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1981-04-15 第94回国会 衆議院 運輸委員会地方行政委員会社会労働委員会環境委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年四月十五日(水曜日)     午前十時十六分開議  出席委員   運輸委員会    委員長 小此木彦三郎君    理事 加藤 六月君 理事 関谷 勝嗣君    理事 楢橋  進君 理事 宮崎 茂一君    理事 福岡 義登君 理事 吉原 米治君    理事 西中  清君 理事 中村 正雄君       木部 佳昭君    永田 亮一君       林  大幹君    古屋  亨君       三塚  博君    山村新治郎君       井岡 大治君    小林 恒人君       関  晴正君    小渕 正義君       三浦  久君    四ツ谷光子君       中馬 弘毅君   地方行政委員会    委員長 左藤  恵君    理事 石川 要三君 理事 中山 利生君    理事 青山  丘君       五十嵐広三君    小川 省吾君       田島  衞君   社会労働委員会    理事 今井  勇君 理事 戸井田三郎君    理事 戸沢 政方君 理事 湯川  宏君    理事 田口 一男君 理事 森井 忠良君   理事 平石磨作太郎君 理事 米沢  隆君       古賀  誠君    丹羽 雄哉君       浜田卓二郎君    川本 敏美君       佐藤  誼君    栂野 泰二君       永井 孝信君    塩田  晋君       浦井  洋君    菅  直人君   環境委員会    委員長 山崎平八郎君    理事 戸沢 政方君 理事 吹田  愰君    理事 野口 幸一君 理事 馬場  昇君       玉生 孝久君    土井たか子君       森中 守義君    山本 政弘君       木下敬之助君    藤田 スミ君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 園田  直君         運 輸 大 臣 塩川正十郎君  出席政府委員         環境庁水質保全         局長      小野 重和君         厚生省環境衛生         局水道環境部長 山村 勝美君         運輸大臣官房審         議官      小野 維之君         運輸省港湾局長 吉村 眞事君         自治大臣官房審         議官      大嶋  孝君         自治大臣官房審         議官      矢野浩一郎君  委員外出席者         環境庁長官官房         参事官     深谷 守平君         環境庁企画調整         局環境影響審査         課長      森下 忠幸君         通商産業省立地         公害局公害防止         企画課長    角南  立君         建設省計画局地         域計画官    藤井 崇弘君         社会労働委員会         調査室長    河村 次郎君         運輸委員会調査         室長      荻生 敬一君         環境委員会調査         室長      綿貫 敏行君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  広域臨海環境整備センター法案内閣提出第三  八号)      ――――◇―――――
  2. 小此木彦三郎

    小此木委員長 これより運輸委員会地方行政委員会社会労働委員会環境委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行います。  内閣提出広域臨海環境整備センター法案を議題といたします。     ―――――――――――――  広域臨海環境整備センター法案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  3. 小此木彦三郎

    小此木委員長 本案についての趣旨説明は、お手元に配付してあります資料により御了承願うこととし、直ちに質疑に入ります。  質疑時間は、申し合わせの範囲で御協力をお願いいたします。なお、政府におかれましては、答弁は簡潔にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川本敏美君。
  4. 川本敏美

    川本委員 私は、まず厚生大臣にお聞きしたいと思うのですが、今度のこのセンター法案ですが、いわゆる一般ごみあるいは産業廃棄物、こういうものの処理方法として臨海埋め立てによる最終処分場建設といいますか、これが最善最良方法だと思いますか。
  5. 園田直

    園田国務大臣 お答えをいたします。  特に大都市圏においては廃棄物の増大、これの処理空間がないということで非常に悩んでおりますので、これは一つのよき方法であると考えております。
  6. 川本敏美

    川本委員 ちょっとはっきりわからなかったのですけれども、いわゆる今度のこのセンター法案、特に私は関西ですから大阪地域大阪湾ですね。大阪湾計画について見ますと、一般家庭ごみが全体の一〇・七%、そして産業廃棄物が二五・七%、それからいわゆる建設残土及びしゅんせつ土砂、これが合わせて六四・二%、こういうようなことで計画をされておるわけです。  大体ごみ処理というものは、いままでこれは市町村固有事務とされてきたんではないかと思いますが、最近いわゆる廃棄物処理法等の中で、一般家庭ごみというものは市町村直営処理をする、あるいは産業廃棄物等については、いわゆる市町村でもやるけれども、一部処理業者委託をしてもいい、こういうような方式がとられておると思うわけです。ところが、いろいろ学者とかあるいはその他審議会等意見の中には、いわゆるこのごみ収集といいますか、ごみ処理といいますか、こういう事業市町村直営でやることがよいのか、あるいは業者委託する方がよいのか、こういうようなところについていろいろ意見が分かれているところでありますけれども、厚生省としては、あるいは自治省見えになっていませんか。――まだ来ていないですね。後で自治省に聞きますけれども、自治省も出席要求してあったわけですけれども、時間がないので、まだ到着をしていないようです。いわゆる市町村直営事業としてやることが正しいと思うのか、それとも業者委託によることの方がいいと思うのか、厚生省ではどう考えておるのですか。
  7. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のように、一般廃棄物につきましては市町村責任といたしまして市町村処理計画を定めまして、みずから実施するか、あるいは事業者処理させるか、あるいは委託業者処理させるか、あるいは許可業者処理させるかというような四つ程度方法によって適宜市町村判断でやることになっておりまして、基本的には一般廃棄物の適正な処理が確保される、その責任が果たせるということであるべきであろうと考えております。
  8. 川本敏美

    川本委員 いまおっしゃいましたが、ごみの適正な処理とはどういうことなんですか。
  9. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理法収集運搬処理処分に関する基準が決められております。それに沿ってちゃんとできる能力があるかどうか等の意味でございます。
  10. 川本敏美

    川本委員 そうすると、現在の家庭ごみとか産業廃棄物は全部その基準に従って適正に処理されておると思いますか。
  11. 山村勝美

    山村政府委員 必ずしも満足すべき状態ではないと考えております。
  12. 川本敏美

    川本委員 ただいま適正な処理が必ずしも満足に行われていないと思うというお話です。  このセンター法案をつくったら、これで政府としても国民の立場から見ても、満足できるような十分な適正な処理が行えると政府は確信をしてこの法案を出したのですか、どうですか。
  13. 山村勝美

    山村政府委員 御案内のとおり、廃棄物はいろんな排出源から多種多様に出てまいりまして、その発生の形態あるいはそれを処分すべき流れ、さまざまでございまして、また先ほど申し上げましたように、四つのものによって処理されておるという実態でもございます。それで、社会経済的な変動、そういった要素も受けるわけでございまして、大変困難な問題と認識をしておるわけでございますが、今日、実態を見ますとなお問題がございますので、それらの責任を果たすように十分に指導してまいりたいというふうに考えております。
  14. 川本敏美

    川本委員 適正で、そして本当に満足のいく処理が行われるようにすべき責任市町村にあるのか府県にあるのか、それとも政府にあるのか、その点はどこの責任ですか。
  15. 山村勝美

    山村政府委員 一般廃棄物につきましては、市町村がその責任を負うことになっております。それから、産業廃棄物につきましては、事業者がみずから処理をするという形態をとっておりまして、ただ都道府県は、都道府県管轄下廃棄物処理計画を定めましてその中で適正な処理を指導していく、また都道府県は、処理した方が適当である、あるいは中小企業産廃のように処理しないと適正な処理が行われないという場合には都道府県産業廃棄物処理ができるという体制でございます。  先ほど御指摘の、センター法ができて広域処分場ができれば廃棄物問題はすべて片づくのかということでございますが、先ほど申し上げましたように、収集運搬処理処分という大きく分けて四つ過程の中で最後段階の問題が単独市町村では片づかない、収集運搬の問題は市町村みずから、なお実態を改善すべき面はあるといたしましても、実行していけるというふうに判断をしておりますし、また処理の問題につきましても、市町村単独あるいは共同の一部事務組合等処理施設をつくりましてまだ対応ができる、しかし最終処分の問題に関しましては、みずから行政区域の中あるいは共同して一部事務組合最終処分場を確保できることについても、長い目で見ますと、まさに限界に来ておるということで、そういう一つの道を開こうという趣旨のものでございまして、センター法が通ることにより広域処分場整備されて、それですべて廃棄物行政が万全であるというふうには考えておりません。
  16. 川本敏美

    川本委員 そうすると、もう少しはっきりお聞きしますと、一般ごみは、収集運搬処理までは市町村仕事である、産業廃棄物事業者がこれを処理するのが事業者責任である。そうしたら、そこから先の最終処分については、最終処分場の決定あるいは最終処分処理施設建設、こういうようなことについては何かいまちょっとあいまいなようですが、都道府県がやってもいいとか、政府がやってもいいとか、市町村がやってもいいとか、その辺がどうも明確でないように思いますが、その点もう一度お聞きをしておきます。
  17. 山村勝美

    山村政府委員 原則として、収集運搬処理処分最後まで一般廃棄物については市町村責任をとるのが原則でございます。また、産業廃棄物につきましては、事業者責任をとるのが原則でございます。  それで例外的に、事業者だけでは適正な処理が行われないというような場合に市町村都道府県が手をかしてやる、いわゆる公共関与という形で手をかしてやるということがあり得るということでございます。
  18. 川本敏美

    川本委員 大体わかってきました。  そこで、厚生大臣にお聞きしますが、そうすると、今度のこのセンター法案、これはいまも運輸委員会審議をされておるわけですけれども、これは廃棄物処理施設として、処理場建設しようとして重点がかかっておるのか、それとも港湾整備事業重点として、たまたまそこへ廃棄物処理したらいいと考えて廃棄物を従にしている、これはどちらを主とし、どちらを従とした法案ですか。
  19. 園田直

    園田国務大臣 廃棄物最終処理というか、活用というのが主であって、港湾整備一つ手段であると考えております。
  20. 川本敏美

    川本委員 この法案は、廃棄物処理というのが主であって、港湾整備というのはあくまでも従たる任務を持っておるのだ、そういう大臣の御答弁であります。ところが、そうすると、先ほど御答弁をいただいたように、この処理場満足処理ができるのかどうか。その点について国民も納得できる、地方自治体としても納得できる、そのような処分が可能だと思いますか。
  21. 園田直

    園田国務大臣 問題はいろいろあると思いますが、関係方面によく御理解を願い、そして関係省、特に運輸省厚生省が一体となってやればその成果は上がるものと見ております。
  22. 川本敏美

    川本委員 先ほどから御答弁がありましたが、  一般家庭ごみについては収集運搬処理、そして原則として、本来の事務としては末端の最終処理までが市町村固有仕事だというふうにお答えになりました。それについでは、このセンター法案ができた後といえども市町村のその責任は変わりませんか。
  23. 山村勝美

    山村政府委員 原則的には変わりません。この最終処分の問題について、市町村センター委託をして仕事をさせるという形になります。
  24. 川本敏美

    川本委員 運輸省見えになっておりますか。  運輸省にまずお聞きしたいのですが、先ほど厚生大臣がおっしゃったように、このセンター法案というのは、ごみ処理というものをあくまで中心として最終処理場をどうするかという発想から生まれてきたものであって、港湾のいわゆる整備事業というのはあくまでもその手段だ、こうおっしゃるわけです。しかし、そういう中で港湾整備が行われるということになると、港湾整備事業の費用というものが、国費がそれだけ節約されることになりますね、一部言いかえれば。そうなりませんか。後で埋立地ができ上がるわけですよね。でき上がった埋立地処分すればこれはペイしますよね。いわゆる港湾整備事業費というものはそれだけ助かるわけですか。
  25. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  港湾整備事業費、つまり公共事業で行っております事業とは直接の関係はございませんが、その背後の埋立地はこのセンターの行います事業の結果できるわけでございます。しかし、できます埋立地につきましてはそれぞれ竣工の段階で清算が行われますので、港湾整備事業がそれによって得をするというような観点にはならないかと存ずるわけでございます。この法案趣旨に関しての問題でございますが、先ほど厚生大臣からお答えがありましたように、ごみ処理というものの一番最後段階、つまり最終処分場が大変いま獲得できない状態でありますので、それを獲得するということが一つの大目的でございます。同時に、港湾の場でそういう場所を求めるといたしますと、つくった結果できてまいります埋立地というのは港湾整備密接不可分関係にございます。そして、港湾整備上、そういう土地が港湾の中に必要である場合でないと、港湾の水域にそういう埋立地ができては困るという事情が港湾の方にもございますので、そういう意味で、港湾の方もこの法案には関与をいたしておるというふうに考えております。
  26. 川本敏美

    川本委員 いろいろ言っておられますが、港湾整備事業としてこの最終処分地を決めて、そこで家庭ごみ産業廃棄物土砂とまぜて埋め立てをする。そこででき上がった埋立地というものは後で売却すればペイするわけですから、これは港湾整備事業の一環をなすものには間違いないと思うのですけれども、これが邪道なのか正道なのかということについてはこれから議論の余地のあるところではないかと私は思います。  そこで、もう少し質問をしていきたいと思うのですが、厚生省にお聞きします。  現在、国民生活上あるいは国民健康保持上あるいは公害をなくするという点、海洋汚染しない、いろいろな観点から、いわゆる有害な物質とされておる廃棄物についての処理責任はだれにあるのですか。
  27. 山村勝美

    山村政府委員 有害な産業廃棄物を排出する事業者責任でございます。
  28. 川本敏美

    川本委員 もう一つ一般家庭ごみの中にもあるいは電気製品家電製品あるいはその他の中のコンデンサー等の中にPCBが含まれておる。こういうものも分別ごみとして地方自治体家庭ごみ一緒収集をして処分しておるわけですけれども、この中から出てくる有害物質の最終的な処理責任はだれにあるのですか。
  29. 山村勝美

    山村政府委員 電気製品コンデンサー等PCB部品がついておるわけでございますが、それはメーカー処理をすることになっております。
  30. 川本敏美

    川本委員 そうすると、いまおっしゃったように、有害な物質最終処理一般家庭ごみ一緒に出される粗大ごみ、そういう中に含まれておる有害物質はその製造業者が最終的に責任をとる、そういうことでしたが、それらの有害物質最終処理方法は現在業界においてはどのような形で処理をされておるのか。
  31. 山村勝美

    山村政府委員 PCBについて申し上げますと、市町村大型ごみとして冷蔵庫等を集めてまいりますと、PCB処理協会といった業界団体をつくっておりまして、それらの業界団体の者がそれを取り外しまして、安全になったものの残り市町村処分をするという体系がつくられております。
  32. 川本敏美

    川本委員 そうすると、粗大ごみの中に含まれておる、いわゆる螢光灯の中から出てくる水銀等についてはどのように処分されますか。
  33. 山村勝美

    山村政府委員 これにつきましては、分別収集等で分けられて適正に処理されている、水銀を焙焼しまして安全化するような施設に送り込んでおるというような事例もございますが、まだこの体制がちょっと不十分な状況にございます。
  34. 川本敏美

    川本委員 私は、家庭ごみあるいは産業廃棄物について最終処理場地方自治体は大変困っておる、それを何とかしようということで政府が乗り出して、こういう最終処分地臨海地域でやろうという整備センター法案は一応評価はできると思う。決して間違っておるとは思わない。しかし、そこで問題になるのは、そこへ集積されてくるごみの中に有害物質が含まれないのかどうかということだと思う。あるいは有害物質を排除できるという責任体制を確保することができるのかどうか、この法案の中ではっきりとそういう責任体制が確立されておるのかどうかというところに一つの大きな問題点があると思う。  環境庁に質問しますが、この整備センター法案の中身から推定をして、絶対に有害物質がこの中に入ってこない、そして海洋は汚染されないという責任をあなたは持てますか。
  35. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理過程の問題でございますので、ちょっとプロセスを御説明させていただきます。  現在、センターとしてのチェック体制受け入れ基準等を定めてやっていくわけですが、原則的には有害物質は入れないという基本方針でいくわけでございます。まず、その搬入の申請をする場合、事業者あるいは市町村業者等がその処分場に入れることを申し入れる場合にお互いに受け入れ契約等を締結するわけでございますが、その際に、どういう廃棄物を入れるのか、あるいはその廃棄物はどういう生産工程、どういう原料を使って出されてきたものか、そういうことを書類等を添付することできちっとしたいということでございます。その際、都道府県産廃の監督に当たっておりますので、意見も聞き、工場に立ち入る等によって対応することも考えていかなければならないであろうというふうに考えております。また、搬入基地搬入ゲートのところでその契約の物がきちっと入ってくるかどうかということをカードのようなものを携行させましてそれをチェックし、さらに物を見てチェックし、さらに必要においては抜き取り検査をしてチェックする。また、センターとしては周辺の環境水質などを調べまして環境モニタリングということによってアフターケアもしていくというようなことを現在考えておるわけでございます。  先生御心配なのは、まず混入することが問題ではないかということであろうかと思います。何よりも有害物質産業廃棄物等の混入を未然に防止するということについては、現在の廃棄物処理法体系の中でかなり厳しい規制がございますが、今日、実態として廃棄物処理法が必ずしも厳正に守られていないという実態がございますので、廃棄物処理法の運用について厳正を期すよう指導してまいる必要があると考えております。
  36. 森下忠幸

    森下説明員 お答えいたします。  大量の廃棄物が移動し、集積するということでございますから、環境庁はこれにつきまして重大な関心を持っておるところでございます。そこで、こういった事業が行われます段階基本計画がつくられます。この基本計画の中では広域処理場がどこにつくられるかとか、廃棄物受け入れ対象区域がどこであるとか、廃棄物の種類、量、受け入れ基準、こういったものが定められることになっておりまして、この中で、先ほど厚生省からお話がありましたとおり、それぞれの廃棄物に即したそれぞれの処理基準がございますから、それが守られるようにどんなチェックがなされるかということも含めまして明らかになる。その基本計画につきまして主務大臣が認可をなさる、この段階環境庁環境庁長官関係行政機関の長ということでこの協議を受けるということになると思いますので、この段階で私どもも慎重に検討してまいりたいと考えております。
  37. 川本敏美

