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田口委員 いまも
お話がありましたように、
産業廃棄物の場合にはたてまえとして
事業者の
責任ですから、一応これは有毒ですとか、これはこういうものが入っておりますということは
チェックできるのですね。
ところが、いわゆる
一般廃棄物として
一般家庭から排出される分の中に、さっき申し上げたような適正
処理困難な
廃棄物が最近は特に多い。また
有毒性のものもある。こういったことですから、ひとつこの五カ年
計画の中でこういったものを製造するといいますか、出すおそれのある
メーカーについてやはり
協力を要請する必要があるのではないのか。
いまの
法体系は私はおかしいと思うのですね。同じ
有毒性を持った適正
処理困難な
廃棄物でも、
事業所から出せば
産業廃棄物でしょう。ところが、それを買った
一般家庭から排出すると
一般廃棄物になる、こういう
体系になっておりますから、物をつくる
メーカーに対して、これこれのことはひとつ
協力をしてもらいたい、
焼却に当たって
大変支障があるからということで、やはり
厚生省としては具体的な
協力要請をすることが必要ではないのか。こういう点で特に要望しておきたいと思います。
次に、
計画と
事業の
達成目標について、先ほどのお答えですと
焼却可能な
ごみの
焼却率を九一%に高めていきたい、これは六十年度なんですけれども、現在の八五%を九一%に高める。ところが、高めるためには十分に機能する
焼却工場を建てなければならぬ。その
焼却工場を建てるのに、
先ほど補助の問題で取り上げましたように、地価が上がる、
環境の問題が起こる、さらに
超過負担などの
財政事情が起こる。こういったことで
立地に
大変制約が加わってきておることは、私が言うまでもないところでございます。したがって、この九一%以上にまで
計画を達成するためには、
焼却工場を例にとりますと、付近の
住民の方々の
理解、
協力ということが大変必要になることは言うまでもありません。
私はここで地元に起こった
一つの例を申し上げて、
厚生省あたりやはり適正な
指導をしてもらいたいと思うのですが、
焼却工場をつくるところを中心にして
半径五百メートル、
半径千メートルの中の各
所在住民に対して、こういった
焼却工場をつくりたいから
同意をしてもらいたい、こういう努力をその
該当市ではやっておるのですが、この
やり方は、この市に限ってでなくてどこでもやっておる大変巧妙といえば巧妙、ひきょうといえばひきょうな
やり方をとっておるのですが、初め千メートルの
関係のないところの
同意書をとっておいて、そして一番
焼却炉の真近にあって迷惑をこうむる地区の
住民は
最後にする。これはなぜ
最後にするかわかるでしょう。遠いところを、
大阪城の外堀を埋めた例と
一緒ですね。外のところを全部攻めておいて、外が
同意をしておるのですからおま
えさんのところが
反対をするのはけしからぬ、いわゆる
泣き寝入りといいますか、まあ轟沈をさせるわけですね。こういう
やり方で
半径五百メートルの中におる
住民が一番
泣き寝入りをする。
泣き寝入りをするだけなら私はまあまあと思うのですけれども、千メートルのところに
同意書を得るためにはっきり言って
えさを与えます。公民館を建てましょう、街灯をつけましょう。千メートルのところに全部そういう
えさをばらまいておいて、
最後に五百メートル以内のところは出す
えさがないんです。
えさと言ったらちょっとおかしいのですけれども。ですから
条件で、何とか道を広げてくださいとか
緩衝帯に
グリーンベルトをつくってくださいというようなことを言うと、そんな金はありませんよ、そういうふうな
補助の
対象になっていませんということで、結局一番後になったということもあって、この
焼却工場の真下にある
住民が
条件を言おうと思ってももう
泣き寝入りをしなければならぬ。これは私は現地へ行ってみて、初めから
焼却工場に
理解があります、必要でしょうなんと言うからなめられてこういうことになったんだ、初めからむしろ旗を立てて断固
反対とやっておったら真っ先に
条件を持ってくるじゃないか、そんな
やり方はだめですよと冗談まじりに言ったわけです。こういう例が、私は実例としてあえて具体的な名前は出しませんけれども、あるわけです。
ですから九一%
目標を達成するには
焼却工場なんかを早く建てなければならぬ。その
立地の
制約を取り除いていかなければならぬ。その
制約を取り除いていくために
厚生省としてはそういう
該当市町村に対してそれらの
住民との
話し合いがスムーズにいくように、
話し合いのテーブルに着けるような
環境づくりまで
指導をする必要があるんじゃないか。そうでないと今度の第二次
計画で九一%まで高めることが
実績八〇%で済んでしまいました、その
理由は
立地の
制約がございましてということになってしまうんではないか。私は今日の
ごみ行政を
考えれば
考えるほどそういった点についてきめの細かい
指導ということも必要なんじゃないのか、こう思うのですが、その辺のところのお
考えを承りたいと思います。