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1981-02-26 第94回国会 衆議院 科学技術委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年二月二十六日(木曜日)     午前十時三分開議  出席委員    委員長 中村 弘海君    理事 椎名 素夫君 理事 塚原 俊平君    理事 日野 市朗君 理事 八木  昇君    理事 草野  威君 理事 吉田 之久君       伊藤宗一郎君    佐々木義武君       登坂重次郎君    中村喜四郎君       前田 正男君    渡辺 栄一君       上坂  昇君    竹内  猛君       瀬崎 博義君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      中川 一郎君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     下邨 昭三君         科学技術庁計画         局長      園山 重道君         科学技術庁原子         力安全局長   赤羽 信久君  委員外出席者         国土庁大都市圏         整備局筑波研究         学園都市建設推         進室長     井上 良藏君         運輸省自動車局         業務部旅客課長 寺嶋  潔君         気象庁観測部参         事官      柳原 一夫君         建設省道路局企         画課長     萩原  浩君         日本国有鉄道建         設局停車場第二         課長      永尾 勝義君         参  考  人         (財団法人国際         科学技術博覧会         協会事務総長) 伊原 義徳君         科学技術委員会         調査室長    曽根原幸雄君     ————————————— 委員の異動 二月二十五日  辞任         補欠選任   川口 大助君     上田  哲君 同月二十六日  辞任         補欠選任   与謝野 馨君     中村喜四郎君   北山 愛郎君     竹内  猛君 同日  辞任         補欠選任   中村喜四郎君     与謝野 馨君   竹内  猛君     北山 愛郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  国際科学技術博覧会準備及び運営のために必  要な特別措置に関する法律案内閣提出第三〇  号)      ————◇—————
  2. 中村弘海

    中村委員長 これより会議を開きます。  国際科学技術博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長伊原義徳君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中村弘海

    中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 中村弘海

    中村委員長 この際、伊原参考人に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は御多用中のところ、本委員会に御出席くださいましてありがとうございました。議事の都合により、御意見質疑応答の形でお述べいただきたいと存じますので、御了承願います。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村喜四郎君、
  5. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 私は、国際科学技術博覧会特別措置法案につきまして、自由民主党を代表し、幾つかの質問を申し上げる次第であります。  このたび政府から、本博覧会国際条約上の手続進展会場地決定等博覧会開催のための諸条件が整ったことを踏まえて、今後の本格的な準備体制を確立すべく特別措置法案提出がなされたので、本日はこの法案中心に、博覧会準備状況、今後の見通し等を含め、幾つかの重要な問題について政府の見解を求めたいと思います。  まず、本博覧会について一昨年十一月の閣議了解によって開催が決まったが、その構想概要、今日までの準備状況について説明をお願いしたいと思います。
  6. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  この国際科学技術博覧会は、わが国といたしましては、御承知のように、大阪万博沖繩海洋博に次ぐ三番目の国際博覧会でございまして、昭和六十年に茨城県の筑波研究学園都市開催することといたしております。  お尋ね構想につきましてまず概要を申し上げますと、正式の名称といたしましては国際科学技術博覧会といたしておりますが、一般に申します場合には「科学万博——つくば’85」というような表現をしたいと思っておるところでございます。  この博覧会の種類は、国際博覧会条約に基づきますところの特別博覧会という位置づけになっております。ちなみにこの博覧会は、大阪万博のような一般博と、こういうある種のテーマを限定いたしました特別博覧会の二つに分かれておりますが、今回はその後者の特別博覧会になるわけでございます。  したがいまして、テーマといたしましては、正式には英語名登録いたしておりまして、英語名ではドエリングス アンド サラウンディングスサイエンス アンド テクノロジー フォー マン アット ホームということで申し上げておりますが、日本語名では当面「人間居住環境科学技術」というような表現をいたしております。  開催時期といたしましては、昭和六十年の春から秋、六カ月間ということを予定いたしておりまして、開催場所筑波研究学園都市、具体的には谷田部町ということにいたしております。  規模といたしましては、予測入場者数は約二千万人と想定いたしておりまして、会場面積は約百ヘクタールということに計画いたしております。  この会場は、いずれ計画をつくりますが、この基本構想を踏まえまして、政府館外国館民間館あるいは公園とか催し物を行う場所等を設置する予定でございます。  会場建設費につきましては、これからまだ検討を進めるところでございますが、会場建設の直接経費が一応七百五十億円程度ということを頭に置いておるところでございます。  もう一点のお尋ね準備状況でございますけれども、昭和五十四年の十一月に、閣議了解に基づきまして博覧会国際事務局博覧会条約を所掌しております国際機関BIEといっておりますが、この理事会に対しまして博覧会の正式な申し込みを行ったところでございます。  BIEにおきましては、この申し込みを受けましていろいろテーマその他についての注文があったわけでございます。その点を踏まえまして、昭和五十五年、昨年の六月にパリで開かれましたBIE理事会に先ほど申し上げましたテーマを提案いたしまして、これが大筋了承されたところでございます。  このテーマを了承いたしました上で、条約上の手続に従いまして、昨年九月二十日から二十八日までBIE予備調査団が来日いたしまして、この博覧会準備状況等調査を行いました。  この調査結果を踏まえまして、昨年十一月二十六日のBIE総会におきましてこの調査結果が報告されまして、これが了承され、先ほど申し上げました昭和六十年春から秋にかけて六カ月間開催するということが承認されたわけでございます。  それで、これも条約上の手続に基づきまして、総会で承認された後四カ月間の告示期間というのがございまして、現在その告示期間の間にあるわけでございまして、ことしの三月二十六日に告示期間が終了いたします。この告示期間は、そのほかの国からの異議申し立て等のためにさらしておる期間でございますが、現在そういった動きはございませんので、三月二十六日に告示期間が終了いたしますと国際的にこの博覧会開催決定されるということで、その後四月二十二日に次のBIE総会予定されておりますので、ここで正式登録をするという運びになるわけでございます。  国内体制といたしましては、財団法人国際科学技術博覧会協会が昨年五十五年三月に、この博覧会開催いたします開催主体として設立されまして、実施体制準備をいたしておるところでございます。博覧会協会会長は当時の経団連会長、現在名誉会長の土光さんでございます。  また、準備の一つといたしまして具体的な博覧会会場用地決定する必要があったわけでございますが、用地につきましては、一昨年五十四年十一月の閣議了解におきまして茨城県が取得するということが決められておりましたので、茨城県において筑波学園都市内に南北二地区候補地を選定されまして土地買収を進めてきておられましたが、これが両方とも取得の見通しが立ったということで、昨年秋国に対しまして会場地選定の要請がございましたので、関係方面と御協議をいたしまして、十二月一日南地区、先ほど申し上げました筑波郡の谷田部町ということに決定させていただいたわけでございます。  次は、中身準備でございますが、この博覧会開催いたします基本構想が必要でございます、この基本構想につきましては、先ほど申し上げました博覧会協会におかれまして各界の有識者を集められて基本構想懇談会あるいは基本構想委員会を設けておられまして、いわゆる基本理念テーマの展開といった基本構想について検討が進められておりまして、ことしの一月に基本構想原案を発表されております。現在この基本構想原案につきまして関係方面に幅広く御意見を求めておるところでございまして、大体ことしの三月末までにこの基本構想が策定されるという予定でございます。  基本構想に基づきまして、次に具体的な会場計画をつくるわけでございますが、この会場計画も、基本構想と並行いたしまして博覧会協会検討を進めておられるところでございます。これもおおむね今年度末あたりに具体的な決定を見るという段階に至っておるわけでございます。  なお、この会場の中には、政府といたしましては開催国招請国にふさわしい出展政府出展という形で出展することに考えておりまして、現在その基礎調査を進めておるところでございます。  一方、準備の中で非常に重要な問題でございます観客輸送対策がございます。先ほど申し上げましたように約二千万人ということを予想いたしております。御承知のように、筑波学園都市周辺に人を運びますためには、国鉄常磐線輸送力の強化でございますとか、現在建設しておられます常磐自動車道及びこれからの道路網整備、それから常磐線等鉄道最寄り駅から会場までのバス等による輸送、いろいろの手段を動員しなければいけませんので、現在博覧会協会関係省庁茨城等関係機関におかれまして鋭意問題の検討が進められているところでございます。こういった輸送問題を検討するために博覧会協会の中にも輸送対策委員会が組織されておりまして、関係省庁担当者を含めまして専門的な検討もされておるところでございます。  最後に、予算措置でございますけれども、来年度昭和五十六年度の博覧会関係予算は、政府予算原案に計上されておりますのは科学技術庁に対しまして七億一千五百万円、これは会場基本設計政府出展計画等のものでございます、そのうち会場関係につきましては、博覧会協会に対する補助金という形で計上されております。なお、他省庁におきましては、通産省に三千七百万円、これはBIEの窓口を担当しておられますので、BIEへの登録とか、あるいは博覧会を契機とした協力研究といったようなことで三千七百万円、それから国土庁におかれましては、博覧会研究学園都市整備との調整に関する調査ということで八百万円が計上されておりまして、総計いたしますと来年度政府予算原案にはこの関係予算七億六千万円が計上されておるところでございます。  このような状況を踏まえまして、今回この国際科学技術博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を御提案申し上げておるところでございます。
  7. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 テーマの中で、人間居住環境科学技術となっておりますけれども、このテーマは余りにも幅広いテーマであり、アピール効果が弱くなってしまうような感が否めないと私は思います。そしてその内容でも、昭和四十七年以来、オイルショック後の石油価格の高騰による財政危機、省資源、省エネルギーと、国民生活全体に今後大きな価値基準の転換が求められているような現下の情勢の中で、科学技術の進歩に対し国民が期待していくものは、従来のような、より便利でより豊かなあすを創造し夢を与える科学技術進展というような立場よりも、むしろもっと突っ込んで現実的に、直接国民生活を直撃し、わが国財政危機をもたらし、さらに世界全体の経済環境を一変さしたエネルギー問題を全面的に取り上げて、今日のエネルギーの現状、そしてこれからの未来エネルギーのあり方を強く中身の中で訴えていかなければ、博覧会開催の本当の意味、効果を期待することはできないのではないか、私はそう考えます、  それと同時に、推定二千万人とも言われる観客を集めていくためにも、エネルギー問題の重要性というものをこの博覧会の中で強く打ち出していただきたい、私はそのように考えるわけであります。  このエネルギー問題につきましては後に原子力発電問題も含めて御質問申し上げようと思いますが、このエネルギーの今後をどのようにとらえ、具体的に博覧会の中でアピールしていくか、その問題についてちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  8. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  御指摘のようにエネルギー問題は今日人類全体にとってきわめて重大な問題でございまして、したがいまして、科学技術博覧会と銘打ちましてこの博覧会の中で当然エネルギー問題についても触れることになるかと思っておるわけでございます。ただ先生御承知のように、来年アメリカのノックスビルにおきまして、エネルギーテーマにいたしましたやはり博覧会条約に基づきますところの特別博覧会開催されることになっておりまして、したがいまして、この国際機関博覧会全体につきまして余り重複したもの、似たようなものが同時にあるいは続いて開かれるというようなことを整理する役目もございますので、私どもの科学技術博覧会中心テーマエネルギーを据えることができなかったわけでございます。しかしながら当然、人間居住環境、これらと科学技術とのかかわり合いという問題になりますと、エネルギー問題は重要な問題でございますし、特に省エネルギーといったような問題はこういった人間居住環境の中で大きく取り上げていく必要があるものかと思っております。したがいまして、具体的にこれから基本構想会場計画あるいは実際の運営計画等を立ててまいります段階におきまして、この科学技術博覧会の中でエネルギー問題をどのように国民にあるいは海外の人たちにも展示するかということを十分考えていきたいと考えております。
  9. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 開催を四年後に控えて今後本格的な準備を進めなければならないと思いますが、今後の事業計画について具体的にお聞きをしたいと思います。
  10. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  今後の計画でございますが、まず国際的な手続でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在BIEにおきます四カ月の告示期間にあるわけでございまして、この間に他の国から競合申請等がなければ開催決定されるわけでございますが、現在そのような気配が全くございませんので、ことしの三月二十六日に開催が事実上決定されることになります。  このように決定いたしました後、国内では閣議をお願いいたしまして、BIEに対しましてこの博覧会の正式な登録申請をいたします。この登録申請を行いまして特段の問題を生じなければ、四月二十二日に予定されておりますBIE総会におきまして登録が承認されるという見込みになっております。  その後は、博覧会開催まで、このBIE総会というのが年二回定期の会合がございますので、こういった会合におきまして逐次準備状況等を報告するということになるわけでございます。  次に、具体的な準備としての会場用地でございますが、先ほど申し上げましたように、現在谷田部町の約百ヘクタールの用地につきまして県が買収を進めておられまして、大体八五%程度買収が済んでおります。五十六年中には県としては全面買収を終わりたいということで努力をしておられるところでございます。  それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、基本構想あるいは会場計画といったものにつきましては、ことしの三月末までに決定をいたしたいということで準備が進められております。  このような計画を踏まえまして、来年、五十六年度には会場測量調査でありますとか、さらに計画から設計段階に入っていきまして基本設計を完了する。具体的に土地造成等に着手いたしますのは五十七年度ということで、それから三カ年間で会場建設するということでございます、  それから、これも先ほど申し上げました会場の中で政府出展いたします政府館ということになりますか、いろいろ構想が考えられますが、この政府出展につきましても、来年度、五十六年度中に基本計画、一部基本設計を行いまして、五十七年度から具体的な施行に着手いたしまして三カ年間でつくり上げるという予定でございます。  一方、国際博覧会でございますので、外国出展を多く望むわけでございますけれども、外国出展招請等につきましては、先ほど申し上げました四月二十二日のBIE総会におきまして登録が承認いたされますと、具体的に外交ルートを通じて外国政府あるいは国際機関に対しまして正式に参加招請をいたすわけでございます、この場合には、並行いたしまして博覧会政府代表も置いていただくことになっております、その後、外交ルートを通じての正式な参加招請をいたしますが、そのほかにも、政府博覧会協会関係機関等協力を得まして、できるだけ多くの外国出展ができるよう勧奨活動を行いたいと思っているわけでございます。  五十七年度以降になりますと、参加を決められました外国政府代表を含めました政府代表会議を適宜開催いたしまして、準備運営に関する諸般の打ち合わせを実施していく予定でございます。  一方、政府外国のほかに民間出展につきましてもできるだけ多くお願いしたいと考えておるところでございまして、これにつきましては、BIE登録が済みましてから、博覧会協会民間の各団体との間で具体的な御相談検討を進めていただくつもりでございます。  それから輸送対策関連公共事業でございますが、非常にたくさんの輸送計画道路計画その他ございますので、大体ことしの夏ごろまでには輸送計画等の全体計画を取りまとめたいということでございます。非常に多くの計画でございますので、一部の道路整備等必要なものにつきましては五十六年度事業から着手していただきたいということで進められておるところでございます。  それから、国内での推進体制整備でございますけれども、BIE登録申請をいたします前後に、閣議におきまして博覧会関係閣僚会議の設置並びに総理大臣による博覧会担当大臣指名といったことをお願いする予定でございます。  それから、お願いをいたしておりますこの特別措置法が御承認をいただきまして発効いたしますれば、これを踏まえまして、博覧会協会体制整備等を鋭意進めていくということでございます。  また、全体の資金計画でございますけれども、この資金計画につきましては、先ほど、おおむね直接経費として七百五十億程度を考えているということを申し上げましたが、これにつきましては、今後五十七年度予算編成過程におきましていろいろ財政当局との御相談等もしていかなければならないわけでございますけれども、こういった全体の規模が五十七年度予算において大体決まってまいりますので、五十七年度の政府予算原案決定する時期には全体の資金計画を策定する予定でおるところでございます。  今後の計画進め方につきまして、大体以上のとおりでございます。
  11. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 万博及び海洋博覧会の場合は博覧会担当大臣あるいは関係閣僚会議等が設けられたように聞いておりますが、今回も当然政府体制を整えていくために中川大臣担当大臣となり、関係閣僚中心となって、責任を持ってこの事業を推進していってほしいと私は強く望むものであります。大臣の決意をお聞きしたいと思います。
  12. 中川一郎

