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1981-04-24 第94回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年四月二十四日(金曜日)     午前十時三分開議  出席委員    委員長 小沢 貞孝君    理事 阿部 文男君 理事 上草 義輝君    理事 川田 正則君 理事 上原 康助君    理事 島田 琢郎君 理事 吉浦 忠治君    理事 部谷 孝之君       臼井日出男君    小渡 三郎君       熊川 次男君    泰道 三八君       中村正三郎君    中山 正暉君       小林 恒人君    松本 幸男君       玉城 栄一君    瀬長亀次郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (沖繩開発庁長         官)      中山 太郎君  出席政府委員         総理府北方対策         本部審議官   藤江 弘一君         防衛施設庁施設         部長      伊藤 参午君         沖繩開発庁総務         局長      美野輪俊三君         沖繩開発庁振興         局長      海原 公輝君  委員外出席者         外務省北米局安         全保障課長   丹波  実君         大蔵省理財局国         有財産第二課長 桜井  直君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     植松  敏君         運輸省航空局飛         行場部計画課長 平井磨磋夫君         運輸省航空局管         制保安部管制課         長       末永  明君         建設省道路局高         速国道課長   鈴木 道雄君         建設省道路局市         町村道室長   駒田 敬一君         自治大臣官房企         画室長     吉住 俊彦君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     大城 金夫君         特別委員会第一         調査室長    長崎  寛君     ————————————— 委員の異動 四月十六日  辞任         補欠選任   川崎 二郎君     中山 正暉君     ————————————— 四月十五日  北方領土返還に関する請願近藤元次君紹  介)(第三〇三八号) 同月二十日  北方領土返還に関する請願天野光晴君紹  介)(第三三八四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  沖繩問題に関する件      ————◇—————
  2. 小沢貞孝

    小沢委員長 これより会議を開きます。  沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、沖繩問題に関する件について、日本道路公団理事大城金夫君を参考人として出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小沢貞孝

    小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  4. 小沢貞孝

    小沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渡三郎君。
  5. 小渡三郎

    小渡委員 御質問をする前に、私の手元にちょっとした資料がございますので、開発庁それから建設省にちょっとお配りください。  いまお手元にお配りをいたしました見取り図でございますけれども、それは先刻開発庁皆さん建設省皆さんもおわかりかと思いますが、少しく説明をいたします。そうしないと、いまから質問をいたしますことが十分おわかりにならない点があろうかと思いますので、ちょっと目を通していただきたいと思います。     〔委員長退席上草委員長代理着席〕  その図面は、与那原町の地籍調査の結果起きてくるであろういわゆる権利取得のことについてでございますけれども、まず右側の方の新垣勝弘土地でございますね、黄色に塗られておりますが、それが新垣勝弘さんの家でございます。これは百番地所有者富川貞雄さんとそれから百一番地所有者大城八重子さん、二筆の土地占有しているわけでございます。  次に新垣勝弘さんの土地は、長嶺春昭さん、大城八重子さん、長嶺春康さんがそれぞれ占有をしており、一部は町の道路につぶれているわけでございます。  さらに長嶺春昭さんの二百五十三番の土地は、占有者が不明の空き地でありますし、町道路長嶺春康さんにそれぞれつぶれて占有をされております。  したがって解決方法といたしましては、新垣勝弘さん、大城八重子さん、長嶺春昭さん及び長嶺春康さんの占有地は既設の建物が建てられております。それぞれ各所有地に戻ることは不可能に近いのでございます。現に占有している状態で落ちつく必要が実はあるわけでございます。  そこで、新垣勝弘さんは占有地を確保するためには、次の権利移転が必要になるのじゃないかと思います。すなわち、新垣勝弘さんが買う土地、これは百番と百一番でございますし、今度は新垣さんが売るのは長嶺春昭さん、大城八重子さん、長嶺春康さん、それと道路のつぶれ地、こういうことになろうかと思います。  こういう結果、新垣勝弘さんが権利取得するためには事実上、五人の所有者と交渉しなければならないし、しかも百一番につきましては抵当権が設定をされておりますので、債権者との調整もしなければなりません。また、それと関連をさせまして長嶺春昭さんが占有地を買うためには、二百五十三番の道路つぶれ地の補償を受けなければなりませんし、また宅地に入っている部分を売らなければならないので、権利調整道路のつぶれ地の補償とも有機的に関連をしてくるわけでございます。  これは権利調整の実態の一部だけをいま御紹介いたしたのでございますけれども、大変複雑怪奇なことが介在しているということを御承知でございますか、お答えください。
  6. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  私ども担当いたしております地籍不明地域内におきましては、比較的に市街化された区域が多いということもございまして、ただいま先生指摘のようないわゆる占有所有、あるいはそのほかのいろいろな権利関係が錯綜するものということをある程度予測をいたしておったわけでございます。そのために私どもといたしましては、そういった単に従前の位置境界だけを明らかにするというだけではなくて、さらに占有等関係につきましてもこれまで並行をして調査をし、先生指摘のような問題の解決に役立てていきたいということでこれまでも取り組んできたつもりでございます。
  7. 小渡三郎

    小渡委員 そこで局長与那原地籍の問題でございますが、私はこれは明確化するために皆さんが、県も市町村地主も皆協力をして一生懸命おやりになったことは評価いたします。しかし、地籍明確化作業が終わっただけでは問題は解決にならないのです。いま私が具体例を挙げて説明を申し上げましたように、そういう問題が全部、同時に、しかも集団的に行われないと、これは地籍明確化作業が終った後、大きな紛争を起こす種をまき散らした形になろうかと思います。  すなわち、現地確認が終わりましたのは去年の暮れでございますね。それで二月十九日から閲覧に入りました。総理大臣認証を受けるのが大体六月から七月というぐあいに私ども考えておるのでございますけれども、仮に六月に認証を得ましても、それからこの法律で言う恩典を受ける期間は、認証の翌年の五十七年十二月三十一日までですから、やっと一年半くらいでございます。  この間で恩典を受けるというのは、いわゆる所得税だとか法人税印紙税登録免許税だとか融資、こういうものを全部含めまして本当の意味で税と融資を完全に受けられる期間というのは、認証を受けた六月から五十七年の十二月三十一日までの一年半足らずであるわけです。その間で、いま私が具体例を挙げたような問題を本当に全部解決できる用意がございますか、お答えください。
  8. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  先ほどもちょっとお答えいたしましたように私どもといたしましては、非常にふくそうした権利関係が出てくるであろうということを予測いたしまして、いわゆる地籍明確化調査のほかに占有界調査をあわせて実施いたしてきたわけでございます。それをもとにいたしまして、先生指摘のような個々人の売るべき土地あるいは買うべき土地といった問題、いろいろ入りまじってまいりますので、個々人がどういう権利関係にあるかを私ども個人別権利調整票というものをつくりまして、それを三月に各人にお渡しをいたしたわけでございます。     〔上草委員長代理退席委員長着席〕  これによりまして大体、個々人がどのくらいの土地をみずから使用し、他人土地をどのくらい使用し、また他人にどのくらい自分土地を使用させているかという関係個々人に明らかになっているものと私ども思っております。したがいましていま現地におきまして、これをもと資料といたしまして種々協議が行われていると承知をいたしております。  ただ、この権利関係調整は基本的には、個人財産権関係するものでございまして、やはり中心となりますのは個々の権利者ということでございます。そういった考え方で現在、地元での話し合いをできるだけ行ってもらっている、また私どもとしても御相談にあずからせていただいているという状況でございます。そういったことで、これがいつまでにできるかということはなかなか申し上げにくい問題でございますが、私どもとしてはできるだけ可能な協力をいたしまして早期に解決できるように努めていきたい、このように考えているところでございます。
  9. 小渡三郎

    小渡委員 局長、未合意地域がございますね、その未合意地域の主な理由の中の一つには、時効取得を主張している人もかなりいるんです。この時効取得についてはどのようにお考えですか。
  10. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  沖繩における土地関係時効の問題につきましては、非常にむずかしい問題があろうかと思います。私どもとしてはこの問題を解決すべき基調といたしましては、やはり権利者間の集団的な合意といいますか和解といいますか、そういったものがいずれにしても基調としてなければならぬものと考えてこの問題の処理を進めているところでございます。
  11. 小渡三郎

    小渡委員 いや、ちょっとお待ちくださいよ。その未合意地域はもう明らかなんですよ。何件あるということは皆さん承知しておられるはずなんだ。それを可能な限り話し合ってもらって合意していただくように努力いたしますと言うんだけれども、事実上今日まで、認証手続をとる現在のこの時点に来るまで時効取得を主張いたしまして、占有界を固持している者がおるわけです。しかもその時効取得というのは、いわゆる法律で言う悪意という形でとりましても二十年でございますから、もう二十年経過しておりますから法律的な効果があるわけです。効力が発生しているわけです。それに対して、話し合って何とかすると言うけれども、具体的にはどんな形でやるのですか。これは、地主間でやれと言ったって不可能なことなんですよ。だから混乱があるわけです。だから、私が先ほどの図面を提示したのは、こういう問題があって、この中には時効取得を主張しているのも出ておるのです。そうなると、それは円満に話し合いはつかないじゃないですか。どうするのですか。
  12. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  先生指摘のように与那原町について申しますと、九十数ブロックのうち現在、九ブロックが未合意地域、こういう形になってございます。そのうちのまた数ブロックからは関係者から勧告の申し出がありまして、これは現地総合事務局におきまして委員会にお諮りの上、三ブロックと記憶いたしますが、それに勧告いたしておる、また、その余の申し立て事案につきまして委員会等におきまして鋭意審議を進めている、こういう状況にあるわけでございます。  私どもといたしましても、また地籍法の立て方といたしましても、そういった諸手続の中で権利関係者合意が得られることを期待しているわけでございますけれども先生指摘のようになおどうしても未合意地区が残る、こういう可能性は私どもとしては否定できないものと考えているわけでございます。そういうこともございまして私どもといたしましては、大体五十六年度におきまして位置境界明確化調査を終わるわけでございますが、その後残る可能性のございます未合意地区についてどのように扱っていったらいいかというようなことで、実は本年度若干でございますけれども、そのための調査経費を組んでいるところでございます。そのようなことで、今後どのような方法で取り組むべきかという点につきまして検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
  13. 小渡三郎

    小渡委員 沖繩県土地調査事務局説明を聞きますと、国は前向きに検討する、こういう姿勢を示しているようでございます。いまもそのような御発言でございますけれども、私が申し上げていることは、最終的にどうしても聞かないというような場合どうするのですか。これはブロックでしょう、一ブロックがあるわけでしょう。ほかのところが全部オーケーしているんだ。ところが一人か二人の者が、これは絶対だめだと言って聞かない、時効取得を盾にして全然譲らないということになった場合どうするのか、そこを聞いているわけです。いまから検討しますというならいつまでに検討するのか、その辺もはっきりしてください。そうせぬと、これは問題が非常に大きいですよ。
  14. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 先ほどお答えいたしました未合意地区を今度どう取り扱っていくかということについての調査といたしましては、私ども五十六年度じゅうに検討をいたしたいというふうに考えて進めておるところでございます。ただ、先生の御指摘のどうしても合意されない場合という話になってまいりますと、これはやはり個人財産権に絡む問題でもございます。憲法上の保障それから行政権の及ぶ範囲というような厄介な問題が介在するというふうに考え結局、現在のわが国の法制度もとでは、裁判によって争われるより仕方のない場合も、最悪の場合としては考えなければならぬのじゃなかろうか、このように考えております。
  15. 小渡三郎

    小渡委員 そういうことでございましょうけれども沖繩県における地籍明確化作業、特にいま与那原の場合を一つの例に挙げて、見解を述べながら私は御質問をいたしているわけでございますけれども、この作業が行われて地籍明確化することは大きな成果だと思うのです。ところがその後、いまのようないろいろな法律的な問題あるいは権利の問題の調整がきかないで、それで明確化作業終了紛争が起きてくる、そしてあの地域全体が騒然としてしまう、隣の人とも物も言わなくなる。なぜかと言ったら、裁判をしているわけだから。今度はこちらの人ともけんかしている。こういう状態が起きてきたら一体、地籍明確化作業理念は何だったのかということになるのですよ。目的じゃないのです。目的はおよそ達成された。それではその理念は一体どうなんだ。大変憂慮しているわけです。  ですから、そういうことのないようにするためには、政府が積極的に中へ飛び込んでいって、そして県と町、地主との間で積極的に仲裁、仲介、あっせん、こういうような努力を前向きにやっていただかない限り、この問題は絶対解決しない、大混乱があの町内に起きてくる、これはもう必定なんですよ。私どもはそれを大変憂えているわけでございます。  それから次の点でございますけれども、これと関連をして町道補償でございますけれども、これも十四本の線のうち五本が補償されて、そして九本は放置されました。対象外にされたのです。ところが実際は、さっきの図面を見ておわかりのように、この道路の中につぶれている土地がございますでしょう。長嶺春昭さんなんかはそのうちの一つの大きな例です。新垣勝弘さんの土地は真ん中のものです。それも道路につぶれているわけです。そういうところを全然補償しないとしたら、その地主自分土地を買い求めるためにどこに原資を求めるのですか。  これを開発庁の方にお聞きをしましたら、開発庁としては、それは町村道路としての格づけだとかあるいは対象になるもの、そういうもの等については今度は、建設省の方がその基準に適合したものを定めたのだというような御説明ではございますけれども、それはそれとして、私はそんな問題じゃないと思うのです。この道路、現在の町道というのは、地主合意の上に成り立った道路でもない、町のコンセンサスを得たものでもない、戦争によってできた道路です。それでそこに自分土地があるわけです。それを補償しないで今度はまた、地籍明確化されたんだから、あっちがおまえの土地になっているんだから、あの土地を買いなさいということになったら、私の土地は大半が補償されてない道路占有されているのだというようなことになった場合、どこに原資を求めるのですか。そういうのが一件や二件じゃない、あの地域全体にふくそうしているわけですから、その辺の補償の問題ですよ。お答えください。
  16. 海原公輝

    海原政府委員 つぶれ地の補償の問題でございますが、先生御案内のとおり市町村道というものはそもそも、市町村改築維持管理の責めに任ずるということが一応原則になっているわけでございます。一定の要件に該当する場合にこれを幹線市町村道として補助する、そして沖繩の場合には、一般の本土が三分の二に対して十分の八という形になっているわけでございます。  いまお尋ねのいわゆるつぶれ地の処理につきましても、いろいろな仕組みを考えたわけでございます。まず用地取得については、改築の例に準じてこれを対象にしましょう。その場合にはもちろん、幹線市町村道という形として補助の体系に仕込むということになるわけでございますが、それを従来の感覚と申しますか一般基準で律しては、このつぶれ地のいまおっしゃったような発生の経緯等特殊性にかんがみ当を得ないだろうということで、県道への昇格あるいは幹線市町村道への昇格という手当てをしたわけでございます。さらには、位置境界不明地域におきますところの十分の二の部分についても、これは政令で要件が書いてございますが、それに該当するものについて道路特会から交付金を交付するという仕組みになっておりまして、そういういろいろな作業を経たところで与那原については、いま先生がお話しのように五本ということに相なっているわけでございます。これを全般的にながめてみました場合に、密度という観点から見ますと、相当の御配慮をしていただいているというふうに私ども考えているわけでございます。  残るものはどうするのだということになるわけでございますが、これは結局、補助対象にならない道路になるわけでございますから、これは冒頭に申し上げました一般原則に戻らざるを得ない。ただその点につきましても、これはまあ私の所管ではございませんけれども地方財政等の措置によりましてできるだけ軽減を図りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  17. 小渡三郎

    小渡委員 時間が限られていますので、こればかり議論はできないので、私は残りているものについてはまた後日、継続して議論をいたしますけれども、ただ言えることは、与那原町内にできている道路というのは戦後できた道路であるわけです。それも地主とは何の関係もないのです。アメリカ軍が勝手につくった道なんです。そこへ割り当て土地を与えられて、住民が戦争が終わってから集まってきたわけです。それで地籍明確化が進んだ、決まった。そうしたら、自分土地アメリカ軍が接収してつくった道路にほとんど占有されているというような場合、一般原則だとか基準だとかというようなことがまかり通るならば、戦争責任のうちの何分の一かは与那原町民で持て、与那原地主皆さん戦争責任のほとんど全部を持ちなさいという形になるのですよ。私はそういう性質のものでは全然ないと思う。戦後の処理というのは、大戦によって地主権利が侵害されているものは全部これは補償しなければいかぬ、それが原則なんです。ただ、一般的な原則というようなことで沖繩中心にしてつくられた法律というのは、特措法以外にはないわけです。ところが、それでも見落としがあったり見直しを必要とするものが出てきた場合には、いさぎよくそのものに取り組んでいくという姿勢が必要であると私は思います。他の問題がございますので、これでその問題は終わります。  次に、大蔵省にお願いをしたいと思うのですが、嘉手納飛行場用地ですね。これは旧中飛行場なんですが、それが現在、国有地として取り扱われております。その所有権確認、それから損害金請求地主の間から起きてまいりまして現在、係争中でございます。そのことについて少しくお尋ねをしてみたいと思うのでございますけれども、この中飛行場国有地になるまでの間の経過についてちょっと御説明いただきたいと思います。
  18. 桜井直

