運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1981-05-13 第94回国会 衆議院 建設委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年五月十三日(水曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 稲村 利幸君    理事 池田 行彦君 理事 内海 英男君    理事 中村  靖君 理事 村岡 兼造君    理事 木間  章君 理事 中村  茂君    理事 伏木 和雄君       鹿野 道彦君    鴨田利太郎君       桜井  新君    田村 良平君       竹中 修一君    谷  洋一君       登坂重次郎君    中西 啓介君       羽田野忠文君    堀之内久男君       村田敬次郎君    井上 普方君       小野 信一君    山花 貞夫君       横山 利秋君    薮仲 義彦君       林  保夫君    瀬崎 博義君       中島 武敏君    甘利  正君  出席国務大臣         建 設 大 臣 斉藤滋与史君  出席政府委員         国土庁長官官房         審議官     柴田 啓次君         国土庁計画・調         整局長     福島 量一君         建設政務次官  住  栄作君         建設大臣官房長 丸山 良仁君         建設省計画局長 宮繁  護君         建設省都市局長 升本 達夫君         建設省河川局長 小坂  忠君         建設省住宅局長 豊蔵  一君  委員外出席者         警察庁交通局交         通企画課長   福島 静雄君         防衛施設庁施設         部連絡調整官  大場  昭君         大蔵省理財局国         有財産第二課長 桜井  直君         大蔵省理財局特         別財産課長   佐藤 孝志君         日本国有鉄道旅         客局営業課長  有馬 訓祥君         建設委員会調査         室長      川口 京村君     ――――――――――――― 委員の異動 五月七日  辞任         補欠選任   井上 普方君     安井 吉典君 同日  辞任         補欠選任   安井 吉典君     井上 普方君     ――――――――――――― 五月一日  身体障害者に対する建設行政に関する請願(愛  野興一郎紹介)(第三六〇八号)  同(野上徹紹介)(第三七一三号)  同(米沢隆紹介)(第三七一四号)  国民本位住宅政策確立等に関する請願(沢田  広君紹介)(第三六〇九号)  同(川俣健二郎紹介)(第三六六一号)  同(田中恒利紹介)(第三六六二号)  小規模住宅建設への大手住宅企業参入規制等  に関する請願川俣健二郎紹介)(第三六六  三号)  東京都北区日本住宅公団王子五丁目団地の家賃  に関する請願依田実紹介)(第三七一五  号) 同月七日  身体障害者に対する建設行政に関する請願(小  杉隆紹介)(第三七六〇号)  同(池端清一紹介)(第三七八九号)  同(岡田利春紹介)(第三七九〇号)  同(北山愛郎紹介)(第三七九一号)  国民本位住宅政策確立等に関する請願外二件  (小川省吾紹介)(第三九六一号) 同月八日  不動産経営管理士業務資格認定に関する請願  (近藤鉄雄紹介)(第四〇〇七号)  同(坂本三十次君紹介)(第四〇五八号)  身体障害者に対する建設行政に関する請願(田  邊国男君紹介)(第四一一〇号)  小規模住宅建設への大手住宅企業参入規制等  に関する請願稲葉誠一紹介)(第四一二九  号) 同月九日  国民本位住宅政策確立等に関する請願新盛  辰雄紹介)(第四一七三号)  同(新盛辰雄紹介)(第四二四六号)  身体障害者に対する建設行政に関する請願(野  坂浩賢紹介)(第四一七四号) 同月十一日  公営住宅政策に関する請願外五件(薮仲義彦君  紹介)(第四三八三号)  同(瀬崎博義紹介)(第四四五六号)  同外一件(中島武敏紹介)(第四四五七号)  身体障害者に対する建設行政に関する請願(瀬  崎博義紹介)(第四四五五号)  同(金子みつ紹介)(第四五〇〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月十二日  道路財源確保等に関する陳情書外一件  (第一  九七号)  北関東横断道路等建設促進に関する陳情書  (第一九八号)  河川環状導水路構想策定に関する陳情書  (第一九九号)  下水道事業に対する国庫補助制度の拡充に関す  る陳情書  (第二〇〇号)  水源地域対策充実強化に関する陳情書  (第二〇一号)  中国地方主要幹線県道国道昇格に関する陳情  書  (第二〇二号)  道路財源確保に関する陳情書外十五件  (第二八九号)  地方道整備促進に関する陳情書  (第二九〇号)  九州縦貫自動車道等建設促進に関する陳情書  (第二九一号)  四国開発幹線自動車道建設促進に関する陳情  書  (第二九二号)  国民本位住宅政策確立等に関する陳情書外三  件(第二九  三号)  下水道整備事業促進に関する陳情書  (第二九四号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第三六号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. 稲村利幸

    稲村委員長 これより会議を開きます。  都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
  3. 木間章

    木間委員 まず、新五カ年計画に入るためには、第二次五カ年計画の結果がどうであったか、このことをお互いに評価をしておかなければならないと思います。そこで、昭和五十一年度から昭和五十五年度まで第二次五カ年計画が進められたわけでありますが、事業費では一兆五千四百億円、実績では一兆五千九百五十九億円、進捗率として一〇三・六%となったわけでありますが、当初計画されました事業量面から見ますと達成率は七四・九%と、事業費比較をいたしましてかなり達成部分があるように判断をされるわけであります。いま都市部におきましても防災空間、そういったものを含めて、この公園造成というのはきわめて重要な政治課題でもあると同時に、国民ニーズにもなっておるところでありますが、この第二次五カ年計画評価をどのように見ておいでになるのか、また、事業量面で下回っておるのでありますが、その事由はどこにあったのか、このことをお尋ね申し上げたいと思うのであります。
  4. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのとおり、第二次の五カ年計画達成状況は、事業費におきまして約一〇四%の達成率でございますが、事業量達成率で申し上げますと約七五%にとどまっておるわけでございます。この間におきます物価上昇等を考えますと、ほぼ円滑な達成が図られたのではないかというふうに考えているわけでございます。  そこで、この七五%にとどまった理由はどうかというおただしでございますが、ただいま申し上げましたように、この間におきます物価上昇による事業量の減、このほか第二次五カ年計画策定時点におきまして積算をいたしましたところと実績との乖離を生じました一つの大きな理由といたしまして、用地買収を要しないと考えられていた公園面積確保が、当初見込みに比して少ない範囲にとどまらざるを得なかったということが大きな理由になっておるというふうに考えている次第でございます。特にまた、この第二次期間中の半ばから防災公園整備という命題に対処をいたしてまいったわけでございますけれども、この防災公園整備ということになりますと、勢い大都市中心市街地の、いわゆる地価の高い地域に施行せざるを得ないということから、当初予定した用地費を、取得単価かなり上回るというような状況も生じたわけでございます。このような状況から、先ほど申し上げましたように、事業量達成率が七五%にとどまらざるを得なかったというふうに判断をいたしておるわけでございます。
  5. 木間章

    木間委員 いままでの答弁に対する論議はまた後ほど続けたいと思います。  今度の五カ年計画の中の一つの特徴でございますが、町村を大幅に対象にされたのであります。従前の公園法では、町村につくるときには都市計画区域に限られておったのでありますが、今回はこの区域外でも一定条件を満たしておれば都市公園を積極的に設置をしていきたい、このように五カ年計画対象を拡大をされたのでありますが、この意図するところをいま一度お伺いをしてみたいと思います。
  6. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのとおり、今回の緊急措置法改正案におきまして、一点新しく、従来の都市公園整備対象地域にとどまらず、一定条件を備えた地域における公園整備についても緊急措置法による整備対象に含めさせていただきたいということで、御審議お願いしているわけでございますが、過去二次にわたる五カ年計画におきましては、もっぱら都市公園整備都市計画区域中心として、その中で原則として整備を図ってまいったわけでございますけれども、最近の状況、特に地方定住構想等考え方等に基づきまして、地方都市、それも従来の都市の概念から若干下回った小規模市街地を有する町村におきましても、都市におけるとほぼ同様な社会的状況が生じつつあるわけでございまして、そのような町村におきましても、住民生活環境改善を図るという観点から、公園緑地整備が強く要請されてまいっておるわけでございます。  したがいまして、今回特定地域におきます地区公園という発想をいたしまして、このような要請にこたえるべく、準都市的な町村において、都市におけるとほぼ同様の、生活環境改善する上で必要不可欠な施設であるということから、それらの地域における公園を五カ年計画対象に取り込んで、緊急かつ計画的な整備を図ることといたした次第でございます。
  7. 木間章

    木間委員 町村においても積極的にやっていかなければならない、やろうという決意は全面的に支持をするところでありますし、また、大都市近郊町村においても、住民住宅地移動等によりまして、やがては都市化されていくことはこれまた今日の現状では当然のことでありますから、いまのうちに公園地造成をしなければならないというのは当然の帰結であろうと思いますから、この決意についてはぜひ要望、要求をしておきたいと思うのであります。  そこで、先ほど事業量に対する進捗率が約七五%、物価変動のものは別といたしましても、土地取得難があったということも披瀝があったところであります。今日大都市におきまして土地確保というのは、あるいは住宅建設にいたしましても、いま議題になりました公園地造成にいたしましても、きわめて至難な事業であろう、これは今日まで委員会でずいぶんと議論になってきたところであります。  そこで、今度の予算編成される前に、昨年度予算要求がされておるところでありますが、これを見ておりますとかなり大幅なものが要求されておったのであります。整備目標といたしましては、今日、都市計画区域内人口一人当たり公園面積四・一平方メートル、これをこの五カ年計画の中で五・六平方メートルまで引き上げたい、こういう決意が示されておったところであります。それが予算編成当たりましてのいろいろの苦慮の中で、金額的にも大幅に落ち込んでおる。一方の予算編成上からくる方途としてはやむを得なかった面もないではありませんが、そういった中で大都市における土地確保が大変困難なんだ、そういった意味合いからの町村への肩がわりであってはいけないと私は思うのです。そういったことから申し上げますと、大都市においての都市空間を持つあるいは防災空間を持つきわめて重要な課題でありますから、この町村の中における公園化事業も積極的に進めていただきながら、大都市における公園事業を引き続きやっていただかなければならないと思うのです。住宅建設のいろいろの問題をめぐりましても、今日、区画整理事業を終えた跡地の未利用地があるなど、いろいろ論議を呼んできたところでありますし、そういった面での大都市における土地確保といいますか、この五カ年計画の中でも精力的にやっていただくところでありましょうが、この三次五カ年計画をそういった意味で大都市においても積極的にやっていくのだ、こういう決意を述べていただきたいと思いますが、局長いかがなものでしょうか。
  8. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのように、地方都市クラス町村に対する公園整備もさることながら、公園全体としての整備促進を図ります場合に私どもとして一番考えなければならないのは、防災的な機能を有する公園整備であろうかと思うわけでございます。このような公園整備を図りますためには、大都市中心とした密度の大変高い市街地内に公園のスペースを確保し、必要な施設整備してまいらなければならないということで、事業大変困難度を増すわけでございますけれども、私どもとしては公園五カ年計画全体の中で防災公園重要性というのは十分認識しているつもりでございまして、おただしのように、これからも大都市あるいはそれに準ずる既成市街地内の防災的機能を有する公園等整備に特に留意して、努力をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  9. 木間章

    木間委員 行政当局決意のほどもわかったわけでありますが、そこで大臣公園地を設ける大臣決意お尋ねしたいと思うのです。  物価変動もこれからも出てくるわけではありますが、いままでの反省の上に立って、何とか物価の推移から金額的には一〇〇%に達した、だけれども土地確保ができなかったから事業量的にはまだまだ下回った、こういう轍を踏まないためにも、この三次五カ年計画をその先頭に立って進めていくという大臣決意をぜひお伺いしたいのであります。
  10. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 お答えいたします。  先生御提言、御指摘のように、日本公園占有率というものは諸外国に比べて非常に低いわけであります。そうしたことをおもんぱかって第一次、第二次公園計画をやり、今度第三次をお願いをいたしておるわけでございます。  当初、先生防災空間と言われました。私も聞きながら、わが意を得たりというような気持ちで、考え方を一にする者の一人として大変うれしく思ったわけであります。これからの公園というものは、スポーツ文化施設も重要でございますけれども、これだけ過密都市あるいは地方都市化の波が押し寄せているときに、災害に対する配慮というものがどうしても、公園を考える場合に第一義的に考えてもいいのじゃなかろうかと考えておりますだけに、この問題についてはわれわれは非常に配慮を持って対策を立てていかなければならない問題ではなかろうかと思います。特に過密都市における公園化が、御案内のように宅地用地でさえもなかなか取得困難な折でありますだけに大変困難性を持っております。地方がだんだん都市化されている中で、いまこれに手をこまねきますと同じような轍を踏むようなきらいがなきにしもあらずでありますので、今度の五カ年計画には地方都市を含めての考え方のもとに御提案を申し上げているわけであります。したがいまして、御懸念の二次五計で達し得られなかった阻害要因を含めて、今度の場合も、予算面につきましても二次五計では一兆六千億でございましたか、今度は二兆八千億、財政困難の折でございますが、財政当局お願いをしてお認め願ったわけであります。あとはこれをどのように事業量確保に転化していくかということであろうかと思いますが、公有地国有地等々いろいろな対策を立てながら、何とか一次、二次のそうした問題を排除して、三次五計では目的達成へのためにせっかく努力する所存でございます。  いずれにいたしましても、大都市といわず地方都市といわず、とにもかくにもおっしゃるような防災空間を含めて公園へのニーズというものが非常に高い折でございますので、そうした面も十分考えたもとに、目的達成のために努力したい、このように考えるものでございます。
  11. 木間章

    木間委員 そこで、今度の三次五カ年計画達成終了時には人口一人当たり約五平方メートルを確保したい、こういうことであるわけであります。いま二次五カ年計画最終年度のこの三月末では四・一平方メートル、ですから〇・九平方メートルを確保するということでありますから、なかなか至難な事業であろうと思いますので、建設省におかれましても、また、大臣決意の中にも見られたわけでありますが、ぜひ不断の決意で臨んでいただきたいと思うわけであります。  そこで、諸外国の幾つかの比較もできるわけでありますが、すでにヨーロッパあたりでは人口一人当たりかなり面積確保されておるところであります。それこそ五平方メートルはそういった比較にはならないほどの微々たるものであります。すでに七十平方メートルが確保されておるところあるいは八十平方メートルという、そういう先進的なものもあるわけであります。  そこで、わが国公園面積は最終的にはどの程度のものを確保されればいいのか、いま建設省が考えておいでるそういった大綱についてお示しをいただきたいと思います。そしてまた、その達成かなり年月、時間を要すると思いますが、今世紀いっぱいに確保できるのかどうか、そういったこともあわせてお示しをいただければ幸いかと思います。
  12. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのように、わが国都市公園整備水準は、現在の西欧先進諸国との水準に比べますとまだかなり格差のある現状でございます。  そこで、しからば長期的な目標としていつごろどの程度公園確保することを考えているのかというおただしでございましたけれども、この都市公園の長期的な整備目標につきましては、昭和五十一年の七月に都市計画中央審議会から「緑のマスタープランのあり方について」という御答申をいただいているわけでございまして、その中で、都市公園整備水準といたしまして、一人当たりおおむね二十平方メートルを確保すべきものというふうに言われております。もちろんこれは緑のマスタープランと称しておりますので、長期計画というには若干数字的には詰まり方が粗いというふうに御認識をいただきたいと思いますけれども、一応マスタープラン上の長期目標としては二十平米ということをうたわれておるわけでございます。  そこで、われわれは長期的に二十平米を目途として、累次の五カ年計画によってできるだけ早い時期にその目標に到達いたしたいというふうに考え、努力をいたしておるわけでございますけれども、しからば、この目標年次はどのくらいになるのかというおただしでございました。これは、都市公園全体の整備目標として大きくくくりますと、大体二十一世紀を見通してこの目標に到達するというところでございまして、具体長期目標としては、それぞれ都市計画区域ごとにこの緑のマスタープランをつくって目標を確定し、備える、こういう仕組みになっておりますので、都市計画区域の立地的な条件の相違によってかなりばらつきが出てくるかと思います。ただ、全体として見ますと、二十一世紀に入った時点で、そう遅くならないうちにこの目標に到達いたしたい、このように考えておるところでございます。
  13. 木間章

    木間委員 昨年の予算要求時にかなり大幅なものを要求をされて、いま局長が述べられたような態勢で臨もうという決意はあったようであります。ところが、財源難の折からかなり圧縮されたように私は見受けられるわけであります。これから五カ年計画が発足するわけでありますが、その途中におきましてもこれらの経費の大幅引き上げ等努力をぜひまた進めていただきたいと思うのであります。  そこで、次に国営公園について若干お尋ねをしたいと思いますが、都市公園法の第十二条の二では設置者負担ということで明確に示されておるのであります。用地を取得する場合に、あるいはまたその管理費用の面においても設置者負担ということに定められておりますが、そのように定めながら、同じこの法の次の条、十二条の三あるいは十二条の四では受益者負担の道をも同時に採用しておるのであります。  まず、この考え方についてただしてみたいと思うのでありますが、国営公園設置するときに、大きな規模を持った公園でありますから、あるいは二県以上にまたがることもあるわけでありますが、そこの県民がどのようなメリットを持つのか。メリットがなければこの受益者負担というのはなかなか求めにくいのでありますが、どのように判断をされておるのか、お尋ねをしてみたいと思います。
  14. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのように、国営公園費用負担につきましては、国の記念行事を象徴する記念的な意味合い公園は別といたしまして、一般の公益的な見地から設置される国営公園につきましては、都道府県設置費の三分の一、それから維持管理費の二分の一を負担するということにいたしております。さらにまた、この場合の都道府県負担につきましては、関係の市町村におきましても受益の限度において費用の一部を負担願うといったてまえにいたしておるわけでございます。  このようなたてまえにいたしておりますのは、国営公園ということで、国が設置主体ではございますけれども、その地域一円に効用価値が及ぶというふうな考え方に立っているわけでございまして、具体的に申し上げますと、特定地域国営公園設置されますと、これはかなり規模であり、また、かなりの投資をした効用価値の高いものでございますので、その地域における公園緑地整備水準が当然のことながら著しく向上する、現在の日本の総体的な状況に比べて、その地域公園緑地整備水準が著しく向上する、他の地域に比べてその向上度が大きいということが一つございます。これによってその地域都市環境改善に大きく資するという点がございます。  それから第二点といたしまして、具体的にその地域住民スポーツあるいは文化に関する諸需要につきまして、かなりその地域住民の頻度の高い利用が期待されるわけでございます。実際にもそのような活用が図られているというふうに理解をしております。そのために具体のそのような需要に対する利益が相当著しいということが挙げられるかと思います。  それからさらに、いわばそこにそれだけのレクリエーション需要にこたえる地域公園設置されるということになりますと、かなりの広域から、あるいは場合によっては全国からレクリエーション人口を吸収するといいますか、誘致できるというような、そのことに伴う経済効果というようなものも期待できるわけでございまして、これらの諸点を考えますと、一概に国営公園設置主体がその費用を全額負担すべきだということにはなりがたいのではなかろうか、このように考えているところでございます。
  15. 木間章

    木間委員 ちょっとわかりにくいのでありますが、確かに公園をつくるわけですから、都市環境改善されると広義に解釈できないわけではありません。しかし、この国営公園というのは規模においても当然大規模なものでありまして、あるいは四百ヘクタールあるいは五百ヘクタール、かなり膨大なものであります。ですから、都市の中ではそういったものは当然求められないのでありまして、勢い郊外といいますか、むしろ山間地にまたがるようなことが私は想像できるわけです。ですからそういったものは積極的に都市環境改善につながるかどうか、私は大変疑問に思わざるを得ません。  いま一点は、都市にいたしましても町村にいたしましても、公園化事業緑化事業を近年特に盛んに進められておるところでありますが、同時に、それは市町村単独事業ではこれまたやっていけない実態がございます。そこで制度といたしましても国庫用地費の三分の一を助成する、あるいは施設費についても応分の助成をする、補助事業としてやられておるところであります。そうした国と地方との関係の上に立っての今日の公園化事業でありますが、国営公園はやはり町村よりももっとやりやすい国がやるわけでありますから、そうした受益の働きがあるからといって、求めるというのは私はどうも理解がしにくいのであります。ですから、面積も大変広くなるわけでありますから、用地費の坪当たり単価が安いのだからといっては済まされない。面積が広ければそれだけ三分の一の負担というのはかなり地方財政を圧迫することも当然のことでありますから、私はそういった面での国の考え方が先ほど言いましたようになかなか理解しがたいのですが、そういった面から見て、局長、どんなものでしょうか。
  16. 升本達夫

    升本政府委員 かなり規模公園になりますので、勢い地元の御負担もなかなか大きくなる、大変なことであろうという認識はいたしておるわけでございます。しかしながら、そのような条件を考え合わせましてもなおかつ国がその事業に投資すべき合理的な限界、それから地元が負担すべき合理的な限界というものを考え合わせまして、先ほど申し上げました現在の国の負担率、逆に申し上げますれば地元の負担率が定められているというふうに理解をしているわけでございます。  そこで、もう一つ、この法律上の制度といたしまして、このような国営公園設置しようといたします場合には、建設大臣はあらかじめその公園が存することとなる都道府県と協議をしなければならないということになっておりますし、また、ただいままで御説明申し上げましたように、著しく利益を受ける都道府県負担金の一部を分担させることができるわけでございますけれども、分担させる場合には、当該都道府県の意見を聞かなければならないということにもいたしておりますし、また、市町村に分担をお願いいたします場合には、さらにその分担額について都道府県市町村の意見を聞かなければならないというような定め、制度にいたしておるわけでございます。これらの規定の運用によりまして、実質上は御負担をいただく地元の公共団体の同意がなければ国営公園設置はできないというふうな仕組みというふうに理解をしていただけるかと思うわけでございます。そのような仕組みの上に立って、なおかつ地元の御要請、御了解、御了承のもとに国営公園設置が行われるというふうに御理解をいただきたいと思います。  なお、さらに付言をいたしますと、国営公園に限りませず、たとえば道路におきましても、国道、県道、市町村道、その道路の機能の別によりまして国の負担の割合、したがってまた、地元の負担の割合というものに若干の差異があるわけでございまして、また、国道といえども合理的な範囲の御負担お願いしているという状況もございます。このような制度と考え合わせますと、現在の国営公園負担区分というものは、現状におきましてはほぼ妥当なところではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
  17. 木間章

    木間委員 法体系は確かに局長がおっしゃるようになっておるのでありますが、私はどうも横着なような気がしてならぬわけです。公園設置する場合には、国営公園といえども地元都道府県市町村の御意見も聞く、そして事前に手を打って三分の一の応分の負担をしていくのだ。そして、しかもそれは同じ公共事業のたとえば国道建設等々と同じ横並びなんだ、このようにお聞きをしたわけでありますが、私は、先ほどからも言っておりますとおり、密集した都市市街地の中であるいは防災空間を持とうじゃないか、そういった意味での国営公園であれば一面うなずけないでもありませんが、四百ヘクタールを一つの基準にされておりますから、そういった膨大なところは勢い郊外になってしまう。その郊外に公園をつくるのに、国道やそういった他の公共施設と同じ横並びでこの三分の一あるいは管理費の二分の一を求めておるのだということはいかがなものでしょうか。もちろん今日の法体系の中で進められておりますから、いまここで一気にそれらの改善というのは、論議の中だけでは平行線だろうと私も実は了知をしておりますが、しかし、地方財政が国以上に今日逼迫をしてきている現状でありますから、費用負担割合についても再検討していただかなければならないのではないだろうか、私はこのように感じ、これ以上の論議はかみ合わないと思いますから、要請をしておきたいと思うのであります。  それから特殊公園のことについて若干お伺いをしておきたいと思いますが、特殊公園にもたとえば動物公園とかあるいは墓地公園とか風致公園等があるわけであります。この補助率は、公園全体が低いわけでありますが、とりわけ極端に低いのであります。たとえば用地費は補助対象になっていません。施設費については一%が補助対象になっておるところであります。したがいまして、この特殊公園設置しようというときにはほとんど全額が当該市町村負担になるわけでありますが、この低い理由をお聞かせいただきたいのであります。
  18. 升本達夫

    升本政府委員 特殊公園と申しますと、たとえば風致公園でございますとか、動植物公園、歴史公園、それから墓園というような、いわゆる特殊な目的で設置される公園というふうに解しておりますけれども、これらの公園につきましては確かに御指摘のように用地費補助も行っておりません。  その理由でございますけれども、まず墓園につきましては、その墓園という施設の性格上、永代使用料で用地費相当分は回収することができるのが通例ではないか。それから動植物園等につきましても、一般的に入園料というような制度で回収ができるのではないか、あるいは場所によっては相当の収益が上げられることもあるのではなかろうか。それから風致公園につきましては、本来そのような場所はきわめて風致に恵まれた場所であって、歴史的な理由もあり、いわば風致公園として名前を冠する前にすでにその土地公園的に利用されているのが一般的な例であろうかと思うわけでございます。土地の所有形態を見ましても、風致に恵まれたところは国有地、公有地あるいは共用地になっている場合が大変多いわけでございまして、このようなところから、大体ただいま申し上げましたような特殊な目的を有する公園につきましては、一般的に用地費のかかりが少ない、もしくは要らないというような条件が多いというようなことから、用地費を補助対象から外しているというふうに御理解を願いたいと思うわけでございます。  それから施設費につきましても大変補助対象率が低いというのも御指摘のとおりでございます。これは、その施設につきましても、その公園利用目的からいって収益性の高いものが大変多いという予測がつくわけでございまして、一般的に他の公園と同じような補助対象率をもって臨むのは、逆に申しますとほかの公園の助成策に不十分な点が出てくるのではなかろうか。その辺の均衡を考えまして現時点ではおただしのような補助対象率という形になっているわけでございます。
  19. 木間章

    木間委員 どうもここでまた引っかかるわけでありますが、たとえば動物公園、植物公園であれば入園料から収益が求められる、あるいは墓地公園でありますと墓園として関係者に譲渡をする、そういった利益があるから用地費は補助していないのだ、このようにおっしゃられたのであります。確かに墓地については永代使用料等によってそれぞれ開設者の一方の財源にもなっておるわけでありますが、しかし、墓地公園の定義を見ておりますと、その公園地全体を墓地に充ててはいけない、もっともっとレクリエーション広場を持った墓地公園でなければならない、このように定義がされておるのであります。したがいまして、その区画面積全体が墓地であってはいけない。当然道路も必要でありましょうし、いま一つの要件としてのレクリエーション広場があるわけでありますから、分譲の対象になる、収入の対象になる面積というのは私の想定ではあるいは全体の五分の一以下になるのじゃなかろうか、このように考えるわけであります。したがいまして、その大半は市町村負担になります。また、仮に面積率はかなり低いといたしましても、それの造成全体を考えたときに、収支合わせるということになりますと勢い高く譲渡しなければならないということにもなりかねないわけでありますから、やはり公園というのはむしろ勤労国民の皆さんが一日の憩いをそこで求めるところでありますから、無料で開放するのが今日的な公園地としての目的でないだろうか、そのように私は考えている一人でありますから、これらについても積極的にやっていただかないと、せっかく五カ年計画事業策定されましても、先ほど申し上げたように事業量的にはなかなか達成できない、各市町村が二の足を踏むようなことが財源的にも実はうかがい知れるところであります。  そこで、これらの補助割合の引き上げ等についても、これからも努力をぜひお願いしなければならないと思いますが、このことに対しての御決意をひとつお尋ねしたいと思います。
  20. 升本達夫

    升本政府委員 確かに特殊公園はそれなりの、またその地域に応じた需要に対応しておるわけでございますから、これも積極的に整備され促進されることが望ましいという理解を私どもとしても持っておるわけでございますが、これは都市公園全体の整備に対する財政上の条件その他を勘案いたしますと、たとえば地区公園等のいわば基幹的な公園あるいは居住環境の整備、児童公園等のいわゆる都市公園のネットワークをなす基幹的な公園整備というのにやはり第一義的に対応いたしてまいりたいというふうに考えられるわけでございまして、それらの整備促進を第一に置きまして、なおかつ特殊的な目的に資するような公園にも助成策がさらに厚く行き渡ることが望ましいことは私どもも同様に考えるわけでございますが、その配分の制約上、現時点においてはこのような条件下でできるだけ自治体の御努力もまたお願い申し上げていきたい、その上に立って全体としての公園整備促進を図ってまいりたい、かように考えているわけでございます。  なお、一言加えさせていただきますと、特殊公園整備につきましては、入場料等で資金回収ができる要素が非常に多いということから、これは地方債、準公営企業債の適用対象にもなり得るケースが非常に多うございます。そういう意味で、資金手当て上の配慮はまだその面からさらに厚くお願いしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
  21. 木間章

