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後藤委員 いま、
大臣、慣用語というような説明、あるいは大規模、重要な
経済協力とか、あるいは一
企業じゃなしに数
企業なりグループであるとか、
政府の出資あるいは輸銀の融資等々たくさんのものに支えられたのがつまり慣用語的にナショナルプロジェクト、こういうように御説明があったわけですけれ
ども、しかし、ナショナルプロジェクトというのは、その言葉がいまのような理解を超えてひとり歩きをしていくのではないかというように私は思うわけです。もっと、いま
大臣が
お答えになりました以上に重要な意味合いを持っているのじゃないかと思いますし、それからまた国民も、ナショナルプロジェクトというのはいわゆる出資に応じての責任、出資の持ち分の
範囲内における責任程度を超えた、もっと非常に強い国家目的を持ったプロジェクトであるというように一般国民は理解をしているだろうと思うのですね。ですから、いまのような御説明、
中身はそうでしょうけれ
ども、もっとナショナルプロジェクトというものに対してきちっとした説明がなされるようにしなければならぬ段階に来ているのではないだろうか。これだけ国際協力なりあるいは
プラント輸出等の問題に対しましても、先ほどから議論をいたしますように、非常に重要な
課題を持っているその最も大きなプロジェクトというものに対しまして、いまのような理解だけでいいのだろうかという気がいたしてなりません。
たとえば一九七九年の「
経済協力の
現状と問題点」というのをずっと見てみたわけです。そうしますと、たとえばアサハン・アルミニウム・プロジェクト、これはインドネシアですけれ
ども、ここのくだりで、「
政府支援によりナショナルプロジェクト化」——「化」という言葉か入っている。「化への諸条件を整える
方向で動き始めた。」こういう説明がなされている。あるいはシンガポール石化につきましては、これはナショナルプロジェクトという言葉がございません。「
政府機関から所要の援助を行うことを決定した」、これは
関係大臣了解になっているわけですね。
さて、そのナショナルプロジェクトというのは、
大臣、これは閣議決定でなされるのですか。それとも閣議了解でなされるのか。それとも、このシンガポールの石化に見られますように、
関係大臣了解でナショナルプロジェクトというものはなされるのか。
あるいはこのサウジ石化、実は私も去年現地へ行ってみました、アル・ジュベールというところへ。これは三菱が行うわけですけれ
ども、この「ナショナル・プロジェクトに格上げ」、これは、
政府筋が三日明らかにしたところによると、三菱グループがサウジアラビアとの間で行っているサウジアラビア石油化学プロジェクトをナショナルプロジェクトに格上げと、こういうように説明がなされている。その「
政府筋」という筋はどういう筋なのか。閣議決定、閣議了解あるいは
関係大臣了解、一体どこでこのナショナルプロジェクトというものがつくられていくのか。事は、単に
経済協力基金の出資あるいは輸銀の融資というものを超える問題を持っているだろう。きょうは私、
中身について
質問なり論議をする時間的ゆとりもございませんのでいたしませんけれ
ども、もう少し言葉の定義というものを明確にしていく、その責任の
範囲というものを明確にしていくという必要があるのではないかと思いますので、閣議決定、閣議了解、
関係大臣了解というようなものの仕分けが一体ナショナルプロジェクトとどういうようになっているのか、その点をお聞きしたい。
なお、たとえばこの「
経済協力の
現状と問題点」をずっと見てみますと、ウジミナスの場合はナショナルプロジェクトとは書いてないのですが、サウジは、先ほど言いました。それから、この前もこの
委員会で議論になっておりましたが、三国協定を結びました「SRC−IIプロジェクトへの我が国の参加について」という、これは総合エネルギー調査会の基本問題懇談会の国際協力問題分科会の中間報告、五十四年十二月二十日に出ておりますけれ
ども、この中間報告の中では「官民一致協力した、真のナショナル・プロジェクトにふさわしい参加
体制」、「真のナショナル・プロジェクト」という言葉、それから「ふさわしい」とか、あるいは先ほど
指摘をしましたように「ナショナルプロジェクト化」とか、まことに意味がきちっと正確に理解をされてない面があるように思いますので(
大臣、この点をもう少しわかりやすく御説明をいただきたいと思います。