでは各種手数料等改定に関する法律案について質疑をいたします。  すでにいろいろ質問が出ておると思うのですけれども、今回これだけの法律で法定されている手数料を一括して改正しようということですけれども、これが法律に明定されなければならない理由というのは一体何なのか、私はずっと見て疑問に思う点が多いわけです。政令で定められている各種手数料というのもかなりあると思うのですけれども、法定されているものと政令以下にゆだねられているものとの割合その他はどうなっていますでしょうか。
  184. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 現在手数料が定められております法律、政令、省令、告示全体の件数でございますが、法令の数が二百二十二件ございます。そのうち法律自体で手数料金額あるいはまた手数料金額の上限が定められておりますのが五十四件でございます。したがいまして、この件数の割合で申しますと、二百二十二分の五十四でございますから約二四%が法律自体で金額あるいは金額の上限が定められているという状況になっております。
  185. 柿澤弘治

    柿澤委員 そうしますと、残りの百六十八件が政令以下に委任されているということになっているわけですね。その法令で定めるものと政令で定めるものはどういう基準で分かれているのか、いままで立法の過程でどういう議論がされてきたのか、その辺御説明があればお聞きしたい。
  186. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 現在の法律の定め方はそれぞれの法律の沿革なり歴史がございまして、現時点に立ちまして全体をある統一的な視点で必ずしも説明し切れないものがあることは事実でございます。  ただ、一般的に申し上げますと、法律で具体的に金額そのものを定めている例が一番法律による規制の仕方が強いわけでございます。その次が法律で上限を決めている、やややわらかい。だんだんそういう濃淡の差があろうかと思いますが、基本的には、考え方といたしましてはその手数料の徴収のもとになっております国の事務あるいはサービスについてのいわば強制的な性格と申しますか、法律上あるいは事実上その手数料を払わなければたとえばある一定の資格をもらえないとか、そういった意味での強制性の濃淡がその辺の法律規定の仕方にあらわれているのではないかというふうに、現時点に立ちまして大観いたしますとそんな感じになっておりますが、しかし、そういう考え方ですべてが全部統一的に説明し切れないものが相当あることもまた事実でございます。
  187. 柿澤弘治

    柿澤委員 もしもこれがなければ国民として生活していけない、たとえば身分証明書を国が発行して、これを持たなければいかぬという場合に、これを手数料という形で——幾らでもいい。そうすると、お金を払わなければ日本人であることをやめるとか国の保護を受けられない、こういうことであれば、これは法律で定める必要もあると思うのです、国民の権利、義務を非常に大きく左右するものですから。しかし、全体を見渡しますと、これを取れば商売ができるとか、これを取れば資格ができて営業上非常にその人の利便になるというものが多いわけですね。  だとすれば、これは一般の租税公課、税金から費用を負担するものでないということはわかる。そういうものが非常に多いと思うのですが、そういう点については金額で決めることが妥当なのか、それとも手数料算定の基準を法律の中に定めて具体的な算定そのものは政令その他にゆだねるのが適切な方法なのか。私は後者ではないかという気がするわけですね。特に、最近のように戦後の経済情勢の中で物価に非常に著しい変動がある。その中で毎年毎年手数料を変えるわけにはいかない。そうすると、何円と定めると書いてある、それが十年据え置かれるということはその手数料コスト主義といいますか費用等にマッチしなくなって、その分が租税負担になっている。国がただでやってくれるということでなくて、だれかが租税で負担しているわけですから、それは決して正しい手数料のあり方ではない。その点では弾力的に動かせる、ただその動かす基準を法律で決めるというのが望ましい姿ではないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょう。
  188. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 確かにただいま柿澤先生から御指摘がございました考え方、私ども一つの有力な考え方であろうかというふうに思っております。  非常に極端なケースを考えますと、手数料といいますのは基本的にはそれに要しますコストをちょうだいするものでございますから、単純にコストそのものをいただきます場合には、現にそういうケースもあるわけでございますが、法律上は全く白紙で委任をしていただくという場合もあり得てしかるべきものだというふうに考えられます。しかしまた、ある程度強制性を伴ったものにつきましては何らかの意味で法律上に根拠を求めるということが必要であろうかと思いますが、法律上に根拠をお定めいただきます場合にも、その定め方といたしましては、ただいま御指摘ございましたように法律、そのものにきちっと書き切ってしまう場合ももちろんあり得ようかと思いますが、同時に法律には算定の仕方、政省令に定める定め方、そういう考え方の大筋をお決めいただきまして、その後は政省令にお任せをいただくというような考え方も十分あり得るというふうに私ども存じております。  したがいまして、昨年の行政改革の関係の閣議決定におきましても、同様の趣旨と私ども理解をいたしておりますが、法令の定め方についての統一的な整理を図っていこうというふうになってございますので、そういった閣議決定の趣旨にも沿いながら、ただいま先生から御指摘をいただきました考え方も十分踏まえまして、よく検討していく必要があろうというふうに考えております。
  189. 柿澤弘治

