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田中(六)国務
大臣 長田
委員御指摘のとおりに、アメリカの運輸
大臣が座長であるタスクフォース、これが
日本時間のけさの四時に発表になりました。
内容は、御指摘のように、一部の人がおもんぱかっていたようなことはなく、アメリカの所得税の減税についての措置が景気刺激になるだろう、これは一般教書にも出ておった額なんです。それから、いま御指摘の自動車の規制、これを三十四ぐらいを規制緩和、排ガス規制とか安全の問題の規制を緩和することによって、一般の自動車の消費者が九十億ドルぐらい助かるだろう。それからメーカーが十四億ドルぐらいとうたっておるわけです。その他のところでは、独禁法の緩和とか雇用の再調整。もう一つは、
日本では公共事業の前倒しということがございますが、連邦政府が新しい車を買うのを一遍に早目にたくさん買ってそれに助成金を出すというようなことなんです。あとは、大きな網打ちとしては自由貿易を堅持していきたい。
日本にはブリーフィングスタッフを送っている。きょう午前十時半から
通産省で三日間行うわけでございますが、そういうのを
日本に派遣して説明をやっているのだということなんです。
だから、一見、
日本の車に対してどうというようなことは、ちょうどかつてのITCですか、ああいう国際貿易
委員会が結論でシロを出したわけですが、そのときと同じような雰囲気なんですね。それで、弁慶の勧進帳みたいなもので、何もないということがかえって私
どもには
考えさせられるのです。何もないことはない。まあ、われわれにこう見せて、私
どもはあくまで自由主義貿易の旗を振っているのですということなんですね。私
どもも、一つ一つ項目を書いて発表になっていると、それを一つずつ
検討しやすいのですけれ
ども、それがないだけに
考えざるを得ないのです。だから、かえって私はむずかしいような心境にあるのですけれ
ども、長田議員はこれを慎重に延ばしたらどうかという意見もあるように私は伺っておりますが、そういう意見は前からもありますし、
業界でもあるのです。
しかし、レーガン大統領は伊東外務
大臣に対して、やはり首脳
会議前に何とかしてほしいということを漏らしていますので、私
どもも鈴木総理もそれを受けて、けさも私、閣議終了後ちょっと確かめてみたのです。そうしたら、総理もやはり、自分の渡米の首脳会談の前に片づけておきたいという意向ですので、私はこのタスクフォースの結果に基づいて、アメリカは自由主義貿易と言いつつ
日本に具体的なことを触れずに回答を求めておることは、やはり
日本が自分で決めてほしいという願いがこのタスクフォースの中に込められておると判断せざるを得ないのです。
したがって、いまアメリカから十人の人が来て
通産省でやっておるブリーフィングを三日間じっくり
検討してみて、それから今度は
日本側が向こうに行くことになろうと思うのですが、それもちょうど向こう側から来た人のレベル、そういうようなところの人——しかし、これはローレベルで地位が低いからどうとかじゃなくて、非常に密度の高い本当に仕事をしている人たちが来ているわけですから、
日本側も密度の高い、その地位とかそういうことが問題じゃなくて、一番知っているベテラン、そういう人たちを今度は向こうに行かしたいという気持ちもしておりますし、いま御指摘のこのタスクフォースの発表によって、まあ正直に申しまして、別にいままでの
考えが変わってはいませんけれ
ども、ますますアメリカが白紙を出して、あなたのところ、
日本、
考えてくれぬかということを提示しているような気持ちがしておるいまでございます。