    木間委員 いまの財政援助について局長の考えもお聞きしたわけでありますが、大臣に一言決意お願いしたいと思うのです。
  22. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 都市公園整備にかかわる、また運営にかかわる問題で地方への御負担を願っているということで、先生に御心配、御配慮いただいておるわけでありますが、都市公園そのものの性格が地方都市の防災あるいは住民の方々の文化、健康、レクリエーションの場というようなことの意味合いもあって、地方の関係にも御負担を願っておるわけで、本来的には都市公園は国営という言葉を使っておるわけでありますけれども、何もかも国でというお考え方もあろうかと思いますが、地方地方なりにやはりそれなりの負担をいただいて、その面でも責任感を持たれるという一面もございます。でき得れば、財政事情等々がございますればそうした負担率の問題についても検討するだけの可能性はあろうかと思いますが、現況そうした状況でもございませんので、そうしたことは将来の長期的な検討課題としてこの問題につきましては現況の形でひとつぜひ進めさせていただき、それでなく、事業量確保といいますか、そうした面積要因というものの拡大という方向づけで中期的には進めさせていただきたい、このように考えるものでございます。
  23. 木間章

    木間委員 地方財源をこれ以上に圧迫しない、むしろ地方財源に手当てをするという意味でのこれからの前向きの取り扱いもぜひお願いをしたいと思います。  そこで、一次、二次と公園化事業も進んでまいりまして、その公園の種類も大変多岐にわたっておるのであります。今度の五カ年計画当たりましても、たとえばスポーツ、レクリエーションの場としての公園化事業を積極的にやっていくんだ、こういう決意も述べられておるところであります。  そこで、この運動公園も近年各層に利用をされておるところであります。特に年寄りの間では最近ゲートポールが全国的にも大変広まりを見せまして、楽しまれております。また、これは単に運動面だけじゃなくて、機能回復上からも各自治体では積極的に取り入れられておるところでもあります。ですから、そういった福祉面から言いますと、あるいは厚生省の所管等にもなろうと思いますし、また、社会教育面からいきますと文部省の所管にもまたがるわけでありますが、いま一つの任務として建設省も運動公園としての任務をお持ちになるわけであります。  そこで、運動公園の中のゲートボールという位置づけでいきますと、お年寄りのことでもありますから、そこへの往復の時間等々が不便になりまして、自治体が設置をする運動公園あるいは国が公園計画の中でやっておいでる大規模な運動公園の中での位置づけは勢い困難にならざるを得ないのであります。つまり、児童公園のように住居のすぐ身近なところにこれらがあれば利用の度合いも大変高くなるわけであります。今日、ゲートボールの実態を見ておりますと、小学校とかあるいは幼稚園、保育園のグランド等々を利用されておるところであります。そして、このスポーツ公園をつくろうという建設省のお考えの中に、ゲートボールの運動公園の位置づけが出ていないのであります。このゲートボールに対する建設省としてのお考えをまずお尋ねしたいと思うのです。
  24. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのゲートボール場でございますけれども、ゲートボールも都市公園法の中で定義をしております運動施設の一部に当然入ると理解をしております。したがいまして、ゲートボール場を公園の中に公園施設としてし設けます場合に、当然これも補助の対象になり得るというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、この運動施設の敷地面積というものも、都市公園全体の敷地面積に対する割合という制限がございまして、五〇%以内は運動施設敷地に当てられる、こういう定めにいたしてありますので、これはゲートボール場に限りませんけれども、野球場その他の運動施設につきましても同様でございますが、たとえばゲートボール場だけのものを公園的に扱うということで補助対象にするというようなことは考えておりません。いずれにしましても、ゲートボール場は大して広い面積を要するものでもないようでございます。大体五百平米ぐらいというふうに伺っております。したがいまして、特に大きな運動公園等でなければ収容できないという施設でもなかろう、身近な公園、広場等を使って利用できる場合も多いと思いますので、そのような場合に、立地いたします児童公園あるいは都市緑地等の中でも、可能な場合にはそのような施設も設けるようにし、これを補助対象にして整備を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  25. 木間章

    木間委員 もう一遍お尋ねをしてみたいと思いますが、ゲートボールのチームは大体老人クラブ単位に今日構成されまして楽しまれておるところです。ですから、一つの自治体に運動公園といいましてもせいぜい一カ所か二カ所の今日の実態の中で、市町村単位の試合とか何かになりますとその施設が活用できるわけでありますが、日常の練習地ということになりますとそういった利用というのは大変至難なわざであります。ですから、先ほども言いましたように、わずか五百平米程度の空地をそれぞれ創意工夫してやっておられる。しかし、広場を整地するにいたしましても、その費用はほとんど老人クラブの負担で今日やられております。都市化現象の中でもまだまだ住宅地としての未利用地が無数に散在をする今日でありますから、あるいはそれらを土砂を入れて整地をするとか芝を植えるとか、借り上げてやっていけばそう金額的にも予算的にもかさばるものではないと思います。そういったものを今日老人クラブでは創意工夫をされておるところでありますが、それらについてももっと市町村が財政援助できるような方途を、むしろ国もスポーツ公園としての位置づけを持っておいでになるわけでありますから、手当てができるように一つは考えてみたいな、こう思っておるのでありますが、そういったことに対していま一遍お考えをお示しいただければと思います。
  26. 升本達夫

    升本政府委員 比較的最近に至って需要が多くなってきた球技というふうに考えております。したがいまして、概念的には運動施設に入り、当然に補助対象になり得るものということでございますけれども、なかなかこれが従来からの考え方公園施設整備を図ってまいるという観点から見ますと取り込みにくいと申しますか、取り込むケースが比較的少なかったという実績があろうかと思います。しかし、これからその需要人口の増加に従いましてこれが運動施設として皆さんの御理解を得られるようになってまいりますれば、これは公園の作成者においても十分配慮をすることでございましょうし、また、それに対して私どもの方も先ほど申し上げました公園法の規定に従って、必要に応じ補助対象として助成をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
  27. 木間章

    木間委員 これから小中学校のグラウンドにいたしましても朝夕は野球等に、これまた若者の施設として利用されていきますから、児童公園は子供に、あるいは小中学校のグラウンドは青少年、こういったことで勢いなわ張り争いになるようなお話も聞かないではありません。やはり伸び伸びとお年寄りが楽しめるささやかな小公園でありますから、ぜひ前向きで積極的に取り組んでいただきたいと思うのであります。  最後に一点、公園事業と雪害についてお尋ねをしておきたいと思います。  先般局長さんにも現地の雪害の状況を写真等でお示しをしたのでありますが、都市計画事業の災害復旧の事業当たりまして、雪害という対象が今日まで十分でなかった、私はこのように言わざるを得ないのであります。確かに昭和三十七、八年ごろに都市局長通達が各都道府県市町村に出されておりまして、その中に災害の復旧についての対象が並べられておりますが、雪との関係、豪雪との関係が含まれておりません。二十年に一回の豪雪でありますから、私たちは、やはり二十年に一回それらが被害を受けたときに、積極的に復旧事業も他の公共事業と同じように進めていただきたい、このように考えておるところであります。そこで、今度の雪害で遊具が軒並みに傷んでおります。また、フェンス等もかなりの部分使用にたえないような状況にもなっておるわけであります。雪国の子供はこの雪解けと同時に屋外に出て遊ぶわけでありますから、そういったせっかくの施設が活用できない、そのようなことがあっては大変なことでありますから、ぜひそういった面での雪害に対しても建設省の対応を速やかにお願いをしたいのでありますが、局長のお考えをお示しいただければと思います。
  28. 升本達夫

    升本政府委員 おただしのように昭和三十七年に都市局長名をもちまして通達いたしております都市災害復旧事業国庫補助に関する基本方針におきまして、災害の定義を置いておりまして、災害とは「暴風、こう水、高潮、地震、その他の異常な天然現象により生ずる災害」を言うというふうにいたしております。そこで、直接おただしの雪害でございますが、雪害もこの中で申しております「その他の異常な天然現象により生ずる災害」ということで当然に読み込めるというふうに理解をしております。しかしながら、従来は雪害について復旧事業が補助対象になった例がなかったではないかというおただしでございましたけれども、これは確かにそうでございまして、これはそのように異常な天然現象によるものという判定がなかなかつきかねたために、雪害による被害について復旧事業の補助対象事業になしがたかったというのが過去の経緯でございます。したがいまして、今回のようにかなり異常な、高度の雪害というようなことになってまいりますと、当然先ほど申し上げましたこの基本方針に言う災害の定義に当たろうかというふうに考えられるわけでございまして、今回の雪害につきましては、これをその復旧事業につきまして補助対象とする方針で臨みたいというふうに考えております。
  29. 木間章

    木間委員 メニューがないからやらないのだということではなくて、いま局長もお話しのとおり、その他の災害ということで広義に解釈をいただいて、私どもは敬意を申し上げておるところであります。ただ、この機会でありますが、先般私も現地から本省の方へ電話連絡を申し上げたら、いや、雪は対象になっていません、こういう、内部の統一された見解でもなかったと思いますが、一部にあって、大変心配をしたのでありますが、いま局長の御判断で、私どもも、あるいはまた当該の自治体でも意を強くして早速災害復旧に当たるだろう、このように思っております。  いずれにいたしましても都市公園整備するというのはきわめて緊急な課題でもありますし、その達成の裏にはやはり財源の手当てが一番肝要であります。先ほどから大臣からも積極的にお示しをいただいておるところでありまして、敬意を申し上げますが、そういう決意でこれからの五カ年間をぜひ乗り切っていただくことをお願い申し上げまして私の質疑を終わらしていただきます。  ありがとうございました。
  30. 稲村利幸

    稲村委員長 山花貞夫君。
  31. 山花貞夫

    ○山花委員 これまで本法案につきまして木間委員の方から総括的な質疑があったわけでありますが、私はこれを受けて、若干各論的に具体的なテーマについてお伺いをいたしたいと思います。  第三次都市公園整備五カ年計画の「事業の重点」の冒頭に、「大都市地域等において都市の防災構造を強化し、大震火災時における国民の生命の安全性を確保するため、避難地、避難路として機能する都市公園防災公園一の整備を積極的に推進する。」とされています。特に首都圏におきましては、大地震等に対する不安が従来から大変強いわけでありまして、かねてから地震予知連絡会の観測の強化地域として南関東、東京が挙げられてきたところでありますけれども、いざ大地震が起こった場合にどうなるかということにつきましては、すでに東京都が五十三年に被害想定などについて、相当の被害があるということについて調査の結果を明らかにしているところであります。     〔委員長退席、村岡委員長代理着席〕 全般的に国の立場でそうした調査が進んでいるのかということについて見てみますと、たしか五十六年度の予算で国土庁がそうした調査に着手するということになり、しかしなお約二年ぐらいの期間がかかるのではなかろうか、こういうように伺っているところであります。そうした現状におきまして、申し上げましたとおり公園緑地の防災機能について、わずかながら首都圏の住民の期待が現在あるということだと思います。そうした観点から具体的に国営公園の関係になりますけれども、広域防災基地が建設される、立川基地跡地に建設されるいわゆる昭和記念公園の建設の現状、そしてそこでの公園緑地の防災機能という観点からの若干の問題について、以下お伺いさせていただきたいと思います。  そこで、冒頭にこの昭和記念公園につきまして、工事の進捗の状況、これまでの予算予算執行の観点と今後の見通しについてお尋ねをいたします。
  32. 升本達夫

    升本政府委員 国営昭和記念公園の進捗状況でございますが、昭和五十二年に事業採択をされまして以来、五十三年度に五億円、五十四年度に十億円弱、それから五十五年度に二十億円の事業費をもって旧米軍の残存建物の撤去、既存樹木の仮移植、一部敷地の造成等の事業を実施してまいったところでございます。本年度昭和五十六年度はやはり約二十億円の予算をもちまして芝生広場の敷地の造成、それから展示広場の造成、植栽、園路造成等の建設工事を行うことといたしております。  それから今後の見通しでございますけれども、今後の整備につきましては確たることはちょっと申し上げかねる状況でございますけれども、全体として約十年程度の工期が必要ではないかと考えております。したがいまして、当面はそのうちの一部、先生よく御承知の立川寄り南側の約六十ヘクタールの部分について造成施設整備を急ぎまして、できるだけ早い時期に一部開園の段取りに進みたいというふうに考えている次第でございます。
  33. 山花貞夫

    ○山花委員 いま南側六十ヘクタールについてはできるだけ早い機会にとお話がありましたけれども、伺っている範囲では第一期と申しましょうか、まずそこを開園して、第二期開園して、最終的には十年がかりで全体の完成ということではなかろうかと思うわけですけれども、まずその最初の六十ヘクタールぐらいの開園時期が一体どのくらいになるのか、その次どうなって、その次どうなるかという、これからの開園ということを含めての予定につきましてお伺いをいたしたいと思います。
  34. 升本達夫

    升本政府委員 第一期と申しますか、一番最初に一部開園を図っております区域については、これまでこの委員会でのおただし等におきましても、大体私どもの予定といたしましては五十七年度中には一部開園というふうにお答えを申し上げておったかと思うわけでございますが、その後の整備の進捗状況にかんがみますと、五十七年度中の開園は場合によるとちょっとむずかしいのではないか、五十八年度にずれ込むようなことも考えられるのではなかろうかというのが現状における予測でございます。  それから、第二期、その他というお話でございましたが、これにつきましては、大体の段取りのお話はございますが、しからば具体的にどの範囲を第二期として、どの時点で開園の運びに至るかということは、これからの整備計画の詰めによるものと考えております。
  35. 山花貞夫

    ○山花委員 今後なお整備計画を詰めてというお話でしたけれども、全体的な公園の構想につきまして従来から昭和記念公園基本問題懇談会という機関と申しましょうか、組織をもって協議がなされていると伺っておりますけれども、その構成、これまでの協議の経過、協議の概要ということにつきまして、現在まで明らかにできるところで御説明をいただきたいと思います。
  36. 升本達夫

    升本政府委員 昭和記念公園基本問題懇談会は、この記念公園の性格にかんがみまして、できるだけ幅広く現在の社会を代表される各界からの御意見を集約して、後世に昭和の記念として残る公園づくりを行うために、建設大臣の私的懇談会として設置されたものでございます。したがいまして、その構成は学識経験者、各界の識者、かなり広くからお願いをしておるわけでございまして、地元を代表する立場からは立川市長さんの御参入をいただいておるという状況でございます。  それから、この懇談会の経緯でございますけれども、第一回の懇談会が五十三年の三月三十日でございました。それ以降現在まで四回開催をされております。この記念公園設置の基本理念、基本方針等の基本的な事項、それから基本計画等につきましてその都度御懇談をお願いし、しかるべき御意見をいただいておるという状況でございます。
  37. 山花貞夫

    ○山花委員 内容についてはまだ後で関連してお伺いしたい部分もありますけれども、そこで、いざ開園された場合の入場者、来園者の予測でありますけれども、大体どの程度を予測されておるのか。これは比較の点から他の国営公園についてのこれまでの実績がどうだったのか、あるいは周辺の公園施設などとの比較でどうなのかということも、もしできましたならば含めて御説明をいただきたいと思います。
  38. 升本達夫

    升本政府委員 この記念公園利用者の将来予測でございますけれども、なかなか類似の条件が実態として把握されているわけでございませんので、困難な予測なのでございますけれども、現時点では、完成時、一応昭和六十四年という時点におきまして、その時点の入園者数をはじきますと年間約三百万人程度というふうに見込まれるわけでございます。この場合の一日最大利用者数は十二万人程度、それから平均で申しますと、平日が六千人ぐらい、休みの日は二万人ぐらいというふうに予測をいたしております。先ほどお話ございました一部開園の場合には、この三百万人の全利用者を予測するわけにはもちろんいかぬわけでございまして、その場合には完成時の大体三分の一から四分の一程度だろうというふうに考えておるわけでございます。  それから他の公園というおただしでございましたが、この規模、性格が大変似ております武蔵の森林公園国営公園でございますが、この年間利用者数が大体百三十万人ぐらいでございます。ここは、ここ数年のところ、ほぼコンスタントにそのような数字になっております。それから沖繩の海洋博の記念公園でございますけれども、これもたまたま昭和五十五年の数字で百三十万人、これはいままでのところ毎年増加をしているという状況にございます。大体そのようなところでございます。
  39. 山花貞夫

    ○山花委員 いまお伺いいたしました武蔵丘陵森林公園などに百三十万人、こういうことでございますと、さっきお話しいただきました、全体として完成時三百万人という来園者の数というのは、一言で言えば相当の数であるということだと思います。私ども、調べていただきました範囲で周辺公園との比較をいたしますと、多摩動物公園で五十五年度、年間百六十万人、あるいは神代植物公園などで、少なくなって五十五年、八十万人ということなわけでありますけれども、実はこれだけの来園者が参りますと、その交通手段ということが大変心配であります。この点について周辺環境道路網ということについては、この公園建設との関連でどのように配慮されてきているのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
  40. 升本達夫

    升本政府委員 ただいま申し上げましたように、昭和記念公園の完成時、大体三百万人という利用者でございますと、この場合の自動車の利用台数が平日で四百台程度、それから休日は千二百台ぐらいになるだろうというふうに予測がされるわけでございます。そこで、公園整備そのもののみならず、この開園の時点にあわせまして、その周辺の道路を中心といたしました都市施設整備が図られなければならないわけでございますが、この地域におきましては、まず立川基地跡地の返還に伴って、この記念公園を含めた跡地利用計画に関連しまして、周辺市街地と一体的に町づくりが計画されなければならないという観点から、そのような町づくり計画についての委員会、学識経験者を中心とする町づくり計画委員会、並びにただいま直接におただしの、これに関連する交通体系の委員会という、二筋の課題に対しまして二筋の委員会を設けまして、総合的な検討をこの委員会お願いをしているところであります。これらの委員会によって得られました結論を一つのいわば試案と申しますか、たたき台ということといたしまして、これを踏まえましてさらに具体事業手法あるいは事業の主体をどこにするかというような問題の詰めを、これは地元の御意見を十分参酌しながら図ってまいらなければならないというふうに考えているわけでございます。  現時点においては、この委員会の結論を早期に期待をいたしまして、これに伴って必要な都市施設整備計画の立案、それの実施の段取りを固めたい。確かに、時間的にはかなり忙しいというふうに理解をしておりますので、関係部局が地元と十分御相談をとりながら、次の段階に進む手はずをいたしておる過程でございます。
  41. 山花貞夫

    ○山花委員 ただいまのお話では、交通問題と地域都市づくり、こうした二つの観点によりましてそれぞれの委員会に調査を委託している、こういうお話だったわけですけれども、先ほど、第一期工事と申しますか、六十ヘクタールにつきまして大体五十七年、ちょっとずれ込んでも五十八年というように伺いますと、その時点でもかなりの入園者、来園者が出てくるのではなかろうか。私がいろいろ資料をいただいた各公園施設などの入園者について見ますと、比較的初めの時期というのが、珍しさというのもあるかもしれませんけれども、非常にたくさんの方がいらっしゃいます。先ほど局長は、大体三分の一か四分の一であろうとおっしゃったわけでありますけれども、実は恐らくもっと来るのじゃなかろうかということも心配なわけでありまして、そういたしますと、二つの委員会がこれから調査結果を出して、それに基づいて事業主体なども相談をして、それから周辺環境整備と道路網の設置ということですと、どうも入園者が先になって、道路網など都市環境整備の方がずっとおくれてしまって、地元立川、昭島に混乱が起こるのじゃなかろうか、こういうことが大変心配なわけであります。  いま、両委員会の調査ということのお話がありましたけれども、大体どれくらいの時期にどういう形で出てきて、それから大体どんな手続で二筋の方向での事業というものがスタートしていくのだろうかということについて、これは建設省のとらえ方で結構ですから、お話をいただければと思います。
  42. 升本達夫

    升本政府委員 先ほど申し上げました二つの委員会の中で、交通施設整備計画に関する委員会、八十島先生中心とした委員会でございますが、この委員会においては、一応調査内容といたしまして、その地域の位置づけから開発整備の方針、それから交通施設等の整備計画具体的におつくりいただく、さらに事業化の方策も提言をいただくということを期待いたしております。  それからまた、もう一つの方の総合整備計画関係の委員会、これは井上先生の主体でお運びいただいておりますが、これにつきましては、整備基本方針の策定から基本計画の立案、この基本計画には土地利用計画都市施設計画市街地整備計画ということを網羅しておつくりいただくことを期待いたしているわけでございまして、この委員会の結論が得られますと、かなり整理も行き届き、実行に移しやすいところまで御整理が願えるのじゃないかという期待を持っているわけでございますが、何分にも、当面はこの委員会の御結論をできるだけ早く出していただくということ、それからまた、その委員会の結論が得られましたならば、できるだけ早い時期に地元との調整を下して事業に取りかかるというようなスタンスで努力をいたしたい、このように考えている段階でございます。  なお、確かにおただしのように、そういう状況で五十八年度におきまして一部開園が予想される、その時点に間に合うかというような御指摘がございましたけれども、この委員会でとられました全体計画の実現ということはもちろんとても間に合わない話でございますが、全体計画上の位置づけができますと、そのうちの特に急がれる場所についての部分的な実施というのはかなり円滑に行い得ることになりますし、また、全体事業計画を踏まえたいわば暫定的な処理、人あるいは車の交通の抜本的な整備の段階に至らないまでの、全体計画を踏まえた上での暫定的な処理というようなことも考えられる段階にまいろうかと思いますので、そのようなことも含めまして、開園時までに最小限の整備はできるように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
  43. 山花貞夫

    ○山花委員 大変心配をしておりますことは、立川、昭島という地域は、東京の郊外、三多摩地域一二百万人口中心的な位置にあるわけであります。したがって、そこでの人口の移動も大変激しいわけでありまして、いわば交通混雑の地域としては立川を中心として、競輪などがあった日などは特にひどいわけでありますけれども、大変な混乱をしておるというのが現状でもそうなわけです。いま最小限度のというお話も伺ったわけでありますけれども、両委員会の結論が出て、最小限度、道路網などについては都市計画決定をした中で整備を始めるといたしましても、あと四年や五年でそれができるとはとても実は思われないわけであります。私も、ついせんだって工事の現状について拝見をする傍ら、従来から予想されておりますいわゆる南北道路ということを初めとした周辺道路網がこの位置にくるかなというところについても見聞をしてきたわけでありますけれども、大変な市街地そのものです。従来から立川基地がありまして、その周辺にかなり密集して建物が建設されている、その真ん中を道路が走るということになりますと、仮に計画決定されたといたしましても、その後の事業の遂行ということになりますと大変な困難と長期を要するのではなかろうか、こういう気がいたします。また、たとえばいまの時期、道路計画についで明確に事業決定、計画決定されていないわけでありますから、そこに新しく家を建てていらっしゃる方などということなどを考えますと、大変大きな問題がこれから地域に出てくるのではないかということを心配しているわけであります。  関連して、その交通量の関係で国鉄に伺っておきたいと思うのですが、立川駅を中心といたしましての交通量の関係でありますけれども、従来から中央線と青梅線、その先は五日市線もあるわけでありますが、その接点としての立川駅の混雑ということが大変問題となっております。この交通ということで考えますと、現在の輸送量などの美態がどうなっているのか、立川駅を中心といたしましてちょっと御説明を国鉄の関係でお願いいたしたいと思います。
  44. 有馬訓祥

    ○有馬説明員 お答えいたします。  五十五年度の状況で申しますと、中央線の新宿から立川に向かっての下りの状態で、一日じゅう、終日の輸送力は、電車本数で二百十四本でございまして、定員で約三十万人分でございます。それに対しまして一日じゅうでお使いになっているお客様の数は三十五万人ということで、混雑率で申しますと一一八%という状態になっております。それから、青梅線の方も下り方で見ますと、一日じゅうで輸送力としましては百六本、それで定員としましては約八万一千人、それに対しまして御利用のお客様は約七万八千人、混雑率は九六%となっております。  先生のお話の公園に入るというところに焦点を合わせてみますと、これは東京方からは恐らく午前中お行きになって午後お帰りになるということで見ますと、午前中の輸送力だけで見ますと通勤の逆の方向になるものですから、輸送力で電車が八十本ございまして、定員で十一万二千人、御利用のお客さんは五万四千人。これは青梅線に参りますと、午前中だけで四十二本、輸送力で三万二千人分、それに対して御利用は二万二千人、こういう状態になっております。  両線の最近の需要状況でございますけれども、中央線は五十二年から五十五年の実績で見ますと、年率大体一・六%ぐらいの状況で増加をいたしております。それから青梅線の方はもう少し欠きゅうございまして、二・六%ぐらいの状況でお客さんの数はふえてきております。したがいまして、今後もこの程度の増加の推移はあるというふうに考えております。  以上でございます。
  45. 山花貞夫

    ○山花委員 いま若干輸送の現状についてお伺いしたわけでありますけれども、私が伺っておりますラッシュ時の混雑ということになりますと、まだかなり人数がふえてまいりまして、青梅線におきましては一時間二万九千人、中央線におきましては一時間二万六千五百人。要するに昭和記念公園ができる側の青梅線の方が、いまお話のありましたとおり増加率も中央本線よりも約二倍ぐらいということになっておりますし、立川の上りの輸送量というものはラッシュ時などは大変混乱をしているわけであります。そして昭和記念公園の図面を拝見いたしますと、大体おり口ということになると立川駅ということがある。その先の青梅線の西立川の駅ということになる。そしてその先の中神という駅になる。大体公園の入り口関係から考えますと、その三カ所でありますので、全部青梅線沿線ということになります。実は従来建設省のこの担当の方に道路計画がおくれるのじゃないですかということを質問いたしますと、いや、いらっしゃる方は大体車もあるだろうけれども電車の駅と至近の距離にあるから、ほとんどの方は電車を利用されるのではなかろうか、こういうようにおっしゃるわけですが、それでその電車の方を見ると、さっきの御説明の一日最高十二万人来ることもあるということを伺いますと、とても車両でもさばき切れないのではなかろうか。この委員会でありますから余り詳しくは申し上げませんけれども、実は新宿から立川の間につきましては三鷹から国立、立川という間複々線化構想ということもあるわけでして、そこまでの輸送ということになりますと、何年か後にはかなり改善が予想されます。しかし立川から先になりますと、なかなか現状むずかしいというところがあるわけでして、そうした道路網それから交通の機関ということにつきましては、かなり混乱することがあり得るのではなかろうかということが大変心配なわけであります。先ほど冒頭の木間委員の質問に対して、国営公園などの場合、地域受益という観点についていろいろ御説明がありました。確かにその面はありますけれども、一方では交通、公園公害ということで地元の皆さんが大変混乱をする、被害を受けるということも予想されるということではなかろうかと思います。後ほど広域避難地、最終避難地としての避難道路の関係でも若干その点についてお伺いしたいと思うわけでありますけれども、この点についてはかなり計画整備していただきませんと、いまのペースでいったのでは特に交通問題を中心として大変混乱が生ずるのではなかろうかと思うわけでありますが、先ほどの国鉄関係のお話なども伺った中で、局長の御見解をお伺いいたしたいと思います。
  46. 升本達夫

    升本政府委員 具体計画都市計画にセットいたしまして、順序立ててこれを事業の段階に持っていきます段取りについてはこれからの課題でありますけれども、これからの手続を要するわけでございますが、先生すでに御承知のように、一応必要な道路網についても、幹線的な基本的な構成図というものはかなり前の段階からできているわけでございます。問題は、この基本的な道路がかなり大きな規模のものが要求されているというようなこと、それから駅前の市街地に非常に密接した位置にあることから、その計画線のつくり方になかなかむずかしい問題があるというような状況が重なりまして、全体の構成図を余り観念的に考えてみてもしようがないということから、全体の計画図づくりに手間取っているというふうに理解をいたしておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、御指摘のようにかなり時間が切迫した問題でございますから、これから関係省庁、国鉄はもとよりのこと、国土庁、それから一部の工事も御分担をお願いしなければならぬと思っております防衛庁等関係の省庁とさらに一段と十分に連絡を密にいたしまして、できるだけ早い時期に先の手順の見通しが立つようなところまで持ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
  47. 山花貞夫

    ○山花委員 いま問題点として挙げられたことのほかに、実はこの昭和記念公園に通ずる道路の建設ということになりますと、中央道から結びつける考え方、一方、北の方は青梅街道、新青梅街道の方から結びつける考え方ということになってまいります。そういたしますと、単に立川、昭島両市の関係だけではなくなってくるわけでありまして、周辺各市町村との関係も出てまいります。実は、周辺の市長さんとたまたまお会いする機会に、そういうことについての相談があったかなかったかということになりますと、全くそういうことは周辺の市町村にはないということを聞いたこともあるものですから、これは立川、昭島だけではなくて、幹線をつける周辺市町村との関係も大変これから問題が出てくるのではなかろうかということが心配であります。いま道路建設問題については事態が進行中でありますからきょうはこの程度にいたしまして、またこの問題について、必要に応じていろいろ御配慮なり要請なりをさしていただきたいと思います。  次の質問に入りたいと思うのですけれども、同時に公園緑地の求められている一つの大きな機能としての防災機能という観点から、昭和記念公園はどのような役割りを果たすことになるのだろうか、この点において、従来の基本構想、基本計画の中にどのように考えられておるのかという位置づけについてお伺いをいたしたいと思います。
  48. 升本達夫