    柿澤委員 こうやって国会で質問していましても、国会もコスト主義でいきますと一日一億円ぐらいかかっているわけですから、そういう点でもっと大所高所に立った国務に精励するためにも、細かい数字を議論するというのは余り意味があるとは思えない。そういう意味で、むしろ政令にゆだねるというのを本則とすべきだというふうに思うのです。  特に国鉄運賃について、これも財政法三条の規定にもかかわらず算定の基準を法律で定めて政令にゆだねることになっているわけですね。だとすると、国鉄運賃の国民の利益にかかわるその重要度と今回ここに提案されている手数料の国民の利益にかかわる重要度、これを法益として比較考量した場合に一体どうなんだろうか。国鉄の方については政令にゆだねてくださいという提案を政府からしながら、こちらの方は依然として法定主義でいきます、その範囲で御改定をいただきたいというのはどういうバランスなんでしょうか。その点をお伺いしたいと思うのです。
  190. 吉野良彦

    吉野(良)政府委員 今回お願いをいたしております法案は、いわばいままでと考え方を変えずに金額の水準そのものを改定すること、それ自体を目的としてお願いをしてございますのでこういう内容になっているわけでございますが、ただいま先生から御指摘ございました考え方、非常に御見識のある御意見と私ども拝聴をいたしておりますので、今後はそういう御意見も十分に踏まえまして、今後個別の改正の機会をとらえるなりあるいは統一的な政省令委任というようなやり方も含めまして十分に検討さしていただきたいと存じます。
  191. 柿澤弘治

    柿澤委員 まだ時間があります。一分何円ということですから本当に大事なんですけれども大蔵大臣がまだおいでになってませんので続けますが、そういう意味で、政令にゆだねられているものについて白紙委任のものと、それから基準を書いているものといろいろあると思うのですけれども、その辺の割合はどうなっておりますでしょうか。
  192. 角谷正彦

    ○角谷説明員 お答え申し上げます。  政令に書いてあるものにつきまして白紙委任と基準を書いてあるものの割合というのはちょっと把握しておりませんけれども、一般的な手数料に対する考え方として申し上げますと、やはり若干の強制力といいますか、事実上あるいは法律上国民に利用を強制したりするような性格のものは、何らかの形で法律に根拠を持って一定の基準のもとに委任されるのが望ましいであろう。それに対しまして、たとえば博物館の入場料でございますとか公園の入園料でございますとか、単なる一定の行政サービス、私人が与えると同じような意味での行政サービスといったものにつきましては、必ずしも法律上の根拠を要しないのじゃないか。そういう意味で、いまの政令なり何なりが全部そうかというと、必ずしもそう割り切ってはおりませんけれども考え方といたしましては、行政事務の内容とか態様に応じまして、そういったふうな形で規定されるのが望ましい姿ではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
  193. 柿澤弘治