    中川国務大臣 海洋博の場合もあるいは万博の場合も、関係閣僚会議が設置されております。そこで、今回の科学技術博覧会におきましても、先ほど局長からお話がありましたように三月二十六日には実質上正式に国際的に認められる、こういうことになりますので、その認められた段階関係閣僚会議を設置したい。この閣僚総理大臣指名することになっておりますので、恐らく私を含めて関係閣僚が担当することとなり、特に私が中心になってやっていくことになろうと思いますので、指名がありました暁には、さらに一段と、この博覧会が円滑にしかも成功裏に終わりますように最善を尽くしてお役に立ちたい、こう思っております。
  13. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 中川大臣の大変な政治力に私たちも大きく期待しておりますので、ぜひこの博覧会が着々と推進できますように、ひとつまた大臣に特段のお骨折りをいただきたいと思います。  次に、法案内容についてお伺いしたいわけでありますが、今回の法案は過去の沖繩あるいは万博特別措置法にならったと聞いておりますけれども、過去の点と異なっている点、まあ住宅公団博覧会協会の委託によって会場用地造成等を行う旨の規定があると聞いておりますけれども、この新しい点について具体的に理由を説明いただきたいと思います。
  14. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  御指摘のように、今回の法案万博海洋博にならったわけでございますが、御指摘住宅公団のところに前と変わったところがございます。  その内容は、博覧会協会が行います会場建設のうち、敷地の造成及びこれとあわせて整備されるべき基礎的な施設整備につきまして、日本住宅公団協力を得て実施することができるように同公団業務の特例を設けたところでございます。  この点の理由でございますけれども、御承知のように、筑波研究学園都市建設におきましては、日本住宅公団土地造成及び基礎的な施設整備実施した実績を持っておるわけでございまして、同公団技術力とそれから研究学園都市建設において蓄積されました経験、ノーハウ、これを最大限に活用して博覧会会場整備を行うことが最も円滑な進め方であろうと考えたところでございます。また、会場の跡地を筑波研究学園都市の将来の発展に生かしていくという観点から、この会場研究学園都市と調和のとれた形で整備するということが必要でございまして、この点からも住宅公団協力を得るということが望ましいことであると考えたわけでございます。また、博覧会協会自体は、いわば開催までの団体でございまして、会場建設事業実施に必要な組織、人員というものを短期間みずから備えるというよりも、このような有力な外部機関がございますので、その御協力を得た方が効率的であるというように考えたのがこの規定を設けさせていただいておる理由でございます。  そのほか、博覧会協会における人材確保のために、国、地方公共団体のほかに、今回は三公社から出向される場合にも、職員の在職期間の通算といった措置が講じられるよう規定をお願いしたところが若干前と変わっているところでございます。  以上でございます。
  15. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 次に、本日は、博覧会協会伊原事務総長にお越しをいただいておりますので、基本構想原案が発表されたわけでありますが、私も一読をし、従来のからを破った画期的で夢のある博覧会とすることができるのではないかと期待しているわけでありますけれども、そこで内容に関連して二、三の点についてお伺いをしたいわけであります。  まず第一点は、博覧会開催の趣旨から青少年の数多くの参加が重要であると私は考えますが、この点を基本構想原案ではどのようにとらえているのか、協会のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  16. 伊原義徳

    伊原参考人 財団法人国際科学技術博覧会協会事務総長の伊原でございます。  本日は、国際科学技術博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案の第一回審査に当たりまして、博覧会事業実施者の立場からの意見を申し上げる機会をいただきましたことを大変ありがたく思っております。私ども協会といたしましては、昭和六十年の開催準備運営に全力を尽くす覚悟でございますので、何とぞ今後ともよろしく御指導を賜りたいと思っております。  そこで、先ほどの中村先生の御質問の御趣旨、青少年の参加の問題でございますが、御指摘のとおり、この問題は博覧会を開きます基本的な考え方ということで。関係者一同が従来から非常に大きな考え方の一つとして扱ってきておったわけでございますが、基本構想の原案の作成に当たりましても、その趣旨が十分取り入れられておると思っております。特に、この博覧会開催の大きな意義の一つが、二十一世紀に生きる青少年が科学技術を正しく理解する、希望に満ちた将来への明るい展望と夢を持てるように、こういう点にございます。次の世代を担う青少年にとって非常に楽しいものである、しかもためになる。自分が子供のころこういう博覧会があって、それに行ってみたところが、こういうおもしろいことがあった、こういうことが非常に印象に残っておるというふうなことで、それを契機にあるいは科学技術の分野に進む方もありましょうし、あるいはほかの分野に進む方でありましても、子供のときにこういう博覧会があって、科学技術というのはそんなにむずかしいものじゃないのだな、非常におもしろいものだなという理解を得ていただく、そういうふうに深い印象を残していただく、そういう博覧会にすることを私どもは期待しておるわけでございます、  具体的に、基本構想原案におきましてもいろいろな企画が提案されております。たとえば、子供たちから出展のためのアイデアを募集いたしまして会場にそれを展示する、あるいは宇宙、地球、人間等についての質問を集めまして世界の一流の学者がこれに答える、その結果を会場に具体的に展示する、こういったことも挙げられておるわけでございます。  なお、科学技術の理解というのは単に頭で理解するだけでは十分でございませんので、実際にいろいろな装置を手で動かしてみるということも含めまして、体でこれを感じ理解できるような展示にいたしたい、そういうふうに考えております。
  17. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 子供たちの想像力というものがさらに大きく飛躍できるような興味のある博覧会にぜひしていただきたいとお願い申し上げます。  それと、基本構想原案では、会場構成について、開催地の特徴を生かすという意味で、谷田部会場研究学園都市地区会場、情報・通信・輸送会場、研究者村の四会場による幅広い会場構成を提案していると聞いております。おもしろい試みであると考えますが、この会場構成の考え方及び今後どのように具体化していくのか、その点についても御意見をいただきたいと思います。
  18. 伊原義徳

