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1981-04-24 第94回国会 衆議院 社会労働委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年四月二十四日(金曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 山下 徳夫君    理事 今井  勇君 理事 戸井田三郎君    理事 戸沢 政方君 理事 田口 一男君   理事 森井 忠良君 理事 平石磨作太郎君    理事 米沢  隆君       小沢 辰男君    木野 晴夫君       小坂徳三郎君    竹内 黎一君       友納 武人君    長野 祐也君       葉梨 信行君    八田 貞義君       浜田卓二郎君    船田  元君       川本 敏美君    栂野 泰二君       永井 孝信君    大橋 敏雄君       塩田  晋君    浦井  洋君       小沢 和秋君    石原健太郎君       菅  直人君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 園田  直君  出席政府委員         厚生政務次官  大石 千八君         厚生省環境衛生         局水道環境部長 山村 勝美君  委員外出席者         行政管理庁行政         監察局調査官  島田  正君         環境庁長官官房         環境調査官   浅野 楢悦君         環境庁水質保全         局水質規制課長 渡辺 一志君         労働省労働基準         局安全衛生部計         画課長     山田 正美君         建設省都市局下         水道部公共下水         道課長     玉木  勉君         建設省河川局河         川環境対策官  矢野勝太郎君         自治省財政局財         政課長     津田  正君         社会労働委員会         調査室長    河村 次郎君     ————————————— 委員の異動 四月二十四日  辞任         補欠選任   菅  直人君     阿部 昭吾君 同日  辞任         補欠選任   阿部 昭吾君     菅  直人君     ————————————— 本日の会議に付した案件  廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正す  る法律案内閣提出第六五号)      ————◇—————
  2. 山下徳夫

    山下委員長 これより会議を開きます。  内閣提出廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口一男君。
  3. 田口一男

    田口委員 本法案は今度でもって第五次の計画になるのですけれども、第四次までを振り返って、屎尿、ごみと分かれておりますけれども、特に私はごみの問題に限って質問をしたいと思います。  ごみ焼却処理施設についてはいろいろと問題があるのですが、この処理施設建設に当たっての補助金あり方について若干御質問いたします。  まず一つは、厚生省に対しては釈迦に説法ですけれども、廃棄物最終処分量減量化、そして衛生処理のためには、燃えるごみはすべて焼却をしてしまう、これが基本でありますけれども、この焼却をしてしまう清掃工場建設に当たって、補助金あり方に多くの問題を持っておることはつとに指摘をされておるところでございます。たとえば実勢額補助金との差、補助対象のいかんについていろいろな問題があるのですけれども、一つ例示をいたしまして、これらについてなぜ補助対象にならないかをお示しをいただきたいと思います。  たとえば、清掃工場を建築するに当たりまして、その土地が果たしていいかどうかを決めるボーリング測量、それから操業体制の安定のために清掃工場に勤務をする職員公舎建築建築費についてもどうなのか、さらに昨今環境の問題がやかましくなってまいりましたから、工場内の造園の問題などに相当金がかかる、それから設計監督の委託料、こういった問題についてどうも補助対象になっていないやに聞いておるわけでございます。  さらに一番問題は、清掃工場立地、いろいろとむずかしい問題があるのですが、昨今の土地の問題からして、先行取得をする例が多うございます。聞きますと、二、三年ぐらい前に先行取得をしたものについてはいいらしいのですが、それ以前のものについては対象にならない。もちろんこれは表向きの話でございまして、一部市町村では公社なんかを通じて先行投資をする、こういうことで問題はないということも聞いておるのですけれども、用地取得費についてある程度補助対象に明確にしないと市町村では困るのじゃないか、こういうことを私は例として申し上げておるのですが、これらの問題は毎年毎年各自治体から厚生省に対して、また関係省庁に対して具体的な改善の要望が出されております。  ところで、いま私が例として申し上げたことなどについてなぜ補助が厳しくなっておるのか、補助対象になりがたいのか、その辺の理由をお示しいただきたいと思います。
  4. 山村勝美

    山村政府委員 補助対象の問題でございますが、個々具体的に御指摘がございましたので、個々に申し上げたいと思います。  基本的には、廃棄物処理に直接的に関係のある部分はすべて補助対象とする、収集、運搬とか維持管理に関する部分については補助対象外にしておるということでございまして、維持管理に関する部分の一部については、補助金はつきませんが、起債の対象として措置しておる、概括そういうことでございます。  御指摘の、まずボーリングの問題でございますが、これは実施前の予備調査といいますか、施設が確実にやられるのだ、実施されるのだという以前の予備調査段階でございます。実施段階のものは補助対象にしますが、予備的なものでございますので補助対象にはしにくいという事情でございます。  それから公舎職員宿舎等につきましては融資の対象にいたしておりますが、これも維持管理に関する部分であるということで、補助対象からは除外をいたしております。  それから、場内造園植樹、芝張り、こういうものにつきましては、五十三年以降補助対象といたしております。  設計監督の問題これも予備調査段階のものは無理でございまして、工事に入りましてからの設計監督測量費等として対象にいたしております。  土地先行取得の問題でございますが、これは、当該年度土地に関して支出が行われる場合については補助対象といたしております。何年も前に別に買った土地については、対象にいたしておりません。  以上のような状況でございます。
  5. 田口一男

    田口委員 対象にするしないの基本的な考え方はわかりましたけれども、それにしても問題が多いわけですね。確かに第四次、第三次、こういった過去の年次計画からずっと見てみますと、年々部分的に改善をされてきておることは認めます。  これは大阪焼却工場の例ですけれども、昭和四十九年に着工をして五十二年に完工をした工場では、建設費七十四億に対して補助が九億九千万、B工場については四十九年着工五十三年完工の分で建設費八十一億に対して補助が十八億、C工場の場合に五十一年着工五十五年完工では建設費九十九億に対して補助四十二億、こういうふうに、金額の面を見ますと相当程度補助対象として改善の跡が見られる。これはいいことだと思うのです。  といって、大都市の最近の事情用地取得難環境対策、そういったことを考えますと、基本的な補助対象についての考えはわかりましたけれども、もう少し実態に沿った改善措置が必要ではないのか。そういう考えに立って、本年を初年度とする第五次の五カ年計画については、もっともっと改善する余地があると思うのです。そういう点についてどのように考えてみえるのか。
  6. 山村勝美

    山村政府委員 ただいま大阪を例に補助実態を御指摘いただきましたが、大体国全体の予算、つまり、実勢国庫補助の割合の動向を見ますと、大阪A工場B工場は、四十九年着工時点におきましては、補助対象はせいぜい三〇%程度というように非常に厳しい内容になっておりましたが、五十年、五十一年度予算におきまして、補助単価を大幅に改善いたしまして、先ほど御指摘C工場につきましてはほぼ二分の一の国費が入る状況になっておりまして、現在も大体そういう状況にございます。毎年、物価高程度単価補正をいたしておりますので、ほぼ実勢と同じようなレベルに達しておるというふうに理解をいたしております。  なお、総事業費補助金対象になった事業費とは若干差がございますが、これは総事業費そのもの内容がちょっとつまびらかではありませんが、維持管理的なもののうち、門、さく、へい、植樹、芝張り、造園等は、場内の分につきましては補助対象としてきておりますが、たとえば、その工場周辺公園緑地をつくるとか老人ホームをつくるということで、施設が総事業費に入ってくる場合がございます。これは廃棄物処理の立場からつくる条件整備という意味が確かにございますが、たとえば公園緑地につきましては建設省の方に補助金制度がございまして、一つ事業体系がございます。それから老人ホームにいたしましても、福祉施設ということで別の補助体系がございます。そういうことで、廃棄物の方から補助金をつけるわけにはいかないということでございますので、そういう既存の補助制度と総合的にそういうものを進めてもらいたいというような指導をいたしておるところでございます。
  7. 田口一男

    田口委員 では具体的にお尋ねをいたします。  いま提案しておる今度の計画、この完了年度である昭和六十年度における一般廃棄物のうちで、可燃性ごみについてはどの程度焼却率目標にしておるのか。いままでの厚生白書であるとかいろいろな資料を見ますと、七〇%程度というように見ておるのですが、もっと高める必要があるのではないか。  さらに、一般廃棄物に関連をいたしまして、可燃性ごみの中には、一般家庭から塩化ビニールプラスチックのたぐいがまざって出されるという事情が最近あるのですけれども、塩化ビニールとかプラスチックを分別してどうこうするとか、また混合して焼いてしまうとか、いろいろなやり方があるそうです。後でも労働災害に関連してお尋ねしたいのですが、こういうやり方は各自治体まちまちのようですね。こういう問題に対して厚生省はどういう指導をしておるのか。混合焼却、分別しての焼却等いろいろあると思うのですが、どういう考え方なのですか。
  8. 山村勝美

    山村政府委員 五カ年計画は、これからこの法案に基づきまして、なお各省庁で調整をしながら、八月ごろに閣議決定をするという手順を予定いたしておりまして、それまでの間、数字を詰めていくことになりますが、現時点では焼却率を、一般廃棄物のうちの可燃物に対して現状八五%を九一%にまで引き上げるということを考えております。これは投資の抑制七カ年計画等による投資枠の問題もございまして、また過去の実績から見てもこれで十分であろうという判断でこういうふうに想定をいたしておるところでございます。  それから焼却をめぐっての塩化ビニールプラスチック類処理についての扱いが違っているという御指摘でございますが、プラスチックといいますのは燃えると非常に発熱量が高い。したがいまして、混入率が上がってまいりますと焼却能力が落ちたり、内部の設備が損傷したりというような問題も出てまいります。また塩化ビニールになりますと、排ガス中に塩化水素ガスという有害ガスが発生してまいりまして焼却する上で適当でないというようなことで、市町村によってはこれは燃さないという別個の扱いをしておるところもあるわけでございます。  しかしながら、一方、炉の損傷等と申し上げましたが、最近技術も発達してまいりまして、相当の高温に耐え得るような施設ができてきておりますので、むしろ一緒に燃した方が、余熱を利用して発電をしたり、周辺地域に熱、お湯、蒸気等を供給するようなことを考える場合にはいいという面があるわけでございます。  そういうふうに、燃した方がいい場合あるいは炉の関係で燃さない方がいい場合がある。燃さないということは、結局それをそのまま埋め立てるということになりますので、埋め立てる場合には、中が大体空洞みたいなものですから非常にかさばり、かつ腐りませんから、埋め立て処分地の負荷が大きくなります。そういう一長一短がございまして、一緒に燃すのがいいのかあるいは埋め立てるのがいいのかというようなことは、非常に判断しにくい部分がございます。地域事情によって異なるわけでございますので、市町村判断に任しておるという実情でございます。  なお、今後そういうプラスチックを溶かしてガス化しまして何か資源回収的なものができないだろうかという研究も、いわゆる資源化としての技術開発がぼつぼつ進んでいるようでもございますので、そういうことが技術的、経済的に可能であるとするならば、そういう方向に転換してできるだけ分別して、プラスチックプラスチックで専用的に処理するという方向一つ方向として今後検討していかなければならぬと考えております。
  9. 田口一男

    田口委員 いまお話がありましたように、たとえば塩化ビニールを燃すと塩化水素といったものが出る。それからプラスチックを燃やすと相当高熱になる。こういったことで、清掃工場等におきましては、そういったものを燃すことによって焼却炉を損傷する、また有毒ガスを発生する、せっかく燃したけれども、残った灰が二次汚染のおそれがある、こういうものが最近一般家庭からもどんどん排出されるようになっておることは御承知のとおりであります。  そこで、塩化ビニールについてはこれこれ、プラスチックについてはこれこれ、またこれこれはどういう有毒ガスを出します、そしてその結果こういった悪影響を及ぼしますという具体的なものを、厚生省としては各市町村担当部局に親切に知らしてやるといいますか、指導するということが必要なのじゃないかと思うのです。後でも申し上げたいのですけれども、現行制度で、収集から焼却最終処分について、有毒ガスを発生するもの、また焼却炉を損傷させるようなもの、こういったことについて監視体制が十分とられていないと思うのです。したがって、いまこれこれのものはこういうことになりますといった具体的な品目とその有害性を示して、それに対する監視体制をとるべきである、こういったところまで厚生省としては指導をしてもいいんじゃないかと思うのですが、どのようになっておりますか。
  10. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理法体系の中では、有害物質を特定をいたしまして、これは大体水質汚濁防止法規制されている項目に、先ほど出ました塩化水素、これは大気保全の方でございますが、そういう規制をベースにいたしまして規制をいたしておりまして、それぞれ対応するよう指導しておるところでございます。  たとえばPCBについて見ますと、これは非常に特殊でございまして、一応処分基準等は決めてございますが、これは一般家庭冷蔵庫コンデンサー等から出てまいり、かなり一般に目につくわけでございますが、これにつきましては事業者責任を持ってその冷蔵庫からコンデンサーを抜き取り、保管し、処理をする、一般廃棄物にまじらないようにするというたてまえになっておりまして、実態的にはまだ少し紛れ込むというような問題指摘がございますが、一応たてまえとしてはできております。  それから有害物につきましては、それぞれカドミウム、鉛、水銀、砒素等十数項目にわたって詳細に基準が決められておりますので、それに該当するかどうか、試験方法等も定めてありますので、チェックをしまして果たしてそれが有害なものであるかどうかという判定をしまして、適当に処分基準に従って処理をするということであろうと思うわけでございます。  それから監視体制の問題でございますが、一般に、出てくるのは産業廃棄物でございますので、産業廃棄物混入の問題ととらえることが適当かと思いますが、市町村がそういう実態をよくつかんで、たとえば、一般廃棄物というのがございますが、事業所一般廃棄物市町村が受け入れる場合がございます。産廃としますと原則的に自己処理になりますが、一般廃棄物の中に産廃が紛れ込んでくる心配がある。そういうことは個々事業所等と契約できちっと市町村処理計画に基づいてやるたてまえになっておりますので、その段階で、ある事業所からはこういうものが出るということがある程度追跡も可能でございますし、事前チェックも可能でございますので、そういう面で事前チェックをする。さらに、明らかなもの、たとえば冷蔵庫がそのまま捨てられるというようなことは、コンデンサーがついているかついていないかということでかなり識別も可能でございますので、そういうものにつきましては処分地そのものチェックも可能かと思います。  したがって、そういう未然防止一般廃棄物を所管する市町村十分意識をしまして、かつどういう廃棄物が移動するかというようなことも十分わきまえて、適正に整理をしながら対処していくということがまず大事だろうと思います。  現時点ではなお中小都市等におきましてまだまだ勉強不足で、われわれの指導も不十分かと思いますが、体制が十分じゃございませんので、市町村に対して十分知識を普及し、かつ規制内容も勉強していただくように指導したいというふうに考えておるわけでございます。  また、産業廃棄物側に対しましても、都道府県及び政令市の環境衛生指導員等が全国で一般廃棄物を含めて四千数百名おりますが、これらを動員いたしまして、漫然とやるのではなしに、有害廃棄物重点を置いた立入検査等監視指導を強めていく必要があるというふうに考えております。現在東京都におきましても、有害廃棄物を出す工場というのがきちっとリストアップされておりまして、それらを重点立入検査をしておるというような話も聞いておりますので、なお実態が伴いますよう指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
  11. 田口一男