    升本政府委員 昭和記念公園は立地場所が従来の米軍の基地跡地でございまして、広域的な防災基地、これは跡地利用計画上、広域的防災基地として予定されております地域にまさに隣接をしているという立地条件にございます。このような立地条件にかんがみまして、この公園建設の基本方針におきまして、大震火災時の避難地としての機能を有し、広場、園路等の施設整備に当たっては、「大震火災時における広域避難地としての機能が十分発揮できるような規模、構造等を有するもの」としていくことというふうにされておりまして、これを受けまして基本計画におきましては、非常時における避難地としての機能を発揮できるよう、樹林と緑の広場、水面を中心計画をするということにいたしておる次第でございます。
  49. 山花貞夫

    ○山花委員 防災公園そのものということではないようでありますけれども、先ほどの道路問題から申し上げますと、従来、今回の事業の重点というところで、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トと七項目ぐらい伺っているわけであります。そうした考え方の基本にありますのは、昭和五十四年八月二十日の都市計画中央審議会の答申、「今後の都市公園等の整備と管理のあり方について」というところを踏まえてというようにわれわれ理解をしているわけであります。公園の防災機能ということになりますと、その機能を効果的に発揮させるためには避難路の整備を推進しなければならない。この場合は、公園整備とあわせて周辺の再開発と避難路の確保、周辺街路との整合性ということを十分配慮しなければならないということがこの答申の中でも指摘されてまいりました。先ほど申し上げました道路問題、道路事情ということは、単に入園者の関係ということだけではないわけでありまして、広域避難地、最終避難地としての広いスペースがとれるではないかということであっても、そこに至る避難路という道の関係からいきますとまだ大変心配が残っている、こういう問題点も先ほどの道路問題との兼ね合いで出てくるわけでありまして、この点については先ほどの問題点に加えて指摘をさせていただきたいと思います。  さてそこで、いまお話のありました大震火災時の避難地としての機能を持たせるという問題点と、もう一つ「広場、園路等の施設は、大震火災時における広域避難地としての機能が十分発揮できるような規模、構造等を有するものとする。」こういう趣旨のお話があったわけですが、隣の立川基地跡地に予定されております広域防災基地との関係で、国営公園ではありますけれども、防災機能という観点からなお若干の考慮を必要とするのではなかろうかということを実は問題として指摘したいわけであります。  国土庁の方いらっしゃっていると思いますけれども、広域防災基地としての立川の構想といいますか、現段階までどの程度進んできているのか、広域防災基地の中の各省庁の位置づけがどうなっているのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
  50. 柴田啓次

    ○柴田(啓)政府委員 立川基地跡地に予定されております広域防災基地といたしましては、百十五ヘクタールあるわけでございますが、そのうちの防衛庁関係の陸上自衛隊飛行基地といたしまして八十五ヘクタール、その他のものに約三十ヘクタールというものが予定されているわけでございます。防衛庁関係の飛行基地につきましては、昨年の十月に立川市議会で移転、新設が認められまして、現在工事が進められているわけでございます。その飛行基地が動きましてから残りの広域防災基地の整備というものを始めますので、これはまだしばらく時間を置いてから始めるわけでございますが、いま考えておりますそれらの中に整備しようという施設といたしましては、国の災害対策実施本部、それから警察関係の施設といたしましては、警視庁の災害応急対策活動の中枢となるような施設、しかも平常時には多摩地域の通常の警察活動を行う施設、それからいろいろな訓練をする施設、それから消防関係の施設といたしましては、東京消防庁で災害救急情報の収集、指令等の中枢になる施設、また、平常時にはこの地域の通常の消防活動、消防職員の教育を扱う施設、それから食糧庁の関係といたしまして、備蓄倉庫、米穀、乾パンの応急配給を行う施設でございますが、平常時には政府の需給操作用の倉庫となるもの、それから病院、これは災害時におきましては救急医療の中枢となるものでございますが、平常時におきましては地域医療の中核医療機関となるもの、こういうものを考えているところでございます。     〔村岡委員長代理退席、委員長着席〕  これらにつきまして、先ほども申し上げましたとおり飛行基地が動きましてから整備が始められるので、飛行基地の工事にまだ相当の時間を要しますからまだ具体的な計画というものに着手しておりませんし、また、それぞれの面積の割り振りにつきましてもまだ確定をしていない段階でございます。私どもとしては、できるだけ早く基本構想だけでも立てたいというふうに考えているところでございます。
  51. 山花貞夫

    ○山花委員 関連してもう一つだけいま伺っておきたいのですが、基本構想を早く決めたい、こういうお話でしたけれども、実はこの防災基地の役割りとしては、単にこの周辺ということだけではなく、府県単位ということでのまさに広域防災基地という役割りだというふうに思うわけです。そうすると一体そこに何ができるか。それは三多摩地域中心とした防災基地としてどんな役割りを果たせるのかということで、本当にそうなるのかということからの関心が高いわけでして、一体いつごろそういう計画ができるのだろうか、飛行場の滑走路の位置の移動についても工事が進んでいる現段階ですが、どうも仕事がおくれているのじゃなかろうかという気がしてならないわけでして、この点について、そのめどをひとつお伺いしたいと思います。
  52. 柴田啓次

    ○柴田(啓)政府委員 お答えをいたします。  先ほども申し上げましたとおり、昨年十月に立川市議会で移転、新設が認められまして、防衛庁関係の飛行基地が移転をしているわけでございます。その跡につくりますものでございますから、実際の工事の着工というのはしばらくおくれるわけでございますけれども、基本構想としてはいま申し上げましたような点を中心にいたしまして、それぞれの地区割りと申しましょうか、場所割りと申しましょうか、あるいはそれぞれの面積というものも固めながら、できるだけ早くこの基本構想を立てたい、できれば本年度中にでもその基本構想をつくるようにしたいと考えております。
  53. 山花貞夫

    ○山花委員 本年度中というお話でありましたけれども、冒頭申し上げましたとおり、首都圏におきましては、東京都の考え方でも防災公園機能を果たすものとしてその必要量の三分の一か四分の一しかまだできていない。今後たしか東京都関係でも千六百ヘクタールぐらいこの防災公園をつくるというようなことを含めて、対策が非常におくれているというのが現状であります。そういう中で、いわば府県段階の中枢の機能を果たす広域防災基地の建設というものがたてまえだけ、アドバルーンだけ上げられたわけですけれども、どうもそこのところの進捗がおくれているのじゃないかということが大変気になるわけでありまして、この点については、そうした災害対策ということを含めるならば、中枢の機能を持った広域防災基地でありますから、その図面につきましてはできるだけ早く明らかにしていただきまして、その中に地元を含めた東京都段階でのいろいろな要求について入れる、そういう余地をできるだけ早くつくっていただきたいということを国土庁関係ではお願いをしておきたいと思います。  そこで、話を戻しまして、公園関係でありますけれども、一方において広域防災基地、いま大体将来の絵図面につきましてはお話がありました。ただ、これはあくまでも広域防災基地でありますから避難地とは別でありまして、役割りは、避難地としては昭和記念公園の側が最終的な避難地ということになるであろうということだと思います。  さて昭和記念公園国営公園、そこでの構想の中には防災公園という考え方がどうも出てきていない、弱いのではないか、この点が大変気になるところであります。広域防災基地ができたのだけれども、いざ大震災という場合に地元の人がそこに逃げ込むわけにはいかない、お隣の昭和記念公園の側に逃げ込んだということになりますと、防災公園としての設備、機能がここにはありません。ということになりますと、そこで大変不満、心配というものが出てくるわけであります。防災公園としての施設の要件について調べてみますと、そこには防災性の向上に配慮しつつ備蓄倉庫の問題、貯水槽の問題など、防災のために必要な一定施設整備しなければならぬ、これが要件になっていると思います。そうなりますと、昭和記念公園の側にはそういうものについて全く配慮がないのではないか、スペースがあることは大事でありますけれども、同時にそうした防災公園的な施設機能ということについてもっと考える必要があるのではなかろうか、このように私は考えるわけですが、局長、この点についていかがでしょうか。
  54. 升本達夫

    升本政府委員 先ほどのおただしのときにもお答えを申し上げましたけれども、現在の公園づくりの基本方針におきまして、この公園の性格の一つとして広域避難地としての機能が十分発揮できるようなものであるべきである、規模、構造等についてその点を十分配慮しろということにいたしております。さらにこれを受けて、具体的に、たとえば広域避難地としての機能を保全するあるいは向上させるための必要から、樹林を設けるというような場合に樹種の選定についてもそのような配慮が必要でございましょうし、あるいは広場を設ける場合におきましても、十分に避難人員を予想した広場のつくり方が必要でございましょうし、水面を確保するという観点もそのような観点から必要でございましょうし、そのようなものを広域避難地という性格から十分配慮して計画を進める、こういうことにさせていただいているわけでございます。  ただいまのところ開園の時点を非常に急ぐという観点から、一部開園という形でとりあえずは昭和記念公園としてのオープンを一つ目標といたしておりますことで、それから重ねて二期、さらにその後の計画におきまして、ただいま申し上げましたような基本方針に言うところの広域避難地としての性格づけ、機能づけを十分配慮しながら必要な施設整備を行ってまいりたいと考えているところでございます。
  55. 山花貞夫

    ○山花委員 希望としては重ねて申し上げておきたいわけでありますけれども、関連して一つ構想の中で伺っておきたいと思うのです。  従来もお伺いしたことがありますけれども、基本構想はこれからもなお詰めるというお話がありましたけれども、その中の美術館構想であります。従来から各地域、周辺の市町村の皆さんが、三多摩地域には一つもない美術館建設についてぜひ実現してもらいたいというかっこうで、これは国土庁にも伺ったと思います。建設省にも伺っておりますし、現地の管理事務所の方などいろいろ働きかけをやってお願いをしてきているわけでありますけれども、この美術館建設というような問題が全体の構想の中に含まれているかどうか。いるとするならば、その設置場所あるいは規模具体案などについて協議された経過があるかどうか。時間の関係もありますので、先ほどお話しいただきました基本問題懇談会などで相談された経過があるかどうか、こういうことで、この問題につきまして若干総括的になりましたけれども、これまでの経過、今後の見通しについてお伺いをしておきたいと思います。
  56. 升本達夫

    升本政府委員 地元から美術館の設置の要請があることは十分聞き及んでいるわけでございます。そこで、この昭和記念公園の基本構想の中でいろいろな目的、機能を持ったゾーン分け、地域分けをいたしておりまして、あるいは森のゾーンでありますとか、広場のゾーンでありますとかあるいは水のゾーンでありますとか、そのようなゾーンの一つとして文化施設ゾーンという地区設定を考えているわけでございます。この文化施設ゾーンの中で、音楽、美術関係の文化的な活動の場となるような施設を当然つくっていくことを予定しているわけでございます。美術館につきましても、全くその中の一つ施設という理解を持っているわけでございます。  しかしながら、しからばこれをまた具体的にどういうような構造のどういうような施設をつくるかということにつきましては、実はいまの段階では、おただしの基本問題懇談会におきましても具体計画としての御議論には至っておりません。実は先ほど経過を申し上げました、昨年の秋の段階で第四回の懇談会を開いていただいたわけでございますけれども、そのときも文化施設について、内容については各御出席の委員からかなりいろいろなサゼスチョンをいただいたわけでございますが、広く外国施設のありよう等の御議論がございまして、そのときの御議論の感じではまだかなり文化施設一般というような感じの幅の広い御議論であったように記憶をいたしております。したがいまして、これからそのような御議論を踏まえまして具体文化施設計画の構想に入ってまいる段階でございまして、さらに今後基本問題懇談会の御意見等を重ねて伺い、また、その過程において必要に応じ地元の御意見の反映も図りながら、具体施設計画をつくってまいるという段階に入ってまいろうかと思っております。
  57. 山花貞夫

    ○山花委員 いまお話しいただきましたあるべき文化施設についての議論が進んでいるということの中で、特に美術館建設につきましては長年の地域の皆さんの夢であります。したがって、その立場でもこういう美術館を建ててもらいたいというようないろいろな希望というものが出されているわけでありまして、今後具体的な内容について詰めの段階に入る過程におきましては、そうした地域の皆さんの具体的な注文といいますか、要請につきましてもひとつ十分受けとめていただきまして、そして計画を練っていただきたい、このことを要請しておきたいと思いますけれども、この点だけちょっとお返事をいただきたいと思います。
  58. 升本達夫

    升本政府委員 文化施設として文化施設ゾーンに設置されるものの中では、美術館というような効用を果たすような場も当然含めて考えなければならないというふうに理解をしております用地元の利用にも供されるような場もその施設の中に加えるというような方向で、検討させていただきたいと思っております。
  59. 山花貞夫

    ○山花委員 実は関連して国土庁にお伺いいたしたいと思うのですけれども、五十六年四月、定住構想基本問題研究会の名前におきまして、「社会的サービスの供給について 公・民の役割分担の明確化と民間部門への期待」、こうした内容のものが発表されました。実は私は、これは新聞報道で知りまして内容を拝見したわけでありますけれども、新聞報道によりますと、「図書館など民間分担公的社会サービス絞れ 定住構想研提言」、こういう内容になっておりまして、図書館、美術館などは大体民間がやるべきである、サービスの需要が選択的であるから市場の競争原理でやるべきである、こういう形で、図書館、美術館について、そんなのは国とか自治体でやるものではなくて民間に任せるべきである、こういうような提言があったという報道がありまして、そしてこのパンフレットを拝見したわけであります。  いま、たとえば昭和記念公園の中の文化ゾーンの中には美術館建設、あるいは図書館も入ってくるかもしれませんけれども、民間じゃなくてまさに国の一つの仕事としてなされるかもしれない、こういう方向で大変多くの皆さんが期待を持っているところであります。ところが、この国土庁の報告によりますと、どうもそれはだめなんだ、反対なんじゃなかろうか、こういうようなことが大変気になったものですから、実は国土庁の関係でこの「社会的サービスの供給について」、こういうかっこうで発表されたものの趣旨といいますか、いかなる考え方に基づいてこういうものが出たのか、実は今度の美術館問題だけではなくて、地域の図書館活動などにも大変影響してくる問題でありますから、この考え方につきまして御説明をいただきたいと思います。
  60. 福島量一

    福島(量)政府委員 お答えいたします。  いま御指摘の研究会は私どもの方の私的諮問機関といたしまして、一昨年の秋からほかに三つのテーマもあわせて取り上げまして、いろいろ御検討願ったものの報告の一つでございます。  御案内のように、最近のわが国国民の価値観や意識というものは大変に多様化してきておりますし、それからそれに伴いまして欲求も大変に高度化する、人によっては肥大化するということも言われておりますけれども、そういう状況にあるわけでございます。したがいまして、そういうことの過程でいわゆる社会的サービスというものに対する需要が大変強まってきておるわけでございまして、社会的サービスを供給すべきたとえば施設というようなものは、一般的には公共部門においてこれを賄うというのが基本的な認識であろうかと思いますが、同時に一方で、先ほど申し上げましたような経過の中で、非常に先端的なサービスと申しますか、あるいは非常に高度化したサービスということについての欲求も強まってきておりまして、これに対して公共部門でいかに対応すべきか、あるいはそこに民間部門を活用する余地はあるのかないのかというような問題をめぐって、それなりの勉強をしておく必要があろうという問題意識から実は取り上げたものでございます。その結果、一般的に申し上げまして、ただいま新聞報道を引用されましたが、需要が選択的であってしかも市場の競争原理によってその供給も確保できるサービスというものについては、むしろ民間部門の効率的なあるいは弾力的な対応というものに期待をして、これを民間部門にゆだねた方が適当ではないかという一つの提言がなされておるわけでございます。もちろんその一方で公共部門が介入しなくちゃならない分野が当然あるわけでございまして、その供給が安定的に、かつ、平等に確保されなければならぬ、それは市場原理にゆだねたのではできないという性格のものは、当然公共部門が従来どおりあるいは従来以上にこれに対処し、その経費も公共部門で賄うべきであるということが前提になっておるわけでございまして、ただいま御指摘になりましたような美術館あるいは図書館もそうでございますが、一般に、都市公園法審議の場でございますからあえて申し上げまするならば、公園施設として法令上列挙されているような施設については、当然のことながら民間の参入を否定するものじゃございませんけれども、本来民間がこれに対応すべきであるということの対象となるような施設ではない、むしろどちらかといえば公共部門に比重のかかった施設であろうというふうにわれわれは考えておるわけです。こういうことを申し上げてはいかがかと思いますが、一部新聞に誤報といいますか、誤解を招くような報道がございまして、ほかの新聞ではそういうようなことは書いてございませんが、一部の新聞で図書館、美術館は民間だというような見出しになったものですから、実は私どもに大変問い合わせがあったというようなことも事実でございまして、これは私どもの真意とするところじゃありません。内容をよくごらんいただければそういうようなことは報告書には書いてございませんわけですから、われわれのレクチュアのし間違いであったかもしれませんが、そういうことじゃございませんので、そういうことはひとつ御理解いただきたいと思います。
  61. 山花貞夫

    ○山花委員 お話を伺ってちょっと安心しました。  時間の関係からもう一つだけ伺います。  実は、公園建設ということにおきましては、約二百ヘクタールと言われている立川の基地の跡地の問題と関連をいたしまして、同じように多摩、稲城の地域にあるいわゆる多摩弾薬庫、これも二百ヘクタール弱でありますけれども、従来公園としては今回のいわゆる昭和記念公園と連関性を持った公園としての構想があるやに伺って、私ども大変期待をしておりました。従来地元各関連市町村におきましては、両方ともぜひ公園をつくってもらいたい、こういう希望も強かったわけですが、現在の時点建設省の側でそういう構想といいますか、将来の問題でありますけれども、なおお持ちしているというように伺ってよろしいでしょうか。
  62. 升本達夫

    升本政府委員 おただしの多摩弾薬庫につきましては、昭和五十二年に建設省公園事業調査費によりまして御在位五十年の記念公園対象地として調査をいたした実績がございます。その際、立川とそれから多摩弾薬庫跡地、それから逗子弾薬庫等を候補地として調査をいたした次第でございます。そこで、現在のところは立川の昭和記念公園として発足をいたしておるわけでございますけれども、その時点でその立川の公園と、多摩弾薬庫の返還を前提といたしました、いわば二眼レフというような形の構想があったことも事実でございまして、私どもとしては、もし返還が早期に期待されるということであるならばその構想の発展ということを考えてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  63. 山花貞夫

    ○山花委員 防衛施設庁にいらっしゃっていただいていると思いますが、幾度がこの問題はいろんな委員会で伺ったわけですが、現時点で返還の見通しはどうなのかということについて最後に一言お伺いしたいと思います。
  64. 大場昭

    ○大場説明員 多摩サービス補助施設につきましては、かねてから地元等から返還の要望がございまして、私ども防衛施設庁といたしましても米側に対して再三にわたりその返還の可能性について打診してきたところでございますが、米側としては、この施設は在日米軍人等の福利厚生施設として大変重要な施設であるので、返還はできないということをこれまで申してきております。
  65. 山花貞夫

    ○山花委員 もう時間がありませんので、この問題につきましてはまた別の機会にお願いしたいと思いますけれども、依然として地元の要求市町村住民要求が大変強いわけでありますから、施設庁としてはそうした要求を十分踏まえて、なお返還についての御努力お願いいたしまして、質問を終わらしていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  66. 稲村利幸

    稲村委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ————◇—————     午後一時三十二分開議
  67. 稲村利幸

    稲村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。横山利秋君。
  68. 横山利秋

    ○横山委員 私は一遍言い出すとなかなか最後まで後を追う人間でございますが、都市公園法審議に当たって、やはり都市公園の工事も同じことですから再度大臣に、どなたがお答えになるかわかりませんけれども、二回にわたって確認をいたしましたが、ことし建設省関係で三月末に工事が終わらずに継続申請をされた案件はどのくらい上がっておりますか、去年と比較してその件数並びに金額はどんな開きになりましたか、御報告を願います。
  69. 丸山良仁

    ○丸山政府委員 建設省所管の公共事業の契約済みの繰越額は、五十四年度事業につきましては件数におきまして三千八百件、金額で二千八百九十九億円でございました。それから、昭和五十五年度につきましては現在集計中でございますが、現在の見通しでは件数で約四千二百件、金額で三千五百七十億円程度となる見込みでございます。したがいまして、件数で約四百件、金額で六百七十億円ぐらい五十四年度に比べまして五十五年度は繰り越しが多くなっている、こういうことでございまして、これは先生の御指摘あるいは会計検査院の御指摘によりまして公共団体が適正な繰り越しの手続をとった結果だとわれわれは信じている次第でございます。
  70. 横山利秋

    ○横山委員 これで私は思うのでありますけれども、工事の平年度化計画を立てろ、こう言っておきましたね。お約束いたしますとおっしゃいましたね。  要するにことし、愛知県で私調べてみたのです。まだ愛知県の集計はわかっておりませんが、とにかく三月中に工事を完了せよという厳命が出たのですね。厳命は必ずしも悪いことじゃないですよ。けれども、その厳命によってブルドーザーの奪い合い、それから掘るやつの奪い合い、そしてそれも時間ごとに、おまえのところに二時間、終わったらすぐおれのところへ貸してくれ、それが終わったらもう一遍返してくれといってとが殺到した。それで借り賃が三月は高くなった。もちろん私が指摘しておりますように、建設資材が三月に高くなったのはあたりまえです。それで四月からとんと仕事がない。特に建設関係はひどいものですね。いま一般的にそうですけれども、ひどいものです。私の知り合いの建設会社も、去年はまだ四月に仕事があったけれども、ことし四月はとんとない、まああかんですわ、こう言っておるわけです。四、五、六は仕事がない。それで、県が、予算議会が六月ですね。三億円以上の契約は県議会の承認が地方自治法によってやられる。だから、六月に県議会の承認が得られるまでに事前のあっちゃこっちゃはあるけれども、実際仕事が始まるのはうまくいって六、七、八ということになる。一方、寒冷地帯は冬が来て雪が積もっておるときには工事はできぬ。それで三月にわっと来る。それで建設会社はリスクを考えて直用をなるべくやらぬように下請をどんどんふやす、こういうわけです。  私の結論から言いますと、こういう案はどうでしょうか。いま継続繰り越しが多うなったということは私はいいことだと思うのですけれども、少なくとも予算一定パーセントは四、五、六までの繰り越しは認める。繰越申請についても四、五、六の第一・四半期については繰越申請の条件を緩和する。落差をつけなければだめだ。何となく繰り越しを認めてはいかぬから、一期、一・四半期だけは繰り越しの申請条件を緩和する。これを聞いてみますと、繰り越しの申請条件というのは書類を山ほど積まんならぬと言うんですね。四千二百件繰越申請をやったら役所は大変ですわ。だから、第一・四半期までは繰越申請条件の緩和をして、それを越えるものはいままでどおり厳しくやってもいいんだけれども、そうすることによって四、五、六の一番仕事のやりやすいときに仕事が平準化するようなことを考えたらどうか。  私は一月一日から予算年度にしろということを十年前に考えたことがあるけれども、それは一月一日に入学式もやらなければならぬことになって、それはだめだ。それならば現状において、あるいは法改正をしない条件においてでも大蔵省、建設省、農林省から各省全部一遍相談して、工事の平年度化、そしてそのためのやりやすい方法、それによって繰り越しをしたからといって、おまえのところは使わなかったからといって来年度予算をちびるというようなことのないようにすること等について、この前、工事の平年度化計画を一遍考えてみますと言ったのですが、その成果はお伺いできますか。
  71. 丸山良仁

    ○丸山政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、われわれといたしましてもそのような配慮を十分しているわけでございます。  まず繰越手続でございますが、この点につきましては、大蔵省初め関係各省庁とことしも会議をいたしまして、最大限の手続の簡素化を図っておるわけでございますし、適正な手続をとるよう、先ほども申しましたように指導しているところでございます。  なお、たとえば今年度の事業について見ますと、建設省関係の予算現額は約六兆四千億と見込まれているわけでございますが、そのうちのいわゆる国庫債務負担行為で行っております継続事業が一兆四千四百九十億余り、こういうことでございまして、先ほど御答弁申しましたように繰り越しの手続をとって工事を行っておりますものが三千五百七十億くらい、こういうことでございますから、これを合わせますと六兆四千億のうちの一兆八千億余り、約二八%というものが継続工事になっているわけでございまして、これは主として第一・四半期に行われる、こういう形になっておるわけでございます。先生のおっしゃいますように、場所によっては仕事がないとかいう問題もあると存じますけれども、全体的に見ますと三割近くのものが継続工事として行われておる、こういうことでございますし、また、本年度につきましては、先般の閣議決定にもございますように上期七〇%ということで、気候のいい時期になるべく早く発注するということで、いろいろの準備を整え、発注を行っているところでございます。
  72. 横山利秋

    ○横山委員 あなたの言うことを聞いておると、本当に何も心配せぬでもいいような話です。そんな簡単なものじゃないのですよ。あなた、きょうはえらい調子がよ過ぎるじゃないか。そんな簡単なものじゃないよ、お互いに知っておるが。そうか、それなら建設委員は何も心配せぬでもいいわということになるが、そういうものじゃないと思うんだな。どこか抜け穴がある。一つの抜け穴は、仮にあなたの言うことがいいとしても、これは建設省だけがやっておったのではだめですな。落差の立つことを国、県、市を通じてこういうふうにしろという一つの統一的な内閣の方針というものが出なければいかぬ。仮に国関係はそうであっても、県はどうだ、市はどうだ、町はどうだということになりますと、単年度主義がまだ役人の頭にこびりついておるものですから、それでそういう操作がなかなかうまくいかぬと私は思うのであります。もしもあなたの言うように、建設省関係は万全、そういうことをやっておると言うなら、どうですかね、大臣、あなたひとつ一遍骨を折ってくれませんかね。おれのところはやっておるのだから、各省ともそういうふうにやって工事の平年度化を図れ、地方自治体も自治大臣もそういうことに協力しろ、そしてあらゆる国関係、政府関係、すべての地方自治団体へ工事の平年度化を図るような、ひとつ内閣としての方針を何か出すように、内閣というのは適当かどうかわからぬけれども、建設大臣がそういうことを一番号令をかけるべき問題だと思うのですが、あなた何かいい知恵ありませんかね。これであなたの株が上がりますよ。
  73. 丸山良仁

    ○丸山政府委員 大臣の前にちょっと事務的に説明させていただきますが、いま先生おっしゃいましたように、ことしは特にそういう点を配慮しろということは、先生の御意見のみならず自民党建設部会からも強く要請されまして、そこで建設省といたしましては、大蔵省を中心に公共事業関係各省、建設、運輸、農林等が集まりまして、第一・四半期に事業の発注がおくれないような措置を講じたところでございます。そういうような関係から、まずうまくいっていると思いますけれども、これからもその点は十分配慮してまいりたいと考えているわけでございます。
  74. 横山利秋

    ○横山委員 どうですか、大臣、何か骨折ってくださいよ、大号令をかけて。
  75. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 号令をかけない前に官房長の方がもうすでにその旨は実行いたしておるようでございまして、それはともかく、先生の公共事業にかかわる識見につきまして私は改めて敬意を表します。とかく公共事業というのはどうしても役所仕事になりがちで、単年度主義が徹底しておりますから、何が何でも年末等に集中する、年度末に集中して仕上げなければいろいろとしかられるというか、指摘を受けるということで、ぎりぎり持っていくということが今日の弊を招いていると思います。民間ではこういうことはあり得ないわけであります。したがって、御指摘のとおり、一・四半期に、二月になるか三月になるか、いずれにいたしましても継続事業を次の年度につなげていくような形でやっていけばこうした問題は起きないのではなかろうかと思います。これは折々、正式ではありませんけれども地方の経験がございますので、話し合える閣僚の方々には話はすることがあるわけでありますけれども、さて決まった形でということになりますとなかなか問題があろうかと思いますが、先生の御提言をいただきまして、その方向に向かってせっかく努力をいたしたい、このように考えます。
  76. 横山利秋