    伊原参考人 基本構想原案と申しますのはこれが最終案ではございませんで、さらに各方面の御意見をいただきまして最終の成案を得たいと思っておるわけでございます。したがいまして、これから先もいろいろ、政府並びに地元の市町村その他関係民間団体の御意見も十分踏まえまして、さらによりよい基本構想にいたしたいと思っております。  現在の原案におきましては、谷田部町の主会場、これがもちろん中心でございますけれども、そのほかに、広い意味で三つの関連した会場という考え方をとったらどうか、こういうことを提案しておるわけでございまして、たとえば研究学園地区会場、これはすでに一兆円以上の国家資金が投入されております世界に冠たる研究機関の集合体でございますから、これを当然今回の博覧会の枠の中に組み入れて、国内だけでなくて世界じゅうの人々に紹介する、そういう考え方が一つあります。  それから、非常に情報、通信の進歩してきた現代でございますので、情報・通信システムというものを一つの会場的なものと理解いたしまして、通信放送衛星を利用して世界各国の人々あるいは日本の各地の人々に、会場に実際おいでいただかなくても参加することができるようなことを考えたい。なお、輸送の途中におきましても、輸送に非常に時間がかかるというふうなことがございます場合には、その輸送機関の中においていろいろ博覧会中身を説明するようなことを工夫いたすことによりまして、それも会場の一つと位置づけることができるのではないか。  さらには、研究者村という構想がございます。この博覧会を機会に、あの地区に新しい居住地区建設する。そこが世界の科学者、技術者が集う場にもなるでありましょうし、国内外の研究者の人的交流がその場で深められるということも考えておるわけでございます。     〔委員長退席、塚原委員長代理着席〕  これからの仕事すべてが、博覧会協会が全部自分で実施するということにはあるいはならないかもしれないわけでございますけれども、関係方面の御協力をいただきまして十分整合性のとれた形にいたしたいと考えております。
  19. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 次に、輸送計画について御質問したいわけであります。  大体、推定でありますが観客が二千万人来ると予想されているわけでありますけれども、この輸送対策はきわめて重要な問題であると考えます。会場地周辺の地域は現状のままでは大変交通の便が不十分でありますので、今後早急に対策を立てて、道路、鉄道等の整備を進めていかなければならないと考えます。  現実的に、この二千万人の観客のうち、どのくらいの人たちが車と鉄道に割り振って見学に来ると考えていらっしゃるか。いまの常磐線の輸送能力では、五十四年十月時点では、通勤時間帯に定員が一万二千八百二十四人に対して乗車数は二万二千人を超えている、乗車率で一七八%であると調べておりますけれども、その他の時間帯でも平均して乗車率は一一八%である。このような状況のところへ半年間、百八十日間にわたって一千万人の人たちが鉄道を利用するということになりますと、一日平均で約五万五千人くらいの人たちが鉄道を利用するということになれば、現在の常磐線の輸送能力ではとても対応することが困難ではないかと私は考えるわけであります。国鉄はこの機会に、常磐線の複々線の問題を含めて輸送力の増強を具体的に検討するつもりがあるか。  また、国鉄で輸送し切れない部分を私鉄に依存しなければならないと思いますが、この私鉄の輸送能力の整備についてどのような方針で望もうとしているか。  そして、茨城県としての大きな関心事は、直接観客の受け入れ駅としてどこを中心として整備を進めていくつもりか。私は、会場に隣接して道路網中心である常磐高速インターに近く、茨城の第三の都市である土浦市が、五十八年四月までに約六十四億をかけて駅改良、駅ビル完成を目指して計画を持っていると聞いておりますので、土浦市を受け入れ駅とすべきだろうと個人的にはそう考えるわけでありますけれども、その辺の現在の状況に対して協会からの報告をいただきたいと思います。
  20. 伊原義徳

    伊原参考人 博覧会を成功させるためには観客輸送対策がきわめて重要なポイントであるということは先生御指摘のとおりでございます。協会といたしましても、関係各界の権威者から成ります輸送対策委員会を設けまして、目下鋭意検討を行っております。  現段階での中間的な状況をざっと御説明申し上げますと、入場者予定数二千万、これのうち約半分は道路、あとの半分は鉄道、こういうことで考えております。鉄道につきましては、常磐線が主体となるわけでございますが、この点につきましては、国鉄御当局におきましてもいろいろと好意的な御検討をいただいております。  先ほど御指摘のように常磐線は現在でも非常に込んでおるわけでございますけれども、ただ幸いなことに、ちょうど通勤帯と逆方向への輸送ということになるようでございまして、乗車効率も我孫子から土浦間が逆方向は現在中距離電車で七〇%程度である、そういうふうな調査もあるようでございます。それで、協会での中間段階での検討といたしましては、取手以遠の土浦、牛久方面へ常磐線で約七百万人を輸送することを考えております。この七百万人の降車駅といたしましては、なるべく会場に近い、連絡道路の完備が容易である、駅前広場の確保が可能である、そういうふうな等々の要件から見まして、これは茨城県とももちろんいろいろ御連絡を申し上げておるわけでございますけれども、現在のところ県の施設計画を前提といたしまして、土浦駅と牛久駅を想定しております。なお、このほかに、取手駅からの関東鉄道常総線を経由してのルートあるいは取手駅からのバス輸送、そういった可能性ももちろんあるわけでございます。  こういうことで、いろいろ問題はございますけれども、特に鉄道輸送につきまして国鉄御当局、茨城県とも十分連絡をとりまして、現在の常磐線を十分に増強していただきまして、それをもとに万遺漏なきを期したいと思っております、
  21. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 ちょっと質問が前後して恐縮なんですが、この科学技術博覧会テーマ人間居住環境科学技術というものでありますが、この中で当然国民生活におけるエネルギー、原子力発電の位置づけというものも問題の中に含まれていると私は考えます。昨日、一部の新聞にスリーマイル原子力発電所の事故のことが報道されておりましたが、周辺で新生児の死亡率が急上昇しているという学者の意見が報じられたと書いてありましたけれども、スリーマイルアイランドの事故は結果的には周辺の住民に対し放射線の影響を与えなかったと私は承知しておりますし、原子力の安全性というものについて改めて当局の答弁を求めたいと思います。
  22. 中川一郎

    中川国務大臣 スリーマイルアイランド事故によりペンシルバニア州及びニューヨーク州北部などで新生児の死亡率が増加したとのスターングラス教授の研究報告については、報告の詳細を入手しておりませんが、専門家などの意見を聴取してまいりました現段階において、とりあえず次のことが言えるかと存じます。  まず第一に、米国原子力規制委員会調査結果によれば、スリーマイルアイランドの事故により環境に放出された沃素は微量であり、周辺住民の被曝がきわめて少ないものであったとされております。したがって、このような微量な被曝により新生児といえども死亡する等の障害があるとは全く考えられないのが専門家の一致した大方の意見であります。  第二に、この問題についてスターングラス教授がかつて同様趣旨の発言をしたことがありましてこれを契機として行われたペンシルバニア州保健省の調査によれば、原子力発電所から約十マイル以内の胎児、幼児の死亡率は州全体と比べ統計的に有意な差がないとの結果がはっきり得られておりますし、その発表に際し同州保健省疫学部長は、スリーマイルアイランド事故程度の低線量では、少ない線量では影響はあらわれないであろうとはっきり言っております。スリーマイル事故の前後で死亡率に明確な変化は見当らなかったとも述べております。  第三に、一般的に新生児の死亡率の変動はきわめて多くの原因により生ずるものであり、原因に関する詳細な分析を行わずに特定の一要素のみの因果関係を求めることは、科学的に全く意味のないことだというのが専門家の見方であります。  第四に、スターングラス教授は一九六九年にストロンチウム90に関する研究を発表しておりますが、これについてもアメリカ小児科学会により全く根拠のないものとされており、また、一九七〇年にも原子炉周辺の地域で幼児の死亡率が増加しているとの見解を発表したことがありますが、これはアメリカ原子力委員会によって手厳しく批判されております。  私は、以上申し上げたことから、今回のスターングラス教授の意見が原子力安全性に疑念を与えるようなものとは全く考えておりません。偏向されたこの種学者が無責任に発言することは一般に大きな影響を与えることであり、迷惑至極だと考えております。
  23. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 私は、石油が非常に有限であるという現在の中で、発電もやはり原子力発電に頼っていかなければならない部分というものは、日本ばかりではなくて世界全体の一つの傾向ではなかろうかと思うわけであります。     〔塚原委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、いろいろの立場、研究の方法によっては、その立場を異にするこのような学者がいろいろな機会に発言をすることは自由でありますが、ただ、やはり科学技術庁としては原子力の平和と安全性というものについては、国民に正確な知識と理解を求めるような啓蒙努力というものは、日ごろから十分していかなければならない問題ではなかろうかと考えますので、この問題に対して、強く大臣にも今後とも努力をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  それと、博覧会に関する種々の事業につきまして極力地元の企業に対する積極的な活用を図り、地元の企業の育成に役立つように配慮をしていただきたいということを協会にお願い申し上げたいと思います。  実は、さきの筑波研究学園都市構想は世界に誇る頭脳都市をつくるという目標で今日まで事業が進められてきたわけでありますが、私も地元の住民として、その学園都市を見てまいりますると、最初十万人の人々を新しく定住させるという目標で進められたわけでありますが、現在たしか三万人に満たないというような状況であると聞いております。これは国の構想が都市住民の生活環境レベルと筑波の地との大きな格差を計画の中で詳細に検討し、具体的な施策として具現してこなかったことが今日の状況に置かれている理由であろうと私は考えます。  この筑波研究学園都市構想を当初の構想に近づけていくためには、現在までの問題点、具体的には教育環境整備充実、交通網の充実、地元との相互理解がこれからますます必要であろうと思うわけであります。建築状況などを見てまいりますると、ほとんどの建物の九〇%以上は大手建築会社が落としてしまい、地元企業は動けぬ状況でありますし、工業団地の誘致などと違いまして公害という問題はありませんけれども、財政的な基盤の充実には市町村単位では全くつながっておりませんし、雇用の窓口という面におきましては、資格を持たない地元住民には全く閉ざされているというのが現状であろうと思うわけであります。こうした弊害を取り除き、問題点を洗い直し、学園都市の整備充実のためにも、この博覧会が持つ意味は私は非常に大きいと感じるわけであります。すなわち、交通網、教育環境整備、地元企業の振興発展、有効な跡地利用などの問題についても、今後茨城県、地元の意向を十分くんで、茨城の発展ばかりではなくて、国の一兆円以上の予算をつぎ込んで行ってきた筑波研究学園都市の質的な充実という問題に対しても、この博覧会の果たしている役割りが大きいということを改めて再認識していただいて、今後こうした問題に対する具体的な対応の仕方を、協会からお考えをお聞きしたいと思います。
  24. 伊原義徳