    桜井説明員 お答えいたします。  御質問嘉手納飛行場内の旧中飛行場につきましては戦後、まだ復帰以前でございますけれども土地所有権認定作業が御承知のように沖繩で行われているわけでございますが、その昭和二十六年四月一日付で嘉手納村長から国有地としての証明書が交付されている、そういうことがあるわけでございます。  戦後、復帰いたしましてから御質問のように、この中飛行場を含めまして沖繩の旧軍買収地につきまして、国有地であるかどうかというふうな問題が起こったわけでございますが、これにつきましては、いまからかなり前になりますけれども復帰後早々、四十八年から約五年間かけまして、大蔵省現地沖繩総合事務局財務部中心になりまして、関係省庁協力を得ていろいろ調査したわけでございます。具体的には、旧軍買収当時の諸資料を収集するということ、それから関係者事情聴取を行うということ、それから、いま申し上げましたこの土地所有権認定等に関する諸資料等の収集をするということを行ったわけでございますが、その結果、ちょうどいまから三年前になりますけれども昭和五十三年四月十七日に衆議院予算委員会に対しまして、沖繩における旧軍買収地についてというのを大蔵省資料といたしまして提出しております。またこの資料につきましてはその後、五十三年五月十二日に当衆議院沖繩北方対策特別委員会の席におきまして、当時の国有財産第二課長をしておりました山口二課長からその概要について説明がされております。  それをかいつまんで申し上げますと結局、旧地主皆様方から主張されておりました、その旧軍の買収地が当時の国家総動員法によって強制収用されたという問題につきましては、その強制収用されたのだとする証拠が見当たらないということでございます。したがいまして、すべて私法上の売買契約によって買収されたものと認められる。それから資料といたしましても、沖繩本島は御承知のように、戦禍に遭いましたために資料というものはございませんけれども、たまたま直接戦場とならなかった宮古島それから石垣島では、正当な買収手続によって国有になったという直接的な資料も発見されております。それから沖繩本島伊江島につきましても、旧陸海軍軍用地買収手続とか代金の支払い方法とか、そういうことに関する資料も発見されております。その他またいろいろなことを勘案いたしまして、その報告では、沖繩において戦争中旧軍が取得した土地は、私法上の売買契約により正当な手続を経て国有財産になったものと判断されるということを報告したわけでございます。  御質問の中飛行場につきましてはその後、大蔵省の方からそういう報告を出す少し以前に、旧嘉手納飛行場土地所有権確認請求訴訟というのが提起されておりまして現在、それが那覇地裁に係属中でございます。したがいまして、この旧中飛行場につきましての具体的な事柄につきましては、私の方からは現在ちょっと申し上げられませんので、発言を差し控えさせていただきたいと思っております。
  19. 小渡三郎

    小渡委員 問題は、いま御説明の中で、沖繩土地につきましては戦後、昭和二十一年二月二十八日から二十六年六月十三日までの間の約五カ年間、土地所有権確認作業が実は行われたのですね。そのときに、中飛行場関係のある百二十三名の地主はほとんど大半申告をしたのですよ。中には、忘れてしてない人もいるわけです、あるいは事情があってやれない人もおったのでしょうけれども、大半は申告をしております。ところが当時の米国民政府から、中飛行場地主に係る土地については、その所有権申告がなされているのにかかわらず、戦争中に旧日本軍によって接収された部分だと言って、疑義があるから結局、所有権の認定をするには至らなかった、このように記録されているわけです。  だから疑義があるからということで、その当時ですから、これは昭和二十六年で終了しているわけですから、その翌年か翌々年か大体そのころでしょう、そのころに疑義があるとして認定を受けることができなかった。この疑義の照会を当技米国民政府は日本政府に対して行ったと私は思います。そうでないと、疑義があるという理由にならぬでしょう。どういうところから疑義が起きてくるのか、こういう問題があります。だから疑義の照会があったはずなんです。その点ひとつお聞かせください。復帰後の話ではないよ、復帰前の話だ。
  20. 桜井直

    桜井説明員 お答えいたします。  いま先生のお話の疑義の点でございますが、先ほども説明いたしました報告書を出す段階でいろいろ調査をいたしておりましたが、四十八年から四十九年にかけまして、地元の地主連と申しますか、そういう方々から陳情が参っております。したがいまして、その陳情の調査の段階で十分考えていろいろやっているはずでございますが、地元でいろいろ関係者からの陳述等も聴取いたしまして、先ほど申し上げましたような昭和五十三年四月十七日に提出しました結論になっていると私どもは解釈させていただいております。
  21. 小渡三郎

    小渡委員 課長、だからおかしいのですよ。というのは、昭和二十六年で認定作業は終わっているわけですから、その時点で疑義の照会があったはずなんです、そうでないと、疑義があるから所有権認定ができないというのですから。相手はだれかと言ったら、国有地だ、日本政府だ、こう言っているわけですよ。そういう記録が残っているんだよ。ところが、その疑義の照会についての回答が五十三年四月十七日ということになると、二十六年から五十三年まで疑義の照会の事務を二十年近くやっていたのかということになるのですよ。その回答はおかしい。  私の言っているのは、中飛行場地主百二十三名が自分土地はこれですと言って申告した、それは昭和二十六年までに終了しているのだよ。ところが米国民政府は、これは日本政府国有地であるというような疑義があるからということで認定しなかった。疑義があるというんならば、米国民政府が勝手に自分で疑義をつくるわけにはいかないんですよ。相手がおらぬことには疑義にならないわけです。だから、あなた方日本政府に対して疑義の照会があったでしょう、こう聞いているわけです。あったのかなかったのか聞いているわけですよ。それです。
  22. 桜井直

    桜井説明員 お答えいたします。  二十六年と申しますと、復帰のかなり以前でございまして、疑義があったかどうか、いまここでちょっとお答えいたしかねますので、その辺のことをなお調査してみたいと思っております。よろしくお願いします。
  23. 小渡三郎

    小渡委員 どうもこの辺が非常に大きな問題でございまして、記録に残っているんでございまして、百二十三名の地主というのはそのことを全部了承しているわけです。だからその後は、復帰まで自分土地確認作業を全然請求もしないし、疑義があるといって突っぱねられたわけです。それで、今日に至って裁判ということになったわけですね。だから、いまお答えがありましたようにぜひお調べをいただきたいと思います。  それから、あなたの方でお調べになった、いまさっき御説明がありました五十三年四月十七日の、沖繩における旧軍の買収地につきまして時間をかけてずいぶん研究調査なされたようでございますけれども、実はいま係争中の裁判の第二十六回公判で、五十四年八月二十八日に裁判所において証人がいろいろ質問に答えているわけです。私、実はそのコピーを持っているわけでございます。これは奥間政喜という方でございますけれども、この人の証言の中にこういうのがあります。  あなたの方のお調べの中では、全部国有地であるという証拠書類、全部とは言わないけれども、滅失したのが相当あるんだから、とにかく一応は国有地であるという証拠らしいものは皆そろえられるだけはそろえましたということがこの結果に出ているわけですね。ところが、それは読谷だとかあるいは伊江島とか那覇とかというのとは嘉手納の中飛行場はちょっと性質が違います。宮古、八重山とはおよそ全然違うわけですね。そんなことから、この地主の証言をちょっとここで御紹介しておきます。  嘉手納の宅地と畑もまた旧日本軍に接収されま  したか。   はい。昭和十九年十月十日の空襲の時には、   すでに接収されていました。  その土地を、日本軍が「買うから」あるいは「た  だで使わしてくれ」との連絡をうけたことがあ  りますか。   軍の方から日本軍が使うから家を立ち退いて   くれと言われた。当時の兵隊は何よりも恐   かったので、あっちの言いなりに自分で家を   こわし立ち退きした。  証人としては、当時、日本軍に売ったつもりで  したか。   売ったという気持はまったくなかった。  その土地について、当時、所有権移転登記とか  名義変更などがありませんでしたか。   そんなことはなかった。  宅地と畑についての売買代金などを受け取りま  せんでしたか。   土地代金というものは受け取っていない。  日本軍は、証人の宅地と畑を接収してどうした  のですか。   たくさんの人が来て、地ならしをしていまし   た。  証人が家をこわして持っていくのだから気の毒  だと、立ち退きの補償金をいくらか払うという  ことで金を受け取りましたか。   家の立ち退きの補償として引越料をもらっ   た。  芋とか大豆が植えてあった畑はどうしました  か。   農作物は自分一つも収穫しないうちに作業   員が来て踏みつぶし地ならしをした。農作物   についての補償金はもらっていない。  戦後二、三か年か三、四年してから土地所有権  申告があったが、証人の日本軍に接収された嘉  手納の土地について所有権申告をしましたか。   身内の者が亡くなり苦しんでいたので申告は   しなかった。申告するなと言われてやらな   かったわけではない。こんなようなことが法廷において証言されているわけです。  いずれにいたしましても、係争中でございますからその中身に立ち入ることは私も差し控えます。しかしながら、この中飛行場につきましては、さっき申し上げましたようにあなた方が実際に調査をされたのは復帰後なんですよ。中飛行場というのは国有地であったかどうかというのは、それは復帰調査をされて五十三年に結論が出たわけです。ところが、沖繩県における中飛行場に関する地主というのは、二十六年六月までに申告をするようになっていた。大半は申告した。そのときけられたんですよ。これは日本政府のものであるかもしれない、疑義があるからといってけられたわけです。それからはもう認定作業は全然できなかった。だから、疑義があるというのならばどういう疑義があったのか、その時点において米国民政府は必ずや日本政府に対してその疑義の照会があったはずだと私は考えるわけです。その辺を次回にまたお答えをいただきたいと思います。  次に進みます。防衛施設庁おいででございますか。——二点でございますけれども、簡早にお答えをいただきたいと思います。私も簡単に質問します。  沖繩が本土に復帰をいたしましてから、復帰特別措置法によりまして、中小企業近代化資金の貸付制度だとかあるいは駐留軍離職者等関係利子補給制度とか、そういう制度ができ上がりまして、それでいろいろ厚い手当てがなされましたことに対しては県民ひとしく高く評価をいたしております。農林とか漁業関係者等につきましてもそれぞれ融資制度というのは確立をしております。しかしひとり地主、軍用地関係所有者には何らの融資制度が設けられていない、これは軍用地主の間で非常に問題視しているところでございます。  そこで、軍用地主というのが非常に広大な面積を所有しているというならともかく、ほとんどの方が三反百姓でございますから非常に小さい坪数でございます。そういうことで、その土地が接収されたことによって、あるいは提供することだけによっても非常に損失を余儀なくされておりますので、彼らはやはり生きていくためにはいろいろな商売をしなければなりませんし、それから軍用地を担保にしてというようなことを考えてもこれは担保能力がないということで、実は全く恵まれない立場に置かれているわけでございます。したがって、その不利益というのはこの三十年間では莫大なものだと私たちは思うわけでございます。そういうことで、政府としましても五十五年度、五十六年度政府予算で、軍用地主関係の生活環境調査が行われていることを私は承知をいたしておりますけれども、この際、零細地主などに対しまして特別な融資制度、そういうものを考えていただけないだろうか、こういう陳情等も強くなされているんでございますけれども、いかがお考えですか、お答えをいただきたいと思います。
  24. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 沖繩におきます地主の方々にいま先生おっしゃるような御要望があることは私ども承知して、私どもの方も検討しております。それから、地主の方々の現在の実態というのも、先生指摘のように調査しております。  私どもは、確かに沖繩における広大な米軍用地のために非常に多くの方からの土地の提供をしていただきまして、一応それには適正な借料も私どもとしてお払い申し上げておりますし、それから、事情によりましていわゆるお借りしている土地の買い上げ等も行っておりますし、その他各般の施策等もやっておりますが、現在の融資制度につきましては、いろいろ法体系上問題がございますし、またなかなか当庁のみで判断できない面もございますので、そういった地主の方々の御要望も受けて今後、調査検討を続けていきたいと思っております。
  25. 小渡三郎

    小渡委員 零細地主に対する特別融資制度、これは長年の関係地主皆さんの要請でございますから、ぜひ御検討いただきたい、そして、実現の運びになりますように期待を申し上げたいと存じます。  次に、軍用地地籍調査でございますけれども、これも位置境界明確化等に関する特措法でいまどんどん進められて、大きく成果を上げていることも十分承知をいたしております。しかし問題は、最終的には集団和解でございますから、一人でも反対者がおると、これはまた周辺全部が確認が受けられない、認証を受けられないということがあるわけでございます。この点についてはどういうぐあいにお考えですか。さっきの与那原町の問題と同じでございますけれども、最終的にはどうするかという問題が残るのですがね。どうしても承知をしない地主がおる、となると、これは最終的にはどうするのですか。
  26. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 地籍明確化法につきましては五十三年以来、おおむね五年間内に計画を立てて位置境界を明確にするということで、現在努力しております。現在までのところ、当施設庁として取り組んでおります地域につきましては、約八〇%ほどがすでに認証済みになっております。  それで現在、認証申請をやっておりますのは、確かに先生指摘のように、地主の方々の中にはいろいろな御事情によりまして、押印拒否されておる方もございます。そのために、実際の実務上の手続としてはほぼすべての段階を終了しておきながら、法的な認証を得られないという土地が残っておりますが、私どもとしましては現在、ほぼ五カ年間の計画の中でとにかく最大の努力をしまして、積極的に調整を続けてまいりたいと思っております。それで、そういった努力が実って、滞りなく所定の認証が済むようにということで現在作業を進めております。
  27. 小渡三郎

    小渡委員 いま御答弁いただきましたけれども、そんなになまやさしいものではございませんよ。それは沖繩地籍明確化については、施設庁関係のものと開発庁関係のものとがあるのですが、いずれの場合も同じだと思います。  泡瀬地区に、いまただ一人のために防衛施設庁の担当の職員が毎日のように参りまして、何とか土地を分けてやってくれませんかということをやっている。それはどういう意味かと言ったら、泡瀬とか高原の地域ですよ。東部一帯です。もちろん泡瀬の軍施設のあったところも含めまして、あの辺は施設庁の明確化作業区域でございます。あれは全体をとらえて減歩を考えたんですね。減歩率です。その減歩率のおかげで、ある一人の地主が十六坪減るんです。その十六坪減るのをその人は絶対に認めないのですよ。認めないために、五十名ぐらいの人がみんな迷惑している。その五十名のうちの一人は、泡瀬通信隊の区域内に入っているわけです。ところが終戦から今日まで、おまえの土地は泡瀬の通信区域内にはないといって外されていた。だから今日まで軍用地料を一銭ももらってないのですよ。そういうブロックなんですよ、あそこは。  それで、その地主はいま八十五歳なんだ。だから、早くこの一人の反対しておる人が賛成してくれるならば、自分が生きているうちにそれが確認された日から軍用地料がおりてくるわけです。ところがいままでは、本当は入っているんだけれども、おまえのは入っていないということで払われてなかった、こういう事例がある。  そういう事例の中で、ただ一人が反対しておる。減歩の十六坪を認めないと言うんだ。そうしたら、施設庁の職員が泡瀬の公民館にやってきて、何とか字有地から十六坪分けてやってくれませんかとやっているわけです。これをもし分けるものならば、ほかのところに全部及んでしまいますよ。あなた、そんな簡単にいくものではないよ。それは話し合いによって決める、話し合いによって決めると言うけれども、最終的にどうにもならないときはどうしますか。もう認証してしまいますか、どうしますか。
  28. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 お答え申し上げます。  御案内のとおり地籍明確化作業は、防衛施設庁としても担当地域について、個人の方の権利を国の立場でもって認定するというたてまえをとっておりませんので、戦争その他の事情によって不幸にして不明確になった土地を復元するという形での作業をやっております。今日まで努力を続けておりますが、ただいま先生指摘のような事例があって、現実に認証に結びつかない。そのために、確かに私どもの借料等のお支払いは、米軍施政権下における過去の一つの事実を引き継いで、現存する登記等に基づきまして借料等をお払いしておりますので、御指摘のような事情が生じてまいったと思っております。  ただ、最終的にどうするかというお尋ねでございますけれども、私どもとしましては、まず法に定められ、法に方向づけられておりますおおむね五年以内ということでただいま努力を続けておりますし、先生の御質問の中にも、施設局員としてかなり苦労しているという御指摘もございますので、いましばらくこういった努力を続けさしていただきたいと思います。
  29. 小渡三郎

    小渡委員 この問題は、今後もやっぱり残ってまいりますので、次の機会に残すことにいたしまして、次へ進みたいと思います。  きょうは、日本道路公団の大城理事もおいでをいただいておりますので、この際一、二点だけお尋ねをしておきたいと存じます。  石川から那覇に向けての高速道路、いま用買、くい打ち作業、こういうのが実施されているところでございますけれども、この沿線で特にいま問題のある地点に沖繩市がございます。沖繩市では、道路構造とそれからインターチェンジの位置の問題につきまして、市当局と道路公団の御計画になっている考え方とがそごいたしまして、まだ一致点を見出していません。この事実はおわかりでございますか。
  30. 鈴木道雄

    ○鈴木説明員 お答えいたします。  建設省でございますが、先生指摘沖繩の南インターチェンジにつきまして、位置変更のそういった要望があることは、日本道路公団よりわれわれも聞いております。  当インターチェンジは、整備計画の策定、これは五十四年の三月に行われておりますが、その策定時におきまして、地域計画とか広域的な交通の運用計画との関連もとに、利用交通量あるいは隣接インターチェンジの間隔とか連絡道路の整備状況等を考慮して決めておりますので、現在の位置が私どもとしては適当であると考えております。  ただ、いま御指摘のような事実もございますので今後とも、これから地元との協議を道路公団がいろいろ進めていくわけでございますので、その上でいろいろ関係者の理解が得られるよう公団を十分指導してまいりたいと、建設省はかように考えております。
  31. 小渡三郎