    ○横山委員 御心配なことないですよ、与野党一致してそういうことなんで、これは本当に天の声ですよ。だから、問題があるというのはどういうことだか私もよくわからぬぐらいなんですよ。どこだって説得力のある問題ですから、あなたがひとつ官房長の意見を土台にして、政治的に落差をつける方法を一遍考えなければいかぬ。ただ何となく事務担当者がやるまいかやるまいかと言うだけでは下部まで徹底しませんから、一遍落差の立つ方法を考えてもらって、それが日本の単年度主義の中における一つの平年度化の風習になるように格段のお骨折りを願いたいと思う。  それから、私も都市公園は本当に素人ですが、おれのところの地元ではどうだろうというわけでちょっと調べてきたのですけれども、「都市計画整備公園緑地一覧」を名古屋市でもらったら、驚くなかれ、何のことはない、三十五年前に決まっておる計画個所二カ所がまだそのままだ。二十五年前のものは五カ所がまだ未整備だ。二十年前が二カ所、十五年前が八カ所。この都市計画整備公園の一覧を仮に名古屋市で見たところ、三十五年とは何か間違いじゃないか、三年前じゃないかと言ったら、三十五年だと言う。それなら戦後じゃないか。戦後です。戦後決まった整備公園緑地がまだ未整備というのはどういうわけだと言うたらむにゃむにゃと言って返事ができないわけです。これは買収が済まぬのか、銭がないのか、腕がないのか、建設省がめんどう見ないのか、どういうわけだと言ったところ、役人ですから、一番言いたいのは銭が欲しい、こういうわけです。それにしてもちょっとえらないか、私はそう言ったのであります。新法が施行されましたのが十五年ぐらい前ですかね。そうすると、その前のやっとその後のやっと何が違うかというと、その前のやつは、めちゃくちゃですね。おい、ここは公園だよと言って決めれば人民諸君は文句が言えなかった。その後は文句が言えたり手続がめんどうになったということだと思うのですが、一体この種の三十五年、二十五年、二十年という計画して未整備、古い未整備が全国でどのくらいあるのですか。
  77. 升本達夫

    升本政府委員 ただいまのおただしに直にお答えする全国の数字を現時点でちょっと持ち合わせておりませんで、後刻、調査結果で、これは抽出調査をやった結果の数字がございますのでお答えをさせていただきたいと思うわけでございますが、当面全数的な数字で御報告を申し上げておきます。  都市計画決定が行われている公園の個所数と面積をまず申し上げますと、これは昭和五十五年の三月三十一日現在でございますけれども、個所数で二万三千百七十一カ所、それから面積が約六万八千六百二十ヘクタールということでございます。これは都市計画決定が行われているものでございます。このうち公園として供用されているものが、個所数で申しまして一万八千二百十一、それから面積で二万八千二百二十ヘクタールという数字になっておりまして、供用率は個所数で約七九%、それから面積で約四一%という数字になっております。
  78. 横山利秋

    ○横山委員 最後の七九、四一というのは整備率ですか。供用というのは何ですか。
  79. 升本達夫

    升本政府委員 供用開始が行われているもの、使われているものという意味でございます。
  80. 横山利秋

    ○横山委員 それで、三十五年、二十五年にもう一遍返るのですけれども、そういう古いやつで、三十五年たっても何にもできないということについては見直したらどうですか。やはり一遍決まった以上はしようがない、おまえのところはそこヘコンクリートを建ててはいかぬぞ、建築物を建ててはいかぬぞ、何もやっちゃいかぬということで、人民の権利をそのまま三十五年も問答無用にしておいて何にもしないというのはちょっとえらないかね。
  81. 升本達夫

    升本政府委員 おただしの個所についての都市計画状況について、私は現状に照らして判断をいたしておるわけではございませんので、あるいはお答えの数字が若干変わってこようかと思うわけでございますが、一般論として申し上げさせていただきますと、都市計画の決定をいたします場合には、先生御承知のような手続を経まして都市計画として決める以上は、その都市現状、それから将来傾向を全部判断した上でしかるべき手続を踏んで決めさしていただいているという経過がございます。もちろん都市計画決定の全部につきまして、一度決めたものはこれはもう絶対に変えられないという性質のものではございませんので、当然状況の変化による見直しということはあり得るものと思いますけれども都市計画の決定に当たっては、私どもよく二十年という単位で申し上げますけれどもかなり長期の見通し期間を持った計画を立案し、それによって決定の手続をとらしていただくという経過がございます。したがいまして、一般的に言いますと、都市計画決定についてはそれなりの判断の結果というふうに考えさせていただいておりますので、個々具体状況によりましてはさらによく調べさしていただいた上で、しかるべき対応を考える必要があれば考えなければいけない、かように考えるわけでございますが、いまここで現時点状況について、現施設状況について、現計画状況についてつまびらかに把握しておりませんので、一般論でのお答えで許していただきたいと思います。
  82. 横山利秋

    ○横山委員 私もいま一般論で一応言っているのですよ。新法はたしか十五年くらい前からしかれて、それは、都市計画をする、公園にするというときには地域住民の意見、いろいろ苦情も聞き、いいか悪いかというふうにやって民主的にやっているのだけれども、戦後の三十五年、二十五年前のものはもう問答無用です。決まった、はい、それからあきまへんということです。そういう問答無用にやっておいて、そこへはもう法律によってコンクリートをやってはいかぬ、地下を掘ってはいかぬ、何やってはいかぬということになっておる。それはちょっとかわいそうじゃないかというのが一般論。しかし、さはさりながら、一生懸命お互いに公園をふやそうと言っているときに、せっかくそうなっておるものを地主に返せというふうに私は一概に言うわけではないのです。言うわけではないのだが、一遍余り古いものは見直したらどうだろう。たとえば、三十五年の二カ所は名古屋の小幡二百二十六ヘクタール、相生山が百二十三ヘクタール、二十五年で言いますと、川名三ヘクタール、城山四ヘクタール、米野四ヘクタール、松蔭五ヘクタール、多加良浦八ヘクタールぐらいですね。二十五年前のものは地域としてはそんなに広くはないけれども、いずれにしてもこれは私はびっくりしてしまった。  そういうことについて、放置してあるということはどういう理由で放置してあるのか、銭がないから放置してあるのか、それとも何かほかに原因があって放置してあるのか、その点について、余り古いものを一遍見直して、どうしても都市計画整備公園にしなければならぬ積極的な理由が今日でも一体あるのであるかどうか、あるとしたならば、一律に予算配分せずに、古いものから、問答無用で取り上げるというか、指定してしまったのだから、そこのところを重点的に措置してやるべき必要があるんじゃないか、そう思いますが、いかがですか。
  83. 升本達夫

    升本政府委員 ただいまの御質問の中で具体の御指摘がございました小幡、相生山、これは小幡が二百ヘクタール余、相生山が百二十ヘクタール余というようなことで、かなり面積でございますが、これは戦前から戦中にかけましてのいわゆる防空緑地都市計画施設として決定したという経緯のようでございます。防空緑地でございますと、御承知のとおり都市計画施設決定はいたしますが、緑地としての状況自体がそのまま都市施設としての有効価値を有する、市街地においてそれが存在すること自体の意味合いがあるということで、大きく分けまして、直接利用をするための施設を配置する公園と、自然的な状況中心とする緑地というような施設の区分をいたしておりますが、その後者の方に当たる緑地であろうというふうに考えております。したがいまして、いきさつにかんがみましても、またその利用目的からいたしましても、あるいは見た目には手つかずというような状態でとまっているという形態がかなりの広がりをもってあるのかというふうに考える次第でございます。  具体の個所についての御説明は以上でございますが、先生おっしゃいますように、その時点における決定の経緯に仮に誤りがなく十分な判断がなされたとしても、その決定後さらに長期経過したことによって、状況の変化に対応し得ていない場合があり得ないということはないわけでございまして、その点につきましては、私どもとしても極力、あらゆる機会にそのような見直しの必要性については留意をするように慫慂をしているところでございますけれども、さらにまた、そのような機会をつくりまして、少なくとも計画決定時と現時の効用価値に隔たりがあるようなものについて、そのままの状況で推移することが適切であるというような状況にはならないように、都市計画行政全体の推進に配慮をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  84. 横山利秋

    ○横山委員 私は何も自分の選挙区のことばかり言っておるわけじゃない。これを例にして言っているのである。全国的に恐らく建設省の本省が一々そういう公園現状を把握しているわけではなかろうとは思います。だからあなた方を責めたってしようがないけれども予算の配分とか全体の見直しをときどきやって、そんな古いものは一体どうしておるのだと、いまあなたのお話のように、たとえば相生山はほっておけばいい、緑地だからほっておけばいいということなら未整備として挙げておらぬわけですね。未整備として挙げておるということは、やらなければならぬことをやっておりません、こういうことなんですからね。やらなければならぬということはどういうことなのか、何でほっておくのか、銭がないのか、それならやるわ、こういうふうに、やっぱり古いものから片づけていかなければいかぬと思いますから、その点十分御検討を願いたいと思います。  それから、お互いにそれぞれ選挙区に河川敷があるわけですね、河川敷の利用ということが最近非常にやかましくなってきておるのですけれども、これもまた古いものは河川敷に民営のゴルフ場をやったりあるいは自動車練習場をやったり、民営に貸しておるわけです。一体本来河川敷にそんなことをやっていいのか。河川敷こそ公園にしてやれ、スポーツ場にしてやれということがあっておるのですが、建設省の基本方針は四十年に出ているという話ですが、今日も四十年の事務次官の方針のままなのであるか、何ら改正の必要もないのであるか、その事務次官の通達を含めて御説明を願いたい。
  85. 小坂忠

    ○小坂政府委員 お答え申し上げます。  河川敷地の占用許可の許可基準でありますが、先生いまお話のございましたように河川敷地占用許可準則というものが昭和四十年に出されておりまして、事務次官通達が出ております。御承知のように、「河川敷地は、河川の流路を形成し、洪水の際には安全にこれを流過せしめ、洪水による被害を除却し、又は軽減させるためのものであり、かつ、公共用物として本来一般公衆の自由なる使用に供されるべきものであるので、原則としてその占用は認めるべきではないが、」治水、利水及び環境上支障を生じない場合であって、社会経済上必要やむを得ないものについては許可できることといたしております。本準則上社会経済上必要やむを得ないというものとして許可してよろしいという対象として、まず第一に公園緑地及び広場というようなものが挙がっておりまして、以下いろいろ羅列してあるわけでございますが、この方針は現在も変わっておりませんし、また、本準則に適合しないものがいわゆる旧河川法時代に許可されたものでかなりあるのも事実でございますが、それらのものについても、今後占用の実態、経緯等を勘案しながら逐次準則に合うように措置していきたいということで現在対処しておるわけでございます。
  86. 横山利秋

    ○横山委員 またきれいごとを言って。河川敷は、四十年の事務次官通達で緑地にしろ、公園にしろと言っておるけれども、私の例は庄内川です。四十八年の春に二万平方メートルに及ぶ広大なゴルフ場がオープンしたわけです。四十年に事務次官通達が出て、四十八年に民間のゴルフ場がオープンするというのはどういうことだろう。こういうゴルフ場は一体どういうことになるの。河川敷についての管理は建設局長か。そうすると、建設局長ないしは建設省が最終的によろしいと言ったわけですか。
  87. 小坂忠

    ○小坂政府委員 ただいまおただしの庄内川のゴルフ場でございますが、当初の許可は、ゴルフ練習場が二つございまして、一つ、庄内橋ゴルフ場につきましては、当初三十三年七月に許可になっております。都市計画決定が四十八年四月ということになっておろうかと思いますが。それから、城北ゴルフ練習場は三十四年でございますので、やはり新法以前に許可されたものでございまして、ただいまの通達以前の、すでに許可されておるものの範疇に入るものでございます。
  88. 横山利秋

    ○横山委員 それじゃ、いまあなたがおっしゃった事実関係を争うのは時間がありませんからなにだけれども、仮に都市計画決定以前といたしましても、庄内川緑地については、上飯田自動車練習場、水分橋緑地が城西自動車学校、洗堰が庄内橋ゴルフ場、城北ゴルフクラブ、それから学校のグラウンド、庄内橋自動車学校、味鋺野球場、中京自動車学校、大正橋緑地は日吉ゴルフ練習場等々、全くたくさんあるわけですね。それをいまあなたは、順次準則に応じてそういうふうにしたいということで、出ていってくれということですな。出ていってくれということをやっておるのですか。出ていってくれということについて補償金を払うつもりがあるのですか。補償金を払わなければ出ていってくれと言うだけであって、何らの強制権も、相手を納得させる手段もない、それじゃほっておくよりしようがない、そういうことですか。
  89. 小坂忠

    ○小坂政府委員 ただいまお話しのいろいろの占用、あるいはいまお話しの中に民地を利用しているものも若干入っておろうかと思いますが、官地部分の占用のものにつきましては、ただいま冒頭にも申し上げました事務次官通達の精神で、本来徐々にそれは一般公衆の用に自由に供せられるように措置しなければならぬという方向で私どもは考えておるわけでございますが、ただ、先ほど申し上げましたように昭和三十三年とか三十四年からの占用の経緯もございますので、それからその河川を取り巻く地域土地利用計画と申しましょうか、公園等も含めましてその利用計画との関連から、全体のバランスのとれた河川環境の管理がされるべきものであろうと思っておりますので、一つずつ、個々にはこれは準則に照らして都合が悪いからということで取り消すという行為はいたしておらないわけでございますが、全体としてはやはりただいまお話しの、たとえば公園計画決定がなされ、市からそういった具体計画が示されましたら、当然それに沿ってわれわれも措置するように努力するべきものというふうに考えております。
  90. 横山利秋

    ○横山委員 よくわからぬな、何を言っておられるやら。私の間いておるのは、準則に沿って、四十年に決まったんだから、ここは緑地帯にする、公園にするから出ていってくれということを言うのか言わぬのか、そんなら出ていくようにしてくれと言って、補償金を少しめんどう見るつもりがあるのか、見るつもりがないとすれば、こじきのおかゆで、言うだけ言ってどうにもならぬということなのか、その辺をはっきりしてくれと、こう言っているのです。
  91. 小坂忠

    ○小坂政府委員 まず、既占用者に対する損失補償の問題でございますが、これは私どもの河川法上、公益上の理由によって占用許可を取り消した場合、「通常生ずべき損失を補償しなければならない。」という条文もございます。しかしながら片一方、私どもとしては、占用許可を与える際に期限を切って与えておりますし、また、次にたとえばいまの公園利用を変えたいという場合には、当然あらかじめかなりの期間を与えて、その占用許可者に対応する措置を講ずる余裕を与えて許可を取り消すというような方法をとりますので、損失補償という問題は実は考えておらないわけでございます。損失補償を出さないからそれじゃ占用許可が取り消せないのじゃないかという御指摘かと思いますが、私どもとしては、やはり全国の河川敷の占用というものは冒頭申し上げましたような精神で許可いたしておりますし、これの全体の方向として、これを適正に管理していくために、すべてこれに補償を払うということは考えられないことでございますので、庄内川の例にとりましても、その公園具体的な利用計画が実はまだ私どもの方に出ておりませんので、今後その利用計画が市から出た段階で、また、もう一つ申し上げたいのは、河川ごとに、たとえば公園だけではございませんで、全体としての適正な河川環境管理のあり方というものを実はつくる必要があるわけでございまして、たとえば東京の多摩川におきましてはすでに河川環境管理計画というものをつくっておりますが、そういったものを将来立てることによりまして、その中でこういった占用の問題も解決していきたいというふうに考えております。
  92. 横山利秋

    ○横山委員 どうも要領得ぬな。大臣、あなた一遍日曜日に都市周辺の河川の河川敷の状況を見てごらんなさいよ。それはもう天気がよければみんなうわっと野球をやっておる、あるいは子供が遊んでおる。天気のいい日なんかは本当に利用率一〇〇%ですよ。百何十%あるんだけれども一〇〇%です。そこを、河川敷の野球場を利用するとなると、とてもとても大入り満員でだめなんですよ。だから朝早く、五時ごろから起きてやっておる。そういう状況なんだから、この際補償は払えぬとおっしゃる、ただ、実のある話は未来永劫貸しておるわけではない、期間が切ってある、こういうわけですね。それなら、いま民間に貸しておる河川敷は建設大臣は期間が終わったら原則として全部取り上げる、そして公園利用する、協力してもらいたいというおふれを出しなさいよ。いま直ちに取り上げるといってもそれはいかぬかもしれないけれども、契約期間が終わったら更新はいたしません、したがって、それぞれところを得るようにしてもらいたいというおふれを出しなさいよ、どうです。またあなた株が上がるよ、青少年から建設大臣いいことを言ったと株が上がる。
  93. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 きょうは株の上がる話ばかりいろいろと教えていただきまして、恐縮です。  本来的に河川敷は国民のものでありますし、やはり管理は国でやるにいたしましても、公共の用に供するのがたてまえであろうと思います。ただ、管理法がいままで定着していなかった関係上、私権を認めてそこに権利が生じておるという現実であろうかと思います。したがって、これまで社会環境が変化してきますると、国民ニーズも違った観点からこうしたものについては御指摘があろうかと思います。それを先生がおっしゃっていることと思います。したがって、本質論、たてまえとしては当然期限のあるものについては返すことがたてまえであろう。それをやはり公共の用に供するということ、どの時点でやるかということは、それぞれの期限の問題もありましょうし、補償の問題もございますので、ケース・バイ・ケースであろうかと思いますが、本来的な筋論として、今後の方針としては公共の河川敷は公共の用に供する。特に御指摘のような形でいま非常に生活環境も変わってきておりまして、ましてや週休二日制ということになりますと、手近なところでレジャーを楽しむという国民ニーズもはっきりしておりますので、そうした考え方のもとに今後の方針として指導してまいりたい、このように考えるところでございます。
  94. 横山利秋

    ○横山委員 わかったけれども一つ愚痴を言いたい。この庄内のゴルフ場七千二百九十三坪、いまから七、八年前の資料でわからぬけれども、何と年間一万九千五百円の借り賃、こんなことあり得るかな。これをどこへ払うんだね、借り賃はどこへ納めるんだね。
  95. 小坂忠

    ○小坂政府委員 占用料は県に入ることになっております。県が料金を定めまして徴収するということになっております。
  96. 横山利秋

    ○横山委員 七千二百九十三坪が年間一万九千五百円、どこか癒着があるような気がしてしようがないのですよ。それは事務次官の通達ができる前だって、河川敷という公共的なものをゴルフ場や自動車の練習場に貸すということは余りいい話ではないと私は思いますよ。その借り賃が、どうですか、こんなにべらぼうに安いということはちょっとおかしくありませんか。いまどうなっているかわかりませんが、そうべらぼうに上がっていないでしょう。そういう点にもひとつ注意をしてもらいたいと思います。  次は緑化協定ですが、建設省からお出しになっているもので、緑化協定についていろいろ見てみましたが、案外これが伸びてないのはどういうわけですか。きれいに書いてあるけれども、えらい宣伝をしていらっしゃるけれども、緑化協定締結状況を見ますと、五十三年三月三十一日現在、四十三都市、百二十四件数。いまどのくらいになっておりますか。えらい宣伝をしておるけれども、こんなにりっぱなパンフレットがお恥ずかしいくらいの進展ぶりだ。何をやっているんですか。かっこうだけええこと言ったって、こんなことでは商売にならぬじゃないですか。
  97. 升本達夫

    升本政府委員 おただしの緑化協定でございますが、ただいま先生がおっしゃった数字は五十二年度末の数字であろうかと思います。都市数四十三都市、区域数が百二十四、面積で六百五ヘクタールとなっております。その後の進展でございますが、五十四年度末の数字がいま手元にございまして、五十五年三月時点でございますが、都市数で五十、区域数で二百区域、面積が一千十五ヘクタールという数字になっておりまして、まあここへ来てかなりの進捗を見ておると私らは思ってはおりますが、全国の都市数、市街地面積から見ましてもちろん十分な数字に至っていないという認識はございます。  そこで、どうしてかというおただしでございましたけれども一つには、いまも先生御指摘がございました緑化協定についてのその制度自体の存在と、その効用についての認識が徹底してないのではないか。つまり、私らも含めてでございますけれども、自治体等の公的側の方からの働きかけがまだもう一つ十分でないという点が確かにあろうかと思います。もう一つは、やはりこの制度の基本的な骨組みになっておりますことは、その緑化協定の対象となる地域、これはかなり規模、少なくとも一街区以上というまとまりの地域になりますが、その規模土地の全部につきまして、協定を結ぶ前提といたしましてその土地の権利者の全員の合意による、こういう定めになっております。したがいまして、制度自体かなりシビアな条件が課されているということも制度の伸び悩みの一つの原因になっていることは間違いがないと思っております。
  98. 横山利秋

    ○横山委員 そんな、一地域のじいさん、ばあさんから因業なおやじからどろぼうから、みんな判こを押せといったって、そうできるものじゃないですよ。一〇〇%、一人でも欠けておったら緑化協定を結べぬということ自身、何でそんな画一的なことを考えなければならぬのかと思いますよ。それで、名古屋市に、おまえのところどうやっておると言ったら、一〇〇%のところもあるけれども、そんなことを言っておったらとてもできぬから私のところは七〇%でやっておる、そうか、おまえの方が建設省よりも頭がいいな、こう言った。七〇%でやればどんどん広がる可能性はあるわけですね。     〔委員長退席、池田(行)委員長代理着席〕 一〇〇%というのは何も法律事項じゃないんでしょう。そうでしょう。一〇〇%というのは法律事項が。全員判こを押さなければいかぬのか。これはそこでうんと言えばいい。(升本政府委員「はい、そうです」と呼ぶ)法律事項が。そんなつまらぬことを一体だれが決めた。  それで、緑化協定が何で伸びないかということは、一〇〇%もあるけれども、一体地域住民にどういう得があるか。種と苗をただで上げますからやってちょうだいということなのか。あめとむちと言ってはちょっと語弊があるけれども、施策の恩恵のあり方が足らぬのではないか。緑化ということはいいことですから、ぜひおれのところもやらしてもらいたいという工夫がもう少しあってしかるべきだと思いますが、その点はどうなんですか、七〇%の問題を含めて。
  99. 升本達夫

    升本政府委員 土地に対する権利者全員の合意が必要であるということが法律要件になっておりますので、法律上の効果を持つような協定を発効させようといたしますとこれが前提条件になります。いまお話しのような七〇%でやっているというのは、恐らく七〇%程度の任意の合意をして、それに基づいて皆さんが御努力になっておられる、こういうことであろうと思います。それも確かに一つの方法であろうかという感じもいたしますが、この制度の基本は、この制度を導入することによって権利者が何らかの直接的な、金銭的な利益を得るということではなくて、やはりその対象となっている地域全体の緑化を秩序立てるといいますか、結果としてその町全体が都市計画的な意味で居住条件が非常に向上する、あるいは逆に一私人の行為で居住条件が著しく阻害されることを防ぐということに非常に効果があるのではないかという考えからつくられたものというふうに理解をいたしております。したがいまして、おただしのように、この制度の実質的な意味というものを、効用、価値というものを、もう少し私ども並びに自治体が努力をして各住民の方々の御理解を得るというのがやはり第一だろうというふうに考える次第でございます。  それから、これをさらに伸ばしていくという方向は、この緑化協定制度制定時点におきましてはかなり斬新な制度であったわけでございますけれども、御承知のとおり、前国会におきまして御可決いただきました地区計画制度というような考え方が、都市計画の中にかなり新しく構成されてくるような状況になってまいりましたことと関連いたしまして、この制度の活用を図ることに準じまして協定の活用を図っていくというようなことが、今後の市街地整備、町づくりにはかなり期待できるのではないか、また、そのように住民の方々の御理解を得て地方公共団体の努力も期待したい、このように考えているところでございます。
  100. 横山利秋

    ○横山委員 なるほど「その全員の合意によりこと十四条に書いてあるね。これは改正しなさいよ、名古屋が七〇%の合意で順調にいっておるのですから、全員でなければならないという法律的根拠は余りないと私は思うのですね。一人が文句を言ったら協定してはならぬという積極的な理由はないように私は思うのだな。改正しなさいよ。全員の合意によった緑化協定でなければ政府は一切援助しない、どこかに何かいいことが書いてあるかもしれぬけれども、そういうことなんですか。全員の合意でないととんでもないことでもあるのかね。九十九人が賛成した、一人がいかぬ、それでもやったというなら建設省はその緑化協定は認めぬ、名古屋市がやるなら勝手にやれ、予算はやらぬぞ、こういうことですかね。
  101. 升本達夫

    升本政府委員 この制度を制定いたします時点にも、全員の同意が決定的に必要であるかどうかという議論は部内では相当いたしたわけでございます。その結論といたしましては、この協定の効果が、協定当事者だけではなくて、その土地についての後の権利者にも及ぶというような観点から、いわばその協定当事者がかなり将来にわたって大きな負担を持つという見方ができるという観点から、合意なしに協定の効果を及ぼさせるにはやはり慎重であるべきであるという議論の方がより多数の議論となったように承っております。その結果としてこのような制度構成がなされたように聞いておるわけでございますが、ただ、この制度の将来のあり方といたしまして、果たしていまのままでしかあり得ないのか、さらにもっといい方法があり得るのかということは当然検討いたさなければならない問題というふうに認識をしておりまして、現にこの問題も含めまして、緑化の推進策につきましてただいま都市計画中央審議会で御議論をいただいている段階でございます。その御議論の中で、ただいま御指摘のような問題点も御議論をいただきまして、方向づけをお願いした上で、そのような御結論を得られればそれに従ってわれわれは制度化の努力をしてまいりたい、かように考えている段階でございます。     〔池田(行)委員長代理退席、委員長着席〕
  102. 横山利秋

    ○横山委員 せっかくの私の意見もひとつくんで、審議会で御検討願いたいと思います。  承れば、都市緑化基金がことしの四月に発足したそうですね。この種の都市緑化については、いまの緑化協定もさることながら、外国へお互い行ってみて、実に市民が緑化に対して積極的にみずからの創意工夫をこらしておる。町を歩けば銀行の窓もずっと花が植えてある、二階も三階も植えてある、個人のアパートでもずっとやっておる、実にうらやましき次第なんですね。日本なんか、目抜き通りを通ると、銀行と保険会社が何にもやらずに、夜になると全く電気も消されてしまって、ショーウインドーだけやっているけれども都市緑化にまるっきり協力しない。都市の緑化のみならず、銀行と保険会社みたいなもので夜間の商店街が衰微する一方である、こういうことが痛嘆されるわけなんですが、都市緑化基金は何か五十億円集めて大々的な運動をするというのですが、どういう計画ですか。
  103. 升本達夫

    升本政府委員 おただし都市緑化基金でございますけれども都市内の緑化の推進に当たりまして、公的な公共用地につきましては、公園なりあるいは道路なり、それなりに施設管理者が最近は緑化について十分努力をいたしておるつもりでございますけれども、特に民有地の緑化並びに現在ある緑地の保全、これにつきまして現在ではまだもう一つ十分に成果を得ていない状況ではないかという認識がございまして、これを大いに促進してまいりたいという観点から、これもやはり都市計画中央審議会にお諮りをいたしまして御議論をいただいたわけでございまして、昨年の八月に「都市における総合的な緑化を推進するための方策について」の御答申をいただきました。その中で、そのために都市緑化基金というものをつくったらどうかという御提案をいただいたわけでございます。  この御答申に基づきまして、主たる活動内容といたしましては、まず都市緑化の普及啓蒙活動、それからただいまおただしの緑化協定に基づく地区の緑化の推進、それからよく地震等の災害に関連して言われておりますブロックべいの生けがき化、こういったものを中心の命題といたしまして、民有地の緑化を大いに推進していきたい、そういう仕事をする主体あるいは個々の権利者に対していわば助成金的なものを支給して助成していこう、こういうような試みで中央に基金を設立いたしたわけでございます。  基金の規模といたしましては、私どものもくろみといたしましては五十億というような目標を立てまして、これを今年度スタートをして、今後五年間でできればそれに近づけるような大きな基金額を得まして、これによって先ほど申し上げましたような助成活動を行ってまいりたい。その場合のこの緑化基金の造成、管理、運用につきましては、おただしのように本年の四月一日付で財団法人都市緑化基金を設立いたしましてこれに行わせる、このようなもくろみをいたしておるわけでございます。
  104. 横山利秋

    ○横山委員 非常にいいことで、都市緑化のみならず、全国に公園をつくるについては、どうしても国民的コンセンサスといいますか、国民的雰囲気を醸成しなければ私はだめだと思うのですよ。そういうような雰囲気をつくりますためにも、私も内容はよく知りませんけれども都市緑化基金というものを民間規模で、財団法人ですか、これをつくりまして、国民的な雰囲気を醸成するということは、非常に私は結構なことだと思います。  そこで大臣、これは委員長にもちょっと御相談があるのですけれども、私は長らく法務をやっておりますが、銭がないものですから裁判を受けられない人について法律扶助制度がありますね。そこで銭がないので十数億円の募金活動を始めたのです。そこで、非常にこれは重要な仕事であるからというわけで、総理大臣以下各党首並びに法務委員が全員一万円ずつ出し合って、それでひとつ景気をつけてくれ、国会も超党派で一生懸命がんばるから、ひとつ法律扶助の制度を活用してくれとやったけれども都市緑化も何か落差が立つような行動をすることが必要ではないかと私は思うのです。ですから、金額の大小を言うわけではありません。建設行政の中で緑化ということが今後の日本地域社会においてきわめて重要な意味を持つとするならば、われわれも分に応じての貧者——貧者かどうか、わしは貧者だけれども、皆さんは富者かもしれぬけれども、それぞれ金一封を都市緑化基金に、大臣なんか富者だから一億ぐらい寄付をしてもらって、私は一万円ぐらいなら寄付してもいいんだけれども、そういうことでひとつ景気をつける、国会も応援するからがんばってもらいたいということを私は思うのでありますけれども、ひとつ委員長理事会あたりで一遍相談をしていただけませんか。よろしゅうございますか。
  105. 稲村利幸