    伊原参考人 ただいま先生御指摘の点につきましては、博覧会協会といたしましても十分配慮する必要があると思っております。特にこの博覧会国内のみならず広く世界にも開かれ、数多くの参加を期待しておる、いわば世界に窓を開いた博覧会でございますので、あらゆる方面からの協力参加予定されるわけでございますけれども、特にその中でも地元の協力参加というものが非常に重要であるということは先生御指摘のとおりでございます。地元の企業の育成という観点からは、茨城県御当局といたしましてもいろいろ御検討いただいておるわけでございますので、茨城県御当局ともよく御相談をいたしながら、先生の御趣旨を体しまして、十分地元の企業の活躍の場が出るように配慮いたしてまいりたいと思っております。
  25. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 次に、諸経費閣議了解時点で一昨年の十一月に科技庁が試算しているわけでありますけれども、これによれば、会場建設費が三百五十億、政府出展が四百億等の直接経費が七百五十億円、高速道路、直轄国道、鉄道増強、県内道路等の関連事業費に七千三百億円、合わせて八千億円となっておりますけれども、関連公共事業全体の整備計画がいまだ具体的に明らかになっていないわけでありますが、この計画をいつごろまでに枠組みを決定される用意があるのか。それと同時に、博覧会開催に伴う茨城県及び関係市町村に対する負担は、現段階では非常に財政的に貧弱な地方自治体に対し、できるだけこの辺に対する特段の財政負担の軽減ということに御配慮をお願いを申し上げたいと思うのでありますが、その点についても協会の今後進めていくお考え方をお聞かせいただければと思います。
  26. 園山重道

    園山政府委員 私の方からお答えいたしたいと思います。  先生御指摘のように、全体の経費につきましてある種の数字、直接経費七百五十億、関連公共を入れまして八千億というような数字があることは確かでございます。ただ、これらにつきまして、まず直接経費につきましては一応の試算でございまして、これから財政当局ともいろいろ相談をしなければならないところでございます。また、全体の関連公共投資につきましては、一昨年の閣議におきまして、既定の計画の範囲でできるだけやるようにという御指示になっておるところでございます。したがいまして、必要なものは一部計画の前倒しといったようなことをお願いいたさなければならないかと思っておるところでございます。  全体の関連公共事業計画あるいはこれらを含めます資金計画につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、関連公共事業につきましては、できるだけ早い時期に全体の計画関係閣僚会議等においてお認めをいただきたいと思っておるところでございます。これは関係省庁に十分お願いをいたさなければならないものと思っております。また、全体の資金計画につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように五十七年度の政府予算案がかたまるような時期にこれを決めていただくということになろうかと思っておるところでございます。また、地元負担等につきましても、一昨年の閣議了解におきまして、直接経費につきましては会場建設費の三分の二を補助対象事業といたしまして、さらにその三分の二は国が負担するというようなことになっておるわけでございますが、具体的にこれらの負担の方法等につきましても、これからできるだけ早急に関係各省との御相談を詰めていきたいと思っておるところでございます。
  27. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 この科学博覧会に対しては超党派で推進議員連盟も四百名を超える議員の方々が参加しておりますし、直接の担当大臣中川大臣がおるわけでありますので、財政的な面で困窮することがないように、この博覧会が、沖繩海洋博覧会に対する評価はまちまちだと思いますけれども、あのような結果としていま一つというようなことにならないように財政の必要なものは十分確保できるように、科学技術庁もわれわれに対しいろいろな面でのアドバイスや協力というものを惜しみなく要求していただいて、成功裏におさめられるようにひとつがんばっていただきたい、こう思うわけであります。  そして、博覧会の終わった後、跡地利用についてでありますが、茨城県としては筑波研究学園都市の自立計画というものを立てまして、工業団地の造成を進め、就労の場の確保、財政基盤強化を図っていきたい、このような考え方を持っていると聞いております。今後工業団地の造成等企業の誘致についていまから十分検討していただいて、この博覧会が終了した時点で具体的な方向が打ち出せるように協会としても特段の御配慮をいただきたい、こう思うわけでありますが、いかがでございましょうか。
  28. 伊原義徳

    伊原参考人 博覧会を開きました後の問題でございますが、当協会といたしましては準備運営に責任を持ち、十分な成果を上げたいと思っております。跡の利用につきまして間接的に当協会にも非常に関係があるわけでございますので、茨城県御当局とも十分御連絡をとり、かつ監督官庁の御指導もいただきまして、実質的に跡利用に非常に博覧会が役に立ったということにいたしたいと思っておりますが、ただ博覧会協会博覧会が終わりますと解散をするという立場になっておりますので、その点はひとつよろしく御理解いただきたいと思います。私どもは、だから別に跡地利用は考えないということではございません、十分考えてやらしていただきたいと思いますが、協会としての立場はそういうことであるということを御理解いただきたいと思います。
  29. 園山重道

    園山政府委員 ただいま事務総長からお答えがございましたが、私どもも先生の御苦心によりまして跡地利用が筑波研究学園都市の全体の発展に十分有効になるようにいろいろ考えていきたいと思っております。
  30. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 筑波の場合は、研究学園都市また今度博覧会と、この二つの大きな国のプロジェクトを推進してきているわけでありますけれども、どうも国の仕事はややもすればつくりっ放し、やりっ放し、こういうような傾向というものを否定できないと思いますので、私は、終わった後でこういう問題点を指摘しても遅いので、十分その辺のところもいまから考慮していただいて、終わった時点で有効的な跡地利用につながっていけるように御配慮をいただきたいということを重ねてお願いを申し上げたいと思います。  最後に、いままでの質疑の中で明らかになってまいりましたが、いろいろな問題点があるわけであります。これからわずか四年間しか準備期間がないわけでありますので、本博覧会の推進について中川大臣の決意をさらにお聞かせをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  31. 中川一郎

    中川国務大臣 私は、科学技術庁長官に就任いたしまして、八〇年代、二十一世紀に向かってエネルギーの問題等科学技術の問題はわが国のみならず世界人類の大きな課題である、こう思いまして、予算の面あるいは制度の面等で科学技術立国元年を目指して努力してきたつもりでございます。  かくて昭和六十年に予定されております科学技術博覧会はこういった観点から大きな意義を持つものであろう、国民に対して多くの認識を持っていただく、とりわけ未来を背負う青少年に科学技術の認識をしていただくということは国家百年の計からいって本当に大事なことだと存じます。  現下財政厳しいときでもありますが、財政当局はもとより、博覧会協会においても土光さんを中心に大変御熱心にやっていただいております。また地元の知事さん初め関係町村も本当に並み並みならぬ御協力ぶりでありますし、さらに国会の先生方も党派を超えて御協力をいただいておりまして、担当大臣として非常に感激を覚えておるところでございます。責任の重大性を痛感し、意義あるものにし、そしてさらにはこの跡地利用についてもまた永遠に役立つものにしていくように最善を尽くしたいと思いますので、この上ともの御協力をお願い申し上げます。
  32. 中村喜四郎

    中村(喜)委員 終わります。
  33. 中村弘海

    中村委員長 竹内猛君。
  34. 竹内猛

    竹内(猛)委員 私は、日本社会党を代表して、日本の科学技術の都市である茨城県の筑波研究学園を舞台として、昭和六十年を期して国際科学技術博覧会が開かれる、科学技術人間とのかかわり合いに焦点を当て、歴史的な催しが各党の諸先生の御理解と関係諸機関の御努力によって実施の運びになったことに対して、社会党を代表して関係者に対して深く感謝を申し上げたいと思います。  特に私の地元でもありまして、それだけにこの問題は重大だと思いますが、特にこれは筑波研究学園が五十四年に概成をして、なお先ほどからもお話があるように所定の人口の定着を見ない状態であります。それを補完をしさらに前進をさせるという意味において、この場所が選ばれたことは大変結構なことだと思いますし、今後の期待をするところが大きいわけでありますから、この機会に、特にこの法案を審議するに当たってさらにいろいろとつけ加えていきたいと思います。  なお、法案の審議に際しましては、財団法人国際科学技術博覧会協会を代表して伊原事務総長においでをいただき、いろいろ御意見をいただくことも感謝にたえないところでございます。御苦労さまであります。  私は、特に現在対象になっている法律そのものについては若干質疑をしなければならない点もありますが、そのことよりも、むしろこの法律が適用されようとしている現地の実態の方に問題がありますので、その点を中心にして何点かただしていきたいと思います。  まず最初に、今日までわが国としては、さきに大阪に万博があり、続いて沖繩海洋博を経験した、この二つの国際的な博覧会の中から何を学び、何が欠点であったかということについて、若干の総括的なお話をいただきたいと思います。
  35. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  御質問の大阪万博昭和四十五年三月から九月、沖繩海洋博、五十年の七月から五十一年一月ということで開かれたわけでございますが、その両博覧会に関する評価の総括という御質問でございまして、大変むずかしい御質問でございますが、私ども今回の科学技術博覧会計画等に携わるに当たりまして、前例としていろいろ勉強させていただいておるところでございます。  まず大阪万博につきましては、御承知のように非常に盛会でございまして、七十六カ国、四国際機関という外国参加がございまして、総入場者数が六千四百二十二万人ということで予定をはるかに上回ったというように聞いております。非常な成功でございまして、その評価といたしましては、テーマとして「人類の進歩と調和」ということを掲げて行われたわけでございますが、このテーマにふさわしく、まず世界の平和と発展に貢献しているわが国の姿が世界に紹介された。これはひいてはわが国の国際的な地位の向上に大きく貢献したのではなかろうか、こういう点が一つございます。また、国民が多数この博覧会を見たということによりまして、国際社会の一員としての認識が非常に高まった。また、わが国の中の産業を初め、諸活動につきまして国民が理解を深めたというようなことが言えるかと思います。また、公共施設整備によりまして地域発展に寄与したことはもちろんでございますし、また御承知のように、その跡地は現在公園あるいは文化施設等が置かれまして活用されているということでございます。予想を非常に上回るたくさんの入場者が入りましたので、会場内外における若干の混雑等があったことは承知いたしております。しかし、昭和四十五年という時期に大変みごとな万博であったという印象を持っているわけでございます。  それから、昭和五十年に行われました沖繩海洋博、これは沖繩復帰を記念いたしまして開催されたわけでございまして、もちろん沖繩という場所柄、交通の便等で当初の予想した入場者数より少なかったというようなことはございますけれども、「海——その望ましい未来」というテーマを掲げまして、沖繩復帰を記念いたしまして開催したことは非常な意義があったのではないかと思っております。特に沖繩と本土の一体感、きずなの深まりということに寄与をしたということもございますし、また、公共施設整備によりまして沖繩の振興に寄与したということもございます。また、何と申しましても、海に囲まれました海洋国日本ということで、海洋開発の重要性につきまして深く国民の認識を得たということがその評価をすべきところではないか、このように感じておるところでございます。
  36. 竹内猛

    竹内(猛)委員 大阪の場合には多くの人々が参観をした、沖繩の場合には参観者がそれの二十分の一ぐらいですか、少なかった、こういうことになる。これは距離的な問題もありましょうけれども、その中で特に注意をしなければならない点はありますか。
  37. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  沖繩という地、これは飛行機あるいは船で本土からは行かなければならないということで、これが観客が少なかった主原因であろうかという気がいたしますので、観客輸送問題というのは非常に重要であるということをこの中から学び取らなければいけないことかと思っております。
  38. 竹内猛