    小渡委員 時間があと四分しかございませんので、十分言い尽くすことはできないかとは思いますけれども、ただ、その二点につきまして総体的に私が感じておりますことは、現地道路公団が沖繩市とともに十分話し合う努力、コンセンサスを得る努力ですね、これが今日まで一回もできていないのです。それで、路線に関連のある集落である山里、山内の人々は、ここを通っちゃいかないというのもございます。路線に対する反対もある。それから道路構造については、道路公団の考えているような考え方、これが全然許されない、こう言っているわけです。インターチェンジにつきましてはは、道路公団が設計されているインターチェンジでは、沖繩市が考えている環状道路との関連でとてもじゃないけれども、そんなところにインターチェンジをつくったら交通混雑をさらに倍加するようなもので、これも市として考えている、設定されている場所があるわけです。そういう場所に設定をしてほしい、こんな要請もあるわけです。  ただ問題は、インターチェンジとかそういうことについては、道路公団とか県とかあるいは市で話し合えばまだできると思いますけれども、問題はその道路構造ですな。高架にするかトンネルにするかというような問題を含めまして、地元の山内、山里の集落の人々と一回も今日まで話し合っていないということは、私はもうけげんでならない。これができない限り恐らく皆さんの御計画どおりにはいかないと思いますよ。積極的に話し合うような努力を本当はしなければいかぬと思いますが、どうですか。
  32. 大城金夫

    大城参考人 お答えいたします。  沖繩自動車道石川—那覇間につきましては、昭和五十四年三月に施行命令を受けまして、五十五年七月、昨年の七月に路線発表を行っております。現在、中心ぐい設置のための地元説明会を行っている段階でございまして、全延長の約七〇%の了解を得ております。そして順次、路線測量等を実施しているわけでございます。  御質問沖繩市の山内、山里地区につきましては、これは延長約二キロの区間でございますけれども道路構造といたしましては一応、沿線の地形、土地利用等を考慮いたしまして高架構造としております。ただ、この地区の立ち入りにつきましては、地元の御了解が得られず、現在まだ県、市、公団、その調整期間を経て立ち入り了解を得べく努力いたしておる段階でございます。
  33. 小渡三郎

    小渡委員 大城理事沖繩市の市長とこの問題についてお話をしたことがございますか。
  34. 大城金夫

    大城参考人 私、直接お話し申し上げた機会はございません。
  35. 小渡三郎

    小渡委員 いまお話を承りましても、私はきわめて一般的なことを、いままでの経過を御認識の上でお話をしていただいているように感じたわけです。だから、市長とお会いしましたかとお聞きしているわけでございまして、実際は市長とお会いしてもらわぬといかぬと思うんですよ。これは本当にそんななまやさしいものじゃないのです。おっしゃるとおり七〇%あるいはそれ以上、説明会等は全線について終わったと思いますよ。ただ、この山里、山内、沖繩市区域内におきましては、それがそういっていないのです。ですから、ぜひ市長あるいは県、これと十分話し合いをしていただきたい。特に要請をいたしまして、質問を終わります。
  36. 小沢貞孝

    小沢委員長 上原康助君。
  37. 上原康助

    ○上原委員 本来ですと、中山長官御出席のもとにいろいろお尋ねをしたいわけですが、御日程の都合等、幾分御事情があるようで昨晩、私の方にも直接お電話もありましたので、了解をしたいと思うのです。  そこで、私はまず沖繩電力の問題、それから二次振計と補助金問題、二次振計との関連で離島振興のあり方、離島振興の面で池間島への架橋問題あるいは伊計大橋、瀬底島への架橋の進捗状況、さらに空港整備の点、南北両大東のテレビ放映の件等々、さらに施設庁、外務省に対しては読谷補助飛行場の使用問題、おおよそ七点についてお尋ねをしたいと思いますので、ひとつ誠意ある御答弁を願いたいと思います。  最初に、沖繩電力の件ですが、このことにつきましては、本委員会あるいは内閣委員会その他でもしばしば取り上げてまいったところですが、最近になりまして去る四月十七日に、沖繩県電気・エネルギー対策協議会より県知事に対して、「五十六年末の民営移行は不可能であり、これを延期し、当面特殊法人のまま存続させる」ことが望ましい、強行すれば県民生活、産業に重大な影響を及ぼす、こういう提言といいますか中間報告がなされております。これに対して開発庁、通産省エネルギー庁はどういうふうにお考えなのか、御見解を聞きたいと思います。
  38. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  ただいま先生から御指摘ございましたように、県の電気・エネルギー対策協議会から中間答申がございまして、それに基づきまして県の方から、沖繩電力の民営移行につきましては諸条件の整備を急ぐこととし、民営移行の時期を延期してほしいという趣旨の要請書をいただいておるところでございます。ただ、要請書の内容あるいは中間報告の内容につきましては、実は一昨日、私どもいただいた状況でございまして、今後検討を進めていきたい、このように考えております。  沖繩電力の問題につきましては、あるいは通産省の方からお答えいただくのが適当かと思いますけれども、私どもとしてもかねてより、多くの問題を抱えておるという認識を持っておりまして、それらの問題に対応し、諸条件を整備して、先生承知のように五十六年度末に民営移行するという閣議決定がなされておるところでございます。これらの決定を踏まえまして、また地元の要請等も十分聞きながら、今後この問題について通商産業省と協議をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  39. 植松敏

    ○植松説明員 ただいま開発庁から答弁ございましたと同じことでございますが、正式にはまだ私どもとしては県から実は要望書をいただいておりませんが、すでに新聞報道等で、五十六年度末の民営移行はちょっと無理である、当面存続してほしい、それから、構造的な不利性を克服するための抜本的な措置を講ずるようにということの御趣旨の要請があるやに聞いております。  私どもといたしましても、閣議決定がすでに五十四年末に、諸般の措置を講じまして五十六年度末を目途に民営に移行するということでございますので、諸般の措置を講ずることが前提条件になっております。私どものところでもそれぞれ沖繩電気事業協議会、諮問機関を設けまして、いろいろ御意見を承ってきたところでございますが、そこでも県民の意向を十分聞いてという条件がつけられております。したがいまして県民の意向を今後十分伺いながら、一方で諸般の措置を講ずるという努力をしながら対応してまいりたい、こういうふうに考えております。
  40. 上原康助

    ○上原委員 確かに七九年ですから五十四年になりますか、十二月二十八日の閣議決定、「沖繩電力株式会社については、離島を多く抱えている沖繩の実態に配意しつつ、」そしていまおっしゃいましたように「諸般の措置を講じ、昭和五十六年度末を目途に民営移行する。」これが閣議決定の中身ですね。したがって、これまでもしばしば議論されてまいりましたように、諸般の措置を講じられたという理解は私は成り立たないのじゃないかという感じがしてなりません。  もちろん諸般の措置を講じつつあるという面では、石川に新しく石炭火力をつくるというような構想、計画といいますか、これも計画どおりいっても六十二年にしか運転開始できないという実情、あるいは電気料金を大幅に引き上げているという現状、累積赤字が二百億近く、恐らくもう二百億以上あるということ、こういう状況で、この閣議決定があるからというだけで、五十六年度末に強行しよう、民営移行するとしたって、条件整備はできていないというのが私たちの理解、認識なのですがね、ここいらについてはどうお考えなのか、もう少し明確な御答弁をこの際明らかにしておいていただきたいと思うのです。
  41. 植松敏

    ○植松説明員 御指摘のございました諸般の措置を講じられているかどうかということにつきましては、私どもとしては現段階におきましては、まだ十分な満足のいくような措置は講じられていないというふうに考えております。
  42. 上原康助

    ○上原委員 そこで、開発庁あるいはエネルギー庁、若干お答えの方も含みのあるような感じも受けるわけですが、せんだっても、二次振計を計画するに当たってはエネルギー問題が一番大事なんだ、その中でも電力の問題は大変重要だということを、中山長官もみずから御指摘をしておられるわけですね。したがって、先ほど引用いたしました中間答申、県の電気・エネルギー対策協議会から出されているもの、これは開発庁は一昨日受け取ったと言われているし、通産省のエネルギー庁はまだだが、近々県から出るでしょう、そういう要請がなされると思うのですね。そういう観点からしますと、いま行革問題で大変この種の特殊法人の整理統合問題も出ているわけですが、私はこれは行革の一環というには値しないと思うのですね。  改めてこのことについては、閣議決定があるからということで強行するのではなくして、沖繩の産業、経済、県民生活に与える影響、中長期のエネルギー確保というものを十分県なり関係者政府が一体となって考えた上で結論を出すべきで、当分の間はこのままやっていく以外ないと思うのですね。そのことについて開発庁とエネルギー庁の改めての御所見を伺っておきたいと思うのです。余り県民にこの種の問題で不安を与えちゃいかぬと思うのです、本当に。ここまで事態が深刻化してまいりますと、できないことはもう明らかじゃないでしょうかね。その点どうなんですか。
  43. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  先生指摘のように、すでに民営移行の方向につきまして閣議決定がなされているわけでございまして、私ども政府職員としてなかなかお答えしにくい問題でございますが、ただ先ほど来御指摘がございましたように、非常に多くの問題を抱えておるということは私ども十分認識いたしておるわけでございます。昨年の閣議決定におきましても、まず条件を整備していくということがうたわれておるわけでございまして、その辺の条件の整備につきまして、私ども通産省とも協議しながら努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  44. 植松敏

    ○植松説明員 先ほども申しましたように、恐らく地元で民営移行延期論が強くなったということとは、一つは、具体的な諸般の措置が必ずしも十分に講じられていない、しかも準備期間がもう短くなって十分できないではないかという不安、それから、昨年二回にわたりまして料金値上げが行われたというようなことに対する不安かと思います。  私どもといたしましては、閣議決定の線に沿って行動するわけでございますが、閣議決定自身が、諸般の措置を講じた上でということになっておりますので、まだ残された期間もございますが、いずれにいたしましても、県民のそういった意向を十分踏まえまして、今後どういうふうに諸般の措置を講じていくのかということも含めまして検討させていただきたいと思います。
  45. 上原康助

    ○上原委員 なぜ私がこのことをしばしば取り上げるかといいますと、後ほど少しくお尋ねしますが、二次振計が作業が着々進みつつある。そうしますと、この沖繩における電気事業振興のための特別措置の考えを二次振計に織り込むかどうかというのが、これは問題になってくるわけですよね。当然そうでしょう。  もう一点は、沖繩における電気の安定的かつ適正な供給を確保するための条件整備、完了してないわけでしょう。電気の安定的かつ適正な供給ということは、全国一高い料金であってはいかないということにも私はつながると思うのですね。いまのままで安定的かつ適正な供給にならない。いまでさえならない。ましてやそういった条件整備もできないままに、あるいは二次振計にも位置づけられないままに民営移行とかされたという場合においては、この問題は大変な困難を来す可能性があるのです。こういう点はどうお考えなのか。  もう一つは、累積赤字の解消というものは一体どのようにお考えなのか、どう今後も努力していかれるのか。この二点について改めて御見解を聞いておきたいと思うのです。
  46. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 二次振計との関係におきまして私の方からお答えをいたしたいと思いますが、先生承知のように沖繩開発庁といたしましては、第二次振興開発計画が必要である、またそのためには特措法の延長も必要であろう、こう考え、現在部内における作業を進めているところでございます。  具体的に特別措置法なりあるいは第二次振興開発計画の中にどのような内容のものを盛り込むかというようなことにつきましては今後、県との調整あるいは政府部内における調整等を経て固めていきたい、このように考えておるところでございまして、いまの沖繩電力の問題等につきましても、そういった過程の中で私どもとしても種々検討をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  47. 植松敏

    ○植松説明員 累積赤字の解消策の問題でございますが、これにつきましては当然、通常の経営の圧迫要因でもございますし、それから、民営移行を図る場合にはこれをきれいにしなければ、これは民営移行の大前提ということでございます。したがいまして、昨年もそれなりのいろいろ対策を検討したわけでございますが、最終的には実現するに至っておりませんが、民営移行を図る場合には必ずこの問題を解決した上でというふうに考えております。
  48. 上原康助

    ○上原委員 そこで、赤字問題は仮に民営移行するとすると解決をした上でということ、いま一つは、閣議決定があるにしても、この条件整備、諸般の措置がまだ十分なされていないということまでは共通したわけですね。しかし努力はする、それはもちろんお役人としては、一つの閣議決定というものがありますから、そうおっしゃらなければいかぬだろう。したがってもちろん、これは未来永劫に特殊法人のまま存在をしていくということはいかがかと思いますが、行革の一環としてとか、あるいはこの沖繩復帰してそろそろ十年目に入るからというようなことで、安易な結論を出しては困ると私は思うのです、この種のことについては。したがって、将来どういう経営主体にするかということはいろいろあるでしょうが、にわかに本土の電力に吸収合併されるということは私たちは反対なんです。これは県民の大きな財産なんです。  そういうような中長期の問題を含めてこの際、県の方からの具体的な御提言があると思う。また、それぞれの関係団体からもあると私は思いますので、そういったものを総合判断をした上で、閣議決定があるにしても、そういった県民の意向を十分に入れた形でこの沖繩電力の民営移行問題、今後の経営の健全化、赤字解消問題について政府としてはやっていかれる、ここいらは私はコンセンサスになると思うのですが、そういう御努力はいただけますね、改めて開発庁、エネルギー庁から御答弁をいただきたいと思います。
  49. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 先ほど来先生も御指摘のございましたように、私どもやはり沖繩の今後の振興に当たりまして、水の問題と並びエネルギーの問題は基本的に大変大きな問題であるという認識を持っておるところでございまして、先ほど来種々御指摘のありましたような問題私どもとしても十分認識をしておるところでございまして、そういった問題を認識の上に、さらに地元の意向、関係省庁との調整等を十分に図っていきたい、このように考えておるところでございます。
  50. 植松敏

    ○植松説明員 いま御指摘の点でございますけれども、私どもも全く同じでございまして、実は沖繩電気事業協議会というのを設けまして、いろいろ民営移行の問題につきましても御議論いただいて、昨年の七月末に中間報告をいただいております。この協議会の構成員は沖繩の地元の関係有識者でございまして、できるだけ県民の意向、学識経験者の意向を承って、その上で円滑な民営移行を図りたい、こういう趣旨から出たものでございまして、今後とも県民の意向を十分承りながらこの問題の円滑な解決に当たってまいりたい、こういうふうに考えております。
  51. 上原康助

    ○上原委員 ぜひひとつその点は十分な御配慮をいただきたいことを重ねて要望申し上げておきたいと思います。  次に、補助金問題と二次振計の件で伺いたいわけですが、現在第二次振興開発計画に向けた作業政府部内ではどの程度進んでおられるのか、現段階における状況とこれからの見通し等について御説明をいただきたいと思います。
  52. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 私どもの二次振計に向けての作業といたしましては、先生承知のように、昨年の夏までにその現状と問題点の分析を終わったわけでございます。それをもとにいたしまして詳細具体的にどうあるべきか、今後の沖繩に関する施策のあり方等につきまして、主として庁内におきまして検討を行ってきておるわけでございます。その間、県等の意見も聴取をしながら作業を進めておるという段階でございます。  なお、それと並行いたしまして私ども沖繩振興開発審議会がございますが、その総合部会に専門委員会を設けまして、本土、沖繩の学職経験者の方々にお集まりいただきまして、同様に沖繩振興開発の今後のあり方等についての御検討をいただいておるところでございます。  今後、一つには専門委員会検討の結果等を踏まえて振興開発審議会からの御意見をいただく、また私ども政府部内における調整等を図っていく、これが今後の進め方だ、このように考えております。
  53. 上原康助

    ○上原委員 そうしますと、この振興開発特別措置法あるいはその他の関連法律事項がございますね、これらの検討はどうなんですか。
  54. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 特別措置法につきましては先生承知のように、来年の三月三十一日で期限切れを迎える、こういう形になってございます。したがいまして、沖繩開発庁としての考えでございますけれども、いずれにいたしましても、来年の通常国会におきましては早急な御審議をいただかなければならないものというふうに私どもとしては考えております。当然、それまでの間に政府部内としての調整を行い、法案を作成するというのが、私ども現在予定をいたしておりますスケジュールでございます。
  55. 上原康助

    ○上原委員 おっしゃるとおり三月三十一日ですね。もちろん法律の取り扱いは、それはいろいろ経過措置はあるでしょうが、たとえば沖繩国会を考えますと、秋の臨時国会でいろいろ法案を審査いたしましたね。いまの御答弁からすると、通常国会に法案を出す。そうなると、通常国会が開かれると、大体予算委員会が先で、三月の後にしか審議ができないということになってしまう。そこいらのタイムラグの問題もある。これだけの膨大な法律を、そのまま延長というのであれば別にこれは問題ないですよ、もちろん中身は問題あるけれども。いろいろ言われているような問題、修正なりあるいは大幅な書きかえ等というものが出てくるということになりますと、そう悠長に構えておれないのじゃないかというのが私の認識なんですよ。その点はどうなんですか、いま通常国会ということになると。そういった具体的な法律事項についても御検討を、これは当然さきの振興開発計画と一体だとは思うのですが、そこいらのことについても県側とはどういうような作業を進めておられるのか、もう少し明らかにしていただかないと、私たちも私たちなりの対応がありますからこの際、皆さんのお考えを具体的に明らかにしていただきたいと思うのです。
  56. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 先ほど来申し上げましたのは、私ども政府としての予定ということではなくて、これは今後の政府部内での調整にかかってくる問題でございますので、沖繩開発庁としての一応の予定、私どもなりに考えております予定を申し上げたわけでございます。  なお、もっと早く法律改正案の国会提出ということを考えたらどうかという御指摘かと思いますけれども、かなり内容の幅の広い事項を取り扱っております。また、関係各省との調整、当然財政当局との調整といったような経緯を考えてまいりますと、私どもとしてはやはり年内いっぱい各省との調整等に時間を要するものというふうにただいま考えておるところでございまして、何といいますか、いわゆる日切れ法案というような形で国会に早急な審議をお願いしなければならないかというふうにも私ども考えておるところでございます。  なお、振興開発計画につきましては、現在の法律が言うなれば期限の切れるものでございますから、新しく法律が仮に改正されたといたしまして、その改正法律に根拠を置きまして第二次振興開発計画を策定するというような手順になっていこうか、このように考えております。
  57. 上原康助