    田口委員 いまもお話がありましたように、産業廃棄物の場合にはたてまえとして事業者責任ですから、一応これは有毒ですとか、これはこういうものが入っておりますということはチェックできるのですね。  ところが、いわゆる一般廃棄物として一般家庭から排出される分の中に、さっき申し上げたような適正処理困難な廃棄物が最近は特に多い。また有毒性のものもある。こういったことですから、ひとつこの五カ年計画の中でこういったものを製造するといいますか、出すおそれのあるメーカーについてやはり協力を要請する必要があるのではないのか。  いまの法体系は私はおかしいと思うのですね。同じ有毒性を持った適正処理困難な廃棄物でも、事業所から出せば産業廃棄物でしょう。ところが、それを買った一般家庭から排出すると一般廃棄物になる、こういう体系になっておりますから、物をつくるメーカーに対して、これこれのことはひとつ協力をしてもらいたい、焼却に当たって大変支障があるからということで、やはり厚生省としては具体的な協力要請をすることが必要ではないのか。こういう点で特に要望しておきたいと思います。  次に、計画事業達成目標について、先ほどのお答えですと焼却可能なごみ焼却率を九一%に高めていきたい、これは六十年度なんですけれども、現在の八五%を九一%に高める。ところが、高めるためには十分に機能する焼却工場を建てなければならぬ。その焼却工場を建てるのに、先ほど補助の問題で取り上げましたように、地価が上がる、環境の問題が起こる、さらに超過負担などの財政事情が起こる。こういったことで立地大変制約が加わってきておることは、私が言うまでもないところでございます。したがって、この九一%以上にまで計画を達成するためには、焼却工場を例にとりますと、付近の住民の方々の理解協力ということが大変必要になることは言うまでもありません。  私はここで地元に起こった一つの例を申し上げて、厚生省あたりやはり適正な指導をしてもらいたいと思うのですが、焼却工場をつくるところを中心にして半径五百メートル、半径千メートルの中の各所在住民に対して、こういった焼却工場をつくりたいから同意をしてもらいたい、こういう努力をその該当市ではやっておるのですが、このやり方は、この市に限ってでなくてどこでもやっておる大変巧妙といえば巧妙、ひきょうといえばひきょうなやり方をとっておるのですが、初め千メートルの関係のないところの同意書をとっておいて、そして一番焼却炉の真近にあって迷惑をこうむる地区の住民最後にする。これはなぜ最後にするかわかるでしょう。遠いところを、大阪城の外堀を埋めた例と一緒ですね。外のところを全部攻めておいて、外が同意をしておるのですからおまえさんのところが反対をするのはけしからぬ、いわゆる泣き寝入りといいますか、まあ轟沈をさせるわけですね。こういうやり方半径五百メートルの中におる住民が一番泣き寝入りをする。  泣き寝入りをするだけなら私はまあまあと思うのですけれども、千メートルのところに同意書を得るためにはっきり言ってえさを与えます。公民館を建てましょう、街灯をつけましょう。千メートルのところに全部そういうえさをばらまいておいて、最後に五百メートル以内のところは出すえさがないんです。えさと言ったらちょっとおかしいのですけれども。ですから条件で、何とか道を広げてくださいとか緩衝帯グリーンベルトをつくってくださいというようなことを言うと、そんな金はありませんよ、そういうふうな補助対象になっていませんということで、結局一番後になったということもあって、この焼却工場の真下にある住民条件を言おうと思ってももう泣き寝入りをしなければならぬ。これは私は現地へ行ってみて、初めから焼却工場理解があります、必要でしょうなんと言うからなめられてこういうことになったんだ、初めからむしろ旗を立てて断固反対とやっておったら真っ先に条件を持ってくるじゃないか、そんなやり方はだめですよと冗談まじりに言ったわけです。こういう例が、私は実例としてあえて具体的な名前は出しませんけれども、あるわけです。  ですから九一%目標を達成するには焼却工場なんかを早く建てなければならぬ。その立地制約を取り除いていかなければならぬ。その制約を取り除いていくために厚生省としてはそういう該当市町村に対してそれらの住民との話し合いがスムーズにいくように、話し合いのテーブルに着けるような環境づくりまで指導をする必要があるんじゃないか。そうでないと今度の第二次計画で九一%まで高めることが実績八〇%で済んでしまいました、その理由立地制約がございましてということになってしまうんではないか。私は今日のごみ行政考えれば考えるほどそういった点についてきめの細かい指導ということも必要なんじゃないのか、こう思うのですが、その辺のところのお考えを承りたいと思います。
  12. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおり五カ年計画を円滑に進めるためには、何せきらわれ者、総論賛成各論反対の代表のような施設でございまして、何よりも地域住民のコンセンサスを得るということが重要であるというふうに考えておりまして、従来からも建設計画の公開、さらに公害防止に係る環境の影響の諸資料を明らかにしまして、地域住民十分話し合いをするように指導をしてきております。たとえばごみ処理施設採択条件の中にも、事前調査を行い、地域同意を得たものというような制約を加えておるところでございます。  先ほど御指摘の千メートルの外ですか、周辺については盛んに条件を示して同意を得ながら、ごく近辺のものについては財政的な理由でもう条件はないというような話はまことに奇異に感ずるわけでございます。五百メートル、千メートルというという一律の尺度でどの住民の了解をとるのだということはちょっと言いにくいと思います。地域事情によりまして、あるいは廃棄物処理施設の設置の場所と居住地の距離とか、あるいは地勢とか地形とか種々の条件で、了解を得べき住民の範囲も当然変わってくるかと思います。したがいまして、そのときには地域事情に応じた範囲で住民の了解を求めることを前提として進めてまいる必要があると考えております。県を通して十分指導してまいりたいと考えております。
  13. 田口一男

    田口委員 こういったことに関連して最近は、これは一つの例ですが、清掃工場の余熱を利用して市民憩いの温水プールを併設するとか、そういった余熱利用によって周辺環境整備をするとかいったことが各自治体によって工夫がこらされておるようであります。ところが、建った清掃工場を利用した例に挙げましたような温水プールとか周辺環境整備は補助対象にならぬらしいですね。金のある自治体はできるかもわかりませんが、昨今の財政事情ですからそうそうはできない。したがって、いま言った親しまれる清掃工場といいますかこういうものにしていくために、余熱利用でこういうことをやりますよ、こういう積極的な施策に対してはある程度補助対象にしてもいいのじゃないか、そのことがこの計画をスムーズに達成する一つの手段にもなるのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  14. 山村勝美

    山村政府委員 ごみ処理施設の余熱を、周辺住民同意を得るために利便を与えることとして利用することは、かなり一般化いたしておりまして、老人ホームをつくるとか、あるいは場合によってはごく近接した住宅へのお湯の供給でありますとか、御指摘のようなプールとか公民館とかというようなところに利用されている実情にございます。たとえば主要都市について調べますと、住民福祉施設、温水プール、老人ホーム含めまして約四〇%以上がすでにそういう施策を講じております。さらに発電につきましては一四、五%のものが利用しておりますし、地域暖房をかなり計画的にやっているのが数%ございます。  そういうふうにごみ処理そのもののエネルギーをもってサービスに充てていくということは非常に大事なことと思っておりまして、従来そういう利用に関する施設に対して一部補助をいたしております。たとえば発電施設につきましては自家発の施設内での利用あるいは外への売電を含めて補助対象として考えております。また福祉施設等につきましてもその施設工場を出るところまでは廃棄物処理施設ということで補助対象にいたしております。それから先につきましては先ほど申し上げましたように、老人福祉施設あるいは体育館等は別の補助制度がございますので、その中で考えていただくというふうに責任分担といいますか割り振りをしております。
  15. 田口一男

    田口委員 次に、清掃工場における労働災害の問題について二、三具体的事実を挙げてお聞きしたいのです。  御存じだと思うのですが、去年の九月四日滋賀県の彦根市清掃センターで、センターの職員が硫化水素ガス中毒によってわずか一時間ちょっとの間に五名も死亡するという痛ましい事故が起こりました。私はしばらくたってから現地に調査に行ってみたのですが、一言で言いますと、その清掃センター、清掃工場の管理者、市当局も、労働安全ということについて全く理解がない。事故の内容についてはすでにもう報告を受けておると思いますから繰り返す必要はありませんが、先般滋賀県の労働基準局が勧告書を出しておりますけれども、その勧告書によってもこういう事実があるんですね。  衛生管理者を選任していなかった。これは労働安全衛生法の違反です。それから安全委員会及び衛生委員会を設けなかった。それから酸素欠乏危険作業主任者に労働者の指揮、酸素濃度測定の職務を行わせなかった。作業を開始する前に浄化槽、汚泥導入槽内の空気中の酸素濃度を測定しなかった。そのほか具体的な同法違反の事実を指摘をしておるのです。  これだけ見ますと何のことかわからぬと思うのですが、汚水槽の中に、空でしたけれども、どうもおかしいというんで二人が先に入っていったんですね。ところが戻ってこぬ。どうしたんだと言ってまた二人行ったら、それも死んでしまった。おかしいじゃないかと言ってまた一人行ったら、それも死んだ。結局、酸素欠乏というふうなことについて、労働基準局が指摘をしていますように、ふだんからそういう危険なところですよということを全然表示もしていない。そこで、一一〇番をしまして消防署の救急隊がやってきた。救急隊はプロですから、命綱をつけて中に入った。入って二、三分すると命綱を引っ張ったものですから、無理して上げたら半死半生だったというんですね。したがって、正確に言うと五・五人の死亡者が出た。命綱がなかったらその消防救急隊員も死亡しておる。  こういう事故なんですが、私は九月四日の事故があってから約三月たった十二月二十日に調査に行きましたけれども、その時点でなお、いま基準局から指摘をされておるような安全委員会とか衛生委員会の設置がないし、それから酸素欠乏の危険個所といったような表示もない。こういう大変な状態であたら五名のとうとい命を失ったのですけれども、こういうことが単に彦根で起こったという、彦根だけの問題である、私はそうは見ないのですね。  その証拠に、これまた昨年の十二月二十八日、御用納めの日ですけれども、同じような原因で千葉県の市川市で三名死んでいる。  こういう事態を主管省としての厚生省は一体どういうふうに認識をしておるのか。まず、そこのところから基本的にお伺いをしたいと思うのです。
  16. 山村勝美

    山村政府委員 彦根市、市川市での酸欠事故、まことに残念なことと思っております。  彦根市につきましては、早速担当課長を現地に派遣しまして実情調査に当たらせたところでございまして、御指摘のような内容であったと承知をいたしております。市川の場合にもほぼ同様でございますが、それに対しまして現在までの指導方針を申し上げますと、施設の構造指針の中で安全対策を講ずるように書いてございますし、特に問題の多い保守点検の段階では、具体的に手引き書をつくりまして指導をしておるところでございます。  また、この事故を背景といたしまして、本年一月の全国主管衛生担当部長会議及びその後の主管課長会議におきましても、この事故を紹介し、安全対策の強化について指導をしたところでございまして、今後そういう趣旨がなお徹底いたしますように、たとえば全国の技術管理者のブロック研修会というようなものも関連の団体をわれわれは後援をしながらやっておりますので、繰り返しそういう意識が徹底いたしますように指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  17. 田口一男

    田口委員 私は問題にしたいのは、九月にそういった痛ましい事故が起こった、それからわずか半年の十二月末にまた同じような事故が起こった、東と西ですけれども。そこで、きょう参考人として私は呼びたかったのですが、市川の場合も彦根の場合も、焼却施設メーカーはタクマというメーカーですね。ちょっと調べてみますと、全国で大体二千ぐらい、正確な数字はなんですが、焼却工場のそういう施設はたいていはタクマの施設であると聞いておるのですけれども、同じ原因で同じ事故が起こっておるということに対して、市川については後ですからさておくとしても、一遍に五名も死んだという痛ましい事故に対して、厚生省メーカーに対して、メーカーが納入をしておる各自治体の焼却工場をもう一遍点検したらどうかというふうなことはその際やらなかったのか。もしそのことによってやっておれば、もしということですからなんですが、市川の事故は起こらなかったのではないか。  それから労働省も、そういった彦根の痛ましい死亡事故が労働安全衛生法に違反をしておることは明確であるとするならば、それに類似をした全国の焼却清掃工場に対してもさらに安全衛生について徹底を期すべく、これは通達なり指導なりを出すべきではなかったのか。調べてみますと、昭和四十二年一月十七日に基発第四十六号で、清掃事業における労働安全衛生教育の徹底、こういう通知を出したきりなんですけれども、去年の彦根の事件によってもう一遍そういう指導、通達を出すべきではなかったのかと思うのですが、その辺の対応はどうだったのか。また、こういう労働安全衛生法に規定するような職場の労働安全についてふだんどういう指導基準監督署を通じてなされておるのか、その辺を労働省からもお伺いをしたいと思うのです。
  18. 山村勝美

    山村政府委員 個別メーカー指導というのは、直接われわれがやりにくいのでありますが、県を通して当該県が直接的にやっておるというふうに承知をいたしております。  この問題は、きわめて初歩的な、事故が起きて少しあわてたというようなこともありましょうが、酸欠事故というのは廃棄物処理についてはきわめてよく起こりがちなものでございまして、過去におきましても毎年のように、たまたま五十五年は大きく集中して各方面に心配をかけたわけでありますが、問題のきわめて初歩的な部分がありますので、そういう問題が起きるんだという意識の徹底を繰り返し行っていくということかと思います。  それから、またメーカーにおきましては、一応構造指針に乗っかったものがつくられております。問題は、それを管理運営する技術レベルからしますれば、メーカー技術陣と、特に中小都市の技術陣では、最近かなり近代化もしておりますので技術的なレベルの差もありますから、親切な保守点検要領といったものをきちっと手渡してやるべきだろうと思っておりまして、そういうふうに指導してまいりたいと考えております。  直接的には労働安全衛生規則に係る問題でございますので、労働省とも十分連絡をとりながら指導してまいりたいというふうに考えております。
  19. 山田正美

    ○山田説明員 お答えいたします。  労働省といたしましては、先生御指摘のとおり昨年の九月に彦根工場で悲惨な災害がございまして、私ども従来、これも先生先ほど御指摘がありました昭和四十二年一月十七日付の基発第四十六号通達、すなわち「清掃事業における労働災害の防止について」という通達に基づきまして対策を推進してきたわけですけれども、五十五年九月の災害を契機といたしまして、実は昨年十月二十四日付で基発第五百八十九号という通達を発しまして、この彦根におきます災害の反省として考えられますことは、これも御指摘がありました当該場所が酸欠場所であるという理解自体が事業者に不足しているというようなことがありましたので、その基本的なところから指導するようにというような通達を全国に発しまして、対策の推進をさらに図ったところでございます。  それで、千葉の市川工場の場合にも、実は私どもが発しました通達に基づきます集団指導等を実施しておりまして、これは千葉で実施しておるわけですが、この市川工場職員もその指導には参加しているというふうに聞いております。  なお、先ほど御指摘のありました昭和四十二年の通達につきましては、従来からこれで推進しておるわけですけれども、その後の関係規則の整備あるいは作業工程の変遷、さらには新しい種類の災害の発生というような事態を踏まえて、その内容の見直しを含めて今後さらに対策の強化を図ってまいりたいと考えております。
  20. 田口一男

    田口委員 お願いをしたいことは、彦根、市川のこういった痛ましい事故を二度と起こさないということが一番大事なのでありまして、そのために厚生省、労働省協力して全国の清掃工場についての総点検をやっていただく必要があるのではないのか、ひとつその計画、そういった考え方をお聞かせをいただきたい。  それから、前の補助金のことにまた戻るのですが、金が足りないからこうなったのだ、そこまでは言いませんけれども、この彦根の清掃工場に行ってみましたら、パンフレットを見ますと滋賀県一のりっぱな近代的な清掃工場というふうに書いてあるのですけれども、清掃工場内は薄暗いし、動いておる機械にカバーがかけてないとか床がぬるぬるしておるとか、どうも滋賀県一と言うにしてはちょっとと思うような、外見は新しいですけれども、どこかけちっておるような感じがするのです。これもやはり補助金が足らぬのでけちったのかなという気もするのですが、普通、一般建物を建てるときでも、建築基準法に従ってスペースはこれだけなければならぬとか明かりはどうだこうだということがあると思うのですが、清掃工場の構造基準についてもやはり見直していく必要があるのではないか。  それから、事故に関連して除じん装置、それは普通、焼却工場の炉を全部とめてしまって、冷たくなった状態の中でマスクをかけて掃除をするのが常態なんですが、炉をとめておくと次のごみが焼けぬものですから、まだほかほかと湯気のあるうちに防じんマスクをかぶって除じん作業をするわけです。熱いものですから、そこに入って働く労働者の諸君は防じんマスクを取ってしまう。そこでやけどをしたり失神をしたりということが間々あるそうですが、こういった作業基準、それから安全基準について、産根の問題、市川の問題にかこつけて言うのではありませんが、この際見直していく必要があるのではないのか、このことはどうでしょう。
  21. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のような事実があるようでございますが、除じん装置の掃除等につきましては、先ほど申し上げました保守点検の手引きといったテキストの中に具体的に書いてございまして、御指摘のような点についても注意をいたしておるところでございます。何せ複雑な施設なものでございますので、留意すべき部分が非常に多いと思いますが、なお細部にわたって徹底いたしますように指導してまいりたいと考えております。
  22. 田口一男

    田口委員 最後に、これも労働災害に関連をしてです。  これは、頻発という言葉を使っても言い過ぎではありませんが、小さなライターを一般家庭からごみにほうる、それから何とかスプレーというものもそこにほうる、それを収集して焼却炉へほうり込んで爆発をして、そこの清掃労働者が大変なけがをする、ガラスで手を切る、足を切る、こういうことは日常茶飯事のように清掃工場では行われておるわけです。直営で一自治体のごみ収集するということになればある程度チェックも可能なんですが、最近では収集一般業者に委託するケースも多いものですから、その業者は、A市とB市の二つの自治体にまたがって収集をする。したがって、A市では一般廃棄物だけれども、B市の場合には事業系のものも混載されておるということもあるわけであります。したがって、環境衛生貝とかいう諸君がおると思うのですが、そういった拡充を図ってチェックを厳にするとか、そういった清掃工場における大小の事故を防いでいくための具体的な措置について、この第五次計画を発足させるに当たってひとつ十分に徹底を期してもらいたい、こう思うのですが、それに対するお考えを伺って終わりたいと思います。
  23. 山村勝美

    山村政府委員 一般廃棄物は、市町村は直営または委託とかいう形で処理をしていくわけであります。その廃棄物事業計画につきましては、市町村計画を策定して、たとえば事業廃棄物につきましては事業者みずからしなさいとか、では処分場へ持ってきなさいとかいうような具体的な処分方法、場所、そこらを指定することができるわけでありまして、基本的には市町村の強い監督下でやられておるわけでございます。したがいまして、第一義的には市町村がそういう実態認識を持って指導監督を徹底していくということであろうかと思いますが、さらにその適正な業務の執行、市町村監督する立場から、都道府県、政令市も環境衛生指導員等が具体的な指導をしていくことが必要であろうと思うわけでございます。  それからガスライターとかボンベとかいうような話も出ましたが、そういう揮発性のものが入っているようなものにつきましては、穴をあけて出すとかいったようなことを各個人の家庭を含む排出者によくPRをしていく。さらに、市が分別収集をする際には具体的な手を打つように協力の徹底を呼びかけるとかいうようなことで、市町村自体が責任を持って指導していくということが基本であろうというふうに考えておるところでございます。
  24. 山下徳夫