    竹内(猛)委員 先ほど中村委員からもお話がありましたように、この科学技術博覧会内容が「人間居住環境科学技術」こういうことでありまして、まだ中身についてはこれからということになっておりますが、ぜひエネルギーの問題は取り上げてほしい。  それから、先ほど青年という話があったけれども、青年だけじゃなしに婦人の問題も同時に加えてもらわなければならない。青年だけを取り上げることが未来をつくるわけでもない。やはり女がいなかったら未来はできないんだから、その点は忘れないでもらいたいということをつけ加えておかなければいけない。  さらに、さまざまな創造力を伸ばすために民間の美術や芸術や、あるいは創意工夫したものが展示されるようにこれを促進するようなことをひとつしてもらいたい、これをまず注文をしておきます。この点はどうですか。
  39. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  最初に御指摘ございましたエネルギー問題につきましては、先ほど中村先生にも御答弁申し上げましたように、国際的な博覧会事務局の整理ということでメーンテーマ中心に据えるということができなかったわけでございますが、御指摘のようにエネルギー問題というのは非常に重要でございますので、できる限りこれを取り入れていくことを考えたいと思いますし、また婦人の問題を忘れるなという御指摘、十分に考えていかなければならないかと思っております。  それから、民間の創意を活用するということ、あるいは芸術その他とのかかわり合いについても、幅広く取り入れていくということそれ自体が博覧会を有意義なものにすることであると考えておりますので、できる限りの努力をいたしたいと思いますし、博覧会協会の方にも構想計画等でそういった配慮をいろいろお願いしたいと思っておるところでございます。
  40. 竹内猛

    竹内(猛)委員 協会の方にちょっと要請をしたいのですが、いま委員会が四つできていますね。その委員会の中には大変有名な方々がたくさん入っているわけですけれども、会社の社長さん、それから学者、評論家、報道機関、作家、たくさん出ていますが、多くの労働者を代表する者がどうも参加をしていない。農民の方も参加をしていませんね。あるいは中小企業とか学生、そういうような日本の文化を創造し、科学技術を発展させていく担い手になる者が欠けているような感じがする。こういう者を何らかの形でこれに参加させて関心を深めていくことが必要だと思う。先般、議員連盟の会議のときに、顧問である橋本登美三郎さんの方から、宣伝とかアピールなども足らぬじゃないかということでいろいろ注文が出ましたが、私もやはりそういう感じがします。せっかく国際的な事業をやられるのですから、この際もっと幅広い参加を要請して、そしてそれぞれの分野にわたって責任を持って大いに努力をしてもらうということはできないかどうか。この点はどうでしょう。
  41. 伊原義徳

    伊原参考人 この博覧会はまさに一つの国民的行事でございます。そういう観点からいたしまして、先生御指摘のように、あらゆる階層からの御意見を十分取り入れるというのが私どもの協会の基本的姿勢でございます、現在までに構想なり輸送対策などにつきまして、懇談会なり委員会なり、あるいはその下の具体的な作業グループでの検討などをいろいろいたしておりますが、その場その場におきましての適切な委員などの選定をしたと私は思っておりますけれども、先生御指摘のようにいろいろな場におきましてさらに幅広い意見を取り入れ、構想の中に、あるいは実施の具体化の中でそれを取り入れていくことを十分考えさせていただきたいと思います。  いままで博覧会の広報につきまして、必ずしも十分目立った動きがなかったのではないかという御指摘も私ども非常にまじめに受けとめまして、今後十分の広報活動をさせていただきたい、こう思っております。
  42. 竹内猛

    竹内(猛)委員 前後して恐縮ですが、先ほどのお話を聞いていると、やがて閣僚会議が始まって、どうも中川科学技術庁長官がその責任者になられるようです。長官にも、ひとつこの際大いに多くの意見を吸収をして、そして大きくアピールしていくような、そういう努力について何か考えがあるか聞きたい。
  43. 中川一郎

    中川国務大臣 いま事務総長からお話が出たようにこれは国民的課題ですから、国民各界各層の御協力あるいは御意見を承ることは大事なことだと思います。そういう意味で、出品、あり方等についても幅広く国民の皆さんから意見を求める、こういうことを含め、担当大臣としてもそういった思想は大いに尊重してまいりたいと思っております、
  44. 竹内猛

    竹内(猛)委員 というのは、この科学万博が特定の部分のものにならないように、すべての大衆のものになっていくようにしてほしいからそういうふうに言うわけですから、ぜひそれは——。  続いて、財政の問題についてお尋ねをします。  先ほどもいろいろお話がありましたけれども、この財政については、それぞれの資料によりますと、法律においても「予算の範囲内において、その一部を補助することができる。」、その予算はいつ、だれが、どこで決めるかということです。
  45. 園山重道

    園山政府委員 法律におきまして「予算の範囲内」でということは、当然毎年度の予算ということがあるわけでございますけれども、それでは全体の計画を円滑に進めることができませんので、先ほども申し上げましたように全体の資金計画を決める必要がございます。この全体の資金計画につきましては、博覧会の全体の規模計画等が五十七年度予算時期に相当固まってまいりますので、その時点で、来年、五十七年早々ぐらいになるかと思いますけれども、全体の資金計画関係閣僚会議等においてお決めいただくということを私どもは考えておるところでございます。
  46. 竹内猛

    竹内(猛)委員 そうした場合に、大阪の万博は、直接費が八百七十八億、それから関連公共事業費が六千二百四十一億、展示館が九十七億、これは四十五年、十年ほど前の話ですね。それから沖繩の場合には、直接費が四百六十億、関連事業費が千八百八億、展示が三百四十六億、こういうふうになっております。筑波の科学万博の場合には、一つの予想として会場費三百五十億、あるいは関連事業として八千億というようなことが言われている。なお、展示についてはまだはっきりしていないとも言われているし、ある数字も出ているけれども、この辺は大体予想された額でしょうか。     〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕
  47. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のように、この全体の数字、会場建設費政府出展費合わせまして約七百五十億円、それから関連公共事業につきまして八千億円という数字がございます。これは一昨年末、閣議におきましてこの博覧会開催につきまして国際的な手続を開始するという御了解をいただきましたときに、その前段階関係各省の間で事務的に詰めをいたしたわけでございますけれども、そういったときに大体どういう規模になるだろうか、特に財政非常に厳しい時期でもございますので、その判断をするために大まかな見込みをつけた数字でございます。したがいまして、これらが正確に、特に直接経費が正確に決まってまいりますのは、先ほど申し上げました全体資金計画が決まる時点になるわけでございます。それから関連公共事業につきましては、これも閣議了解のときに、道路、鉄道等につきましては既定計画の中で実施するという方針がございました。したがいまして、既定計画の中で必要あるものは若干の前倒しというようなものをいたして概算してみますと、大体そういう数字が出てくるということでございます。  これらにつきましては、いずれも今後早急に関係各省、県その他御相談の上で、少なくとも先ほど申し上げました全体資金計画の時期、あるいは関連公共事業につきましてはできるだけ早い時期に、御相談の上決めていただくというものでございます。
  48. 竹内猛

    竹内(猛)委員 この場合、会場費、運営費等々に関しては、特に運営費等の場合ですが、茨城県としてはどういう負担をするのかという点について、特に聞いておきたいことがあるわけです。  というのは、茨城県議会の中で、ある議員がこういうことを言っています。「国による過重な地元負担、地元責任の押しつけである、負担率の比較を見ても、大阪の万博が七三%、沖繩海洋博が七三%に対し、筑波の科学博は四四%である。跡地の利用に対する国の買収率は、大阪の万博が六〇%、沖繩海洋博が一〇〇%である、筑波はゼロという実態である。知事は、この事態を招いたことについて、県民にその責任と反省を明らかにし、今後の」云々、こういう質問がありました。こういう事実があってはならないと思うのですね。これはかなり前の話ですが、これについて、こういうことのないようにしてもらいたいわけなんです。
  49. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  先生いま読み上げられました数字につきましては私は承知いたしておりませんけれども、全体のこの博覧会経費に対します地元の負担につきましては、基本的には大阪万博沖繩博等で——沖繩の場合は若干特殊であったと伺っておりますけれども、万博の例等に照らしてこの負担を決める、応分の負担を地元にお願いするということが基本的な考え方でございます。     〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕  なお具体的には、一昨年の十一月の閣議了解におきまして示されておりますところは、建設費総額に占める補助対象事業の割合を三分の一とする、これは会場建設費、先ほどの数字で申し上げますと約三百五十億というような数字でございますけれども、そのうちの三分の二を補助対象事業とする、そしてその補助対象事業に対する国の負担率は三分の一とする、その残りにつきましては万博等の例を参考として関係団体で協議するという方針が示されておるわけでございます。したがいまして、今後、先ほど申し上げました資金計画を策定する段階におきまして、関係省庁、県あるいは関係団体と十分協議いたしましてその詳細を決めていく、こういう考え方でおるわけでございます。
  50. 竹内猛

    竹内(猛)委員 これはぜひ大阪や沖繩にならった形でやってもらいたいということを強く要望しておきたいと思うのです、場所は茨城県でありますけれども、主催は日本の国がやる世界的な仕事ですから、世界に誇るべき仕事についてしょえるべきものはしょわなければならないと思うので、やはり国として十分に努力してもらいたいということをこれまた要望しておきたい。  続いて、輸送の問題に関連をいたしますが、当初三千六百万と計算されていた入場者が、いつの間にか二千万になったのはどういうわけですか。
  51. 園山重道

    園山政府委員 この予想入場者数、つまり入場者数の予測というのはいろいろな方法があるようでございますが、正確な予想というのは実際には非常にむずかしいということのようでございます。冒頭に先生の御質問にお答えいたしました大阪万博の場合にも沖繩の場合にも、プラスマイナス相当大きな差があるわけでございます。当初三千六百万というのは概算と申しますか、恐らくそういう段階で出た数字かと思いますし、二千万人というのは、閣議了解の時点で約二千万人と想定するということで決められたわけでございますけれども、それでは、具体的にどれだけ入るかということの予測調査というのは現在実施いたしておるところでございます。まだいろいろな手法での調査が行われておりまして、現在、正確にどうかということはなかなか申し上げられないものでございます。また、時点がだんだん進展いたしまして、つまり、期日が近づいてまいりますとだんだん上がってくるということもございますので、正確にどうかということをいま申し上げるわけにはいかないのでございますが、私どもとしては、いろいろなアンケート調査その他の動向からいたしまして、二千万人というのが現在おおむねいい線ではないか、このような感じでおるところでございます。なお、今後、協会にお願いいたしまして、さらに入場者予測の作業を続けていきたい、こう考えておるところでございます。
  52. 竹内猛

    竹内(猛)委員 三千六百万が急に二千万にダウンしてしまったから、どうしたかなと思ったわけです。そのことによって輸送計画から宿泊、すべての計画に狂いがくることは間違いがない。二千万は科学的な基礎からはじき出したものかどうか、二千万という基礎をどう出したかということになると、これもかなり腰だめか——何か科学性はあるのでしょうか、
  53. 園山重道

    園山政府委員 先ほども申し上げましたように、いろいろな予測の手法があるようでございます。したがいまして、それぞれの手法によりまして恐らく数字は変わってくるでありましょうし、時点が進んでまいりますと変わってくるというようなこともございます、それからまた、反面、輸送手段等による制約ということも当然考えなければならぬわけでございまして、必ずしもある時点で正確な数字がぴたっと出てくるというものではないと思います、先ほど申し上げましたように、全体の状況というものを勘案してみますと、おおむね二千万人というのがいい線ではなかろうか、こう思っておるところでございます。
  54. 竹内猛