    川本委員 加藤邦彦さんという方が「粗雑極まる粗大ゴミ処理」という論文を書いておられます。この論文を見ますと「直接、南河内清掃施設組合処理場に乗り込んでみることにした。ここは大阪府南部の富田林市、河内長野市、美原町、太子町、狭山町、河南町、千早赤坂村、すなわち人口約二八万人をようする二市四町一村をカバーしている処理場である。」ここでは「粗大ゴミは、コンデンサーを抜き取ることもなく、各地の捨て場からそのままこの処理場に持ち込まれる。ここではまず破砕機にかけられ、次に一般ゴミとともに炉で焼却される。その灰は、中から鉄分のみマグネットで取り出されて、そのままトラックで千早赤坂村の処分地埋め立てられるという。炉の温度は、コントロール・ルームのメーターで確認すると、摂氏九〇〇度から一〇〇〇度の間を指していた。」こういうことが書かれてあるわけです。この地での処分方法というのは全国普遍性を持っていると推察されている、全国各地でこれと同じようにされておるというふうに考えられる、PCBとかそういうものを焼却して煙にしてしまって大気中に逃がしてしまうということにしようとしても千三百度以上でなければとうていそうはならないんだ、だから灰の中に全部含まれて残ったことになるのではないかというのがこの方の御意見なのです。  そうなると、そういうものは今度、中間処理後の廃棄物ということで全部このセンターに集められることになるわけでしょう、違うのですか。
  38. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘PCBが紛れ込んでおるというような実態を知りまして、少し遺憾に思っておるわけでございますが、先ほど御説明申し上げましたとおり、たてまえといたしましてPCB部品を含む家電製品につきましては、四十八年の時点で通産省と共同通知によりまして、メーカーPCB部分を取り外してその責任において保管処理するということになっておるわけでございます。  そこで、ただいま御指摘がございました点につきましては、それがきちっと行われていないという実態でございますので、このセンター法に基づく広域処理場建設の前提といたしましてそういうものが適正に行われるよう厳正に指導してまいりたい。具体的には有害物質が、PCBについていいますと、きちっとその部品が取り除かれて後に都市の処理体系に入ってくるということが必要でございますので、そういう点について特段の指導をしたい。さらに、分別収集等によって有害な部分については全部別の流れとして処理をするという処理体系整備ということが大前提であろうと考えておりまして、そのように指導したいと思っております。
  39. 川本敏美

    川本委員 家電コンデンサーの中に含まれておるPCB問題一つを取り上げてみても、こういう家電廃棄物とかそういうものの処理方式には、仙台方式沼津方式と言われるような二つ方式があるようでありまして、仙台方式というのは一つ一つの世帯から通報を受けて、通報を受けた都度家庭に出かけて、その処理員が乗り込んでコンデンサーを取り外していく、そして残りのものにはステッカーを張って、処分してもよろしいという処置をする。沼津方式というのは、市町村が一括して集めてきてから、そこへ家電処理員が来てコンデンサーを全部抜き取る。こういう二つ方式がとられておるようですけれども、いま申し上げた大阪南河内清掃施設組合の場合は、いまあなたがおっしゃったように、大阪家電ピーシービー処理協議会というのがあって、通報があればここが行って抜き取って処分をすることになっておる。ところが、その大阪家電ピーシービー処理協議会の報告書を見ると、昨年十月、十一月の二カ月とも、和泉市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、箕面市、四条畷市、門真市、大東市、富田林市、河内長野市、この十一市でコンデンサーを抜き取りに来てもらいたいという報告が一件もなかったといわれている。  ここらの地域では家電から出るコンデンサーのそういうごみは出なかったとあなたは思いますか。
  40. 山村勝美

    山村政府委員 当然に出ていたのではないかと推察されます。
  41. 川本敏美

    川本委員 そういう状態であれば、現在の一般ごみあるいは産業廃棄物、そういうものの中から出てくる有害な物質処理については必ずしも満足すべき状態にないと言われながら、先ほど来指導を強めますとか検査を強めますとか、契約の際にそういうのは排除します、契約の際に排除しておいたら有害物質の不法投棄なんて起こらないのでしょうか。有害物質をこのセンターへ持ち込ませないということがまず大前提だと私は思うわけです。それがいまおっしゃるように、必ずしも満足状態ではございませんと後ほど答弁しなければいかぬようになったら、そのことによる海洋の汚染、国民の健康、生命に及ぼす影響というものは私は重大なことが起こると思うのです。  そういうことが十分わかってこの法律案を提案しておるのかどうかということです。
  42. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物を所管しております私どもといたしましては、そういう有害物質による国民の衛生とか生活環境の汚染があってはならないという立場からやっておるわけでございまして、そういう意味で、御指摘のような実態のありますことはまことに遺憾でございまして、われわれの指導不足ということを告白せざるを得ないわけでございますが、また御指摘のとおり、センター法による広域処分の大前提といたしまして有害産業廃棄物の混入を未然に防止するということを考えておりまして、今日、体系として、あるいは制度としてはできておると思いますが、実態的に、先ほど仙台方式沼津方式という御指摘だったかと思いますが、地域の事情によってやるような指導をしてまいりました。それなりに体系はあったわけでございますが、必ずしもうまくいっていないということでございますので、十分研究いたしまして万全を期すよう指導してまいりたいと考えております。
  43. 川本敏美

    川本委員 国民の健康や生活を守るために――有害な物質の不法投棄が年々続いておる。最近の統計では検挙件数は何件くらいありますか。
  44. 山村勝美

    山村政府委員 警察庁の調べでございますが、五十五年度の廃棄物処理法違反の検挙件数は四千五百四十二件でございます。前年に比べましてトータルとしては減少しております。そのうちいわゆる不法投棄に該当するものが三千三百余件ということでございまして、これもどういう事情か、幸いということでございましょうか、若干減少をいたしております。その内容を見ますと、最も多いのが建設廃材でございまして、約七九%を占めております。次いで、汚泥一三%、これで九二%を占めておりまして、有害なものにつきましてはパーセントとしては上がっておらない実情にございます。  なお、その不法投棄の原因といいますか、動機といいますか、そういうものを警察庁も指摘しておりますが、処理経費を節減するためが四九%を占めております。また、処分場が遠い、あるいはない等、処分場に起因するものが二三%等となっておりまして、処理経費節減、経済性の追求から自分の責任を果たしていないという、有害産廃に対する意識がまことに低調であるという印象を強くするとともに、処分場がないということも一つの原因であるというふうに理解をしているところでございます。
  45. 川本敏美

    川本委員 いまおっしゃったように、五十四年度は検挙件数はもう少し多くて五千二百四十三件あったわけですね。五十五年度は若干減っておるようですけれども、そのような不法投棄が起こってくる原因は、いまおっしゃったように、処理費節減のためというのが圧倒的多数を占める。その次に、処分場が遠距離のためとか、処分場の受け付け時間が短いためとか、処分場委託手続がめんどうだからとか、最初から営利目的をもって、こういうようなものが大多数を占めておるわけです。だから、幾ら整備センターをつくっても遠距離であれば持っていかない業者もたくさんあるということは、これ一つを見ても明らかだと思うのですが、問題は、先ほど来私が指摘してきてますように、有害な物質を――その前に、そうしたらちょっとお聞きしておきましょう。  工場から出る汚水、排水、あるいは下水道の終末処理場から出るスラッジとかピット、こういうようなものについては現在どのように処分されておるのですか。
  46. 山村勝美

    山村政府委員 一般的に埋立処分をする場合には脱水をしまして、含水率を下げましてから処分をすることができる。当然に有害判定基準に適合するといいますか、有害判定基準を超えるもの、つまり有害なものについては埋立処分はできません。
  47. 川本敏美

    川本委員 そうすると、先ほどから質問してきた中で一番問題として突き当たるのは、いまおっしゃった工場の排水あるいは工場から出る汚泥、あるいは汚水処理場等から出てくる汚泥、スラッジ、ピット、そういうようなものも有害なものは固形化して廃棄させることは許さない、業者が自己責任でやらねばならぬ。そうなると、あの原子力発電所の放射能を含んだごみを中部太平洋に捨てようということで政府が一生懸命やるのと同じことで、どこへ捨てても有害な物質ですけれども、こういう一般廃棄物の中から、あるいは産業廃棄物の中から、あるいは汚水や汚泥の中から出てくる国民の命や健康に有害な、そして海洋を汚染するおそれがある、大気を汚染するおそれがある物質最終処分は、現行法ではあくまでもその排出をした業者責任においてこれをさせることになっておるのか、それとも、それは最終的には地方自治体責任の一端があるのか、政府もその責任の一端があるのか、この辺について明確なお答え厚生大臣にお聞きしたいと思う。
  48. 山村勝美

    山村政府委員 事業所から出てまいりますそういう有害廃棄物につきましては、その責任事業者にございます。
  49. 川本敏美

    川本委員 事業者はどないするのでしょうね。それは捨てるところはないのでしょう。
  50. 山村勝美

    山村政府委員 先生御指摘のとおり、また先般も御議論がございましたように、有害産業廃棄物につきましてはコンクリートで固形化してそのまま埋め立てる。固形化した際に、固形化した状態で有害判定基準に合格するといいますか、有害でない状態にしておく必要がございます。  それから、遮断型埋め立てと申しまして、完全にコンクリートで密封したような形での埋立処分も許されております。
  51. 川本敏美

    川本委員 遮断型の埋め立てとか密封とかコンクリート詰めとかいろいろ言われますけれども、大変処理費に金がかかるわけですよ。営利を追求する企業がそのような処分に大変お金のかかるようなことをしておったのではコストに合わないからこれはやらない。もっと安上がりで、そして簡単にできる方法、それはいわゆる粗大ごみの中にまぜたり、一般廃棄物の中にまぜたり、混入して、何とかしてこの整備センターの中に持ち込んで安い価格で処理しようということを営利を追求する人たちが考えてあたりまえの話。そのことを排除できるという確信がないままこの整備法案を強行して、そうして大阪湾や東京湾の中にそういう廃棄物処理場をつくるということは、つくってすぐにこの被害はあらわれませんけれども、何年かたったら瀬戸内海の魚は一匹も食えないとか東京湾の魚は一匹も食えないとかいうことに発展をし、やがてはがんとか、いろいろな周辺の人々の命を脅かす原因になりかねないと私は思うわけです。そのことを一番心配する。  その点について、厚生大臣、どうですか。あなたはもう余命少ないけれども、もっと若い人たちは、これから二十一世紀を背負わなければならぬ若い人たちは大変なんですよ。このことに責任を感じませんか。
  52. 園田直

    園田国務大臣 御発言、きわめて大事な問題であり、しかも起こりがちな問題でありますから、これに対する対応策を十分考えて努力をいたします。
  53. 川本敏美

    川本委員 もう時間がありませんので質問は終わりますけれども、まだまだ時間があれば質問しなければならぬことはたくさんあるのですけれども、もう少し後で質問の時間が与えられますように要求して、私の質問を保留して、終わりたいと思います。
  54. 小此木彦三郎

    小此木委員長 山本政弘君。
  55. 山本政弘

    ○山本(政)委員 広域臨海環境整備センター法案、これは後でセンター法案というふうに言わせていただきますが、この質問に入る前にちょっとお伺いしたいことがあるのです。  先ほど川本委員の質問に対しまして、園田厚生大臣は、廃棄物処理が主である、こういうふうにおっしゃったと思います。そうして、この法案運輸省法案ですね。運輸省法案であるにもかかわらず廃棄物処理が主であるということになれば、当然これは厚生省法案として出すべきが本当じゃないのでしょうか。そうでなかったら、運輸大臣廃棄物処理が主でないんだというふうにおっしゃりたいのかどうか、そのことをまず冒頭に私は伺いたいわけです。     〔小此木委員長退席、関谷委員長代理着     席〕  と申しますのは、運輸省港湾局から「港湾における広域廃棄物埋立処分場整備構想」というのが出ております。ここには、ごみ産業廃棄物、残土、そういうもので最終的に処分する必要のあるものが相当量に達している。したがって、「これらの処分場の確保は国民生活、産業活動等にとって必要不可欠のものである。」これが一つ。第二点は、「他方、港湾の背後の都市の健全な発展と活動を支えるためには、港湾機能の一層の高度化、都市臨海部における再開発等を進める必要があり、所要の土地確保の要請が強い。」こうなっているわけです。二つあるのですね。どっちが本当なのか、まずお伺いしたい。これは厚生大臣とそれから運輸省の方の問題と矛盾があるのですよ。  本論に入る前にそれをひとつ聞かしていただけませんでしょうか。
  56. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 厚生大臣廃棄物処理が主眼であるという趣旨のことをおっしゃいましたが、これは廃棄物を入れるんだということから見ましたら、確かにそういう問題は言えると思うのです。しかし、この法案を作成いたしました時点における趣旨を確立いたしますときには、先ほど港湾局長が言いましたように、どちらが主でどちらが従だという議論はなかったのであります。そうではなくして、ごみ最終処理が、先ほど川本さんの御質問にありましたように、市町村など、あるいは処理業者最終処理場に非常に困っておるということは事実でございます。その困っておるところを、それを乱投棄されたらこれまた困る。そこで、それを集中的に投棄をせしめることが、秩序ある投棄をさす方が管理しやすい、こういうところから、それではその場所としては港湾しかないではないか、こういうことになりました。  しかしながら、一方から言いまして港湾をそう勝手やたらに埋立地にされては困る。そこで、そういうふうに最終処理場港湾でしかないとするならば、港湾のいわば秩序ある将来の開発に役立ち得るように投棄せしめるべきである、こういうことでございました。それと同時に、港湾の将来におけるその埋立地が、いわばその周辺地域の生活向上にも役立つ、そういうことを兼ねた地点において投棄せしめるべきである、こういうことに相なってまいりました。それと同時に、埋め立てをするにつきましては、先ほど海洋汚染の問題も出ておったように、将来においてそういう汚染とか何かあっては困るから、だから港湾の擁壁、いわば埋立地の予定地をつくるについては十分な技術管理をしなければならぬというので、港湾局が中心となりましたそういう技術配置をいたしておることでございます。  でございますから、どちらが主でどちらが従、こういう考え方からやったのではなくして、まさに港湾の開発ということとそれからごみの投棄、廃棄物処理ということと複合した行政の中で処理しよう、こういう趣旨でございます。
  57. 山本政弘

    ○山本(政)委員 ここでは余り議論すると損のような気もするのですけれども、要するに廃棄物が主である、その処理をするのには港湾しかない、そして、その港湾をやるには、勝手にやられては困るから運輸省としてはその点について受け皿をひとつつくっていく、こうなるわけでしょう。そうしたら、順序からいけば廃棄物処理が主になるのじゃないか、どうもあなたの説明を聞いていてもそう感じてしようがないのですよ。  簡単でいいですから、もう一遍言ってください。どっちが主なんですか。
  58. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 主であるとか従であるということは、私たちは議論しておりません。ですから、あわせたものを同時解決をするのにはどうするかということでございます。
  59. 山本政弘

    ○山本(政)委員 そうすると、厚生大臣、さっきの発言はどうなりますか。
  60. 園田直

    園田国務大臣 お答えをいたします。  厚生大臣としては、その廃棄物の安全あるいは活用、こういうことでございますから、厚生大臣の立場から言えば廃棄物が主でございます。しかし、いま運輸大臣の言ったことと私の言ったことは矛盾しないと私は考えております。
  61. 山本政弘

    ○山本(政)委員 これは後でどなたかにひとつしっかり質問してもらいたいと思うのですが、こういう文書があるのです。私のところへ来た文書の中に「東京湾のハゼもシロギスもイシモチもアジも、そして干潟のシギもチドリもみんな心配しています。大きなフェニックスがやってきて、全部食い殺されるのでは……」、私は実はこれを見たときに、なるほどという感じがしたのです。  気仙沼という町があるのです。気仙沼湾という湾があります。その湾のちょうど中央部に島があるのです。七、八年前から外洋との交流が非常になくなってしまって、まさに死の海化されつつあったわけです。それに対して大変苦労して、私は地元へ行きまして県会議員の人、市会議員の人と一緒に歩きましたけれども、ようやく見通しがついたというのです。しかし、汚水の排出、これに人口の増加とかいうようなことを考えると、どうも先行きというものはまだまだ見通しが立たぬ、こう言っているわけです。  その話を聞いて思い出したのは瀬戸内海ですよ。淡路島という大きな島がある。そこにまた埋立地をつくる。人口がふえる、廃棄物が出てくる。産業が肥大化してくる、廃棄物が出てくる。そういう大きな島に遮断をされた中で一体外洋との海水の交流があるのだろうかどうだろうか。とすると、非常に大阪湾というのは汚れてくるのではないだろうかという感じがするわけです。  ここに一つの資料がありますけれども、東京湾というのは四十八年をピークに一番汚されたというふうに思います。東京港、千葉港。横浜港は四十九年が一番汚染された、ピーク時というのは四十九年です。それからだんだんときれいになってきたけれども、どうも最近見ると、千葉港あたりもまた五十四年、それから横浜港についても五十四年ごろはだんだんとまた汚染が始まってきているのではないだろうか、こういう数字があるわけです。とすると、そこへもってきてそういうものをつくっていくということになれば、ちょうどいま申し上げたように、ハゼもシロギスもフェニックスに食われてしまうのではないか、つまり海が泣いている、こういうことになりはしないかとぼくは思うのです。  そこで、お伺いしたいのは、法案趣旨説明から何から読ましていただきました。大変意外だったことは、提案理由の説明の中に環境保全ということを一言も書いていない。こんなふざけたことがありますか。残土の処理港湾整備とだけはあなた方は書いているのです。保全ということが響いてありますか。  厚生大臣、運輸大臣、時間がありませんから簡単に答えてください。
  62. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 法律案の第二十条、基本計画というところがございまして、このセンター事業をするにつきまして基本計画と実施計画を提出をしなければならぬのでございますが、その基本計画法案で申しますと第二十条でございますが、その第二項のところに第五という号がございまして、そこに環境保全に格段の配意をするように明記いたしておりまして、これを確実に実施いたしたいと思うております。
  63. 山本政弘

    ○山本(政)委員 法案のことについては後でお伺いいたします。私が申し上げているのは、提案理由の説明の中になぜ環境保全ということが一言も入っていないのかということです。法案の中身については後の質問で私は付言いたしますよ。だけれども、提案理由の説明の中に環境保全が一言も入っていないということが実はこの法案の性格をはっきりと示しているのではないかと私は言いたいのです。二十条、一条、このことについては後から時間があれば私は質問をいたします。しかし、提案理由の説明の中に一言もなぜ入ってないのです。つまり、それは捨てればいい、港湾をただただ整備すればいいという観念が働いておるのじゃないかということを私は申し上げたいのですよ。  こんなふざけた提案理由の説明がありますか。厚生大臣、どう思いますか。
  64. 園田直

    園田国務大臣 第一条の目的の中に「環境の保全に留意しつつ」という言葉が使ってありますので、それでいいと考えたわけでありまして、環境の保全にはこの上とも注意する必要があると思います。
  65. 山本政弘

    ○山本(政)委員 法案はなるほど書いてあるけれども、提案理由の説明の中にそれが書いてないということは決定的じゃありませんかと私は言っているのですよ。法案をつくる過程については後でお話しいたします。  どなたかいらっしゃいましたらお答えいただきたいのですが、廃棄物の排出抑制、中間処理の徹底、それから再生利用の保証のために使われた、要するに減量化、これに使われた予算が幾らか、国の予算全体で。それから、廃棄物処理のための技術開発の予算は幾らなのか、施設設備の予算は幾らなのか、これだけちょっと聞かしてください。どちらでも結構です。
  66. 山村勝美

    山村政府委員 五十六年度の予算におきましては、一般廃棄物整備のために約六百三十五億でございます。また、調査研究関係厚生省関係分といたしまして、五十六年では二億七千三百万円でございます。
  67. 山本政弘

