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小渡委員 どうもこの辺が非常に大きな問題でございまして、記録に残っているんでございまして、百二十三名の
地主というのはそのことを全部了承しているわけです。だからその後は、
復帰まで
自分の
土地の
確認作業を全然
請求もしないし、疑義があるといって突っぱねられたわけです。それで、今日に至って
裁判ということになったわけですね。だから、いまお答えがありましたようにぜひお調べをいただきたいと思います。
それから、あなたの方でお調べになった、いまさっき御
説明がありました五十三年四月十七日の、
沖繩における旧軍の
買収地につきまして時間をかけてずいぶん研究
調査なされたようでございますけれ
ども、実はいま係争中の
裁判の第二十六回公判で、五十四年八月二十八日に
裁判所において証人がいろいろ
質問に答えているわけです。私、実はそのコピーを持っているわけでございます。これは奥間政喜という方でございますけれ
ども、この人の証言の中にこういうのがあります。
あなたの方のお調べの中では、全部
国有地であるという証拠書類、全部とは言わないけれ
ども、滅失したのが相当あるんだから、とにかく一応は
国有地であるという証拠らしいものは皆そろえられるだけはそろえましたということがこの結果に出ているわけですね。ところが、それは読谷だとかあるいは伊江島とか那覇とかというのとは嘉手納の中
飛行場はちょっと性質が違います。宮古、八重山とはおよそ全然違うわけですね。そんなことから、この
地主の証言をちょっとここで御紹介しておきます。
嘉手納の宅地と畑もまた旧日本軍に接収されま
したか。
はい。
昭和十九年十月十日の空襲の時には、
すでに接収されていました。
その
土地を、日本軍が「買うから」あるいは「た
だで使わしてくれ」との連絡をうけたことがあ
りますか。
軍の方から日本軍が使うから家を立ち退いて
くれと言われた。当時の兵隊は何よりも恐
かったので、あっちの言いなりに
自分で家を
こわし立ち退きした。
証人としては、当時、日本軍に売ったつもりで
したか。
売ったという気持はまったくなかった。
その
土地について、当時、
所有権移転登記とか
名義変更などがありませんでしたか。
そんなことはなかった。
宅地と畑についての売買代金などを受け取りま
せんでしたか。
土地代金というものは受け取っていない。
日本軍は、証人の宅地と畑を接収してどうした
のですか。
たくさんの人が来て、地ならしをしていまし
た。
証人が家をこわして持っていくのだから気の毒
だと、立ち退きの
補償金をいくらか払うという
ことで金を受け取りましたか。
家の立ち退きの
補償として引越料をもらっ
た。
芋とか大豆が植えてあった畑はどうしました
か。
農作物は
自分で
一つも収穫しないうちに
作業
員が来て踏みつぶし地ならしをした。農作物
についての
補償金はもらっていない。
戦後二、三か年か三、四年してから
土地所有権
申告があったが、証人の日本軍に接収された嘉
手納の
土地について
所有権申告をしましたか。
身内の者が亡くなり苦しんでいたので申告は
しなかった。申告するなと言われてやらな
かったわけではない。こんなようなことが法廷において証言されているわけです。
いずれにいたしましても、係争中でございますからその中身に立ち入ることは私も差し控えます。しかしながら、この中
飛行場につきましては、さっき申し上げましたようにあなた方が実際に
調査をされたのは
復帰後なんですよ。中
飛行場というのは
国有地であったかどうかというのは、それは
復帰後
調査をされて五十三年に結論が出たわけです。ところが、
沖繩県における中
飛行場に関する
地主というのは、二十六年六月までに申告をするようになっていた。大半は申告した。そのときけられたんですよ。これは日本
政府のものであるかもしれない、疑義があるからといってけられたわけです。それからはもう認定
作業は全然できなかった。だから、疑義があるというのならばどういう疑義があったのか、その時点において米国民
政府は必ずや日本
政府に対してその疑義の照会があったはずだと私は考えるわけです。その辺を次回にまたお答えをいただきたいと思います。
次に進みます。防衛施設庁おいででございますか。——二点でございますけれ
ども、簡早にお答えをいただきたいと思います。私も簡単に
質問します。
沖繩が本土に
復帰をいたしましてから、
復帰特別措置法によりまして、中小企業近代化資金の貸付制度だとかあるいは駐留軍離職者等
関係利子補給制度とか、そういう制度ができ上がりまして、それでいろいろ厚い手当てがなされましたことに対しては県民ひとしく高く評価をいたしております。農林とか漁業
関係者等につきましてもそれぞれ
融資制度というのは確立をしております。しかしひとり
地主、軍
用地関係所有者には何らの
融資制度が設けられていない、これは軍用
地主の間で非常に問題視しているところでございます。
そこで、軍用
地主というのが非常に広大な面積を
所有しているというならともかく、ほとんどの方が三反百姓でございますから非常に小さい坪数でございます。そういうことで、その
土地が接収されたことによって、あるいは提供することだけによっても非常に損失を余儀なくされておりますので、彼らはやはり生きていくためにはいろいろな商売をしなければなりませんし、それから軍
用地を担保にしてというようなことを考えてもこれは担保能力がないということで、実は全く恵まれない立場に置かれているわけでございます。したがって、その不利益というのはこの三十年間では莫大なものだと私たちは思うわけでございます。そういうことで、
政府としましても五十五年度、五十六年度
政府予算で、軍用
地主関係の生活環境
調査が行われていることを私は
承知をいたしておりますけれ
ども、この際、零細
地主などに対しまして特別な
融資制度、そういうものを考えていただけないだろうか、こういう陳情等も強くなされているんでございますけれ
ども、いかがお考えですか、お答えをいただきたいと思います。