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竹内(猛)
委員 この際、私どもから若干要請をしておきたい点がありますが、これは
中川大臣によく聞いてもらいたいし、お答えもいただきたい。
先般、内閣
委員会でも要請をしたわけですけれども、実は二十万の目標が十三万にとまってしまった。それで単身赴任というようなこともいろいろ
調査をしました。
調査をしてみると、一つは、東京あるいは千葉県の試験場、平塚の試験場、その他の試験場から学園に来た学者や先生、それは年齢から言えば三十代の人もいるし四十代もおります。こういう方々はすでにそのところに一定して
居住し、家を持っておられる。お子さんも高校に行っておられるし、奥さんも仕事をしておられる。いろいろな仕事をしているわけだから、実際家を挙げて
筑波に移ってしまうということは困難ですね。家をあければ今度はだれかに貸さねばならないし、売るとすればその
土地が思うように売れるかどうか。ローンなんかやっている人では大変だと思う。そういうことで
筑波の方へ移ってみると、りっぱな建物ではあるけれども定年になると出されてしまうわけだから、いつまでもそこに住んでいるわけにはいかない。そうするとどこかに別れなければならない。そこで結局単身赴任、あるいは松戸とか柏に
土地を求めて、奥さんは東京に、主人は学園に、こういうことになってしまう。
そうすると、
筑波研究学園をつくった第一の目的は、東京の過密を解消するということであった。二つ目は、静かなところで研究するというのが目的であった。二つ目の目的はいまのところは達しているけれども、第一の目的は達していないのです。だから、その第一の目的を達するためには、どうしてもこの科学
博覧会の延長線の上に工業団地をつくって、その工場で働くその地域の者、あるいはその他の者もいいわけですけれども、それに技術を与える、その技術というものは、大学の先生にしろ、そこに集まってきている各
省庁の専門の技術者がいるのですから、農業からそれこそ科学まで全部いらっしゃるのですから、そういう方々に出てもらっていろいろと教えてもらう、そこで企業に就業をして賃金を得る、こういう形のものにするためには職業学校というようなものができていいのじゃないか、
茨城県の知事はそういう考え方を出しているのです。われわれもそういうふうに考えている。それから、
茨城県の労働組合連盟というのが十三万ほど組織がありますけれども、そこでもそういう
意見を出しております。いずれにしても雇用の機会をつくって、それに技術を与えていくということが大事だ。あるいは、学者にはなれないけれども学者の補助、補佐、こういうような
人間をつくってくれという県議会の
質疑もあります。ここに県会の議事録がありますけれども、県議会でも非常にまじめな議論をしている。こういうことで、ぜひこの際あそこに職業専門訓練所とかいうようなものをつくったらどうかという提案をこの前したことがある、そうしたら労働省は、いやそれは水海道にも土浦にも下館にもある、あることはわかっているけれども、五十人や八十人を訓練してやるのじゃない、何千何万という
人間を訓練していくんだから、もっと大がかりな、国の
事業としてやった
筑波研究学園、国の
事業としてやる国際科学
博覧会、それがやはりそういうものを吸収して、そこで全国の頭脳のメッカとしてそれを進めていくということはちっとも不思議じゃない。こういう点でひとつ思い切った方向にこれを進めてもらいたいということをこの際、これは長官に要請をしたいわけです。