    ○山本(政)委員 このセンター法案では大変な金を使うのですよ、七千億。廃棄物処理中間処理の徹底、再生処理促進のための費用というのがその一割に満たないのですよ。政府全体といった方がいいかもわかりません、運輸省厚生省も、つまり資源の再生とか中間処理の徹底とか、廃棄物をどうやって抑制するかということには目を向けないで、そして、ただただ埋立地をつくればいいという安易な方向をたどっているのではないだろうか。もし本気になって、フェニックスに使うだけの半額でもいい、それだけのものをいま申し上げたような項目のものに使う気があったら、私はよほど違っていると思うのですよ。  この点について、将来一体どういうふうにお考えになっているのか、廃棄物の方が主であるとお答えになった厚生大臣からお伺いいたします。
  68. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物の中間処理施設等の整備につきましては、五カ年計画をつくりまして計画的に整備をしていきたいというふうに考えておりますが、五十六年度から六十年度の第五次廃棄物処理施設整備五カ年計画におきましては、総事業費一兆七千六百億円ということで、先般閣議の了解を得、現在緊急措置法の改正をお願いをいたしておる段階でございまして、その中で特段の配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
  69. 山本政弘

    ○山本(政)委員 私の質問が間違っておったら指摘してください。  運輸省厚生省も五十一年から、このセンター法案が恐らく頭にあったんだろうと思うのですけれども、調査をなさっていますね。それから、五十五年までに八億円という膨大なお金を使っている。なぜ調査結果の概要というのが公表されないのでしょうか。これだけの金を使って、そして、これだけ合同審査まで開く。私は恐らく沿岸の住民の人たちも大変な関心をお持ちになってきているだろう、こう思うのですが、そういうことであるならば、やはりこれは地域住民を含めて、私どもの納得の得られる説明というものが欲しい。それに対してなぜ調査というものをお出しにならないのですか。調査がなければ、ただただあなた方は整備をいたしますというだけのことで、一体どんな影響があるのか、そういうことがはっきりわからないじゃありませんか。たとえば海流一つとったって、そういうことが一体漁民にどんな影響を与えるだろうか、そういうことはかいもくわからない。わからぬままで事業を推し進めようとしているのだろうか。五十六年には大阪の方はもう事業主体を何とかしようと言っているわけでしょう。この法案が通れば、五十七年には東京も同じように追随をするということになるんじゃないですか。事業主体だけが先行して、そして環境ということに対して何も公表されない、そういうことが一体あるべき姿なのかどうだろうか、そのことをお聞かせください。
  70. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 御指摘のとおり、総額約八億円の調査を五十五年度までに実施をいたしております。それで、この調査の結果といいますか、成果は、昨年来この構想を立案しますような際の、廃棄物の量でございますとかあるいは関係の海域がそういった埋め立ての余地があるかどうかとか、そういうことを判断する際に使用しておるわけでございますが、今後も、センターができましたらこのセンターにこの調査は引き継ぎまして、十分に利用していただくということになろうかと思います。  さらに、その個々の調査の公表の問題でございますが、その必要が生じました場合、たとえば御指摘ありましたように、漁業者等から漁業関係の調査結果について公表を求められたような場合にはこれは公表をする場合もあるだろうと思っておりますが、ただ現在までやりました調査自身は公表を前提につくっておりませんので、中身の整理の仕方とかあるいは文章の表現の仕方とかに必ずしも公表に適切でないような点もあろうかと思いますので、必要がありました場合には公表をさせていただくように準備をしたいと思っております。
  71. 山本政弘

    ○山本(政)委員 「厚生省における五十六年度の廃棄物処理基本施策」の中に「昭和五十六年度廃棄物処理施設整備事業関係予算の概要」というのがあるのです。そこにコメントが出ている。「廃棄物処理施設計画にかかるアセスメント手法の策定に関する調査 施設建設に当たって、事業効果の向上を図るとともに、その実施に際して地域住民のコンセンサスを得る」、いいですか、「地域住民のコンセンサスを得ることが必要となるので、計画段階において事業効果に関するアセスメントおよび環境影響に関するアセスメントを行うことが肝要であり、そのための手法を開発し、策定するものである。」こう書いてある。  地域住民の合意を得ることが前提になっておるじゃありませんか。なっておるのだったら、何で個々のために、漁民は漁民、漁民の問題が出たらそのつど出すということは、それじゃ分断じゃありませんか。ある地域で内陸部において何か問題があればそこに対しては何かを出す、漁民に対しては何かを出す、また片一方に対してはその部分だけ出していく、そんなふざけたことがありますか。そして、われわれは東京湾全体の環境影響の評価というものができないで、そういうことを知らないでこの審議をやれというのですか。そんなことができますか。出しなさいよ、出さなかったら審議できないじゃありませんか。
  72. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 さしあたり大阪湾、将来にわたりましては東京湾につきましてもこのセンター事業に関しましての環境アセスメントの実施は、センターが主体となってこれを行う必要があると思っております。その内容につきましては、先ほど来御指摘ございます潮流でございますとか、あるいは水質でございますとか、底質あるいは生物相、大気の質、そういった万般の調査をそれぞれいたしまして、環境変化の予測とか影響の予測、そして対策といったようなものを総括した環境アセスメントというものを実施する必要があろうかと思っております。これはセンターが法律に定められております基本計画を策定いたしますときに当然行わなければならないことかと思っております。  それで、これを公開するかどうかという点につきましては、法律上の手続とは別に、このアセスメントの結果につきまして適宜説明して地域住民等の理解を求める努力をしなければならないということは当然であろうと考えております。
  73. 山本政弘

    ○山本(政)委員 だから、いままでの調査をお出しになるのかならないのかということを私は聞きたいのです。  五十五年十一月に生活環境審議会が「大都市圏域における廃棄物の広域的処理に関する基本方策について」という報告書を出しているでしょう、出していませんか。
  74. 山村勝美

    山村政府委員 生活環境審議会の答申として受け取っております。
  75. 山本政弘

    ○山本(政)委員 そのときに、廃棄物運搬から跡地利用に至る事業の各段階に対応した環境影響の事前評価を行うことが必要である、そして、それは地方公共団体並びに地域住民の理解を得てもらいたいとちゃんと出ているじゃありませんか。なぜそれを出さないのです。出さなければ審議になりませんよ。(「これからだ」と呼ぶ者あり)これからじゃないんだ。いままでやっているものがあるんですよ。いいですか。そして、五十六年には大阪ができようとしているのですよ。何もしないで、つまらぬこと言わぬでくださいよ。五十七年には東京が発足しようとしているでしょう。それならそれで、いま出さなければどうなりますか。出さなければ審議になりませんよ。出すのか出さないのか、それを答えてください。出せなかったらこれは議論にならぬじゃありませんか。――委員長、運輸大臣に聞かしてくださいよ。そんなことじゃ審議にならぬじゃありませんか。
  76. 山村勝美

    山村政府委員 ちょっとその前に。  このセンター法は初歩のそういう組織をつくるという法律でございますが、アセスメントその他もろもろの調査の実施はセンター基本計画をつくる段階までにすべて手続を終える、もちろん住民の同意も含めてアセスメントも行い、相応の手続をとって進めるということでございますので、今後二年間かかって地方公共団体廃棄物はどこどこの町はどれぐらいという契約もおおむね定めまして、個々に具体化をした結果、具体的な絵になってくるということでございまして、現在はまだ漠然とした姿が出ておるという状況でございまして、御理解をいただきたいと思います。
  77. 山本政弘

    ○山本(政)委員 それでは、並行して出せませんか。事業主体というものが進行していくのだったら、それに応じて国民に対しても地域住民に対しても、あなた方が納得させる必要があるでしょう。その時点になってごたごたが起こる、それ以前に時間をかけて理解をさせることが必要じゃないですか。その段階になってしまってごたごたが起きる、がたがたする、そのときにあなたたちがいつでもやることは権力を使うことじゃありませんか。出してくださいよ、それだけだ。それがなければ話が進まぬ。
  78. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほど申し上げましたように、現在までにいたしました調査の結果について公表をいたしますこともあるというふうに申し上げました。そして、たとえばとして漁業者からの要求があった場合と申し上げたわけで、全体的な調査の結果を公表する必要が出てまいりましたらこれを公表できる形に整理をいたす必要があるというふうに申し上げたわけでございます。
  79. 山本政弘

    ○山本(政)委員 五十一年、五十二年、五十三年、五十四年、五十五年と五年間かかっているのですよ、ぼくに言わせたら。五年間の調査なんですよ。五年間調査したらある程度の中間報告が出たっていいはずじゃありませんか。そんなふざけたことはありませんよ。出してくださるのか出さないのか、それだけはっきりしてください。
  80. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほども申し上げましたように、現在の資料と申しますのは公表できるような形にまとまっておりませんので、これを整理いたしました後で提出いたしたいと思います。
  81. 山本政弘

    ○山本(政)委員 まとまっていないというのならいつまとめるつもりですか。事業主体ができたらそれにお任せする、センターができたらそれにお任せするということに対して私は大変疑問を持つのです。後の紛争処理についてはそのセンターにお任せをして私どもは知らぬということになったら大変なことになるじゃありませんか。国が進めてきた問題です。厚生省運輸省が進めてきた問題に対して、トラブルが起きそうになってきたら今度はセンターにお任せをして、後は環境影響の評価はそこでおやりくださいということになりはしないか。そんな無責任なことはぼくは許されないと思うのです。だから、あえて言っているのです。  それでは、いつ出していただけるのか、そのことだけきちんとしてください。
  82. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほど来両局長答弁いたしておりますように、これはいわば基本調査でございまして、埋め立てをするということになれば潮流がどうなるか、あるいは海底の土質はどうであるか、ヘドロの状態はどうか、そういう基本調査をやってきたのです。したがいまして、こういう地点であれば候補地としてできるであろうというところが決まってまいりました。  それで、山本さんの御質問の趣旨は私はよくわかるのです。それは実施をしていこうとするならば、そのときには当然住民の合意を得るためにきちっとした調査報告を出さなければいかぬ。ところが、いまやっておりますのはそういう基礎調査をやっておる段階でございまして、センターができましたらその基礎調査を申し送って、そこで地点を決めるのです。その地点を決めましたら、その地点に伴うて本格的なアセスメントをやらなければならぬ。こういうことで、このセンターがアセスメントと同時に地元住民の協力を得るということもあわせてやっていかなければいかぬ。それはやはり両主務大臣責任でもあると思います。しかし、いまの段階で、いわば基本調査というものを完全に整理しておらないので出しにくい、こう言うておるのでございますが、そのセンターが設立されるまでには必ずこの基本調査の整理をいたしまして提出するようにいたします。
  83. 山本政弘

    ○山本(政)委員 基本調査をして、海流とか水質とか、その他いろいろなデータが出てくる中で、どこに決めるかということについて、それこそ委員会で審議していかないのですか。
  84. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 可能な候補地だけを検討しておるということであります。
  85. 山本政弘

    ○山本(政)委員 持ち時間が終了したそうですから私はやめますけれども、午後からまた御質問させていただきますけれども、それでは私は納得できません。そんなふざけたことないです。潮流が変化をするのは、あなた方は、どこにそういう埋立地をつくったら潮流がこのように変化をするということを、仮に大臣意見を聞くとしても、このケースの場合にはこのケースがあるということがあったはずでしょう。そうじゃありませんか。それを知らないで議論ができますか。だから、それをお出ししなさい、こう私は言っているんですよ。出したらえらいことになるから、こういうことじゃないんでしょうか、勘ぐれば。(「まだ資料がまとまっていないんだ」と呼ぶ者あり)資料がまとまっていないのは怠慢ですよ。環境部長みたいな妙なことを言う人がおるからですよ。自民党の環境部長、何を言ったんだ。責任者でありながら、環境庁は不必要だなんて言っておる人がおるからですよ。つまらぬことを言わぬでください。(「だれが言ったのだ」と呼ぶ者あり)あなたのところの人だよ。
  86. 関谷勝嗣

    ○関谷委員長代理 次に、五十嵐広三君。
  87. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 いまお聞きしておったのですけれども、どうもおかしいですね。  局長さん、公表を前提として調査してないから公表できないのだというんですね。御調査になるときには、初めに公表することと公表しない場合と分けて調査をするのですか。どうなんですか。
  88. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 私どもが調査をいたしますときは、一般的には公表ということは前提にいたしておりません。私どもの行政上の指針といいますか、そういうことで調査をいたしております。しかし、事の性格上、調査の性格上、これの公表が必要になる、あるいは公表することを求められる場合はございますので、そのときは、その資料が公表できるかどうかという検討をいたしまして、公表できる場合はそのまま公表いたしますし、それから、先ほど申し上げましたようなことで資料の整理が十分でないとか、あるいは表現が誤解を招くような場合はこういうものを整理した上で公表する。また、先ほどちょっと触れませんでしたけれども、調査の資料は、本当にコンピューターから出てきた計算の紙だけというようなものもございますし、事ほどさように、すべて公表する前には相応の整理が必要だということでございます。
  89. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 このごろは情報公開だとかいろいろなことを言われているように、行政は公開を前提というか、原則にしてやっているわけでしょう、いまは。非公開を前提というよりはやはり公開を前提にしている。ことに、こういうような廃棄物だとか清掃だとかというのは国民の協力をいただきながらやっていかなければいけないわけですから、原則は公開です。しかし、その中で公開できないものも一部あるでしょう。そのときには理由を述べて非公開にするということであって、先ほどのお話はおかしいと思いますよ。大臣、基本調査だからというお話がいまございましたけれども、基本調査ならなお出していいんじゃないですか。しかも、半年前から調査を始めたというなら、まだ整ってないとか、そういうこともあるかもしれないけれども、四年間もやってきてまだとても整理ができてないなんて言ったって、だれが聞いたって納得がいかないんじゃないですか。山本さんも納得してやめたわけではない、時間がなくてやめたわけですが、これはだれが考えたって納得がいかないので、ぜひひとつ公表してほしい、こういうぐあいに申し上げておきたいと思います。  私は地方行政の立場ですから、その面でちょっとまずお聞きしたい。  今度のセンターというものは、組織の上からいくと一種の化け物みたいなものですね。いままでの概念には全然ないわけです。何十も何百もの市町村自治体、それから複数の府県、これに港湾管理者、三つのものが一緒になって、これに主管大臣が監督をしながらやっていくというもので、まさに怪物みたいなものです。これは自治法上でも全然こんなことは予期してない団体だろうと思うのです。これは自治省の方でどうお考えになっているか。何か一部事務組合の突然変異のようなかっこうのような気がするのです。そこで心配なのは、また今度何かやるときにこんなようなやり方をするのじゃないか、これでは行財政の事務の基本的な秩序というものが混乱してしまうのではないかということです。自治体にとってはもともとこれは固有事務ですからね。  この辺についてちょっと見解をお伺い申し上げたいと思います。
  90. 大嶋孝

    ○大嶋政府委員 御案内のように、廃棄物処理につきましては、現行法制上、一般廃棄物処理市町村固有事務であります。産業廃棄物処理につきましては事業者がそれぞれ責任を負うということになっておるわけでございますが、産業廃棄物処理について主として広域的に処理することが適当であるというようなものにつきましては都道府県が行うことができるということにされておるわけでございます。特に近年大都市地域を中心といたしまして最終処分地の確保が実際上きわめて困難になってきておることは御承知のとおりでございます。このような廃棄物最終処分地の確保を図りますために、都道府県あるいは市町村の立場を踏まえまして、地方団体が広域的に協力する一つ方式として今回のセンター法案が提案されておるということで、それなりに意義があるものだと考えております。しかし、そう言いましても、地方自治の本旨は貫かなければならないと思っておりますので、その点につきましても十分配慮した法案になっておる、こういうふうに理解いたしております。
  91. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 余り時間がないから地方行政で改めて少しやらせてもらいたいと思いますけれども、どうも印象から言うと、道州制のはしりみたいな感じがしますね。このごろそういう論者が少し出てきた感じがありますけれども、どうもそういう感じがしないわけでもない、懸念があるという気がいたしますことを申し上げておきたいと思います。  私どもは地方行政ですから、どうしても地方自治体の立場や自治省のひいき筋になるから思うのかもしれませんけれども、今度の法案をずっと見てみまして、どうも自治省の影が薄いですね。法のどこを見ても自治大臣の名前なんか、出てくるところが一カ所ありましたけれども、あとはありはしない。厚生大臣や運輸大臣はどかんと座っておりますけれども、自治大臣はドアの外からちょっとのぞいているような感じの程度であります。第五条の二項に出るわけでありますが、いわゆる「センターに出資しようとする関係地方公共団体又は関係港湾管理者は、自治大臣の承認を受けなければならない。」こうなっているわけです。承認を受けなければならぬ、こう言っているけれども、しかし、これはその前後の状況から言うと承認しないなんというケースはないでしょう。額だってわずかだし、しかも主要な自治体だけ持つわけでしょう。財政上問題があるなんというような程度のものでは全くないのですね。しかし、かっこうだけつけて、ここで自治大臣の名前を出しておいたということなんでしょうが、本来固有事務だということから言うと、ぼくはちょっと情けないなという感じがするのですよ。たとえば第二条第四項、ここのところに協議の相手がずっとありますね。この相手としてどうして自治大臣が出てこないのですか。これはどう考えたっておかしいですよ。入るのが自然です。  どうですか、厚生大臣、運輸大臣、入れてやってくれませんか。
  92. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 五十嵐さんも市長をやっておられてこういう行政事務は十分御存じだと思うのですが、これは主務大臣を決めましたのは行政の所掌事務を中心に決めておるのです。自治大臣港湾が所掌事務でもございませんし、また、ごみ処理ということも所掌事務じゃない。確かに地方自治体固有事務でございますが、自治省はその自治体を所掌しておるのでございまして、でございますから、所掌事務を中心として考えてまいりますと、主務大臣はやはり厚生、運輸ということになる。しかし、やはり投棄されるのは自治体のことでございますから、自治省あるいは建設省なりあるいは農林水産省、環境庁はもちろんでございますが、こういうところと十分協議はしていかなければならぬ。これはもう私たちはその精神は十分持っておりますが、主務大臣ということになりますと、先ほど申しましたようなことに相なるわけであります。
  93. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 しかし、第二条四項というのは区域を決めるわけですよ。そうですね。これは運輸大臣とそれから厚生大臣が協議しながら、区域内の地方自治体とまた協議をして決める、こうなっているわけです。ここのところに、協議の相手に自治大臣が出てこないというのはおかしいですよ。主管大臣という意味ではなくて、全く無視しているじゃないですか。これだけの広域の地域を指定する、これはどう考えてもおかしいですね。まあ時間がないから次に進みます。  法案の二十条の一項の二ですね。先ほど来論議が少しあったと思いますが、廃棄物受け入れ基準の問題ですが、この基準の内容というものを具体的にお知らせをいただきたい、こういうぐあいに思うのです。それから、同じ二十条の二項の四ですか、廃棄物の減量化等の施策の推進に寄与する基準にする、こういうことも言っているのでありますが、そんな点も含めながらこの点についての御説明をいただきたい。それで、具体的に、たとえば基準に照らしてこういうようなものを受け入れないんだ、こういうものはセンターとしては受けませんというようなものは何々なのかというようなことを簡明にひとつ知らしてほしいと思います。
  94. 山村勝美

