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藤尾国務大臣 お答えを申し上げます。
この
決算の御
指摘の中の
不用額の問題につきましては、後ほど
政府委員から御答弁をさせていただきますが、御案内のとおりで、私
どもをめぐります
雇用の
関係、こういったものを
考えてみまして
最大の問題は、何といいましても
日本民族全体の
平均寿命が延び、そうしてまた、非常に残念なことでございますけれ
ども、その反面に
出生率がきわめて長年にわたって低下し続けておるということでございますから、そういった大きな環境並びに時代の
流れの中で、私
どもが今日享受いたしておりますような繁栄をさらに一層進めていかなければならぬということになれば、当然こういった傾向に対しまして適切な措置をとっていかなければならぬ、当然のことでございます。でございますから、この
高齢者対策といいますものが、私
どもの所掌いたしております
雇用の問題につきまして
最大の問題を提起しておることはもちろんのことでございます。
私
どもは、とりあえずこういった一つの大きな
流れに対しまして、従来、本当に恥ずかしいことでございますけれ
ども、こういった
高齢者対策といいますものに手がついてこなかった、本当に大きな
流れが
流れておるにもかかわりませず、いまだに五十五歳
定年というようなものが存在し続けてきた、こういった
政治の立ちおくれといいますものは本当に情けない、私
どもの無力のせいでございまして、おわびのしようもないわけでございますけれ
ども、しかしそれにいたしましてもこれを放置しておくわけにはまいらぬわけでございますから、一日も早くこの問題に対処をしていかなければならぬということで、国会の御了解もちょうだいをいたしまして、とりあえずの
目標を、
昭和六十
年度に五十五歳
定年をなくしてあらゆる
事業所で六十歳
定年を実現をするというところに
目標を置いて現に進んでおるわけでございます。
ところが、
昭和六十年というような、これからさらに数年を必要とするというような
時点になりましたときの、その
高齢化の激しい
流れといいますものの実態について
考えてみますと、もうすでにそのときは六十歳の
定年制度を
推進しておるというようなことが、かつての五十五歳の
定年を私
どもが
考えておったような、そのような
考え方になり、時代おくれもはなはだしいということになりかねない、こういうおそれがございますので、私
どもといたしましては、できるだけ早く、この六十年の
目標といいますものを一年でも二年でも早く
達成をさせていただいて、そうして同時に並行いたしまして、六十歳
定年をさらに六十二歳、六十三歳、六十五歳というようなところにまで
延長をしていただく、また、
現実に働いておられます
方々の健康というようなものを
考えてみましても、もう五十五歳になったら年寄りだというようなことではないわけでございますから、そういった
現実といいますものを踏まえたことを
考えてまいりましたならば、できるだけ早くこれを六十五歳
定年の方に切りかえていかなければならぬ、そういうことでございまして、
事業所におかれましても、それぞれのお
立場からそういったことをお
考えいただいて、いままでは五十五歳の
定年を六十歳に
延長するにつきましても
奨励金を出していかなければいかぬのじゃないか、こういう
考えでおりましたけれ
ども、しかしながら、今日では
奨励金を差し上げなければなりませんのは、むしろ六十歳までの
定年というようななまぬるいことではなくて、さらにこれを六十五歳に
延長し、さらにその先にまでやっていただけるというような対応をしていただきますために私
どもが
政治の助成を差し伸べていく、そういう方向に御指導をさせていただく、誘導をさせていただくということがいまや適切になりつつある、
事業主等におかれましてもそのことを十二分に御
理解になっておられる、さように私
どもは感じておるわけでございます。
したがいまして、今後とも、そのような
不用額がいっぱい出てきておるということにつきましては、私
どもの仕事のやり方がおくれておるという御
指摘の面も非常にたくさんございます。しかし、あわせて、そんなものはなくてもやっていくのだ、こういう風潮に現に移っておるといういまの
状況といいますものを、私はここに国民の各位に申し上げさせていただいて、私
どもの
努力をさらに前の方に、六十五歳に向けて前進させていきたいな、かように
考えておるわけでございます。