○竹本
委員 ただいまの御
答弁の
数字は私ちょっと少ないように思うのですが、その前に、これからは、
日本のファンダメンタルズが強いので、オイルダラーが
日本に流れ込んでくる可能性はさらにふえるのではないかということをきょうは指摘したいのです。
アメリカの雑誌でタイムであったと思いますが、
日本のファンダメンタルズについてこういうことを書いておるのを読んだ記憶があります。
日本と
アメリカとの
経済の実力を比較して考えてみると、まず第一に繊維でやられた、次に造船業でやられた、次に鉄鋼でやられた、自動車でも
日本にやられてしまった、テレビその他でまいった、これから先は半導体だが、恐らくこれも
日本にやられるであろう、そうすると六つの大きな基本的な産業部面において
日本に完全にやられてしまうことになる、ということを言っておりました。
貿易摩擦の問題はきょうは触れませんけれ
ども、またいろいろ
議論が分かれますけれ
ども、やはり基本的に
日本の産業のファンダメンタルズというものが非常に強い、
日本の競争力が非常に強い、おまけに政情も安定しておるということになりますと、だんだんとOPEC等も、世界の
経済、各国の情勢を考えてみると、
日本に投資するのが一番安全有利ではないかというふうな判断がこれからますます強くなってくるであろう、こういうふうに私は思います。そういう意味から、先ほど百億ドル前後だろうとおっしゃいましたが、もちろん株式だけの話でございますから、株式だけで考えれば、私
どもが調べてみたのも大体その辺でございますが、その他債券にしても預金にしても入れて考えますと、OPECだけで二百六、七十億ドル入っておると私は思いますが、そのものがさらにシェアを広げて、これから
アメリカ並みに
日本に入ってくる割合、パーセンテージ、シェアが広がっていくならばもっと大きな
数字が入ってくる。仮に八十億ドル前後、これは株式の入ったものを八十億ドルぐらいに押さえまして、その平均利回りに二〇%の税金をかけるということによって得られる
収入というものは五、六十億円にしかならない。ところが、いま大体一五%、あれこれ入れますと二〇%になりますが、一五%ぐらいシェアとしては入ってきておるようでございますが、これをもっと大きく拡大いたしますと、簡単に申しますと、たとえば八〇年で一千億ドルのドルがたまった。サウジはそのうちの四割ですね、四百十億ドルたまっておる。その四百十億ドルの仮に二〇%、
アメリカ、
イギリスはどうもそのようですが、二〇%のシェアで
日本に入ってくるということになりますと、八十億ドルの金が
日本に入ってくることが期待、あるいは計算される。
そこで結論になりますが、いまこれがどういうふうになっておるか、細かいことを私は存じませんけれ
ども、主権免税をやるということ、あるいはやらないということが一つの問題になって、それがすべてとは私も存じませんけれ
ども、大きな障害になっておる。これを取り外すことによって、四百億ドルの二〇%として八十億ドルの金が入ってくるということになれば、先ほど申しましたいろいろの資金の面あるいは融資の面で
日本の国際的な立場も非常に強くなると思うのですけれ
ども、わずかに五、六十億円の税金をかけるとかかけないとかいう問題でそれがとまっておるということは、まことに残念なことである。そういう意味で私は、第一に
日本の国際的な金融市場における地位をさらにさらに強化するという必要の面から、それからもう一つは油の問題を中心としまして資源に弱い
日本の基礎をそういう形で強化するということのために、この際主権免税の問題はもう一遍前向きに考えてみたらどうかということが私のきょうお伺いしたい点であります。
特に、先ほど御説明がありましたけれ
ども、通常の
政府の機能という御説明がいまの基準になっておるわけですけれ
ども、その通常ということを再
検討しなければならないのではないかというのが理由の一つになるわけです。と申しますのは、オイルダラーは、先ほ
ども申しましたが、いま三千億ドル、やがては六千億ドルになるであろうと見ておる。そういう意味から申しますと、いまドルがたくさんたまってドルをもてあまして投資をするということは、いまの、ことし、来年だけのアブノーマルな状態ではなくて、OPECにおいては、ドルがたまり過ぎるほどたまるということはむしろそれの方が、いまは異常でございますけれ
ども、通常な状態になるのではないか。そうしますと、そのたくさんたまったドルを金融資産のいよいよ多様化するような時代に、また世界的に広げて投資をするという時代に、
日本に対しても投資をする、これがまた通常のやり方になるのではないか。そういうことから考えますと、先ほ
どもアメリカその他の例にもありましたけれ
ども、確かにキャピタルゲイン、裏から言えばまたキャピタルロスがある。そういうものは通常の
政府の機能ではないというのが従来の
考え方でございましたけれ
ども、これからは、もてあましたドルをそれぞれの国、特にファンダメンタルズの強い
日本には大いに投資をしようということは、OPECの国、その他の国ではむしろ通常のあり方、
考え方になるのではないか。したがいまして、従来の物差しで考えた通常という基準と、これからOPECがドルがたまって困るようなこういう状態の場合の通常の
政府の機能というものは
考え方が変わってこなければならぬではないか、そういう二つの理由で主権免税の問題についてはこの際
検討していただいて、
日本の油に弱い
経済的な立場を、サウジその他のOPECの国とドルを通じて協力体系をつくることによって一歩前進せしめたらどうか、私はこの点について
大臣の御
意見をお伺いして終わります。