    稲村委員長 理事会にて協議いたします。
  106. 横山利秋

    ○横山委員 大臣はどうですか、一億出す気持ちはありませんか。
  107. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 緑化基金に御理解いただきましてありがとうございました。いろいろとアイデアを御提案をいただきましたけれども、いろいろな関係筋の方々、先生の御意見を通しまして実現方に向かって少なくとも国民みんなで日本の緑化のために努力するように運動してまいりたい、このように考えます。ありがとうございました。
  108. 稲村利幸

  109. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は、この都市公園整備緊急措置法の一部を改正する法律案に関連いたしまして、何点か大臣並びに関係の局長にお伺いをいたしたいと思います。  最初に大臣に伺っておきたいのは、公園、こういう言葉、この中から建設省の行っている事業の中でも、いままでの質問の中にも出てまいりましたように、夢があり、ある意味では国民生活に非常に好ましい憩いの場、そして生活に潤いと安らぎを与えてくれるような言葉の響きがあるわけでございます。これからわれわれの生活の周辺に緑の多い潤いのある生活環境ができるなということは、国民にとって大きな期待でもございます。  いよいよこの三次五計によってさらにこの公園計画が進められるわけでございますが、まず最初に、大臣が所管大臣といたしまして、潤いのある緑豊かな町づくりにどのような決意を持っていらっしゃるか、大臣の所信からお伺いしたいと思います。
  110. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 都市公園にかかわらず、公園というイメージは緑という印象を私は非常に強くいたします。かつて山紫水明の国と言われた日本の国が、近代国家が進むに従って都市化の傾向がして、いわゆる灰色の町づくりのような傾向に向かっていくところに、ようやくにして都市公園中心に緑化運動がほうはいとして起きていることは事実でございます。先生御懸念のように、大変ありがたいことでありますけれども、まだなかなかその面についておくれていることは事実であります。今度御提案申し上げております国の計画そのものもまだ第三次というようなところでございます。したがいまして、私たちの快適な住環境をつくる生活の上の問題点として、やはり潤いのある町づくりというようなことを考えますと、どうしても緑の問題と切り離せない人間生活環境づくりが大変であろうかと思います。したがいまして、私たちは、いま横山先生からもお話がありましたけれども国民総ぐるみで緑をというお考え方も当然基本の考え方であろうと思いますが、それに先駆けて政策上の問題として、先生御提言のような形の緑づくり、公園づくりという基本的な考え方を国が先頭になって進めていかなければならない、このように基本的な考え方として持っているわけでありまして、そうした面におきまして、いろいろと問題点、財政の問題もございますけれども、とにもかくにも、できる限りの緑化、そして防災という面もございますので、あわせてこの問題について御提案を申し上げているところでございます。
  111. 薮仲義彦

    薮仲委員 これはもう大臣も先刻御承知のとおり、二次五計が終わった時点昭和五十五年度で国民一人当たり公園面積が四・一平米、この今回提案されております三次五計、これによりまして、昭和六十年度には一人当たり五平米ということを目標にこの計画が立案されておるところでございますが、これが、大臣はもう先刻御承知の、諸外国の主要都市における一人当たり公園面積、アメリカのワシントンは一人当たり四十五・七平米、これは昭和五十一年ですから、大分前の記録ですね。一番広いなと思うのはスウェーデンのストックホルムで八十・三平米、これは昭和四十一年度ですから、われわれに比べますと、この時点ですでにわれわれの二十倍も緑がある。これは、その国の面積あるいは人口、産業構造等によって一概に、だからどうだということを私は申し上げるのではなくして、建設省が下さったこの資料の中をざっと見ましても、西ドイツのベルリンでも二十六・一、一番少ないと思われるフランスのパリでも八・四と、現在の日本より倍の公園緑地を持っている生活環境の中にあるということは、見逃せない事実でございます。  そこで大臣に重ねてお伺いしたいのは、この三次五計がスタートする以前に、建設省として、先ほど来お話のございました緑のマスタープラン昭和五十二年に策定なさったようでございますが、これは二〇〇〇年、いわゆる二十一世紀を目指して日本の国をこのような緑多い国にしようということであるようでございますが、これは二十一世紀には一人当たり二十平米にしていこう、さらには第三次の全国総合開発計画目標では、欧米の三分の一、六平米程度まで持っていこう、このような目標をそれぞれ立てて、建設省が今日まで一つ計画をして努力をしていらっしゃった、あるいは新経済七カ年計画の中でも、六十年には一人当たり五・六平米というのを目標にして、それなりの公共投資が行われる計画になっているわけでございます。  そこで、今度のこの三次五計を見ますと、六十年時点で五・〇平米と、三全総よりあるいは新経済社会七カ年計画よりも後退しておるというのは、数字の上で否めない事実でございます。いろいろな事情、財政事情等これあり、計画が延びたということはやむを得ない面もあるかもしれませんが、私が伺っておきたいのは、建設省が当初立てた緑のマスタープラン、二十一世紀には一人二十平米にしようという夢多いこの計画、これを変更するのかあるいは挫折するのか、それとも中間においてはこうであるけれども最終年度においては当初立てた目標を実現してみせる、こういう決意で、この三次がさらに四次、五次といくと思うのでございますが、二十一世紀を目指して、大臣は、この三次五計が後退のような形であるかもしれないけれども、最終はこうだという御決意をお持ちなのかどうか、その辺を重ねてお伺いしたいのです。
  112. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 結論から申し上げますれば、当初計画どおりに進めてまいるということでございます。御案内のように、新経済社会七カ年計画が多少の手直しを必要とするというような状況から、若干三次五計についてその影響がなしとはいたしておりません。しかしながら、その計画に基づく二十一世紀目標に向かっての最終的な実現方につきましては、引き続き努力をする所存でございます。  なかなか困難性はあろうかと思いますが、当初申し上げましたように日本公園面積は諸外国に比べて余りにも劣っている、というよりも恥ずかしい限りで、先進国としては何とかこのマスタープランに基づいて実現方を図ってまいりたい、このように考えておるものでございます。
  113. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは具体的な問題を局長にちょっとお伺いしますけれども、この三次五計が完成しますと、東京都に限って言いますと、一人当たり大体どの程度公園面積になる予定ですか。
  114. 升本達夫

    升本政府委員 三次五カ年計画は全体量についてただいまのところ把握しているわけでございますけれども最終年度の六十年度で全国ベースで五・〇平米一人当たりを目途に努力をいたすということでございます。府県別の目標値は、実はさらにこれからの作業を経て決められるべきものでございますので、現時点で東京都について明確な数値をお答えできる用意がないわけでございますが、東京都は御承知のとおり、現在で一・七平米程度状況でございます。全国ベース四・一に比べましてかなりまだ落差がございます。そういう意味におきまして、仮に全国ベース五平米を達成いたしましても、東京都のその時点の出来形というのは、それを半分程度下回るという、常識的にはその程度に落ちつかざるを得ないのかなという感じがいたします。なお、この点につきましてはさらに精査した上で数値を得まして、また御報告を申し上げたいと思います。
  115. 薮仲義彦

    薮仲委員 いま御答弁がありましたように、東京都の現在の公園は一人二平米までいってないという、非常に狭い実態にございます。やはり東京というのは日本の首都でございますので、いろいろなむずかしい条件の中でどうか努力を重ねていただきたい、こう思います。  では、順を追って具体的な問題、これは局長に伺っていきたいと思いますけれども、それでは建設省全体、まあ都市局の事業の内容の中でまず伺いたいわけでございますけれども、この法案の前にわれわれは下水道の五次五計の法案の審議をさせていただきました。下水道もやはり公園と同じように日本の国は非常におくれておる。そこで、この整備は急がなければならないという大臣の御決意もございました。当然この計画を見てまいりますと、四次五計よりも五次五計は事業量並びに執行する予算規模もそれだけふえております。しかし、この公園事業がどうなってくるか、二次と三次と比べますと、いわゆる二次において整備量が一万四千四百ヘクタール、これは計画でございますが、実績はたしか一万八百程度しかいかなかったと思います。しかし、計画としては一万四千四百ヘクタールの公園をつくろうという計画で第二次五計がスタートしたのは周知のとおりでございます。今度、三次五計はその一万四千四百ヘクタールをさらに下回りまして一万二千ヘクタール、三次において二次より下げなければならない、下げたということは、都市局においては、下水道も快適な都市環境整備するために必要だ、公園も必要だという先ほどの大臣決意の言葉とうらはらに、前期の計画より下げなければならなかった、なぜ下げなければならなかったのかという理由しかも、次の問題でまたお伺いしますけれども、下水道とのバランスを考えても、私は当然もっと都市局としては公園整備に力を入れてもいいように思うのですが、公園は下水道より劣るという位置づけにしたのかどうか、その辺ちょっと局長のお考えを……。
  116. 升本達夫

    升本政府委員 第一点のおただしの、第三次五カ年計画においては計画事業量が第二次の公園の五カ年計画よりは下回っているのではないかという御指摘でございますが、確かに若干下回らざるを得ない結果に至っております。それは、五カ年計画要求時点におきましては、六十年度に五・六平米を達成するという前提で必要な事業量をはじいたわけでございますが、御承知のとおり、この経済七カ年計画が一年半の目標年次のずり込ましがございまして、その結果として六十年度末を最終目標年次といたします今回の五カ年計画では六・五分の五にとどまらざるを得なかったということでございまして、要求時の計画事業量は一年半おくれをもって達成するという前提を置きまして、これを一定伸率で延ばす結果、一年半分を削除いたしまして五年分を今回の計画事業量とした、このために、結果といたしまして第二次の五カ年計画の総量を若干下回る結果にならざるを得なかったわけでございます。  そこで、しからば下水道についても同様な状況があり得たのではなかろうかという御指摘かと思うわけでございますが、下水道につきましては、下水道緊急整備措置法の御答弁でも申し上げたかと思いますけれども地方都市、それから指定都市間の整備国庫補助の条件かなり隔たりがございます。今回は、第五次の五カ年計画におきましては地方部分に大分仕事をシフトするというような条件がございます。そのために、かなり資金量に比べまして事業量を伸ばし得る余地があったというような条件がございました。  それから、逆に公園の場合で申しますと、これからも御説明を申し上げる機会があろうかと思うわけでございますが、これからの五カ年期間中におきましては、防災関係の公園を主軸といたしまして、市街地内のかなり地価の高いところに公園整備をシフトしていかなければならない、これが前計画におきましては、実は計画策定時点ではその防災公園整備ということが積算のうちに入っていなかったわけでございます。そのために穴が生じたという結果にもなっておるわけでございますけれども、そのようなことを配慮いたしました結果、事業量については先ほど申し上げましたように、期間で申しまして単純に要求時点の六・五分の五、そのような積算をいたしまして計画事業量といたしました。その結果このような量に落ちついた、こういうふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  117. 薮仲義彦

    薮仲委員 それではいまの答弁に関連してお伺いしますが、下水道でも同じでしたとおっしゃった、一番ネックは用地費に非常なお金がかかりましたよということでございますが、これは簡単にパーセントで言ってください。それでは公園をつくるときに用地費施設費の割合は、用地費が何%を占めるのか、単純で結構ですから、この程度だということをひとつ。  それから、いまもお話がございましたけれども公園をつくるときに一番困るのは用地の問題だと思うのです。特に都心部において、市街化区域内で用地確保するということは大変なことだと思うのです。年々上昇を続けている地価、もちろん当然施設整備費も上がっているわけでございますけれども、こういうものに対して今度の三次五計というものはどういう見通しを立てていらっしゃるのか、いわゆる何年度ベースでこの計画をお立てになったのか、その二点についてお伺いしたいと思います。
  118. 升本達夫

    升本政府委員 ただいまおただしの第一点の公園施設整備費の中におきます。地費の割合でございますが、これは公園施設別、地域別に大分異なっておりますが、丸めて大きな数字で申し上げますと、大体五〇%というふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。  そこで、今回の五カ年計画において、それでは実質的に用地確保のためにどのような見込みを行ったかというような御指摘であったかと思うわけでございますが、具体的に申し上げますと、前五カ年計画におきましては、用地費確保いたします算定の場合に、用地買収費が要らない公園がどのくらいの量を予定されるか、つまり、国公有地の活用等の条件があります場合、あるいは区画整理事業等を行って減歩で負担していただくような場合、そのような状況が予定される用地分の買収費節約額が大体どのくらいに考えられるであろうかというような点を一応見込んで積算をしたわけでございますが、この点についての積算が実績に比べて若干甘かったという反省をいたしております。特にもう一点は、先ほど申し上げました前計画期間中に、前期計画の発足時点におきましては防災公園という考え方がなかったために、これは五十二年度から防災公園ということがスタートしたわけでございますが、この関係の用地費の単価の見積もりがなかったこと、このような積算上の問題点の結果、実績不足というような結果を得たわけでございますので、今回の五カ年計画の積算に当たりまして、ただいま申し上げたような諸点を十分、つまりいわば辛目に考えるということで必要額を確保するように、事業費の単価が確保できるように積算をいたしました結果、このような事業量に落ちついた、このように御理解をいただきたいと思います。
  119. 薮仲義彦

    薮仲委員 地価は何年度ベースでやったのですか。
  120. 升本達夫

    升本政府委員 これは地価に限りませず、すべて積算は五十五年度価格でございます。
  121. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは伺いますけれども、五十五年度ペースでやりますと、いま土地の都心部における値上がりは一〇%、二けたを超えて年々上昇の一途をたどっておるわけでございますが、この五カ年でまたどれほど土地が高騰するかわからない。何回この委員会土地の値段を抑えなさいと言っても、需給のバランスという答えしか返ってこない、これは国土庁が所管でございますけれども。今度のこの公園計画も、やはり挫折するとすれば用地取得に困難があって挫折するというようなことが懸念されますけれども、これが一番大事な問題でございますので、これは大臣、こういうことでこの計画が挫折することはございませんでしょうか。金は二次五計でも一〇四%使いました、事業量は七五%ですというのが二次五計の結果です。三次五計が終わったときに、金は一〇〇%全部使いました、用地費が高くなったので六五%、七〇%しかできませんでしたという結果に終わらないよう、御決意がございますか。
  122. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 なかなかむずかしい問題でございます。決意というよりも心組みとして、そういう懸念のないように当然対応していかなければならない問題ではなかろうかと思います。したがいまして、下水道の例も引かれたわけでありますが、そうしたことにならないように、とにもかくにもみんなで力を合わせて対応を図るという努力を積み重ねて所期の目的を達成したい、このように考えるものでございます。
  123. 薮仲義彦

    薮仲委員 非常に困難な事業でございますが、大臣決意を期待して、次に移ります。  局長、二次五計の計画達成率、これは時間がありませんから、局長が答弁なさった数字をざっと読み上げます。住区基幹公園、二次計画で四千八百三ヘクタール、達成率八二%、都市基幹公園二千九百六ヘクタール、達成率一〇二%等々、ずっと二次五計の計画が出ておるわけでございますが、ここで問題にしたいのは、緩衝緑地千五十六ヘクタール、達成率二六%、緑道四百十五ヘクタール、達成率三二%、あるいは国営公園計画七百八十二ヘクタール、達成率二〇%、都市緑地計画六百ヘクタール、達成率一八二%。なぜ私が申し上げたかというと、当初の計画より一八二%まで達成したのと、当初の計画より二〇%あるいは三〇%しかやっていないのとばらつきがひどい。これは計画というよりも無計画に近いのではないか、こういうひどい言い方をしようかなと思ったのですけれども、それなりの理由があろうかと思うのです。いかにもこれは計画としてはひど過ぎると私は思うのです。達成率が一八二%から二〇%というのだったら、これは何の計画だ、計画とは言えないのではないか、行き当たりばったりではないかということを言いたいわけでございますが、この達成率にばらつきがあるのは一体どういう理由でこうなったのか、私は過去のことをとやかく言う気持ちはさらさらございませんので、これを三次五計の中では——やはりそれなりの理由は、これは国民ニーズであり、その地方ニーズであったと思うのです。それが必ずしも二次五計で的確に計画の中に組まれていなかった、ですからこういうばらつきが出てきた、あるいは用地の取得が困難であった、あるいはいろいろなケースがあろうかと思うのですが、過去のことをとやかく言わないで、三次五計では十分これの反省の上に立って計画を組まれたかどうか、時間がありませんから簡単に一言。
  124. 升本達夫

    升本政府委員 御指摘のように、第二次計画実績を見返りますと、計画に比しまして公園種別に相当大きなばらつきが出ておるわけでございます。計画に余りに開きが大きいというのは、計画自体の正当性を疑われるのではないかという御指摘でございまして、私ども全くそのように思います。それぞれの種別については私どもは事務的なりには説明があるわけでございますが、その説明の内容を第三次の五カ年計画公園種別の計画量の策定に十分生かしたい、かように考えている次第でございます。
  125. 薮仲義彦

    薮仲委員 どうかこの三次五計はこういうひどい二〇%から一八二%ではない、おおむねバランスのとれた達成であったと言われるような計画に御努力いただきたい。かといって、かたくなになる必要はないと思います。時代意識、経済、社会の流れで必要なものあるいは不必要なものが出てまいります。柔軟な対応をして結構でございます。きょうここで言ったからこれはだめだというようなことをかたくなに言うのではなくして、反省の上に立ってよりよい計画をつくっていただきたい。この点だけを指摘して次に移りたいと思うのですが、時間がないのでどんどんいきますから、御答弁はなるべく簡単で結構でございますから、要点だけをぴしっと答えてください。  国庫補助のあり方で、私はちょっと問題があろうかと思うのでございます。これは大臣に伺いたいのですが、五十六年度の建設省事業予算を見てまいりますと、いわゆる地方財政計画を含めまして地方単独事業もございますが、全体の事業量に占める一般公共事業費はどうなっているのか、こういうところから見てまいりますと、一般公共事業費が、総事業量の道路事業では六九%、下水道事業は六七%、ところが公園事業は五二%ということでございます。ということは、一般公共事業費という立場からいいますと公園というのは地方財政を非常に圧迫するという、逆に地方が勝手に地方自治の趣旨にのっとってつくりなさいということかもしれません、しかし私が現場で、大臣も私と同じ静岡県でございますが、いろいろな公園に対する要望、あるいは全国市長会の要望を聞いてみますと、地方自治の趣旨にのっとってということでなくして、お金を下さい、補助を十分考えていただけませんかというのが本音でございます。こういう行財政改革の折にいかがかと思うのでございますが、公園事業が五二%で下水道が六七%、道路事業が六九%、いろいろ財源に問題があろうかと思いますけれども、やはり公園の重要度から見て、この一般公共事業費の割合を少しふやすべきではないかと思うのでございますが、大臣いかがでしょうか。
  126. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 他の補助率と比べて五二%ということで大変低いようでございますが、数字的にはそういうことになろうかと思いますが、御案内のようにまだ公園事業はようやく三次五計でございます。しかも、先ほど申し上げましたように、欧米先進国に比べてはなはだしく占有率が低いというようなことから、どうしてもわれわれといたしましては何とか事業面積拡大というものを考えなければならない問題と、やはり防災公園というものを考えなければならないとすると、どうしても現況ではこのような状況で進めざるを得ないわけで、御指摘の向きは十分わかります。したがいまして、中長期的にはやがてはそういうようなバランスのもとに進めてまいることであろうと思いますが、当面については、いましばらくはこのような状況面積拡大、防災等々を含めてやっていきたい、このように考えるもので、御理解いただきたいと思います。
  127. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは局長にお伺いしたいのですが、都市公園法第二条第二項、それから施行令第四条、いわゆる公園施設の中で国庫補助の対象になるものあるいは対象にならないものというのが出てくるわけでございますけれども、私はここで対象除外理由を簡単にお伺いしておきたい。  都市公園法施行令第四条の、たとえばピクニック場、野営場、それから舟遊場、魚つり場あるいは植物園、温室、水族館、図書館、陳列館、記念碑あるいは詰所、車庫、掲示板、くず箱、こういうのは補助対象から除外されております。もっとたくさんあるのですけれども、時間がありませんから一部だけ申し上げました。このように公園という施設の中で当然あってしかるべきもので補助対象から除外されるというものが数多く出てくるわけでございます。都市公園整備というものが緒についたばかりだというただいまの大臣の答弁もございましたけれども、将来はこういうものについてもどうあるべきかということを、適正な施設ということを考えた上で、私は全部を全部対象にしろとは言いませんけれども、いま私が読み上げたのはあっていいのじゃないかなというような感じがするものでございますが、ほかのものでたくさん適用になっているものがあるわけです。補助対象になっているものがたくさんあるわけでございますが、一部なっていない、公園の中にあっていいなと思うものをちょっと挙げたわけでございますが、将来ともにこれを除外するのか、それとも将来はこれを検討するのか、その辺の適用除外の考え方と将来にわたっての考え、二点お伺いしたいのです。
  128. 升本達夫

    升本政府委員 現時点におきまして公園施設のうち補助対象にならないものにつきまして、性格的に概略申し上げますと、たとえばメリーゴーランドみたいな遊戯施設、それから便益施設である売店、軽飲食店、これらのものは……(薮仲委員「私が読み上げたものだけでいいですよ」と呼ぶ)これを性格例示に挙げさせていただいたわけでございますが、いわば営利的な性格を有する施設ということが一つございます。それからもう一つは、くずかごという御指摘がございましたが、くずかごあるいは材料置き場というようなもの、いわば簡易な施設、大体この二つが大きな除外の施設の性格づけになろうかと思うわけでございますが、そのような性格づけ基準に従いまして御指摘のような差が生じている、補助対象になったりならなかったりという結果が生じているというふうに御理解を願いたいと思うわけでございます。  今後の方針でございますけれども、もちろん絶対的な基準ということではございません。私どもとしては社会のニーズ需要に従いまして補助対象となるべき施設の範囲というものは変わってくるべきだと思いますし、長期的には対象施設の範囲は広がっていくべきものではないかと考えている次第でございます。いずれにしても、要は公園整備のため国費をどれだけ確保できるかという問題であろうかと思います。できるだけ整備に支障がないように国費の確保に今後とも努力をいたしてまいりたいと考えております。
  129. 薮仲義彦

    薮仲委員 私が申し上げたいのはそういうことと、公園というのはある意味では広く多くの国民、県民、市民に親しんで使ってほしい、しかもいま申し上げたような有料のものじゃない、無料の施設、こういうものについてはつくりやすいようにしてあげることがより快適な公園になるのじゃないかというような立場から、施設利用というものが、無料のものについては利用者の利便を考えて補助対象の拡大の一つ条件として考えていただきたい。これをいま要望をいたしておきます。  そこで、次の問題に移りたいのですが、これは大臣にお伺いしたい。  ことしは国際障害者年という重要な年でございますが、このメーンテーマが大臣も御承知のように完全参加と平等ということで、世界各国、もちろん日本の国も真剣にこの対応をしておるわけでございます。この国際障害者年の、大きく分けて五つの目標といいますか、目的を掲げていらっしゃいます。その中の一つ二つをちょっと読んでみたいと思うのですが、一つは障害者の方が身体的、精神的に社会に適合できるように援助しようということですね。もう一つは障害者が日常生活に実際に参加するために、たとえば公共建築物や交通機関を利用しやすくしようというようなことがその活動の目標の中に出てくるわけでございます。  そこで私がお伺いしたいのは、この都市公園という公園施設の中に体の御不自由な方のための、たとえばトイレがあるということだけでも体の御不自由な方は安心して公園施設利用になれるのではないか、こう考えるわけでございますが、そういう意味で現在の都市公園設置基準の中に、身障者のためのトイレを必ず設置しろということが明確なのかどうか。もしもなければ、国際障害者年にちなんで、大臣はこの三次五計の中でスタートさせていく公園には、お体の不自由な方が親しく利用できるように、公園施設の一環として身障者の方のトイレをつくる、それをつくりやすい、そういう方向を検討していただきたいと思うのですが、大臣いかがでしょう。
  130. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 大変ありがたい御提言をいただきました。実は私は福祉関係をずっとやってきた者の一人でございますので、障害者関係につきましてはいささか勉強してきておりますだけに、大変ありがたい御提言をいただきました。  この種公園につきましても、国際障害者年を待たずに当然考えていくべき問題であろうと考えます。したがって、トイレ等の施設はもとより、障害者用の一部公園施設を全体的な中に考えてもいいんじゃなかろうかというところまで考えておるわけで、せっかくの御提言でございますので、その点十分担当者諸君と相談といいますか、あわせて御提言の趣旨に沿うようにせっかく検討して考えてまいりたい、このように考えるところでございます。
  131. 薮仲義彦

    薮仲委員 どうか大臣、体の御不自由な方が喜べるような、完全参加できるような社会が、そして施設大臣の担当のエリアの中に十分できますことを重ねて期待をいたしておきますし、お願いをする次第でございます。  これに関連して住宅局長にちょっとお伺いしたいのでございますけれども、これは一遍にこうしろと言っても無理かもしれません。しかし、こういう考えもあるんだけれどもどうかということで、将来の可能性を含めてお伺いしたいのでございます。  アメリカでは、連邦資金による財政援助を受ける一定の建造物が身体障害者が出入りし得るように設計され、かつ建築されるよう保障する法律、いわゆる米国建築障害除去法というのが制定されておるわけでございます。これを一遍にわが国に導入しろなんということをここで強弁する気持ちは私はございませんけれども国民のとうとい税金を使ってそれなりの施設をつくるとき、体の御不自由な方が完全参加しよう、平等でありたいというその願いを込めておるわけでございますから、できるところから、そういうことを法律で厳しくどうのこうのと言うことが必ずしも好ましいことではないのは十分わかります。指導の中で、そういうことが国民の中に育っていくように住宅局として御努力いただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。
  132. 豊蔵一

    ○豊蔵政府委員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の、米国におきますところの建築上の障害に関する法律につきましては、公的資金によりまして建設される建築物につきまして、身体障害者の方々の利用を考えたような設計とするように定められておるというふうに承知いたしております。ただ、伺いますと、アメリカにおきましても企画を定められましてから法律として規制をするに至るまで相当の期間があったように承っております。私どもは、かねて中央心身障害者対策協議会におきますプロジェクトチームにおいての検討を踏まえまして、今後公共的な性格を有します建築物につきましては、その建築物の機能とか利用状況等に応じまして、身体障害者の方々のための建築設計標準というものを作成いたしました。これを建築関係の技術者の方々等に普及を行うことによりまして、こういった建築物の建設に当たりまして十分配慮するように進めてまいりたいと考えておりまして、昭和五十六年度、このための設計標準の策定経費といたしまして二千十万円の予算を計上し、現在関係の団体に委託いたしまして早急に成果を得るように努めているところでございます。今後これらの成果を踏まえました上で、次のとるべき措置というものを検討してまいりたいと考えております。
  133. 薮仲義彦

    薮仲委員 どうかせっかくの努力を重ねて、国民の中に好ましいそういう条件が整うよう、今後の努力お願いしておきます。  次の問題に移らしていただきますけれども、これは局長、簡単に御答弁いただきたい。全国市長会から要望が出ておるわけでございます。私はこの要望の中でもっともだと思う点を何点かお伺いします。  いわゆる多目的に利用できる広場、全国市長会では二千とか三千平米と出ておるのでございますけれども、こんな広くなくても、もう少し小さくてもいいように思うのですが、仮に五百平米ぐらいの、お年をとられた方から御婦人あるいは赤ちゃん、子供さんまでみんなが、何だという指定ではなくして、多目的に何でも利用できる広場をつくりたい、こういうのは私も地元におりましていろいろなところでいろんな方から要望がございます。これに対して国庫補助制度を創設してほしいという期待がございます。非常に財政制度の厳しい中でこういうことを言うのはいかがかなと思って、気がひけながら言っておるわけでございますが、しかし、私は国民ニーズとしてはこういうものが欲しいということは現実に根強いものがございますので検討していただきたい。これに対してどうお考えか。これが第一点。  第二点は、特にその中でもちびっ子広場、いわゆる児童公園、これはどこへ行っても私は言われます。これは現行の補助対象の枠をもう少し広げてもらえないか。いわゆる都市公園法による公園の補助対象率あるいは補助率等の要件をもう少し拡大してくれないか、こう言われておるのでございますが、これは局長はかたくなに拒否なさるか、それとも何とか子供のために夢多き公園をつくってくれる気があるのかないのか、その辺心して御答弁を局長お願いします。
  134. 升本達夫

    升本政府委員 第一点の多目的に利用できる広場、二千平米から三千平米という御要望でございますが、現在都市緑地という種類の事業種目の都市公園につきましては、五百平米以上あれば補助対象にする、こういう基準にいたしております。したがいまして、この多目的の内容でございますけれども、二千平米あれば、そのうちの五百平米程度のものは緑地的な修景施設とかその他の土地利用が考えられるかと思います。したがいまして、その運用におきまして解決し得る面が大変多いのではないかというふうに考えております。  それから第二点の児童公園用地費補助の対象枠でございますけれども、これは現在〇・一ヘクタールで頭を切られているというのが自治体の認識のようでございます。これは〇・二五ヘクタールというのを児童公圏の規模の基準にいたしておりますが、その〇・二五ヘクタールの一般補助対象率四五%に当たるものが〇・一ヘクタールということでいっておりますので、特にこれだけ頭を制限しているという制度ではございません。したがいまして、これは各公園種別並びの制度でございますので、かたくなにこれだけはと申し上げるわけじゃございませんけれども、やはり全体の制度との整合性ということも考えさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
  135. 薮仲義彦

