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伊東国務大臣 日ソ関係でございますが、私も
日ソ間の平和的な
関係が恒久的に保たれていくことを本当に心から
期待しております。重大な隣国でございますし、いろいろ歴史的なことを
考えましても、
平和友好関係を続けていくことが大切だ、何とかその
糸口をと
考えている
気持ちは私も同じでございます。ただ本当に残念ながら、今日の冷たい
関係は、
ソ連の
アフガニスタン介入、
北方領土への
軍備増強というふうなことが契機になりまして実は、こういうことに相なっているわけでございますので、私は一日も早くそういうことが改善されることを本当に心から
期待はしておるわけでございますが、まだその
糸口がなかなかない、
向こうの
態度に基本的に変わりはないということなものですから、こういう
状態が遺憾ながら続いているのが
現実でございます。
この前、
ブレジネフ演説がございました。私
どもも拝見をしたわけでございますが、平和的な
考え方を述べておられるわけでございまして、特に
米ソの
関係でも、
アメリカの
レーガン政権が強いことを言ったのに対しまして、非常に抑えた調子の、
首脳会談でございますとか
軍備管理の問題でございますとかいろいろ言っておるわけでございまして、私はやはりそれはそれなりの一応の
評価をするわけでございます。ただ、これは
演説だけでなくて、本当にどういうことが誠実に実行されるかということが問題なわけでございまして、この間
アメリカへ行って、
米ソ首脳会談、
軍備管理の問題、SALTの
問題等も話したのでございますが、
アメリカとしては、
ソ連の
行動をもう少し慎重に見守ってから結論を出したいというようなことを言っておりましたが、
日本としましても、一応の
評価はしますが、実際具体的にどういう
行動を
ソ連がとられるのかということで、いま
ソ連の
行動を見ているというのが
現実でございます。
それで、
日ソ、その後でございますが、この前
ポリャンスキー大使から、
総理に会いたいということで正式に話がありましたので、私がまず、どういう
内容かわかりませんでしたのでかわって会ったわけでございますが、そのときは、先生も御
承知のような
信頼醸成措置という話でございましたが、私は
領土問題でございますとか
領土に対する
軍備の問題とかアフガンの問題とかいろいろ話しましたが、
ポリャンスキー大使は、そういうものにいつまでもかかずらっていては
前進ができないから、
経済問題とか技術問題とかそういう問題で、何か
日本側から
提案はないかというようなことがあったわけでございます。それで私は、そういうことならまずあなた、
コンブなんというのは本当に
零細漁業者がとっているのだから、
コンブなどというのはまずとれるように認めたらいいじゃないか、あるいは
墓参という問題は、もうだんだん
関係者はみんな年とってくるので、これは人道的な問題なんだから、
墓参ぐらいはまずあなた、
考えるということをやるべきじゃないかというような話を実はしたわけでございますが、それはモスクワの方へ
連絡はするというようなことでございました。
いま
伊藤さんのおっしゃる、黙って
にらめっこよりも話して
にらめっこ——話して
にらめっこということもないのでございますが、そういうことも必要じゃないかということが
新聞に出ていたという面も、なかなか言い得て妙なものだなと思って私もいまここで伺っていたのでございますが、私はそういう
機会もぼちぼちやはりつくっていくということも必要じゃないかなと思っております。
それから、
自民党からおいでになるという話、
鳩山さんから
連絡がございまして、自分が行ってくるからなということでございました。
事前に打ち合わせとかそういうことではございませんでしたが、
連絡があったことは確かでございます。