    ○上原委員 そこはいまの振興開発計画も十二月ですからね、計画そのものは。法律を受けてのあれですからわからぬわけでもありませんが、これだけの関係法令というものがどのくらいの手直しになるかはよくわかりませんが、もう少しはそういった面も逐次、本委員会なりあるいは県民にも明らかにしていただいた上でやっていただかないと、問題が問題だけに、後で意見調整が十分でなかった、そういうことのないようにひとつこの点も注文をつけておきたいと思うのです。  そこで、先ほども申し上げましたように、第二次臨調が発足をして御承知のように七月に第一次の答申を行う、そしてその中間答申を受けていろいろな行政改革なり補助金問題が出てくるわけなんですね。私どももいろいろいま行政制度なり改革に向けての作業をやっている向きもあるわけですが、ここで問題になるのは、その緊急課題、いわゆる補助金カットの中に五十七年度予算を増税なしで編成をしていく、いわゆる金減らし、予算減らしを目的としていると思うわけです。そうしますと何といっても、これまでの補助金あるいは助成措置というものが相当ターゲットにされてくることは私は間違いないと思うのです。  農林関係ですと、この間も私は内閣委員会で、農林省設置法のときにもちょっと調べてみたのですが、実に農林省関係の六〇%以上は補助金になっている。あるいは厚生省、文部省、通産なんかもそうかもしれません、全体的にはまだ洗ってありませんがね。そういう面から特に私たちが懸念をしているのは、いわゆる一括カットの問題が出てきているわけですね、補助金を八%から一〇%一律にカットしていくんだ。これらはわれわれは弱者切り捨てになる可能性が大でありますので反対なんでありますが、そういういまの行革フィーバーを考えてみると、沖繩関係にも相当影響をしていくんじゃなかろうかという懸念を県民は持っているわけです。  そこで、沖繩振興開発計画のこの特別措置法の中でも、要するに沖繩の特殊事情というものを考えてということで特別措置をやるというふうになっているわけですね。この第一条、目的、「この法律は、沖繩復帰に伴い、沖繩の特殊事情にかんがみ、総合的な沖繩振興開発計画を策定し、」云々となっている。皆さん沖繩の特殊事情ということについてはいまはどういう認識なのか、まだ特殊事情は存在すると見ているのか、あるいはもう解消されたと見ているのか、ここいらの沖繩問題というか沖繩政策に対する基本姿勢、基本哲学というかそういうものの一つの視点、考え方がはっきりしていないと、要するにいまの政治ムードに押し流される危険性はなきにしもあらずと思うのですね。ここいらは中山長官から聞いた方がすかっとするかもしれませんが、先ほど申し上げました事情ですので、ひとつお答えをいただきたいと思うのです。
  58. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 現行の沖繩振興開発特別措置法におきまして、先生指摘のとおり、「沖繩の特殊事情にかんがみ、総合的な沖繩振興開発計画を策定し、」云々、これが第一条の目的に掲げられておるわけでございます。この法律に基づきまして沖繩振興開発計画が策定されているわけでございます。ここでは、沖繩が戦中の特別な事情あるいは戦後長く米軍の統治下にあったという特殊事情の中から生じてきております本土との大きな格差是正と、それから、沖繩が今後自立的に発展をしていくための基盤整備ということを、二つの柱として計画がつくられておるわけでございます。  そういった具体的な物差しで見ていきました場合に、私どもとしては相当進んでいる面もあるけれども、なおそういった格差も残されておる。それからまた、沖繩が言うなれば自立的発展の緒についた段階である。したがって今後、沖繩の自立的発展を促していくためには、まだまだそのための基礎条件の整備を進めていかなければならないものというふうに私ども考えておるところでございます。
  59. 上原康助

    ○上原委員 いまの御答弁からする特殊事情というのはまだあるんだというふうに私は理解をするわけです。  そこで具体的に言いますと、現在の振興開発特別措置法の第五条で、国の負担または補助の割合の特例が定められている。これは第二次振興開発計画を策定するに当たっての一番ポイントだと私は前から指摘しているわけですがね。  確かにいまおっしゃいましたように、基盤整備の問題あるいは社会資本整備というかその面では、国道の改良あるいは舗装などは本土との格差というものがほとんどなくなりつつあるかもしれません。しかし、市町村道とか離島の国道以外の県道あるいは市町村道その他の道路に至っては、まだまだ問題が残っていますね。そういう面は解消されていない。  特に全国と比較して、たとえば十万人単位のよく言う病床数七二、三%、公園に至っては五割程度、小中学校のプールに至っては二四%の達成率にすぎない。これらの格差の解消ということは、これまでは何とか高率補助であったから、ようやくここまで努力で追いついてきた面あるいは追いつきそうな面、努力いかんによっては追いつく面があるわけですね。まだその緒についた段階だと言っていいと思うのです。若干のでこぼこはあるにしても、まだ相当の格差が残されている。  そういう面からしますと、いま引用いたしました第五条のこの問題については、現在の助成措置というものは基本的には継続すべきである。これはいずれ政府全体の中で、大蔵省も来ていただいて議論をしなければいけない問題ですが、少なくとも開発庁段階ではそういった基本姿勢に立ってこれからの振興開発計画、その母体、基本となる振興開発特別措置法の延長問題を考えていただかないといけないと思うのです。この点いかがですか。
  60. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますとおり、今後の沖繩振興開発の方向につきましては現在、調査検討を鋭意進めている段階でございまして、いま直ちに補助率等の問題についてお答えする状況になってございません。私どもとして基本的には、当該事業についての今後の沖繩の振興開発の中での位置づけ、あるいは事業の性格、あるいは沖繩と全国との整備状況の対比等々を勘案しながら検討していかなければならない問題であろう、このように考えております。
  61. 上原康助

    ○上原委員 ですから、この第五条に盛られている「国の負担又は補助の割合の特例等」というものについては、基本的にはそういう現在盛られているものを踏まえていくというお立場でやるのですかということを聞いているんですよ。その中には、離島振興とも密接不可分の含みつ糖の価格の安定に開する事業、あるいはパイナップルの生産の合理化に関する事業とか、こういったいろいろなことが十五項目において述べられているわけでしょう。これらの補助の割合等についてもそれぞれ述べている。このことを抜きにしては、第二次振計もまた場合によっては骨抜きになる可能性がある。したがって、少なくとも開発庁はそこいらの点は十分御認識いただいていると私は思うのですが、そこに盛られていることについてはどういうふうな御認識で、お立場でやるかということを、いま私が挙げた具体的な問題等を含めてもう少し明確にしておいていただきたいと思うのです。
  62. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えいたします。  ただいま内部的に検討を進め、今後また各省との調整を図っていく、こういう段階でございますので、お答えが抽象的にならざるを得ない点をお許し願いたいと思うのでございますけれども、基本的な考え方といたしましては、それらの事業の今後の沖繩振興開発の中での位置づけと申しますかあるいはその事業の性格、さらに、施設によりましてはあるいは施策によりましては、かなり格差是正の進んでいるものもございますし、またおくれているものもあるといったような沖繩と全国との整備状況の対比、こういったものを勘案しながら検討を行っていかなければならないものと私ども考えて、作業を進めているところでございます。
  63. 上原康助

    ○上原委員 あなたの癖は、重要なポイントになるといつもこうぐらぐらやっていくのがあれなんで、総務局長とか振興局長というのは沖繩の県民の期待も担っているのだから、もう少しやっていただかぬと困りますよ。  それで振興局長、含みつ糖の助成措置問題は地場産業の育成、それから離島振興と重大な影響のある問題なんですね。こういうことについては、補助金カットとかいろいろな問題が出ても、あなたも体を張ってやるというぐらいの決意をここで明らかにしてください、応援しますから。
  64. 海原公輝

    海原政府委員 含みつ糖についてのお尋ねでございますが、これも先ほど来総務局長がお答えしておりますように、全体の振興開発事業の中において占める事業の性格等を勘案して個々具体に即して今後検討していきたい、こういうふうに考えております。当然その過程におきましては、県の意向もございましょうし、また農林本省の考え方もございましょうし、また財政当局もありましょうから、それら一体となって協議していきたい、こういうふうに考えております。
  65. 上原康助

    ○上原委員 いまの補助金問題は、これは沖繩だけは別扱いしないというような言い分というか考え方が、現在の風潮からしますとだんだん強く出てくる可能性があると私は思うのです。それだけに、残念ながら政治力もそう強い地域ではない、そうしますと、やはり開発庁なり私たちがよっぽど、これは与野党と言って、ないですよ、その基本姿勢を持って、まだ沖繩には特殊事情があるんだ。先ほどの与那原の問題とか地籍の問題、みんなしかりですね。戦後処理さえも十分なされていない。そういう状況での行政改革に名をかりた沖繩切り捨てということに対して、私たちは絶対許してはならぬという強い姿勢を持っておりますので、そういう面で開発庁としても篤とその点は御理解をいただいて、それなりの御配慮をいただきたいと思うのです。     〔委員長退席上草委員長代理着席〕  そこで、時間の都合もありますから次に進みます。  二次振計に当たっては、この間中山長官の構想が出たわけですが、離島振興ということについて、欠落とまでは言いませんが、これからの沖繩の振興を考えた場合に一つの柱としてもう少し強く打ち出していく必要があると私は思うのです。そういう面で、水資源あるいは農漁業についても含めてですが、離島振興は二次振計ではどういうふうに位置づけようとしておられるのか、ここいらももう少し明らかにしていただきたいと思うのです。詳しいことは言いませんが、先ほども申し上げましたように、確かにハードの面は、漁港の整備とかあるいは全部ではありませんが空港、そういった社会資本というような基盤的な整備の面についてはかなり離島も、石垣とか宮古島とかそういう大どころはやられているが、言うところの小さな離島についてはまだまだ不十分な面が多いと思うのです。こういうところにもつと医療、教育、ソフトな面を強化していくべきだと私は思うのです。  そういう意味で、具体的な面として前から何回か取り上げたのですが、宮古本島と池間島架橋の問題、これは五十六年度予算で四千万円の調査費が計上されているわけですが、一体いつから着工できるのか。現在の段階において、県の調査が済んで、いろいろ建設省との調整もなされたとも聞いているわけですが、今後の見通しはどうなっているかということ。またこの問題との関連で、私は七九年五月にも本委員会で取り上げたのですが、特に台風の影響が非常に大きい、そういう意味で技術的に問題があるということも指摘をしておられたのですが、その技術的な面の解決というか解消は十分なのか、この際、こういった点も明らかにしていただきたいし、どういうタイプの橋にしようとしておられるのか、ここいらもぜひお聞かせをいただきたいと思います。これからいきましょう、余りたくさん言うと御答弁が重複してもいけませんから。
  66. 海原公輝

    海原政府委員 池間架橋につきましては、五十六年度において事業費五千万、予算額で先生おっしゃったように四千万でボーリング等の実施調査を予定しているところでございます。実施調査には大体二年ぐらいを要するかと思います。その後、本格的な着工ということでございます。県の御要望としては、一応六十三年ごろをめどにしているようでございます。当庁としては、今後の調査の結果を待って関係省や沖繩県とも相談しながら検討してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、二番目にお尋ねの台風対策の問題でございますか、御指摘のとおり風の強い地点でもございます。したがって、先ほど申し上げました実施調査の過程の中やあるいは施工方法検討に当たりまして、その点についても十分配慮するよう関係省とともに県、市を指導してまいりたいというふうに考えております。
  67. 駒田敬一

    ○駒田説明員 お答えいたします。  ただいま沖繩開発庁からお答えいただいたとおりでございます。タイプの決定はどうかというお話でございましたけれども、これは今年度いろいろな調査をいたしまして、それに基づいてタイプの決定をいたします。耐風安定性は大変大きな問題でございますので、その点についても十分の調査をしてタイプを決定してまいりたい、こういうふうに考えております。
  68. 上原康助

    ○上原委員 できる見通しは立って着々進めておられるようです。これはせんだっても柿澤先生からもお尋ねがありましたが、地元の方々の非常に切実な御要求ですから、ぜひ早急にというか、県からの六十三年度をめどにですか、実現できるように御努力をいただきたいと思います。  それと、その橋に送水管なんかをやるような計画もあるわけですか、そこいらはどうなりますか。  それと、さっきの離島振興の問題で、全体の計画をどう二次振計に位置づけていくかということもあわせてお答えください。
  69. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 離島振興につきましては、現行の振興開発計画におきましても、社会生活等の施設の整備あるいは離島における産業振興等々にかなりの意を用いてきておるところでございまして、予算の配分等についてもかなりの配慮をいたしておるところでございます。ただ先生指摘のように、なお離島の離島等についていろいろ問題を抱えておる。特に今後の問題として、産業振興等をどう持っていくかというような点、いろいろ問題がございます。今後もそういった点は、実情等についてさらに詳しく調べながら、地元の意向等も十分聞きながら検討をいたしてまいりたい、このように考えております。
  70. 海原公輝

    海原政府委員 池間架橋について送水パイプというお尋ねでございます。これは先生御案内のとおり、別個に海底の送水パイプが現在動いておるわけでございます。そのときの計画給水人口は二千五百人、現在の人口が千四百人、また、一日当たりの所要量等を見ましても下回っているというような実態もあるかと思います。現在そういう話は聞いておりません。
  71. 上原康助

    ○上原委員 それともう一つは、これは現在整備中のもののようですが、瀬底島への架橋はいつごろの完成予定なのか。いま一つは、宮城島経由で伊計島と本島を結ぶのも計画中のようですが、この二点について御説明を聞いておきたいと思います。
  72. 海原公輝

    海原政府委員 瀬底につきましては、五十四年度に橋脚等の下部工の工事に着手してから、いまやっておるところでございます。五十六年度は九億円の予算で下部工の工事の継続、そのほかに上部工にも着手することとしております。お尋ねの完成年度は、なかなか明確には申し上げにくいわけでございますが、一応四、五年先というふうに考えているところでございます。私どもとしては今後ともできるだけ早く完成するよう努力したいと思っております。  なお、伊計島につきましては、五十六年度完成の予定となっております。
  73. 上原康助

    ○上原委員 その他与那国空港の整備、滑走路延長問題、拡張問題、あるいは伊平屋、伊江島の空港整備の問題、これは新たな空港立地ですが、こういった問題等についてもお尋ねをするつもりでしたが、時間がありませんので、次の機会に南北両大東の問題を含めてやりますので、御了解をいただきたいと思います。  そこで、最後に読谷補助飛行場の問題ですが、またパラシュート訓練で事故が起きているんですね。きょうが二十四日ですから三日前ですか、四月二十一日午前八時半ごろ、米兵三人のパラシュートが読谷村古堅小学校近くに落下した。小学校ではちょうど朝礼の時間であって、子供たちの頭上にいまにもパラシュートが落っこちそうで、大変な騒ぎになって朝礼ができなかった、こういう事態が新たに出た。その前晩も夜間訓練をしているようです。しかも村に通告なしに行っている。こういうことに対して施設庁あるいは外務省は一体どういう認識をしておられるのか。前から言っておりますように、向こうはパラシュート訓練場としては適格性を欠くというのが私たちの主張であるわけですが、このことについてどういうふうにお考えなのか、どう対策をとられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  74. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 四月二十一日の午前八時三十分、ただいま先生指摘のように、読谷補助飛行場への降下訓練をやっている米軍の部隊が、三名ほどですけれども、所定の補助飛行場におりずに近傍のトリイ通信施設におりたということで、私どもの方は、当時の風等の問題からむしろその補助飛行場に入り切らないというような判断のもとに、安全な風下のトリイ通信施設におりたというように理解しております。  それでこの問題につきましては、そういう意味で同補助飛行場のパラドロップの問題については、他に適当な代替地があればということで現在、日米間で検討を続けておりますので、この検討によって将来、この読谷補助飛行場をパラドロップとしては使用しないというような方向を一応考えてはおりますが、ただ、現在行っております降下訓練は、人命救助等を目的とする部隊の訓練でございますので、われわれとしましてもかねがね、安全等を考慮して実施するよう米側に申し入れておりますし、今後も、そういう風向、風速等も厳密に観測の上、十分安全に留意して降下訓練を行うように申し入れたいと思っております。
  75. 上原康助

