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薮仲委員 この問題はいずれ歴史が証明すると思いますので、
指摘しておくにとどめておきますけれ
ども、十分配慮していただきたい点の
一つでございます。
次の問題は、
処理場で発生する汚泥の処分についてお伺いしたいわけでございます。
建設省の方から資料をいただきました、
昭和四十九年以降の資料しかないということでいただいたわけでございますが、私はここで何点か
指摘したいのですが、
下水道の整備がどんどん拡充されていく、そうすると等位級数的に発生する汚泥の量というのはふえてくる。特に
下水道整備五カ年
計画、これは
要求時点ですから
普及率が多少パーセントは違いますけれ
ども、その時点では五五%の
普及率で
要求なさったようですが、その時点で現在の発生量の約倍の発生量になりますよ、大体いま二百四十万立方でございますから、それの倍、五百万立方近いものが発生してまいりますということが
指摘されるわけでございます。
具体的に東京都の例などを申し上げた方がわかりやすいと思うのですが、東京都を調べてみましたところ、東京都の下水局では、東京都が
処理できるのは、
処理できると言いましても陸上廃棄、海面埋め立て、有効利用、海洋還元という
処理のバランスがここに載っておるわけでございますが、この中で有効利用、これは四十九年から五十五
年度までほとんど一一%から一三・九というふうに一〇%台の有効利用で、大宗は何かといいますと、陸上、海上の埋め立てに使われているわけです。これが現在の汚泥
処理です。そこで東京都の話に戻りますけれ
ども、東京都で現在発生している汚泥は、ではいつまで埋め立て可能なのかというと、東京都か水道局では現在中央防波堤内に埋めておりますけれ
ども、六十年まででいっぱいになってしまいます。先ほ
どもお話ございましたように、フェニックス
計画で何とかこの汚泥の広域
処理をしたいんだというのが
建設省の
考えのようであります。しかし、現時点でこのフェニックス
計画がどうなるのかというと、六十二、三年ごろからしか発足しないんじゃないですか。そうしますとここに二年間のギャップがあるわけでございます。いずれにしましても、発生する汚泥というのは五五%で五百万立米、それがさらに九〇%になりますと現在の活性汚泥の
処理方法でいきますとどんどん汚泥がふえていきます。いまから出てくる汚泥をどうするのか。
さっき冒頭に私はなぜこのことを言ったかというと、
下水道処理というのは自然のリサイクルというものをどこかで分断しているわけです。発生した汚泥を大地に還元できるというなら好ましい。有効利用が一〇%です。自然のリサイクルを切断しているこの
建設省の
事業を、リサイクルできないまま放置するとこのように汚泥がどんどんたまってくる。だから私は、
建設省の
事業の一番根底に、大地にリサイクルできるという姿勢がないと大きな
課題を残しますよ、このことなんです。ですから、これがどんどんふえていって海洋もしくは陸上で埋め立てすることができません。しかも、さっきから問題になっていますように、一次、二次
処理では有害物質も必ずしも完全除去できません、農地へ還元するには危険が多過ぎます。重金属等を含んでおったらどうするかということで、必ずしもそれを大地へ還元することは不可能です。こうなりますと、私はここで
指摘したいことが二つある。
一つは、さしあたって、この発生する汚泥を埋め立てに使っておる、
普及率をどんどん伸ばすのは結構だが、汚泥の処分をどうなさるのか、明確にしていただきたい。
それから、私が手元にいただいた資料のこのような
処理のバランス、陸上埋め立て、海面埋め立て、有効利用、海洋還元というバランス、これを変えないと大変なことになる。有効利用の面をさらに拡大し、また、汚泥の発生を少なくするような
処理の方法を
考えないと行き詰まってしまうと私は思うのです。やはりリサイクルができないいまの
下水道処理の根本的な問題がここにある。このバランスを変えなさいということと、さしあたって六十年までは埋め立てをしなければならないのだったら、これはどうやって今後
処理なさるのか、汚泥
処理についての明確なお
考えをお伺いしたいのです。