○
細江参考人 御
指摘のように、
自動車共済連発足しました当時はいろいろ妨害、中傷がございました。たとえば
自賠責の給付金を決定した資料を見せてほしい——これは私
ども自動車共済連には
自賠責共済なり
自賠責保険の取り扱いがまだ認められておりませんから、どうしても
保険会社なり農協が
自賠責保険の算定、決定をされた資料を見せていただかないと、あと私
どもの方の
共済金決定にいろいろ支障を来すわけです。そのことがひいては
被害者の利益にもつながるわけです。そういう
意味で見せてほしいということで、最初の間はさほどそういう抵抗はなかったのですが、三年くらい前にそのような文書が出まして、当時私の方からも
損保協会に公文書で抗議をいたしまして、その後は一応、いま
平田参考人おっしゃいましたような指示が出されたようでありますが、ただそれが各地方すべての
保険会社の下部
組織まで徹底をしておらない、そういうところにまだ欠陥がありまして、部分的にトラブルがやはり出ております。
それからアジャスターの問題でありますが、アジャスター
制度そのものは、
損保協会が研修をし認定証書を与えられた
制度でありますから、それを私
どもが便乗して利用させていただく、そういう
立場です。だから、拒否をしろという指令が出ればそれについて私
どもの方がとやかく言う筋ではないかもしれませんけれ
ども、アジャスターの
皆さん方の
意見を聞きますと、
会社に雇用されたものではない、そういう資格を持って
会社の業務を請け負って、その手数料で言ってみれば収入を得ておる。だから、それは
損保会社であろうと、農協であろうと、
自動車共済連であろうと、仕事がもらえればそれだけ収入になるわけですから、ぜひ私
どもを利用してほしい、そういう指示はあるけれ
ども陰ながらも協力をするという形では協力いただいておりますが、公然とできないところにやはり後ろめたさのようなものがあってぎくしゃくしているのは事実ですから、うまく指導していただきたいと思うわけです。
それから、たとえば
損保から
自動車共済連に
契約を更新します、そういう場合に私
どもは
契約者の利益を
保護する
立場で無
事故期間を通算しています。全共連からの切りかえも無
事故期間を通算していますが、最近私
どもの方から
損保に切りかえる場合に無
事故期間を通算しないというふうな問題が出てきまして、それはどういう場合に生ずるかといいますと、
共済というのは、たとえば職域
共済の場合には、職域の
労働者という地位を退職によって失いますと
組合員でなくなる。なくなった場合に、
損保なら
損保に切りかえなければならない。そのときに無
事故通算がされないということは大変不利益であるということで実は不安を持っているわけです。そういう
意味では、そうしたことはやはりお互いに融通し合って
加入者の利益を計らってやる、このことが大切ではないかと思います。
私
どもとしては、
損保と
共済、これが共存共栄できるはずだ、そういうぐあいに考えております。それはたとえば私
どもが去年全国
共済連という形に
組織を
発展的に拡大しました。八月十一日の日本経済新聞が大々的に取り上げてくれたものですから多少反響が大き過ぎたわけでありますが、そのことによって連日電話で問い合わせが相当あります。そういう安い
共済ならばぜひ切りかえたいという要望もありますが、それではいままで
損保に入っておった
契約者がすべて一遍にこちらへ切りかわるかというと、そういうぐあいにはなりません。それは、
契約者というのは車検の
関係だとか修理工場の
関係だとかあるいは自分の姻戚
関係に
代理店があるとかという
関係で
自動車保険に入っておるといういろいろな
関係があるわけです。ですから、そういう義理人情を切って直ちにこちらへ切りかわるというふうにはなりませんので、その
意味ではそんなに不安がられる必要はないのではないか。むしろ、
制度が
加入者にどれだけ有利か、どれだけサービスがいいか、こういうことによって、
制度そのものがお互いに競争することによって改善されれば、
加入者のためにも
被害者のためにも利益になるわけですから、
社会保障を補完するという
保険共済の公益性からいってそういう姿が正しかろうと思います。私
どももその
意味では正しい競争、利益を
第三者、
加入者に及ぼす競争という
立場でありたいと思いますし、これはたとえば欧州の協同
組合保険等の例を見ましてもそういう事実が数十年の歴史を持っておるわけですから、そういう
基盤を日本の場合にもぜひ形成し合っていきたい、そのように念願いたしております。