    ○上原委員 事故が起きるたびに十分安全な対策が講じられるようと言ったって、また起きているじゃないですか、あなた。よくもそうぬけぬけとしょっちゅう同じことを皆さん答弁できるものだね。  そこで、代替地の調査検討がなされた。これまでの経過は一々申し上げませんが、これは八〇年の三月十八日、日米合同委員会施設分科会において、パラシュート降下訓練場の移設検討を求めることを皆さんたしか申し入れたはずなんだ。今年の二月二十六日に特別作業会議が持たれているはずなんだ。一体その後何回持たれたのか、そこでどういう議論をしているのか、移設は可能なのかどうか。可能でなければもうやめなさい、こういうことは。あなた、朝礼をしている学校の上にパラシュートがふわふわしているなんて、そんな物騒なことありますか。外務省も施設庁ももう少ししっかりして、この件については両方ともお答えください。移設するの、しないの。可能性はあるのですか。
  76. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 特別作業班を設けまして日米間の検討に昨年来入っておりますことは、先生指摘のとおりでございます。  私どもの方としましては、特別作業班を中央レベルでやると同時に、現地においてパラドロップの適地というものを現地調査を続けておりまして、何カ所かの候補地について検討もやっております。それですから、そういうものをやめろという先生の御指摘でございますが、私どもとしましては、日米間で現在検討を続けておりますので、降下訓練場としての条件を満たす地域の選定、なるほどなかなか困難な面もありますが、今後とも検討を続けていきたいと思っております。  それから安全措置につきましては、今度の場合先生指摘のような面もあったかもしれませんが、逆に私どもとしましては、無理に読谷補助飛行場の中に降下するという判断をせずに、より安全な風下のトリイ通信施設に降下したのは、そういうような配慮もあったかと思いますので、今後とも米軍等には、やはり安全措置というものを十分注意するように求めていきたいと思っております。
  77. 上原康助

    ○上原委員 時間もあるので、要するに、移設は可能なのかどうかを答えなさいというのだ、いつまでも検討検討と言わずに。皆さん調査しているのは沖繩本島なのか離島なのか、日米間ではどのくらいこの話は詰まっているのか、それに対して明確に施設庁と外務省お答えください。何もくだくだたくさん言う必要はない。人の質問に答えてください。
  78. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 米軍との話し合いの内容、それから、実際にどういう地点を調査しているかということについては現在、お答えする段階にございませんが、在沖繩部隊が主として使用する降下訓練場でございますので、沖繩本島の現有施設等を中心調査しております。  それから見通しということでございますが、そういったことで検討しておりますので、私どもとしては日米間の申し合わせにより、適地を求めてパラドロップ地域を移転させるという方向で今後とも検討してまいりたいと思っております。
  79. 丹波実

    ○丹波説明員 お答え申し上げます。  四月二十一日の件につきましては、いろいろな事情があったとは思いますけれども先生指摘のとおり、関係の住民の方を驚かせるような落下ミスがあったということは私たちとしても非常に遺憾だということで、当日早速、私の方から在日米軍本部に対して、非常に遺憾だということ及び今後気をつけてほしい、関係の住民には、アメリカ側がどういうぐあいに注意してやっているのか、その辺もぜひ了解を得るように話し合ってもらいたいということを申し入れております。  それから特別作業班の問題につきましては、可能であれば移設したいということを念頭に置いて、直接には防衛施設庁が米軍とそういう地を見つけるために努力をしているわけですが、外務省としても自分の問題として、必要があれば今後とも防衛施設庁と話し合っていきたい、こういうように考えております。
  80. 上原康助

    ○上原委員 時間ですからこれで終わりますが、いまの安保課長のお答えあるいは施設庁の施設部長のお答え、ちょっとよくは納得しかねるのですが、しかし誠意をもってこの問題の解決に御努力をいただきたいと思います。この種のトラブルが頻繁に起きるということは、皆さんの立場からも好ましくないし、われわれとしてもこれはよくない。その点、努力しますね。努力するという一言、次の委員会で同じ答弁を求めませんから……。
  81. 丹波実

    ○丹波説明員 全く先生のおっしゃるとおり、こういう問題が起こり続けば施設、区域の円滑な運営もできないわけですから、そういうことも念頭に置いて外務省としても努力していきたい、こういうように思います。
  82. 上原康助

    ○上原委員 終わります。
  83. 上草義輝

    上草委員長代理 玉城栄一君。
  84. 玉城栄一

    ○玉城委員 ただいま上原先生からもお話がありました読谷補助飛行場の降下訓練のミスの問題なんですが、外務省それから施設庁に伺いたいのですけれども、これはできないところでそういう訓練をやること自体が問題なんですよ。先ほど何かトリイ・ステーションの方にということ、そんなことをやりますと、島全体が降下訓練の場所みたいになっちゃうんですね。これは移設できるまでやめさせるようにしなければだめです。やめさせるようにちゃんと米側と話し合ってください。
  85. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 お答えします。  先ほども上原先生に申し上げましたが、読谷補助飛行場におけるパラシュート降下訓練は、米側の人命救助等を目的とする部隊の練度の保持ということでやっておりますので、先生指摘のように、地元住民の方に御心配をかけるようなことは極力避けつつ、それから私どもも米側に申し入れも行っております。米側もそれなりに安全に留意してやっておりますので、今後とも必要な訓練は続けていく。ただ一方におきましては、他に適地があればその適地を求めて将来、やはり移転ということも考えてやっております。     〔上草委員長代理退席委員長着席
  86. 玉城栄一

    ○玉城委員 そういうことじゃないのです。  施設庁の方に伺いますが、これは降下訓練場としては条件は満たしているのですか。
  87. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 御承知のように、パラシュート降下訓練はいろいろなものがあるわけでございますが、現在読谷補助飛行場で米軍が行っております人員降下のための訓練につきましては、通常の条件の場合、現施設は条件を満たしていると理解しております。
  88. 玉城栄一

    ○玉城委員 そういう条件が満たされていないからミスが続出しているわけでしょう。なぜ今後もやるというようなことを……。  とにかくそういうことで、移設をしたいというのが皆さん方の考え方でしょう。だから、その移設ができるまでこの危険な訓練をやめさせる。ルールはルールとしてちゃんと守ってもらわなければ困るのです。やめさせなさい。
  89. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 同補助飛行場における訓練は月間十回程度、ずっとここのところ休みなく続いております。私どもの……(玉城委員「いや、やめさせるかどうかと聞いている」と呼ぶ)ですからそういう意味では、事故が多発するという御指摘もございますし、それから過去に不幸な事故等もございまして、重量落下物の降下訓練をやめたり、それから一昨年の十一月以後は物量投下訓練等をやめております。ただ、人員による人命救助のための降下訓練というものは必要な訓練でございますし、それから人間がやっておることでございますのでミスがあるかわり是正措置もとれるということで、私どもは安全管理上十分な配慮をしながら、現在の降下訓練は必要な訓練としてやはり今後とも続けていかざるを得ないと思っております。
  90. 玉城栄一

    ○玉城委員 そんなあなた、できないところにそういう訓練をさせて、なお今後もやりたいなんて、そしてトリイ・ステーションまで拡大してやろう、そんなことはだめですよ。だめだよ、そんなことをさせたら。あなた、もし事故が起こったらどうするの。その周辺に幼稚園も小学校もあるんだ。あなた方は、そういう条件がだめだから移設したいと言うんでしょう。だから、それはちゃんと移設できるまでやめさせなさい。あなたの答弁はわかっています。とにかく二度とこういう訓練はさせないように米側によく話し合いをしてもらいたいと思います。  それから、外務省の丹波課長さんがいらっしゃっておりますのでお伺いしたいのですが、外務委員会でも何回もいろんな点で申し上げてまいりましたけれども、日本外交の弱腰、及び腰、まさにその張本人。大変御苦労はよくわかります。もっとしっかりやってもらいたいわけです。  例のアメリカの原潜の衝突、沈没、そしてお二人の死亡、なぞ、奇々怪々なんですね。その原因は、政府の方は何とも言わない、アメリカの調査待ち、ちらちらアメリカの方からは報道で聞いているわけですね。これは前にニューヨーク・タイムズの社説にあったわけですけれども、日米両政府のサル芝居だ。  ちょっとわからないので伺っておきたいのですが、これもけさのニューヨーク・タイムズに「原潜は事故直後、一時浮上したが、日昇丸に異常がないと判断した」「原潜は米軍機と共同訓練中に事故を起こした」、こういうふうな報道があるんですが、これについてもちょっと納得できないのです。外務省、これはどのように理解しているんですか。
  91. 丹波実

    ○丹波説明員 お答え申し上げます。  御承知のとおり、先般の米原潜の衝突事故につきましては、総理以下日本政府がきわめて遺憾であるということを米側に申し入れまして、事故の調査を迅速かつ徹底的にやってもらいたいということを申し入れているつもりでございます。私は外務省員である前に日本人であるつもりです。そういう観点から、一人の日本人として非常にけしからぬと思っております。弱腰の張本人というお言葉はちょっと私は受けることができませんので、先生のお言葉でございますけれども、その点はちょっと受けることができません。アメリカ側からむしろ、安保課長の言うことは非常に強過ぎるんじゃないかという批判さえ受けておるということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。  それからニューヨーク・タイムズの記事につきましては、確かに昨日のニューヨーク・タイムズの朝刊がリチャード・ハロランの記事を掲げておりまして、先般の原潜事故がなぜ起こったのかという点につきましていろいろ詳細な点を挙げて、ペンタゴンの情報であるといって報道しておることは事実で、日本の各新聞にもそれがキャリーされております。  この内容につきましては、もしこれが本当にペンタゴンの情報であるとすれば、われわれが知りたかった情報が多々あるわけで、私は日本政府が知りたいと言っている点がまず新聞に出てくるというのは不可思議なことである、こういうふうに考えております。したがいまして昨夜、外務省から訓令を発出いたしまして、わが方の在米大使館が国防省に行って、これは不可思議だということを申し入れるとともに、この内容について確認してくれという訓令を発出しております。
  92. 玉城栄一

    ○玉城委員 丹波さん、弱腰ということを受けられないということですけれども、じゃ、先ほどの読谷の件について、移設まで中止することを言いますか。
  93. 丹波実

    ○丹波説明員 お答え申し上げます。  読谷の件につきましては、先ほどから施設部長が御説明申し上げておりますとおり、落下傘の降下訓練を含め米軍の演習は、米軍が日本において抑止力を保つという観点からぜひとも必要な訓練である、こういうふうに考えております。他方、読谷でそういう訓練をすることにつきましてはかねがね沖繩御出身の議員先生方のみならず、関係住民からわれわれも申し入れを受けておりますので、そういう観点から御承知作業班をつくって、何とか移設ができないかということを研究しておるわけで、その間は今後とも、気をつけさせながら訓練を行うということはやはり認めていかざるを得ない、もう少し時間の御猶予をいただきたい、こういうように考えます。
  94. 玉城栄一

    ○玉城委員 わが国は主権国家として国民の生命、財産を守る、これは大原則ですよね。この原潜問題の一連の日米外交戦を見ていますと、アメリカ側に押しまくられて、本当に消極的、及び腰とか新聞論調もありますけれども、ここであなたとけんかしようと思いませんが、いま申し上げた点もその一つなんです。本当に国民の生命、財産を守ろう、国益を守ろうという立場に立って交渉していただくのが外務省の立場なんですね。これ以上申し上げませんけれども……。  それで、これは外務省の方に伺いたいんですが、いわゆる米軍機が基地外の民間空港におりることのできる法的な根拠、これを説明していただきたいと思います。
  95. 丹波実

    ○丹波説明員 御承知のとおり、安保条約の実施のための協定として地位協定がございまして、その第五条1項に次のように書いておるわけでございます。「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。」2項におきまして、施設間の移動においても移動することができる、こういうふうに規定しております。これが根拠でございます。
  96. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで、いまお話のありましたように、確かに米軍は民間の港あるいは飛行場に入ることができる、そうなっています。しかしこれとても、やはり米軍には専用として基地を提供し、区域も提供しているわけですから、いたずらに民間の空港とか民間の飛行場とかあるいは港とかにしょっちゅう定期的に入れるというものではないと思うのですね。たとえば成田とか羽田とか大阪空港とかにむやみやたらに米軍がしょっちゅうおりることができるという意味ではないでしょう。それは入れることは入れますよ。しかし、むやみやたらに、しょっちゅう、定期的に入れるというものではないと思うのですが、いかがですか。
  97. 丹波実

    ○丹波説明員 この点は、その出入の途次あるいは移動の途次にたまたま使うというような考え方でございまして、逆に申し上げますと、先生のお言葉を使いますといたずらにということになって、つまり、あたかもそこが基地化したかのごとき使用態様になる場合、これはやはりそういう場所は本来、施設、区域として提供されてからそういう態様で使われなければならない、そういうことになるだろうと思います。
  98. 玉城栄一

    ○玉城委員 これは常識的にいま御説明のあったとおりだと思うのですね。  そこで、これは外務省の方に伺いたいんですが、今月の四日に沖繩の宮古島の宮古空港、民間空港なんですが、そこにOV10ブロンコが二機、緊急着陸という形で急におりてきたわけですが、その経過とその理由を御説明いただきたいと思います。
  99. 丹波実

    ○丹波説明員 お答えいたします。  御指摘の事実関係について御説明さしていただきたいと思います。  アメリカ側に照会いたしました結果、私たちが承知しておりますのは、先生指摘の四月四日にいまの飛行機二機が、沖繩本島の嘉手納の米軍飛行場とフィリピンの間の飛行の途次、目的は燃料給油のため、宮古空港に午後零時四十五分に着陸し、二時十五分離陸した、こういうことでございます。
  100. 玉城栄一

    ○玉城委員 そこで、運輸省の方に伺いたいのですが、いま申し上げましたこのOV10ブロンコという軍用機ですね、この性能とか、一般的な話でいいんですが、御説明をいただきたいと思います。どういう機能を持っているかですね。
  101. 末永明

    ○末永説明員 先生おっしゃるとおり軍用機でございますので、非常に一般的なことしかわかりません。市販されておりますジェーンの航空年鑑だとか航空ジャーナル等から知り得たところによりますと、最大速度が時速四百五十一キロメートル、これは三千メートルの高さにおいてでございます。巡航速度が時速三百六十キロメートル、五千メートルの高さにおいて。実用上昇限度七千七百四十メートルということ。その程度しかいまのところわかりません。(玉城委員「航続距離」と呼ぶ)航続距離につきましては、軍用機でございますので、作戦レンジというふうなことで出ておりますが、全体の武装してのもしくは兵員を輸送するための航続距離ということは残念ながら資料の中に見当たりません。
  102. 玉城栄一

    ○玉城委員 いやいや、ちょっと待ってください。このブロンコという飛行機の航続距離、いろいろと積載した状態の航続距離とかいろいろあると思うのですが、どれくらいの距離飛べるのか、それをちょっと説明していただかないと……。
  103. 末永明

    ○末永説明員 軍用機の資料なので、先ほどから申し上げておりますとおり一般市販のものでしかわからないのですが、戦闘行動半径として百六十五マイルというふうになっております。一・八五掛けるわけでございますので、約三百キロ程度になるかと思います。それからジェーンによりますと、ペイロードゼロで補助タンクつきのフェリーレンジとして二千二百九十キロメートルという資料が出ております。
  104. 玉城栄一

    ○玉城委員 外務省の方に伺いたいのですが、先ほど燃料給油のために宮古の民間空港におりたんだというお話ですが、この飛行機はどこから飛び立ってどこに行く目的であったのか、なぜ宮古の飛行場におりたのか。
  105. 丹波実

    ○丹波説明員 この点は先般、衆議院の外務委員会でも御説明いたしましたが、かねての先生の御質問でございますので、私けさ横田の本部に電話いたしまして念には念を入れて確認したばかりですが、嘉手納からクラーク飛行場に向かう途次、給油のために宮古に着陸した、こういうことです。
  106. 玉城栄一

    ○玉城委員 丹波さん、その嘉手納からフィリピンのクラークまで距離はどれくらいあるのですか。それと、嘉手納から宮古まで距離はどれくらいあるのですか。
  107. 丹波実

    ○丹波説明員 私の承知しておりますところ、嘉手納からクラークまでは約千五百キロ、宮古からクラークまで約千二百キロ、残りの三百が嘉手納から宮古、こういうことでございます。
  108. 玉城栄一

    ○玉城委員 先ほど外務省の方の御説明もありましたとおり、そういう民間の港とか飛行場はやたらに使えないというお話もあったわけですね。そこでこのブロンコに関する限り、たとえばこれはわれわれ報道で知っているわけですが、韓国の烏山から嘉手納経由、フィリピンのクラークに向かうというふうに承知していますが、それでいいですか。
  109. 丹波実

    ○丹波説明員 私、韓国がそこに絡んでくるということは聞いておりません。
  110. 玉城栄一

    ○玉城委員 それではなおわからないわけですね。先ほどの運輸省の御説明で、航続距離、普通の状態で二千二百九十キロ飛べるわけですね。それから嘉手納からクラークまで千五百キロとおっしゃったでしょう、飛べるわけです。なぜ給油のために三百キロしかない嘉手納から宮古の民間空港におりたんですが、その理由がわからないわけです、常識的に言って。
  111. 丹波実

    ○丹波説明員 いまの点は先生の論理でいけば、嘉手納から宮古に行くのがわからないというのは、実は韓国から来ても同じ理由で、嘉手納におりるとすれば嘉手納で給油すればいいわけですから、そこはどっちから来ても同じだろうと思います。  問題点は、嘉手納から行く場合になぜ宮古におりるかというところにしぼられるんだろうと思いますが、この点は、いろいろな荷物を積んだり風向きその他の関係から、宮古からクラークに到達する間にどうしても安全な幅をとっておきたい。一定の油が嘉手納から宮古の三百キロで使われてしまうので、その分、宮古からもうないわけですから、最短の地である宮古でどうしても三百キロ分で使った油を取り返しておきたい、恐らくそういうことじゃないか。かつ、もう一つは私のあれでは、たしかこれは偵察も兼ねた飛行機だと思っております。間違っておりましたら訂正いたしますが、それは必ずしも直線距離で飛んでいるとは限らない、その辺にも理由があるのかなとも感じております。
  112. 玉城栄一