    薮仲委員 時間がないので、その問題はまた後でじっくりやりましょう。  次の問題に移ります。  警察庁お見えでございますか。——ちょっと大臣に御認識いただくために、私の手元には資料があるのでございますけれども、二、三数字だけ簡単におっしゃっていただきたいのでございます。簡単で結構です。  昭和五十五、五十四、五十三の過去三年間で結構でございますが、交通事故の発生件数、死傷者のトータル、重傷者は負傷者の中に入っていますから死傷者のトータル、五十五年度どれだけ、五十四年度どれだけ、五十三年度どれだけ。その中で特に私がお願いしたいのは、警察の統計に出てまいります年齢別では十五歳未満の方をとっていらっしゃいます。もちろんゼロ歳から十五歳未満で結構でございますから、死傷者の中でかわいいお子さん、十五歳未満の方が全負傷者の中で何%事故に遭っていらっしゃるか、そのパーセントをぼんぽんぽんとわかりやすく、大臣にわかるように言っていただけば結構です。
  136. 福島静雄

    福島説明員 数字につきましての御質問でございますので順次お答えいたします。  まず五十三年におきましては、交通事故の発生件数四十六万四千三十七件、死者数は八千七百八十三人、負傷者数は五十九万四千百十六人であります。昭和五十四年におきましては、発生件数四十七万一千五百七十三件、死者数は八千四百六十六人、負傷者数は五十九万六千二百八十七人であります。五十五年におきましては、発生件数四十七万六千六百七十七件、死者数八千七百六十人、負傷者数五十九万八千七百十九人でございます。  子供の死者数、負傷者数は……
  137. 薮仲義彦

    薮仲委員 十五歳未満の死傷者のトータルとパーセント。出てなければ結構ですよ。
  138. 福島静雄

    福島説明員 手元にトータルがございませんが、昭和五十五年中における子供さん、これは十五歳以下でございますが、自転車乗用中に二百三十八人死亡、三万二千二十六人負傷となっております。また、同じく十五歳以下の子供で、歩行者といたしまして死亡が五百八十六人、負傷が五万一千六百九十一人、こういう実情でございます。
  139. 薮仲義彦

    薮仲委員 大臣、いまのは全国のトータルでございますが、私、今度は静岡のを申し上げます。大臣、静岡は非常に不名誉なんです。きょうは時間がありませんから言いませんが、事故発生件数はいつもワースト十位から落ちたことがない。いつも上位にランクされている。ということは、それだけ交通事故の発生が多いということです。しかもその中で私が指摘したいのは、十五歳未満、これは全国的にそうでございますけれども、かわいいお子さんが最も事故に遣われる件数が多いわけです。  ワースト県の静岡の中でどういう実態か。いま課長は五十五年度の数をお示しいただきましてありがとうございました。五十五年の静岡県でいきますと、死傷者の数が二万七千三百三十四名です。このうち課長のおっしゃった十五歳未満が静岡県ですとどうかというと、二万七千三百三十四名のうちお子さんが四千三百七十三名。このちょっと上の十六歳から十九歳が物すごく多い、同じくらいあるのですが、それを省いて十五歳未満の方だけにしぼっても一六%近いわけです。一六%の方が毎年交通事故に遭っていらっしゃる、こういう実態。もっと詳しく申し上げたいのですが、きょうはこれぐらいにしておきます。  そこで都市局長にお伺いしたい。  静岡県に交通公園は幾つありますか。
  140. 升本達夫

    升本政府委員 現在のところ浜松市の相生公園、それから磐田市の中央公園と、二公園におきまして交通公園施設整備がなされております。
  141. 薮仲義彦

    薮仲委員 これは大臣、一度現地を御視察いただきたいのでございますが、とても交通公園と言うには当たらないようなかわいらしいところでございまして、特に県都所在地の静岡市にはございません。そこで私は、市民団体の安全協会の方が過去十年間交通公園の必要性を訴えていらっしゃる。私はそれをじっとそばでながめておって、余りできない。やはりこの際私は、当然地方自治体がつくるという気持ちの上に立ってこれが積み上げられていくのはわかります。でも大臣、ワースト県の静岡に交通公園がない。だったら私は、むしろ上から働きかけても交通公園をつくっていただきたい。この中でも静岡は一番交通事故が多い方なんです。  警察庁の方にちょっと一言簡単に、交通公園の必要性についてどうでしょう。警察庁の立場で必要か必要じゃないか、ほんの一言答えてください。
  142. 福島静雄

    福島説明員 子供が健全に遊びながら、交通安全のため正しいルールやモラルを体得できる実地訓練の場といたしまして交通公園設置されることは、警察として望ましいものと考えております。
  143. 薮仲義彦

    薮仲委員 穏やかにおっしゃった。交通公園つくってほしい、警察庁も当然のお考えだと思うのです。そこでいま静岡市、私いまいろいろ聞いてみた。これはなぜきょうここで取り上げたかというと、静岡市に大臣御承知のように巴川があります。あの全体の治水計画の中で、麻機という、県立のこども病院がある。これはもう大臣よく御存じのところです。あそこに遊水地をつくろう。そこでいま河川局が一生懸命その遊水計画にのっとって努力をしていらっしゃる。非常にありがたいことです。いよいよそこに今度遊水地ができますけれども、遊水地というのは、雨が五十ミリ百ミリ降らなければ、ふだんはからからの更地でございます。それで、雨が降ったときにそこが水没すれば他の被害が防げるということで、遊水地を河川局では考えていらっしゃる。私はこれは河川局だけの仕事ではなくして、やはりこれだけの遊水地をつくるときに、半分都市公園という形で計画をしていただければ、河川と都市局と両方で、いまそこに二百ヘクタールほどの遊水地をつくろうという計画を河川局が持っていらっしゃる。わずか三十一ヘクタールしかまだ買収が終わっておりません。一番水の、静国言葉で言うと水につかっているということでございますが、いつも水があるということです。ほとんどあとは水のないところです。そこは非常に土壌が悪いですから建物は建てられない。ということで、私はここに市の方としても交通公園をつくりたいという構想を持っていらっしゃる、マスタープランとして持っていらっしゃるわけです。これがなかなか出てこない。それは用地の買収が進まないからです。  そこで私は、当然治水計画の中で行われますけれども、やはりこれは河川局だけではなくして、都市局も力を合わせて将来ここに大きな都市公園ができて、その一部に交通公園等をつくるという、いまなかなか用地がございませんので、そういう計画をし、県がずっと温めておるのでございます。むしろこういうところに、交通事故の多い静岡県に一つの交通公園がどれほど大きな影響を及ぼすかわかりませんので、私はここで御努力をいただきたいと思うわけでございますが、その前に河川局、せっかくおいででございますので、河川局長としてこういう計画を内々お聞きになっていないかどうか、都市局長として聞いていないかどうか、また、そういうことを聞いておって二人でこんなことをやっていないで、仲よく話し合ってつくるお気持ちがないかどうか、まずお二人から聞いて、最後に大臣から、
  144. 小坂忠

    ○小坂政府委員 巴川の遊水地の件でございますが、先生のいま御指摘ございましたように、昭和四十九年の大水害を踏まえまして麻機地区約二百ヘクタールの用地買収を行うべく、昭和四十九年度から着手はいたしております。その後いわゆる事業を進める手段として、多目的遊水地事業という補助事業を創設いたしましたので、それに切りかえまして現在事業を進めておるところでございます。  それと並行いたしまして、この流域はいわゆる総合治水対策対象の河川に指定いたしまして、いま静岡県あるいは静岡市が中心になりまして、もちろん私どもも入りましてこの総合的な治水対策の検討を進めておる最中でございます。その中に公園計画も位置づけられて取り組まれるはずであるというふうに私どもは承知しておりますし、今後関係の都市局とも十分相談して対処してまいりたいというふうに考えております。
  145. 升本達夫

    升本政府委員 巴川の遊水地計画については、県当局が現在検討中ということは伺っておりますけれども、ここで大規模公園整備する計画があるということも、その程度のことは伺っておりますが、具体的にどこをどうやって、どの程度公園をつくるというような計画段階の話はまだ伺っておりません。今後県段階でその辺が十分詰まりまして、こちらの方へ御相談があれば十分承りまして、河川局と相談をして実現方努力をいたしたいと考えております。
  146. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 巴川のはんらんはよく昔から私も十分聞いております。したがいまして、治水の面から遊水地のことについても聞いておりますし、いま両局長から答えがありましたように、公園化については局長からまだ私に具体的な話はありませんが、それはどういうことかといいますと、計画はあるやに聞いておりますけれども、それがまた詰められていないということで、私に直接の話がなかったと思いますが、私は間接的に、地元でもございますので、遊水地即公園計画というものについては聞いておりますが、これは具体的に計画ができ、詰められてきた段階で、十分昔から巴川のはんらんは承知しておりますので、せっかく努力する所存でございます。
  147. 薮仲義彦

    薮仲委員 交通公園はどうですか。
  148. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 交通公園につきましては、これはあることがよろしいし、できることが望ましいことでありますけれども、さて具体的にということになりますと、すぐにということになりますと、いささか実現性がむずかしいような気もいたしますが、これも地元関係方々の御要望等々の計画性に基づいて、前向きで検討させていただきたいと思います。  私かつて自治体をお預かりしたころは、交通公園までいきませんので、各学校に交通施設をつくって指導した経験もございます。それでずいぶん交通事故は減りましたけれども、それはそれとして、交通公園というものはせっかくの御提言でございますので、これまた当然地元の御要望、計画にのっとって進めてまいりたい、このように考えます。
  149. 薮仲義彦

    薮仲委員 それでは時間が参りましたので、最後に本当はきょうは地震防災を少しがっちりとお伺いしたかったのですが、時間が参って非常に残念でございます。  今度の三次五計の中でも、大震災時において避難地または避難路としての機能を有する都市公園整備を最重点に進める、こうあるものですから、きょうは地震県の静岡としてしっかり聞こうと思って、残念でございますが、国土庁から柴田審議官お見えでございますので、一つだけお伺いしたい。  このいわゆる防災公園というのは、法律上はいろいろな大きな公園に防災の避難地としての指定がなされて、防災公園整備がなされていくわけであろうと思うのでございますが、やはり第一次の避難地として小中学校が当てられ、第二次の広域避難地としてこのような大規模公園防災公園という構想が、国土庁の大規模地震の措置法の中でもいろいろ検討されておるわけでございます。しかし、この大規模地震措置法の中で、警戒宣言が発令されて避難するというこの広域の公園の中に、当然これは静岡県などでも考えておりますけれども、一人二平米程度の空間が最低限必要であるとかあるいはある程度、三日間ぐらいの生活ができるようなといってさらに広い地域計画しておるようでございますけれども、私は、これは都市局長審議官に、お二人に伺って質問を終わりたいのでございますが、防災公園にやはりそのような避難地として最小限の生活空間を決め、あるいは生活をしなければならないという考えに立つならば、食糧、水、医薬品の確保は当然重要な課題だと私は思います。その意味において、国土庁、建設省防災公園設置基準の中にいま申し上げた食糧や医薬品、水寺の設置を義務づけるような法制化ができているのかどうか、基準が明確になっているのかどうか、お二人から伺って質問を終わりたいと思います。
  150. 柴田啓次

    ○柴田(啓)政府委員 お答えいたします。  大規模地震対策特別措置法、それからその施設整備のための緊急整備事業についての財政上の特例措置に関する法律によりまして避難地の整備を図っているわけでございます。また、その避難地に住民が避難した場合に、飲料水の問題あるいは医薬品の問題、食糧の問題、こういうものを円滑に供給することが非常に大事だというふうに考えるわけでございます。  静岡県ではいまどういう考え方に立って体制づくりをしているかと申しますと、飲料水につきましては、まず住民それぞれが三日分ぐらい確保するように呼びかける、さらにあの地域は地下水源が比較的豊富でございますので、その活用をして円滑な給水ができるように、予備電源、予備ポンプの整備などを重点的に進めることにしております。また、医薬品につきましては、市町村の各地区ごとに設けられる救護所や各病院などに常備するようにやっております。また、県におきましても県下十二カ所に備蓄センターを整備しております。それから食糧については、住民に七日分程度備えるように呼びかけますと同時に、自治体として食糧事業者との協定を締結して、地震が発生した際に食糧の調達、供給が円滑に行われるよう体制の整備を図っているところでございます。  そこで、お尋ねの大規模な避難地において、その付属施設として備蓄倉庫あるいは医薬品の倉庫等の施設をつくるのがいいかどうかということでございます。これにつきましては、条件が許されるならばできるだけ設置した方がいい、ただ問題は、そこに設置するよりももっと便宜にその避難地におります住民に医薬品、食糧等の供給ができるということがあれば、その代替でもいいのではないかというふうに考えているところでございます。
  151. 升本達夫

    升本政府委員 防災公園機能といたしましては、まず災害時の避難場所の確保、次に消防救援活動の基地、それから都市の防火帯としての機能、それから四番目に平常時の利用ということもやはり考えさせていただきたい、このような考え方から具体的な施設設計の内容といたしましては、避難地として有効面積をできるだけ広く確保したいというのが第一であろうかと思います。その上で災害時のための必要な施設、おただしのような備蓄倉庫でございますとか飲料用貯水槽というようなものを考えていかなければいけない。したがいまして、この備蓄倉庫とか貯水槽とかの設計につきましては、周辺の防災施設状況なんかも考慮しながら、また、避難スペースを阻害しないように十分技術的にもチェックをしながら、できるだけそのような方向で計画を進めるように指導してまいりたいと考えております。
  152. 薮仲義彦

    薮仲委員 終わります。
  153. 稲村利幸

    稲村委員長 林保夫君。
  154. 林保夫

    ○林(保)委員 都市公園整備法の審議につきまして、さきに大臣から提案理由の御説明がございましたけれども、もう少し具体的にこれから五年やっていくんだという大臣の御決意を、大変厳しい状況にあると思いますが、この点、まず一言承っておきたいと思います。     〔委員長退席、村岡委員長代理着席〕
  155. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 都市公園整備第三次五カ年計画お願いいたしたわけでございます。これは第一次、第二次でようやく日本公園整備について緒についたということになりますか、十年を経て、なおかつ日本国民一人当たり公園面積というものは先進国としては最低でございます。残念でありますけれども、二次五計におきましても当初目標の四・五平米を達することができず、四・一平米というようなことでありまして、世界的にはバリが八・四でございますか、ワシントンが四十五以上、世界の主要国の大方は三十等々ございまして、その意味におきましていまの日本の国のありようを見たときに、山紫水明と言われた日本がもう一度緑を取り戻すということを国民的な啓蒙運動の一つとして御協力を願う。それにはまず政策として国が先達となってやるというような考え方の基本と、それから御案内のように近代化国家における防災という面につきましてもどうしてもこれは緊急に考えなければなりません。したがいまして、単なる都市公園ということでなく、そこにはおのずから防災公園という意味合いも含めて、この問題については早急に考えなければならない、このようなことで御提案を申し上げているわけであります。  なお付随して、これだけ社会環境も複雑多様化いたしまして、国民文化生活レベルもアップしておる中で、文化活動、スポーツ関係においても子供から老人まで含めて、公園において生活のエンジョイをしながら快適な環境をつくるという意味合いもあるわけで、そうしたことを含めてお願いをいたしておるわけであります。
  156. 林保夫

    ○林(保)委員 大臣にもう一つ承りたいのでございますが、今回の審議当たりまして、建設省の皆さんそのほか大変御親切な御説明をちょうだいいたしました。その結果といたしまして、私は基本的に二つあるなという実感でございます。  その一つは何かといいますと、後で事務的にはいろいろ御説明を承りたいと思いますけれども都道府県のばらつきが大変大きいといいますか、憲法上は最低限のものは見ようという精神がございます。その精神に照らして一体どうなんだろうか。特に先般も予算委員会の分科会で、地方の時代、民主主義の原点、これは結構です、しかし、なお地方という名において、中央財政がパンクしたから金の流れからいうともう中央は知りませんよ、こういうことであっては困るのですという御質問をいたしましたら、大臣から大変に適切な御答弁をちょうだいいたしましたが、何と申しましても社会資本の充実ということがこれから大事だと思います。従来、福祉とかあるいは教育についてもばらつきがありました。しかし、これは義務教育とかあるいは年金とかは制度上筋金が通りまして、そんなに差はございません。しかし、建設省の担当しておるものは、強制的に事業の執行を要求できないという性質もございましょうけれども、道路、河川、下水道そのほか、もうばらつきがあり過ぎると思います。これをどのように是正していかれるかが建設大臣として大変大きな仕事だと思いますので、この点をひとつまず最初承りたいと思います。
  157. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 お答えいたします。  地方の時代と言われる中で、ばらつきということでさきにも御指摘をいただいたわけで、これは日本の発展過程で、都市地方とのアンバランスが結果的にはこういう問題になったと思います。たとえば公園にいたしましても東京は一・七平米でございます。地方によっては三、四、五というようなところもあるわけでございます。特に地方の時代と先生御指摘のような形で進められている中で、この問題については特に配慮しなければなりません。東京のような場合には、公園化するにいたしましても用地等々でなかなか大変でございます。したがって、地方都市化する中において、事前に都市計画の中で十分な公園用地というものを確保しながら進めていくということ。したがいまして、ばらつき問題につきましては、やはり心して先見性を持って対処しなければならない問題ではなかろうか。先生の御提言をいただいて、その面につきましても十分配慮をして指導してまいりたい、このように考えるものでございます。
  158. 林保夫

    ○林(保)委員 私は、極端な言い方をいたしますと、これから建設省が前へ出てちゃんとやりますという御答弁を実は聞きたかったわけでございます。  先般も本四架橋の事後対策、廃止航路あるいは拡張航路が出てくる、その後をどうするかということで地方の各県別の対応はどうかというと、大変熱心なところと全くやっていないところがあった、こういう参考人のお言葉もありましたし、あるいは建設側のお言葉もございました。それについて、関係県を集めて、ここはこうやっているということで御督励になったという実績もあるやに聞いております。その結果、やはり実際に地方に行ってみますと、各県とも動き出したということでございます。結構だったと思います。それと同じように、この公園の問題もそういう形で問題提起をむしろ建設省がやって、リーダーシップを発揮しなければいつまでも問題は解消しないと私は思います。  そのことはそれといたしまして、もう一つの問題は、これからの財政再建、この中で補助金は目のかたきにされております。後でまた御提起申し上げたいと思いますけれども、そういう中で今度の二兆八千八百億でございましたか、これをしっかり取る、また、先ほども御質問がありましたように、物価が上がる、地価も上がるでしょう、所期の目的を達成できるかどうか大変むずかしい、このように思いますが、その二つについて大臣の御所信をしっかり承りたい。
  159. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 ばらつきについて地方への指導ということでございますけれども、これは林先生から積極的な御提言をいただきまして、そのような形で進めてまいりたいと思います。具体的にはどのような方法がよろしいか、これはやはり担当者とよく相談しまして、各県それぞれがその気にならなければ問題はなかなか解決いたしません。たとえば、全国の公園占有状況を示すのもよし、あるいはそれぞれの防災面を含めて、都市計画の方法で積極的な姿勢を示すような形で指導してまいりたい、かように考えます。  第二点の補助金の問題でございますが、御案内のような財政の非常に厳しい折でもございますだけに、しかも七カ年計画を見直すというような状況の中で、さきの計画は一兆六千億でございましたか、今度二兆八千億、なかなか厳しい折でございましたけれども、われわれとしては精いっぱい財政当局から予算について理解をいただいて獲得したわけで、この点につきましてもなお御懸念の向きもあろうかと思いますが、せいぜい有効適切に活用して、所期の目的を達成するように積極的に努力してまいりたい、このように考えるものでございます。
  160. 林保夫

    ○林(保)委員 ありがとうございました。  問題の原点といいますか、都道府県別の達成率がわからないとなかなか問題意識を地方では起こしにくいものでございます。政府広報資料でいろいろと道路の整備状況とかあるいは河川がどうとかあるいは公団の住宅がどうなっているとかいう点はございますけれども、常にマクロ的に過ぎまして、これだけ未達成になっておりますから、本省なり政府の無責任とは言いませんけれども、できなかったことを認めてくださいというような資料だけではだめだと私は思うのです。むしろ県別にずっと出しまして、こうなっているということを国民の前に明らかにする、こういうことが非常に大事だろうと私は思います。そこで、地方の人、地元の人はこれはいかぬ、どうしたらいいんだろうということからやはり起こしていかなければこういう問題は地元の協力が得られない問題だ、このように思いますので、蛇足ながら一言申し上げまして、後は事務的に承りたいと思うのでございます。  第二次の五計が未達成になっておりますが、この実績とそれから原因につきまして、事務的で結構でございますから、率直にひとつ分析していただきたい。お願いいたします。
  161. 升本達夫

    升本政府委員 第二次五カ年計画実績は、おただしのとおり未達成になっております。事業費達成率が一〇四%、これに対しまして事業量整備量の達成率が七五%にとどまっております。  その原因でございますが、物価上昇による目減り、これが大体一七・五%程度。それから単価水準のアップによるもの、これは公園施設の内容をかなりいいものをつくるというようなことで、当初予定よりは上等なものができているという要素でございます、これが二・九%。それから先ほど来御説明申し上げておりました。地の買収が不要であると考えておりましたものが結果的には確保されなかったことによる目減り分、これが八・七%。このただいまの三つの要因だけを集めまして二九%ちょっとになります。したがいまして、これを一〇四%から引いていただきますと大体七五%という数字が得られますので、些少なものを除きまして大体この三点が原因であろうかと考えております。
  162. 林保夫

    ○林(保)委員 非常に科学的にお話しいただいてありがたかったわけでございますが、「国土建設の現況」の三十四ページに各都道府県別の「都市公園整備の現況」というのがございまして、これを見ますと、宮崎県が一人当たり公園面積で八・〇二、それから最低が、先ほど大臣がおっしゃった一・七一は神奈川県になっておりますね。東京都は二・八〇、本当にばらつきが大きいわけでございますが、行政ベースから見られまして、いろいろ原因があろうかと思いますが、どんなところからこういう結果になっておりますか、ひとつ事務当局の方から分析の結果といいますか、率直な御意見を、地元が不熱心だというのもありましょうし、公園は要らぬほど緑がいっぱいあるんだというところもございましょうし、あるいは陳情や地元からの折衝が足りないんだ、いろいろあると思うのでございますが、その辺のところをざっくばらんに承りたいと思います。
  163. 升本達夫

    升本政府委員 ただいま先生のお持ちの資料と出典が違いますので数字が若干違っておるかと思いますけれども、私どもの方のただいま把握しております数字で申し上げますと、先ほど東京について一・七平米と申しましたが、二十三区内だけとりますと一・七平米という数字になります。部かを含めますと二平米、これが一番最低の方でございます。それから一番高い方は北海道でございます。一人当たり十一・七六平米、これは札幌が除かれていますが、札幌を入れましても九・六平米ということで、これが大体最高のクラスではないか。いずれにいたしましても、この間に先生の御指摘のように大変大きなばらつきがあることは事実でございます。  そこで、この原因ということでございますが、いろいろな原因が積み重なっておりますので、数字的に解明することはむずかしいのではないかと思うわけでございますが、条件として考えられますのは、これは土地条件その他を含めましたいわゆる自然的な条件と、それから人口移動、市街地の形成等に起因いたします社会的な条件、この違いがいろいろミックスされて出てきているというふうに理解をされるわけでございます。もう一つは、やはり歴史的な経緯が地域ごとにかなり違っておりまして、明治時代、太政官時代から非常に熱心にそういう整備をされた地域と、後発した地域にはかなり差が出ているという現象もございますし、それから具体の要件として大きな違いを生みましたのが大震災の影響と、それから戦災の影響であろうと思います。それから、特に最近時は大都市周辺に宅地開発が非常に進行しておる。宅地開発がかなり規模に進行するところは宅地開発の許可あるいは区画整理に伴ってかなり公園ができております。そういうことで、結果として集めますとかなり大きなパーセンテージがそこから出てくるというようなことで、違いを生む原因に考えられるわけでございます。それから、これはならしの話でございますから、やはり人口が急増しているというようなところはどうしても一人当たりのものは小さく出ることはやむを得ない。そんなような、当初申し上げました社会的、自然的条件がいろいろミックスしてこのようなアンバランスが出てきているというふうに理解をいたしております。  そこで、これからの整備当たりましては、先ほど来大臣の御答弁がございましたように、十分その辺留意をいたしまして、特にこれからの国の助成策に当たりましては、既往の公園緑地の賦存量、いままでも一つのファクターとして考えておったわけでございますが、さらにこれを大きなファクターとして考えていく必要があるのではないかというような感じを持っております。その他いろいろとございますけれども、一応姿勢といたしましては、この現状に着目いたしまして、ばらつきを是正するような方向の努力をいたしてまいりたいと考えております。
  164. 林保夫

    ○林(保)委員 私はやはり地理、それから歴史が先ほどおっしゃったように非常に大きいと思います。それから文化的な地元の問題でございましょう。  先ほど局長は先発県と後発県というお言葉を言っておられましたけれども、どことどこの県あるいはどの地方が先発県であり、後発県とお考えになっておりますか。お教えいただきたいと思います。
  165. 升本達夫

    升本政府委員 明治時代でございますから、都市公園的なものの施設需要が生じているのは結局その当時からの大都会ということになろうかと思います。特に京都を中心とした京阪神の地域、それからその当時の東京というようなものが施策の対象地域としてはなっておったかと思います。しかし、それに偏りませず、明治時代からかなり地方庁の勢力の大きかったところにつきましては、比較的には前進しているのではないかというふうに考えております。
  166. 林保夫

    ○林(保)委員 ありがとうございました。それらをいわゆる第三次五計に反映さしていただいて、先ほど申し上げたような形の均衡をとっていただきたい、このように思うわけでございますが、第三次五計を実施するに当たりまして、こちらに重点とかいろいろ資料は出ておりますけれども局長としてどういう点を大事にしていこうとお考えになっておられますか、口頭でひとつ承りたいと思います。
  167. 升本達夫

    升本政府委員 一番の問題はやはり総事業量だと思うわけでございます。どのような条件の積み上げであっても、結果として総事業量が伸びる方向で努力をいたすべきであるというのが第一であろうと思います。  それから第二番目といたしましては、五カ年計画の重点事項として掲げて御説明さしていただいておりますような事項でございまして、やはり第一としては防災関係の公園整備、それから第二番目といたしましては、大変公園需要が多様化しておりまして、特にスポーツ需要とか、それから文化的な施設に対する需要が急速にふえておりますから、そういった需要に対応するような施設整備を図っていくということ等があろうかと思います。したがいまして、その点は公園事業種別ごとのばらつきをできるだけなくすような方向で努力をしていきたい。先ほど薮仲先生から御指摘がございましたように、計画に対する実施の達成率にばらつきを生じないように計画を適正につくり、そのばらつきを余り生じないように努力をしたいということが第一点。それと、第二点は、先生の御指摘の地域間のアンバランス、ばらつきの是正ということになろうかと思います。
  168. 林保夫

    ○林(保)委員 第三次五計の内容で、こちらにも資料をちょうだいしておりますけれども、総投資額二兆八千八百億円という数字はここに出ておりますが、そういう公園の種別の資料というのはもうすでにおつくりになっておられることだと思いますが、それを読み上げていただきたい。  と同時に、事業量については出てないと思います、いろいろ資料をちょうだいいたしましたけれども。腹づもりはおありだと思いますし、私も何か一万二千ヘクタールというような数字は聞いてはおりますけれども、それが決まっておればもう少し細目をひとつ出していただくようにお願いしたいと思います。
  169. 升本達夫

    升本政府委員 第二次の五カ年計画公園種別区分別ごとの実績はまとまったものがございます。総事業量整備量で一万四千三百九十ヘクタールでございますが、これをそれぞれたとえば住区基幹公園でございますとか、都市基幹公園でございますとかその種別、ことに整備量を……
  170. 林保夫

    ○林(保)委員 それは出ております。第三次のを。
  171. 升本達夫

    升本政府委員 第三次の五カ年につきましては、総整備量は一万二千ヘクタールでございます。これに対応するただいまの事業種別、公園区分ごとの整備量はただいま策定中でございます。一応の見込み的な数字は出しておりますけれども、これからそれを精査し、固めていくという段階でございます。
  172. 林保夫

    ○林(保)委員 そういたしますと、これから重点をどこに置くかということをおやりになるのだろうと思いますが、どの辺を重点に置いておやりになる予定でございますか。
  173. 升本達夫

