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佐藤(観)
委員 どうも
委員席には大分お目付役がいるものですから、後藤田さんの発言も大変何か慎重になってきておりますが、いずれにしろ確かに、そもそも
昭和二十二年に
参議院地方区の
定数を配分をしたときには、たとえば北海道は面積が大きいからということで八名にしたという経緯も私も知らぬわけではありませんが、しかし
議会制度というものが少なくも全
国民を代表する議員で構成される以上、やはりまず人口比というものが
基本だと思うのであります。その
基本が著しく衆議院以上に、五・七三倍になるという大変なアンバランスになっていることについては、やはりこれは早急に是正を図るべき重大な要件だと思うのであります。この点についても、
日本の
議会制度を守る
基本の問題でありますから、
自民党の中でも積極的にひとつ十分御討議を願いたいと思います。
自民党にしてみれば、これからふえるであろうと予想されるところは
自民党の議席がふえるところじゃないものですから、それはなかなかやりにくいだろうということはわからぬわけではないですけれ
ども、やはりそれでは
日本の
議会制度は守れないし、
政治の
信頼というものは確立できないと思いますので、大所高所に立った
審議というのが私は必要だと思うのであります。
その次に、
後藤田議員も若干御
説明がありましたけれ
ども、
自民党の
全国区の
制度の
改正案、これは先ほど、野党との話もつかなければ、なかなか
国会への
提出にまでいかぬだろうという
お話もございましたけれ
ども、これは大変御無理をなさった案ではないだろうか。新聞の表現によりますと、一本の矢で二つの的を射ようということで無理して、しかも二つの的が表裏になっているのならいいけれ
ども離れているものだから、それを何とかくっつけようとして大変無理をしているという表現を新聞がしておりましたけれ
ども、私は、余りにも無理し過ぎるのではないかと思うのであります。異党派投票が認められましたので、若干は従来の一票制とは変わってきたというものの、私は、どう見てもこれは無理ではないかと思います。簡単で結構でございますから、どういう説得力があって、こういう案になられたのか、若干で結構でございますが、お
伺いしておきたいのであります。
まず第一に、憲法四十三条の、要するに
国会は
選挙された議員によって構成をするという条項、正確には「両議院は、全國民を代表する選擧された議員でこれを組織する。」ということに四十三条でなっているわけでございますけれ
ども、
一体、異党派制を認めたというものの、このような方式で、いわゆる比例
選挙区議員というのでしょうか、というのが「選擧された議員」ということになるという積極的な
見解は、どういうところをお持ちになったのだろうか。
それから
選挙区候補に投票せず、どうしても、いわゆる
自民党さんの案でいえば昔の
全国区に入れたい
政党があるんだというときには、
自民党さんの方では無効になるというのですね。これはなるべく有権者の方々の御意思を反映をしようということで、たとえば開票でも、紛らわしいものでも大体読めるものについては、これを有効にしようという精神で今日まできたものについて、いわゆる昔の地方区には入れる人はいないけれ
ども全国区には書きたい
政党があるというのを、しかし、これは排除してしまう。だめです、これは無効ですという
制度が果たして
制度として憲法上問題がないのかどうなのか、その点については、どういうふうにお考えになったのか。
それから細かい話になりますが、たとえば地方区が何らかの形で無投票になってしまったというときには、昔の地方区というのは
選挙はなくなってしまうわけですね。
選挙がなくなってしまって、その場合に、
皆さん方の案では地方区に入れた票を
全国区に集計するということでありますから、この場合、昔の
全国区でありますけれ
ども、こうなりますと地方区に投票しなかったというか、
選挙がないわけでありますから
全国区に集計できない、こういったものは
一体どういうふうにお考になっているのか。
それから無所属の方の取り扱い、確かに
全国区でも三名一緒に組めば出れるということになりましたけれ
ども、どうも
自民党さんの発想というのは、あくまで無所属の方も
基本的には地方区の
選挙運動をやって、
全国区にも重複立候補ができるんだというシステムになっているわけですね。そうしますと本来、
全国区に出たいと言っていた方も地方区で
選挙運動をやらなければいかぬという形になるというのは、これは私は
制度的に無理ではないか、こういうふうに思うのであります。
それから五番目に、こういった
制度を出しますと
参議院の
政党化が進むんだという
見解があります。これは私は少し異論があるのでありまして、やはり議会
政治が
政党政治ということで民意の組織をなるべくしやすいようにしていごう。これが衆議院五百十一名が全くばらばらだったら
審議も何もできないわけで、
政党というのは
それなりの意義があるし、ましてや
政党というのは、それに所属する議員が
個人個人がかわっても、その
政党がかってやったことというのは後の議員まで責任を持たなければいかぬという
意味では、
政治の連続性からいってみても、きわめて意義があるわけでありまして、無所属の方を排除するわけではないけれ
ども、
政党化というのは必ずしも私は
議会制度の中において矛盾するものではないと思っているわけであります。この点についてどう思っていらっしゃるのか。
以上五点について、簡単で結構でございますので、
見解をお
伺いしておきたいと思います。