    ○玉城委員 これは偵察、爆撃、対ゲリラ専用の飛行機ですから、いろんな機能を持った軍用機ですが、いまおっしゃるようなことからしますと、この飛行機は、クラークに行く場合は必ず宮古におりなくちゃならぬという必然性が出てきますよ。
  113. 丹波実

    ○丹波説明員 ですから、積載荷物であるとか積載人員数あるいは風向き、そういうことが関係してくるわけで、嘉手納からクラークに向かうときは必ずというふうには私は説明を聞いておりません。
  114. 玉城栄一

    ○玉城委員 じゃ、このブロンコ、過去にもおりましたか、宮古とかとにかく離島に。
  115. 丹波実

    ○丹波説明員 過去のデータの詳細は持っておりませんけれども、今回が初めてではないと言っておりました。
  116. 玉城栄一

    ○玉城委員 ですから、とにかくこの飛行機はフィリピンに向かうならば、嘉手納から飛ぶときあるいは韓国から飛ぶときと言っても同じですが、必ず宮古か石垣かにおりざるを得ない構造的、宿命的なものが燃料の関係である、そう思いませんか。
  117. 丹波実

    ○丹波説明員 この点につきましては後で調査して、何でございましたら直接先生に御報告いたしますが、構造的に必ずおりなければならないというふうには聞いていないわけです。
  118. 玉城栄一

    ○玉城委員 そうしますと、嘉手納からクラークまで千五百キロですね、千五百キロとおっしゃいましたでしょう。航続距離が二千幾らかという御説明があったわけですが、なぜおりるのですか、それがわからないんですよ。クラークまで飛んでいけばいいのです。なぜ民間飛行場に入って燃料補給のためにおりなくちゃならぬのか、それがわからないわけです。
  119. 丹波実

    ○丹波説明員 この点は先ほどから御説明申し上げているつもりですが、私の言葉が足りなければ申しわけございませんが、そのときどきの風向きとかあるいは運んでおる荷物などによって、燃料の消費の量が一定時間当たり違ってくることは先生承知だと思うのですが、そういう条件が悪いような場合に、どうしても宮古からクラークまで飛ぶ間の燃料の幅をとっておきたいということで宮古におりることがある、そういうふうに承知しております。
  120. 玉城栄一

    ○玉城委員 それではもう一点伺っておきますが、このブロンコは嘉手納からクラークまで飛べるわけですね、飛べますね、いろいろな装備をした状態でも。
  121. 丹波実

    ○丹波説明員 この問題になってきますと、大変な軍事知識が必要で、私はその辺の知識はないわけですが、数学的に計算いたしますと、全くそういう荷物も何もない最良の条件で考えた場合、航続距離は二千二百ということで、嘉手納からクラークは千五百ということですから七百キロの余りがある、そういう計算になります。
  122. 玉城栄一

    ○玉城委員 完全に装備した積載の状態の場合。
  123. 丹波実

    ○丹波説明員 その点については、時間の猶予をいただきまして調査してみたいと思います。
  124. 玉城栄一

    ○玉城委員 これはそんなに飛べないんですよね。そういう機能を果たすためのいろいろな爆弾だとかそういうものを装備した状態では、嘉手納からクラークまで燃料の関係で飛べないのです。だから、どうしてもこれは宮古か石垣におりて燃料を補給せざるを得ない、こういう構造的な問題がこの飛行機にはあるのです。  そこで、過去にもあったということですから伺いたいのですが、これは次は運輸省の方に伺いたいのですが、これは第三種空港なんですね。ですから、今月の四日にブロンコがおりたときの状態、どこからどういう連絡があったのですか。
  125. 末永明

    ○末永説明員 四月四日の件につきまして私ども調べましたところ、嘉手納からクラークへ飛行の途中、宮古周辺におきましてパイロットから、宮古に給油のためおりたいという連絡が那覇航空交通管制部にございまして、宮古に着陸させるために那覇管制部が宮古出張所と調整いたしましたところ、宮古の出張所は、沖繩県の宮古空港管理事務所から当該航空機の着陸については了承しておるという旨の連絡がすでに入っておるのでというふうな通知がございましたので、着陸のための措置をとったということでございます。
  126. 玉城栄一

    ○玉城委員 そうしますと、これは緊急でも何でもないですね、県はすでに承知をしていたということですから。これはもう事前にそういうことをすでに知られているわけですから、緊急でも何でもないですね、丹波さん。
  127. 丹波実

    ○丹波説明員 ただいまの御質問につきましては、緊急という言葉の定義づけの問題にもなろうかと思いますが、これは推測ですが、あるいは飛んでみて風向きその他の関係から着陸が必要になったということか、あるいはあらかじめ出発前にすでにそういう風向きその他のことがわかっていて、あらかじめ宮古におりる必要があった、そういうケースの二つが考えられるかと思います。
  128. 玉城栄一

    ○玉城委員 自治省の方、来ていらっしゃると思うのですが、先ほど県もすでに事前に承知をしていたというお話があったのですが、そうしますと、これは沖繩県と米軍と事前にそういう話し合いとか申し合わせがあったのですか。
  129. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 その点に関しましては、私ども何の連絡も受けておりませんし、その事実関係について全く存じません。
  130. 玉城栄一

    ○玉城委員 自治省、だめです。それは地方自治体の行った行政行為については指導監督する立場にあるわけでしょう。どうですか。
  131. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 お言葉でございますが、空港管理につきまして私どもは指導的立場にございません。
  132. 玉城栄一

    ○玉城委員 いや、空港管理とかなんとかじゃなくて、私が伺っているのは、自治省としては、地方自治体の行っている行政行為については実態を把握し、それについて指導する立場にあるわけですね、いまの空港の問題は別にして。
  133. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 一般論といたしましては、その地方団体に起きましたもろもろの事件につきまして、地方団体からそういうような御相談があった場合には、それは喜んで解決に努力はさせていただきますが、すべてがすべて私どもの権限に属するものではない、そういうことを申し上げたいわけでございます。
  134. 玉城栄一

    ○玉城委員 私この問題は外務委員会で何回も質問させていただいたのですが、非常にわからないんですよね。というのは、沖繩県は離島県ですからね、離島の空港というのはまさに住民の足なんです。特に沖繩県では、これから第二次振興の大きな柱にしている観光という問題がありますし、国鉄もないわけですから、空港というのは住民の交通機関として非常に重要です。そういう民間空港に先ほどのお話にもありましたとおり、燃料の関係でこのブロンコなんかどうしてもおりなくちゃならない、これは過去にもおりているわけですから。これはいわゆる事実上の基地化しているとしか言えないんですね。いきなりそんな軍用機が飛び込んできまして、みんなびっくりするわけです。まして、これはさっき申し上げましたように、爆弾は積んでいるわ、機関銃は持っているわ、偵察機、爆撃機、いろいろな機能を持った対ゲリラ戦用の攻撃機ですからね、事故でも起きたら大変なことになるわけですね。そういう危険な軍用機がいきなり飛び込んでくるということは、非常に不安でたまらないわけですね。  どうですか、運輸省の方として、いま申し上げましたそういう運輸行政、安全管理という面からそういうことは、先ほどお話しのように地位協定上はできるかもしれませんよ、しかし安全管理という立場から考えますときに、私はこれは好ましくない、好ましいとは決して言えないと思うんですね。運輸省の方はどうですか。
  135. 末永明

    ○末永説明員 先生の御質問でございますが、一般的に給油のためとか燃料不足のためということでおりたいという場合は、私どもはおろさざるを得ない立場にございますが、航空行政という面で安全の確保はということになりますと私、進んではちょっとお答えいたしかねる立場にございます。
  136. 玉城栄一

    ○玉城委員 では、外務省はどうですか。好ましいですか。危険な飛行機が民間空港におりなくちゃならないという必然性があるんですよ。
  137. 丹波実

    ○丹波説明員 本件につきましての先生のたびたびの御指摘でもございますので、しかるべき機会に私の方から、給油のための宮古への着陸というものは必要最小限度に限ってほしいということを伝えたい、そういうふうに考えます。
  138. 玉城栄一

    ○玉城委員 必要最小限度ですか。  長官、ちょっとぐあいが悪いということで、最後にお伺いしておきたいのですが、長官もよくいろいろな御配慮をいただいているわけですが、沖繩の場合、観光ということ、離島を抱えているということ、そういう民間空港は小さいんですよ。そういうところにいまのような危険な軍用機がたびたび——燃料補給と言いましても、われわれ綿密に計算してみました。どうしてもクラークに行く場合は宮古か石垣におりなくちゃならない、こういう性能からあるわけですね。ですからそういうことは、これからの沖繩の観光立県ということ、また住民の不安ということからして、民間空港へそういう軍用機のおりるということについて長官としても、いま外務省のお話があったのですけれども、そういうことはできるだけやめてもらいたい、一切やめてもらいたいというのがわれわれの要望ですけれども、その点はいかがですか。
  139. 中山太郎

    中山国務大臣 日米安保条約に関連する防衛問題に関することでございますので、外務省の安全保障課長が御答弁申し上げましたいわゆる基本的な問題は私は否定できない。ただしいま先生指摘のように、沖繩の離島の足、また、第二次振計の中では観光というものがこれからの沖繩の振興開発としては大きな柱になっていくと沖繩開発庁長官としても考えておりますが、ただいま安保課長が申し上げましたように、必要最小限というようなことで米軍側に申し入れをするということでございますので、ひとつ当分の間、外務省の対応の経過を見詰めてまいりたいと考えておりますが、私はもとより民間空港への軍用機の着陸というのは好ましいことではない、このように考えております。
  140. 玉城栄一

    ○玉城委員 以上です。
  141. 小沢貞孝

    小沢委員長 部谷孝之君。
  142. 部谷孝之

    部谷委員 先ほど上原委員からも沖繩電力の民間移行についての質問がされたわけでありますが、行政改革の主要な柱といたしまして特殊法人の民営化構想が打ち出されております。そういう中で、昨年十二月二十九日に閣議決定されました「特殊法人の整理合理化」の中で、「沖繩電力株式会社については、沖繩の実態に配慮しつつ、民営移行のため、存続期限の切れる昭和五十六年度末までに諸般の措置を講ずる。」こういうふうにされておるわけであります。ところが、先ほどからもるるお話がございましたように、解決すべき問題が山積をいたしておるわけでありまして、これらの問題を解決しないで民営への移行ということは非常に大きな無理があると思うわけであります。そういった立場で以下数点にわたりまして、まず資源エネルギー庁の方にお尋ねをしてみたいと思います。  まず、沖繩電力株式会社は五十五年度末までに約百七十三億に上る赤字が生じておる、こういうふうに聞いております。また、五十四年度末が百四十六億円でありましたから二十七億円、一年間でふえたということになるわけでありますが、そのような赤字が生じた原因というのは一体どこにあるのか、まず御答弁を願いたいと思います。
  143. 植松敏

    ○植松説明員 先生指摘のとおり、五十四年度末時点で沖繩電力の場合、ほぼ資本金額に匹敵します百四十六億円の累積赤字を抱えております。五十五年度決算におきましては、さらにこれが増加されるということが懸念されております。  これはどうしてかということでございますが、いろいろ要因はあろうかと思いますが、主として同社がその電源のすべてを石油火力に依存しておりまして、そのために急激な石油価格上昇による原価の高騰というものを、企業の合理化努力あるいは料金改定によりましても吸収できなかったということが原因ではなかろうかと思われます。
  144. 部谷孝之

    部谷委員 主たる原因が石油に一〇〇%依存しておる、そういうところが大きな原因であるという指摘がされたわけでありますが、その他に離島であることとかあるいはユニットが小さいからそうした投資効率が悪いとか、いろんなそうした問題があると思うのですが、今後、こうした赤字を生じさせないためにはどうした施策を講じていくことが適当と考えられるか、御答弁を願います。
  145. 植松敏

    ○植松説明員 先生指摘なさいました石油依存度以外の離島の問題でございますとか投資効率が悪い、これは経営を圧迫するコスト増高要因ということでそういうことが指摘をされておるわけでございますが、今後そういった面も含めまして料金をどうやって安定さしていくかということにつきましては、従来からも、そういった沖繩電力の持つ不利性、それから沖繩における電力の重要性ということを勘案いたしまして、たとえば沖繩振興開発金融公庫から長期低利の資金融資を電力関係の設備投資の面で融資をするとか、あるいは税制面でも事業税の軽減でございますとか石油関税の免税とか、いろいろな措置が講じられております。     〔委員長退席、川田委員長代理着席〕 今後も、こういった構造的な不利性というものは相変わらず存続するということと、電力の沖繩の経済あるいは民生に及ぼす影響という重要性を考えますと、やはりそういったいろいろの措置、所要の措置というものを今後も考えていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
  146. 部谷孝之

    部谷委員 今日までそうした沖繩金融公庫の融資だとか、あるいは事業税の軽減だとか関税の免除措置だとか、その他いろいろと政府の施策の中で、そうした経営を圧迫する要因を軽減し取っていく、そういう措置がなされたわけですが、それらの一連の措置の中で私は石油税について、関税については免除されておるけれども、石油税については免除されていないわけですが、大体石油税は、沖繩関連で年間どれぐらい支払われておるか、数字をお持ちでしょうか。
  147. 植松敏

    ○植松説明員 実はこれは私の所管分野の範疇外でございまして、事前にお話を伺っておりませんでしたから、大変恐縮でございますが、きょう実はそういう資料を持ち合わせておりません。
  148. 部谷孝之

    部谷委員 発電用の石油の関税については、先ほど申しましたように復帰特別措置法の中で措置をされておるのですが、石油税につきましては、これは五十三年に制定された法律の中で沖繩は内地並みということになっておりまして、私が伺ったところでは、大体五十五年度十一億ぐらいがそうした税として支払われておるというふうに伺っておるわけでございまして、こうした石油税等も、いわゆる発電用石油の輸入関税に対する措置と同じような措置がされてしかるべきではなかったか、あるいは今後そういう措置を考えるべきではないかというふうに思うわけです。  なぜ、そういうことを私が思うかといいますと、これは昨年も指摘をしたところでありますけれども、関税につきましては、これは定額六百五十円ということになっております。四十七年度復帰をいたしましたときは、大体沖繩電力の使います燃料費総額で二十二、三億のうちで関税の免除されるものが二億六千五百万、つまり大体一割以上というものが免除されておりました。     〔川田委員長代理退席、委員長着席〕 五十五年度の数字を持っておりませんが、五十四年度では燃料費が四百六十五億円に対しまして四億四千万、これはつまり燃料費の一%に達していない。復帰時は一割以上の免除をされておったものが五十四年度では一%に足りないという、いわばそうした政府の助成措置というものが大きく薄められてきておるという実態があるわけでありますので、そうした復帰特別措置法の措置がそのように薄められてきたという状態の中で、さらにまたこうした石油税の減免というものを考えていく。  一〇〇%石油専焼である、こうした特別の業態の沖繩電力に対して、大体燃料比率も、九電力平均して四十数%に対しましてここは六二%なんですね、それほど高い石油を使っておるところでありますので、そうしたことの措置が必要ではないか、こういうふうに思っておるわけですが、あなたの御所管ではないのですか、そうした措置も考えることが必要じゃないですか、どうですか。
  149. 植松敏

    ○植松説明員 いま先生の御指摘なさった数字、詳細のところはちょっと私も手持ちしておりませんのではっきりいたしませんが、確かに石油関税の方は定額でございますし、一方、石油の価格は高騰を続けてまいりましたから、燃料費に占める石油関税のウエートというのは、免除分が非常に少なくなっているということは確かにそのとおりだろうと思います。  問題は、一〇〇%石油に依存している沖繩電力、あるいは離島を多く抱えておりますとか小さな需要規模のために効率が悪いとか、いろいろそういった構造的な問題を沖繩電力の場合は抱えておりまして、なかなか料金の安定化が十分に図り得ない、幾ら企業努力をしてもなおそういう問題があるということの解決策をどうやっていくかということで、従来は先ほど申し上げましたいろいろな対策が講じられてきたわけでございますが、その講じられた根拠を一つ申しましても、たとえば石油関税の場合につきましては復帰特別措置法で行われた、これはいろいろそれぞれの経緯がございまして、石油関税が免除になったという面もございます。一方、石油税が創設されましたときの経緯あるいはその創設の趣旨等から申しますと、果たしてそう簡単にいくものかということについてはなかなかむずかしかろうかと思います。  いずれにいたしましても、沖繩電力の体質の改善を図り、それによって料金の安定化がどうやって図っていけるか、つまり、コスドダウンなりコストの高騰を今後防いでいくためにどういう対策を講じていかなければならないかということにつきましての問題で、これが午前中も議論になりました民営移行問題と絡んでいま議論の焦点になっているわけでございますが、今後諸般の措置を講ずるという中の一つとして、いろいろこういった問題を考えていかなければならないのではなかろうかというふうに考えております。
  150. 部谷孝之

    部谷委員 さらに、民営移行をするためには、先ほどお話がありましたように百七十億を超すようなそういう累積赤字が出ておるわけですが、その累積赤字の解消も一つのポイントになると思うのですが、そうした累積赤字の解消策としてはどのような措置をしてこられたか、お尋ねします。
  151. 植松敏