    柿澤委員 この問題については私の方は、先ほど御見識のある意見とおっしゃいましたけれども、これは別に見識でも何でもないので、皆さんの方もよくわかっておられる。ただ、その点では基本的な見直しの作業というのがまだできていない、おくれているというために今回はこういう形になったのだろうと思うのです。  ただ、国鉄運賃法について、これを政令にゆだねることに多数で賛成した国会が今度は手数料になると法定主義に賛成するというのは、ある意味では矛盾なんですね。ですから、国鉄運賃法をああいう形で改定した与党であれば、この法案には反対してもう一回出直してこい、こう言うのが筋だと思うのです。そういう意味でタイムラグ、時間のおくれが出てきてしまっているわけですけれども、できるだけ、そういう運賃、料金については、何を法定し、何を基準を決めながら政令以下にゆだねるか、この基本的な考え方をやはり整理していただく必要がある。国鉄運賃については毎年上げられるように、あっちはあっちで政令にゆだねて、それは賛成だという形で多数で通しておきながら、こちらはこちらで便宜的に法律でしようがないじゃないかと言うのは、行政として一貫性がないし、政府としても、与党としても見識がないということになってしまうのじゃないか。その点で、できるだけ早い作業の結論というのをお願いをしたいと思うわけでございます。  特に第二臨調が発足をし、その結果としての行政改革の問題が話題になっている、タイムテーブルに上っているわけですから、その過程でこの問題については抜本的な見直しをするというふうにお約束をいただけますでしょうか。
  194. 保岡興治

    保岡政府委員 先ほど来事務当局が手数料の根拠をどこに置くべきかという一応の基準についてはお答えしたとおりでありますけれども、行政整理が叫ばれて、小さい政府ということが要請されている今日、あるいは経済情勢の変化にできるだけ速やかに対応していくというその手数料のあり方そのものの問題からいっても、先生の御指摘はもっともだと思います。政府としても、昨年の暮れに今後の行政改革のあり方、推進の仕方という閣議決定をいたしておりますその中に法令の整理が含まれておりまして、その一環として政令等の法令の整序という点も政府の中で鋭意検討しているところでございます。  御指摘の御意見を踏まえて、鋭意努力をさせていただきたいと思います。
  195. 柿澤弘治

    柿澤委員 私の方は基本的な議論をさせていただいて、それで政務次官にお約束をいただいたわけですから、そういう点で検討していただければ、この問題については、これ以上の質疑はむしろしたくありません。これ以上するとすれば、各個別の問題に入らなければいけないわけです。それには各省の方々を呼ばなければなりませんし、そうするとまたこれ一人ずつコストがかかっているわけで、われわれの行政改革の趣旨にも反します。そういう意味で、政務次官、次長で伺えることというとこの範囲になってしまうということではないかと思いますのでこの辺で終わりたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。  予定の時間を終わりましたので、終わります。
  196. 綿貫民輔

    綿貫委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  197. 綿貫民輔

    綿貫委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  各種手数料等改定に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  198. 綿貫民輔

    綿貫委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  199. 綿貫民輔

    綿貫委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、大原一三君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新自由クラブ五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨説明を求めます。沢田広君。
  200. 沢田広

    沢田委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を簡単に御説明申し上げます。  最近における経済情勢等にかんがみ、昭和五十六年度の予算編成に当たり行政コスト、物価動向等を勘案して統一的な観点から、各種手数料等金額について、全般的な見直しを行うこととし、そのため各種手数料等改定当たり法律改正を必要とするものについて関係法律を一括して改正することとする本法律案提出されましたが、本附帯決議案は、政府に対し、各種手数料等の整合性、費用負担の適正化等について、引き続き検討を加えられるよう要請するものでありまして、案文の朗読により、内容の説明にかえさせていただきます。     各種手数料等改定に関する法律案に対する附帯決議(案)  一、政府は、各種手数料等の基本的性格を明確にするとともに、各種手数料等の整合性を図り、より合理的なものとするよう十分検討すること。    また、法定の手数料等と政令等で定められている手数料等との調整についても検討すること。  一、政府は、各種手数料等の算出に当たっては、政策要素、応益要素などをも含め、費用負担の適正化を期するよう十分検討すること。 以上であります。  何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  201. 綿貫民輔

    綿貫委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  お諮りいたします。  本動議のごとく附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  202. 綿貫民輔

    綿貫委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣
  203. 渡辺美智雄

    ○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。     —————————————
  204. 綿貫民輔

    綿貫委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  205. 綿貫民輔

    綿貫委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  206. 綿貫民輔

    綿貫委員長 次回は、明二十二日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十一分散会