    山下委員長 栂野泰二君。
  25. 栂野泰二

    ○栂野委員 私の地元の松江市に忌部川という川の水を取り入れた千本ダムというダムがあるのですが、これは松江の中心部の生活用水を賄っている大変重要なダムでございますが、昨年の十一月二十六日に市の水道職員がそのダムの水の様子がおかしいということで調べた結果、次のような事実がわかったわけであります。  ダムから三キロばかり上流の付近の谷合いに約五千平米の休耕地があるのですが、これを市内の建物解体業者が数年前から借りまして、古タイヤ、ビニールパイプとか建築廃材などの捨て場にしていたわけであります。どろと一緒に埋めて、それが積もり積もって高さ五メートル、二万トンぐらい、トラックで三千台分、こういうことで、もういっぱいになったからということで発見の四、五日前に燃やしたわけですね。そこへ二、三日後に雨が降った。そのためにその燃えかすが忌部川に流れ出て、約百メートルぐらいの距離がありますが、それが千本ダムに流れ込んだ、こういうことであります。市の水道局ですぐにダムの給水を中止して調べたわけですが、幸いに有毒物質は検出されなかったわけであります。しかし、とてもじゃないが臭くて使い物にならない水になってしまったので二カ月ばかりはダムが使えなかった、こういう事件でございます。もしこれに有毒物質が入っていたとしたら、これは大変なことになったわけであります。  ところで、この捨て場は産業廃棄物一般廃棄物がまざって捨てられていたわけですが、全くの無届け、数年間県も市当局も言ってみれば放置していた、こういうことになるわけでありますが、こういう問題が起こったという報告は厚生省聞いておりますか。
  26. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のような内容を承知いたしております。
  27. 栂野泰二

    ○栂野委員 これは一松江市で起きた大変特異な例というならば問題はないのでありますが、そうではなくて、現在の廃棄物行政の現状からいいますと、恐らく全国至るところで起きる可能性があるように私は思います。そこが大変問題なわけでございまして、この事件に関連して以下お尋ねしたいと思うのでございます。  行政管理庁の方に伺いますけれども、行政管理庁では昭和五十五年度の「新規行政施策の定期調査結果」というのを出しておられます。これは三月末日に各省に通知があったようでありますが、この中に「廃棄物処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律の施行状況に関する調査結果」というのが載っております。この調査の目的と調査内容を、項目だけで結構ですから簡単に述べていただけますか。
  28. 島田正

    ○島田説明員 お答えいたします。  この調査は、毎年度新規に発足する行政施策について、発足後一年、大体おおむね五年経過後に行う新規行政施策の定期調査の一環として実施したものでございます。これは一廃棄物処理及び清掃に関する法律の一部改正がありまして、それによって処理委託基準の設定とか処理責任者の設置等、いわゆる事業者産業廃棄物処理に関する規制、こういうものが規定されましたのと、またいわゆる処理業者に対する規制としましては、欠格要件の整備とか事業範囲の変更の許可の新設、それから許可に当たっての期限の設定等の規制が加えられましたので、その施行状況とかその後の実施による効果というものを調査しましたもので、その結果は、いまお話のありましたように、三月三十日付で当庁の事務次官から厚生省に通知しております。  それで、今回調査した結果の内容をかいつまんで申しますれば、この改正法によりまして廃棄物処理の適正化に相当の効果を上げているものと見られるのですが、今回調査しました結果では、事業者とか処理業者の中にはこの一部改正法の部分についての規制が必ずしも十分励行されていないというような状況もなお見られましたので、産業廃棄物の適正な処理を確保するために、事業者に対する処理委託基準の徹底とか産業廃棄物処理業者に対する事業廃止とか、それから主要施設の変更等の届け出の励行とか産業廃棄物処理施設に設置することとされている技術管理者の設置、そういうものを促進するというようなことで都道府県を指導するように、厚生省の方に通知したわけでございます。  以上です。
  29. 栂野泰二

    ○栂野委員 あらかじめいただきました資料によりますと、調査員は北海道、神奈川、愛知、兵庫、広島、福岡、この六道県の県庁所在地の各政令都市、こういうことで事業者数が三十七、処理業者数が三十八ということのようですが、これを拝見いたしますと軒並みに法律違反があるようであります。業者が、事業者処理業者を合わせると合計で七十五事業者ということになりますが、延べで違反件数が五十一件ですから六八%ということになる。しかも、特にある問題について違反が多いというのではなくて、いまおっしゃいました調査項目のほぼ全面にわたって、全地域にわたって違反がある。この法律の五十一年改正の趣旨からいいましてこれはよほど厳格に守ってもらわなければ困るのでありますが、それにもかかわらず六八%の違反例が出る。これは調査が七十五件ですが、恐らくこれは全国的な問題だろうと思うのですね。法律違反がこれだけに上るというのは大変異常なことだと思いますが、一体この原因は率直に言ってどこにあると管理庁ではお考えになったですか。
  30. 島田正

    ○島田説明員 お答えいたします。  これは一部の処理業者あるいは事業者において委託の経費の節減とか処理経費の節減、そういうものを図ろうというようなものがありましてそういう結果が出ておるのではないかと考えております。
  31. 栂野泰二

    ○栂野委員 排出事業者も悪いし処理業者も悪いのでしょうが、問題は、いまおっしゃいましたようにもっと指導を強化するようにということを厚生省に申し入れたことになるのでしょうけれども、しかし自治体に幾ら指導強化してくれと言っても肝心の指導体制が整っていなければ同じことが続くと思うのですが、この指導体制については行管の方は調査されませんでしたか。
  32. 島田正

    ○島田説明員 一応都道府県の指導体制等についても調査いたしましたが、これは都道府県の問題でして、私どもは調査結果によって直接その増員等のことにつきましてはそういう関係で触れておりませんが、今後厚生省等を通じてその指導強化の徹底を図る上でいろいろと御配慮いただきたいとは思っておる次第です。
  33. 栂野泰二

    ○栂野委員 厚生省はこの行管の調査結果を受けてどうお考えですか。
  34. 山村勝美

    山村政府委員 産業廃棄物につきまして五十一年の法改正以降もう数年たつわけでありますが、いまだに必ずしも適確に行われていないということはまことに残念に思っておりまして、指導を強化してまいりたいと考えておるところでございます。  行管の方からの指摘につきましても詳細に承っておりまして、どういう点に問題があるかという点につきましては先ほど行管の方から御指摘があったところでございまして、やはり全体についてなおまだ弱いという感じでおるところでございます。  これをどのように対処していくかということでございますが、たとえば不法投棄なんかを見ましてもあらゆる公害事犯の中で七五%が廃棄物であるというようなことで、これは現物を残していくという、つかみやすいというような事情もあるようでございますが、いずれにしましてもゆゆしき問題であるという認識をしておりまして、指導監視体制はぜひとも強化していかなければならないと考えておるところでございます。
  35. 栂野泰二

    ○栂野委員 いろいろ問題が多いのでありますが、時間の関係もありますから一、二しぼってお尋ねしますけれども、環境衛生指導員についてお尋ねをいたしますが、先ほどもちょっと環境部長触れられましたが、環境衛生指導員というのは一体どういうことをするものですか。
  36. 山村勝美

    山村政府委員 環境衛生指導員は都道府県及び政令市におきまして管轄下の一般廃棄物あるいは産業廃棄物の適正な処理が確保されるよう立入検査等をして監視指導する役割りを果たすものでございます。
  37. 栂野泰二

    ○栂野委員 この環境衛生指導員は、処理法二十条を見ますと県と政令指定都市に置くと書いてありますから、これは必ず置かなければいけないのでしょう。
  38. 山村勝美

    山村政府委員 必ず置かなければならないとは書いてございませんで、立入検査その他監督指導に当たる者としてそういうものを任命するということが書いてあるわけでございます。
  39. 栂野泰二

    ○栂野委員 それはおかしいですよ。この二十条は、前の方は省きますが、「環境衛生指導員を置く。」と書いてある。置くことができるなんて書いてないです。「置く。」と書いてある。置くという言葉は法律用語としては必ず置かなければいかぬですよ。
  40. 山村勝美

    山村政府委員 ちょっと思い違いをいたしておりましたが、必置でございます、必ず置くということでございます。
  41. 栂野泰二

    ○栂野委員 そこで、全国の都道府県、政令都市にいま何人こういう環境衛生指導員が置かれておりますか。
  42. 山村勝美

    山村政府委員 総数で四千百十名でございます。そのうち産業廃棄物として直接やっておりますのが千九百五十七人でございます。
  43. 栂野泰二

    ○栂野委員 その中で環境指導員専門にやる人、専任されている人は何人いますか。
  44. 山村勝美

    山村政府委員 専従が百三十六名でございます。
  45. 栂野泰二

    ○栂野委員 そういう実態だろうと思うのですね。結局、環境衛生指導員といいましても、保健所の職員の人が補職でやったりあるいは本来の環境衛生業務を持っている人が何かあったときに立入検査その他に出かけるということだけでして、一体、四千百十名といいますと、いかにも環境衛生指導員がきちんとやっておられるように聞こえるのですが、専任は百三十六名しかいない。各県、各指定都市で一人も専任指導員のいないところがあるんじゃないですか。その内訳を言ってください。
  46. 山村勝美

    山村政府委員 先ほど環境衛生指導専従職員の数を百三十六と申し上げましたが、これは府県の分でございまして、なお政令市の分として二百十五名ございますので、トータル三百五十一名ということでございます。県及び政令市においてゼロというところもございます。
  47. 栂野泰二

    ○栂野委員 ですから、いま行管から御指摘がありました、厚生省もこれからいろいろ指導体制考えなければいかぬとおっしゃいますが、こんな状態では、とてもじゃないけれども指導体制はできてこない。これはいろいろ県によっては事情が違うのでしょうが、必ず何名か専任の環境指導員を置くということを厚生省は強力に指導していただかなければ困るのですが、いかがですか。
  48. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおりかと思いますが、専従を置いてそれだけに当たらせるということが果たして能率的であるかどうかという問題も、都市あるいは県によってはあるように承知をいたしております。たとえば、ある地点に行った場合に幾つかの仕事を処理していくといった方が行政監視等の能率の上で非常にいいというような話も聞いておりまして、兼務であるからどうこう、全然だめだというようなことは一概には言えないように私は理解をいたしております。  いずれにしましても、なお体制が弱いというふうに認識をいたしておりますので、拡大について指導してまいりたいと思いますが、御案内のような財政事情でもございますので、いきなりふやすというような身勝手なことは、指導はいたしましても限界があると思いますが、できるだけ問題点をしぼって重点的に効率的な監視、指導を行うことについてもあわせて指導してまいりたいというふうに考えております。
  49. 栂野泰二

    ○栂野委員 部長、この環境衛生指導員というのは、何かあったときに立ち入ったり検査したり、自分だけがやらなければいかぬことはないですね。十九条を見ますと、都道府県なり市町村がその職員を派遣してやればいいのですね。ですから、あくまでも指導員なわけでしょう。ですから、産業廃棄物だけじゃなくて一般廃棄物も含めて、県、指定都市だけじゃなくて恐らくその県内の全部の市町村の係官の指導に当たるということですから、それが専任が一人もいないというのでは、これはとてもじゃないけれども監督指導体制はできない。いろいろ地方自治体との関係もありましょうが、これは必ず置くようにひとつ各自治体とあるいは自治省とよく御相談いただきたいと思うのでございます。  そこで、ごみ捨て場は、現在は一般廃棄物につきましては千平方メートル以上のごみ捨て場について届け出義務がある、こうなっておりますね。ところが実情は、もっとこれ以下のごみ捨て場がたくさんできているのですね。そういうところに不法投棄がどんどん行われているということですから、この千平方メートル以下ならば届け出も何もしなくてもいいということは、もう改正すべきじゃないんでしょうか。もっと面積の小さいものも少なくとも届け出はさすということにすべきじゃないんでしょうか。
  50. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理法におきまして、有害産業廃棄物につきましては面積のいかんを問わず一〇〇%届け出を義務づけておるところでございますが、その他の産業廃棄物につきましては、御案内のとおり千平方米以上、あるいは安定型といったような場合には三千平米以上というすそ切りをいたしておるところでございます。実態を必ずしも十分把握いたしておりませんが、ある調査によりますと、千平米以下のものは数としては非常に少ないというふうにも承知をいたしておるところでございまして、そういう実態も踏まえて考えていかなければならぬと思いますが、先生御指摘のようにそれ以下についても問題があるじゃないかということは、そのどおりと思いますので、よく実態を調べまして検討させていただきたいと思います。  なお、産業廃棄物処理業者の許可、これは埋め立て処分をする産業廃棄物処理業者の許可に当たりましては、どういう処分地を持っておるんだということはチェックされますので、そういう許可に伴う場合、あるいはその変更も同様でございますけれども、許可に伴うあるいは変更に伴う部分につきましてはやはりチェックがされておりますので、千平米以下についてはカバーされておるという実態もございます。念のため申し添えます。
  51. 栂野泰二

    ○栂野委員 まあいずれにいたしましても、私いま最初に地元の例を申し上げました。これは五千平米ですけれども、現状もっともっと規模の小さい捨て場がたくさんあるようだし、これからますます土地取得難になってくれば規模が小さくなるという傾向がありますから、少なくとも届け出で済むわけですから、届け出義務の範囲はもう少し厳格にしていただきたい、こう思うのでございます。  それから行政管理庁にもう一度伺いますが、同じ調査で埋立処分地施設整備費補助事業の施行状況についての調査を行っておられます。この調査結果ですね。現在この補助事業は、埋め立て処分可能期間が五年以上であって、かつ埋め立て面積が一万平方メートル以上とされているほか、いろいろ要件がありますが、ところが実態を当たってみると、用地の確保難や住民同意を得ることが困難だということから、市町村では補助基準に合致しない比較的小規模の施設整備を単独事業によって進めているものが多い、こういう指摘がございます。  そこで、「今後の検討課題」として、そういう実態があって、つまり補助金が十分活用されていないということでしょう。そこで「本補助事業による埋立処分地の整備を今後とも計画的に推進していくことが必要と思われる」と書いてある。この「計画的に推進」というのはどういう意味ですか。
  52. 島田正

    ○島田説明員 お答えいたします。  確かに先生のおっしゃるとおり、今回六道県について見ましたら、市町村単独事業補助金によらないでやっている事業が、埋め立て処分地の整備が相当多かったわけで、その原因について見ますと、用地難とか住民同意を得ることが困難ということでその整備がますます困難になっている状況があります。そういうことから、比較的手がけやすいそういうものを整備しているのではないかと思われる節があるわけです。  そういうことであって、今後はますますこういうものが確かに困難になるわけですが、埋め立て処分地というのは廃棄物を適正に処理する上できわめて重要なものでありますので、今後とも埋め立て処分地の必要量を的確に把握して長期的視野に立った整備計画を立てて、それに基づいて早期に適地の選定とか用地の確保等に着手するということなどによりまして、計画的に行うことによって、本補助事業実施が効果的に推進される必要がある、そういうような趣旨でこれを述べておるわけです。
  53. 栂野泰二

    ○栂野委員 これは素直に読みますと、現状では埋め立て面積が一万平米以上、それから処分可能期間が五年以上と言われても、特に面積ですが、実際もう土地の取得が困難になっている。そこでそういう厳格な要件をつければ、せっかく補助金制度があってもその補助金が有効に使われない。一方では、市町村は仕方がないから小さな規模のものでも単独事業としてやらざるを得ない。こういう事情があるのだから、本当は補助金対象をもっと要件を緩めたらどうかと言わなければいかぬけれども、行政管理庁がそう言うわけにいかぬでしょうからいまのようにちょっとわかりにくい説明をされるんだろうと思います。  そこで厚生省、この点は市長会なり町村会からも非常に強い要望があるのですが、現状にかんがみ補助金の要件をもう少し緩和をするということは考えられませんか。聞くところによりますと、ごみ焼却がだんだん進んできますから、二十万都市ぐらいで七千平米の用地が確保できれば七、八年の処分可能期間、そういう埋立地をつくることはできるんだ、こういうことを言う向きもありますが、その辺も考慮に入れて補助事業対象となる埋め立て処分地の要件緩和ということを御検討願えませんですか。
  54. 山村勝美

    山村政府委員 最初にお断りする必要があろうかと思いますが、行政管理庁のああいう文書が出る段階でもどうもわれわれ事務方の連絡不十分でございまして、補助対象にしておりますのは五年分かつ一万平米ではございませんで、五年分または一万平米でございます。これはあらかじめ御訂正願いたいと思います。  それで、交付要綱では明らかにそういうことになっておりますので、せっかく埋め立て処分場をつくるわけでありますので、仮に千平米でも五年分ぐらいの先行はやるべきであろうということで、五年分の方で相当部分は救われているというふうに考えておりますので、御理解願いたいと存じます。
  55. 栂野泰二

