○山原
委員 次に、実際に私どもが関係した気持ちの経過をちょっと申し上げてみたいと思います。
私は高知県ですが、
先ほどちょっと
井上さんからの質問がありました。明石−鳴門
併用橋、このことを強調してきたわけですね。当時私は県議会におりましたが、必ずしも私はそれには賛成する気持ちもなかったわけですが、ずいぶん激論も闘わされたわけです。しかし、それが
一つの県是という形になってきたことは否めなかったと思います。むしろそういうことを県是とすることに対して私は批判的な立場をとっておったわけでございます。ところが、こういう形で県は県で中央に対する、政府に対する陳情を行います。このためにずいぶん巨額の金も使われておるわけでございます。そしてそれに対して政府側におきましても、一定のこれにこたえるような幻想的な発言もなされてまいりました。
ところが、これが
変化してくるわけですね。
一つは
経済状況の問題、もう
一つは国鉄の赤字問題、それからこの運動の中心として構成されておりました六団体、これは兵庫県であるとか徳島県であるとか高知県であるとかいう六つの団体が組織をしておったわけでございますが、こういう情勢の
変化の中で立場の異なる
意見も出てまいりました。そして五十五年の九月十八日に、忘れもしませんけれども、自民党の促進議員連盟で決議が行われまして、明石−鳴門橋は単独橋となるということがここで明らかになってきたわけであります。このときにはずいぶん大きな反響を呼びまして、その自民党の促進議員連盟の決議の四つをいま思い起こしてみますと、
一つは、明石−鳴門は単独橋にし、そして鉄道についてはトンネル案というのが出てくるわけです。トンネルについては、それはどういうふうに発展するかわかりませんが、とに
かく第一項はそれが出てまいります。第二項には、
道路五カ年
計画に位置づけをしてこの単独橋をつくっていく。第三番目が鉄道は上記五カ年
計画にあわせてトンネル工法を
実施の
調査に着手されたし、要するにトンネル工法については、単独橋としてこの
道路五カ年
計画に組み込んだ場合にそれと並行してその
調査を
実施されたいということです。それから、これにつながる地方交通線の
建設、整備の一層の促進を図られたしというのが出てくるわけですね。これがまた問題になってくるわけです。四番目に、これにより予想される自治体負担は国において特段の措置をされたし、これが
先ほど申しました五十五年九月十八日に行われました自民党促進議員連盟の四項目の決議であります。
ところが、鉄道問題が出てくるわけですね。鉄道問題については、トンネルと書いておりますけれども、このトンネルをどこにつけるか、あるいはそのトンネルをつくった鉄
道路線には新幹線が入るのか、在来線が入るのか、これも不明確、あいまいなままでこの決議はなされております。徳島県の方におかれてはこのトンネルの場所を紀淡海峡につくって在来線にする、そしてこれを阪和線につなぐ、こういうお考えが出てくる。兵庫県の場合は兵庫−淡路のトンネルを期待するということが出てまいりまして、これは新幹線を通すのかあるいは在来線を通すのかは不明な御
意見が出てまいります。このように事態はきわめて流動的になってくるわけでございます。
一方新幹線は、基本
計画に新幹線を導入するということが出ているわけです。二つ出ています。それは、
一つは明石−鳴門を通りまして、愛媛県の八幡浜に行くところの新幹線、もう
一つは
児島−
坂出を通って高知に向けて行くところの新幹線、こういうものが新幹線の基本
方針の中には出ているわけです。こういう問題がまた一方であるわけですね。
そうして、それもありながらすべてが流動的に動いておりまして、いまやかいもくイメージもわかないという事態にまできているわけですね。長年にわたって政治的に
県民をいわば利用して選挙の材料にしてきたこの本四
架橋というものがいまやイメージもわかないような事態で、雲散霧消するとまでは言いませんけれども、どう説明していいかわからぬような状態にまできておるということは事実なんです。
この本四
架橋、明石−鳴門をめぐりましてこれはこれから先どうなるのか。鳴門海峡の大橋はもう
工事が進んでいます。淡路島へ行きましても、淡路島から先どこへ行くかわからない。ある人は、関西新空港ができたときにそこへトンネルをつけるというような話も出てくるわけですが、とに
かくその辺になってくると、昔
四国の住民に宣伝をしてきたようなことはもう全く見当がつかない、こういう事態になっているわけですね。これは政治家としては重大な問題なのです。まさにいまそういう点で、いまは全くわかりませんという無責任なことを言わざるを得ない
状況に置かれているわけですが、
建設省としましてはこれらについて御
検討されておるでしょうか、また、これらについて何らかの
計画といいますか、構想といいますか、そういうものを持っておられるのでございましょうか、これを伺っておきたいのです。