○
渡辺(修)
政府委員 十一条は交付金の額を規定をいたしておりまして、ただいま
お話のございましたように、一号から四号までの規定があるわけでございます。
まず第一号でございますが、「船舶その他の
事業の用に供する資産で政令で定めるものの減価をうめるために要する費用」こういうことになっております。
一般旅客定期航路事業者が
事業規模の縮小等を行おうといたします場合には、当然船舶その他
事業の用にいままで供しておりましたものが不要になるということが出てまいります、この不要となる資産につきましては、法律の第五条によりまして実施
計画をつくることになっておりますから、この実施
計画に従って転用するとかあるいは売却をするとかいうようなもろもろの
措置がとられるわけでございます。したがいまして、その際当然その資産の目減りと申しますか、減価が発生することが予想されるわけでございます。
そこで、その減価を埋めるために要する費用の算定基準につきましては、いまいろいろと
検討いたしておる最中でございますけれ
ども、おおむね次のような
考え方をとろうというふうに
考えている次第でございます。つまり、資産の現在価格から処分の見込み価格を差し引きましたもの、これを
考えておるわけでございます。ただし、先ほど申し上げましたようにいろいろなケースがございます。まず売却をされました場合どうかということでございますが、売却をされました場合には、適正な売却価格で売れない場合が当然あろうかと思います。そういう場合は、適正と認められるいわゆるその差額、売却損の相当額を
考えております。それから、船でございますから、やはり海洋気象等によりましてその地域に適した船が使われておりますものを他へ転用しようとする場合には、改造しなければならぬという場合もあろうかと思うわけでございます。改造により転用できる資産につきましては、適正と認められる改造費の相当額、こういうことになろうかと思うわけでございます。
それから次に、第十一条の二号でございますが、「
事業の用に供する資産で政令で定めるものの撤去に要する費用」でございます。
〔
委員長退席、
中村(靖)
委員長代理着席〕
これは
事業の
実態によりましては、
事業を廃止するときに撤去を義務づけられているものな
どもございます。たとえば専用に使っております桟橋であるとか、そういったものが例であろうかと思いますが、こういった資産は当然不要になります。法令により撤去が義務づけられている例が多いわけでございますので、縮小する場合にこういったものをやらなければいけない。そういう場合の負担を軽減しようということでございまして、当然その内容といたしましては撤去のために実際に必要とする額、こういう
考え方になろうかと思います。
第三号が「
事業の円滑な転換又は残存する
事業の適正な経営を図るために必要な費用」ということでございます。
事業の縮小等を行う
一般旅客定期航路事業の
事業者につきましては、いままでの経営の基盤を失うということになるわけでございますので、その
影響を軽減するために、転業または残存する
事業の円滑な経営を図るという必要がございます。そのための助成資金を交付しようというものでございます。
そこで、その内容でございますが、従前の、橋がかかる前に営業をしておられました間にありました収益がございますが、この収益の相当額、これは廃止する場合でございます。
事業規模をある程度縮小される場合には、その従前の収益と縮小した場合の収益とのいわゆる差額、これを基準としておるわけでございまして、その二年分に相当する額を基本とする予定でございます。二年分とするということにつきましては、いろいろこれも御要望等もあったわけではございますが、やはり公共
事業の施行におきます損失補償基準におきましても、営業廃止の際には原則として二年という制度でやっておりまして、それらを勘案をいたしまして二年相当分というふうにしている次第でございます。ただし、現在赤字のところがあったらどうかという問題がまた別途あるわけでございます。これにつきましては、他の制度でもございますが、いわゆる擬制収益というようなことで、黒字の収益があったもの、いわゆる一定の限度を
考えまして底上げをいたしたい。しかしながら、それを実施いたします場合には、著しく黒字のところもあるわけでございますが、これにつきましてはある程度の上限は設けさせていただこうというふうな
考えをとっておるわけでございます。
それから第四号が「離職者に支払われる退職金の一部に充てるために要する費用」でございます。
これにつきましては、いわゆる退職金の特別加算をまず
考えておるわけでございます。つまり
企業整理等、
労働者の責に帰せられない事由によりまして
労働者が
職場からの離脱を余儀なくされる場合、これは労働協約等に基づきまして通常支払われる退職金、これは普通退職金と言えばよろしいかと存じますが、それに加えて特別加算があるというのが通例かと思うわけでございます。この特別加算につきましては、当然
雇用者と
労働者の間の
協議によりまして決められるものであろうとは存じますが、そのうちの一定額を交付金ということで
事業者の方に交付をしようということでございまして、その理由は、もとより
架橋に伴う
事業規模の縮小といったものは、その
旅客船事業者の責に帰し得ない理由である、こういうことからまいるわけでございます。
これにつきましてもやはりいろいろ前例等もございまして、大変苦慮したわけでございますが、公共用地の取得に伴う損失補償基準等におきましていろいろこういった例もございますので、給与等の基本月額の八カ月分というものを
公団の方から出す交付金の対象といたしたいというふうに
考えている次第でございます。