    ○栂野委員 その辺ちょっと私誤解があったようであります。いずれにしましても、私の誤解でございますが、現在の制度ではきつ過ぎるという意見があるようでございますから、ひとつその辺は御検討願いたいと思います。  そこで、今回の緊急措置法改正が成立した場合に、整備計画はいつごろおつくりになりますか。
  56. 山村勝美

    山村政府委員 八月の予算時期には間に合わしたいという予定でございます。
  57. 栂野泰二

    ○栂野委員 ここでこの法律案の参考資料を拝見しますと第四次計画が書いてあるのですが、これを拝見しますと整備計画というのはこの資料では二ページから三ページ、言ってみれば紙っぺら一枚、非常に簡単なものですね。いま八月ごろまでにつくろうとおっしゃる今度の第五次計画も、文書としてはこの程度のものをおつくりになるつもりですか。
  58. 山村勝美

    山村政府委員 表書きは大体こんな感じでございますが、付属資料としてその内訳をつけることになっております。
  59. 栂野泰二

    ○栂野委員 そこで第四次計画を拝見いたしますと、たとえば焼却処理施設関係家庭ごみの六八%というのが目標になっておりますが、粗大ごみ処理施設最終処分場についてはパーセンテージが出ていませんね。これはどういうわけでしょうか。今度の第五次の処分整備計画には、焼却処理施設だけではなくて粗大ごみ処理施設、それから埋立地等についても目標として幾ら幾らということをはっきりさせるのですか。させるとするとどういう目標値になりますか。
  60. 山村勝美

    山村政府委員 従来五カ年計画内容を見ますと、一番事業費の中で大きいのは焼却施設及び屎尿処理施設部分でございまして、この二つで大体六十数%、三分の二を占めておるということで、最も主たる施設としてこういう表現をいたしております。付属資料の中でできるだけ明らかにするということでございますが、埋め立て処分場をどういう形であらわすか。何万、何億立米分であるとかいうようなことも考えられますけれども、どういう指標がいいかちょっと迷っておるようなところもございまして、よく検討さしていただきたいと思っております。
  61. 栂野泰二

    ○栂野委員 この第四次計画実績というのがこの資料の六ページ、七ページに書いてあるのですが、これを見ますと、埋め立て処分地につきましては第四次では七百二十八施設目標になっていたが結果として三百二十六施設、達成率四四・八%とありますね。これはなぜ四四・八%にとどまったのか、施設でなくて容量でいきますとどうなるのか、お答え願いたいと思います。
  62. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおり施設の数でいきますと四五%程度の達成率でございますが、事業費で見ますと一一七%ということで、予定した事業費よりも大きくなっておるようでございます。したがいまして、従来考えておった施設平均規模よりもかなり大きなものが整備されたのではなかろうかというふうに考えております。  全体的な評価といたしましては、五十年からずっと経年的に全国の埋め立て処分の残余容量を調べてみますと大体七年前後でずっと推移をしてきておりまして、目標は確かに四五%でしたが、その残余容量が少なくなったとかそういうようなことではございませんで、大体増加してきた要処分量はカバーしてきたというふうに読んでおります。
  63. 栂野泰二

    ○栂野委員 先ほどもちょっと問題にしましたように、いま埋め立て処分地をつくるということは非常に大問題でございます。  そこで、せっかく五カ年計画をつくるならば、国としては容積で五カ年間にどれぐらいつくるのか。一般廃棄物が町村の固有事務と言われるのは、本来自分の行政区域内で出たごみは自分の行政区域内で最終的に処分するということが原則だろうと思うのです。そういうことから言いまして、国が全体から見てこれぐらいだと言うだけではなくて、各市町村を全部洗ってみて、およそ実情がどうなっているのか、五年間でどこにはどうしてもらいたいか、それがわかるような整備計画を出してもらわぬと、これはせっかく整備計画を出してみたって、法律の中には第四条第二項に「地方公共団体は、廃棄物処理施設整備計画に即して、廃棄物処理施設の緊急かつ計画的な整備を行なうように努めなければならない。」とある。つまり、国がこれからつくられる第五次の整備計画に従って市町村も自分のところの計画を立てるように努力しろ、こうあるわけですから、ここのところの関係を見ますとやはりもう少し具体的にしてもらわなければせっかくつくる意味がない。具体的に数字を出し、もう少し詳しく基準になるようなものにできない何かそういう問題でもあるのでしょうか。
  64. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理五カ年計画は、従来からそうでございますが、各個個別事業の積み上げ方式はとっておりません。これは埋め立て処分施設に限らずごみ処理施設につきましても屎尿処理施設についてもそうでございます。  趣旨は、まず資金枠を確保するというところに重点を置いた計画でございます。個別に積み上げられない。かつて、いろいろ調査をしまして積み上げた経緯もございます。が、実際それが実行段階に入りますと、市町村はそのつもりであっても土地が買えないとか周辺住民との了解が得られないとか等々で、積み上げても全く意味のない内容になってしまう。せいぜい積み上げたうちの三割ぐらいしか手がつかない、そのほかの積み上げられなかったものが六割も七割も入ってくるというような実態も経験いたしまして、積み上げることはかえってマイナスではないかというつもりでこういうマクロ的な推計をし事業費を確保していく、事業の量を確保していくということに重点を置いているものでございます。
  65. 栂野泰二

    ○栂野委員 それにしましても、厚生省からいただいた資料を見ましても、ここのところ大体年間二%ずつ一般廃棄物は増加傾向にありますね。この傾向は恐らくずっと続くのでしょう。多くなっても少なくならないと思います。こういう実態を踏まえまして、この五カ年間に国全体として埋立地を最低これだけは確保しなければならぬということはあると思うのです。  そこで、市町村がせっかく計画を立てたってどうにもならないというならば、それはいろいろ協力してあげなければいかぬということになりますので、フェニックス計画もいいんでしょうが、こんな膨大な受け皿を準備する前に、先ほど申しました市町村が大変困っている、その当面の処理を一体どうしてやるのか、その基準はどうしても示さなければならない。いま段階厚生省としてはおよそこの第五次の整備計画で容積でどのくらいの埋め立て処分地を確保すべきかということは算出していませんか。
  66. 山村勝美

    山村政府委員 今後閣議決定までに詳細に詰めたいと思っておりますが、現在大体五カ年間で一・七億立米ぐらいのものは確保する必要があろうというふうに考えております。貴重な国土を使いあるいはフェニックスのように貴重な海面を使うということが実態でございますので、できるだけ減量化資源化を図って、最終的に埋め立てられる部分を少なくするという努力はしなければならないと考えております。現在の試算では、たとえば五十五年度現在、総排出量に対して四七%が埋め立て処分に回っておるのが、これが推定値として算出をいたしておりますが、六十年目標におきましてはそれを三六%ぐらいに引き下げたいというふうに約三分の二にいたしたい、これは資源化及び焼却による減量等々、減量化施策を総合しての話でございます。
  67. 栂野泰二

    ○栂野委員 時間がありませんから次に移らしていただきますが、ちょっと空きかん問題について質問をしてみたいと思うのであります。  環境庁見えてますか——環境庁では一月三十日付で空カン問題検討会の報告書というのを出しておられますが、読ましていただきました。この日に同時に関係十一省庁で空カン問題連絡協議会というのがつくられる。それからこの四月の十三日には空きかん処理についてもう少しPRを徹底して何とか住民協力を願う等、できるだけのことはやろうという、まあそういう趣旨でしょう、PRを中心にした指導文書のようなものが出されているわけです。一歩前進であることは評価いたしますけれども、問題になりました肝心のデポジット制の導入については環境庁の検討報告書でも見送られておりますから、その後の連絡協議会で一体どの程度の論議が進んでいるのか、もう全然やる気がないのか、それともやる方向で検討をするというのか、その辺時間が余りありませんから結論的にひとつ御説明願いたいと思います。
  68. 浅野楢悦

    ○浅野説明員 空きかん問題に関します環境庁の検討経過につきましてはただいま先生から御説明があったとおりでございます。私ども環境庁が一応取りまとめ役をさせていただいております空カン問題連絡協議会の運営につきましては、各省と諮りながらその運営の方向等を定めていっておるわけでございますが、大まかに申し上げますと、先ほど先生からお話のありましたようなPRを含めまして、国としてできることはできるだけ早期に着手をし、実行に移していこうというのが基本姿勢でございます。  なお、デポジット方式の問題につきましては、先駆的には京都市さんの方で御検討いただき、既存の生産、流通体系に大変な影響を及ぼすとか、あるいは個々の商取引を基本にしてそれを用いて回収をするという仕組みの上から小売業者さん等の御協力がなかなか得にくいというような状況から、継続検討課題にされておるところでございます。国の連絡協議会におきましてもデポジット方式について一応検討はせざるを得ないと思っておりますが、京都市さんの従来の取り組みの例から申し上げまして、なかなか早急な結論は得にくいのではないかという感触がいたしております。  国といたしましては、その問題も検討はいたしますけれども、他に多角的に空きかん問題について検討いたしまして、できるものから着手していきたいというスタンスで逐次連絡協議会におきまして検討を進めていくという方向考えております。
  69. 栂野泰二

    ○栂野委員 そこで厚生省に伺いますが、処理法の三条二項、ここに言う廃棄物に空きかんというのは該当するのですか。
  70. 山村勝美

    山村政府委員 結論的に申し上げますと、該当しないということでございます。三条二項の考え方は、目安といたしまして現在の処理技術で適正な処理が困難な化学的な性状といいますか、PCBのようなものでございますが、そういうものでありますとか、それから技術的には処理ができてもきわめて多額の経費が要るとか、処理施設そのものを損傷するとかそういった判断でございまして、空きかんが問題になっておりますのは散在、散らばっておるということ、そのことでございます。これが目立っておることによるものであると思われるわけでございまして、散乱空きかんを拾い集めるという状況はいわゆる廃棄物処理法で言う処理という概念に入っておりませんで、むしろ清掃と申しますか、土地の管理者、道路管理者が清掃するという概念に入りまして、処理という概念には当たらないということで三条二項では読めないということでございます。
  71. 栂野泰二

    ○栂野委員 時間もありませんからこの点はまた後日の論議に譲りたいのですが、いずれにしましても、せっかくこの三条が導入されて事業者責任の原則というのが入ってきたところを、いまの部長のような解釈をされますと、これを入れてきた趣旨が生きてこないのですよ。それはきわめて事業者有利の解釈でしてね。とにかく百億近いかんが転がっているでしょう。それで回収が困難で大問題になっている。それをいまのように適正な処理、まあ言ってみれば技術的な処理が困難というだけの非常に狭義の解釈をとられるということは、私はどうしても納得できない。  ともあれそれは後日に譲りますが、いろいろな手だてはありましようけれども、抜本的にこの空きかん問題を解決するのはデポジット制の導入以外にないと私は思っているのです。これは消費者も上積みされたもの——デポジットするのは消費者、結局消費者がかぶるのでしょう。百円のものを百十円にすれば、とりあえずは消費者が百十円負担するわけですから、それを捨ててしまえば消費者は現在よりも十円損するわけです。消費者も負担をすることになるわけです。事業者も多少は仕事がふえるでしょう。しかし、稲山経団連会長が先頭を切ってこんなものは市町村の固有事務だから業者が負担することはないという態度をとって経済界が猛反対するという、この状態にひるんでいたら、デポジット制の導入なんかできませんよ。空きかん問題の解決なんかできない。  さしあたり、環境庁の報告書にもありますが、たとえばプルトップというのですか、プルタブとも言うようですが、いま、飲料水のかんがありますね。手で引っ張ってふたをあけるのでしょう。これは外れますね。これが散らばってどうにもならない、回収ができないと言われている。アメリカではもう十年も前から逆に指で中へ押して外れないようにするというやり方をやっているわけでしょう。環境庁のこれを見ますと、この問題は「関連業界が協力してこれに取組む必要がある。」なんて書かれているのですね。言ってみれば関連業界任せみたいな書き方だけれども、これくらいなことは簡単なことだと思うのですね。厚生省では少なくともこの栓が外れっぱなしになるのを外れないように技術的にやるくらいなことはまず指導してもらわなければなりませんが、いかがでしょう。
  72. 山村勝美

    山村政府委員 ボトラーに対する指導は直接的には事業所省庁、これは農林省あるいは通産省といったような事業所省庁が直接的な業界指導に当たるということが筋だと思いますが、廃棄物処理の立場からは御指摘のように非常に大きな問題でもございます。何とか片づけたいという気持ちでいっぱいでございますが、先ほど環境庁から説明がございましたように各省連絡協議会を設けておりますので、廃棄物処理するという私たちの立場からどんなことができるか、廃棄物処理の立場からは適正に行われるような主張をしながら、厚生省としても所要の対策を講じていきたいというふうに考えております。
  73. 栂野泰二

    ○栂野委員 時間がないのですが、もう一つお聞きしたいのです。  私は、この空きかん問題に悪乗りしてと言いたいのですけれども、かんにかえて今度はプラスチックボトルを使おうという動きが業界にはあるようですね。確かにこれは安い。業界はすぐそういうふうに向いていくのでしょうが、しかし田口委員質疑のときにも部長答えておられましたが、これは大変問題があるのですね。私はこんなことを許してはいかぬと思うのですが、厚生省、そういう動きがあるのでしょう。どういう態度をとられますか。
  74. 山村勝美

    山村政府委員 プラボトルにつきましては清涼飲料以外の一部食品とか食品以外の包装容器としてもうすでに流通している部分がございますが、プラボトルをさらに拡大しよう、してほしいという要求が出てきております。現在私どもとしては廃棄物の立場、さらに食品衛生の立場を踏まえまして、それぞれの見地から慎重に検討しておる段階でございます。
  75. 栂野泰二

    ○栂野委員 もう時間が参りましたので、きょうはこれで打ち切らしていただきます。  せっかく大臣、途中からですがお見えいただきましたので、一言所信を伺いたいのですが、とにかく一般廃棄物が毎年二%ずつふえていく。産業廃棄物については厚生省余り正確なデータをお持ちでないようでありますが、これも同じかあるいはそれ以上ふえているということは間違いないと思いますね。  そうしますと、現在のごみ行政というのは、言ってみればすでに排出された廃棄物処理をどうするかという、そういう事後対策に力点があるように思うのですね。もうこの段階になりますと、結局発生源を抑えるしかないのですね。いかにごみ減量化していくのか、いかに再資源化のリサイクルに乗せていくのか、これはもう恐らくそうどなたも異論のあるところではないと思うのですが、しかしこれには、いま少し触れましたように、財界を初め業界、いろいろ抵抗があると思うのです。また、問題が問題だけに、厚生省だけでやるというわけにはいかないのでしょうけれども、少なくともそういう発生源にメスを入れる、それは当然生産機構あるいは流通機構にメスを入れるということになってまいりますが、どこかがリーダーシップをとらなければいかぬ。ということになれば、これはやはり厚生省しかないと私は思うのですね。ひとつ今後の廃棄物処理行政はそういうところに力点を置いていただきまして、さしあたりその第一歩にこの空きかんのデポジット制問題があると私は思うのですが、そこら辺についての大臣の御所見を伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  76. 園田直

    ○園田国務大臣 御発言のとおりでありまして、廃棄物は増加をいたしております。その廃棄物の捨て場所、海面であるとかその他の土地を確保することは手段でありまして、一番大事なことは、廃棄物そのものをどう処理するかということであります。  そのためにはやはり、排出源、これに関し指導を強化をして、そして第一は、有毒物、危険物をより分ける、次にはこれを徹底的に軽量化する、軽量化の中には、この活用、再生ということも含めましてやることが一番大事であると考えます。  そこで、これは立場から言えば厚生省が中心でありますが、やはり通産省その他の省庁も非常に関係がありますので、関係省庁と相談をしてやりたいと考えております。  空きかんの問題は、いま環境庁が中心になってやっておられますから、どこが中心ということではなくて、厚生省は自分のことのように環境庁と相談をして、これに対する前からの、起こった後のごろ拾いではなくて、前に行ってこれを抑制するという方向で努力をいたさなければならぬことは、御発言のとおりでございます。
  77. 栂野泰二

    ○栂野委員 空きかんのデポジット制導入については、厚生省としては前向きに考えていただけますか。
  78. 山村勝美

    山村政府委員 一つの有力な方法と思っておりますので、可能ならばやっていったらいいんじゃないかというふうに考えております。
  79. 栂野泰二

    ○栂野委員 終わらせていただきます。
  80. 山下徳夫

  81. 平石磨作太郎

    ○平石委員 今回の廃棄物処理施設整備緊急措置法改正案、この五カ年計画でございますが、これだけの経済発展がなされ、しかも社会の発展とともに当然そこに廃棄物が出てくる、こうなりますと、やはりこれの処理あるいは公害の発生、そういったことで、きわめて国民生活に影響の少ない方向処理をしていかねばならぬ、このように考えるわけですが、それぞれの省庁において大変な御苦労があろうかと思います。  ところで、この整備計画から見ましても、やはり下水道と大変関係が出てくる、このように思うわけです。したがって、いま建設省はお見えいただいていますか——建設省のこの下水道の第五次の整備五カ年計画、これと、厚生省の今回提案なされておりますところの五カ年計画、これはやはり整合性を持ったものとしての両省での計画を立てていかねばならぬ、このように考えられるわけです。  そこで、この下水道整備について、第四次の五カ年計画が終わる、そしてこれからまた第五次の下水道整備が行われるわけですが、この第四次を見てみますと、人口に対するところの普及率、これが第四次のときには大体四〇%を目途としておったということでございます。そして、整備の進捗においては一七・二%というものを見込んでおりましたけれども、現実に行われたのは七・二%しか伸びていない、そして、普及率においては三〇%にしかなっていない、このように一〇%ぐらい落ちておるわけです。  そういう落ちた状況の中で、今回また再び五カ年計画がなされておるわけですが、こういうような状況の中で、こっちの厚生省の整備五カ年計画とそごが来るのではないかという心配がちょっと出るわけですが、これができなかった理由と、第四次の厚生省の整備計画との間にそごが起きたのか、そして、この第五次に当たっては、どのように両省で話し合ってそごが起きないようにしておるか、簡単にお答えをいただきたい。
  82. 玉木勉