    山村政府委員 広域処理場受け入れ廃棄物につきましては、跡地利用も考えながら考えていくわけであります。その前に地域の事情によってセンターが決めるということでございますが、大体具体的に申し上げますと、生ごみなど分解性の高いものは焼却等の処理を行った後の残滓、それから汚泥等水分を多量に含んだものは含水率を一定以下に下げる。それから粗大ごみ建設廃材等の大型廃棄物は一定の形状、寸法以下に切断、破砕したものとする。当然に有害物は排除するというような考えでございます。
  95. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 どうもきわめて大ざっぱなお答えであれですが、しかし実際に決めるのはもっと細かくきちっと決めるんでしょう。そうでしょうね。そこのところをお聞きしたいところですが、とにかくきちっと決めていく。ことに有害廃棄物等については厳しい内容になるんだろうというふうに感ずるのであります。  しかし、どうですか、どんどんセンターに来るというのは、恐らくは車で何秒に一台でしょう。二秒に一台という説もあるし、五秒に一台という説もあるが、つまりそのくらいのスピードで来るわけでしょう。これは基準に照らして実際に受け入れるところでチェックできますか、現実の問題として。これはもうトラックに山積みで次から次に来るわけですね。そのまま船に入れて、船は持っていくわけですが、どの時点でどうやって具体的に点検しますか。いまやっているのなんか聞きますと、来るやつはシートをちょっとはいで上っ面を見るだけですよ。書いてきた書類をそのままのみ込んでいくだけですね。それががばっがばっとあけられていく。あけられたら、もうどこからどんなものだか、わかりはしないですよ。そうですね。ちょっと待ったなんて言っていたら、何十台、何百台の車がたちどころにそこに山になっちゃう。渋滞ですよ。  現実にどうやってそれを点検できますか。仮にちょっとおかしいと思うやつをどうやって拾いますか。どうなんですか。
  96. 山村勝美

    山村政府委員 できるだけ車が集中しないような搬入基地の分散とか、時間的な配分調整とか、情報管理によってそういうこともやりたいと考えておりますが、いずれにしましても、搬入の頻度は数分に一回ということでございますので、長々と搬入口でチェックしているわけにはいかないということは実態的に起きると思います。したがって、それ以前のチェックということを考えざるを得ないかと思うわけでございますが、その一つといたしまして、それぞれの排出事業者と、あるいは業者委託する場合に委託業者センターがそれぞれ契約をし、個々に相手を確認した上で捨てさせる。それで、チェックカードを持って、この業者はこういう物を持ってくることになるという物の内容もあらかじめ契約段階で確認をしてやるということがまず一つあろうかと思います。  基本的には、先ほど来御指摘ございますように、有害廃棄物がいっぱい廃棄物の中に混入してくるという問題がございますので、これは別の廃棄物処理法の施行そのものとして、厳正に処理基準あるいは運搬基準等が守られるように指導する必要があろうかと考えております。
  97. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 つまり、実際問題としては受け入れのところでそんなにチェックできるものではありませんと、簡単に言えばね。  そこで、そういうことになったら、とにかく巨大な集積をするわけですから、それは有害物質の複合的な汚染なんというのは大変なことになるんじゃないですか。しかし、いまだってこういう問題は確かにあるでしょう。有害な産廃、特に問題のある廃棄物チェック等については、結局は発生源でチェックするほかないのじゃないかとぼくは思うのですよ。恐らく皆さんもそういうお考え方が多いんじゃないかと思うのです。最近の廃棄物処理法違反で検挙された件数は年間四千五百九十一件、こんなのは検挙されたやつですから、氷山の一角もいいところで、ほんのわずかなものでしょう。それでも四千五百九十一件、四十九年以降毎年急増しているわけです。大変なものですね。検挙対象となった産廃の不法処分の量は約四十万トンに及んでいる。これは前の年の四割増ぐらいになっているわけです。  産業廃棄物というのは、いただいた資料なんかで見ると、東京湾あるいは大阪湾の圏域において、推定最終処分量は、東京の場合が六億七千五百万立米、大阪が二億九千八百万立米、まあすごいもので、産廃は全体の廃棄物のうちの八五%ないし八六%を占めている。物すごい量になるわけです。  こういうような産廃を発生している東京圏あるいは大阪圏の事業所の数はどのぐらいになりますか。それから、その中で有害な廃棄物を出している事業所の数はどのぐらいになりますか。
  98. 山村勝美

    山村政府委員 ちょっと首都圏、近畿圏というような整理はいたしておりませんが、東京都を例にとりますと、約七十四万三千事業所で、このうち有害物質を含む産業廃棄物を排出しているのは千七百事業所でございます。また、大阪府について見ますと、約四十九万事業所で、このうち有害物質を含む産業廃棄物を排出しているのは約八百事業所でございます。
  99. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 ことに東京の場合に、産業廃棄物の前処理、中間処理施設の充足率というのはまだ知れたものでしょう。三割ぐらいですか。
  100. 山村勝美

    山村政府委員 東京都でどうこうという数字はいま持ち合わせておりませんが、全国的に、有害産業廃棄物処理施設について見ますと、かなり整備がされておるようでございまして、その稼働率等から逆に見ますと、むしろ余裕があるのではなかろうかというふうに考えております。
  101. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 全国的な話をしましても、いまは東京圏なり大阪圏のセンターについてどうしようかということの話なんですからね。ぼくらの聞いているのでは、東京は、この膨大な産業廃棄物処理施設というのはきわめてお寒い。あとは皆、生ごみで出しているわけでしょう。それはそうでしょうね。処理してないのは生ごみで出すよりしようがないわけでしょう。どうなるのですか、これは。いまセンターの大処分場をつくる。こっちの受ける方は中間処理したもの、前処理したものでないと受けないわけですから、さっきの言いましたね、発生の方はそれを処理して出すというのは三割かそのくらいのもので、あとは生ごみで出しているということになったら、さあ、これは一体どうなるのですか。不法廃棄物は、さっき言ったように物すごい検挙件数です。これは心配ですね。その面もお聞きしたいのです。  もう一つは、やはり発生源でよくチェックするためには、産廃については都道府県がやっていかなければいかぬわけですから、都道府県がいつもそこへ行って、指導していくわけですね。それでチェックを十分にする、何日かに一遍は行って状況をよく掌握して監督をするという必要があるわけだけれども、もっとも受け入れのところではチェックできないのだし、それ以外に方法がないわけですから、そのためには相当な人数が要りますよ。法による環境衛生指導員というのがありますね。処理法二十条では、都道府県環境衛生指導員を置かなければならぬ。これは東京と大阪で何人いますか。
  102. 山村勝美

    山村政府委員 産業廃棄物の発生あるいはそれ以前の生産プロセス等を含む一連の廃棄物に絡む行政の規制部分につきましては厚生省が所管をいたしておりますが、事実上、事業の指導等については事業所管庁の通産省あるいは通産局が当たっておるのが現実でございます。  規制面につきましては、現実に御指摘環境衛生指導員が当たっておるところでございまして、全国の総数は、五十五年十二月末現在で四千百十名でございます。五年前の五十年が三千五百十九名でございますので、若干増加いたしております。(五十嵐委員「東京、大阪は」と呼ぶ)東京の数字はちょっと持ち合わせませんが、そういう実態でございます。
  103. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 だめですね、ちゃんと数字を言ってくれなければ。都合の悪いのは余り言わぬのはうまくないですよ。つまり、言わないものは都合が悪い、こう思っておきますから。  しかし、いずれにしても全然足りないでしょう。これをきちっと充実して発生源で十分なチェックをしない限り、産廃の問題、ことに有害の問題は解決しないのではないですか。もっとも、このセンターがあろうとなかろうとこれは同じことでありますが、ぜひひとつこれを強化をしていくようにしてほしいと思いますが、大臣、いかがですか。
  104. 園田直

    園田国務大臣 御発言のとおり、現場でチェックすることは事実上は不可能だと思います。そうすると、どうしても積み出す前にこれをチェックする必要がある。だとすれば、この指導員の力、数というものは非常に大事でございますから、いまの御発言は十分承りまして努力をいたします。
  105. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 もう時間がありませんから、最後一つお願いですけれども、一般廃棄物処理事業費は五十三年度で総額一兆円を超えた。産業廃棄物処理事業費は恐らくその一けた上だろうと言われますから、十兆を超えるということになっているのではありませんか。大変なものであります。巨大生産、巨大消費、巨大廃棄、これは現代のいわば過剰社会というようなもののツケがいま来ているようなかっこうになっていると思うのです。まだ金で払っているうちはいいけれども、しかし健康な社会生活という上から言うと、どうにもならぬ危機がいまわれわれの前にあるのじゃないかという感じがしてなりません。今度のこの論議にしてみても、せいぜい昭和六十年、向こう十年ぐらいの長さでわれわれ論じているということになるわけでありますが、しかし廃棄物の問題の重要性から言うと、やはり資源だとかエネルギーだとか、こういうことの論議と同じように、われわれも相当この問題に対する発想を転換して、真剣に取り組んでいかなくてはならぬのだというふうに思うのであります。ところが、この重大な課題に対応していくための土台になる廃棄物に関する研究機関が、実はきわめてお寒いというか、不十分な状況にあるようであります。お聞きしますと、各大学の先生なんかも、それを本職としてやっているというよりは、何かのきっかけで廃棄物の問題にかかわって、一生懸命この問題に献身的に御努力している方々もおるわけでありますが、しかし、それは非常に少ない一握りのお方と言えるようであって、大変にこれが十分な状況になっていない。  どうですか、その研究機関あるいは研究者の現状というようなものについて、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  106. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物処理技術にかかる研究者の問題でございますが、廃棄物処理問題が比較的新しい技術分野であるというようなこともありまして、必ずしも研究者の蓄積ができていないというのが、御指摘のとおりの実態であろうかと思っております。数少ないそういう先生方を私どもも中央の委員会等にお招きいたしまして、いろいろ御意見を伺ったりして、よく相談しながらやっておるという実態でございますが、絶対数といたしましては非常に少ない状況にございます。
  107. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 処理法の第四条に、国や都道府県は、市町村の行う廃棄物処理事業に対して財政的援助とともに、必要な技術的援助を与えるよう努めなければならぬ、こう書いてあるわけですね。どうですか、この際政府は、国立廃棄物研究所のようなものをお設けになってはどうですか。これは関係者は非常に長い間念願しているところなんですね。関係の学者も非常にこの意見が強いですね。ここでこれだけのものをやらなければいかぬわけでしょう。きょうの論議だって大変だ。額にしたって何兆円というような膨大な額がそれに使われる。科学的にはまだまだ解明されていない面が多い。どういうシステムでやっていくか、ここいらに問題がある。それはもちろん十年で終わるというものじゃないですね。これはまだまだ先までかかる。  これは大臣、ぼくは絶対につくるべきだと思うんだが、いかがですか。
  108. 園田直

    園田国務大臣 廃棄物の量は年々急速に増大をいたします。この安全、それからぎりぎりまでこれを活用再生する、そして最後のものは非常に量を少なくしていく、こういう点から言って、御発言のとおり、専門の機関が必要であるということを私も認識いたしております。しかし、当面は間に合いませんから、国立公衆衛生院等既存の機関を活用しておりますが、将来はそういう方向に行かなければ、これはとうてい持ちこたえないと私も考えております。
  109. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そのとおりなんですが、しかし将来はと言ったって、これは事がこういうことですから、行政改革だとか財政再建で大変なときはわかるが、しかし、こういうようなことは何をおいてもぼくはやっぱりやっていかなければいかぬと思うのです。少なくともやっぱり来年あたり予算を要求して、手をつけていくというような構えで厚生大臣取り組んでほしいと思うが、再度お答えをいただきたいと思います。
  110. 関谷勝嗣

    ○関谷委員長代理 五十嵐君、時間が来ておりますので、お願いいたします。
  111. 園田直

    園田国務大臣 極力検討努力をするつもりでございます。
  112. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 どうもありがとうございます。
  113. 関谷勝嗣

    ○関谷委員長代理 次に、平石磨作太郎君。
  114. 平石磨作太郎

    ○平石委員 先ほどからの論議をお聞きいたしておりましたが、今回のこのフェニックス計画、まことに膨大な計画である。しかも、ごみ戦争と言われるぐらい、特に地方団体にとってはこのごみ処理ということで大変頭を悩ましておる。しかも、用地確保については非常な困難が伴っておるわけですが、そういう段階において今回のフェニックス計画が両省によって計画をされた。これは時期的には私は確かに当を得たものではあろう、このように感ずるわけではありますけれども、余りにも問題点が多い。そして、この資料によりましても、五十一年以来調査費をとって調査が行われておるわけです。だが、先ほどの論議にもありましたが、まさに架空の論議です。仮定の論議になっておるわけですね。私は、五十一年以来約八億円という調査をしておられるわけですから、当然ここで論議になるものについてはやはり調査がなされておるはずだ。われわれ素人のものが考えてすら大変な問題を抱えておるわけです。  したがって、このごみ処理についての、あるいは産廃についての緊急性といったようなことも理解できるわけですが、現在どのくらい発生量があるのか、全国的な数字と、さらに、いわゆる近畿圏、東京圏、これに分けて発生量をお聞かせいただきたい。
  115. 山村勝美

    山村政府委員 一般廃棄物につきましてはちょっと記憶が定かでありませんが、年間四、五千万トン、産業廃棄物につきましては二億四千万トンが排出されておると記憶いたしております。  そのうち首都圏につきましては、一般廃棄物につきましては千二百万トン、近畿圏では七百万トンが排出されております。
  116. 平石磨作太郎

    ○平石委員 これだけ調査をかけて記憶の程度ですか。もう一回。     〔関谷委員長代理退席、小此木委員長着     席〕
  117. 山村勝美

    山村政府委員 失礼をいたしました。  一般廃棄物につきましては、五十三年度調査で四千三百十九万トン、産業廃棄物につきましては二億三千六百万トンでございます。
  118. 平石磨作太郎

    ○平石委員 それで、このようにいわゆる排出量が出てくるわけですが、これの処理に当たっては、先ほどからいろいろ問題が出ました。この調査に当たってどんな問題が出ておったか、その問題点をお示しいただきたい。
  119. 山村勝美

    山村政府委員 一番大きい課題はやはり最終処分場の不足ということが数字として出てまいりまして、たとえば一般廃棄物で見ますと、大体六十年代前半には総体として処分地が足りなくなる、それで自分の地域処理できなくなる市町村数が年次的にどんどんふえてくるという状況、それからさらに、将来的に全く見通しが立たない市町村もどんどんふえてくるというような事情が最も大きな点でございました。
  120. 平石磨作太郎

    ○平石委員 これだけの調査がなされておって、発表せられないのかもわかりませんけれども、明確な発表がありません。  そこで、具体的にお聞きをしていきます。  これだけの発生量があるわけですが、もちろんこのフェニックス計画についての緊急性は理解できるのですが、大体このフェニックス計画が立てられないということに仮定して、現状での処理ではどのくらいの余裕があると見ておりますか。
  121. 山村勝美

    山村政府委員 首都圏、近畿圏における状況で見ますと、首都圏では内陸処分については処分実績から見て二・六年、近畿圏では五・九年、三年、六年の状況でございます。なお、海面埋め立てに依存しておる割合がわりあい多いわけでありますが、海面につきましては首都圏、近畿圏とも約八年、総体といたしまして、首都圏につきましては約五年、近畿圏につきましては約六年の余裕があるというふうに考えております。
  122. 平石磨作太郎

    ○平石委員 いまお話がありましたように、首都圏においては二・六年、近畿圏においては五・九年、こういうお話でございます。  ところで、これらのものを処理するに当たって、今回いわゆる第三セクター方式によるところのセンターができるわけです。これは考えてみますと、非常に地方自治法にもいろいろ関係が出てくる。しかも、これは一体どういう法人になるのか、この性格をまず明らかにしていかねばならぬと思うのですが、地方公社方式とおっしゃっておるわけですが、広域的な地方公社方式ということになれば、それはどういう性格のものであるのか、これをひとつ明らかにしていただきたい。
  123. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  この法人の性格でございますが、センターのその主たる業務は、地方の事務委託を受けて行うものでございます。そういう意味からいたしまして、その性格とかセンターに対します監督の態様を見てまいりますと、いわゆる地方公社の方式を参考にしておるというふうに考えるものでございます。しかし、その関係します地方公共団体の数が非常に多いわけでございまして、かつ事業を行うその対象の範囲が広域にわたるということから、設立団体によって設立する方式をとりますと大変事務が繁雑になるという問題がございますので、発起人を設けまして発起人による設立という方式をとったわけでございます。  こういうことで、地方公社に似た方式であるというふうに御説明をした場合もございますが、若干特殊な姿をとっておりまして、広域でありますために関係する地方公共団体がたくさんありますので、単独の地方公社と違いました仕組みが必要だということから、管理委員会というような組織を設けて、それぞれの親であります地方公共団体あるいは港湾管理者との間の意思の疎通を図るといったような特色を設けたわけでございます。
  124. 平石磨作太郎

    ○平石委員 広域的になれば一部事務組合といったような形式があるわけですね。一部事務組合にできないのか。これはいままでの現行法の中では、一般ごみについては市町村長の権限事項、責任事項ですね。それから、産廃についてはもちろん都道府県知事が関与いたしておりますが、そういうように権限がそれぞれの地方団体にあるわけですね。それで、地方団体がみずから処理するというのがいままでの方式です。そして、ここに第三セクターをつくるということについては、一部事務組合といったような、そういう権限に基づいて一つのものができるということが本来の姿じゃないかという気が私はするわけですが、それができなかった理由をおっしゃってください。
  125. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 このセンターが考えております業務は、廃棄物最終処理場建設及びその管理運営といった仕事と、それから、この問題を一方港湾のサイドから見ますと、港湾の必要な用地の埋立造成、こういうふうな業務を両面から持っております。  それで、こういった両面の業務を現行の地方自治法上の一部事務組合で実施をするといたしますと、いわゆる複合事務組合というかっこうになるかと思うわけでございますが、複合事務組合の場合は、これを構成する者が市町村だけということで、都府県を含めた複合事務組合というのが現行制度上なじまないということがございまして、別の考え方を導入したわけでございます。そして、ただいま申し上げましたようなセンターというものを別につくりまして、これにそれぞれの責任を持つ公共団体が業務を委託してやらせる、こういう考え方をとったわけでございます。
  126. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そこで、いまおっしゃったような形式をとっておるわけですが、地方自治体の権限事項を委託をする、そして一つの法人をつくる、そしてその法人がやはり委託を受けて業務を行う、こういう形になっておるわけです。私は、いままでの体制から申しますと、そういう新たなものがここに一つ、いろいろな多目的的な関係で生まれてくる、こうなりますと、地方団体に出資金は出させてあるが政府はただ指導監督するだけだ、こういういわば逃げと言っては語弊がありますけれども、消極的である。地方団体の方も、そういう形でセンターに頼むというような形になりますと、私はいわゆるセンターというものが、権限はもちろん委託に基づくものでございますけれども、一つ処理するところの行政体のような形になってしまうおそれがある。しかも、これに対しては、もちろん認可の権限もありますから監督はいくと思いますけれども、政府自身がこれに地方団体と同じように出資をして責任分野を明らかに持つような方式がなぜとれないのか、どうして全部地方にそういうような形にしたのか、このことをひとつお聞かせいただきたい。
  127. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  地方公共団体及び港湾管理者の事務というのが、今回センターが考えております業務の内容そのものでございまして、この地方公共団体固有事務を行わせる組織でございますので、地方公共団体が出資をしてその運営に当たっていただくというのが一番適当な方法だというふうに考えました。  それで、国の関与と申しますか、全く国が関与しなくてもよければこれはまたそういうやり方もあるわけですが、広域的な問題でございますし、国の関与しなければならない部分もあるということから、法律上一番最小と申しますか、緩やかな意味で、後見的な意味での監督といいますか、認可等の業務を国が分担をする、そして責任はできるだけ地方公共団体に負っていただくという形が最もこの業務を実施するのに適当だというふうに判断したわけでございます。
  128. 平石磨作太郎