    竹内(猛)委員 なぜこんなにくどく聞くかというと、私は、輸送問題について非常に心配をしているのです。先般、輸送委員会に出された案というものをある専門家が見たときに、これではだめだ、こういう案では不可能だということを言われました。残念ながら谷田部会場というのは、この資料の十八ページにも出ておりますように、東京から五十キロ、常磐線の土浦の駅を中心とすると先ほど言いましたが、そこから十八キロ、牛久駅より十五キロ、関東鉄道の水海道からは十六キロ、常磐高速道路谷田部、土浦のインターチェンジから六キロ、九キロ、こういうふうに実際は陸の孤島なんですよ。だからここへ二千万の人間を半年間、朝から昼まで運ぶわけにはいかない。どうも夜は博覧会を見るわけにいかないのだから、おおむね昼までには運びつけなければ、午後は帰ってしまうわけだから、午前中にどれだけの人間を運んで帰すか。中には泊まる人もいるかもしれませんがね。そうなると、現在でも常磐線あるいはこの道路はかなり過密の状態です。そこへ半年間にこれだけの人が入ってくるということになると、この輸送はその道路を独占するわけじゃないのだから、従来のものが動いている上にそれが来るのですから、よほどの構想計画がなかったらこれはうまくいかない。とうていあの案では実現できないということを言う専門家がおりましたけれども、専門家の声は大変大事だと私は思うのです。  そこで、仮に二千万とした場合に、百八十日ですから一日の平均が十二万ぐらいになるでしょう。地元の方からも何人かが参加をするから、十万と見たところでこれは大変なことになる。その中心が常磐線ですから、そうすると、上野駅というのは現在でも本当にホームがいっぱいになっているのに、そういう新しい観客を運ぶだけのホームのスペースが上野駅にとれるかどうか、ちょっとその辺から尋ねてみたいと思うのです。どうでしょう。
  55. 永尾勝義

    ○永尾説明員 お答えをいたします。  科学博開催中の輸送全体につきましては、いま御指摘の科学博覧会輸送対策研究会で検討されておりますが、私どもは、その中で想定されておる数字をベースにして輸送計面について鋭意検討しております。  その中で、常磐線を御利用になる方は期間中おおむね一千万人近いものを想定するということでございますけれども、上野駅につきましては、現在地平ホームと高架ホームとございまして、常磐線御利用の方が、朝の通勤の時間帯も山手線とかあるいは京浜東北に乗りかえられる、そういうときに相当混雑しているのが現状でございます、私どもとしましては、そういうふうなものに対して、現在東北、上越新幹線が上野駅に乗り入れるという計画を持っております。その工事を鋭意進めておりますけれども、上野では新幹線は地下に駅ができます。それに対して私どもとしては、在来線への乗りかえの設備を整備しければならない。そういうふうな中で、通路あるいは階段というふうなものを、いま大連絡跨線橋と言っておりますが、あのレベルで、若干橋上に床を張るという感じで広げまして設備の改善を図りたいと考えております。したがって、それが完成しますればおおむね科学博の場合にこの設備が利用できて、基本的にはこれで賄えられるのではないか、さように考えております。
  56. 竹内猛

    竹内(猛)委員 この鉄道は常磐線が中心になり、千代田線の乗り入れ、それから東北、北海道あるいは北陸方面は東北線と東北新幹線、それに常磐高速道路というものが輸送中心ですね。そうすると、その中で今度は列車の電流の問題が問題になるわけですね。新治郡の八郷町柿岡、ここに地磁気研究所がありますね。常磐線の複々線や輸送力強化という問題を問題にするときには必ずこの研究所の問題が出てくる、あの研究所は絶対に動かせない、こういうふうに言いますね。なるほど大正何年かにできて歴史が七十年間あるという、資料もあることは知っている。ところが、どうしてもこれが動かせないために、鹿島線にしても水戸線にしてもあるいは常磐線にしても、直流と交流の関係から非常に不便を来しているという実態がある。これはどうしても動かせないものなのかどうなのか、これはどうですか。
  57. 柳原一夫

    ○柳原説明員 お答えいたします。  先生御案内のとおり、常磐線の取手以北それから水戸線は、これは交流電車でございますので、地磁気の測定には影響を与えておらないわけでございます。この八郷町柿岡にございます地磁気観測所、これは気象庁に所属してございますが、大正二年に観測を始めましてから十年ばかりたちました大正十三年に、国際標準観測所として指定されておるわけでございます。それ以来ずっと現在まで続いて地球の内部及び超高層から宇宙空間に至る諸現象の監視、こういう役目を帯びておるわけでございまして、標準観測所と申しますのは、地磁気のいろいろな特性を調べまして、それに適した土地、これを調査いたしますのには非常に長いいろいろな慎重な調査が必要でございますが、そういたしまして選ばれた適地に建設をいたしまして、そこで恒久的にその地点で観測を続けるということが、これを監視する上におきましての第一の要件でございまして、これに適するような土地をほかのところに見つけるということはとてもむずかしい、そういう状態にあると考えております。
  58. 竹内猛

    竹内(猛)委員 むずかしいことは承知でいまさらに確かめたわけですけれども、確かに歴史があり、そして資料があるわけですから、一時北海道の方に土地があるような話も聞いておりましたが、これもだめになったようですから、あえてこの際にでき得れば、輸送を強化し、さらに常磐線というものをもう少し強化をしていくためには、そういうことも考えなければならぬのではないのか、こういうふうにも思っていま聞いたわけです。  ところで、今度は常磐線から運ばれてくる観客が牛久、荒川沖、土浦、こういうふうに下車したときに、駅前の整備というものがどういうことになっているのか。現在の状況から言うと、荒川沖の駅前などというものは市街化調整区域、駅の真ん中に、どぶの中に草が生えてウジがわいている、こういう状態のようなものがそのままほかしてある。そういうような状態の中では、何分間に一台というバスを出すことはとうていできない。早急にこの周辺の整備をしなくちゃならない。わずかに駅の改築が行われただけですね。土浦の駅に至っては、やがてこの駅の改築をするということを聞いているけれども、いつごろまでにこれをやるのか、そういうことが決まらないとバス輸送などというものは大変困難だろう。専門家が言っているのは、あの状態では無理だということを言っているのです。道路にしても、もうすでに込んでしまっているわけですから、あの道路の中から観客だけ運ぶということは無理で、これを調整しあるいは整理するためには、少なくとも鉄道関係だけあるいは私鉄関係経営者だけでは無理じゃないか、やはりいろいろな力をかりなければ無理だろう、こういうことも言われておりますが、ここらについてどの程度の考え方を持っておられるか。これは関係者からお聞きしたいわけです。
  59. 寺嶋潔

    ○寺嶋説明員 お答え申し上げます。  観客輸送対策につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、科学技術博覧会輸送対策委員会、その下の研究会で検討されておりまして、運輸省といたしましても研究会に参画しておるわけでございます。  そこで、鉄道と自動車にどのように観客を振り分けるか、あるいは常磐線の各駅にどの程度乗客の乗降を期待するかというようなことをこれから詰めていくわけでございますが、御質問の各駅の現状でバス輸送が賄えるかということにつきましては、これはただいまも先生がおっしゃられましたように、各土浦、荒川沖、牛久の西口にはそれぞれ何バースかのバスターミナルがございますけれども、すでに既存の路線バスが使っておりますから、これをもって博覧会観客輸送をやるということは、これはとうていむずかしいと思っております。  それから、道路につきましても相当の改良が必要であろうと思っております。この辺につきましては、関係省庁とさらに検討していきたいと思っております。
  60. 竹内猛

    竹内(猛)委員 なお、外国から見える方々がいますね。これは成田におりるわけでしょう、それで、その成田から一遍東京に来て、東京から博覧会へと、こういう順序をとればすべてがいいのです。ところが、直接に成田から入りたいということになったときに、佐原、江戸崎それから土浦から谷田部に入る、こういう順序になったときに、あの道路があのままでいいとは言えない。どうしても道路を拡幅して、少なくとも二車線ぐらいなければこれはだめだと思うわけですけれども、この辺についてはどういうふうに考えられているのか。
  61. 萩原浩

    ○萩原説明員 お答えいたします。  今回の科技博に関する外国人の観客というものがどのくらいであるかということはいろいろ議論されておるようでございますけれども、そのうちの大半の方は、恐らく宿泊施設その他の関係で東京にいらっしゃるのではないか、東京からこの科技博においでになるのではないかという予想をつけております。したがいまして、成田から直接この会場にお向かいになるという観客の方はそう多くはないのではないかというふうに考えております。ただいま先生御指摘のように、現在の道路というものは一部分非常に屈曲が多いというようなところがかなりございますので、そういう点についてはまだその交通量を十分予測した上で関連公共事業として取り上げるということを考えております。  なお、ついでに申し上げますが、先ほどから先生御指摘のように、観客輸送関係は非常に大きな問題でございます。そのうち一千万人は道路で負担いたすということを考えておりますが、残りの一千万の鉄道利用者につきましても、駅からの輸送は当然バス輸送にならざるを得ないわけでございます。したがいまして、幹線道路整備それから駅から会場までの道路整備、この二つを両輪として整備計画をまとめるように現在鋭意研究中のところでございます。
  62. 竹内猛

    竹内(猛)委員 もう一つの問題として、埼玉県あるいは群馬県、栃木県、この方面からの観客として利根川に橋を一つかけてくれという要求が非常に強い。これは茨城県の岩井市と千葉県の関宿を結ぶ橋のことで、すでに市議会等では決めて用地まで——これは無料ではなくて有料道路をつくってもらいたい、現在ある芽吹橋の場合にはもう混雑してどうにもならないということで、科学博覧会があろうとなかろうとこれは必要だということで前から要請がありましたが、この機会に少なくとも橋の一つぐらいは考えて、そしてその地域の観客の便益を図ることは科学博覧会にとって必要ではないか、こういうように思われる。この点については、手続にはいろいろの問題があるとしても、問題指摘としてはある意味においては適当だと私は思うのです。その点は金もかかることですけれども、どのようにお考えになるか、関係者からひとつお答えをいただきたい。
  63. 萩原浩

    ○萩原説明員 先生御指摘の橋でございますが、関宿町と岩井市を結ぶ架橋の構想につきましては、私どももいろいろ承っております、しかし、残念ながら現在当該地には道路法で認定された道路というものが存在いたしておりませんので、架橋のためには、まず橋梁とその前後の道路を含めた道路法上の路線として認定することが第一段階として必要であろうと存じます。現在茨城県においては調査が進められておりますが、今後茨城、千葉両県におきまして、架橋位置の調整であるとか、あるいは当該道路の認定、そういうものが必要であろうと思います。  こういう過程を経て、もし建設ということになれば事業化になるわけでございますけれども、御承知のように利根川は坂東太郎と言われておる非常に大きな川でございます、したがいまして、そこに橋をかけるということになりますと、一斉に橋脚工事にかかることは治水上とうてい許されないことでございます。やはり部分的に橋脚を建設していかなければならないという問題がございますので、いわゆる資金の問題とは別に、工程的な非常に大きな制約がございます。したがいまして、仮にいま直ちに着手ということになったといたしましても、従来の利根川架橋の私どもの経験からいたしますと、ちょっと科技博の開催には物理的に間に合わないのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  64. 竹内猛