    ○玉木説明員 ただいま先生御指摘のように、第四次五カ年計画は、総投資額で、予備費をも含めまして七兆五千億円で実施してきたわけでございますが、投資額に関しましては九六・七%の達成率でございますが、普及率に関しましては、先ほど先生御指摘のように、四〇%の目標が三〇%にとどまったということでございます。  それで、この原因でございますが、われわれは原因として四つばかり考えております。  一つは、四次五カ年計画策定時点以降の建設物価の上昇がございます。したがいまして、仮に策定時点の五十年度価格に修正いたしました実質の事業費の達成率が七七・七%ということになるわけでございます。  第二点は、終末処理場が住宅地等の近辺につくられる場合が多いために、終末処理場の環境対策として、覆蓋、ふたをかけるとか、あるいは脱臭設備をするといったような環境対策に予想以上の費用がかかったということでございます。  第三点は、市街地の工事でございますので、管渠、パイプを敷設するに当たりまして、通常の工法では困難な場合が多いわけでございまして、たとえばシールド工法とか推進工法等の特殊な工法の採用の割合が高くなってきたということでございます。  それから、処理場が若干先行的に整備されておりますので処理能力に余裕がある、こういったような理由によりまして、普及率の目標に比べまして実際の普及率が下がったということでございます。  第五次五カ年計画におきましては、先生御指摘のように四四%を目標にいたしております。屎尿処理との調整につきましては五カ年計画におきまして調整を図っているところでございますが、第五次五カ年計画におきましても今後屎尿との調整については厚生省と十分調整を図ってまいりたいと考えております。
  83. 山村勝美

    山村政府委員 第四次計画におきまして屎尿処理施設の整備を下水道の水洗化人口と調整いたしまして、その残り分は屎尿処理施設によって対応するという考えのもとに、一万六千キロリットルという事業量をセットしたわけでありますが、実績はこれを二割上回る一万九千余になっておりまして、これはその五年間下水道の効果が予想以上に伸びないことを反映したものとして実施段階で二〇%増しの事業を行ってきておるところでございます。  第五次計画につきましては、これをさらに上回る二万キロリットル以上のものを考えておりまして、現時点で屎尿処理衛生処理率八五%レベルでございますが、九一%程度まで引き上げたいというふうに予定をいたしております。  残りはどういうことかといいますと、下水道がたとえば六十一年にできるという見通しのあるものについて、かつ現在処分しております海洋投棄等が許される都市におきましては二重投資のおそれがありますので、よく実態を見きわめまして、その辺は特に計上しないとか、あるいは山間では少量ながら自己処分が可能でございますので、その辺を実態に合わせて見きわめた上で必要がないと判断した結果でございます。
  84. 平石磨作太郎

    ○平石委員 下水道の整備と厚生省関係処理の問題ですが、互いに関連しつつあると思うのです。下水道の実施状況を数字で見てみましても田舎が非常に少ないわけです。大都市に集中しておるわけでして、これは仕方のないことではございますけれども、特に田舎の方の下水道の普及が非常に少ない。こういったところは当然厚生省関係での屎尿処理の問題が出てくるわけであります。  そこで、第四次の処理施設整備計画実績ですが、地域の屎尿処理施設の達成率が厚生省関係で半分くらいしかいってないわけですが、これはどういうことでこうなりますか。下水道の整備がそこへいってないからこういうことになるわけですか、それともどういう関係か、お聞かせをいただきたいと思います。
  85. 山村勝美

    山村政府委員 地域屎尿処理施設と申しますのは、下水道が普及されていない地域で屎尿の処理及び家庭の雑排水をあわせて処理する合併式浄化槽でございまして、主として集団住宅等において市町村が設置する場合に補助金を出して奨励しておる、これは合併処理をすることによって浄化槽の機能が非常によくなるという環境保全上の配慮もしたものでございます。     〔委員長退席、戸沢委員長代理着席〕 これによります屎尿処理の量は、下水道をつくるようなものでございますのでわりあいに金がかかり、投資のわりには屎尿の衛生処理という観点からの効果は高くないということでございます。  そういう実態でございますが、なぜおくれたかということは、これは住宅団地開発に伴う事業でございますので、それぞれの地域性といいますか個々のケースケースで非常にむずかしい問題が出てくる。あるいは個々に浄化槽をつくるという選択もある。昨今くみ取り団地というのはないと思いますが、そういう選択の道もあるということで必ずしもわれわれが誘導しようとしたレベルまでいかなかったというものでございます。
  86. 平石磨作太郎

    ○平石委員 特にここへ下水道を引きなさいと言っても無理だろうと思うのです。下水道計画のないところにそういった団地がたくさんできる。無計画と言ってはちょっと語弊がありますけれども、人口の急増地域等につきましては非常に急増してくる。そうなりますと、そこまで下水道を引いていくといったようなことはなかなか困難なことであります。  ちょっとこの数字を見せていただきましても屎尿槽が非常にふえておるわけですが、浄化槽の設置数を年度を追って見てみましても、ゼロ人から二十人までが九割です。だから五十四年の状況を見てみますと三百二十七万の屎尿浄化槽ができておる。それの内訳を見てみますとゼロ人から二十人までが二百六十一万三千基くらいできている。この増加数を見てみますと全体では三十八万三千基、そのうち二十人までのものが三十四万基、これだけふえておるということ、この浄化槽の管理保守が非常な問題になっておると思います。これにはどういう対策をしておられるか、簡単にお答えをいただきたい。
  87. 山村勝美

    山村政府委員 御案内のとおりでございまして、昨今の住宅開発と並行し、かつ快適な生活環境をつくろうということで、住民の欲求は非常に強いものがございます。下水道のないところは御指摘のようにゼロ人から二十人といった各戸に設置される小さな浄化槽がきわめて高い率で普及しておるという状況にございます。  この管理自体非常に問題でございまして、対応といたしましては、一つは、昨年七月に構造基準を改定いたしまして、過去の機能の悪いものにつきましてはこれを廃止し、新しい効率のいい施設構造基準に変えております。また、これは建設省の建築基準法でございますが、厚生省廃棄物処理法で規定いたしております維持管理基準、これもそれに対応して改定を進めておるところでございます。  なお、浄化槽問題、特に都市近郊の小さい川に集中いたしますと、公共下水道あるいは地域屎尿処理施設ほどの高度な処理が期待できませんので、中小河川においてはいろいろ問題があるようでございます。  そういうことを背景といたしまして、五百人未満の小さな浄化槽につきましては、五十五年から指定検査機関を各県に一ないし二設置するようにいたしまして、年一回以上の検査を義務づけるということで現在その普及を図っておる段階でございまして、いろいろ問題のあることは十分承知しておりまして、今後体制整備を図ってまいりたいと考えております。
  88. 平石磨作太郎

    ○平石委員 これが実際は非常に不備になっておるわけですね。いまの答弁にもありましたように検査官を置くことを指導しておる、こういういわばさびしいような現在の状況です。非常に人口が急増してくるという中で下水道はそれに追いつかないという状況でありますから、特にいま水洗便所が非常に普及されてき出した。そうなりますと、家庭も下水道があるなしにかかわらず水洗化されてき出した。ここに大きな問題が出ておるわけです。したがって、いわゆる水洗化されていってしかもそれには浄化槽を設置しなさいという形で、いま答弁にあったように基準がなされてやるわけですけれども、それが十分に基準どおり行われておるかどうかの検査すら十分なことが行われてない。それから後の保守点検、これも十分なことが行われていない。もうほとんど、設置されましたらそのまま放置されておる。それで浄化機能がないという状態の中で流れ出てくる。これは非常に問題です。  私は地元の関係でいろいろとあちこちでお聞きをしておるわけですけれども、これに対する国の助成も全くないわけですね。ただの行政指導、こうしたらいけません、ああしたらいいですというような指導だけのことであって、県費でもってやらなければならぬ、あるいは業者と一緒になって検査センターをつくるというような形でこれが行われておるわけです。それには業者が入っておりますので、業者が入ったら十分なことができるかどうかわかりません。やはり設置していく業者と一体になって検査を行うというようなことでは機能の徹底化にはならないのじゃないかというようなことを私は考えるわけです。したがって、年に一回スカムを取って汚泥を取りなさい、掃除もしなさいというようなことが言われましても、それがほとんど行われていないというのが実情です。  それともう一つ出てきておるのが浸透式の浄化槽。この浸透式の浄化槽はそのまま浸透していくのですから、田舎では地下水を井戸水として使っておる、この地下水が汚染されてくる、こういったような問題も出ておるということを聞いておるわけです。これに対して全く国から助成がない。したがって、指導強化もあるいは検査の強化も非常にむずかしいわけですが、今後このことについて厚生省は多少財源の助成ができるかどうか、お聞かせをいただきたい。
  89. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のように大変な数でございまして、かつその設置者の大部分が個人の家庭、全く知識のない各家庭でございまして、この維持管理につきましては何かと問題が多い部分でございます。したがいまして、現在どういう体制でいくか、その一環として先ほど申し上げました各県の検査体制を整備しまして、各戸の浄化槽がどういうふうに機能しているかということを一応法律上義務づけたわけでございます。  それにつきましても各設置者の自主的な態度にかかっておるわけでございまして非常にむずかしいわけでございますが、保健所でも一つの大きな問題意識としておりますので、極力管理体制が強化されますよう指導してまいりたいと思っております。
  90. 平石磨作太郎

    ○平石委員 時間がございませんので詳しくお話しができないのですが、そのように非常に憂慮されておるわけでして、いま私ちょっと聞き漏らしたのですが、財源処置については御検討いただけますか、どうですか。
  91. 山村勝美

    山村政府委員 何せ個人が設置するものでございますので、公的な補助といったものはちょっと期待できないというふうに考えております。
  92. 平石磨作太郎

    ○平石委員 個人の設置者に助成ということを私は言ってないのですよ。これらを検査をしたりあるいは保守点検をする、そしてあなたの浄化槽についてはこういう状態だからここを直しなさいといういわゆる指導監督に当たる者について、県なり市町村に対して助成ができるかということです。これは全部単独で、県費とか市費でやっているのですよ。ところが財源の処置が余りなされてないからほとんどがおざなりといったような形になってしまっておるということです。だから個人に対して助成すると、それはできません、それはおわかりのことですが、いわゆる指導する立場にある県とか市町村に対してそういう充員あるいは要員を設置する場合に助成ができるかどうかということです。
  93. 山村勝美

    山村政府委員 検査体制の整備を現在促進している段階にございますが、その各検査機関が設置いたします分析機器等の整備につきましては、われわれからも働きかけまして、自転車振興会からの補助金が出ておるところでございます。
  94. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そういうことだけでこれだけ急増してくるものを保守点検ができるかということです。自転車振興会からもらったりとかいったようなことで実際行政が運営できるかどうかです。したがって、国の厚生大臣にそのことの責任はないかもわかりません。市町村の固有事務ですからそういったことについての責任はないかもわかりませんけれども、この財政の件についてちょっと私資料を見させていただいたのですが、ここに経費についての資料がございます。  これは廃棄物処理事業の経費です。このことではございませんけれども、五十二年のこれは古い資料ですが、この中で一般財源が、起債を含めて計算しますと約九〇%地方財源です。一〇%が国の助成です。この五十二年の数字をちょっと申し上げてみますと、総額が一兆百六十億八千六百万。その中で特定財源として国から来るものが二千四百五十一億です。そして一般財源となっておるものが七千七百九十一億です。だから一般財源だけ見ましても一兆円に対してざっと七七%ということです。そして地方債として起債をもらっておりますけれども、これは一応返さなければなりません。これを合わせますと九〇%が地方財源ですよ。わずか一〇%しか出てないということから考えてみましても、いま私が指摘をしたそういった個人が行っておる浄化槽についても保守点検は地方がしていかなければならぬ、そういったことについてひとつ考えていただきたいと思うわけです。  これは厚生大臣どうですか、地方から要望が非常に強いのです、一言。
  95. 園田直

    ○園田国務大臣 いろいろな問題で地方でおやりになる仕事に対して、地方の財政が逼迫しておるということはよく聞いております。この問題も特に承っておりますから、後で十分事務当局と検討いたします。
  96. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そこでその件についてはひとつ大臣の今後の努力をお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  次に、リサイクルの問題。  この間フェニックス計画の審議が行われました。そういう形で海も埋め立てましょう、内陸部においては埋立地を探して一応埋め立てていく、それが足らなくなれば海を埋め立てていくというようなことだけでは、今後のことを考えてみますと、大阪湾も東京湾もなくなってしまうということにならざるを得ません。そういうことでは、今後の問題を考えたときに、リサイクルといった形で相当力を入れていかねばならぬのじゃないかというような気がするわけでございます。  このリサイクルの数字を見ましても、ほとんどなされてないということですね、今日までの数字を見てみますと。これも五十三年までの資料でございますが、焼却、埋め立て、高速堆肥化、堆肥化、飼料、その他と、こういうように区分されて統計がとられておりますが、この高速堆肥化から以降を見てみますと、わずかに〇・二%、これはずっと〇・三%から〇・二%です。ほとんどこれに対しての力が入ってないと言わざるを得ません。ここから考えてみましても、ここらあたりで、フェニックス計画も一方では進めねばなりませんが、資源の再利用という観点からさらに効率的なごみ処理、こういったことを考えたときに、もっと力を入れるべきではないかということで、先ほどの論議にも出ておりましたが、大阪とか豊橋とかといったようなところでは再利用といった問題で相当力を入れておられるようですが、今後このことについてはどんなように対処せられようとしておるのか、お聞かせをいただきたい。
  97. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおり資源を有効に活用していくことは、資源問題だけでなしに廃棄物の量を減らす、減量化するという意味でも非常に重要なことだと考えておりまして、今後具体的なマニュアルでもつくって指導に積極的に取り組みたいというように考えておるところでございます。  五カ年計画におきましても、従来、第四次におきましては全くそういう要素は入っておりませんでしたが、五次では実態を考慮いたしまして、総排出量の三%くらいは資源化で減量されるというように現在は考えております。  なお、余り計画資源化を過大見積もりいたしまして危険が出てもいけませんので、この程度に抑えているところでございます。  御指摘のユーレックスといった豊橋のモデル実験計画は、昨年十一月に本格的な運転開始に入ったわけでございまして、これに対して国庫補助等で促進してきたわけでございますが、現在、こういった運転実績に基づきまして、その評価といいますか、技術的、経済的あるいはシステムとしての評価を、現在ここ一両年詰めていきたいというように考えておる段階でございまして、これを直ちにどこでも適用できるのかどうかということが問題でございます。  たとえばこれは農村との結合でございますので、東京に直ちに持ってくるわけにはいかないというようなこともございますので、慎重に考えたいと思っておりますが、基本的には、新しい技術、新しいシステムの導入については、技術的、経済的に、あるいはそういう整備条件が明らかになった段階で積極的に取り組んでまいりたいというように考えております。
  98. 平石磨作太郎

    ○平石委員 私は要請したいことは、そういう財政的な面についても当然のことですが、技術的な開発、この研究機関等はやはり国でつくって研究してはどうかといったような考え方も持っておるのですが、そういう面についてはどのようにお考えでしょうか。
  99. 山村勝美

    山村政府委員 現在の財政事情からそう簡単にできる情勢にはないわけでありますが、廃棄物問題は非常に多面性を持っておりまして、仮にそういうものをつくりましても、あらゆる分野の人を糾合せにゃいかぬという体質を持っておるように私は思っております。したがって、現在やっておりますのは、委員会組織をもちまして関係者を糾合いたしましてそれぞれ分担研究していただくとか、そういうシステムで現在進めておるところでございますので、今後とも当面そういう形で進めてまいりたいというふうに考えております。
  100. 平石磨作太郎