    ○平石委員 私がなぜこれを聞くかと言いましたら、非常に問題を抱えております。だから、これが発足を始めましたら必ずいろいろな問題が出てくる。当然そこには基本計画ができ、実施計画センターにおいて行われるわけですけれども、大変な問題が出てくるわけですね。そうすると、いわゆる責任団体としての地方団体はばらばらです。政府もそれから手を引いております。指導監督だけです。事業を行うことに伴う問題がいろいろ出たときに、指導監督という立場でしか関与しないという形になりますと、いわゆる監督権限というか、論議をするに当たって、現実にはセンターが業務を行っておりますので、地方団体はこれはセンターがやっておりますから、こうなる。県へいってもセンターでやっておりますので、事実上はこういう形になってしまうということです。それでは、住民のいろいろな問題が守られることが非常に危惧されるということから申し上げておるわけです。  次に進ましていただきますが、この計画は、もともと基本的な考え方は一応埋立地をつくって、それを将来は売却をし、処分をしてペイする、こういう形になっておるわけですね。たくさんの費用がかかるけれども、これが埋立完了後においては埋立地処分を行い、売却を行って一応それまでの経費をペイするんだ、こういう基本の考え方ですか、どうですか。
  129. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 埋立地処分いたしました金額、そこから委託をいたします管理者からの委託料あるいは事業者から取ります処理料、そういうものを総合いたしましてペイするという考え方でございます。
  130. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そういたしますと、非常に良質な埋め立てにならぬとペイできぬということです。これを売却し、処分するということになれば、良質な埋め立て公害物質を、あるいは有害物質埋め立てたようなそんな埋立地をつくったのでは全くペイはできません。買い手がおりません。処分ができない。したがって、この事業を進めるに当たっては、先ほどから論議のありましたように、この業務を遂行するセンターは、あるいは地方団体がやるのか知りませんけれども、一般ごみについては市町村長の責任産廃については企業責任が課せられておるわけですが、ここでそういった物質をどのようにチェックするか。このチェック機能が果たされなかったならば不良な埋め立てになるのではないか。ここが一番の問題になるんじゃないですか。これに対する体制の問題、どのようにチェック機能を発揮していくか、どういう体制でするかということを、調査の段階で八億円もかけておるのですから明らかになっておると私は思うのですが、お聞かせをいただきたい。
  131. 山村勝美

    山村政府委員 広域処分場への廃棄物の適正化によりまして跡地が有効に利用されるように配慮することは当然でございまして、調査の過程で、従来、各地方公共団体単独のいわゆる廃棄物埋立護岸工事等で廃棄物の埋立処分が行われておる実績が幾つかございます。大阪、東京等にもそれぞれ例があるわけでございまして、それらの管理体制チェック体制というものについていろいろ調査をいたしております。それを参考にしながら、入り口でのチェックのほか、搬入する者、いわゆる事業者あるいは業者、そういった者と、どういうものを入れるかということをきちっと事前に契約をしまして、ゲートでのチェックがやりやすいように、あるいは適確にできるように配慮することも必要でありますし、何よりもそういうものが混入しないような事業者責任による適正な有害廃棄物処理、あるいは一般廃棄物につきましては市町村がそういうものを混入しないような措置、そういうものについて徹底していく必要があろうかと考えております。
  132. 平石磨作太郎

    ○平石委員 口ではそのように簡単におっしゃるのですが、現実にいまの状況を考えたときにそれができておりますか。私は相当な人員も要るだろうと思う。だから、この産廃については一応企業責任にお任せ、しかも、それには処理基準があり、あるいは処理業者委託する場合にはいわゆる委託基準がありますけれども、これが本当にそのように行われておるのだろうかどうだろうか。私は、企業の方々はやはり努力はしていらっしゃると思いますけれども、これには、いまも質問の中で出ておりましたが、相当公害物質の不法投棄の問題もあります。そういった検挙された人たちが大体五千件もあるというような話の中では、企業が本当に責任を持ってやってくれるかどうか、これは私たちとしたらやはり心配な点です。ここは企業にお任せということでなしに、チェック機能を別に持ってチェックしていく、こういう体制が必要でないか。しかも、東京湾に埋め立てるものは一応二億五千万立方、近畿では一億四千万立方、こういう計画がなされておるわけですが、これを全部搬出し、運搬をしていくについて強化せねばなりませんというお言葉では、どのように強化するのか、ひとつお聞かせをいただきたい。
  133. 山村勝美

    山村政府委員 繰り返しになるかもしれませんが、未然にそういうものが入らないように措置することがまずやるべきことであろうかと思います。現在、有害な産業廃棄物を排出する事業場の事業者は、その処理の業務をその責任において行うわけですが、そのために産業廃棄物処理責任者というものを置くことになっております。また、他人に委託する場合でも、これは有害産業廃棄物である旨を明らかにし、有害物質ごとに区分してその種類、量を文書でその業者なら業者に、受託者に対して渡してそれが適確に処理されているかどうかを確認する、さらに不法投棄した場合には他の廃棄物と違ってさらに厳しい罰則がかけられる等々の規定がございまして、そういった現在の仕組みが厳正に守られるよう指導するということに相なるわけでございます。不法投棄の中に経済的な理由で不法投棄をするというような理由も相当挙がっておりますが、そういう悪意のある者に対してどう対処するか、これは企業の中に入って、地方の通産局あるいは監視側にあります環境衛生指導員と協力しながら適宜立ち入り等をすることによってチェックしていくことが必要であろう、それをさらに徹底していく必要があろうと考えておるわけでございます。
  134. 平石磨作太郎

    ○平石委員 有害物質等については明示の義務がある、いわゆる明らかにするというだけのことですね。明示しておこう、ただこれを表示すれば、企業の方はそれを明示して処理業者にお願いする、こういう中で、私は、できるかどうかという危惧を持つわけです。やはり一つ一つ点検しなければならぬ。ただ、点検するということになると、現在大阪市が行っておるようなこともちらっと聞かせていただきましたが、大阪は現在一日当たり四百五十台、これを八時間で割ったら一分に一台ですよ。これは交通の問題も一つ出てきますけれども、これをチェックするといっても不可能ですという話なのです。これは物理的にできません。だから、今回この大きな計画に基づいて一億トンも二億トンもの容量を搬出しようというのですから、大阪市がやっておるようなことで一応計算してみましても何千台という車ですよ。しかも、処理業者が一方の排出者からもらったものの上へBという排出者からもらう、一カ所、二カ所というふうに集めて持ってくるということもあり得ることです。  こういうときにどうしてそこがチェックできるかという問題が出てきます。強化をいたしまして、徹底をいたしましてというのはわかるのですけれども、事実上これは不可能である。そういたしますと、ペイしようとするいわゆる良質な埋め立てということができません。これでは、この計画によるところの将来埋め立てが完了したときにペイするような方法で云々とおっしゃってもそれはなかなかむずかしいのじゃないかなという気がしてならぬわけです。  このことについては厳重に、政府の方は一つチェック体制を、人員その他どのような方法でやるかということを、これはセンターにお任せでございますと言われてもセンターに対してわれわれはどうのこうのできぬ。だから、政府自身がこうやりなさい、こういう体制は整えます、市町村なら市町村に整えますという形にしてあげないと全部これが地方団体にかかってくるという懸念が出ておるわけです。この点についてもう一回、くどいようですけれども、お答えをいただきたい。
  135. 山村勝美

    山村政府委員 諸外国の処理体制等についてもいろいろ情報収集をいたしまして、たとえばマニフェスト方式というようなことも考えられます。といいますのは、ある事業者業者委託をする際にちゃんとその内容を示した伝票を渡しまして、それが完全に処理場あるいは最終処分場に持ち込まれた段階で同じものが入ったという判こをもらって事業者に持ち帰って初めて金が払われるとか、そういったきめの細かい工夫をしながらやっていく必要があろうと思っておりまして、現在の生活環境審議会の中に廃棄物処理部会というのがございますが、その中でもそういった基本的な問題について議論をしていただくことになっておりますので、そういった面も含めて今後十分検討してまいりたいと思っております。
  136. 平石磨作太郎

    ○平石委員 時間がなくて途中しり切れトンボになりますが、また午後やらせていただくことになるわけですけれども、これを搬出する自動車はどのくらい要ると勘定していますか、一言。
  137. 山村勝美

    山村政府委員 まだ正確にはじいてございませんが、かなり大きな数になると考えております。
  138. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そういうことが調査になるのじゃないですか。基本的な調査だと先ほど運輸大臣はおっしゃったのですが、まさにこういうことが基本的な調査ですよ。海流の関係もありましょう。大阪湾なら大阪湾、東京湾なら東京湾、船腹は非常に過密です。その中に埋め立ての島をつくっていく。果たしてこの港湾の船の運航の安全が保たれるのかどうか、あるいは自動車で搬出する場合にどれだけの量の自動車が要って、どこをどう通って、交通公害が起こらないようにするといったようなことは調査項目にないのですか、あるのですか。
  139. 山村勝美

    山村政府委員 一応想定されます搬出基地、処分場からいいますと搬入基地をどういうふうに想定するかということが基本的にありますが、私どもでやりましたのは、八つばかりの地域から一つの島状になった処分場に運ばれるという想定をいたしまして、一つ搬入基地にはこれこれの市町村が入る、これをある市町村から向こうの、たとえばAという市から第一の搬入口へ持っていけばどうなるかとか、コンピューターを使ったシミュレーションはいろいろとやっておりますが、まだ具体的にどこをどういう経路で運ぶかというところまで調査をいたしておりません。
  140. 平石磨作太郎

    ○平石委員 後に譲りますけれども、私はこういう絵をいただいておるわけです。調査費が八億かかっておるのですよ。そういうものがただこういう絵だけでは話にならぬと私は思う。少なくとも何台の自動車が要ってどうなるか、経路は別としましても、これでどのような影響が出てくるか、あるいは大阪湾、東京湾における船にどのような影響が出てくるのか、これは基本的事項ですよ。こういうものがわからないから非常に審議がやりにくい。しかも、仮定の話にしかならぬ。問題点指摘することしかわれわれの審議はできないということ。私はもう時間が来ましたので次へ譲らせていただきますが、政府はそういう面のもっと基本的な資料を出すべきだ、このことを強く要求して、午前中の質問を終わります。
  141. 小此木彦三郎

    小此木委員長 米沢隆君。
  142. 米沢隆

    ○米沢委員 今回提案をされております広域臨海環境整備センターの設置につきましては、大都市圏における膨大な廃棄物の発生に備えて海面埋め立てによる廃棄物最終処分場を確保し、あわせてそれを港湾機能の一層の拡充、臨海部における再開発に役立てようというものでありますが、まず最初に、海面埋め立て処分場を確保しなければならない大都市圏廃棄物処理の緊急性とセンター設置の必要性、二つ目に、大都市圏における港湾機能を拡充しなければならないことの緊急性とその必要性、三番目に、将来このセンターが各圏域内にどのような事業をどのようなタイムスケジュールで行おうとしておるのか。第一の問題はほぼわかりましたので、後半の二と三の問題について簡単に説明をいただきたいと思います。
  143. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  現在、センター事業が予想されております海域は、東京湾あるいは大阪湾でございますが、この両海域におきましては現在相当程度の港湾整備が進んでおりますけれども、なお将来にわたって整備をしなければならない問題が多々ございます。現在の五カ年計画あるいは新たに定めます五カ年計画、さらにその後十年あるいは十五年に及びます各港の港湾計画におきまして相当量の緊急性のある港湾整備の必要が起こっております。  それから、次の御質問でございますが、今後のセンターにおきまして実施いたします予定の事業でございますが、私どもが現在までに調査をいたしました結果から、昭和六十年から七十年に至ります十年間に大阪湾の圏域で排出をされます廃棄物の量からほかの方法処理をできます可能量を引きますと、ほかの方法では最終的に処理のできない、本センター事業によって稼働しなければならない廃棄物量が出てまいります。この量が先ほども話題に出ておりました一億四千万立米という量でございますが、この量を大阪湾の中で埋め立てによる最終処分を実施する、そのための事業をこのセンターで行うということでございます。これを土地の面積に一応換算をいたして、これも基本的な調査の結果ほぼ可能な予定水域を想定して、その水深等から計算をしたものでございますが、そういたしますと約八百ヘクタールほどの規模の事業をする必要があるということになっております。  この規模の事業をどの海域でどういう順序で実施するかを具体的に申しますと、それを一つでやるのか、まとめてやるのか、二つあるいは三つに分けてやるのか、そして分けた場合にはそれを一度に三カ所でやるのか、何回かに分けてやるのかといったような問題は、今後センター基本計画あるいは実施計画段階で十分検討の上決めていかれる問題であろうと思っております。
  144. 米沢隆

    ○米沢委員 厚生大臣、膨大な廃棄物の排出に備えるというこの問題は、その緊急の度合いの差はありましょうけれども、ひとり大都市圏だけの問題ではありません。近い将来全国各地で問題化するであろうと思われるわけでありますけれども、この点厚生省はどのように対応されるおつもりか。もう局地的にはすでに大きな問題となっているところがありますね。全国各地実態等もあわせて御答弁いただければ幸いであります。
  145. 山村勝美

    山村政府委員 最終処分場の確保の問題は、人口稠密なわが国におきましては一般的に非常に難渋をいたしておりまして、全国的な課題でございます。それで、五十一年以降国庫補助制度を設けまして、あるいは五カ年計画に基づきまして計画的に整備をいたしておるところでございます。平均的に見ますと、大体五年ないし六年分ぐらいの余裕は、ならしてみますとあるようでございます。五十六年から六十年度の第五次五カ年計画におきましても、大体五年ぐらいの先行きは少なくとも確保したいということで事業費を予定いたしておるところでございまして、国庫補助等によって計画的に整備してまいりたいと思っております。  なお、広域的な処理を考えたのは首都圏、近畿圏の二つの圏域と、現在可能性と申しますか、必要性の調査を行っております中部圏が考えられるわけでありますが、その他につきましてはなお地域的な努力によって市町村独自の行政区域の中あるいは数市町村共同して一部事務組合の形で処分場を確保するとかいうような形で対応できる状況にあるというふうに判断をいたしております。
  146. 米沢隆

    ○米沢委員 いわゆるごみの発生量はその国の文化程度に比例する、こう言われるわけでありますが、現在の廃棄物の発生状態あるいは処理のあり方を追認するとしますと、近い将来日本全体が夢の島になる可能性なしとしない。そこで大事なことは、言うまでもなく、廃棄物処理施設整備充実と同時にこの廃棄物発生の抑制努力、減量化技術の推進、その再生利用の普及徹底ということを急がねばならないと思うわけでありますが、この点政府の方針をこの際伺っておきたいと思います。
  147. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおり、廃棄物を極力減量化し、そのためには各家庭からの排出を抑制し、資源化によって物質回収をしていくという努力を続けていかなければならないというふうに考えております。今回のセンターによる広域処理場の有効かつ長期的な利用という点からも当然に基本的な前提条件としての施策であるべきであろうという認識をいたしております。  具体的には、一つは資源となるべき物質回収の体制整備の問題でございますが、現在、住民の自治活動によりまして集団回収が行われておる、あるいは再生資源業者による巡回回収、あるいは市町村計画的に分別収集をいたしまして、資源ごみと廃棄ごみに分けるといったようなことで資源物質の回収を図っておるところでございます。現在なお努力すべき余地が残っておりますので、これらについてはあらゆる機会をとらえて、たとえば環境衛生週間等PRの時期もございますので、あらゆる機会をとらえて資源化あるいは減量化の思想の普及徹底を図ってまいりたいというふうに考えるわけでございます。  なお、市町村は分別収集をやっている体制がまだ弱体なような印象を持っておりますので、なおその徹底を図るよう処理形態といいますか、回収形態の変更についても指導してまいりたいというふうに思っております。  問題は、再生資源市場が不安定であるという制約もございまして、果たして回収されたものが順調に資源化されていくのだろうかというような問題もございます。あるいはそのためのストックヤードもどうなのかというような問題もございますので、なおその点については研究を要する余地が残っておるように考えております。  また、一応廃棄物として出てまいりましても、市町村処理場の中で機械的に選別をする、あるいはそのうちの有機物を堆肥化処理施設といったもので肥料化しまして農村に還元をするとか、さらにエネルギー利用の立場から焼却余熱を使いまして発電をし、あるいは余熱を周辺地域地域暖房でありますとか老人福祉施設とかといったものに供給するといった余熱利用施設の促進も図っていかなければならない。これら市町村の行います選別、コンポスト、発電施設等につきましては国庫補助対象として鋭意整備をいたしておるところでございます。  また、実験事業といたしまして、豊橋市におきまして、農村、都市の廃棄物処理し、肥料をつくり、エネルギーを取りまして、それを温室等に熱として供給し、老人ホームに供給し、あるいは肥料として田畑に還元するといったようないわゆる循環システムにつきましても、工場等によりまして行いまして、現在評価をしておる段階でございまして、こういったモデル事業を通じて、各市町村においてそういう循環計画を立てるような端緒といたしたいというふうに考えておるわけでございます。  そのほか、産業廃棄物につきましては、事業所管庁であります通産省においてかなり広範に研究が進められておりまして、逐次実用化されておるように承知をいたしております。
  148. 米沢隆

