○土井
委員 あと五分くらいしか時間ございませんから、大変恐縮なんですが、私はまとめて質問を申し上げますので、
大臣の方から率直な御見解をひとつ承ることにさせていただきたいと思います。
今回の
日ソ、ソ日の暫定
漁業協定の
交渉というのは、昨年に比較いたしますと大変違いまして、非常に短期間で
交渉がまとまったということでございます。これはいいことであるというふうに考えなきゃいけないと思うのですが、これにはいろいろな
理由があると思われます。たとえばアフガン問題以降、対ソ非難が非常に多い
国際情勢の中で、
ソビエトは
ソビエトとして
日本との友好
関係というものに非常に配慮をされたということがその背後
関係にあるのではないかというふうなことも、一部で取りざたされているわけであります。
きょうは、ニュースでももう先刻われわれは存じているところでありますけれ
ども、
一般の国民が内容に対して非常に大なる関心を持っております予算の内示の日でございます。今回の予算の中で、増税と、もう
一つは、アメリカ側からのいろいろな注文によって、防衛費の増額というものがなされている。これが
一つは予算の内示の目玉になっているという認識が
一般国民の間にもあるわけでございます。私たちの立場からいたしましても、実は内示のございます前に、その点十分なる論議をすることが本旨ではございますけれ
ども、本日は残念ながら
条約の審議でございますから、こういうことに対する
質疑はいたしません。
ただし、
大臣、防衛費を増額するだけでは対ソ
関係というものは
改善されない。これは言うまでもない話でありまして、むしろ対ソ外交というものは、片や
わが国から考えてまいりましたら、いまほど重要なときはないということが考えられなければならないと思います。
時あたかも
大臣は非常に御苦労されまして、中国からヨーロッパに足を運ばれました。
ソビエトのポーランド介入が起こり得るかもしれないというふうなニュースが報じられている中で、そのようなことになれば、デタントが根底から覆されることは言うまでもございません。ヨーロッパがこれに対してどういうふうな考え方で対処を進めようとしているかということは、
外務大臣とされては先刻はだで感じていろいろおくみ取りの上御帰国になったと思うので、そういうことについての会談の中身で一体どういう感触をお持ちになり、そして、もし
ソ連のポーランド介入という事態が起こるというふうなことがありとするならば、また、西欧諸国はそれをそう見ているのかどうかというふうなことを前提に、外交的、政治的、経済的制裁
措置というのを、この西欧諸国はどのようにとろうとしているというふうに、
大臣としては察知をなすっているか、
日本がそれに対して協力できるのかどうか、そういう点を
一つは
お尋ねをしたいと思うのです。
もうあと
一つは、最近これも大きな問題として取り上げられている、
国際情勢の中での関心事でございますが、インドを訪問されましたブレジネフ・
ソ連書記長が、御案内のとおり、ペルシャ湾岸
地域の安全保障のための、内容は五項目から成る不介入
条約を、
日本を含めまして西欧諸国、
米国、中国に提唱されているようであります。アフガンに軍事介入をしたという前歴がございますし、ポーランドに対してもそういうことがいま一部で憂慮されつつあるような
状況でございますために、この不介入
条約を提唱すること自身がどういう意味を持つのかというのは大変問題になってくるだろうと思うのですが、
外務大臣とされては、
ソ連の
提案の不介入
条約をどう評価していらっしゃるか。
わが国とすれば、もしこういうことに対しての提唱を受けるということであれば、これに対してどういうふうな対応をお考えになっていらっしゃるか、この辺をあらましお聞かせいただきたいと思います。
最後に、もうすでに中国を初めとしてヨーロッパ諸国にも足を運ばれ、精力的に、年が明ければアメリカというふうに、
大臣の外に向かわれる日程というのがどんどん進められていっておるわけでございますけれ
ども、非常に御苦労されているその中で、
大臣が
ソビエトに対して、訪ソという日程が具体化されているようにわれわれはいまだ聞き知っておりません。
大臣とされてはこのことに対しての御予定がおありになるのかどうか、来年の日程の中にはこの問題も含めてお考えになっていらっしゃるのであるかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
以上、四点にわたると思いますが、お考えをお聞かせいただいて、私の質問にしたいと思います。ありがとうございました。