○藤田(高)
委員 私は、世間でいう審議中断のとめ男ではございませんから、その点は断っておきます。
これは半ば冗談といたしましても、私がいま
質問いたしておりますことは、ある
意味において私は外務
大臣にも、否総理にもお聞きいたしたいところなんですけれ
ども、率直に申し上げて、これは決してひやかしではございませんが、
河本企画
庁長官にしても総理の呼び声の高い政治家でございますし、また、田中
通産大臣にしてもニューリーダーとして非常に株の高い
大臣でございます。こういう両閣僚が、昨年の十二月であったかと思いますが、いわゆる日中閣僚として北京を訪問した。私にあえて言わしてもらえば、北京に行ったときに、単に向こうへ行って友好乾杯をやるだけでなくて、むしろこういう重大な問題が一月に入ったら表へ出てきたわけですから、その時点でこの種の問題を日中間の重要な政治問題として協議をしてくる、そうして帰ってくれば、六名か七名か知りませんけれ
ども、
関係閣僚のところで、この種の問題に対する
基本的な
政府としての対応姿勢はどうあるべきか、こういうことをあなたらお二人が特に中心になって対応策というものを考えるべきじゃないか、こう思うわけであります。
と申しますのは、先ほ
ども私は一つの材料を提供しましたが、
新聞が
けさ報じておるようなことであるとすれば、これはもう最悪の
方向にどんどん進んでいくと私は思うのです。この問題は中国の方から正式な提案がまだなされていない、
民間レベルの問題だ、こう言いますけれ
ども、しかし、
民間レベルの問題として推移を放任するといいますか成り行きに任すということになれば、契約が破棄されていく、契約が破棄されればその損害賠償をどうするのだ。さらには、後でも触れたいと思いますが、
通産大臣が二月五日の
予算委員会で輸出保険の問題について触れておりますが、この輸出保険を適用するのかどうかというような、私に言わせたらきわめて末梢的な
方向に、決して生産的でない、日中両国の現在及び将来のためにもならない
方向に進んでいくのじゃないか。
こういうことを考えると、正式な提案でないとしても、少なくとも鄧小平副主席といえば
日本側から見て、いろいろな批判があるにしても、今日中国を動かしている実質的な実力者だ。谷牧副首相、これまた
経済通で名の売れた指導者だ。こういう中国の
政府首脳が
日本の大来代表に、先ほど言ったようなことを提案といいますか相談を持ちかけてきたということになれば、そこへ焦点を合わせて、
日本政府は、たとえば海外協力基金に準じたようなソフトな資金を、それは三千億になるのか五千億になるのか知りませんけれ
ども、そういうものによってプラントの契約破棄が救われるということであれば、積極的に
政府の
方針を打ち出して、そういう
方向で行くから
民間の諸君もばたばたするな、こういう行政指導といいますか、業界に対する指導というものがあってしかるべきじゃないか、そうしなければ――悪い言い方ですけれ
ども、国交が回復するまでは中国だなんていったってと、半ばしりを向けておったような業界筋もあったと思うのです。ところが、平和友好条約が締結されると、われもわれもと草木も北京になびく。こういう目先の商業ベースや利害
関係だけで走る一部の業界に任しておけば、日中両国の友好という問題に対してまでひびが入ってくるのじゃないか。そういう諸君に、日中の国家
関係にひびを入れるようなことをさせるわけにはいかないと私は思う。そういう観点からも、もう少し政治問題として次元の高い立場からこの問題に対する対応策というものを考えるべきじゃないか。
その具体的な一つとしては、輸銀が無理だというのであれば、海外協力基金を何らかの形で枠をふやしていく方法がないのかどうか。これはまた後ほど時間があれば触れたいと思いますが、対中国の資金協力体制として二十何社かの
民間銀行が中心になりまして、長期、短期でかれこれ八十億ドルぐらいの資金をプールして資金的な協力体制もとられておるやに
理解をいたしておりますが、こういう問題についても生きた資金運用、生きた金の使い方というものについて、
政府はもっとリーダーシップを発揮すべきではないかと思うのですが、これはいずれも両
大臣から
見解を聞かしてもらいたい。
それと、このことに関連して申し上げておきますが、どうでしょうか、この種の問題についてお二人が先ほど休憩の時間をとって御相談されたことについては私も敬意を表しますが、やはり
政府としての統一
方針というものはもうこの
段階でかちっとしたものをつくるべきじゃないでしょうか。まとめるべきじゃないでしょうか。どうでしょう。