    升本政府委員 第二次のベースの事業量事業種類によってかなり大きいものと小さいものとございますけれども、伸び率として重点的に考えてまいりたいと思っておりますのは、一つ都市基幹的な公園都市基幹公園の範疇に入るもの、それから防災関係を含めまして緑道というようなもの、あるいは国営公園、これは広域的な需要が大変伸びております。さらに都市緑地というようなもの、そのようなところが伸び率としては大きくなるのではないかと考えております。
  174. 林保夫

    ○林(保)委員 その一つ国営公園はどのくらいの個所を御予定になっておられますでしょうか。これは地方の関心が非常に大きいと思いますので。
  175. 升本達夫

    升本政府委員 御承知のとおりただいまのところ国営公園は全国で十カ所でございます。このうち国の記念事業による公園は別といたしまして、全国八ブロックに一カ所の広域公園という考え方で、現在そのうちの五つに着手をいたしておりますので、ブロックで申しますとあと三つのブロックが未着手の状況に現在あるわけでございます。したがいまして、この三つのブロックにできるだけ早い時期にそれぞれ国営公園設置されることが望ましいのではないかというふうに考えております。
  176. 林保夫

    ○林(保)委員 三つのブロックというのはどこどこでございますか。資料から割り出せぬのでございますけれども、ちょっと御説明いただきたい。
  177. 升本達夫

    升本政府委員 中国と四国と北陸の三地域でございます。
  178. 林保夫

    ○林(保)委員 これまでのいきさつを私は知りませんのですが、そこからはやってくれということは出てきてなかったのでございますか。それとも資格に合致しないということで未着手になっておるのでございましょうか。
  179. 升本達夫

    升本政府委員 構想といいますか、着想というような段階ではいろいろ地域から出ておるようでございます。しかしながら、具体のどこについて大体いつごろの時期から着手すべきだというところまで固まった形ではまだ要望としては伺っておりません。ただ、構想、着想、発想を受けまして調査は私どもの方で各地域について実施をいたしております。
  180. 林保夫

    ○林(保)委員 これまたアンバランスがあってはいけませんので、早く着手されることを希望いたしたいと思いますが、こうした第三次五計の中での補助率は、ここにも資料がございますけれども、どういうお考えか、前回と同じ線を踏襲されるのか、あるいは査定基準を公園種別で多少変えておられるのかどうか、御説明いただきたいと思います。
  181. 升本達夫

    升本政府委員 補助率自体は特に変更することをいまのところは考えておりません。ただ、公園の場合は、御承知のようにどの部分を補助対象にするか、要するに一般公共事業として取り込むかという補助対象の率がございます。これは先ほど大臣からお話がございましたように、第三次におきましては五二%という率を予定をいたしておるわけでございまして、第二次の五カ年計画が四七・七%でございますから、これに対して相当のアップになっているというふうに御理解いただけると思います。
  182. 林保夫

    ○林(保)委員 そういったことにつきまして、地方からあらゆる機会を通じまして補助率を上げてくださいと、こういう要望が出てきております。全体として土地の買収と施設と二つに分けて、三分の一と二分の一でございましたか、これは変える意思はないのでございますか。
  183. 升本達夫

    升本政府委員 施設につきましての二分の一の補助、用地費につきまして三分の一の補助につきましては、この率については変えるという見通しはいまのところございません。先ほど申し上げましたのは、どの部分を補助対象にするかという補助対象の割合、補助対象率につきましては、第二次に比べましてかなり伸ばさしていただいております。
  184. 林保夫

    ○林(保)委員 これを実行いたします場合に、そういう財政上の問題のほかに、もう一つはやはり土地の問題が大変厳しいと思いますが、特にどういう点にねらいをつけて建設省としてはおやりになる予定でございましょうか。工場跡地とか、あるいは建設省が押さえていらっしゃる河川敷とか、国有地があればそれもそうでございますが、積極的にこれを推進するという以上は、土地の問題が、お金に次いでというよりむしろ一番大事かもしれません。その辺で、計画遂行に当たってどういう構想をお持ちなのか、承りたいと思います。
  185. 升本達夫

    升本政府委員 御答弁の前に、先ほどの御答弁の中で、国営公園の現在の着手個所とこれからの着手個所につきまして、八ブロック五カ所に着手したと申し上げましたが、北海道を忘れておりまして、失礼いたしました。九ブロックで六カ所ということでございます。  それから、ただいまのおただしでございますが、公園整備を図ってまいりますためには、やはり用地確保が何より第一課題であるわけでございます。そこで、特に市街地都市部における公園用地確保につきましては、一つは資金措置の面での配慮が必要であろうかと思います。毎年度計画的に用地を買収していくということはもとよりのことでございますけれども状況によりましてかなりの単年度の資金負担を生じます場合に、国庫債務負担行為という制度の活用を図りますとか、あるいはすでにございます制度で、都市開発資金の活用を図って、先行的に用地確保していくという制度を極力使いこなすように努力をいたしてまいるというようなことが第一点であろうかと思います。  それから第二点といたしまして、国有地、公有地の活用を図るべきだと思うわけでございますが、特にその中で、先ほど来おただしのございました河川敷の活用、河川敷が市街地内の公共空間として大変有用であるわけでございますので、河川敷の活用を特に図るというようなことにも配慮してまいりたい。  それから第三点といたしまして、市街地の、特に周辺近郊地域において進行いたしてまいります区画整理、それから開発許可を得て行う計画的な開発、これらによりまして減歩負担あるいはデベロッパーの負担という形で公園用地確保が図られてまいるというようなシステムになっておりますが、このような制度を極力活用しながら必要な公園用地確保を図っていく、このようなことを配慮しながら、まず用地確保に最大限の努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  186. 林保夫

    ○林(保)委員 現在河川敷の中に児童公園は入っておりますか。河川敷を認める場合の条件というのはどういうふうになっておりますでしょうか。どの範囲の公園なら河川敷を建設省は認めることになっておるのでございましょうか。
  187. 升本達夫

    升本政府委員 特に河川敷の利用につきましてどの種類の公園かというふうに特定はいたしておりませんが、河川敷を利用いたします場合に、当然河道整備等によりまして低水敷、高水敷の区別がはっきりして、高水敷について公園としての利用が可能だというような場所柄でありますれば、その場所柄に合った機能を有する公園設置が可能であろうというふうに考えております。なお、直接におただしの児童公園を河川敷に設けたという例はございません。
  188. 林保夫

    ○林(保)委員 河川敷に設けてはならぬ公園の種類といったら、児童公園のほかにどんなものがございますか。
  189. 升本達夫

    升本政府委員 ちょっと説明がそごをいたして恐縮でございますけれども公園種類による児童公園を河川敷地の中に立地さしたことはございませんけれども、河川敷地の中にたとえば児童の遊戯施設を設けて、児童公園的な機能を持つスペースをつくるというようなことはやっております。したがいまして、河川敷であるがゆえにどのような公園がつくれないということはないかと思います。公園としての利用が可能であれば、その土地状況によりまして、その機能を満たせるような公園がつくれるのではないかというふうに考えております。
  190. 林保夫

    ○林(保)委員 申すまでもなく、いまあいているというのは河川敷以外あいてないというところが非常に多うございますので、これの積極的活用と同時に、大変危ない場合もございますので、そういう魚河川本来の目的、そのことをきっちり詰めていただきまして、これは公園だけでなくて河川敷を道路にするといったような問題がございますので、従来伝統的なお考えが建設省にあるようでございますけれども、なおやはり時代に対応しての問題をこの際考えていただくように、ひとつ大臣にもこれを御要望しておきたいと思うのでございますけれども、非常に大事な空地でございますので、ちょっと手を加えれば使えるという面がいっぱいございますので、これは御要望にとめておきたいと思います。  それから防災公園でございますが、これから本当に都会地にとっては大事な問題でございまして、それこそ整備を急がなければならぬものでございますが、たとえば都市基幹公園とかあるいは大規模公園をそういうふうにする、こういうことでございましょうが、面積の基準とか、さらにはそのほか何か特段の条件をつけておられますかどうか、どの範囲で第二次五計と違った構想をお持ちでお進めになるかを伺いたいと思います。
  191. 升本達夫

    升本政府委員 防災公園整備要件でございますけれども、現在その対象になるべき都市の範囲、それから対象となるべき区域の範囲、それから直接にその公園面積等の要件と、三つほどございます。  第一の対象都市の範囲でございますが、「(イ) 三大都市圏の既成市街地等及びこれに隣接する地域内の都市 (ロ) 大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域内の都市 (ハ) 地震予知連絡会の観測強化地域内の都市」というのが対象都市として考えられております。  それから第二番目の対象区域の要件でございますが、次の三つの要件のうち二つだけ該当すればいいということにいたしておりまして、その三つの要件と申しますのは、一つ人口密度がヘクタール当たり百人以上の区域、それから次が区域内に非耐火建築物の建築面積の合計がその区域内の建築面積の五分の一以上ある区域。それから三番目に厚さが十メートル以上の沖積層が存在している区域。以上申しました三つのうち、二つの要件を満たす区域というのが区域要件になっております。  それから三番目の面積要件でございますが、面積が十ヘクタール以上の公園またはこれに接続する幅員十メートル以上の緑道、これを防災公園対象と考えております。  そこで、ただいまのおただしの、しからばこの第三次五カ年計画において、これについてどういうふうな対応を考えておるかということでございましたが、これにつきましては、この対象都市の範囲について、たとえば政令指定市あるいは県庁所在地の都市等までもう少し広げていきたいという気持ちを持っております。これは将来方向の課題でございます。  それから、その他の要件につきましては、大体第二次の計画における防災公園整備条件と変わらない条件になろうかと思います。ただいま申し上げました対象都市の拡大の問題は、実は要求ベースで行ったわけでございますけれども、今後の課題というふうに御理解をいただきたいと思います。
  192. 林保夫

    ○林(保)委員 ぜひひとつ対象都市の拡大をお願いをしたいと思います。  地震があったりあるいは火事が起こるのは何も三大都市ばかりじゃございませず、県庁所在地あるいはまた人口三十万でございますか、これはもう過密になっております。昔と比べると大変危ない状態になっております。御要望というよりも、ぜひひとつ建設省の方でこの点を決断していただきたいと思います。大臣いかがですか、御答弁をひとついただきたいのでございます。
  193. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、地方都市も非常に過密化しつつある状況を御懸念の御提言であろうかと思います。その点につきましても十分な配慮を持って対処してまいる所存でございます。
  194. 林保夫

    ○林(保)委員 それとも関連いたしますけれども、今度法律が出ておりますが、「第二条第一項に次の一号を加える。」「人口が五千以上であり、かつ、中心市街地を形成している区域内の人口が千以上である町村設置する公園又は緑地のうち、位置、規模その他の事項が政令で定める要件に該当するものでその設置に要する費用の一部を国が補助するもの」、このように出ております。これは対象地域の拡大だと思いますが、これによって対象となる市町村、市は従来は全部入っていたはずだと理解しておりますが、幾らございますか。
  195. 升本達夫

    升本政府委員 特定地区公園、カントリーパークと称しております公園の立地の対象町村でございますが、確かに従来までの都市公園対象地域の拡大になるわけでございます。そこで、この人口五千人以上、中心市街地人口千人以上の町村の現在の数でございますが、おおむね九百五十、九百四十二という数字を把握しておりますが、ございます。このうち中心市街地人口千人以上のものは現時点で正確に把握しておりませんけれども、おおむねそのうちの九割、したがいまして、八百五十町村程度が今回のカントリーパークの対象地域になり得る町村というふうに考えております。
  196. 林保夫

    ○林(保)委員 現在、町村の数は幾らあるのでございますか。それで今度対象になるものを差し引きますと、何町村が残るのでございますか。
  197. 升本達夫

    升本政府委員 概数で申しますと、たしか三千二十五か二十六市町村数だと思います。そのうち市が六百台であったかと思います。——市を除きました町村数で二千六百十三でございます。
  198. 林保夫

    ○林(保)委員 二千六百十三のうち、今度対象になるものと外れるものとを出していただきたいと思います。先日も説明を聞いたのですけれども、三百ぐらいしか残らぬだろうというお話でございました。これじゃちょっと……。
  199. 升本達夫

    升本政府委員 全町村数がただいま申し上げましたように二千六百十三でございまして、このうち都市計画区域外の町村数が千四百十三、人口五千以上の町村数が二千九十七、したがいまして都市計画区域外で人口五千以上の町村数を申し上げますと九百四十二という数字になります。
  200. 林保夫

    ○林(保)委員 ちょっと計算が合わないように思いますが、それは後で訂正してもらって結構ですが、今度の都市公園法対象から、はしにも棒にもかからぬといいますか、対象外の町村というのは幾つになるのでございますか。
  201. 升本達夫

    升本政府委員 ただいま都市計画区域外の町村数が千四百十三と申しましたので、その千四百十三のうち人口五千以上、つまり対象になるものは最後に申し上げました九百四十三でございますから、これを引きますと四百六十ぐらいになりましょうか、おおむね五百という数字でございます。
  202. 林保夫

    ○林(保)委員 資料を要求いたします。きっちり調べてそれを出していただきたい。町村の名前を挙げて出していただきたい。委員長よろしゅうございますか、お願いしたいと思います。——実は私が聞きましたときには、千二百あって三百くらい残りますかなというお話でございました。それで、これは政治問題だと私は思うのです。都市計画法の都市というのは一体どこまでを指すのかという定義からまず承りたいのでございますが、どうお考えになっておるのでございますか。三百か四百を除いた以外のものは全部いわゆる都市公園都市というふうになるのかどうかという意味でございます。
  203. 升本達夫

    升本政府委員 都市計画法の中で「都市計画の基本理念」という条文がございます。「都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと」云々ということを「基本理念として定める」、こういう表現をいたしております。このような基本理念の考え方からいたしまして、健康で文化的な都市生活、それから機能的な都市活動というものが都市の基本的な要件だろうと考えるわけでございます。いわゆる都市生活があり、都市活動が講ぜられておるような市街地を有するものを都市というふうに観念すべきものだと考えております。
  204. 林保夫

    ○林(保)委員 私は大変問題だと思うのですが、三千二十五市町村があって、そのうちの三百か四百だけを除外するといいますか、対象外にして落とす、これはあってはならぬように考えるのでございますけれども、これらを拾う時期は一体いつなんでございましょうか。あるいはその三百か四百のところも公園をやりたい、国の援助、補助を頼みたいといったときに、これは法律で対象外になっているから全くやらないという御決意でございましょうか。その点をしっかり承りたいと思います。
  205. 升本達夫

    升本政府委員 カントリーパークの対象地域にすべて公園が実施されるかどうかというのは別問題といたしまして、都市公園という施設一定の集積をなしておる市街地に、それに相当する機能を有する施設が必要であるかどうかというのは、ある程度規模をもって判断をさせていただくべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。それを何も都市公園に限りませんで、都市施設一般で規模の要件を考えましたのが都市計画法の適用区域というふうに御理解をいただきたいわけでございますが、ただ現状におきましては、従来の都市計画区域とその区域外で適用体系を全然変えておりました状況とは若干変わってまいりましたのは、定住圏構想等が打ち出されまして、地方における生活の向上あるいは都市的な生活に対する需要の増大というようなことから、市街地かなり密度の高いところはいわば準都市的な性格を持つというか、もたらすべき方向に全体の施策体系が動いているのではないか、そのような判断考え方からいたしますと、都市に準ずるような市街地につきましては、その市街地に特に現時点需要の濃い施設については、一定の範囲でこれを都市に準ずる地域と考えて、都市施設設置することを国が助成しても許されるのではないか、このような判断で、現在のところカントリーパークという制度をこの国の助成制度の一環に加えさせていただいたわけでございます。     〔村岡委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、この基準というのが将来にわたって絶対的であるかどうかということは御議論のあるところだろうと思うわけでございまして、現時点におきましては、私どもの理解といたしまして、人口五千人以上及び市街地人口集積が千人というまとまりを持った程度のものを都市に準ずる地域と理解して、これについて必要な施設整備を図りたいと考えているところでございます。
  206. 林保夫

    ○林(保)委員 ではそれを詰める前に、先に、カルチュアパークとカントリーパークというのが今度新しい言葉として出てまいりましたが、その違い、一体どういうものがカルチュアパークであり、それから新しく対象とするカントリーパークであるか、行政的な面できちっとひとつ定義をこの際御説明いただきたいと思います。
  207. 升本達夫

    升本政府委員 ただいままで御説明申し上げておりましたカントリーパークは俗称でございまして、特定地区公園と称しております。これはただいま申し上げましたような準都市的な性格を有する地域についての、その地区の一般的な公園に対する需要に対応する公園ということでございまして、その町村住民の総合的な、多様な利用に供されることを目的といたしております。そのような目的に資するよう、公園内の諸施設の配置を一体的かつ有機的に整備をしてまいりたいというものでございます。  それからカルチュアパークでございますけれども、これは第三次の全国総合開発計画による定住構想の実現を図るための一つの道具立てという考え方でございまして、地方におきまして魅力のある都市づくりを推進する、そのために文化活動の拠点となるような都市公園、これを整備をするということで、これをカルチュアパークと呼ばせていただいておるわけでございます。したがいまして、文化活動の拠点となるべき公園でございますので、これに設けられるべき施設もそれに資するように、代表例といたしましては多目的体育館というようなものを中心に、必要な施設整備を図っていく公園というふうにお考えいただきたいと思うわけでございます。
  208. 林保夫

    ○林(保)委員 お言葉をあれするようで悪うございますけれども、多目的な体育館をカルチュアパークには設ける。カントリーパークにはこれは設けないのでございますか。すると、何々を設けるのでございましょうか。
  209. 升本達夫

    升本政府委員 都市公園のネットワークを組みます場合に、児童公園から近隣公園地区公園という形でかなり規模の小さいものから大きいものへ組み立てていくという発想がございます。そこで、このカントリーパークはいわば地区公園的なものというふうに理解をいたしておりまして、その市街地の全部の住民の方に御利用いただけることを目的といたしております。  そこで、具体施設といたしましては、園路、広場、修景施設、それから運動施設等の、かなり広範囲の公園施設の中から、その地域の御要望に従い、計画的に整備を図ってまいるということになろうかと思います。
  210. 林保夫

    ○林(保)委員 もう一つきっちりさせるために伺いますが、四ヘクタールカントリーパークというのも聞いておりますけれども、カルチュアパークは幾らであってどこが違うのか、もう一度御説明いただきたいのです。
  211. 升本達夫

    升本政府委員 公園規模で申し上げますと、カントリーパークは最低四ヘクタール以上で、おただしのとおりでございます。それからカルチュアパークの方は、いわゆる地方中心になるような都市におきまして、おおむね十ヘクタール程度以上の総合公園の中に、ただいま申し上げましたような多目的体育館というようなものの施設を施すということを予定をいたしておるわけでございます。
  212. 林保夫

    ○林(保)委員 大臣、お聞きのような形でございまして、カルチュアパークにいたしましてもカントリーパークにいたしましても、それぞれの機能を行政ベースでは考えておられると思います。しかし、考えてみますと、先ほど質問申し上げましたように、全国で三千二十五の市町村があって、その一割か一割五分のところにはカルチュアパークもカントリーパークも国の援助でつくってもらえないのだ。わずか一割か一割五分でございます。これで大臣よろしいのでございましょうか。
  213. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 お答えいたしますが、どうでしょうか、日本の自然環境のありようから見て、まだ一律に平均的に地方開発というか、発展のバランスがとれていない向きもございますので、そうしたことで結果的には多少の脱落町村が出るというような形にはなっていると思いますが、やはり条件さえそろえば、当然この問題については進められる問題であろうかと思います。一割という数字は、私もちょっと多いような気もいたしますが、考えてみますれば、まだ日本全国が均衡ある発展を遂げていないのかなというようにも私いま考えたわけでございます。町村といいましても山村もありましょうし、日の当たるといいますか、非常に都市化されつつある、近代化の進んでおるところもありましょうし、先生のおっしゃることはよくわかりますが、とにもかくにも平均的な日本全国の公園整備を図っていく上から一つの陸路であろうと思いますが、これは地方の環境の発展過程においてこの問題は解消していける問題であろう、このように考えます。そうした後発地域というと大変恐縮な表現でございますが、その面につきましてもなお積極的な指導で、当初先生からお話がありましたような形で、ひとつ全国に表でもつくってお示しして、そしてバランスをとっていけばきっとそういう問題も早期に解決していけるのではなかろうか、このように考えるものでございます。
  214. 林保夫

    ○林(保)委員 大臣のおっしゃられる意味はよくわかりますけれども、これは私も法律は専門じゃありませんけれども、表現が逆になっていると思いますね。町村設置する公園について、人口が五千以上であり、中心市街地を形成している区域内の人口が千以上であるところを優先的にやるというふうにでもやっておけば、どの町村でもということになるのですけれども、そうした町村がというふうに出ておりますものですから、そうするとやはり三百幾つの町村は救われない、助からないことになっておる。これでは民主政治を目指しますわが国の政治のあり方として、まさに弱い者切り捨てである。大臣、これに意図があるならまた別だと思います、大きいところに早く合併せい、こういうようなことからあえてこういう制裁的なものをやっているなら。大臣、もう一言その辺についてしっかり言ってください。できるのだと大臣はおっしゃっても、これは法律ですから、それをやったらまた建設省さんが、私も注文をつけたい、そういう問題でございますので……。
  215. 升本達夫

    升本政府委員 御説明にちょっと追加させていただきたいと思いますのは、建設省の施策といたしまして、都市公園からのアプローチといたしましてただいま人口五千人以上、市街地人口千人以上というようなところへまで一応対応させていただきたいというのが今回の趣旨でございますが、農林省の施策といたしまして、農林環境整備モデル事業が御承知のとおりございます。この中で各種の事業が行われておりますが、その中には児童公園的なものも当然含まれるわけでございまして、これにも相当の国庫補助が行われておるわけでございます。このモデル事業対象地域範囲といたしまして、一応二百戸以内の集落という基準を設けております。この二百戸というのが人口換算いたしますと千人程度、したがいまして、人口千人というところがいまの時点におきます政策の対象の場としての一つの切れ目と理解することも可能ではなかろうか。いろいろな御意見はあろうかと思いますけれども、現時点における施策の対応の仕方といたしましてそのような整理をいたしたということもございます。
  216. 林保夫

    ○林(保)委員 ぜひそういうことで落ちこぼれのないようにやっていただきたい。このことを注文としてひとつお願いしておきたいと思います。  最後になりましたのでございますが、大臣もおっしゃっておられましたように、これから山紫水明の日本を取り戻すといいますか、しっかりやっていく、こういうことでございますが、建設省だけではできない面がいろいろございまして、公園一つつくるにしましても農林省との関係、緑と言えばマツクイムシなんかもうその象徴的な日本の風土にいまなってしまっております。そういった面をあわせまして、これから建設行政、いろいろな面で取り組んでいかれなければならぬと思いますが、私は大臣一つ……。  今度の第二臨調で補助金の問題が出ております。これを切るという方向でございますが、それをしっかり支えていただきたい。私なりには補助金もいろいろあると思います。事業をやる、根っこはほかの人が出して、それに国が出すという補助金、それと建設省のは性質が違うと思うのです。大体根っこを建設省が出して、それに乗ってくるような補助金だろうと思います。そういった意味で、まあ補助金の高をきょうは検討するわけじゃございませんけれども、特に公園につきましては先ほどお認めになったようにばらつきが余りにもあり過ぎますので、地元の対応いかんということもございますけれども、先ほど大臣おっしゃいましたような近代的な国土づくりでございますか、これを建設省のリーダーシップでしっかりとやっていただきたい。このことを御要望もし、大臣にその補助金の問題と、それからそういう公園づくりにつきまして建設省の対応をもう一言承りまして質問を終わりたいと思います。
  217. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 お答えいたします。  非常に御配慮賜った御提言をいただきました。先生のおっしゃる趣旨をよく体して、補助金等の問題ある。いは緑化の問題を含めて、日本人としてこの狭い国土で住む上の環境整備のための最も重要な問題と受けとめておりますので、積極的に取り組んでまいりたい、このように考えるものでございます。
  218. 林保夫

    ○林(保)委員 ありがとうございました。終わります。
  219. 稲村利幸

  220. 中島武敏

    中島(武)委員 それでは、大臣ちょっとあれですから、都市公園法の問題について伺います。  日本における都市公園整備、これは諸外国に比べて非常におくれている。とりわけ首都東京の公園面積は、諸外国の主要都市に比べても著しくおくれている。けたが一けた違うわけですね。国内の主要な都市に比べましても最低である。今度の第三次五カ年計画で、一人当たり四・一平米を五・〇平米にする、こういう目標を立てているわけですけれども、東京の場合には、五十三年度末で一人当たり一・七平米です。  六十年までの五カ年計画でどれだけ整備しなければならないというふうに考えておられますでしょうか。
  221. 升本達夫

    升本政府委員 第三次五カ年計画、全国ベースで六十年度五平米にいたすことを目標にいたしておるわけでございますが、この地域町な積み上げにつきましては、実はいまの時点で正確な数字を持ち合わせておりません。しかしながら、ただいまおただしにございましたように、現状におきまして東京都は全域で一人当たり二平米、それから二十三区内では一・七平米という状況でございます。全国ベースの現状が御承知のとおり四・一平米ということでございますから、これを全国ベースで五平米に引き上げられるだけの整備量の伸展ということになりますと、並行的に考えますと、東京都の場合、まあ二・五平米に至ることができるかどうか、二十三区内でございますが、そのようなところまでいけるかどうかということがこれからの課題ではないか。いずれにいたしましても東京都における公園整備水準は低いわけでございますので、さらに一層の努力を東京都にも望みますし、私どももいたさねばならないと考えております。
  222. 中島武敏

    中島(武)委員 東京都の公園整備方針を調べてみますと、五十五年度の末で、一人当たり二・七五平米という数字が出ていますが、これは都市公園というのじゃなくて、その他の公園をも全部ひっくるめての、公園という名のつくものはすべて集めての数字ですけれども、これを五十六年から六十五年の十年間、一人当たり四・三三平米にする、こういう方針を持っているのです。ところが、革新都政時代にどうだったかといいますと、五十一年度末で一人当たり二・二平米を六十年までに、つまり九年間で一人当たり五平米にする計画だったわけであります。鈴木都政になって、これは率直に言って一人当たり面積についても目標年についてもダウンしているというのが実態であります。建設省としては、いま第三次五カ年計画を立てて、東京の場合にもそこへ引き上げていかなければならないという立場をとっておられるわけですけれども、いまの答弁からしてもそうだと思いますが、東京都のこのダウンしていることについてどういう見解を持たれるか、これをまず聞きたいと思うのです。
  223. 升本達夫

    升本政府委員 東京都に限らず、大都市におきましては地価の条件が、非常に高くなっておるという条件がございますし、あるいは土地利用の単位が非常に小さくなっている状況もございますし、全国レベルに比べますと、公園に限りませず、公共施設整備というのは非常に困難な条件になっているというふうに理解をいたしております。その中で、特に東京におきましては、部分的に見ますとかなり整備が行われている地域もございますけれども地域が広がりが広うございますために、なかなかその全域にわたりまして整備の推進を図っていくことは困難の大きいことというふうに理解をいたしております。  いずれにいたしましても公共施設整備は、用地の買収から始まりまして、総合的な計画に基づいて積み上げを行っていかなければならない作業でございますので、一年、二年にしてこの条件を、飛躍的に整備水準を引き上げるとかいうことはむずかしい問題だと思っております。われわれとしては、そういう条件のむずかしさを十分認識しながら、今後その施設整備について助成を考えてまいりたいと思う次第でございます。
  224. 中島武敏

    中島(武)委員 いろいろな困難があるということは当然なんですけれども、だんだんレベルダウンしているというこのことについて、建設省の方ではもっとこの際、第三次五カ年計画というのもつくるわけでありますけれども、もっといまの困難を突破して引き上げていくということを指導する気持ちはありますか。
  225. 升本達夫

    升本政府委員 長期計画をつくって整備促進するわけでございますから、可能性のある限り目標値は高く設定するように努力をいたすべきことと考えております。  そこで問題は、その計画の実現の保証でございますけれども、東京都の場合におきましては、やはり基地の跡地でございますとか、あるいは筑波研究学園都市への移転機関跡地でございますとか、そのような国有地、公有地、それからさらには立地の条件の変化に伴って地方へ転出を意図される工場の跡地、そういったいわばまとまりのある用地の供給に対して的確に対応していくという姿勢が一つ重要な姿勢だろうと考えます。  それともう一つは、江東区等のいわゆる防災拠点の整備等を中心とするいわゆる再開発事業、この再開発事業の推進につきましては、いろいろ御異論があろうかとは思いますけれども、これは一つ市街地整備の方向だと私どもは考えております。この再開発事業促進を図ることにより、その再開発事業とあわせてできるだけオープンスペースの確保を図っていくというような施策もまた重要ではないかというふうに考えております。これは施策をいずれにしても総合いたしまして、計画の実現を図ってまいりたいと考えております。
  226. 中島武敏