    ○植松説明員 累積赤字、先ほど申しました五十四年度末が約百四十六億円でございますが、さらにそれが増加しつつあるという状況でございます。  五十四年末の閣議決定で、五十六年度末を目途に諸般の措置を講じながら民営に移行するという閣議決定が行われたわけでございますが、その準備のため昨年いろいろ検討いたしました。基本的には、すでに発生しております累積赤字を料金を上げることによって解決するというのはおかしい、これは沖繩県民の負担によって解決するということはできませんので、これにつきましては国等が負担することによって解消せざるを得ないのではないかということで、昨年もいろいろその措置を検討したところでございますが、残念ながら昨年の段階では実現に至らなかった。  いずれにいたしましてもこの問題につきましては、そういった料金への転嫁ということではなくて、県民に負担を強いる形にならないような形での解決を図ってまいりたいというふうに考えております。
  152. 部谷孝之

    部谷委員 去年はそれらの累積赤字の解消の対策として、五十五年度の補正予算で経理改善緊急対策費、こうしたものを要求され、あるいはまた出資分の減資を行ってその資金で相殺したい、あるいはまた、五十六年度の一般会計予算につきましても民営移行のための対策費などを要求されたようですが、そのすべてが見送られたというふうに聞いておるわけです。しかし今後、これらの措置がなされなければ赤字解消にはならぬと思うのですけれども、これらの問題についてさらに今後も進めていかれるのかどうか、お尋ねします。
  153. 植松敏

    ○植松説明員 いま申しましたとおり基本的には、料金問題という形ではできないということで、百四十七億程度の政府出資がございますし、それからそれを上回るほどの累積赤字がたまっているという現状でございますので、民営に移行する場合には当然、こういった累積赤字の解消を図らなければならない。そういたしますと昨年、いま先生指摘のような対策を検討いたし考えまして予算要求等いたしたわけでございますが、これにつきましては、まだ準備期間にゆとりがあるということ、それから国の財源面でも必ずしも十分でないというようなこと、それから沖繩電力株式会社自身の今後の経営の動向をもう少し見定める必要があるのではないかというようないろいろな理由が重なりまして、昨年は見送られたわけでございますが、私どもといたしましては、やはり同様の考え方に立ちましてこれから措置を講ずべく、関係省庁とも連絡をとりながら対策を考えてまいりたい、こう思っております。
  154. 部谷孝之

    部谷委員 これも先ほど上原委員からお尋ねがあったわけですが、このたび沖繩県電気・エネルギー対策協議会の方から西銘知事に対しまして、沖繩電力の昭和五十六年度末の民営移行は延期し、当面、現行の特殊法人のまま存続させるということを内容とした沖繩電力の民営移行に関する中間報告、これが出されたのでありますが、通産省といたしましてはこの中間報告をどのように受けとめておられるか、まずお尋ねします。
  155. 植松敏

    ○植松説明員 先ほども申しましたが、まだ私どもの方では正式には沖繩県からそういった要請書をいただいておりません。ただ、もう新聞等でも報道されておりますし、私どもも重大な関心を持っておりますので、いろいろ聞きました。おっしゃった点二点、沖繩振興開発特別措置法を延長し、特殊法人として当面存続させるということ、それからもう一つは、構造的な不利性を抱えておる沖繩電力の経営基盤、電源多様化等の課題について国、県が抜本的な措置を講ずること、こういうエネルギー対策協議会の答申を得て県がその趣旨を踏まえて要請をされる、こういうことでございます。  私どもといたしましては、恐らくその根底にありますものは、昨年二度にわたる大幅な電気料金値上げというのが行われ、一方で、諸般の措置を講ずると閣議決定されておるにもかかわらず、まだ具体的にそういった満足すべき措置がほとんど講じられておらないということにつきまして県民が不安を持っておられる、それを受けてのそういった要請、結論になったのではないかと思います。  私ども閣議決定にのっとって準備を進めておるわけでございますが、閣議決定自身が諸般の措置を講じて民営に移行するということでございますし、また、五十六年度末までに諸般の措置を講ずるという昨年末の再確認の閣議もございますので、これから残された期間、いろいろそういった面でのできるだけ満足のいくような諸般の措置というものの実施に努力をいたしまして、できるだけ円滑な民営への移行を図りたい。もちろんその過程では、これからも沖繩県民の意向を十分参酌しながら、そういったいろいろな対策を講じていくという方向でやっていきたいと思います。  それから、先ほどちょっと一つ言い落としましたが、構造的不利性の克服という面では、一〇〇%石油に依存しているという点が一つの大きな要因でもございますので、電源の多様化ということで石炭火力を導入する可能性につきましても、すでに環境調査等も着手をいたしておりますし、いろいろな形で対応策というものを検討し、また進めてまいりたいというふうに考えております。
  156. 部谷孝之

    部谷委員 そこで最終的な目標は、やはり沖繩県における電気料金の設定基準を九電力の平均水準あるいはそれ以下に抑えるということが一つの目標でありましょうし、また、料金水準を確保するための国による具体的な措置を講じてほしい、こういうことをいまの協議会からは特に強く要望しておるわけでありますが、仮にいままでいろいろと述べてこられましたいろいろな施策、措置、そういうものを講じて民営移行のための条件が整うとするならば、民営移行ということになるわけですけれども、その場合の組織ですね、株式会社をどういう組織に変えていこうとせられるのか、その辺検討されたことがあれば御答弁いただきたいと思います。
  157. 植松敏

    ○植松説明員 昨年来、民営移行の方向でいろいろ検討を進めてきたわけでございますが、民営移行ということは要するに、現在政府及び沖繩県が一部持っております株式を民間資本に移すということになるわけでございますが、たまたま先ほど来御指摘がございますように累積赤字を抱えており、現在資本金をオーバーするような状況になっておる。そこで、どうやって民営に移行するかということになれば、どなたもこのままでは民間の人は出資をしていただけない、こういうことになるわけでございまして、政府が出資している分につきましては、やはり減資という形をとらざるを得ないのではないかということ。それから、減資をしてもなお余りある債務超過分の赤字分をどうするかということで、この点についての補てんということが前提になるわけでございますが、さてその上でということで今度は、民間から増資に応じていただいて民営に移行するという形、プロセスをとらざるを得ないのではなかろうか。  問題は、従来から私ども資源エネルギー庁長官の私的諮問機関ということで沖繩電気事業協議会というものを設けまして、民営移行のためのいろいろな対策も検討していただいたわけですが、四十八年以来何度か中間報告という形で答申をいただいてございますが、やはり県民主軸の民営移行をやるべきである、こういうことで、考え方としては、沖繩県民主軸の沖繩県中心の資本構成で民営を図るべきだということでいろいろ検討してまいったわけです。  問題は、直ちに民営に移行する場合でも、果たして一般の県民が必要な増資に要する資本引き受けをしていただけるかどうかということでは、なかなかむずかしかろうということで、これは一つの試案でございますが、たとえば沖繩県の公共団体でございますとかあるいは関係金融機関でございますとかそういったところの、完全なる民営とは言えないかもしれないけれども、いわば俗に言う第三セクター方式というものも経過的措置としては考えられるのだというようなことを、昨年はいろいろ内部で検討した次第でございます。ただこれは十分、関係方面と協議をして合意が成立したというものでございませんで、内部の一つの試案というふうに考えていただければと思います。
  158. 部谷孝之

    部谷委員 いま第三セクター方式を検討しておられるということでありますが、そのほかにもいままでいろいろと議論された方式といたしましては、一つは、やはり九電力のいずれかと合併するという方法一つ。もう一つは、電源開発の方で発電をやってもらって、そして沖電は配電をやるといういわゆる発電と配電との分離方式、こういうことが二つ目にいろいろ考えられておる。そして三つ目に、いま申された第三セクターの方式、こういうふうなものがいままで議論としてあったと思うのですね。この三つの方式についてそれぞれメリット、デメリットがあると思うのですけれども、その辺はどのようにお考えでしょうか。
  159. 植松敏

    ○植松説明員 先ほど第三セクターのお話を申し上げましたが、民営に移行するということは、いわゆるプライベートな企業かあるいは個人が出資に応ずるということでございますので、そういう点からいきますと普通で言いますと、政府がいま持っております株を民間のそういった資本に放出するという形しかないわけでございます。  ただその場合に、累積赤字を抱え、かつ、債務超過になりそうだという段階の問題で、現在のところは配当もなしで経営を続けているという状況の中で、果たして民間の方々が出資に応じてくれるかというと非常にむずかしいので、しかも電力会社というのは、地域に密着したエネルギーを供給するという重要な産業でございますから、そういう点から、県民主軸ということも出てまいりますし、一方、公共性が強いということで、たとえば地方公共団体でございますとかあるいは関係金融機関とかそういったところからも出資をとりあえず仰ぐというような形で、スムーズに民間資本に移行するという一つの過渡的な措置として考えたわけでございますが、一方、たとえば電源開発株式会社は、いまおっしゃった特殊法人でございますので、これでは民営移行ということにはならないということで、もともと実は内部でも検討はいたしておりません。  それからこの委員会でも先般、小渡先生から合併論が出されました。これは地元で特に大口の需要家を中心に研究会がつくられて、いろいろそういった議論が進んでおるというお話も伺ってはおりますが、たとえば合併一つをとって考えますと、それぞれ電力会社同士の合併であれば、双方が合併契約を結ばなければ成立しないわけで、双方の意思が一致しなければできない。双方の意思が一致する前提といたしまして当然、合併の手続というのは、商法上も株主総会でも特別決議事項になっておりますし、それから、債権者異議申し立ての余地も与えるとかいろいろ重要な問題がございますから、非常にむずかしい手続が必要とされておるわけで、特に恐らく電力会社の場合で申しますれば、契約者という相手方はそれぞれ一般の各消費者でございますから、その消費者の負担がどうなるかということで、長期的な契約関係にある特殊な事業でございますからその辺の意向とか、いろいろその利害関係者が非常に多うございます。  したがいまして当事者間の合意という場合でも、そういったもろもろの納得、理解が得られない限りは進まない。そういう意味では、これはむしろ手続的に非常にむずかしい問題を含んでいるということで、一言で合併と申しましてもなかなかむずかしいというようなことがございまして、メリット、デメリットとおっしゃられましたが、なかなかそこの点はその前に考えなければならない問題が非常に多うございます、そういうふうに言わざるを得ない状況でございます。
  160. 部谷孝之

    部谷委員 そこで結論的には、それではいずれが一番いい方法なのかを尋ねようとしたのですけれども、どうもその御答弁は引き出せそうにないので、その質問はしないで、次に移りたいと思うのです。  そこで、五十六年度末を目途に移行しようということで当然、いま努力を重ねられ、それらのいろいろな措置を考えながら進んでおられる、「沖繩の実態に配意しつつ」というそこのところを配意しながらいま進めておられるわけでありますが、どうもいまの感じでは、五十六年度末にそうした「沖繩の実態に配意しつつ」というそこのところを乗り越えるだけの状態が生まれるような気がとても私はいたしません。そこでずばり言いまして、こうした問題についての民営移行の時期を大体どの辺と見通しておられるか、お尋ねします。
  161. 植松敏

    ○植松説明員 私どもといたしましては、五十四年末、さらに五十五年末の閣議決定で一定の方向が出されておりますので、その閣議決定の線に沿って極力、かつ、沖繩県民の意向を十分に尊重しながら民営移行を図ってまいりたいと考えているわけでございまして、その点につきまして閣議決定自身も、諸般の措置を講じた上で民営移行を図るということになっております。結局その成否は、これから満足のいくような諸般の措置が講じられるかどうかというところにかかっているかと思います。  したがいまして、先ほどの民営移行のあり方といいますか方式も含めまして、さらに、民営移行の前段階になります諸前提といいますか、いますでに要請が出されあるいは出されようとしております県からのそういったものを含めまして、今後そういった全体を含めた諸般の措置の検討を鋭意進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  162. 部谷孝之

    部谷委員 そこで、沖繩が抱えておる、特に赤字の原因はいろいろありましたが、一つの大きな問題は、やはり離島を抱えておることがきわめて大きな問題であるわけであります。したがいまして、こうした離島を抱えておるという状態は民営に移行されましても解消されるわけではない。そこで、離島のコストが本島の一・八倍ですか、そういう状態になっておるわけでありますから、そうした問題を解消するための方策がさらに考えられなければならぬと思うのですけれども、その点どのようにお考えでしょうか。
  163. 植松敏

    ○植松説明員 沖繩電力が抱えております構造的な不利要因と申しますかそういう点で、いま御指摘の離島の問題か一つございます。これはいまおっしゃいましたように、電気事業者としては供給義務がございますから、離島で電力需要が発生すれば当然、それに対して需要に応じていかなければならない、こういうことでございます。そのために非常に小規模でかつ効率の悪い発電設備を持たなければならないとか、あるいは面積が広くてわりあい人口密度も低いというようなことから送配電の亘長も長くなる、いろいろな意味で確かにそういう問題がございます。  これに対してどういうふうに措置をするかということにつきましては、これはいわゆる電力会社の問題と申しますよりはむしろ、沖繩地域特殊性と申しますか離島が多いということ、そしてそこに特に有人離島が大変多数に上っている、そこに電気を供給しなければならないという状況でございますので、沖繩の全体の経済振興開発、その中に占める電力供給の問題、あるいは民生の安定という面からこの問題にどのようにこたえていくかという点から考えなければならないのではなかろうか。すでに離島対策という形でたとえば従来、未点灯離島に対する発電設備等に対する助成措置もございましたが、民営移行のための諸般の措置を講ずる場合に、離島を多く抱えております不利性ということは閣議決定でもその点はすでに踏まえられておりますので、これからの諸般の措置の中身の一つの重要な柱として当然、今後この問題は考えていかなければならない。ただ具体的な措置につきましては、これからそれぞれ関係省庁検討し、全体として円滑な民営移行が図られる方向で対策を考えていく、こういうことかと思っております。
  164. 部谷孝之

    部谷委員 最後に大臣にお尋ねをいたしたいと思うのです。  いま通産省の方からいろいろお話を聞きまして、民営移行に対しましては経理の改善だとかあるいは電源の多様化だとか、そうした諸般の措置を講じていかなければならぬという意見を述べられました。同時にまた、特にいまの離島対策に例を挙げましても、開発庁の方でたとえば今日まで未点灯地域に対する電気の供給、そういうものについてはまたそうした補助金政策がとられてきたわけであります。未点灯に対する補助金は五十六年度で打ち切られたと聞いておるのですが、いずれにいたしましても、そうした国の政策の中で沖繩開発庁が積極的に推進していただかなければならぬ政策が多々あると思うわけです。  いずれにいたしましても、五十六年度末に民営に移行することはきわめて困難である、そういう状態にあると思うわけであります。同時にまた、五十六年度末には例の沖繩振興開発特別措置法も切れるわけでありまして、特に第二次振計とのかかわりの中でこの特別措置法も延期するとかあるいは見直しをするとかそういう時期が来ておるわけでありまして、私はこの民営移行の問題と沖繩振興開発特別措置法の問題あるいは復帰特別措置法の問題というものはかかわり合ってくると思うわけでございます。そうした中で、この民営移行について大臣、どのようにしていかれるお考えか、最後にお聞かせ願いたいと思います。
  165. 中山太郎

    中山国務大臣 先生指摘沖繩電力の民営移行の問題は私が開発庁長官に就任以来最大の関心事でございます。  すでに閣議決定はしてございますけれども、問題は、第一次振計の目標が達成されなかった点というのは一体何だったかと言えば、やはり沖繩の県民所得が本土と比べて七〇%であるという今日の現実をやはり認めざるを得ない。それで、政府としてはいままで先生方の御支援をいただきながらできるだけの努力をしてきたのでございますけれども、人口とかいろいろな問題ではある程度の目標は達成できましたが、やはり所得は七〇%という問題その背景には、いわゆる製造業の沖繩での発展というか、第二次産業の振興というものがやはり一番大きなネックになっていると実は私は考えております。おかげで第三次産業の方は、観光も一時落ち込みましたが、復活が非常に早い。そういう中で、その基本をなすものは、エネルギー、電力料金が決定的な要素を持っていると私は認識をいたしております。そこで民営移行という一つの決定事項の中で、石油価格の高騰、二回にわたる沖繩電力の料金引き上げ、こういう問題がまた沖繩の二次産業の振興にはマイナス要因としてかかってきている。  そこで私は率直に申しますと、沖繩の電力料金というものは九州電力の電力料金を上回らないということが原則である。現在のいわゆる大蔵省が九九・五%ぐらいの株主という、国営の電力会社というように申しても不自然ではないと思うのですが、現在の時点でもやはり九州電力の料金というものと沖繩電力の料金というものは並行して同じ条件であるべきが望ましい、今後ともそうでなければならない。それが絶対条件でないと今後、沖繩の産業の開発というものは非常に悪い影響を受けるだろう。そういうことを前提条件、絶対条件として、どういう形で第三セクターあるいは民営に移行するのか、あるいはまた政府が現状のままで特別の措置をとるか、こういうことの検討をこれから期限切れまで関係者と十分相談をしながら最善の道を選ぶべきである、それが沖繩開発の基本の哲学でなければならない、このように考えております。
  166. 部谷孝之