    竹内(猛)委員 次に宿泊の問題です。一日に十二万ぐらいの、もっと多いかもしれませんが、観客がある。その宿泊の場合に、宿泊の施設というものは会場にはつくるかどうかもわからない、つくっても後の維持が困難であるからつくることについては無理だろうと思う。そうすると日帰りという形になるかもしれませんが、しかし残っていきたいという人もいる。そういう場合の宿泊施設についてどうされるか。いままでの経験から言うと民宿という方式をとったという。民宿をとるならばいまからそのような方法でアピールしなければいけないだろうということで、民宿の方式をとるかとらないか、ここらも含めて宿泊施設についてどのようにお考えになっているか。これは協会の方からでも、関係者からでも。
  65. 伊原義徳

    伊原参考人 宿泊対策の問題は、輸送問題と同様に非常に重要な問題だと思っておりますが、現在あの地域の条件からいたしまして、先生御指摘のように、大量の宿泊施設を新しくつくることはなかなかむずかしいというのが実情のようでございます。したがいまして、基本的には必要な宿泊施設は東京方面に依存せざるを得ないと思っておりますけれども、ただいま御指摘の民宿を含みます現地周辺の宿泊施設につきましても、できる限りそれを活用いたしたい。そのためのあっせん情報システムを設けていただきたい、こう考えておるわけでございます。目下、会場から距離別に現状はどういうことであるか、それから六十年の時点で宿泊施設がどうなるかというふうな調査をいたしております。それから、旅行業界の協力を得まして、博覧会の見学とほかの観光地の観光とをセットにする、こういうことも考えたいと思っております。つまり博覧会を見学いたしましてから、後はほかの観光地の宿泊施設で泊る、こういう組み合わせをいたすことによりまして、東京方面からだけでなくて、あの周辺の観光地の宿泊施設を活用するということが有効ではないか、それからまた、青少年に対しましては、会場周辺に非常に広々とした場所があるようでございますから、たとえばキャンプ場などを臨時に開く、こういうふうなことも将来の可能性として考えたい、こう思っております。  以上でございます。
  66. 竹内猛

    竹内(猛)委員 これはまだ計画が進んでいないと思うけれども、やはり一定の数を計算されないとまずいと思うのです、宿泊というものに対して一体どれくらいの数が予定されているのでしょうか。これも腰だめですか、
  67. 伊原義徳

    伊原参考人 まだ調査中でございますので、現時点におきましてこういう数字になるであろうということを御説明申し上げられないのは大変申しわけなく思っております。調査の結果をできるだけ早くまとめたいと思っております、
  68. 竹内猛

    竹内(猛)委員 民宿も考えておられるのですね。
  69. 伊原義徳

    伊原参考人 そのとおりでございます。
  70. 竹内猛

    竹内(猛)委員 そこで、建設省の方にお伺いするわけですが、関連公共事業に相当大量の投資がされなければならないと思うのですが、建設省としては、この仕事を進めるについて一定の構想計画をお持ちだと思いますけれども、これについてはわかっている範囲内でちょっと説明してもらいたいと思います。
  71. 萩原浩

    ○萩原説明員 お答えいたします。  先ほど計画局長からも御説明ございましたように、関連公共事業の大枠の決定というものについては、科技博の開催が本決まりになりました段階でできるだけ早く決定いたしたいということで、現在鋭意作業を進めておるところでございます。関連公共事業のほとんどが、正直申し上げて今回の場合は道路であろうと存じます。そのほか下水も一部ございますが、ほとんどが道路でございます。したがいまして、道路整備計画がそのほとんどになろうと思いますので、それについて鋭意検討を進めているところでございます。  先ほど御説明申し上げましたように、大きな柱は二つございまして、一つは東京からの大きなメーンパイプ、それからもう一方は、駅その他域内の交通の確保というものが第二の柱でございます。第一の柱のメーンのものにつきましては、常磐自動車道、三郷——日立南間約百五・二キロございます、これは現在鋭意建設中でございますが、これの開通を図ること、あるいは東関東自動車道、市川——宮野木間、これが十六・七キロ、成田——大栄間十一・八キロございます、これの完成も図ること、並びに首都高速道路公団建設しております足立——三郷線七・五キロ、その他の路線の供用を図りましてメーンパイプをまず完全に完成させたいというふうに考えております。  この間、常磐自動車は現在片側二車線、往復四車線で建設中でございますけれども、部分的にはこの四車線では足りなかろうということが予測されておる部分もございますので、この点については、さらに一車線ずつ確保いたしまして六車線で整備を図るというようなこともいま検討中のところでございます、  なお、第二の柱の域内道路につきましては、茨城県その他ともいろいろ連絡をとりながら、いま鋭意作業を進めておるところでございます。
  72. 竹内猛

    竹内(猛)委員 この際、二点にわたって要請しておきたいと思います。  第一は、現在筑波国定公園は筑波山と霞ケ浦が指定されております。その筑波山で七つの採石会社が石をとっております。土浦の方から見ると山が一つずつなくなってしまう。この山の石は茨城県の採石の四分の一と言われている。その中には民有地もあるし国有地もあります。中には非常によく行政の指導に基づいて採石している会社もありますが、中には、それを一切聞かない、石さえとればいいということでかなり乱暴に石とりをしている会社もある。再三注意したけれどもなかなか聞かない。その石を運ぶダンプが道路を占有するわけだ。そうすると、いよいよ博覧会が始まってくると、このダンプが通る、観客が入る、この整理をするのにどういうような手だてをするかということは、ひとついまから考えておかなければならない問題だし、それから、この石とりは、先に採掘権を持っていて後で指定したわけだから、十年間は認めているわけですから、昭和六十年まではとれるわけだ。ちょうど博覧会をやるころまではとれるのです。八月ころまでは権利がある。それを停止するということになると、権益を侵したことになって会社から損害賠償を要求されないとも限らない、こういうことにもなりかねないことがあります。この辺については十分に研究しておかなければならないことだと思う。私がしばしば山へ行って、山へ上がっていくと発破も鳴らないしダンプも来ない、帰ってくるとまた始まる、こういうことでありますから、かなり警戒をしてやっている。石とりがあることをまず一つ指摘をしておきたい。  それから、道路の問題ですが、いま建設省の方からお伺いをして、かなり先の方に見通し計画があるようですが、いよいよ運搬の段階になって、非常に運搬がむずかしくなってきたということで急に道路の拡幅をしようとしても簡単にいかない。この問題については早くから手を加えないとまずいと思うのです。現在でも何世帯か引っ起さなければならない家がある。そういうところからいろいろな意見が来ておりますから、その人たち協力するのだから、やはりこれについては十分温くいまからこたえてもらいたいということ。この二つについて要請をしておきますが、特に関係者の方から答えてもらった方がいいかもしれない、大事なことだから、どうですか、
  73. 園山重道

    園山政府委員 御指摘の点につきましては県あるいは関係省庁、御所管の向きによく先生の御趣旨をお伝え申し上げまして、支障が生ずることのないようにいろいろ御相談、お願いをいたしたいと思っております。
  74. 萩原浩

    ○萩原説明員 先生御指摘の第二の点、道路整備についてでございますが、御指摘のように非常に用地買収その他に長時間をかけなければなかなか地元の方の御納得を得られないと思います。したがいまして、早急に関連事業計画を定めて、できるだけ早く計画をまとめたい、こういうふうに考えております。  また、事業実施はほとんどは茨城県あるいは関係市町村でやっていただけると存じますので、その事業の執行のやり方について、先生の御趣旨を踏まえて県並びに市町村を指導してまいりたい、こう考えております。
  75. 竹内猛

    竹内(猛)委員 跡地利用の問題について若干の質問をしたいと思います。  始まらない前から後のことを考えるなんということですけれども、これは六カ月たてば博覧会は終わるのですから、その後をどうするかという問題と現在の筑波研究学園とを結びつけないと地元には説明がしにくい。そこで、筑波研究学園が五十四年に概成をした。本来あの地域の人口は二十万人になることを期待していた。ところが、実際現在は十三万人でとまっております。公務員の住宅もりっぱな住宅ができておりますが、単身赴任という状態で、常時使っているところは少ない面もある。これは現在の定年制の問題やあるいは交通、医療その他もろもろの問題があって、ここでは余り言えない点もありますから申し上げないけれども、そういう問題があって人口が思うように伸びておりません。先ほども、その学園自体が十万を収容する施設を持ちながらまだ三万しか入ってないというお話がありましたが、そういう状態ですから、これを満たさなければならないということがあるのです。そうすると、この谷田部で開かれる科学博覧会会場約百町歩、これと並行的に大穂と筑波で百町歩の土地を買っている。そしてもう一つ、豊里という町でそれと同じくらいの工業団地ができてすでに二十一社が入っておりますが、科学博覧会の跡地それからそれと並行的に買った筑波と大穂の跡地については、県としては工業団地としてこれを位置づけていこうとしておりますが、これに対して関係者としては、これを工業団地として推進していく場合にどのような相談を受け、どういうようなことをやろうとしておるのか、その点について、現在までに相談があったらお伺いしたいし、なかったらまたこちらの方からも要請をしたいと思いますが、その点はどうなっておりますか。跡地利用について、国土庁の方からでもいいですね。
  76. 井上良藏

    ○井上説明員 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、筑波研究学園都市につきましては人口二十万人を予定いたしまして都市の建設を進めてまいっているところでございます。  いま御指摘のように、その研究学園地区十万を予定いたしております研究学園地区の人口は約三万でございまして、そこへの人口定着を図りますためには、周辺地域への工業団地あるいは民間研究所等の立地を十分推進しなければその十万人の人口確保は非常にむずかしいというふうな考え方に立っております。これは県も同様の考えでございまして、その趣旨をもちまして、いま御指摘にございました科学技術博覧会用地及び北部の豊里地区の区画整理用地あるいはより北部の大穂、筑波地区の百ヘクタールの用地を工業用地といたしまして開発を進めたいということで従来から県から御相談もありまして、われわれもその趣旨を受けて協力をしてまいってきておるところでございます。そういうことで跡地は工業団地として利用されるものというふうに予定いたしております。
  77. 園山重道

    園山政府委員 ただいま国土庁から御答弁のありましたとおりでございますが、この博覧会用地につきましては、一昨年の十一月の閣議了解におきまして、県の責任でこの取得と跡地の利用処分するということが示されております。  ただ、この跡地利用につきましては、先生の御指摘にもございましたように、あるいは国土庁からのお話にございましたように、県が工業団地として科学技術に関連のある産業の誘致をしたいというお考えでございまして、私どもの方にもそういうお話がございました。したがいまして私どもといたしましても、できるだけ科学技術、研究開発等に関連のあります民間企業があの地に進出されるということは、地元の都市としての熟成の問題ももちろんでございますけれども、筑波研究学園都市のいわゆる研究機能の強化という点におきましても、国の研究機関、大学それから民間の研究事業といったようなものがあの地に集まりまして全体の協力のもとに進めていくということは非常に望ましいことだと思っておりますので、できるだけの応援をしていきたい、このように考えておるところでございます。
  78. 竹内猛