    ○平石委員 これは将来大変な問題、ごみ処理の問題が出てまいると思いますので、資源リサイクルの問題については積極的にひとつ御検討をいただきたい、そして積極的な推進の体制をとってほしいということを強く申し上げておきたいと思うわけです。  それからまた、これは小さな問題ですけれども、いまお話をしてまいりましたように、下水道が整備されてない関係もございまして、非常に川が汚れる、浄化槽そのものが十分な機能を発揮しないような状態になっておるので川が汚れる。それから屎尿処理場についても、設置しようとしましても、非常に住民からの反対運動が出てくる。だから地方団体におけるこれらの施設設置については大変な問題を抱えながらやっておられるわけです。  ところで、私に大変な手紙がたびたび来るわけです。これは山梨県の方なんですが、特に河川の汚染の問題それから蚊とハエの多発といったようなことでお手紙をいただくわけなんですが、この方は土橋義信さんという方です。この方の手紙等によりますと、市町村のいわゆる鼠族昆虫駆除といったようなことについても十分なことが行われてないというような指摘が出ておるわけです。もちろん市町村では下水道のできないところあるいは小みぞ、こういったところを鼠族昆虫で女の方を雇ってやっておるわけですが、これが十分に行き渡ってないといったような指摘もございます。そのような関係で、鼠族昆虫については市町村が行っておりますが、これについても国の方は全く見てないわけです、厚生省の方からは。  これは市町村の固有の事務だから私の方は知りませんと言われればそれまでのことですけれども、私ちょっと地元の方で調べさせてもらったんですが、この鼠族昆虫についても全く厚生省からは助成がないというようなことで、単独市費でもって行っておるというのが現状であります。そういうことから見ましても、やはりこの点についても財政的な御援助も願いたいがというような話も聞いておるわけでして、もっともっと力を入れていただくためにはやはりお金の問題が出てくるわけですが、ひとつこの点でどのようにお考えになっておられるか、お聞かせをいただきたい。
  101. 山村勝美

    山村政府委員 蚊、ハエの発生の問題でございますが、ごみがたとえば夢の島のようにそのまま埋められておるというところにおきましては大量の蚊、ハエが発生したような事件があったわけでございますが、何よりも基本は廃棄物を適正に焼却し、そういう蚊、ハエが発生しないような状態で処分をするというようなことが基本であろうと思っております。  なお、鼠族昆虫対策につきましては戦後古くから行われておりまして、これにつきましては交付税の方でかなり見ておるというふうに承知をいたしておりまして、その方で対処してまいりたいと考えております。
  102. 平石磨作太郎

    ○平石委員 このいまの費用につきましては、交付税の中に、基準財政需要額の中に算入をされておるようです。だが、その算入の計算を私してみましたが、市町村の実際の予算額とは非常に開きが出ておるようです。したがって、厚生省から特定財源としてのものをある程度いただければ、その基準財政の問題と合わせたときには、どうにか市町村が持っている予算に見合うものが出てくるのではないだろうかという感じを持ったから申し上げておるわけですが、そういう面でさらに御検討いただきたい、こう思うわけです。  最後に大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、このように屎尿の問題にしろ、ごみ処理の問題にしろ、いわゆる環境面から考えましても、あるいはこれから将来、ごみについての資源再利用というような観点からも、大変な仕事を持っておられるわけですが、これは一日も放置できない問題です。毎日毎日処理していかねばならない問題でございますので、国の積極的な、財政を含めての援助といったようなことが、市町村、地方団体からは叫ばれておるわけですが、いま私が御指摘をしましたように、九〇%も市町村一般財源でもって処理せねばならないというような現況を考えたときに、もっと力を入れていただきたい。こういうことについて大臣の所見をお伺いしまして、終わらせてもらいます。
  103. 園田直

    ○園田国務大臣 御発言のとおり、廃棄物、屎尿処理、こういう非常に大きな問題があります。地方財政の圧迫ということで、環境はきわめて大変むずかしい時代ではありますけれども、ほうっておけない問題でありますから、十分努力をいたします。
  104. 平石磨作太郎

    ○平石委員 終わります。
  105. 戸沢政方

    ○戸沢委員長代理 次に、米沢隆君。     〔戸沢委員長代理退席、今井委員長代理     着席〕
  106. 米沢隆

    ○米沢委員 本法案は、現行の第四次廃棄物処理施設整備五カ年計画に引き続きまして、昭和五十六年度から六十年度までの間に実施する第五次整備計画を策定するために提出されたものでありますが、その計画の概要を見ますと、事業費にして総額一兆七千六百億円、整備の目標は、ごみ処理については焼却処理可能ごみ焼却率を九一%程度とし、屎尿処理についても、計画処理区域における屎尿及び屎尿浄化槽汚泥の屎尿処理施設等の処理率を九一%程度とし、産業廃棄物処理についでは地方公共団体が必要とする施設につき逐次整備することとなっております。  そこで、まずお伺いしたいことは、今年度の廃棄物処理施設の整備費関係予算は総額およそ六百三十四億円でありますが、第五次整備計画のペースで整備がなされた場合、わが国におきまして廃棄物処理施設が全国的にほぼ一〇〇%整備されるのはいつごろのことになるのか。
  107. 山村勝美

    山村政府委員 屎尿処理施設につきましては、先ほど来議論が出ておりましたように、下水道の普及と表裏一体の関係にございまして、この整備と第五次におきましても整合をとることにしておりますが、それがおくれる等の事情によって、いつになるか明瞭ではございませんが、いずれにしましても、屎尿処理につきましては九一%の衛生処理ですが、実態的にはほぼ一〇〇%の整備が行われると考えております。  また、ごみ処理施設につきましては、九一%の可燃物焼却率でございますが、これにつきましては、一〇〇%になるのはいつかということを想定するのはむずかしいわけでありますが、このペースでいきますと、恐らくあと十年ないし十五年はかかると考えております。
  108. 米沢隆

    ○米沢委員 整備されるのは十五年も二十年もかかるということであれば、これは気の遠くなる話なんでございます。しかしながら、全国的に見て、現在の段階におきましても整備が大変進んでおるところと進んでないところが、ちょっと格差が多過ぎるような気がするのですが、そのあたりの実態はどういうふうにつかんでおられますか。
  109. 山村勝美

    山村政府委員 屎尿処理施設につきましては、大きくブロックで割ってみますと、全国平均八五%に対して東北地方が九六%、近畿地方が九一%、四国が七四%、九州が八三%等でございまして、屎尿処理問題につきましては、それが海洋投棄できるかどうかという条件に大きく支配されておるようでございまして、現時点では、処分基準に基づきまして処分をしておる実態がかなり継続されておる、それができるところは低いというふうに概念的に考えております。  また、ごみ処理施設につきましても、用地が北海道のようにたっぷりあって、生ごみをそのまま埋めてもいいという背景におきましては低いということでございます。現在六四%の平均でございますが、東北地方が五九、近畿地方が八二、四国が五六、九州が五九というレベルでございます。
  110. 米沢隆

    ○米沢委員 できれば全体的にレベルを合わせて施設が整備されねばならぬと思いますが、そういう意味で、おくれておる地区におきましてやはり傾斜的に助成をするとか行政指導を強めるとか、あるいは隘路になっておる問題点を解消するために力を入れるとか、そういう指導方針はあるのですか。
  111. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理施設を設置するかどうかは、先ほど申し上げましたように、屎尿処理施設におきましては、海洋投入処分、下水道との関係等がございますし、ごみ処理につきましても、小さな町村で大きな後背地を持っておるところでは、生ごみを埋め立てても何百年と大丈夫だというような事情もあったりして、なかなか一概には言えませんが、考えてみますと、廃棄物処理施設の経費そのものについて見ましても、大都市地域は運搬距離が大きいとか公害施設が大きくなるとかというような費用のかかる要素もございまして、中小都市だけを何か補助率を高める等によって促進するというようなことは余り適当ではないのではないかと考えております。
  112. 米沢隆

    ○米沢委員 この計画に先立ちます現行の第四次計画実績を見ますと、計画に比べまして粗大ごみ処理施設、屎尿処理施設は達成率が一〇〇%を超えておりますね。しかし、埋め立て処分地施設地域屎尿処理施設あるいは産業廃棄物処理施設はそれぞれ達成率が四四・八%、六三・四%、六二・五%とはかばかしくないわけでございます。その理由は一体何でしょうか。
  113. 山村勝美

    山村政府委員 おくれておる埋め立て処分地施設につきましては、施設数につきましては達成率が四五%と低くなっておりますが、事業費につきましては一一七%というふうに計画よりも上回っておるところでございます。  それで、埋め立て処分場の全国的な残余容量を経年的に見てみますと、大体七年分ぐらいの容量を確保しながら推移してきておる。この第四次五カ年計画の期間中も大体そういう推移をいたしてきておりますので、大体所要量は整備されてきておるというふうに考えております。  それから、地域屎尿処理施設につきましては、先ほども議論に出ておりましたが、集団住宅等の下水のないところの水洗便所化対策ということでございまして、これは個別に浄化槽をつくるとかいった別の選択もありますし、わりあい金のかかるということもあったり、地元の了解を得るのに少し施設としてまとまってくるものですからむずかしいとか等々、集団住宅建設との並びの問題がございまして、必ずしもわれわれが誘導しようとするところまではついてこなかったという感じのおくれでございます。  それから産業廃棄物処理施設につきましては、市町村あるいは都道府県が関与する部分だけを計画で織り込んでおりますが、これは現実に地方公共団体が必要とし、かつその処分場等の用地確保の問題等の条件が整わなくて整備ができなかったというような事情によるものでございます。  次期の計画におきましては、そういう実績がずっと蓄積されてまいりましたので、それらを含めながら適確な計画にしたいというふうに考えております。
  114. 米沢隆

    ○米沢委員 この地域屎尿処理施設の達成率が大変おくれておるというその理由一つに、御承知のとおり公共下水道の建設費は平均六〇%ぐらい国庫補助がつきますね。あとは自治体が負担をしておるわけですけれども、問題は五百ミリ以下の管渠には国庫補助がつかない。したがって、どうもそのあたりに補助がつかない関係で、地方財政が逼迫しておるということもありまして、実際は地域屎尿処理施設に使ういわゆる管渠の設置が大変おくれがちであるという問題点が指摘されるのじゃないかと思うのですが、どういうふうにお考えですか。
  115. 山村勝美

    山村政府委員 地域屎尿処理施設は当該地方公共団体がつくるものに限っておるわけでありますが、大きな住宅開発をする費用に比べればそれほど大きな経費ではないというふうに認識をしておりまして、財政的な理由よりも、むしろそういう適格性のあったもの、地方公共団体がつくり、かつ下水道区域外でやるというような計画が少なかったというふうに考えておりまして、たとえば住宅公団が独自でやる場合には補助金がつきませんから、そういう別の形で進められておるというふうに承知いたしております。
  116. 米沢隆

    ○米沢委員 次は、この法案と関連しまして若干の質問をしたいのであります。  まず第一に、一般廃棄物収集事業形態を見ますと、ごみ収集、屎尿収集、ともに市町村によるもの、許可業者によるものと二分されておるわけです。最近、行政改革との関連でもあるのでしょうが、市町村による収集でも直営から委託へ、あるいは許可業者によるものへと事業形態が変化しつつある。  そこで、この際お尋ねしておきたいことは、この直営システム、委託システムあるいは許可業者によるもののメリット、デメリットをどういうふうに厚生省として考えていらっしゃるのか。もしあれば直営から委託事業に移行した例、あるいは直営からストレートに許可業者へ委譲した例におけるコスト計算では一体どうなっておるのか、具体例でお示しいただいたら幸いです。
  117. 山村勝美

    山村政府委員 御案内のとおりでございまして、現在なお三分の二以上は直営、三分の一程度が委託または許可という体制で行われております。  まずメリット、デメリットに関して申し上げますと、直営方式では、廃棄物衛生処理責任を持って遂行することができるあるいは住民サービスが徹底するというようなことで望ましいわけでありますが、反面、収集コスト、作業能率の面で難点があるというふうに言われております。また、委託方式につきましては、器材の専門性や複数の市町村から委託を受けて能率的な運営ができるということから収集コストが安くなる、が一方、市民に対するサービスの低下、衛生処理の面で直営に比してやや不安が残るというような感じでおります。  その基本はやはり市町村が一定の処理計画を定めて、どの部分を委託に回すあるいは許可に回すというような計画を立ててくるわけでありまして、こういう責任が遂行できるかどうかという点と能率というちょっと相反する要素の均衡の上に立つわけでございまして、われわれといたしましては責任が遂行できることは絶対要件で、これをできる限度において市町村判断すべきであろうというふうに考えております。  なお、直営と委託の場合の費用の問題でございますが、一、二例を調べますと、札幌市の例で直営の場合が一万三百五十三円、これは一トン当たりでございます。それから委託の場合が五千四百二十円という収集運搬コストになっております。東京都下の、必ずしも対応いたしませんが直営の場合には一万一千から一万七千円、それから委託の場合には八千円から一万五千円ということでございまして、若干コスト的には委託の方が安いという実態のようでございます。
  118. 米沢隆

    ○米沢委員 そこで大臣、いま御説明いただきましたように、委託方式にもそれぞれデメリットもあると思いますが、コスト的にはかなり安い。そういう意味では行政改革、特に地方自治体での行政改革という意味では、このあたりをかなり模索されている自治団体が多いのでございます。最終的には自治団体独自の選択の問題であろうと思いますが、厚生省としてはこういう傾向を助長される立場にあるのか、それともお任せしますという立場にあるのか、お聞きします。
  119. 園田直

    ○園田国務大臣 これは現地の自治体の判断に御発言のとおり任せるべきものでありますが、厚生省としては両方の利害を検討しながらいま研究しているところでございます。
  120. 米沢隆

    ○米沢委員 次は、廃棄物処理法第八条第四項の規定によります屎尿浄化槽の維持管理の問題でありますが、施行規則によりますと一から二十二までの規則が事細かく規定されております。これを読みますと、先ほどもちょっと問題になっておりましたが、屎尿浄化槽の維持管理について細かな規則があるにもかかわらず一体こういうことが果たして実際やられておるのかどうか、どこのどなたがやっておるのか、どうも不安でなりませんね。現に地域によっては家をつくったときに浄化槽を設置しただけで、点検もなければ検査もなければ、一回入れさえすれば半永久的に使えるという感覚が実際にはあるわけで、現実的にはそこから生(なま)が出てくるということがあるわけですね。  そこでお尋ねしたいことは、この維持管理基準はどこの責任で確保されておるのか、聞かしてもらいたい。
  121. 山村勝美

    山村政府委員 浄化槽の設置者の責任ということになるわけでありますが、その設置者の大部分が各個人でございまして、技術的にもまた余り力がないというのが実態でございまして、幾多の問題を惹起しておるところでございます。  こういうものに対してどう対応するか、非常に苦慮いたしておるところでございまして、環境庁とも相談しながらやっていきたいと思っておりますが、まず一つは、保健所がその指導に当たるということでございます。それで保健所だけではとても全国数百万の浄化槽には対応できないという実態がございますので、これはどうしても民間の力を借りる必要があろうということで、かねてから浄化槽の清掃業者あるいは保守点検業者の研修を私どもの関係する団体の方で実施をいたしておりまして、そういう人の技術力あるいは清掃能力といったものを活用しながら進めてまいりたい。保健所での法律の水質検査等、行政検査には限界がありますので、検査機関を昨年から徐々に整備を始めまして一現在半数以上の県にできているわけでありますが、そういう保健所の分析機能あるいはチェック機能を補完する意味で検査機関の整備を進めておるところでございます。
  122. 米沢隆

    ○米沢委員 かなりこの分野はおくれておりまして、いまおっしゃったように、いまからということでございますが、この責任は設置したものの責任、こういうことですけれども、実際、家をつくって浄化槽を入れてもらった連中がどれほどこんな感覚を持っておるか、実際こんな維持管理基準があって、定期的に検査しなければいかぬというようなことをだれが知っておるか。ほとんど知らないままに、それで結構なものだろうということで推移しているのが事実だと私は思いますね。そういう意味では、やはり保健所あたりが指導されるとか、あるいはそういうことが必要であることをもう少しそれぞれにPRをしていただかないと、確かに金が要ることですからやりたくはないという人もおるかもしれませんが、しかしやってもらいたいという人もたくさんおるわけですね。どこに言っていいものやら、だれがやってくれるものやら、そんなのほとんど皆無、わからないのですね。そういう意味で、いまからということは大変どろなわみたいな感じがしますけれども、もういままでのこと言うても仕方がありませんから、今後ぜひ検査体制の整備とかあるいは指導の強化等々、急ピッチで力を入れてもらいたいと私は思います。  そこで、この維持管理基準を見ますと、この中の十五は「殺虫剤、洗剤、防臭剤、衛生用品等によりし尿浄化槽の機能が妨げられないようにすること。」、十九は「放流水は、環境衛生上の支障が生じないように消毒すること。」こうあるわけですね。  そこでお尋ねしたいのは、屎尿浄化槽の機能の面に着目される部分と、消毒せよという規定になっておるわけですが、たとえば家庭の中で使われている殺虫剤とか洗剤とか防臭剤、これは一体どこが環境保全の立場から使用許可だとかあるいはチェックをするとかいう立場にあるわけですか。
  123. 山村勝美

    山村政府委員 行政指導に当たる、第一線では保健所が中心になりますし、中央ではわれわれということになります。  なお、御指摘の殺虫剤、防臭剤につきましては、まだそれ自体殺菌剤を十分に使っているかどうかという点にも問題がありますし、防臭剤のようなものはむしろ浄化槽の機能からは一般的には余り適当でないというふうに思っておりまして、その辺についてもまだまだ指導が足りないというふうに認識をいたしております。
  124. 米沢隆