    ○米沢委員 いろいろと御説明をいただきましたが、私は、この廃棄物処理法の第三条の事業者の責務、これが余りにも抽象的で精神規定的なものになっているところに本当は問題があるのだと思います。特にいま申し上げました排出抑制、減量化、有効利用等の徹底という問題につきましては、今回のように広域的な廃棄物の埋立処分等の方針が決定をされますと、やはり心理的には地方自治体あるいは産業界、こういうしなければならない課題の促進について動きが安易な方向に流れるのではないかということは心配されると思うのですね。現にいま東京都におきましても、本来焼却処分すべき可燃ごみが清掃工場に持ち込まれずに不燃ごみ一緒に埋立処分されている傾向がどんどん強くなっておる。そして、工場全体の燃焼能力に、約二〇%ぐらいそれが遊ぶ。これはごみの分別収集なんて言われましたけれども、実際分別収集なんてコストがかかるし、めんどうくさいし、やらないのですね。だから、可燃性のものを集めてそれを焼却場に運ぶというよりも、ちょっとまじっておったら、みんなこれは一、二の三で捨て場に持っていけ、こういう議論になるわけでありまして、特にこういう広域的な受けざらがつくられますと、幾ら地方自治団体、産業界に分別収集をやれなんて指令を出されましても、目の前に積まれたら、そんなことをせずに、こちらの方にお世話になるという傾向が私はまた顕著になるのではないか。  そのあたり従来と何か違った施策なり工夫なり、皆さんの行政指導がない限り、ここを頼り過ぎて、減量化するよりもこっち、再生利用するよりも、めんどうくさいからこっち、特にコストが合わないからこっちの方がいいという形になる可能性が十分ある。その点どういうような配慮をなされているのか、聞いてみたい。
  149. 山村勝美

    山村政府委員 資源回収につきましては、住民の協力あるいは市町村の努力、多面にわたるわけでありますので、今日まで過去四、五年研究費も積んでいろいろな実態調査もしてまいりました。かなりの蓄積もできております。したがいまして、それらの成果を集積いたしまして、各方面の知恵もかりながら、具体的な方法についてマニュアルなどをつくって具体的に指導を展開してみたいというふうに考えております。     〔小此木委員長退席、宮崎委員長代理着     席〕  なお、東京都の例が出ましたが、東京都の場合、都当局が直接収集しております廃棄物一般廃棄物の可燃物については一〇〇%焼却をいたしておる状況にございます。ただし、また、大口の事業者が持ち込みます廃棄物一般廃棄物の中には、紙とか燃えるものも入っておりますし、不燃物も入っておりますが、これについては現在なおそのまま埋めておるという実態がございます。それで、東京都に聞きますと、これらにつきましても完全焼却の方向で考えるという方向にございまして、処理施設の適正な配置整備によりまして対処していくということと聞いておりますので、そういう体制で進めていきたいと考えております。  なお、そういうものがどんどん安易に入ってくる仕組みでは困るではないかということでございますが、東京都の場合について見ますと、比較的外観チェックで制御できるのではなかろうかというような感じもいたしております。なお研究してみたいと思っております。
  150. 米沢隆

    ○米沢委員 そこで、細かな問題になりますけれども、これは先ほどから議論しております廃棄物搬入あるいはチェックの問題でございます。  この法律におきましても、廃棄物搬入と周辺地域の生活環境保全につき配慮規定がつくられておることは存じておりますが、問題は、実際上センター周辺はよほどの注意が向けられない限り、先ほどから問題になっておりますように、広域的な処理対策が集中型の事業とならざるを得ないことから、周辺の地元住民の納得というものが非常に得られない状況が出てくることを危惧するわけでございます。  そこで、先ほどから問題になっております内陸輸送の分散化の検討、それから搬入される廃棄物のたとえば臭気などの環境保全対策、これはどのような姿で最終的には受け入れるのか。受け入れるとするならば、やはりごみの最終形態のある程度の制限をしない限り、この環境保全対策というものはそう簡単になくならない。そのあたりをどういうふうに考えていらっしゃるのか。  三番目には、搬入される廃棄物チェック体制受け入れるときのチェック体制も先ほどから問題になっておりますが、焼却炉から出てくる、あるいは搬出、発生源あるいは焼却場の出口ですね、そういうところのチェック体制、現状と、これから先センターができた場合のセンターの入り口でのチェック体制、特に有害物質を除去しなければならないということはもう大前提でありますけれども、実際は現在でも有害物質というものが後になっていろんな環境調査等によれば出てきておるという現状を見ましたときに、決して有害物質そのものが現実の段階で完全に除去されておるという姿はないわけですね。  ところが、そういうものがもし入ってきて、チェック体制も不備のためにどんどん入ってくる、結果的にはセンターそのものの造成したところが第二次公害という将来にわたる可能性が出てくるなんということになりますと、何したかわからぬ、こういうことになるわけでして、この三点について、内陸運送の分散化の御検討はどう進んでおるのか、搬入される廃棄物環境保全対策はどう考えていらっしゃるのか、特に最終形態ごみの最終形態のある程度の制限は強化されねばならぬと思いますが、その点どうか。三番目に、搬入される廃棄物チェック体制、同時に、出てくる焼却場、発生源のチェック体制、現状と今後の取り組みについて御説明いただきたいと思います。
  151. 山村勝美

    山村政府委員 内陸部の輸送問題でございますが、今回の事業の最大の課題の一つと認識をいたしております。それは御指摘のとおり、車両集中に伴う周辺住民への影響の問題でございます。搬入基地の分散を具体的にどうするかという御指摘でございますが、これにつきましてはまだ具体的な詰めができておりませんで、大体現在の港湾を使ったりあるいは河川の河口部は使えないかどうか、そういったことをこれから具体的に基本計画決定までの二年余の間に決めていくということになりますので、先ほど来御指摘のように、車の集中という問題もありますので、慎重に検討させていただきたいと存じます。  なお、搬入につきまして、港はあるけれどもどうしても車が走れないというような事態も考えられますので、パイプラインでありますとか、ベルトコンベヤーでありますとか、そういったいわゆる車の走らない姿での方法についても含めて考えていく必要があろうかと思っております。  それから、入り口での、搬入施設周辺の環境問題でございますが、現在ごみ処理場等で悪臭問題に対応する方法としては、できるだけ臭気を一カ所にエアコンディション等によって集約しまして、それを焼却炉に導いてにおいを燃すといいますか、においをなくした状態で排出するというようなこともありますので、そういった面については具体的な段階で詰めさせていただきたいと思います。  それから、持ち込まれる姿でございますが、一つには、生ごみは絶対に入れさせない、可燃物はすべて焼却炉で焼却した上でその残渣のみを受け入れる。それから、泥状の水を含んだ性状のものにつきましては、含水率をある一定率以下に下げた状態受け入れる。それから、粗大ごみ、大きなごみにつきましては、ある寸法に破砕し、圧縮をした姿で受け入れる等のことを予定しております。したがいまして、一般の生ごみの焼却場と違いまして、先ほどの環境問題もそれほど、いわゆる悪臭に伴う問題は比較的少ないのではなかろうかというようなことを想像いたしております。  以上でございます。
  152. 米沢隆

    ○米沢委員 五十四年度の環境庁が行いました土壌汚染防止対策細密調査というのかな、こういう報告書なんかを読んでおりますと、依然として土壌汚染は拡大をしておるとか、PCBにかえた化学物質が新たに検出され始めたとか、そういう調査が新聞なんかにも報道されるわけですね。  このことを見ておりますと、やはり産業廃棄物というのは処分の仕方に問題があるのかもしれない、あるいは不法投棄という形で土壌の汚染につながっておるのかもしれない、あるいはまた処理したつもりが本当は処理されていないのかもしれないという意味で、特に今回は廃棄物という中身にいろんな建設残土だとかあるいはしゅんせつ土砂とか、そういうものを入れる、あるいは産業廃棄物まで入れるような形になっておりますから、このあたり、特に有害物質の除去という観点からは、やはり幾ら搬入体制チェックをされても、依然として一般の土壌が汚損されると同じようなかっこうで、この広域のセンターがやる埋立地も汚染される可能性は逆に強くなっておるのじゃないかという気がしてならないわけでございます。  その点は厚生大臣、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。
  153. 山村勝美

    山村政府委員 有害な産業廃棄物につきましては、本来事業者がその責任において処理をしていくという体系のもとで進められておりまして、それぞれ事業所は産業廃棄物処理責任者を置いて責任ある体制をとりなさいとか、あるいは人に委託するときには明快な形で文書を添付した形で委託するというようなこと等によって適正な処理を期待しておるわけでございますが、具体的には通産局の指導あるいは衛生サイドの監視指導、そういった面でチェックをいたしておるところでございまして、そういった未然の体制、先ほど御指摘のような土壌汚染のような問題が起きてはいかぬわけでありますから、そういうことのないよう、法の定めるところに従って徹底的に実施されるよう指導していく必要があろうかと考えております。
  154. 米沢隆

    ○米沢委員 にもかかわらず、有害物質はいろんなところで検出される。やはり有害物質が除去されてないという事実は認めてもらわなければいかぬわけですね。  一体どういうことでいつまでたっても有害物質みたいなのは除去されないのですか。
  155. 山村勝美

    山村政府委員 五十年に六価クロム鉱滓事件が出まして、そこで廃棄物処理法が大改正されたわけでありますが、そこでは事業者処理業者それぞれの責任分担が非常に不明確であったという点が最大のポイントでございまして、その段階からかなり、少なくとも体制、制度としては整備されたというふうに承知をいたしております。なお、その以降数年ということでなお不十分な面があろうかと思います。  また、六価クロム事件は廃棄物処理法施行前の古い状態でございまして、まだまだ制度ができない、まさに不法投棄、状態としては不法投棄された姿としてそういう現象が起きたと思いますので、過去においてそういう法律規制のない状態処分されたものがなお残存しておるということもあろうかと考えるものでございます。
  156. 米沢隆

    ○米沢委員 時間もありませんから午後の分に譲りたいと思うのですが、私はやはり処理技術にも問題があると思いますね。あるいはまたコンクリートに固めさえすればいいという議論にも私は問題があると思いますね。その点、たとえば四十六年の廃棄物処理及び清掃に関する法律施行令なんか読みますと、埋め立てる場合あるいは海洋投棄する場合にはコンクリートで固めろということになっておるわけですね。しかし、たとえば五十四年に出されました総理府令第七号、放射能なんかの廃棄物等については「コンクリートその他の固型化材料により容器に固型化して保管廃棄設備において保管廃棄すること。」というふうになっており、普通の産業廃棄物有害物質はコンクリートで固めろというだけ、それしか認めてないのですね。現に市町村がその他のやつを企業と組んでやろうとしても補助金が出ないのだ、コンクリートしか書いてありませんと言うて。そういう意味では、新しい技術をそこでとめてしまっておるのですね。これは私は大変問題だと思うのです。そういう反省からかどうか知りませんが、放射性物質廃棄物等についてはコンクリートで固める、その他の方法によってもというふうに、新しい技術を受け入れましょうという、まあ法令における受け入れ準備みたいなものが書いてあるのですね。だから、放射性にはコンクリートプラスその他の方法があって、普通の産業廃棄物有害物質についてはコンクリートしかないという、このところに、新しい技術を育てたり、あるいは再生利用だとか、あるいは有害物質を絶対外に出さないという固型化の方法とか、そういう新しい技術を適応させる意味においてどうも阻害要件になっておるような気がするのですね。現にそういうコンクリート固型というても時間もかかりますしコストもいろいろある。こんなのは方式もいろいろあると思いますが、そういう別の固型化方式でどうだというていろいろ調査してデータをそろえて持っていって、では市町村と話をしましょうか、こう言うても、その方式ではどうも自治省が認めてくれない。したがって、やはりコンクリートしかできませんわと言うて、そこで新しい技術をみんなストップさせてしまうという、いまこういう妙な政令になっているわけですね。  できれば私はこの政令を改正していただいて、コンクリート固型化及びその他の方法という部分を放射性物質と同じように入れていただいて、その他については皆さんの方で厳重にチェックしていただく、そういう形になることが本当は新技術を発展させていく呼び水にもなり得る、そう思うのでございますけれども、ぜひその点は御検討いただきたいのですが、大臣に答えてもらいたい。
  157. 園田直

    園田国務大臣 時代が変わってまいりまして、できた政令、制度等が阻害要因になっている、これは御指摘のとおりであります。さらに、それは阻害ばかりでなくて将来の開発を促進するものでなければなりませんから、いまの御発言の趣旨に従って改正する方向で検討いたします。
  158. 米沢隆

    ○米沢委員 ありがとうございます。
  159. 宮崎茂一

    ○宮崎委員長代理 浦井洋君。
  160. 浦井洋

    ○浦井委員 運輸大臣にお尋ねしたいのですが、いま連合審査をやっておりますセンター法案、この目的、もちろん法律に書いてありますが、運輸大臣としてどう心得ておられるのか、ひとつ最初に簡単に聞いておきたいと思います。
  161. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 港湾の秩序ある発展と開発、それから、それに伴いましてごみ最終処理場として活用するということと併用して実を上げたいと思っております。
  162. 浦井洋

    ○浦井委員 いみじくも運輸大臣港湾の秩序ある発展、こういうふうに言われたわけなんですが、厚生大臣、免活環境審議会の答申を受けて、厚生省としては法案作成にいろいろ努力をされたわけです。その中で、私、改めてこの答申を読んでみましても、港湾というような文字は一言も出てきておらぬわけなんです。しいて跡地利用というような項目のところを見ればこう書いてあるわけなんです。「また、跡地の利用については、地元地方公共団体等の意見を尊重し、周辺住民の生活環境等の整備に資する方向で、その利用計画をできるだけ早期に策定すべきである。」これは厚生大臣大臣としてはこの法律案について一体どう考えておられるのか。
  163. 園田直

    園田国務大臣 答申の趣旨も踏まえまして、特に大都市圏では土地が非常に濃密に利用されておりまして、廃棄物の量はふえるし、これを処理する場所はない。こういうことから、量がふえる廃棄物処理、これはどうしても内陸には求めることができませんから、海面、こういうところで法律案を考えたわけでございます。
  164. 浦井洋

    ○浦井委員 だから、両大臣の御意見がやはり、先ほどの答弁では厚生大臣は運輸大臣の答えと別に矛盾しておらないというふうに言われたわけですが、いまのお二人の話は食い違うわけであります。  生活環境審議会の答申をもう一つの側面から見ますと、こういう表現があるんですね。廃棄物の適正な処理を促進をし、環境の保全を図ることを目的とし、その実施では最終処分場建設は国が行い、最終処分場を自治体に貸し付け、運営は自治体が行う、こういうことなんですよね。だから、金は出すけれども国は余り口を出さないというような趣旨の答申であるのに、実際出てきたものは、国は金は出さないけれども口は出すというような形になって、しかも、いまいみじくも運輸大臣が言われたように、そのトップに港湾の秩序ある発展ということになってまいりますと、これはもう計画全体が、どういいますか、港湾整備が先行してしまって、ごみ処理がそれに続く、主とか従とかいう論議が先ほどありましたけれども、そういうものに変質させられてしまっておるのではないか、こういうふうに私は思わざるを得ないわけでありますが、とにもかくにも生活環境審議会の答申をみごとに無視しておるのじゃないですか。厚生大臣どうですか。
  165. 園田直

    園田国務大臣 どちらが主、どちらが従というわけではありませんけれども、廃棄物最終処理については私の方が非常に大きな責任と目的があるわけでありますし、その廃棄物処理という一つ手段として埋め立てができれば、その後は運輸大臣の方がと縦につなげば私は問題ないんで、横に肩を並べてどうこうという問題じゃない、こう考えておりまするから、答申の趣旨を踏まえてやっておると考えております。
  166. 浦井洋

    ○浦井委員 私はやはり生活環境審議会の答申がみごとに無視されておるというふうに思うわけであります。  そこで、少し先ほどからの議論とダブるかもわかりませんけれども、各論的に少々聞いていきたいのですが、たとえば東京湾圏域それから大阪湾圏域で、現在各自治体が使っておる処分地というのは、大体いつごろ満杯になるのですか。
  167. 山村勝美

    山村政府委員 首都圏、近畿圏ともに六十年前半、首都圏がならして五年ぐらいだったと記憶いたしております。それから、近畿圏については約六年ぐらいで限界に来るというふうに考えておるわけでございます。
  168. 浦井洋

    ○浦井委員 そこで、このセンター法案がもしつくられたならば埋め立てが行われる。大阪湾で言うならば八百ヘクタール、水深との関係がありますけれども。それがつくられたとして、これは大体いつごろ満杯になる予定なんですか。
  169. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 八百ヘクタールを予定しております事業ができ上がりますと、ほぼ十年間のごみの排出量に見合うと考えております。ただ、これは調査の段階で、現在やっております現状に基づくリサイクルとか、そういう方法を前提にしておりますので、今後そういう方面の努力がさらに進みますとか、あるいは残土の有効利用の方策がもっと進みますとか、そういうことになりますと、もう少し延びる方向になる可能性はあると思っております。
  170. 浦井洋

    ○浦井委員 これはいま局長言われたように、リサイクルの問題であるとかあるいは残土の処理、もっと有効活用になるということを見込んで言われたわけです。しかし、いずれにしても七十年過ぎぐらいには満杯になる。そうすると、たとえば近畿圏、大阪湾圏域、もう一遍、何百ヘクタールか知らぬですけれども、またつくるわけですか。
  171. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 その時点でなお最終処分場の必要があれば、計画をする必要があろうかと考えております。
  172. 浦井洋

    ○浦井委員 塩川運輸大臣、十年ぐらい前でしたか、関西財界で、いっそもう紀淡海峡と明石海峡を締め切って大阪湾なくしてしまえ、全部埋め立ててしまえというような議論が高度成長の前半時代に言われたことがある。これは運輸大臣も御記憶だろうと思うのですが、これは実際に破天荒な話でなしに、いまの局長答弁から言うたら、そういうような事態さえも起こりかねぬというふうに私は危惧するわけなんですが、大臣どうですか。
  173. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 大阪湾埋立構想は、私は不幸にいたしましてそういうことを聞いておりませんけれども、中に極端なことを言う人があって言うたのかもわかりませんが、私は大阪で生まれましたし、大阪湾というものがやはり自分らの海だと思うておりますから、そんな無謀なことは成り得ない、そんなことはしてはならぬと思うております。また、先ほど局長答弁しております大阪湾埋め立てを今度はやるわけでございますが、それも面積から言いましたら八百ヘクタールのことでございますし、埋め立てが終わるまでの間に、さらに技術の革新をして、廃棄物処理の対策を別途講じなければならぬのではないかと思うのであります。文明が進んでおりますのに、一方廃棄物に対する技術革新が進んでおらないというところに根本の問題があるように思います。私たちは並行して進めていかなければならぬと思うておる次第です。
  174. 浦井洋