    中島(武)委員 いまどういうふうにして都市公園をつくり、整備していくかという問題について答弁がありましたが、私は東京で都市公園をつくっていく、あるいは公園をつくっていくという場合に、国有地を有効に活用するということが非常に大事なことだと思っております。筑波の跡地については、もう数年来いわゆる防災公園として機能できるように、国の方の国有財産中央審議会の答申に基づいて整備をされつつあるわけでございます。こういう比較的大きな国有地でなくても、たとえば二千平米以下というような小規模なものであっても、ふだんは公園として住民利用をしている、そしていざ震災というようなときには防災活動の拠点として機能する、そういう公園施設をたくさん設けていく必要があるんじゃないかというように考えるわけであります。ふだんはよろしいのですけれども、いざというときに同時に備えるわけですから、貯水もされているあるいは可搬式のポンプもある、そしてまたいざというときに初期消火の活動を行う拠点にすることができる、まあ火災の延焼をとどめるという役割りを果たすわけであります。  私は、この問題について言いますと、東京都は五十二年から計画的なこれの整備にかかったわけです。五十三年度から区に対してこの事業を移管をしております。そして五十六年度、本年度ですけれども、本年度からは、いままで二分の一の補助が東京都からなされておりましたが、これが実は打ち切りになってしまった。これは強調されているほどには東京の中では進んでいないのです。  問題は二つあると思います。一つは何かというと、いま言いました補助の打ち切りという問題、もう一つは、やはり木造密集地域に適当な空地がないという問題なんです。  そこで、大蔵省が来ておられると思いますが、私は大蔵省にお尋ねしたいのです。  二千平米以下の国有地の空地を公表する用意があるかどうか。それから、あるいは都や区から要請があった場合にはこれに積極的に応ずるという用意があるかどうか、この点を伺いたいのです。
  227. 桜井直

    桜井説明員 お答えいたします。  いま先生からもお話がありましたように、都市、それから都市周辺に所在しております国有地は非常に残り少なくなってきておりますが、そういうことがございましたので、それの有効活用につきまして、昭和四十七年三月十日でございますが、国有財産中央審議会の答申の趣旨にのっとりまして、国有地は従来よりも一層公用、公共用の用途に優先的に充てるということを基本方針といたしまして、その有効活用を図るということになっておるわけでございます。  いま先生お話しの未利用の国有地、非常に数が少なくなっておりますが、私ども管理しております場合に、やはり大きいものはある程度重点的に見ておりますけれども、非常に規模の小さいものになりますと、いろいろ調査をしないとなかなかわかりません。これはどういうものが現実に都内にあるかということになりますと、ある程度時間をかけて調査していかなければならないわけでございますので、現在すぐここでどういうものがあるというふうなことを申し上げる準備はございません。それがまず第一点でございます。  それから、では次に、地方公共団体等からそういう要請がある場合に応ずるかというお話でございますが、地方公共団体から国有地をたとえば公園に充てたいというふうな申し入れがございました場合には、先ほど申しましたように、国有財産中央審議会の趣旨にのっとりまして公用、公共用の用に充てるということでございますので、公園のほかにも公用あるいは公共用の用途に欲しいという申し入れのある場合もございます。したがいまして、そういうふうないろいろな要請等を比較検討いたしました上で対処していくということになろうかと思います。  なお、この二千平米以下のものにつきましてもそういう方針でございますので、もし地方公共団体から公用、公共用の用途へ充てたいというふうなことがありますれば、私どもも積極的にそれに対応してまいりたい、かように考えております。
  228. 中島武敏

    中島(武)委員 いまの話で、自治体の要請には応じていくというのですけれども、二千平米以下の小さいものはどこにあるかということについてははっきりしてない、調査が必要だ、そういうふうに私いま答弁を伺いましたが、それで違いありませんか。これはそれぞれのところから要請しようと思ってもなかなかわからない場合もあるのです。これは国有財産だということがわからない、要請したいと思っても要請できない、そういうことがあるわけですね。ですから、私はこれは積極的に調査してもらってそして公表していくというようにして、小さいものですから、しかしその小さいものが実は公園としても、また防災活動の拠点としても活用できるというものですから、積極的な調査と公表といいますか、そういうことをやるべきじゃないかと思うのですけれども、ちょっと重ねてお聞きしたい。
  229. 桜井直

    桜井説明員 私、先ほども申し上げましたが、いまちょっと説明が十分でなかったかもしれませんけれども、未利用の国有地は非常に数は少なくなっておりますが、二千平米以下のものにつきまして、地方公共団体等がもしそれを公園とかそういう公共の用に充てたいという要望がありますれば、それに積極的に、むしろ私どもの方からそういうふうなことで要望を承って、それに売り払うとかいう方向で持っていきたいということで、すでに本年度から各担当の財務局で行っているところでございます。
  230. 中島武敏

    中島(武)委員 調査しないとわからないというのは。
  231. 桜井直

    桜井説明員 それは、たとえば東京都につきまして、これは二十二区ございますが、そこに現在どういうものがあるかということを財務局の方で調査してリストアップしませんと、ここでお答えできるような資料は持ち合わせておりません、こういうことでございます。調査すればそれはもちろん可能でございます。
  232. 中島武敏

    中島(武)委員 私の言っている趣旨は、地方自治体でわからない場合がある、必要だと思って要請するのにわからない場合がある。だから、たとえば中央区なら中央区でこれがありますよとか、あるいは、どこでもいいのですけれども、どこそこの区にはこういうのがありますよというようなことを積極的に知らせることはやりませんか、やるべきじゃないか、こういう意味です。
  233. 桜井直

    桜井説明員 それにつきましても、これは各財務局の現地ではある程度対応していることかと思いますが、現実に地方公共団体当局に国有地についてこういうものがありますが要望はありませんかという場合には、いま先生がおっしゃいましたようなやり方をすることになるだろうと私は考えております。
  234. 中島武敏

    中島(武)委員 積極的に対応していくというお話です。どうぞひとつ、これは本当に積極的な対応をすることによって、東京のような過密都市の中における公園面積を広げる、そしてまた防災活動にも役立たせるというようにぜひやってもらいたいと思います。  次に、関連しますが、不燃化促進事業についてお尋ねしたいと思うのです。これは、一定のある場所が確保できた、そこを避難広場として指定する、あるいはまた一時避難地にするというような場合にも、周辺の不燃化事業が必要であります。具体的に言いますと、筑波移転跡地の一つであるところの蚕糸試験場本場についてですが、ここは国有財産中央審議会でも跡地は避難場所を兼ねた公園にするのがよいというようになっております。そして防災機能を高めるために周辺の不燃化を図るのがよろしい、こういうふうに述べられているわけです。ところが、この蚕糸試験場本場は四・二ヘクタールの広さしかないのです。つまり、建設省が定めております防災公園の基準、おおむね十ヘクタール、これの半分足らずというところであります。それで、国の不燃化促進事業もこのままでは適用できない。そこで、周辺の墓地とか空地を合わせて十ヘクタールになるようにして国に対して申請をしようということになっているわけであります。そこで私は考えるのですけれども防災公園はおおむね十ヘクタールというのは少し広過ぎるのではないかということであります。これから東京の都内で十ヘクタールの空地を確保するというのはなかなか大変なことであります。ですから、この防災公園をたくさん整備していく上でも、あるいはまた不燃化事業促進するという上からいいましても、この基準を厳密に十ヘクタールというふうにするのではなくて、これは幾らか緩和するというふうにするべきではないかと思うのです。この点については建設省としてはどう考えられますか。
  235. 升本達夫

    升本政府委員 おただしの不燃化促進事業対象地域条件といたしまして、避難地または避難路の周辺の区域ということでございますが、この場合の避難地として、私どもはやはり十ヘクタール以上の面積のあるものを考えております。  この十ヘクタールというのが広過ぎるではないかという御指摘でございますけれども、十ヘクタールという規模を定めます場合に、こちらは専門の検討委員会によりまして大震火災時におきます輻射熱の危険度がどの範囲に及び得るかということを算定いたしまして、一時間当たりの熱量の減衰する距離の範囲がどのくらいかというような判断をいたしました結果、おおむね最小限の単位として十ヘクタール程度まとまればというようなところで、これを基準に採用させていただいたという経緯がございまして、災害時における危険から人体を保護するという目的に照らしますと、やはり何とかこの線は守っていきたい、むしろ十ヘクタールに足らなければ、何もオープンスペースだけで十ヘクタールと言わなくてもいいわけで、まさに耐火構造の建物が仮に散在をいたしておりましても、一定のまとまりのある空間が確保されれば、これに加えて十ヘクタールになるということも一つの方法ではないかというようなことも考えておるわけでございまして、総体としてのまとまりとして、やはり十ヘクタールというスペースは確保をしていただきたい。今回の不燃化促進事業もこの十ヘクタールの避難地の周り、おおむね百二十メートルの幅で不燃化をしていただきたいという趣旨の制度でございます。さほどに輻射熱の効果の及ぶ範囲は広いという想定をいたしておりますので、御理解をいただきたいと思っている次第でございます。
  236. 中島武敏

    中島(武)委員 これは余り厳格に適用しないで、十ヘクタールぐらいあれば非常にいいということはそのとおりなのです、十ヘクタール以上あればいいということはそのとおりなのですけれども、では十ヘクタールに足りないから、避難地あるいは避難広場として指定しようと思ってもできない、不燃化事業促進できない、これはやはり考えなければいけない。そういうことをひとつ申し上げておきたいと思うのです。  それから、国の不燃化事業が適用されたとしましても、国の方の補助単価が、木造を耐火構造に直すために必要なコストとしては平米当たり一万一千八百円しか見ないことになっているのです。ところが、実はいま言いました杉並区は、積極的に不燃化事業促進しようと思っているものですから、学者の意見も聞いて試算をしているのです。木造を不燃化するためにはどのくらい金がかかるかということです。そうしますと、実勢でいいますと平米当たり五万四千円ぐらいかかる、そういうデータが出ているわけであります。一万一千八百円と五万四千円ですから、ずいぶんかけ離れているのです。これでは余りにもかけ離れているわけですから、積極的にこの事業を推進する上からいって、この際補助単価を上げる必要があるのじゃないかというように考えるのですけれども、この点はどうですか。
  237. 升本達夫

    升本政府委員 本年度、五十六年度の補助単価が、一般建築の場合ですと平米当たり一万一千八百円、おただしのとおりであります。これは五十五年度、昨年度平米当たり単価一万一千百円に比べまして六・三%ふやさせていただいております。この標準の単価が実勢単価に比べて低過ぎるではないかという御指摘でございますが、もちろんこれは平米当たりの耐火構造の建築費そのものではなくて、木造の建築費と耐火構造にするための建築費、この差額を補助対象と考えておるわけでございまして、この考え方によりまして、住宅金融公庫の標準建設費を基準にとりまして、耐火構造と木造との平米当たりの単価差、その差額に相当する額を補助対象の単価と考えているわけでございますので、ほかの制度において採用されているものとのバランス、整合をとって定められておりますし、また、その変化に伴って、増加に伴ってこの単価の改定も行ってまいりたいと考えておりますので、さほど極端に実勢と乖離するようなものではないだろうというふうに私どもは考えているわけでございます。
  238. 中島武敏

    中島(武)委員 それは局長全然違う。この単価の出し方はそのとおりであり、また、政府の方が金融公庫の資料を使っておられるのも私は存じております。しかし、実際はどうなのかといいますと、さっき言ったぐらい大きな違いがあるのです。ほっておきますと、こういうのはなかなか大切なことが促進されないということになるのです。ここは、いやこれで適当だと思いますというような答弁をしておっては進みませんよ。大臣、この辺はどうお考えになるか。やはり積極的に進めようと思ったら、これは検討してもっと事業が進むようにしようというふうにお考えになりませんか。これは障害になりますよ。
  239. 升本達夫

    升本政府委員 国が直接補助する単価につきましては、これはいろいろな御判断があり得ると思いますけれども、私どもの積算は先ほど申し上げたとおりでございます。実勢との間の相違があるかどうかという問題もございますけれども、助成策はあらゆる助成策が競合してもまたよろしかろうと思うわけでございまして、国の直接補助をもって必ずしも十分でないといたしましても、地方公共団体レベルの助成策ということも考えられましょうし、また私どもといたしましては、この制度が発足いたしましたのは昨年度でございますが、今年度から特にこれに加えまして開銀の低利融資制度、この不燃化促進事業にかかる建物に対する融資でございますが、これを新規枠を設けて新しく創設いたしました。さらに住宅金融公庫の融資、これは一般住宅の融資はもちろん在来あったわけでありますが、これの特別の貸し付けの対象にこの促進事業による建物の改築を入れていただく、あるいは市街地再開発等に促進事業のための新規枠を設けてもらうというような手だてを講じまして、このような政府関係機関の低利融資制度を本年度から大幅に拡充をいたしたわけでございます。このような制度を使い合わせていただいて促進をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
  240. 中島武敏

    中島(武)委員 いささか問題だと思いますね。地方自治体はもちろん積極的に助成をするべきでありますが、国の方が実勢とずいぶん離れている。離れているのは仕方がない、あとは地方自治体の方でやってくれ、それからほかの適用できる制度もあるからこれも活用してもらえばいいじゃないか、これはやっぱりよく検討してもらいたいと思います。しかし、どうもここは見解が、大分隔たりは大きいな。大切な事業がもっとよく促進されるように政府、建設省の方でも考えるべきじゃないかと思うのです。  では次に移りますが、避難場所の安全性の問題について伺いたい。  震災の際の避難場所が安全でなければならないことは当然なんです。いま都内に百三十四カ所の避難場所を設定しています。ところが、東京都の被害想定によりますと、たとえば北区、板橋区で言いますと、高島平団地のある高島平二、三丁目周辺あるいは国鉄田端尾久操車場あるいは荒川河川敷あるいは王子六丁目北高・駿台学園周辺あるいは公団豊島五丁目団地、これはみんな昔は海だった地域であります。三十メートルあるいは五十メートルという深い沖積層ができておる。大変な軟弱地盤で、これは何も北区、板橋区だけに限りません。東京の東部地域一帯がそうですし、北部も一部そうであります。あるいは都心部においてもそういうところは見られますし、都心部の近くにも見られる。関東大震災のときにどうだったかということなんですが、北区の場合でいいますと、これは東京都の被害想定の報告書に載っているところですが、土地の亀裂、噴砂噴水、それから荒川の堤防も赤羽の北東部で損傷が著しかった、こういうことがいわれています。  そこでお尋ねしたいのですけれども、東京は本当でしたら液状化現象なんかが起きない地域を指定したいのですけれども、そういう広場がないのです。それでやむを得ずこういうところを指定しているということであります。しかし、安全性はどうかということになりますと、いま申し上げたように関東大震災のときにも液状化現象が起きている。そういう点から言いますと、この低地帯にあります避難広場についてチェックする必要があると思うのです。そして、東京都に対してもそうやるべきじゃないかということを指導するべきだと私は思うのですけれども建設省としてはどうでしょうか。
  241. 升本達夫

    升本政府委員 おただしの液状化現象に対する対応の方策につきましては、後刻国土庁なり担当所管の方からお答えがあろうかと思うわけでございますが、私ども建設省といたしましては、東京を含む大都市等地震のおそれの多い地域につきまして防災対策緊急事業計画を、十カ年の緊急整備計画というものをつくるように指導いたしておりまして、その緊急事業計画の中で足らざる避難地、広域避難地を確保するあるいは不適当な避難地を廃止して、より適当なところに避難先を求めるというような対応施策がとれるように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。東京都につきましては、この緊急事業計画が間もなくでき上がるというような状況に至っておりますので、できるだけ早い時期にこの事業計画を定めて、十分な対応姿勢がとれるように積極的に指導してまいりたいと考えております。
  242. 中島武敏

    中島(武)委員 安全性についてのチェックですね、この点についてはどうですか、液状化現象についての。
  243. 柴田啓次

    ○柴田(啓)政府委員 液状化についてお答えをいたします。  液状化というのがどういう場合に起きるかというのは、過去の地震記録から見まして、水を多く含んだ砂層を有する地盤で発生しやすいということが知られているわけでございます。そういう意味で、たとえば沖積はんらん原とかあるいは海岸埋立造成地とか、三角州地帯というのは比較的発生しやすい地点でございます。それから扇状地あるいは砂丘の分布地域、洪積台地間の小谷地というようなものも発生の可能性があるわけでございます。山地、丘陵地におきましては液状化の発生の可能性が非常に少ない、液状化しないというふうに考えられるわけでございます。  ただ、液状化の可能性の判定というのは、一つは地盤の問題と、もう一つは、他にどの程度の強さの地震動が来たときに実際に液状化が起きるかという問題と、あわせて考える必要があるわけでございます。ただ、従来の地震の経験からしますと、地盤の液状化というのは比較的限られた場所において起こっているわけでございます。そのために、避難地全体が広範にわたって液状化するという事態は考えにくいわけでございます。また、指定されている避難地への避難自体が、地震が発生した後で市街地火災が起きて、それから避難をする、こういうことでございまして、液状化をするにいたしましても、地震の発生と同時に仮にそこの地域が液状化を起こすならば起こすわけでございますから、地域住民が避難地へ逃げていて、その避難地が液状化したために重ねて被災をするというようなことはちょっと考えにくいのではないかというふうに思います。
  244. 中島武敏

    中島(武)委員 ところが、すぐ近くに避難広場がある。そして、関東大震災程度の大地震で火災が発生しなくても逃げなければならないという場合もあるのです。地震が起きてしばらくしてそれからなのだから、液状化現象が終わってから避難地へ逃げていくのだから、その避難地は液状化現象が起きた役なんだというふうに言うのは、現実の問題として言い過ぎだと私は思います。  それから、荒川につきましては、この間、三月十八日ですけれども、私ども地震のシンポジウムをやりました。ここで東京都立大の教授であり、東京都防災会議の専門委員である中野尊正さんが報告したわけでありますが、「堤防の問題については、堤体の下につよい液状化する箇所が荒川ぞいには何か所かあります。この範囲は大きいものですから、かなり規模な工事が必要かと思います。」ということを報告しているわけであります。これは東京都の被害想定の報告書におきましても、そのことが記されております。また、ごく最近行われました埼玉県の被害想定におきましても、埼玉県南部における液状化現象の危険性ということを指摘しているわけであります。私は、これに対して建設省としても対策が必要じゃないかというように考えるわけでありますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
  245. 小坂忠

    ○小坂政府委員 ただいまおただしの地震時の荒川堤防の液状現象との関連でございます。  地震時の液状化という現象、これは一般に飽和した緩い砂質土が前月断強度を失いまして液体状になり、支持力を失ってしまう、その結果、上に乗っておる堤防が沈下するということでありますが、その要因となるのは、地震による地盤内の繰り返し勇断応力の大きさと回数、あるいは砂質土の粒径、それからその粒径の分布、密度、地下水位、上に乗っております堤防の形あるいはその高さ、そういった要素が複雑に作用いたしますので、ただいま御指摘の中野先生のお話もございますが、明確にこれを数字の上で解明するということは、現在の技術力ではなかなかむずかしいことではなかろうかと思います。しかしながら、私どもとしては関東大震災という一つの貴重な体験があるわけでございまして、いま先生からもお話がございましたようなそれの実際の資料もございますので、それを参考にいたしまして大体想定いたしてみますと、当時の陥没個所の沈下量で大体一メートル二十ないし一メートル五十、一番大きいところは三メートル程度のところもあったというふうに観測されておると言われております。  先生の御指摘は、多分現在の荒川の堤防の、緩傾斜堤防の部分だろうと思います。それにつきましては右岸、左岸、若干様相は違っておりますが、それらにつきましても関東大震災のときから比べますと二メートルないし二メートル五十程度すでに堤防が高くなっておるという事実と、それから全般的に補強が行き届いておりますので、震災時の推定水位に対しても一応現在のところ安全であろうというふうに私どもは考えております。しかし、ただいまお話のございましたように、これは非常にむずかしい問題でございます。東京都におきましても、先生が御指摘のように昭和四十五年でございましたか、委員会をつくりまして、中野尊正先生もその一員になっておられるわけですが、いろいろ検討したその結果もございます。私ども建設省としても、この荒川の右岸堤防は直轄堤防でございますので、建設省内部に河川堤防震災対策計画調査研究会というものを置きまして、関係者寄りまして、特に土木研究所を主体にいたしましてこの河川堤防耐震能力の判定の手法あるいは耐震対策の方法、それから応急復旧が一番重要になりますのでそれの方法等、それらについていままで何回かたび重なる討議を続けておりますが、今後もそういった検討は続けてまいり、実際の施策にも反映していきたいというように考えております。
  246. 中島武敏

    中島(武)委員 その際に、東京都の方ですでにこういう発表を行っており、埼玉県の方でもそういう発表を行っているのです。それだけによく東京都あるいは埼玉県等と連携をとってやることが必要だと思うのです。そしてこれは非常に大事だという結論が出たら、出たらというか、大事なんですけれども対策にまでやはり進んでいく必要があるのじゃないか。単に論議している、研究しているというだけじゃだめなんですから、よく連携をとること、そしてまた対策へ向かって進むこと、これが必要だと思いますけれども、どうですか。
  247. 小坂忠

    ○小坂政府委員 検討ばかりしておるわけではございませんで、実際に対策もそれに合わしてやろうということで、特にただいまの東京都の行いました委員会の結果に基づいては、たとえば江東三角地帯の耐震対策であるとか、それもたとえば東半分、西半分、いろいろ方法を変えましていろいろな対策をいま講じつつあるところでございますし、それに対して国も参画して一緒にやっておるということでございます。なお解明すべきいろいろな問題もございますので、それについては今後検討していくということでございます。
  248. 中島武敏

    中島(武)委員 時間がだんだん迫ってきましたので、さっき大臣に最初に聞こうと思っていた問題について伺いたいと思うのです。それは、実は質疑に入る前にお尋ねしようと思ったのですが、有事法制に関する中間報告、この問題なんです。御存じのように防衛庁から先日発表されたわけであります。これを読みますと、自衛隊法百三条の政令化作業の推進方向、これが非常に明確に示されております。  そこで大臣お尋ねしたいのです。わが国の現行法制下において、国民の所有する土地を公共の利益のために収用する場合、土地所有者等の権利を尊重する立場で手続上の配慮が行われていると思います。これは国民財産権を保障している憲法二十九条との関係ではどうなっているのかということについて、まず最初に伺いたい。
  249. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 大変むずかしい質問でございます。  わが国国民の権利義務を当然認めているわけで、特に先生の、財産権と治権の問題であろうかと思いますが、これはもう当然日本の法律的にも認められていることで、これにとやかく、憲法上の問題もそうでありますが、コメントする必要がない問題ではなかろうかと思います。
  250. 中島武敏

    中島(武)委員 コメントする必要がないというのはどうなんですか。はっきりおっしゃっていただいて結構なんです。私はまだ有事法制の問題について聞いているのじゃないのですよ。憲法二十九条では財産権を保障する、こうなっているわけです。ところが、その公共の利益のために収用する場合には、やはり一定配慮を加えなければならないという考えなんじゃないですか、現行法制上は。違いますか。
  251. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 これは法律をそのまま素直に解釈すればよろしいのじゃないでしょうか。
  252. 中島武敏

    中島(武)委員 どうもおっかなびっくり御答弁をいただいているような気がしてならないのだけれども、それじゃ、たとえば起業者が知事等の事業認定を受けて、そして土地所有者等との土地の収用、使用等に係る一切の交渉なんかやらないで、起業者自身が一方的に土地の収用、使用を行うということば、土地収用法から見ても不可能だと思うのです。そして、もしそういうことをやれば違法なものと思うけれども大臣はどう考えますか。
  253. 宮繁護

    宮繁政府委員 法律技術的な点でございますので、私からお答えいたします。  土地収用法では、公共の事業に要する土地の使用、収用につきまして、一般的な制度として収用法が制定されておるわけでございます。この法律に基づきまして土地を収用いたします場合でも、当然その前に所有者と協議をするという規定になっております。これは法律に基づく協議でございますけれども、事実上はその収用法に基づかないで、任意買収というような長い期間の交渉をしまして、そうしてそれがまとまらない場合に収用の手続に入る。しかも収用の手続に入りましても協議をするという規定がございます。しかし、この収用法の規定の中にも、非常災害のような場合におきましては一時使用が認められておりまして、この場合は土地所有者等に通知をすれば足りる。緊急時につきましてはそういう特別の規定がございます。
  254. 中島武敏

    中島(武)委員 土地収用法にもいろいろと手続を定めて、そして土地の所有者等に対する権利の尊重といいますか、これをやっているというのが、いまの局長の答弁だと思うのです。  大臣、もう一つ聞きます。だれかが現在、何の交渉もしない、それで土地の使用や収用をやるということになったら、これは憲法無視と言わなければなりませんし、また、土地の収用や使用に関する法律を無視していることに当然なると思いますけれども、そうお考えでしょうか。
  255. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 だれかがということで、私ども法律の専門家でないものですからわかりませんけれども、とにもかくにも現行の憲法、法律があるわけで、それに準じてやれば間違いはないのじゃないでしょうか。いささかちょっと答えになるようなならないような、いささか専門外でございますので……。
  256. 中島武敏

    中島(武)委員 どうも答えにならない。はっきりおっしゃっていただけばいいんです。大臣土地収用の問題についての担当大臣じゃないですか。ずばりちゃんと、きちっとお答えいただけばよろしいと思うのです。  防衛庁の中間報告によりますと、土地の管理、使用または収用に際して対象となる土地施設等の所有者または占有者に一片の紙切れにすぎない公用令書を交付すれば、起業者である自衛隊が一方的にないし権力によって土地の収用等が行えるようにする、こうなっているわけですね。これは現行の土地収用法はもちろんのこと、憲法にも相入れないものであると大臣は考えませんか。
  257. 稲村利幸

    稲村委員長 大臣の答弁の前に、所定の時間が過ぎましたから、所定の時間は二十五分までですから、大臣の答弁を求めて……。
  258. 中島武敏

    中島(武)委員 大臣の答弁を求めているのです。
  259. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 前段が、防衛庁が起業者で云々ということでございますけれども、そう言われますとちょっと私コメントする立場でないわけで、そのことについて別にかかわっておりませんし、聞いてもおりませんし、新聞では研究して中間報告云々と見ましたけれども、コメントする立場でない、かように考えます。
  260. 中島武敏

    中島(武)委員 コメントする立場でないことはないのですよ。私が聞いておりますのは、土地の収用、使用に関する問題について聞いているのです。斉藤さんは担当大臣じゃありませんか。(「所管じゃない」と呼ぶ者あり)いや、建設大臣の所管です。これについて明快な答弁をされないというのはよろしくない。はっきり答弁してもらいたい。
  261. 稲村利幸

    稲村委員長 申し合わせの時間が経過しておりますので、中島委員よろしくお願いいたします。  それでは最後に建設大臣
  262. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 あれこれ想定しての御質問のようでございますが、私は法治国家の国民として憲法、法律を議してやっていきますれば間違いはないのじゃなかろうか、このように考えるものでございます。
  263. 中島武敏

    中島(武)委員 これで質問は終わりにいたしますが、もっときちんと歯切れのよい答弁をするべきであるというように思うのであります。有事法制についての中間報告、これの土地の収用、使用問題というのは、建設大臣所管のことにもろにかかってくる問題でありますから、大いに心して、きちんと日本国憲法をしっかり守っていくという立場でやらなければならないということを申し上げて、質問を終わります。
  264. 稲村利幸

    稲村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  265. 稲村利幸

    稲村委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  266. 稲村利幸

    稲村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  267. 稲村利幸

    稲村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、池田行彦君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。池田行彦君。
  268. 池田行彦

    ○池田(行)委員 ただいま議題となりました都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブを代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。     都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たつては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一 公園緑地整備重要性にかんがみ、五箇年計画の完全達成を期するとともに、地方公共団体の財政負担の軽減に配慮すること。  二 公園緑地整備に当たつては、防災機能の強化を図るとともに、特に防災公園国民の体力及び健康づくりに資する公園緑地等の整備配慮すること。  また、国・公有地、工場跡地等の積極的な活用に努めること。  三 大規模公園緑地整備及び管理に当たつては、地域の実情を反映させるため、関係地方公共団体及び地域住民の意向に配意するとともに、地元負担並びに利用者に対する入園料等の負担の軽減に努めること。  四 都市における緑の保全と創出を図るため、総合的な都市緑化対策を推進すること。   右決議する。 以上であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  269. 稲村利幸

    稲村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  270. 稲村利幸

    稲村委員長 起立総員。よって、池田行彦君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、斉藤建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斉藤建設大臣
  271. 斉藤滋与史

    斉藤国務大臣 都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきましては、慎重御審議の上、全会一致をもって議決いただき、まことにありがとうございました。  審議中における委員各位の御高見につきましては今後その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましてもその趣旨を十分に尊重し、今後の運用に万全を期してまいる所存でございます。  委員長初め、委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。     —————————————
  272. 稲村利幸

    稲村委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  273. 稲村利幸

    稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  274. 稲村利幸

    稲村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十四分散会