    ○米沢委員 いや、お聞かせいただきたいことは、いろいろなトイレ用の殺虫剤とか消毒剤とか洗剤とか市販されておりますね。それはやはり環境保全上は、私はその組成いかんによっては大変な問題になるのではないかと思うのですね。そういう意味で、使われる薬剤というのかな、そういうものの組成等々を一体どこでチェックしておるのか。使っていい、使って悪いなんというその指導がなされておるのかどうか。それとも、やりっ放しで業界が売る薬剤等についてはチェックする機能がないというのか。そこをはっきりしてくれということです。
  125. 山村勝美

    山村政府委員 特にだれが規制をしていくかという規定は現在のところ見当たらないようでございます。こういう新しい物質、新しい製品を出す場合には、事業所管庁の通産省が基本的に指導に当たるべきだろうというふうに思います。
  126. 米沢隆

    ○米沢委員 そこらは、これだけ環境保全がやかましくなっておる段階においては、私はもう少しはっきりやるべきだ、そう思うのですね。問題がなければそれでいいんだ。しかしながら、野方図に何でもいいということになりますと、特に強力な防臭剤、強力な殺虫剤なんというものはいろいろな成分を含んでいるのは事実でして、現にたとえば消毒薬なんかにいたしましても、塩素化イソシアヌル酸とか、中性次亜塩素酸カルシウムとか、次亜塩素酸ナトリウムとか、液体塩素とか、いろいろなものがその屎尿処理施設だけでも使われておるわけですね。実際そういうものは最終段階処理できるような状況になっておるのですか。環境庁の方に聞きたいのですが、そのあたりは問題はないのですか。
  127. 渡辺一志

    ○渡辺説明員 環境庁から参ってございますが、水質規制課でありまして、これは保健部の問題でございますので、ちょっと私は承知しておりません。
  128. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘の一番中心になります消毒剤につきましては、放流水が環境衛生上支障がないよう消毒するということになっているわけですが、薬剤につきましては次亜塩素酸カルシウム等の塩素剤が使われておりまして、現在水道水やプールなんかで使っているのと全く同じものでございますので、特に環境保全上の問題はない。ただし、防臭剤とか、これはむしろ水に流れるものというよりも、くみ取り便所に入れる場合が多いわけで、水洗化によって直ちに環境に出るという実態がないように存じますので、これは別の問題として、たとえばくみ取り屎尿として屎尿処理場に入った場合の影響の問題として別途検討さしていただきたいと存じます。
  129. 米沢隆

    ○米沢委員 最終段階では、御承知のとおり下水道マンホールに投入されるとか、屎尿処理施設にいくとか、農村に還元されるとか、海洋投入とかありますね。そういう意味では最終処理施設にほとんどのものがいって、そこで処理されて、問題がなければいいのですけれども、中途半端で外に出るところがたくさんありますね。そういうものは環境汚染という意味で大変な問題がある。問題がなければいいのですけれども、そういう意味で現在使われております防臭剤とか殺虫剤等々の成分あたりをはっきり認識された上で、それなりの対応を早急につくってもらうことが大事だと思います。環境庁ぜひその点頭に入れておいてもらいたいと思います。  それから、先ほども出ておりました中小河川の汚濁の問題です。これは下水道との関連もたくさんありますが、家庭の雑排水、農業用排水、大きな川はそれぞれ水質規制等が行われて、水質基準に合うか合わないかといういろんなチェックがなされる体制にありますけれども、市町村が管理しております中小河川、これは死の川と言っても過言ではないくらいに汚れ切っていることは事実であります。行政指導という立場からどこに一体責任があるのか。一体どういうかっこうで浄化しようという作戦がなされておるのか、どうもわからないのです。中小河川が死の川に化して、異臭を放ち、見た目でも汚い。一体だれがあそこをきれいにしてくれるのかなという気がするわけです。最終的には河川管理者の問題だと言っても、河川管理者がみんなおまえの責任だと言われても、ちょっと問題が大き過ぎるんじゃないかと思うのです。そういう意味で、どこが責任を持って浄化させる作戦を立てるのか。  これは厚生省環境庁、建設省それぞれ絡んでの問題ですから、それぞれ解明をしていただきたい。
  130. 渡辺一志

    ○渡辺説明員 まず初めに、公共用水域の水質の状況がどのようになっているかということからお話しいたしますと、わが国の公共用水域の水質は、排水規制の強化だとか、あるいは下水道の整備等によりまして総体的には改善の傾向にございます。しかし湖沼や内湾等の閉鎖性水域、あるいは下水道等が整備されていない中小河川等におきましては、横ばいとかあるいは悪化の状況にあるものもございます。したがいまして、それらのところでは水質の環境基準も達成していないという状況でございます。  これらの要因は何かということになるわけでございますが、御指摘のように家庭雑排水等による負荷が総体的に大きくなってきているということは言えるかと思います。  それでは、このような地域の水質改善をどうして図るかということになりますが、それらの一番の大きなものとしては下水道の整備促進ということが基本になるわけでございますけれども、そういった下水道の整備が急速には進まないとか、あるいは将来ともそういった下水道の整備が行われそうもないというような地域につきましては、こういった汚染のもとになっている家庭雑排水対策等が必要になろうかと思われます。  こういった関係から、環境庁としましては、これらの地域の雑排水処理を何とかしなければならないということで、五十六年度の予算要求をしておったわけでございますが、それが認められましたので、これら雑排水の処理システムであるとかあるいはそのあり方等につきまして、本年度から専門家による検討会をつくりまして調査検討を進めてまいりたい、このように考えております。
  131. 矢野勝太郎

    ○矢野説明員 建設省といたしましては、一級河川の大臣の管理いたしております区間につきましては、水質調査を継続的に実施しておりまして、五十六年度には約一千カ所において調査を予定しておるところでございます。  先生御指摘の、二級河川と中小の河川につきましては、都道府県等におきまして水質の調査を実施しておるところでございまして、その調査に基づきまして、中小河川につきましても、汚濁の著しい河川につきましては、下水道の整備と相まちまして、河川事業といたしましても、浄化用水の導入でございますとか、ヘドロのしゅんせつでございますとかいうような形で河川の浄化事業実施しておるところでございまして、五十六年度については全国では六十一の中小河川、事業費約四十億円をもちまして河川浄化に努力しておるところでございます。
  132. 山村勝美

    山村政府委員 中小河川対策は、環境庁の方から話が出ましたように、基本的には環境庁が総合的な水質保全計画を立てる、各省がそれの個別施策を実行していく、先ほど建設省から出ましたような、河川の浄化用水の導入とか下水道の整備とかということを行う。厚生省といたしましては、雑排水がどこの所管かということはまだはっきりいたしておりませんで、それらについて各省は各省なりにまだ調査研究の段階でありまして、いずれどこがどうするかという調整をする必要があるというふうに考えております。
  133. 米沢隆

    ○米沢委員 それぞれ省庁ごとに自分の行政エリアを決めて努力をされておることはよくわかりますけれども、問題は、学問でもちょうど学際が問題になっていますように、縦割り行政のちょうどすれすれのところがみんな無責任になっている。したがって、事の成り行き上むずかしい問題もあるかもしれませんけれども、縦割り行政の弊害をなくしてもらわないと、末端のところのこういう中小河川の汚濁なんというのは絶対よくなりませんね。これはだれの分野、これはだれの分野、これはだれの責任だなんと言われて、結局困るのは住民なんです。したがって、住民の立場からしたら、どこのどなたがやってくれてもいいわけです、ちゃんとうまく機能してもらえば。そのあたりがどうも縦割り行政の悪いところだと思うのですが、このあたりにいまからメスを入れるべきだ。  厚生省管轄だけの問題ではなくて、すべての行政で際(きわ)の問題がいま大変大きな問題になり、そこらが結果的には放置されておると思うのですが、大臣、どうかこの縦割り行政の際(きわ)の問題を積極的に、だれの責任だというのじゃなくて、一、二の三でやれるような体制をつくってもらいたいと思うのです。大臣から一言所信を聞かしてもらいたいと思うのです。
  134. 園田直

    ○園田国務大臣 御指摘のとおりでありまして、水質についてはずっと前は科学技術庁、経済企画庁がこれを担当しておったわけでありまして、その後変遷がありまして、いまのように各省に分かれてきているわけでありますが、おっしゃるとおりに、これはほかの問題と違って、連絡協議会などで処理すべき問題ではなくて、やはり各省が話し合ってどこかでまとめてやるべきだ、私はこう思うわけでありますので、そういう方向で検討、努力をいたします。
  135. 米沢隆

    ○米沢委員 時間もありませんので、最後にいたしますが、最後の問題は、例の産廃物の処理の問題と、結局電気製品だとか自動車の廃車とかあるいは廃タイヤだとか、空きびん空きかん、このあたりがいわゆるちょうど際(きわ)の問題でして、事業者責任を追及できるかできないのかという、そういう点で非常にいま問題になっておるのじゃないかと私は思います。  従来から衆議院の社労でも、参議院の社労でも、必ず附帯決議に、「事業者に対し、廃棄物となった場合に適正な処理が困難となる製品、容器等の製造、加工、販売等を行わないよう指導を徹底するとともに、適正な処理が困難な製品、容器等については、必要に応じこれを回収、処理させるよう指導すること。」ということがいつも出されておるにもかかわらず、いつも出るということは結局なされてないということなんでございまして、そういう意味でこういうものができるような根拠法規をしっかりすべきだと思うのです。  現在、事業者責任というのが処理法には載っておりますけれども、産業廃棄物は政令で定めるとか、その他いろいろ列挙されております。その他産業廃棄物でも、実際は一般廃棄物として家庭を通していったら、それはごみの山になろうが事業者関係ない、そういう形になっておるわけですね。あるいは、何とか廃材を回収してくれという指導ができるだけで、全然力はないわけですね。それがいまごみ処理問題の一つの大きな課題ではないかという感じが私はするのです。そういう意味で、産業廃棄物の範囲を拡大するとか、あるいは家庭が使って出されたものについても最終的に事業者責任を負わせるとか、そういう法規の充実というものが必要なんじゃないか。それなくして行政指導では、限界があるんじゃないか。  いま田舎の方でも、自動車の廃タイヤなんかもう野積みです。あれに火をつけたら、また真っ黒い煙を出してもう大変ですわ。それならその売ったやつに取らしたらどうかと言ったら、それは金が物すごく要るんです、このごろ取ってもくれませんと言うわけだな。これはやはり再利用するにしましても、コストの問題がどうだこうだと言って結果的には逃げ回って、たんぼの中にタイヤが山積みされておって、ときどき野焼きで黒い煙で、われわれがそれを吸うだけの話で、そういう意味では、やはり処理法の産業廃棄物の政令の決め方、あるいは事業者責任をもう少しはっきりさせるというこの二点について早急に検討を加えて、改正法案でも出すようなことが必要ではないかと私は思うのですね。いかがですか。
  136. 山村勝美

    山村政府委員 問題は、一般廃棄物産業廃棄物の区分でその責任が不明確になるということに帰するような気がいたしますが、一般廃棄物処理計画市町村が策定いたしまして、産廃とは別の流れをつくるわけであります。しかし、一たん消費者に渡りますと非常に処理のしにくいものも入ってくるということで、その分については市町村は拒否してよろしい、事業者責任処理するようにしてもよろしいという趣旨で三条二項の適正処理困難物という思想があるわけでありますが、基本的には、法律上原則的にはそういうものについては事業者責任を持ってやるというたてまえになっておるところでございます。  それで、個別、具体的な指導、流れが必ずしもはっきりしていないということが一つ混乱の原因のような気もいたしますので、その辺、個々によく詰めてみまして、たとえばタイヤでも、ある地域では不要物であっても、あるところへ行きますと重要な燃料になるとか、そういうこともありますので、そういう産廃の物の流れ等も含めて、やはり大きな国全体のシステムの中で考えていく必要があるような印象を持っておりまして、その辺について、御趣旨ごもっともと存じますので、よく研究させていただきたいと存じます。
  137. 米沢隆

    ○米沢委員 その事業主が最終的にはたてまえとしてやるべきだ、こうおっしゃっても、やってないんだな。それで、やれと言って指導もできないんだな、罰則も何もないんだから。そういう意味で、これはやはりどこかが欠けているという気がしますね。  あるいは地方自治団体でも、たとえば自動車の廃車、そういう古タイヤあるいは電気製品を産業廃棄物として見るか、あるいは一般廃棄物として見るか、地方自治体で全然見解が違いますよ。それによってまた扱いも全然違ってくるわけで、どうかそのあたりは統一的に処理できるように、御検討を早急にお願いしたいと思います。  終わります。
  138. 今井勇

    ○今井委員長代理 次に、小沢和秋君。
  139. 小沢和秋

    小沢(和)委員 今回の法律の改正は、廃棄物処理施設をさらに今後五カ年間計画的に進めていこうということでありますから、私たちとしては、全体としては結構な趣旨だと思うのです。  まず最初にお尋ねしたいと思いますのは、この五カ年計画は単なる努力目標であってはならないと思うのです、これは閣議で決定もしているものでありますから。ところが、過去の予算の伸びに比べますと、五十六年度の予算は、屎尿でもあるいはごみでも、わずかに一%程度しか伸びがない。ところが、過去の第四次の時期を見てみますと、四年間、私の手元には五年分がなくて四年分で見てみたら、一八七%伸びているのですね。だからそれから見ても、こういうふうにほとんど伸びがないというような状況のもとで、果たして今後五カ年間でこの目標を達成できるのか。  私がおよそ考えてみまするに、四次と五次の規模で比較すると五六%ばかり伸びるわけですから、毎年一〇%近くぐらいは伸ばさないとこの目標を達成できないということになるんじゃなかろうかということを常識的に判断するわけですけれども、この点については、私は、閣議決定の問題もあるから、大臣に責任のある説明をお願いしたいと思うのです。
  140. 山村勝美

    山村政府委員 全く御指摘のとおり、過去、高度成長といいますか、予算が順調に伸びている時期におきましては順調にまいりましたが、昨今の財政事情から公共事業前年度横ばいということで、廃棄物につきましては、お情けをいただいたんでしょうか、プラス一%というような結果になっているところでございまして、この計画をそのまま遂行するには、御指摘のように一〇%以上の財源確保が必要でございます。  これはあらゆる公共事業を今後どう進めていくかという政府の経済政策、財政計画にかかっておるところでございまして、私どもといたしましては最大の努力をしまして財源の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  141. 小沢和秋

    小沢(和)委員 私は最初に、閣議決定でもあるし、大臣にその点は見解を伺いたいと言っておりますので、大臣、お願いします。
  142. 園田直

    ○園田国務大臣 ただいま申し上げましたように、非常に困難な環境ではあります。しかし、これを努力目標にしては相なりませんので、その点十分頭に入れながら努力をいたします。
  143. 小沢和秋

    小沢(和)委員 ところで、この計画が第四次の計画と比べてどういう点に特徴なり新しさがあるかということでお尋ねをしたいと思うのです。  私は、かつての高度経済成長時代と違って、ごみの発生そのものを減らし、またごみの再資源化に努めるという点では、すでに第四次の当時でも言われておったと思うのですけれども、先ほどもお話があったように、その点ではきわめて進み方がのろかった、どうしても今度はその辺に力を特別に入れなければならないのじゃないかと思うのですけれども、この第五次計画というのを見てみますと、前書きの部分に「有効利用のための施設」という言葉が出てきて、そして具体的な施策の点では、五番目のところに、「余熱利用施設の整備等省資源・省エネルギー対策に配慮するとともに」という言葉が出てくるのがそれに当たると思うのですけれども、一番最後の五番目にちょっとこういうような言葉が顔を出す、しかもそれも、「余熱利用施設の整備等」ということで、これは発電あるいは温水利用といったような範囲のことじゃないかと思うのですけれども、もっと本格的に資源を再生をさせていくというような立場に立っての政策的な努力というのが必要ではないかと思うのですが、その点いかがですか。
  144. 山村勝美

    山村政府委員 第五次計画におきまして、ごみ減量化、再生利用、省エネルギー対策を配慮するということを打ち出しておりますが、この点につきましては、第四次もこれに類似した表現があったかと思いますが、これは具体的な数字、計画を積算する過程では量的にはほとんど考慮せずに、実行段階で配慮するというような内容でございました。  今回は、まず資源化によって、一つは埋め立て処分の問題がございまして、減量化を進めるということが大きな柱になっておりまして、たとえば家庭から排出されるごみにつきましては、まず二%は事前資源化に持っていく、さらに不燃物からは、不燃物の五%、総排出量に対して一%のごみにつきましてはこれも資源化に回すということで、トータル三%の百五十一万トンぐらいを資源化に回したいということを数字の上でも明らかにしていきたいというふうに考えております。  それからさらに減量化に関しましては、粗大ごみにつきましてその容積を減らす、減容化と申しますか、空洞のあいたものを圧縮しまして小さくする減容化の施設につきましても考えていく。  それから焼却処理施設は、焼却によって重量にして六分の一、容積にして二十分の一に減少することが可能でございます。これは五カ年計画の中核でございまして、ぜひとも進めてまいりたい。  コンポストにつきましても、五十五年度前期ではむしろ低減傾向をたどってきましたが、昨今若干上向き傾向が見られますので、現状の五、六倍レベルのものは見込みたいというような気持ちでおるところでございます。  それから発電施設としてそのまま取り上げてどうこうというわけにいきませんが、内容的には実行段階で十分配慮していきたいというふうに考えておるところでございます。
  145. 小沢和秋