    ○浦井委員 大臣大阪で生まれて育った、私は神戸で生まれて育ったわけなんですが、そういう点で、大阪湾というのはふるさとの海である。だから、これがなくなってしまうというようなことはゆめゆめあってはならぬというふうに私も思うわけですが、しかし、いまの施策の方向を延長していけば、技術革新で廃棄物はどんどん出てくるのにその処理方法は出てこない、おくれておるということになれば、これはもう大阪湾はなくなってしまうのと違いますか。私はそれを非常に危惧するわけであります。  そこで、八億円もかけて四年間一生懸命調査をされて、何を調査されたのかさっぱりわからぬわけなんですけれども、こういう点は調査されたわけですか。たとえば一般廃棄物について、先ほどから言われておる減量計画を具体的にどうするのか。あるいは、リサイクルといいますか、再利用の問題をどうするのか。こういう、どういう計画でどういうことをやればどれだけ効果があるのか、また、どこまで減量できるのかという具体的な問題について調査をされて、ある程度の結論をお持ちなんですか、どうですか。
  175. 山村勝美

    山村政府委員 現在の計画は、現状の再利用資源化のぺースをそのまま延長した形でございます。ただし、焼却等の中間処理施設整備の要素は考慮してございます。  いままで八億円の調査の中で具体的な調査をしたかということでございますが、それは直接的にはやっておりません。別の調査費等で実態調査等を進めてきております。
  176. 浦井洋

    ○浦井委員 だから、減量計画、再利用問題、それによってどれだけ効果があって、どれだけ廃棄物を減量することができるのか、どこまで再利用できるのかというようなことについて、大臣は、将来はそっちの方の技術革新も期待できるので減るだろうというふうに一生懸命言われているけれども、具体的な見通しはないわけですよね。そういうふうに考えていいですね。
  177. 山村勝美

    山村政府委員 減量化は当然考えていかなければならないということで、過去四、五年いろいろなデータ収集に努めてまいりまして、そういった実績も出てきておりますので、それらを踏まえて、計画段階でそういう要素も含めて見直してみたいというふうに考えております。
  178. 浦井洋

    ○浦井委員 見直してみたいという、これからの問題であって、いまはそういう見通しは持っておらないし、調査もやっておらないということなので、具体的に聞きたいと思うのですけれども、通産省来ておられますか。産業廃棄物についてちょっと聞きたいのですけれども、現在どういう業種からどういう種類の産廃がどういうような形態で出てくるものですか。
  179. 角南立

    ○角南説明員 産業廃棄物のうち、通産省が所管しております産業に限りますが、これによりますところの年々の排出量、いまわれわれが持っております一番新しいデータは五十二年度についてでございますが、全部で約二億四千万トン、こういうぐあいなものになろうかと推定しております。そのうち業種別には、たとえば鉄鋼業とかそういうものが多い、こういうことでございます。  そのうち、二億四千万トンの排出のうち再資源化に回っております率は、五十二年度では約四九%ということでございまして、これは毎年少しずつ上がってきておる、こういうようなことになっております。
  180. 浦井洋

    ○浦井委員 もう一つ通産省に聞きたいのですけれども、これは五十二年度の調査で、悉皆調査ではないわけですね。聞き取り調査でやられた。しかも、地域別のものはないわけでしょう。全国的なものであるわけでしょう。
  181. 角南立

    ○角南説明員 府県別の数字は持ち合わせてございません。(浦井委員「聞き取り調査であるということですね」と呼ぶ)はい、聞き取り調査でございます。
  182. 浦井洋

    ○浦井委員 それで、もう一つ、五十二年が最終の調査であって、五十四年度は現在同じようなやり方でやられて集約中であるわけなんですね。
  183. 角南立

    ○角南説明員 お話しのとおり、五十四年度のデータにつきまして現在集計中でございます。もう間もなくできるものと思っております。
  184. 浦井洋

    ○浦井委員 厚生省環境衛生局の出された「大都市圏における廃棄物最終処分場について」という、この十一ページの問題の表なんですけれども、これによると、大阪湾圏域の産業廃棄物の量は、六十一年度から七十年度まで三千五百万立米、こういうふうになっているわけですね。  そうすると、いま通産省は五十二年に調べたのが最後であって、しかも地方別には調べておらない、悉皆調査ではない、聞き取り調査であるということになると、一体三千五百万立米というのは何を根拠にして数字を出されたわけですか。
  185. 山村勝美

    山村政府委員 抽出調査をいたしまして、それを全体にトレンドしまして、それで将来推計をいたしております。
  186. 浦井洋

    ○浦井委員 このごろはコンピューターの時代ですから、適当に少数の数字を出してそれをコンピューターに入れれば、いかにももっともらしい数字が出てくると思うのですが、しかし通産省のいままでの作業からいって、これは余り根拠がないですよね。そうでしょう。  それから、建設省来ておられますか。建設省に尋ねたいのですけれども、同じこの十一ページの大阪湾圏域の表の中に、陸上残土については十年間に七千百万立米ですか、それなら建設省は近畿圏でこういうことを調査されたことあるんですか。
  187. 藤井崇弘

    ○藤井説明員 建設省におきましては、東京湾の圏域につきまして、東京湾圏域は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県でございますが、この圏域につきまして五十年度の建設残土の発生量、これは五十一年度に調査しましたけれども、五十年度の発生量は合計四千二百万立米に上っております。  大阪湾圏域につきましては、現在のところ調査は実施しておりません。
  188. 浦井洋

    ○浦井委員 運輸大臣聞かれたと思うのですが、厚生大臣はちょうどいま入ってこられたのですが、聞いておっていただきたいのですけれども、先ほど申し上げた産廃の量にいたしましても、あるいは陸上残土についても、ここに出ておる数字というものは、これははっきりした調査に基づいたものではない。そして、先ほど港湾局長も、それから厚生省の部長も言われたように、これからの廃棄物の減量計画についても、余り大した調査も具体的な進展もないということになると、これは一体どういうことになるのですかね。
  189. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 しかし、産廃の中でも相当固まったものの活用、たとえば最近鉱滓なんか道路敷に敷くというような活用の方法も考えておりますし、再生技術も相当進んでまいりました。それは確かに出る量が膨大なものでございますから、それの絶対値から見ましたら依然としてふえておる。これは私らも非常に残念でございますし、気に病んでいるところでございますが、しかし技術革新が進むにつれて、それを活用する技術もこれもまた非常な進歩をしてきているように思います。大体それを制限してでも減らすということになりますと、これはやはり国民一人一人の生活の水準を落とすということ以外にないと思うし、そういうことは実際は言い得てできないことでございますから、できるだけ出てくる廃棄物を少なくする。たとえば包装を少なくするとか簡単にするとか、あるいはまた代替物で間に合うものは何回でも使うようにするとか、そういうことをやはりあわせてやっていかなければならぬのでございまして、ごみが出るからけしからぬということだけでは解決していかないように思うております。
  190. 浦井洋

    ○浦井委員 ごみが出るからけしからぬ、ごみを出すからけしからぬというようなことを私は言っているわけではなしに、これは少々技術革新が進んでも、ごみがふえてくることは間違いないわけなんですよ。それに対して行政がきちんとした対応をして、将来見通しを持っていなければならぬ。ところが、厚生省にしても運輸省にしても、そういうはっきりとした数字的な見通しを持っておらぬではないか。八億もかけたんだから、だから、それによってかなりな数字が推計数字にしても出てくるはずなのに、その調査結果は出さない。それ以外にはないんだということでは、実際にこの法案、具体的な数字に基づいて審議のしようがないじゃないですか、どうですか。
  191. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほど申し上げました土量の問題でございますが、これは私どもの方で調査をいたした結果でございます。そして、可能な残土の有効利用等はこの中に含まれておると申し上げましたので、出し方といたしましては、原則として、地方公共団体あるいは港湾管理者が公共事業等に基づいて排出する残土を原則として考えておりますが、こういう残土を考えて、その残土の総量からそれを有効に利用できる、現在われわれがつかみ得る範囲で有効に利用できる場所にできるだけ有効にそれを入れるということを前提として差し引きます。そして、その残った分が先ほど申し上げました数字になっておるわけでございます。
  192. 浦井洋

    ○浦井委員 いろいろ調べているわけなんだから、手持ちの数字なり見通しなりを全部出して、それで国会で論議をせにゃいかぬわけですよ。私はもう時間がないから、たとえばいまずっと朝から問題になっておりますこの産廃処理方法チェック方法、あるいは産廃の料金の決め方、こういうようなことはもう省略いたしますけれども、結局いま局長言われたように、大阪湾圏域でいきますと、この表でいくと、これは確かに一般廃棄物千五百万立米、それといま言われた公共系の廃棄物、とれがたとえば上下水道の汚泥であるとかあるいは公共事業建設残土、こういうものも指されるわけでしょう。こういうものがほぼ二千万立米ということになって、合計三千五百万立米、これはもしできればこの最終処分場でやらざるを得ないと思うのですよ。しかし、もう純粋な民間の産廃であるとか、あるいは民間の建設事業の残土であるとか、こういうようなものは私はここへ入れるべきではないと思う。大臣大阪湾がなくなってしもうたら困るというふうに言われておるわけですから、この八百ヘクタールで、まあ  一カ所でないかもわかりませんけれども、こういう処分場というようなものがもしできれば、できるだけ長もちするように使わなければならぬというふうに思うわけなんです。だから、私いま申し上げたような一般廃棄物が千五百万立米、それから公共性の廃棄物が二千万立米ということになれば、この範囲でやるならば、十年間に全体で一億四千万立米入るわけでしょう。そうですね。だから、大体処分場は四十年間使える、こういうことになるわけですよね。そうでしょう、この十一ページの表でいきますと。だから、民間の建設事業の残土であるとかあるいは民間の産廃というようなものはこれはもう原因者負担との原則もこれあり、これは他の方法処理したらよいんではないか。これは私の提言なんですが、大臣どうですか。
  193. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 産廃を完全にシャットアウトしてしまって入れないということになりましたら、それじゃ出てまいります産廃はまたどこかにうろうろしておって、どこかへ行かなければいかぬ。それは結局のところ国民生活全体から見たら迷惑をこうむることでございます。でございますから、それらはやはり償うべきコストをちゃんと償わして処理さすところを用意するということも行政だと思う。でございますから、行政上出てくるところの汚泥だとかあるいは残土、こういうようなものは吸収するが産廃は一切やらないということは、これはいかがなものか。産廃には産廃のやっぱりPPPの原則に基づいてそれだけの負担をしてもらうということが、私はこれを解決する道だと思うのです。
  194. 浦井洋

    ○浦井委員 時間がないので私がちょっと質問を抜かしたのですが、厚生省運輸省の方へ聞いてみますと、この産廃の費用も、実費に少々プラスするぐらいだというような話なんですよ。それではどんどん産廃が入ってきてしまって、かえってそこで処理しなければならぬ第一のものがはみ出てしまう、そういうことを危惧するので私はそういう提案を申し上げたわけなんです。これはよく心得ておっていただきたいというふうに思うわけです。  最後に、私は神戸ですから、いまポートピアが開かれて、ポートアイランドあるいは六甲アイランドがあります。これは数字を申し上げますと、ポートアイランドの場合に面積が四百三十六ヘクタール、それで土砂量が八千万立米で、そして十五年間かかっておるわけですよ。いただいたいろんな資料から推計をしますと、このフェニックス計画案といいますか、センター法案、これ八百ヘクタールで一億四千万立米でしょう、大阪湾。それで十年に、初めにテトラポッドなんか入れる期間も入れると十二、三年、こういうことになって、これはポートアイランドというのは埋め立てを目的にしてつくったわけですね。跡地利用、跡地利用といいますか、とにかく土地をつくろうということで。それと同じようなスピードとやり方でつくろうというのが今度のセンター法案の考え方ではないか、これではいかぬのだ。やはり処分場として長く使おうという配慮が初めからなかったらいかぬ。だから、私は、最初に戻りますけれども、そういうやり方をやる運輸省の考え方、まあ厚生省もそうかもわからぬけれども、まさに港湾整備計画そのものではないか、そういうふうに私は批判をしておるわけなんです。  だから、そういう点で最後に要求をしておきたいんですけれども、いま十分な答弁がなかったわけですが、この廃棄物の減量計画というものを自治体にきちんと義務づけさせるということがぜひ必要だし、このセンター法案の適用範囲というのは、首都圏もまだはっきりした構想が出てないようですから、もしできたとしても近畿圏と首都圏、大阪湾と東京湾に私は限定すべきだと思う。そういう意味では、この法律案というものはもっと修正もしなければならぬし、同時にこれは十年少々ぐらいの時限立法にすべきではないかというふうに私は思うわけなんですが、これに対する御意見を聞いて、問題がなければ私の質問を終わりたいと思うのです。
  195. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 まず第一点、十年ということですが、私たちは十年が十五年でももたしたい、これは当然のことなんです。けれども、一応計算してみるとこういうことかなということで出しておるので、これはもうできるだけ長くもたすようにいたします。  二番目は、減量化でございますが、これは基本計画のときに私たちは十分に関係省庁並びに関係者と打ち合わせをいたしまして、投げ込むごみ基準というものは厳格にいたしたい。これはただ単に長もちだけではなくして公害の問題がございますので、これは十分にいたします。     〔宮崎委員長代理退席、小此木委員長着     席〕  それから、ポートピアの用地が十五年かかった。それはやはり山を崩してパイプ一つで埋めているのですから。トラックで入れておるでしょう、こちらは百何町村。道は一本なんですね。海に行くのは一本で、いわば神戸市の一つ事業として一本道でやっておられると聞いておるのです。ところが、今度のこのセンターは、百何ぼという町村が一斉にごみをほうりに来るのですから、その量たるや、範囲たるや、またこれは違うと思いますし、そういうこと等いろいろございまして、私らもできるだけこれを深く埋め込んでいきたい。いろいろなことも考えておりまして、仰せのことは私たちは非常に賛成なんですよ。言っておられることは、別に間違ったことを言っておられるということでは全然ない。私はそれは十分守っていく、こう言うているのですよ。ですから、それの趣旨に合うようにわれわれもやっていきます。(浦井委員「東京、大阪に限定することについて」と呼ぶ)これはそんなことを言ったって、やはり名古屋とか人口の多いところがありますから、ここらの将来の問題です。私ら、いま考えているのは東京と大阪だけです。しかし、将来二十年、三十年たっていって、人口の増加とそれに伴うごみの排出ということを考えましたら、東京と大阪だけであとはあかんねんということはちょっと言えないのじゃないか。しかし、現在のところは東京と大阪だけしか考えておらない、これはもうはっきり言えることでございます。
  196. 浦井洋

    ○浦井委員 厚生大臣、どうですか。
  197. 園田直

    園田国務大臣 運輸大臣と同じ意見でございます。
  198. 浦井洋

    ○浦井委員 終わります。
  199. 小此木彦三郎

    小此木委員長 次に、田島衞君。
  200. 田島衞

    ○田島委員 短い時間でありますけれども、厚生大臣にお伺いをいたします。  このセンター法案について、厚生省が検討し、結論を出すまでにはどのくらいの期間があって、どのような必要にして十分な準備、検討の機会、方法を持たれたのか、もしお答えいただけるならば。
  201. 山村勝美

    山村政府委員 五十一年度から準備をしたわけですが、五十二年度から調査に入りまして、地方公共団体とよく連絡をとりながらいろいろな諸調査を進めてまいりました。それで、昨年予算要求する段階以前に、たとえば、正確ではないかもしれませんが、近畿圏廃棄物処理対策促進協議会といったような名称のもとの協議会をつくりまして、連絡をとりながら調査を進めてまいりました。
  202. 田島衞

    ○田島委員 そういう検討の結果、厚生省としてこのセンターで期待し得る行政効果、厚生省としての行政効果、具体的にはどのように考えられておるか。
  203. 山村勝美

    山村政府委員 御案内のとおり、廃棄物処理体系といいますのは、収集運搬中間処理最終処分という一連の流れになってまいりますが、今日、廃棄物処理行政の中にはいろいろな問題を抱えております。資源化の問題もこれに関連してそうでございますし、不法投棄等の問題のあることも実態でございます。したがいまして、本来的な廃棄物処理行政の体系の中の充実ということについては十分施策を講じていく必要があると考えておりますが、先ほど来説明がございますように、大都市圏におきましては個々の市町村ではもはや対応できない。一般廃棄物責任は個々の市町村にあるわけでありますけれども、その責任がもう果たせないような実態があるということでございまして、それを救済する手段として、必要な市町村の分をこの広域処理場処理をしようということでございます。
  204. 田島衞

    ○田島委員 短い時間でお聞きするのは無理なのかもしれませんけれども、これだけの一つの新しいセンター構想を持つについては、当然にそれなりの厚生省としても喜んで一緒に乗ってがんばってやっていくべきだという、行政効果に対する確信があってしかるべきだと思うのですよ。いまのお答えでは本当に月並みで、そんな程度のことでやろうと考えているのかなというまことに心細い話なんですけれども、これなくしては困るのだ、もしこのセンターというものができなかったらこうなるであろう、できることによってこういう効果が上がるという、もっと万人をして納得させるような行政効果についての見解はありませんか。
  205. 山村勝美

    山村政府委員 端的に申しまして、各自治体がたとえば中間処理をし、資源化をし、減量化しましても最後の残渣は残るわけでございますので、当該行政区域内において処分というか、保管したような状態が各所に出てまいる、それに伴う環境の悪化ということで住民が非常に困るという状態が発生するわけでございますので、そういうことを排除するという効果が第一、最も大きいものでございます。
  206. 田島衞

    ○田島委員 ちょっと角度を変えて、運輸省としては港湾行政としてのいろいろ別な立場での考え方があるのでしょうけれども、当然厚生省厚生省としてこの問題に持たなければならぬ強い関心があってしかるべきだと思うのです。その中で、すでにほかの委員さんからも質問が出たことでもあろうと思いますが、廃棄物の中にはいろんな廃棄物がある。有毒性のものもあり、有害性のものもある。そういうものに対して、有毒のものについてはどのような施設でどのような処理をする、有害なものについてはこうだという、具体的な計画をすでにちゃんと固めておられるのか、これから固めようということなのか、どうなんですか。
  207. 山村勝美

    山村政府委員 有害廃棄物につきましては、それを排出する事業者責任において処理をするという原則でございまして、地方公共団体等で計画を立てて進めるべきものではございませんで、廃棄物処理法の規制の中で事業者が適正に処理をしていくというものであろうかと存じます。
  208. 田島衞

    ○田島委員 要するに事業者任せ、こういうことですか。たとえば、その事業者に任せる、それは結構です。しかし、任せた結果うまくいくかいかぬか、うまくいくという確信はどこにあるのですか。
  209. 山村勝美

    山村政府委員 事業者の意識の問題が根底にあって非常にむずかしい課題でございますし、実態を見ましてもなお不十分な面があることは承知をいたしておりますが、制度といたしましては、有害廃棄物を排出する事業者処理責任者をきちっと置いて、たとえば廃棄物を出す場合には、その廃棄物がどう動いたかとかといったようなことを確実に把握して責任をとっていくということがたてまえでございます。それに対応して、それを補完するといいますか、監視するという立場から、環境衛生指導員を中心とした県の衛生当局が監視に当たり、かつ違法な行為については警察当局が監視をいたしておるところでございまして、基本は事業者責任を持ってやっていくということでございますので、それらのモラルの向上とかそういったこともあわせて、また事業所管省庁の御指導も仰ぎながら適正な処理に万全を期するよう措置していく必要があろうかと考えております。
  210. 田島衞