    竹内(猛)委員 この際、私どもから若干要請をしておきたい点がありますが、これは中川大臣によく聞いてもらいたいし、お答えもいただきたい。  先般、内閣委員会でも要請をしたわけですけれども、実は二十万の目標が十三万にとまってしまった。それで単身赴任というようなこともいろいろ調査をしました。調査をしてみると、一つは、東京あるいは千葉県の試験場、平塚の試験場、その他の試験場から学園に来た学者や先生、それは年齢から言えば三十代の人もいるし四十代もおります。こういう方々はすでにそのところに一定して居住し、家を持っておられる。お子さんも高校に行っておられるし、奥さんも仕事をしておられる。いろいろな仕事をしているわけだから、実際家を挙げて筑波に移ってしまうということは困難ですね。家をあければ今度はだれかに貸さねばならないし、売るとすればその土地が思うように売れるかどうか。ローンなんかやっている人では大変だと思う。そういうことで筑波の方へ移ってみると、りっぱな建物ではあるけれども定年になると出されてしまうわけだから、いつまでもそこに住んでいるわけにはいかない。そうするとどこかに別れなければならない。そこで結局単身赴任、あるいは松戸とか柏に土地を求めて、奥さんは東京に、主人は学園に、こういうことになってしまう。  そうすると、筑波研究学園をつくった第一の目的は、東京の過密を解消するということであった。二つ目は、静かなところで研究するというのが目的であった。二つ目の目的はいまのところは達しているけれども、第一の目的は達していないのです。だから、その第一の目的を達するためには、どうしてもこの科学博覧会の延長線の上に工業団地をつくって、その工場で働くその地域の者、あるいはその他の者もいいわけですけれども、それに技術を与える、その技術というものは、大学の先生にしろ、そこに集まってきている各省庁の専門の技術者がいるのですから、農業からそれこそ科学まで全部いらっしゃるのですから、そういう方々に出てもらっていろいろと教えてもらう、そこで企業に就業をして賃金を得る、こういう形のものにするためには職業学校というようなものができていいのじゃないか、茨城県の知事はそういう考え方を出しているのです。われわれもそういうふうに考えている。それから、茨城県の労働組合連盟というのが十三万ほど組織がありますけれども、そこでもそういう意見を出しております。いずれにしても雇用の機会をつくって、それに技術を与えていくということが大事だ。あるいは、学者にはなれないけれども学者の補助、補佐、こういうような人間をつくってくれという県議会の質疑もあります。ここに県会の議事録がありますけれども、県議会でも非常にまじめな議論をしている。こういうことで、ぜひこの際あそこに職業専門訓練所とかいうようなものをつくったらどうかという提案をこの前したことがある、そうしたら労働省は、いやそれは水海道にも土浦にも下館にもある、あることはわかっているけれども、五十人や八十人を訓練してやるのじゃない、何千何万という人間を訓練していくんだから、もっと大がかりな、国の事業としてやった筑波研究学園、国の事業としてやる国際科学博覧会、それがやはりそういうものを吸収して、そこで全国の頭脳のメッカとしてそれを進めていくということはちっとも不思議じゃない。こういう点でひとつ思い切った方向にこれを進めてもらいたいということをこの際、これは長官に要請をしたいわけです。
  79. 中川一郎

    中川国務大臣 今度の科学技術博覧会は二十一世紀に向けての科学技術国民への啓蒙ということもありますが、筑波学園都市を定着させたい、いろいろ環境整備がおくれておる、こういうことでございます、この機会に筑波学園都市を整備したいということでございますから、先ほど来御議論のあります交通網等が一番ネックじゃないか、こういうものができますと工場などもずいぶん入ってくるのじゃないか。財界あたりでもあるいは経済界あたりでも大いに協力しよう、こういう空気も出てきております。そういう面で一つの大きなはずみになるのだろうと私は見ております。  それに際して職業訓練所等の問題、これにつきましては科学技術庁の担当でありませんで、労働省あるいは県、地元との関係でもございますが、われわれとしては側面から御協力申し上げたい、こう思います。
  80. 竹内猛

    竹内(猛)委員 これはぜひこの機会に、側面からでも正面からでも、ともかく閣議で、声が大きいですから、中川長官の声は格段にでかいということを知っているのだ、だからそのでかい声でやってもらえばいい、これは関係閣僚会議の中でひとつそういうことをお願いしたい。  それから農民の問題ですね。あそこの農民が二面性を持っているのですね。一つは、筑波研究学園に土地を売ったときには、一反歩、三百坪を三十七万から四十二万で売った。その次に工業技術院が第二の土地買収をしたときには、同じ続きが今度は坪一万九千八百円ですから、一反歩にすると約六百万だ。十五年ぐらい先ですね。今度の買収は三万円ですよ。これは九百万ですからね。こういうように十年ぐらいごとに値段が、同じ続きが物すごく値が上がる。だから土地を持っている農家にしてみれば、これぐらいありがたいことはない、土地さえ持っていれば値が上がって売れるのだから。しかし、それを買えない状態というものが今度は一部にあるわけで、学者先生の給料ではとてもそれを買ってそこに定着するわけにはいかない。それだからまた定着しない面があるのですね。だから一面においては、農業をやめてアパートをつくったり、あるいは商売をしている人もいるけれども、中には農業をやりたいという人がたくさんおるのですね。そういう農家に対しての農業の指導については、これは米や麦をつくるという農業ではなくて、土地利用型の農業ではなくて施設を利用していく、こういう農業の方向に、ちょうどあそこに農林省の技術会議がありますから、こういうものを活用して十分に指導できるように、これはやはり国の方からも指示をしてもらいたいと思います。これが第一点。  それから第二点は、建設省及びその他の工事に関係して、先ほど中村さんからもお話がありましたが、地元の労働力を活用してもらいたいということなのです。地元は土地を出しただけで、あとはみんな上の方から来て仕事を握ってしまったのでは、地元は何のメリットもない。土地を出したからにはやはり地元に何がしかのメリットというかあれがなければ、これはうまくない話だから、そういうふうにしてほしい。茨城県はときどき新聞紙上をにぎわすようなことが起こっておりますけれども、そういうことのないように明朗にしていかなくてはならないので、その点はガラス張りでひとつやってもらいたいということを第二点として要請をしておきたいということ。その点についてはどうでしょうか。
  81. 園山重道

    園山政府委員 お答えいたします。  第一点の農業に対する配慮、農民の方々に対する配慮ということでございますが、これは先生御指摘のように、博覧会開催いたしますのもやはり地元の方々の最大限の御協力がないとできないことでございますので、農林省関係の研究機関を通じたいろいろ新しい知識、技術の普及といったような点、それから農民の方々の営農に対する配慮等、十分に気をつけていくべきものと思っております。  それから、地元のこの事業に対する活用という点につきましても、従来から、学園都市自身の建設につきましても、住宅公団等いろいろ地元の企業の御協力を得ておるところと聞いておりますので、今後ともそういう方向になるように私どももできるだけの努力をしていきたいと思っております。
  82. 竹内猛

    竹内(猛)委員 これは二月十八日の日本農業新聞です。日本農業新聞だから、これは社会党の新聞じゃないのだから、ひとつよく聞いておいていただきたい、これを見ると「科学万博農家おき去り“発車”」「営農継続に不安残し町、県の強引さばかり先行」こうなっている。こういう記事がいまこの法案を審議するときに出されるということは、これはなかなか残念だと思うのですね。だからこの際、いまお話のあったように、土地を出した農家あるいは農業に生きたいという農民、こういう人たちに対する格別な努力をやはりしてほしいということを重ねて要求するし、これは担当大臣である中川長官からもひとつお答えを聞いて、今後もまた材料にしていきたいと思いますので、ひとつしっかりしたお答えをいただきたいと思います。
  83. 中川一郎

    中川国務大臣 この土地の問題については県が責任を持ち、しかも谷田部町が非常に御熱心に町を挙げて誘致運動があって決定したものでございまして、われわれは無理をして土地を選定したものでもありませんし、ましてや農業を置き去りにして、農家に迷惑をかけようなんという意図は毛頭ございません。地域の振興ということにも役立つであろう、こう期待しておりますし、御指摘の、今後あの地帯が施設園芸農業ということに進んでいくのだろうと思います。そういう地帯として位置づけられるのだろうと思いますから、農業技術会議あるいは農林省にもよく連絡をして、農家の方々にも喜んでいただけるよう、こういう配慮をしていきたい。私たちは農家の迷惑、こんなようなことで置き去りにするのだというような気持ちはさらさらありませんで、ひとつ御要望にこたえていきたいと思っております。
  84. 竹内猛

    竹内(猛)委員 ぜひそのようにしてほしいということをお願いを申します。  そして最後に、これは協会の方にお願いをしますが、最初に申し上げたように、民間の美術あるいは芸術、科学というものに対して採用してほしいということを申し上げましたが、それは快くやりましょうということで、その第一号がここに来ていますから、内容を読み上げて御協力を願いたい。「科学万博と芸術に関する要望書」というのが来ております。  このたび「国際科学技術博覧会」が昭和六十年に本県筑波研究学園都市開催されますことが決定をみましたことは誠に慶賀に堪えませんテーマである「人間居住環境科学技術」に就いて新しいイメージを探求するために開催されるわけでありますが単に筑波を二十一世紀に向けて世界の科学技術のメッカとするだけで無く豊かな人間性を表現する場として且つまた我国に於ける芸術の真髄を国内はもとより国外にも知らせる絶好の機会であると存じますわれわれ美術を愛好する者としてこのたびの科学万博に全面的な協力を誓うものであります就きましては本県はもとより日本の代表的作家による芸術発表の場を是非設けて頂き多くの芸術作品を通じてこの万博参加出来ることを期待するものであります  科学と芸術はいわば車の両輪の様に人間の豊かな生活を支えるため必要不可欠のものであります人間の今日を築きあげました科学の精粋を明らかにすると共に芸術文化の美を会場に集う人々に展示し豊かな人間性を養うことは極めて重要なことでありますこれこそ地方の時代を表現する快挙であると信じます何卒ご賢察の上しかるべくご配慮を賜りたく御願い申し上げる次第であります ということで、昭和五十六年二月、茨城美術展覧会委員長小森邦夫さんから要望がございます。  この要望を快くひとつ聞き入れていただいて、展示場などを作ってほしいということを要望します。
  85. 伊原義徳

    伊原参考人 茨城県、地元の芸術関係の方々の大変御熱心な御要望でございますので、十分会場の具体的な展示構想のときにその考え方も参考にさせていただきたいと思います。
  86. 竹内猛

    竹内(猛)委員 時間が参りましたから私はここで終わりますが、特に筑波研究学園の延長の上に科学技術博覧会が六十年に開催をされるということに対して、いろいろな角度からいま質疑をしてきました。そして多くのお答えをいただきましたが、これは党派の問題ではありません、やはり日本の科学技術というものを高揚して、そして二十一世紀に向かってのあるべき方向というものを探っていくという意味において、成功させるようにしたいと思います。  地元の者として今日まで土地を提供し、そしてこれに協力している人々に対して、十分に先ほど申し上げたようなことに対してこたえていただいて、どうかひとつ一緒にこれを喜ぶようにしてほしいということを要望しながら私の質問を終わります。
  87. 中村弘海

    中村委員長 この際、伊原参考人に申し上げます。  本日は、委員会に御出席いただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十分散会