○桜井
委員 長官、御苦労さまでございます。
長官就任以来、長官のせいでもないのでしょうけれども、大変
災害のおつきがよろしいようでございます。
昨年の秋の冷水害、ことしの冬の豪雪、そしてまた春の水害、
北海道十五号、十八号の相次ぐ大
災害、大変ありがたくない言葉であり現象でございますが、
災害列島の名よろしく、相次ぐ
災害に国民はさいなまれておるわけでありますが、その中で、長官を初め
建設省、
農林水産省、それぞれ関係省庁のお役人さん方には、そのつど大変迅速に、しかも積極的に避難民の救済に御努力をされておるわけでありまして、この点国民も非常に感謝をし、また皆さんの御努力に大いに期待しているわけでありますので、どうぞ今次の
災害に当たっても、さらに一層の御努力を御期待を申し上げておきます。
さて、せっかく皆さんが大変御努力をされておるわけでありますけれども、いまの制度の枠の中ではどうしても救い切れない問題が幾つかあると思うのであります。皆さんがそれぞれ
河川、
農地あるいは個人個人の
災害に至るまで御努力をされておる中で、どうしてもこういう点はぜひ改正すべきではないか、そして
被害を受けておる立場からすれば、大きな地域の
災害も、小さなほんの一、二件しか
被害を受けなかった
災害も、
災害の程度が同じであれば、受ける側としては、つらさ、苦しさは同じであるわけでありますから、公平な行政というたてまえからいっても、そういう立場から救ってあげるべきだろう、私はこう
考えております。
そういう中で、実はきょうは二つほどただしておきたいと思うわけであります。
その第一点は、
災害の最中のことをちょっとお伺いしたいと思うわけであります。
先般の九月一日に、
関東大震災にちなんで、国土庁を先頭に、関係省庁が防災訓練をやられたわけであります。毎年やっていらっしゃるようでございます。その中で、あの
災害のことを忘れず、そしてああいう
状態が起きたときにどうやって国民の生命、財産を守るかということで、それなりに頭をひねって努力をされていただいておるようでございますが、そういう中で、今度の
災害、私の町は新潟県の六日町というところでございますが、信濃川の支流の魚野川でかつてない大洪水、大はんらんがあったわけであります。そのときに町じゅう、いわゆる旧六日町と言われる
中心市街地全部が、これは川沿いにずっと左岸側にあるわけでありますけれども、両岸とも市街地が全部水害を受けたわけでございます。そのときに、ひどいところは私が埋まるくらいの浸水のあった所もございます。総じて大体一メートル前後だったわけでありますが、そういう中で、目の見えない人、あるいは病気の方、あるいは寝たきり老人、いろいろな立場の方もあるわけでありますが、見境なしに一斉に水が来たので、しかも日曜日の朝で、私は後でお見舞いに回ってみたら、若い夫婦なんというのは、実は布団が浮くまでわかりませんでしたというくらい、本当に急激な増水で、逃げる余地も
対策もなかったような
状態であります。
そういう中で、それぞれの地域でやはり一番先に心配をしたのは、いま私が申し上げたような自分で自分の身が自由にならない方、こういう方をどうやって救ってあげようかということ、それで町内の皆さんが自分の仕事もなげうって奉仕をした、そんな中で、病院に
連絡をとろう、消防署へ
連絡をとろう、こういうことでありましたが、残念ながら電話が全然通じなくなってしまった。どこへかけても電話が通じなくなったのです。ところが相手からは電話が入ってくる。——私は
質問時間が十分間だそうでありますので、要点だけ提起をして御
答弁いただきたいと思うのでありますが、担当の電電公社の菊地保全局長、それから担当
理事であります稲見
理事等にいろいろ詳しい情勢を聞きましたら、電話機が水につかるとそういう
状態に、全部電話をかけていたのと同じ
状態になるのだそうでありますが、約四百五十台くらい埋まってしまったために、一斉にこの交換機のところに行ったためにこういう現象が起きたのだそうであります。そのときにいろいろお聞きしたところが、受信と発信では全然装置が違うために、発信はできないけれども受信はできるのだ、こういうことだったそうでありますが、このことについても私は技術屋ではないから大変疑問を持っておりまして、納得できないのであります。しかし、それはそう言っておりましたので、これから勉強するとして。もう一つは、その後徐々にそういうところを全部切り離していくのだそうでありますが、浸水した電話を切り離していく過程の中で、一本でも復活できるところから、まず警察、消防署、病院、それから町役場、それから今度は公衆電話というような形で開通するような処置をとったのだそうでありますが、いかんせん、そういうところへどんなにそういうふうに電話
連絡ができるようになっても、一番肝心な病人や目の見えない人、そういう人たちが水につかって苦しんでいるのを助けてきても、医者と
連絡をとろうと思っても、消防署と
連絡をとろうと思ってもどうにもならなかったのでありまして、私はそのことが、担当の電報電話局の職員やあるいはいま私が申し上げた担当の局長や
理事が悪いと申し上げているのではございませんが、こういう現実の事態に対応してみて、どんなに防災訓練をやってみても机上の空論ではどうにもならない、そういう非常時のときにどうやって国民の生命、財産を救うか、特に自分で自由のきかない人たちをどう救うかということについては十分な配慮があってしかるべきだと思うわけであります。
それについて、やっぱり受信機の方も、何か六日町の場合を言うと、受話器をとったときに「どうぞダイヤルを回してください」という信号が出せる仕組みに二十五個しかなっていないのだそうでありますが、仮に二十五個でふだんは間に合うのだとすれば、非常時の場合に二十五個が一度にだめになるようなことでなくて、個々に分散をしておくというような
措置を講じたり、それから町内町内に、公衆電話なんか水につかってしまえばドアがあかないのですからどうにもならない、使い物にならないのだから、それぞれの町内町内に責任者をあらかじめ防災体制の中で決めておいて、そこだけを通じられるようにすれば町内の人たちがいろんな
連絡もとれるかと思うので、そういう配慮をすべきではないかと思っております。
まず担当の電電公社の
理事さん、どんな
状態でこうなったか、そしてこれについて、私からいろいろ申し上げておきましたが、いまもし仮に地震やまた同じような大洪水やそういうことが起きたときのことを
考えて、どういう対応をされようとしているか、ひとつ御決意のほどをお聞かせ願い、そしてまた、
国土庁長官も
川俣審議官も、ぜひひとつそういったことに積極的に御協力を願いたいと思いますので、御
答弁をお願いします。