    部谷委員 終わります。
  167. 小沢貞孝

  168. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 最初に、水資源の問題について長官に要請したいことがありますので、申し上げておきます。  例の沖繩駐留の海兵隊の演習場である北部訓練場、ここはいま空砲の訓練をやっておりますが、いずれにしても外務委員会、内閣委員会で明らかになったのは、アメリカは演習場内における演習中でも国内法を守るということからですが、鳥獣保護区域の問題は環境庁長官あるいは都道府県知事ができるわけであります。この点は西銘知事にも早目にやっていただきたいと申し上げました。  そこで長官は就任以来、沖繩の水資源の問題についてはいろいろ発想もされておられて、私も見ておりますが、この際、北部におけるいわゆる水資源確保の涵養林の指定の問題ですね、長官からも農林大臣に、ぜひ早目にやっていただきたいということを申し上げてくださるよう要請したいと思いますが、いかがでしょう。
  169. 中山太郎

    中山国務大臣 御趣旨を体して、農林大臣と早急に相談をいたします。
  170. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 次に、沖繩における公用地等の暫定使用に関する問題について、私は四回にわたって、伊江島問題等を含めて五回、質問主意書を出しましたが、その間における政府の答弁が非常に違っております。  最初の答弁は去年の十二月五日、「沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律を適用している自衛隊用地については、同法に定められた期間内に当該土地所有者等との合意によりこれを使用することとなるよう努めてまいりたい。」これが十二月の答弁です。それから四月十四日、これは伊江島の飛行場に関する問題であります。これには「昭和五十六年三月七日駐留軍用地特措法に基づき内閣総理大臣により使用の認定があった土地以外の土地については、いわゆる黙認耕作地も含めて、所有者等との合意によりこれを使用することとなるよう努めてまいりたい。」まあ大体同じような意見であります。  最後の、これも同じような質問なんですが、四月十七日のにははっきり書かれております。私が質問主意書で、大体返すのがあたりまえだが、その手順はどういう手順で返すかと言ったことについて、四月十七日のはこういう回答です。「沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律を適用している自衛隊用地については、同法に定められた期間である昭和五十七年五月十四日までに当該用地に存する機能を他へ移転し所有者へ返環することを防衛庁において昨年決定し、このための所要経費は、昭和五十六年度予算に計上されている。」これは閣議決定であります。  そこで確かめたいのは、最後の十七日の答弁です。これが政府の最後の決定だと思いますが、いわゆる合意により使用することとなるよう努めたい、ところがこの最後の方にははっきりと、いつまでにこういった手順をしてそして返すのだということでありますので、お聞きしたいのは、これがやはり最終的、決定的なものですね。これは施設庁が主務官庁であるので、この点についてお答えください。
  171. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 お答えいたします。  瀬長先生から数次にわたって質問主意書の御提示がございまして、政府として回答申し上げたわけでございますが、いま先生申された中で、御承知のように沖繩における暫定使用法では、米軍用地とそれから自衛隊用地とについてそれぞれ暫定使用法を適用しておりまして、質問主意書の御回答には、先生質問の御趣旨に従ってそれぞれ御回答申し上げております。  その段階で、先生が最後にお挙げになった主意書は、自衛隊用地に係る問題についての御質問でございましたので、その自衛隊用地に関しては、暫定使用法に定められた期間である五十七年五月十四日までに当該用地に存する機能を他へ移転して、そして所有者返還するという形で、まあそれぞれのお答えの時点で違うというお話もございましたが、五十六年度予算の内容が固まりました段階で、そういうような御返答を申し上げたわけでございます。
  172. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 要するに自衛隊用地については、これは多田参事官の話として去年の十月二十三日、「自衛隊基地強制使用せず 未契約土地返還する」と発表されて、その線に沿っていま申し上げました十七日の回答がなされておる、これは一致しておりますので、これは一応確認されたものとして進めます。  そこで問題になるのはこの前、那覇の小禄の人で上原正則ほか一名に対して財産返還通知書が来ているのですよ。ここに手紙も持ってきましたが、その中にはいわゆる使用廃止年月日、これは三月三十一日で、引き渡し年月日が書いてないので見たら、同じ三月の二十日付で、このあなたの土地の中には国有財産があるので、それを処理してから返しますということが書かれておる。  いずれにせよ、はっきりあなたの方に返すと言っておりますから、その問題は別にして、私その人の家に行き関係者に集まってもらって話し合いをし、さらに現場にも行きました。ところで、その施設庁の係がうるさいほどやってきまして——この人は女主人なんです。御主人は十年前に亡くなって、土地は契約しちゃいかぬよと言って亡くなった。正則というのは息子さんの名前で、このおばさんは大根をつくっているのですよ。そこまで来て、契約してほしいということを財産返しますと言った人に対して言ってくる。それから、そういうふうに協力すれば協力金五万円上げますといったようなことまで言っているのですね。名刺も持っていますが、ここでは名前は言わぬでおきましょう、沖繩市民らしいのですが。  協力金というのは一体どこから来るのか。おばさんも、これはわれわれの血税じゃないのですかと言ったら返事しなかったが、協力金というもの、これはあるんですか、予算に組まれているのですか。
  173. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 お答えします。  自衛隊用地につきましても私どもとしては、現在陸海空の自衛隊が沖繩において自衛隊の任務のために使用している土地でございますので、引き続き現在利用している土地については利用したいという意向はかねがね持っていたわけでございます。ただ現在、暫定使用法で適用されている土地につきましては、暫定使用法の期限もございますので、私どもとしてはやむなく他に機能を移転する。これも言ってみれば、国民の税金である国家財政の中から支弁して移転するということで極力、契約に同意いただいて引き続き円満に使用していただく努力というのは今後、現在まだ暫定使用法にかかっている土地につきましてもやりたいと思っているわけです。  それからお尋ね協力金につきましては、やはり予算上の措置もやっておりまして、承知しております。
  174. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは非常に圧力になっているので、やめさせてもらわなければいかぬですよ、本人から聞いたんだから。とにかく畑にも来る、どこかへ行っているとまたそれを尋ねても来る、これは大変なんですね。保険会社の勧誘員以上にしつこいということを言っておりましたから。  これは国家公務員でしょう、やはり公務員らしくちゃんとえりを正して、ちゃんと書いてあるんだから、五月十四日に返すと。これは閣議決定で、総理大臣鈴木善幸から衆議院議長あてなんですよ、返しますと。これにうそはないはずです。うそ偽りはない。ですから私が申し上げたいのは、そういったものを返すという通知も来ているのですよ。来ている人に対して契約しろ契約しろということを、むしろ脅迫に近いようなことをやってもらいたくない。あなたは施設部長だから、現地に行ってそんなことをもうさせない、やるなということを言えますか。
  175. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 現在暫定使用法で使用しております自衛隊用地につきまして、暫定使用法の使用という形で推移した場合には、質問主意書でお答えしたとおりの措置をとるようになると思います。ただ私どもとしては現在、他に機能等を移転するような工事も一部着手しているわけでございますが、できるならばそういったような国費使用をしなくて済むというようなことで、今後とも円満に御契約いただける方には御契約いただきたいと思っておりますので、国家公務員たる施設局の職員がという御指摘でございましたけれども、私どもの仕事としてやらしていただきたいと思います。  ただ、いま先生指摘になりました那覇基地の二筆の方でございますね、この方々には、三月二十日に返還通知書をお送り申し上げましたものですから、それ以降において契約についてのそういったお話を、通常の場合はしていないと思うのですが、ただ先生の場合、現地の方でお聞きになっている点もありますので、私どもとしては、返還通知がそれぞれの一筆ごとの土地について今後もあるいは出る場合がございますけれども、そういったようなのが出た以後においては、また契約をお願いするというようなことはしないだろうと思います。
  176. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは人の財産ですから、財産を尊重しなければならぬわけですからね。尊重しているからこれは返しますという答弁書が出ているわけなんだから、これに対して返しますと通知しながら、その人のところへ行って強要するというようなことはやめさせてほしい。ただ一言なんですよ、やめさせますか。当然じゃないですか。
  177. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 先ほども申し上げたとおり、返還通知を御本人にお送りした以後は、そういった行為はしていないと思っております。
  178. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 していないと言っても、私はおととい聞いたのですよ。しかも名前まで知っているし、手紙までここに全部持っているのですよ。していないと思うのじゃなしに、しているのですよ。しているからさせるなと言っているのですよ。いないと思いますじゃないのですよ。どうなんですか。脅迫だよ。
  179. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 どうも私より先生の方が事情を把握されていると思いますが、私の方でも調査してみます。
  180. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それから伊江島の問題ですが、これはいま申し上げました「昭和五十六年三月七日駐留軍用地特措法に基づき内閣総理大臣により使用の認定があった土地以外の土地については、いわゆる黙認耕作地も含めて、所有者等との合意によりこれを使用することとなるよう努めてまいりたい。」そのとき、なお、いわゆる黙認耕作地の面積及び所有者数は知らない。これは現時点でも黙認耕作の面積及び所有者の数はわからないのですか。これは答弁書なんです。
  181. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 答弁書につきまして、面積及び所有者数は承知していないと申し上げましたのは、実は私ども復帰以前からの事実たる措置としての黙認耕作につきましては、米軍施政権下のもとでとられた行為を事実上是認するという形でやっておりますが、現実に私どもが基地提供のために行う措置は、所有者の方々への何といいますか、賃貸借契約を結ぶとかあるいはそれを米軍基地に提供するというような手続をとっておりますが、黙認耕作者の方々の実態というものを私どもの方が公の事務として調査したことはございません。そういう意味で承知しないというふうに申し上げたわけで、事実、細部については把握しておりません。
  182. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それじゃ黙認耕作はもちろん、米軍が黙認耕作させるわけだから多分御承知だと思うのですが、いまの答弁では知らないというわけだから、これは軍に照会されればすぐわかります。黙認耕作地、たとえば伊江島に幾らぐらいの面積で何名いる、これは調査して報告できますか。
  183. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 黙認耕作地につきましては復帰後、米軍も事実上所有者や黙認耕作者の方と直接的なかかわり合いを持っておりませんので、米軍に照会しても、占領期間中の事情については承知しても、現時点ということの把握はむずかしいんじゃなかろうかと思います。  なお、参考といいますか、この黙認耕作につきましては、沖繩県の方で統計年鑑を毎年お出しになっているようでございますが、そこに記載している数字というものは私どもの方で承知しておりますが、その点どういうように県の方でお調べになっているかについてはわかりません。その県の資料によれば伊江島では、二百九十名の方が百二十五万平米ほどの土地を耕作しているという統計数字が出ております。
  184. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 それを、こういった閣議決定の答弁書の中にそういったような「黙認耕作地の面積及び所有者の数は、承知していない。」とはっきり書いてあるから聞くんですよ。だから承知しているんです。いまの答弁であなたは、伊江島に幾らあると答弁している。これはうそをついている。承知していないという答弁だが、あなたは承知している。
  185. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 先ほど申し上げましたように、私ども黙認耕作を現にされている方の人数それから面積については、国の業務として行っておりませんので正確に把握しておりませんし、お答え申し上げる立場でもないので、そういうふうに承知していないというように質問主意書に対しては御回答申し上げたわけです。  いま先生の方から、おまえの方は全然何も知らないのかというお話でございましたし、また、米軍にも問い合わせてみたらどうかというお話でございましたので、私どもの方として沖繩県の方で把握された数字について御参考までにということで申し上げたわけでございます。
  186. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは伊江島に限定していますからようわかるのです。あなたも承知しているわけなんです。  もう一つは、ここに「いわゆる黙認耕作地も含めて、所有者等との合意によりこれを使用することとなるよう努めてまいりたい。」合意しない場合どうなるのですか。合意しない場合、当然返すわけでしょう。
  187. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 私どもとしましては現在、駐留軍特別措置法によって来年以降も引き続き使用するという手続も一方においてとっておりますが、先生指摘の伊江島につきましては確かに、黙認耕作地等も含めて現在まで特措法の手続というものをとっていない土地がございます。暫定使用法等で現在使用している土地もありますので、私どもとしては今後とも、所有者の方々と御調整申し上げて契約により努力していきたいというように考えております。今後とも契約努力をいたしますが、いま先生指摘のその後どうするんだというお話につきましては、私どもそういった努力を通じて今後検討してまいりたいと思っております。
  188. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 努力すると書いてありますから、合意しない人がいる場合にはどうするかという、ただ一言ですよ。また、いるんだ。
  189. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 現在、契約努力について努めておりますし、できるだけ合意に達するように私どもも希望しまた努力してまいります。その結果というふうに御指摘でございますが、その点につきましては今後検討してまいりたいと思っております。
  190. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 検討してまいりたいというんですが、これは検討した結果、返還すると書いてあるんですよ。あなた方、これは閣議決定なんだから。そういったようなことをあなたが強調したって、この土地の問題は解決しない、これを指摘しておきます。  最後に、時間がありませんので、もう一つ用地特措法の手続について質問します。  政府地籍不明地については従来、使用対象土地が特定できないので手続ができないとしていたのに、今回の集団和解が成立してなくとも土地の特定ができる状態にあるので手続を進めるとして手続を強行したが、その特定なるものは実にずさんなものである。これは実例ですか、沖繩市の真栄城玄徳さんの嘉手納飛行場内の土地について、旧屋敷跡と違うところを特定してきているのではないかと質問主意書でただしたのに対し、旧屋敷跡は五条一項の地図に記載されていないと答弁してきておる。これはちょっとひど過ぎる。五条一項の地図に正しい記載がなかったら前提が狂ってきます。  真栄城さんの場合、立木や石が残っている。それから三十メーターあるいは四十メーターも離れた、細長くてとても家が建ちそうもないところを宅地だと指定している。この件については、立ち会った弁護士も確認している。那覇防衛施設局長の特定は違っているのではないか、特定できぬ状態にあるのではないかと私は思うのですが、これに御答弁できますか。これは実際の真栄城玄徳さんのお話なんです。
  191. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 真栄城さんの宅地の件につきましては、位置境界明確化法の作業を通じて私どもの方で、所有者の方々とも現地確認して地図等作成したわけでございます。真栄城さんはその過程におきまして、明確化作業の地図作成までは御参加されたようですが、現地確認の際の立ち会いには参加されなかったようでございます。それでことしの二月、特措法適用に際して地主の方々から、現地についても見ておきたいということで立ち入りをなさったときがございます。その際にもそれからそれ以前の場合にも真栄城さんから特段、そういったようなお話を防衛施設局の方にはおっしゃってきていないと思います。  それから御指摘土地は、面積にしまして千二百平米ほどが真栄城さんの宅地でございますが、千二百平米で縦横大体三十三メートルから一二十七メートルぐらいのほぼ正方形に近い土地になっておりまして、細長いということはちょっと私どもの方のあれとも違うんじゃないかと思います。  それから、この質問主意書につきまして、「屋敷跡は記載されていない。」というように書いてございますが、御承知のように明確化法で屋敷跡というのを一般的に示すものとしては、石がきとかあるいは井戸であるとかそういったものがあれば地図上に表記するようになっております。ただ、私どもの方が調査しました真栄城さんの宅地につきましては、そのようなものは現に存しておりませんので、私どもとしまして御質問に対する答弁としましては、屋敷跡は記載されていないというように現状をありのままお答え申し上げたわけでございます。
  192. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは相当時間がかかりますのでここら辺でとめて、また後で質問することにします。  次に、管理権と所有権との関連でお伺いしたいのですが、地籍明確化作業で境界不明地域における所有者不明土地、これについて、簡潔でいいから防衛施設庁の方でどういうふうに取り扱っているか。
  193. 伊藤参午

    ○伊藤(参)政府委員 所有者不明土地が存在する場合の各筆の土地位置境界明確化法による位置境界確認に当たりましては、沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律第六十二条に規定する管理者、現実には市町村でございますが、その方々に参加を求めて作業を進めております。
  194. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 これは開発庁との関係もありますので、この所有者不明土地の取り扱いについて防衛施設庁は、これを協議することになっておりますが、協議しなかったということはないでしょう。協議したとすれば、いつどのような内容でどういう協議をしたのか、これは大臣でなくても、事務当局から答弁してほしい。
  195. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 お答えします。  お尋ね位置境界明確化方法等につきましては従来から、防衛施設庁と必要に応じ連携をとりながら作業を進めておるところでございまして、御質問に係る所有者不明土地の取り扱いについても、開発庁と防衛施設庁と同じ考えのもと作業を進めておるところでございます。
  196. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 同じ考えというのはどういう考えですか。
  197. 美野輪俊三

    美野輪政府委員 特に所有者不明土地の取り扱いにつきましては、明確化法の十条、十二条等が関係するかと思うのでございますが、この各筆の土地位置境界の明確等に当たりましては、先ほど防衛施設庁からも御答弁ございましたように、沖繩復帰特措法の六十二条に規定する管理者、具体的には県、市町村でございますが、これを作業に加えまして進めておるというところでございます。
  198. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 事実関係で、これは後で申し上げますが、所有者にかわる管理者は県知事または市町村長ですね。もしこの所有者が出た場合には、いわゆる所有者に返さなくちゃいかぬということになるわけでありますが、これがとんでもない処理をしていることが事実わかります。  時間がありませんので、これはこれだけにとどめておきますが、事は管理権と所有権の問題なんですよ。したがって、この管理権というのは所有権を保護するために善良に管理する、その管理者がそれを処分するということになるとどうなるかという問題を含んでおります。これはきわめて重大な問題でありますので、次の委員会あたりででも明らかにしたいと思いますが、この点長官としても、こういった管理権が所有権を侵すことのないようにぜひ慎重にしてもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
  199. 中山太郎

    中山国務大臣 十分配慮してまいりたいと思います。
  200. 瀬長亀次郎

    ○瀬長委員 終わります。
  201. 小沢貞孝

    小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十五分散会