    小沢(和)委員 私は、本格的なごみの再生という点では、たとえば通産省の工業技術院が取り組んでおります資源再生利用技術システム、これなどはもっともっと研究を進めさせる必要があるのじゃないかと思うのです。  先日、私はその担当者に来てもらって話を聞かせていただいたのですが、すでに単なる実験段階じゃなくて、横浜市の磯子とか金沢区というようなところの家庭ごみを集めて、そして実際にもう一年間ほど操業したりした実績も得て、非常に自信を持っているという話なのですね。  その話をもう一言紹介してみますと、この家庭ごみを三つのグループに分けて、一つは台所のごみ、これは堆肥やメタンガスにする。二つ目は紙類を分離して、これをパルプなどにする。三つ目はプラスチックなどをガスや燃料油などにする。さらに鉄を磁石で分け、いよいよどうにもならない瓦れきみたいなものは埋め立てるけれども、これは百トンのうちで十五トンぐらいにすぎない。あとのものは、いま言ったようなことでほとんど再生をすることができる。ですから、初めのいわゆる建設コストは一般焼却場などに比べると確かにある程度高くつくが、それも何倍というものじゃなくて何割かという程度のもので、結局後からこういう資源を回収してそれを処分したりすれば、これはいままでよりも、長期的に見ればむしろ安いくらいの状態になるというふうに言っているわけです。  これは、私は、すでにそういう横浜などのような大都市の一画で一年間も実験をしたという点から言っても十分な説得力を持っていると思いますし、自治体などの中にも関心を持って、長野県の小諸市などでは、この中の部分的なものですけれども、すでに採用したというような話も聞くわけです。  お尋ねしたいのは、こういうような積極的な姿勢を示す自治体もすでに出てきているわけですけれども、私は、こういうようなものをうんと奨励する意味では、一般ごみ処理施設だということでほかと同じような、いわゆる補助率でいくのじゃなくて、こういうようなものについては特別に政策的にも優遇するというようなことがあっていいのじゃないかと思うのです。そういうような点について今後考えていかないかという点、私提案したいと思うのですが、いかがですか。
  146. 山村勝美

    山村政府委員 スターダスト80ということで各種のプラント開発が行われておることは承知いたしております。  問題は、そのプラントをその地域のいわゆる物質サイクルの中に位置づけがうまくいくかどうか、いわゆるソフト面を十分詰めないと、できた製品は売れないとかあるいは収集ごみが所定の計画どおりいかないとかいうふうに、全体の物流をよく確かめないとなかなかいかぬような問題があるわけで、そのスターダストの方で一年間いろいろ実験をされまして、技術的な見通しはあるというふうには承知をいたしておりますし、コスト的には、果たして廃棄物処理の立場からこんな余分な金をかけていいのだろうかというような問題は別といたしまして、なおコスト高であるというような制約もあるようでございます。基本的には、こういうものはどんどん開発をしまして、そういうソフト面が解決された個々のケースについて適用していくということは必要であろうと思います。  私どもも、ユーレックス計画ということで、豊橋市におきまして実験プラントを昨年十一月、四年がかりで完成いたしまして、これは都市、農村の廃棄物を、有機成分につきましては肥料化をし、あるいは不燃物のうち金属等につきましては生産工程に流すとか、いわゆる地域の循環システムとして構成したものでございまして、そういうことについては現在まだ評価中でございますけれども、うまくいくようであれば大いに推奨してまいりたいというふうに考えております。
  147. 小沢和秋

    小沢(和)委員 いや、だから私は、推奨の仕方として補助率をほかの施設などと同じでは、これは一つの冒険も伴っているわけですから、やはり余り意欲が出てこないのじゃないかと思うのです。だから、そういうのを特別にかさ上げをするというようなことを考えないかと言ってお尋ねしておるわけです。  ついでですから、もう一つお尋ねをして一緒に答えていただきたいのですけれども、私は今度この法案を審議するので地元の北九州の状態を少し勉強してみてびっくりしたのは、もうすでに屎尿などは全部陸上で処理をしておりますというように私たち聞いておったわけです、ところが、その屎尿を実際に処理をして最後に汚泥になったものはやはり海へ持っていって捨てているのですね。それだけかと聞いたら、いや下水などの汚泥も持っていって捨てているというのです。私は、生の屎尿を捨てるのとそういう汚泥にして捨てるのとどの程度違うかというようなことについて、素人ですからよくわかりませんけれども、少なくとも海にこういうようなものを持っていって捨てるというようなことは一番原始的な、これはもう一刻も早くやめさせなきゃいけないことじゃないかと思うのですよ。  私はそういうのについて何か技術的に解決ができないものかということで少し調べてみたら、これも最近通産省の実証プラントで、千葉県の我孫子というところで、いま私が言いました下水やら屎尿やらの汚泥自体を乾燥させたら有力な燃料になるということで、もう五十五年度からそういうようなものの建設に着手しているのですね。だから私は、これなんかも、そういうものを積極的につくらせるように奨励すべきだ、さっき言ったものと同じように、これも、今後あっちこっちの自治体でつくっていくというんだったら、ぜひ特別の政策的な補助率などというようなものを考えてしかるべき施設じゃないか。  そんなことを挙げ出したらまだいろいろあると思うのですけれども、私、その二つの例を挙げてお尋ねしたいと思うのです。
  148. 山村勝美

    山村政府委員 いろんな実験が行われておることは大体承知をいたしておるところでございます。それを果たして行政ベースで実施していくかという段になりますと、スターダスト80に参加しておるような高度な技術者がすべて全国におるわけでもありませんから、そういう技術的な制約あるいは経済的な負担の問題など総合的に十分チェックしないとできないと思います。現在のところなお検討を要するというふうにわれわれは判断いたしておりまして、これは早急に方向づけをしたいと思いますが、なお検討した上でそれをぜひとも促進すべきであるという判断に立ちますれば、御指摘の点についても配慮させていただきたいと存じます。
  149. 小沢和秋

    小沢(和)委員 では、その点は十分に今後積極的に取り組もうというような自治体に対してはその意欲を引き出すという点でも、いまの点をやっていただきたいと思います。  それから次に、全体として施設の整備を促進していくという立場からお尋ねしたいと思うのですが、大都市で自分でもいろいろできるような財政力を持っているところでは、私の承知している範囲ではわりに屎尿やらあるいはごみなどの処理施設というのも進んでいっているように思うのですが、見ていると財政力の非常に貧困な中小の都市や町などではもうどうにもならないところにきて、何とかしなければということでいま必死になっているところがあるのです。これをどうするかという問題です。  私の地元のことばかり言って恐縮ですが、北九州市の隣に中間市というところがあるのですけれども、ここは最近非常に人口が急増してきました。昭和四十九年から近くの町に委託をしてごみなどを焼いておったのですけれども、そんなことでは間に合わない、そっちからも断られるという状況になって、屎尿処理施設ごみ処理施設を一遍に一市四町の広域一部事務組合で片づけようということを思い立って自分たちの町の中に用地も確保するという状況になってきつつあるわけなんです。ところが非常に問題なのは、最初五十億と思っておったのがいまでは七十億は要るだろうということで、これは本当に大変だと言っているわけですね。私いろいろ聞いてみたのですけれども、財政力が貧困だということでいまのところ補助率などについては政策的には配慮される道はないようなんです。政策的に配慮されているのは公害防止指定地域の中については促進するという意味でかさ上げをするとかそういうことがある程度だと聞いているわけですけれども、こういう貧困な財政力の市町村についても考えないと、何とかしなければいかぬけれどもやはり進まないということになるのじゃなかろうかと思うのです。  その点で一、二具体的にお尋ねしたいと思うのですが、中間市の市長に、あなたがいま一番頭を痛めているのはどこかと聞いたら、一つ超過負担だと言うのです。超過負担についてはずいぶん努力をしていただいているようですけれども、そちらの方から出していただいた資料を見ましても、屎尿処理施設が一キロリットル当たりでいくと実態としては千三百十五万四千円かかるのが国庫補助基本額としては一千三万円、だから三百万以上の隔たりがありますね。それからごみの方でいきますと、一トン当たり総事業費が一千五百十六万七千円、国庫補助基本額が一千二百十六万ということで、これもやはり三百万からの開きがある。中小都市ですから百トンくらいの施設考えてみても、それだけでたちまち三億円からの超過負担が出てくることになるわけです。  こういう点についてもっと努力をしていただきたいと思うわけですが、この超過負担の解消という点ではどういう努力をしていただいておりましょうか。
  150. 山村勝美

    山村政府委員 義務経費でありませんので正確な意味で超過負担は使いませんが、四十九年ころの超過負担的なものとして三%くらいしか補助対象にしてないという実態がございます。五十年、五十一年に改定をいたしまして、五十二年にはほぼ一〇〇%に、実勢に近づいておるはずでございます。その後毎年物価高分だけ補正をいたしておりますので、ほとんど補助対象にはなっているという実態でございます。  御指摘の総事業費との差、これにつきましては補助対象にならないものでございまして、その中にはたとえば周辺整備の老人ホームでありますとかプールでありますとかも入っていましょうし、起債で対処されるような用地費が入っていたり、いわゆる補助対象外施設も含まれていると思います。補助対象になる分についてはほぼ一〇〇%というふうに認識いたしております。
  151. 小沢和秋

    小沢(和)委員 いまあなたが言われたとおり、特に問題は、住民の人たちが環境が悪くなるのではないかという不安を持ったりしている。これを納得させなければいけないというので、たとえば起債などでめんどうを見るのは施設そのものを建てる用地の面積のたしか五、六倍だったと思いますけれども、それが実際には十倍くらいはすぐかかってしまうわけです。そしてそこを公園にするとかグラウンドにするとかいうような形で使う。それは公園じゃないかと言ってしまえば確かにそうなんですけれども、そういうようなことをしないと皆さんが安心できない。われわれでもどんなに条件がいいところだということで行ってみても、近くへ寄るとわずかにでもにおったりするのです。だからそういうような点でも用地などの起債については現在五、六倍まで見るということではなしに、そういう実態に合わせて考えていただかなければならぬ。これはわれわれとは関係ないことだといってもそれをやらないと進まないのです。  あるいはもっと直接的な問題として、アセスメントをやらないと説得力のある話はできないわけです。ところが中間市などの例を聞いてみても、このアセスメントに一億円くらいかかりはせぬだろうかと言うのです。このアセスメントはあなた方の言う補助対象事業にはなってないでしょうけれども、アセスメントをしっかりやれということがあなた方の重要な指導の方針になっているはずです。そうすると、これを何とか見てほしいというのも根拠のある話じゃないかと私は思うのです。  この点は、厚生省だけでなく自治省にもおいで願っていると思うのです。だからいまの起債のめんどうをもっとよく見てほしいとかアセスメントをたとえば特交などでめんどうを見るということも考えられるんじゃなかろうかと私は思うのですが、その辺、どちらでもいいですからお答え願いたい。
  152. 津田正

    ○津田説明員 お答えいたします。  清掃施設等につきましては、先生御承知のとおり補助金を除きました地方負担につきましては地方債と交付税で措置をしておる、こういう状況でございます。  それで、いまお話にありました環境周辺対策と申しますか、そこらも、公園事業であればまた公園の地方債という制度もございますし、あるいはよく問題になりますのは、用地確保はあわててするよりはある程度計画的に数年度前に確保しておいた方がかえって好ましい状況もあるかと思いますので、そこらには公共用地先行取得債という起債も設けておりまして、必要に応じまして配分しておる状況でございます。  それからアセスメントの経費についてでございますが、これはいろいろややこしい問題がございまして、要するに事業年度前の年度でございますいわゆる補助採択以前の年度でやったものはちょっとどうにもならない状況になっておるわけでございます。あるいはアセスメントだけやって事業自体が行われないというような極端な例もあるかと思います。事業採択という点でなかなかめんどうがあるかと思います。いままでの補助金体系からそういうふうになかなかむずかしい点もあるわけでございますが、何と申しましても国が長期計画等をやって計画的に推進しようという事業をまさしく円滑にするためというものに対して、どういうふうに国の方の責任もとるべきか問題は残っているんじゃないか、なお検討すべき問題はあるかと思います。  それから具体的に財政貧弱団体等で、特に小規模団体等でいろいろむずかしい問題があるようでございますが、私どもとしましては、厚生省も同じと思いますが、特に一部事務組合方式を推奨しておりまして、起債や何かでも一部事務組合でやれば単独でやるよりも有利にするというような扱いにしてございます。  なお、アセスメントその他万般の意味を込めて、種々の経費につきまして特別交付税の算定において考えないか、こういうような状況でございますが、それぞれの事業、たとえばアセスメント経費それ自体についての地方負担をどうするという問題になりますと、先ほど申しましたように、国なり地方の責任あるいはまた地域的にも非常にばらつきがあるようでございますので、なかなか算定しがたいことです。そう申しましても、小さな市町村で非常に多額な経費がかかって、ほかにやるべき事業もやれないというような事情になっては困りますから、そういうようなときには十分事情を伺って対処したい、かように考えております。
  153. 小沢和秋

    小沢(和)委員 その点については、今後もっと真剣に検討していただきたい。私が見ているところでは、特にあちこちで中小都市が非常に深刻な事態を迎えておるのですね。ぜひその点を検討していただきたい。  時間も気になりますから、最後産業廃棄物処理の問題でひとつお尋ねをしたいと思うのです。  五十一年の法改正でだと思いますけれども、企業が、産業廃棄物については責任を持って処理しなければならないということが決められているわけですが、特に有害な産業廃棄物処理をめぐって、北九州などでも、自社の中に放置しておる、ところが土手も何もしてないものですから、海の中に流れ込んでしまっているのではないかということを住民から指摘をされて大問題になったとか、いろいろなケースが出ているわけなのです。このようなことについてもっときちんとさせるということで、先ほど話が出た環境衛生指導員を置くとか、報告の徴収とか、立入検査、措置命令などというような仕組みもつくられていると思うのです。  北九州でどうなっているかということで私少し聞いてみたら、北九州では第三セクターということで、県、市、あるいはそういう産廃を排出する事業者などの共同出資で響灘開発株式会社という会社をつくってその捨て場をつくっているわけなのですが、最近それが動き出しているのです。しかし、地元の人たちは非常に心もとないと言うのです。  どういう点かというと、搬入申請書とサンプルとを添えて窓口に出す。そうすると、その会社の職員だと思いますけれども、目でちらっとそれを見るだけで通してしまう。後でそれは分析されているだろうというのですけれども、これは分析されているかどうかは別にどこもわからない。  じゃ、市自身はどうしているかというと、市は一カ月に一遍ぐらい抜き取り調査、サンプリングで分析しているらしいというのですけれども、しかし、どんどん捨てられているわけです。だから、後であれはまずかったというようなことになっても、現に捨てられてしまっている。  じゃ、その捨て場はどうかというので調べに行ってもらったのですが、その捨て場は四つに区切られて、ここが有害な産廃を捨てるところだということに区切ってはある。何で区切ってあるのかと言ったら、ビニールで区切ってあると言うのですよ。私はそこに土手か何かついていないのかと二度聞いたけれども、いや、ビニールだけで区切ってあると言う。そんなあいまいなことではまたいろいろと問題を起こすぞというふうに住民の人たちが言っているわけです。  先ほどから問題になっているわけでありますけれども、こういうような点については、国としてせっかく法律をつくっているが、運用の状態がこうだという点を見ていただいて、これを厳しくやっていただきたいのです。  それからもう一言お尋ねしたいのだが、これは私が質問するといってきのう通告したわけです。そうしたら最初、厚生省は、いや環境庁でしょうと言う。環境庁に言ったら、いや、通産じゃないですかと言う。通産に言ったら、結局厚生省でしょうと言うのですね。私はこれは人をばかにするなと言いたいわけです。こんな地元の人たちが不安を持つような重大な問題について、それにどこが答えられるかということさえあいまいだったら、いままでこのことについてあなた方がチェック指導も何もしていなかったということだと思うのです。一言でいいからはっきり答えていただきたい。これで終わります。
  154. 山村勝美

    山村政府委員 有害産廃に限らず、産業廃棄物規制面は厚生省でございます。個々事業所監督はそれを所管する省庁がする。つまり第三セクターのような形になりますと、厚生省は保健所等を通じて指導していくという体系をとっておるわけでございます。
  155. 小沢和秋

    小沢(和)委員 終わると言ったのですけれども、私が最後に言った、ぐるぐる回ったのはどういうわけですか。いまのあなたの答弁からすると明快みたいなのだけれども、きのう現に私は、その三つの役所からうちじゃないという説明ばかり聞かされたのですよ。これはどういう経過ですか。実際いままでそういう状態だったから、そこのところは指導があいまいだったのじゃないかと言っているのです。その点は今後ははっきりするわけですね。
  156. 山村勝美

    山村政府委員 最終処分基準は、厚生省環境庁の共同省令になっております。具体的な第一線の指導厚生省がやるという体制でございます。
  157. 今井勇

    ○今井委員長代理 次回は、来る五月七日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十七分散会