    ○田島委員 厚生省の考え方としては何か少し甘いんじゃないか。港湾行政の立場とは別に、もっと厳しい態度でこの問題については検討しなければいけない。本来ならば、一体厚生省が中心になるのか運輸省が中心になるのか疑問だと思うのですよ。だけれども、その疑問について質疑応答をしている時間がだんだんなくなりますから、最後に、どのくらいの時間があるかわかりませんけれども、この法案の中の各定義について、たとえば広域処理対象区域、それは一つの都府県の区域を越えた廃棄物の広域的な処理を適当とするということと、処理のために海面埋め立てを必要とするところ、この一と二について厚生大臣が指定するとありますけれども、処理のために海面埋め立てを必要とするということについて厚生大臣が指定するということは、海面がそばにある場合ですか、なかったらどうするのですか。それから、広域処理場整備対象港湾についての定義は、その必要な条件を満たすものとして運輸大臣が指定するもの、こういう。厚生大臣は、このごみは広域処理すべきだ、それで海面埋め立てすることが適当だ。だけれども、運輸大臣の方でその港湾は適当でないと言うことはあり得ないのか、あり得た場合どうするのですか。
  211. 山村勝美

    山村政府委員 このセンターが動き出す最初の段階で広域処理対象区域を厚生大臣が指定することになるわけでありますが、御指摘の点は、その地域の問題として解決できない、二府県以上にまたがった範囲で運ばざるを得ないという条件がまず第一点でございまして、その際、内陸埋立処分の可能性が少ない、内陸では処分できないという状況があって海面に埋め立てをせざるを得ないということが前提でございまして、そういった観点から特に必要であるという、安易に内陸のごみを海に持ち込まないということについて厳密性を要求しておるというふうに理解をいたしております。
  212. 田島衞

    ○田島委員 これが最後ですけれども、本来海面埋め立てをすることの方がいいのか、そうでない方がいいのか。もちろん処理場を確保するという点で陸上と海面とでのいろいろな問題、制約があるでしょうけれども、陸上にもしそのような場所が求められるとすればその方がいいと考えるのか、何でもかんでもむしろ陸上よりも海面へ持っていった方がいいと考えられるのか、その点は厚生省どうですか。
  213. 山村勝美

    山村政府委員 これは地域の問題として考える場合あるいは都市の問題として考える場合、廃棄物による埋め立てを行うということは一つの土地ができるということでもございます。したがいまして、廃棄物処理行政と港湾あるいは都市の再開発といった都市行政とをドッキングをさせたような観点から総合的に判断すべきものだろうというふうに考えます。
  214. 田島衞

    ○田島委員 委員長、もう時間がないでしょう。また後でお目にかかります。
  215. 小此木彦三郎

    小此木委員長 菅直人君。
  216. 菅直人

    ○菅委員 このセンター法案については環境に与える影響の問題ですとか機構の問題などでかなり問題が多いわけですけれども、私は非常に限られた七分という時間ですので、問題をしぼってリサイクル、つまりごみの再利用の問題と陸上残土の問題についてお聞きをしたいと思います。  まず厚生大臣に、さきの社会労働委員会の席でもリサイクルの必要性といいますか、重要性について私の意見を申し上げたのですが、このリサイクルというものについての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  217. 園田直

    園田国務大臣 リサイクルは廃棄物最後のぎりぎりまで有効に利用するという点、量を圧縮という点、どれから見てもきわめて重要な問題でありまして、技術的その他のことも十分これに投入をしながらリサイクルに全力を尽くすべきものだと考えております。
  218. 菅直人

    ○菅委員 そこで、今回のセンター法案の前提になるフェニックス計画について関係者の方から詳細にいろいろと話を伺っているんですが、まず一般廃棄物、いわゆる家庭ごみ等を含めたものについて厚生省の見解では五十二年度が一人一日九百六十八グラム排出している。これは東京圏です。それが六十五年度には千二百四十二グラム排出するであろう、年平均大体一・九%ずつ伸びるであろうということを前提に最終的な処分量を計算されているわけです。しかし、この十年ぐらいのごみの一人当たりの排出量は、これは厚生省の出されている「日本の廃棄物処理」という一九八〇年度の資料ですが、それを見ても大体石油ショックのとき以来ごみの排出量の伸びがとまって、後、景気の変動で多少前後しているわけですね。つまり大体のところが八百グラムから九百グラムを前後している。しかし、今回の計画ではそれがますます伸びるであろうということを前提に計画されている。  この点でフェニックス計画におけるごみの推測が非常におかしいのじゃないかと私は思うのですが、その点いかがでしょうか。
  219. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおり、全国的に見ましても一般廃棄物の一人当たりの原単位はオイルショックの段階で八五%くらいに低下しまして、現在、経済の波を経ながら九〇%くらいまでに少しふえている状況にあろうかと承知をいたしております。  この計画における算出につきましても、先ほど御指摘のございました数字のとおりでございまして、原単位の経年的な傾向それなりに将来推計を行ったものでございまして、いろいろ御指摘もございますので、今後、計画を具体化するに当たりまして、最近の原単位の動向、さらに経済指標の変動、そういった要素を考慮しまして見直してみたいと考えております。なお、御関心のリサイクルによる減量化が図れるのではないかということにつきましても、可能な限り具体的に算出過程に入れてまいりたいというふうに考えております。
  220. 菅直人

    ○菅委員 お手元に、今回のフェニックス計画の前提となったごみ流れと、私の住んでおります東京の武蔵野市を例にとった現在の廃棄物処理状況、これは一般廃棄物ですが、この流れを同じように比較をしてみたわけです。この上の方は一〇〇の発生量に対して焼却等によるいわゆる燃えるごみが六四あって、これを燃やしてしまうと九の重さになる。そして、燃えないごみが三六ある中で一だけが再利用になる、三五がそのまま埋め立てていくという形なわけですね。つまり再利用の率というのは発生量に対しては一%、最終処分で言えば、この四四が埋め立てに回っているわけですが、一だけが再利用されているということで言えば約二%ほどが再利用によって埋立処分を免れているということです。  武蔵野市の例を見ますと、燃えるごみが七一・六%、そして燃えないごみと再利用を合わせると、一九・〇と九・四ですから二八・四が燃えないごみで、そのうち九・四が再利用に回されているわけです。そうしますと、最終的に最終処分に回る量で言えば約二四%が減量化されていると言うことができるわけなのです。  そういう点で、今回のフェニックス計画においてのリサイクルの考え方というのは事実上盛り込まれていないわけですので、ぜひこの点は参考にしていただいて大いに重視していただきたいと思うわけです。  短い時間ですので指摘にとどめておいて、あと残土の問題について一言お聞きしたいのですが、今回のセンター法第一条に「廃棄物」という言葉が入っているわけですが、この「廃棄物」という言葉は、廃棄物処理及び清掃に関する法律第二条の「廃棄物」と同じ定義であると理解しているわけですけれども、また厚生省関係の方に聞きましたらそうだという事前のレクチュアを受けたのですけれども、そうしますと陸上残土は廃棄物になるのか、また、しゅんせつ土砂廃棄物と言えるのか、この点についての見解をお聞きしたいと思います。
  221. 山村勝美

    山村政府委員 陸上残土は、従来廃棄物処理法上、埋立用材等の有価物として扱われてきた実態がございまして、最近に至りまして様子が変わってきたわけでありますが、従来そういう有価物として扱われてきました経緯から、特定の汚泥、含水率の非常に高いものとかいうものに限って産業廃棄物として規制を行ってきたところでありまして、それ以外のものにつきましては、廃棄物の定義に概念的に入るわけでございますが、廃棄物処理法上の諸規制は適用していないという扱いをいたしてきております。  センターの場合には、大都市においては残土の処分実態的に困難になってきたということから環境保全上考慮することといたしまして、取り扱うこととしたものでございます。
  222. 菅直人

    ○菅委員 このセンター法第一条で言えば、廃棄物の広域的処理が必要な場合に、廃棄物の適正な海面埋め立てによる処理及び等々を目的とすると書いてあるわけです。つまり、いまの厚生省の返事でもわかりますように、本来は陸上残土もしゅんせつ土砂廃棄物という用語の概念には入っていないわけです。しかし、今回の計画を見てみますと、東京圏の場合、一般廃棄物産廃を合わせても四四%、廃棄物の概念に入らないものが五六%埋立用材に入っているわけです。ましてこの近畿圏では、大阪湾関係では七一%が廃棄物でないもので埋め立てられているわけです。  先ほど、ほかの委員の方からも何度かありましたように、果たしてこの法案廃棄物処理を目的にしたものなのか、それとも埋め立てること自体を大きな目的にしたものかということの疑問が多く出されておりましたけれども、この法案の厳密な解釈からいえば、明らかに廃棄物だと書いてありながら廃棄物以外のものが五割以上を占めておる、この点について非常に矛盾を感じておるわけですけれども、両大臣どういうふうにお考えか、お伺いしたいと思います。
  223. 山村勝美

    山村政府委員 ちょっと説明が足りませんので補足させていただきますが、廃棄物というのは不要なものを一般的な概念としてとらえておりまして、この場合同じ土でも有価物として埋立用材として使われるものと不要なものとして捨てられるもの、この二つに分けることができると思います。不要なものとして捨てられるものにつきましては明らかに廃棄物処理の概念に入りまして、このセンターで扱いますのは、不要とされ、かつ、その処分が困難なものについて廃棄物として扱うものでございます。
  224. 菅直人

    ○菅委員 時間がないので、最後にもう一度指摘にとどめますが、厚生省が四十六年に、土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準ずるものは廃棄物としては扱わないという通達を出されているわけです。そして、私が建設省等に伺って、この計画に出ている約四億立米のものから約一億立米のものを、たとえば東京圏で埋め立てに使うというときにどういうものが出てくるのかといえば、いわゆる公共事業によって下水を掘り起こしたり地下鉄を掘り起こしたりしたときの土砂だ。従来はこれは埋立用材として十分使われていたものです。ですから、そういう意味ではこれまでの定義から言えば明らかにこれは埋立用材といいますか、廃棄物という概念には入らなかったものを、もし入れるならそういう法案にすべきであって、従来の同じ用語を使った廃棄物とのみ書いてあれば入らないはずです。  そういう点で、私は、今回のこの計画が、先ほど申し上げましたように、用語の問題というだけではなくて、本当にこれをごみ処理のために使うことを主目的としているのか、それ以外の跡地利用等を含めた問題が主目的となっているのかが疑問な点も実は法案上こういう形であらわれているということを指摘して、最後にもう一度、できれば両大臣のこの点についての御見解を伺わせていただいて、質問を終わりにしたいと思います。
  225. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 残土は全部そのまま廃棄物として捨て込むというのではございませんで、それは絶対いたさない。埋め立てで使うものあるいは再生して使えるものはそれで使わせた後、どうにも捨て場がない、そういう残土のみしか扱わない、こういうことでございます。
  226. 菅直人

    ○菅委員 最後厚生大臣にも、先ほど時間がなくてお聞きできなかったリサイクルの問題、そして、いまの運輸大臣お答えにもありました再利用の問題、あわせて計画そのものをもう少し見直していただけないかということについて御見解を伺わせていただきたいと思います。
  227. 園田直

    園田国務大臣 この法案は莫大な事業を考えているわけでありまして、いろいろ問題等もここにあるようでございます。そういうことは御審議の間に十分拝聴いたしまして、そういうことも踏まえて計画あるいは実施、運営をいたすように努力をいたします。
  228. 菅直人

    ○菅委員 それじゃ終わります。
  229. 小此木彦三郎

    小此木委員長 午後二時三十分より連合審査会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後二時七分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十四分開議
  230. 小此木彦三郎

    小此木委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。  質疑を続行いたします。田口一男君。
  231. 田口一男

    ○田口委員 質問に入る前にちょっとお尋ねをしたい。  昭和五十三年度から三年間かかって厚生省運輸省、それぞれ四億円、合計八億の調査費で調査をずっと続けた。昨年の三月に、昭和五十四年度広域最終処分場計画調査、事業方式等の調査報告書というものを出されておると聞いておりますけれども、この報告とただいま議題になっておりますこのセンター法案とは密接な関係があるのは当然ですね。  私の漏れ承るところによりますと、この調査報告というものが関係自治体なり港湾管理者に対してすでに印刷物として配付をされておると聞いておりますけれども、こういう法案審議をする国会にそれらしきものを私は見たことがない。いますぐ出せとは私は言いませんけれども、この審議をスムーズに進めていくために出す気持ちがあるのかどうか、これをまず。
  232. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 運輸省でやりました調査の中で、外へ配付をいたしましたそういった名前の資料はないと思いますが、ただ先生がこの資料について出せというような資料がございましたら、御指摘をいただきますれば出せるものについては差し上げたいと思います。
  233. 田口一男

    ○田口委員 そんなら委員長の方で取り計らってほしいのですけれども、相当多額の国費を使って調査をしたその結果、それらに基づいてこのセンター法案というものが立案をされたのですから、当然に資料として私は出してもらわなきゃならぬと思うのです。それをひとつお願いいたします。
  234. 小此木彦三郎

    小此木委員長 田口委員にお聞きしますけれども、どの資料かはっきりさせていただきたいということです、が。
  235. 田口一男

    ○田口委員 いや、昭和五十三年度から調査しておることは事実なんでしょう。その結果なんです、中間であれ、最終であれ。
  236. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 調査の項目あるいは調査報告としてまとまっておりますものの数が非常にたくさんございます。おっしゃるように、一本にまとめて一つの本になっているというようなものではございませんで、あるものについては計算機から出てきた、パンチした結果だけ出ているようなものもございますし、そういうものが恐らく五十くらいの数になっていると思います。ですから、先生の方でいま御指摘になったようなものでまとまったもので私の方から一般に配付したというものはないものですから、ちょっとどの資料かなということをいま相談をしておりました。
  237. 田口一男

    ○田口委員 では、そういう中で具体的に四点ほど申し上げますけれども、この法案にも書いてありますように、厚生大臣と運輸大臣とが協議をして海域を指定しますね、東京湾であるとか大阪湾であるとか。そういう海域指定が行われて、その中でごみ最終処分場というものが選定をされる。そうなってくると、当然にそこまで持っていく輸送ルートというものが第一に出てくる。もう私は、てにをはを抜きにして言いますが、輸送ルートがまず第一。それから、岸壁まで持ってくる、積み出し基地というものが当然に決まってこなければならぬわけですね。それから三つ目は、その積み出し基地までごみを持ってくる、遠距離であれば当然中継基地もなければならぬだろう。それから、何で運ぶのか、こういった輸送方法などについて、当然にこれはいまくどく申し上げたように、海域指定なり処分場の場所が選定されれば決まってくるはずだと思うのですね。    〔小此木委員長退席、楢橋委員長代理着席〕  決まってきた場合に、当然厚生省でも運輸省の方でも検討されてしかるべきだと思うのですけれども、こういった土地の高いときに、たとえば積み出し基地をつくる用地の確保、それからA市というところからその積み出し基地まで持ってくる輸送道路をどうするのか。最近のような交通渋滞の場合に、スムーズにいくのかどうか。冬場ならいいけれども、夏場臭いものを積んで来たときにどうするのか、沿道の住民への影響。そして、積み出し基地で車から持って来たものをすぐにぽいっと船に積むわけじゃないだろう、しばらくはおかの上に積んでおかなければならぬ。そうすると、悪臭、異臭といったものでその周辺住民に対する影響、こういったものまである程度、昭和五十三年、足かけ五年調査をしたのならば、そこまでの検討結果というか、こういう問題が起きますよというぐらいのことはおたくの方でもつかんでいなければならぬ。そういったものをわれわれに審議一つの材料として出すことが、親切というよりもこれは常識じゃないかと私は思うのですね。そういったものを出してくれと言っているのです
  238. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘の輸送問題についての調査でございますが、廃棄物広域処分場がどこにできるかはともかくとしまして、港から船で運ぶという仮定に立ちますと、処分場の位置の問題はそれほど問題にならないわけでございまして、独自の立場で現在の港の所在地等を推定いたしまして、そこに予想される区域からのものがどういうふうに運ばれるかということについては、たとえば中継基地をある地点につくってそれを汽車で運んだらどうなるだろうかというようないわゆるシミュレーションといいますか、そういうことについてはいろいろ調査をやってきております。しかし、どの場所につくるかということにつきましては、国で一方的に決められるものでもございませんし、それを表に出すことによってかえって混乱を招くという事態も考えられますので、個々の、どこをどう考えたかということについては申し上げられませんが、たとえば大阪湾について言いますと、八カ所ぐらいの積み出し基地を予想して、いろいろな輸送を想定しながらいろいろな調査研究をしたということだけは申し上げられます。
  239. 田口一男

    ○田口委員 だから、これは私もわからぬじゃないですよ。たとえば積み出し基地を、大阪湾に例をとれば、神戸港の大体何番地といいますか、そういったところだと言えば、これはいまでもこういうごみ焼却場の立地について紛争の起こることは常なんですから、どこどこのどこそこにつくるというふうなことじゃ抵抗が起こるだろう、住民運動といったものが起こるから伏せておきたいという気持ちは大変わかります。ところが、いやみを言うんじゃないですけれども、参議院の運輸委員会で問題になったそうなんですが、四月八日の朝日新聞に「関西空港、機密筒抜け? 土取り地はや高騰」、こういうことが書いてあるのですね。住民には秘密にしておきながら大企業に筒抜けになるという仕組みが問題。こういったことはどういうルートで流れたか知りませんけれども、これは先に知らせれば住民がわいわい言って話にならぬだろうということは、ごみというものは臭いものですから臭いものにふたをするという、これはだじゃれではないのですが、ちょっといかがなものかと思う。  ですから、私は、トラブルが起こることを事前におもんぱかって伏せておくのだという言い方はわからぬでもありませんけれども、大阪湾を例にとったら、たとえばいま八カ所と言いましたが、八カ所のうちで堺には何カ所ぐらい、西宮には何カ所ぐらい、神戸、大阪には何カ所というぐらいのことは審議のどきに出してもいいのじゃないですか。いまの四月八日の朝日新聞を私は言うのじゃありませんけれども、一目瞭然、ああここの山だな、そんなことまで私は言いませんが、そういったことがこのセンター法案審議をスムーズにしていくのに必要ではないか。そういうこともやらずにぽんと入ってきたって、私はちょっと不親切じゃないかと思うのですが、何カ所、そこまで言えませんか。東京湾でどこそこは何カ所ぐらい、ここは何カ所ぐらいこういうことを予定しております、そして交通公害についてはこういったことを考えておりますというようなことは事前に言うべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。
  240. 山村勝美

    山村政府委員 御案内のとおり、この事業計画は国の直轄でやるような事業でございませんで、もし国がやるとすれば責任あるものとしてあるいはお示しできるかもしれませんが、今後センターセンターの業務として地方の意思で決定していくという性格のものでございますので、先ほど、混乱するという、ちょっと妙な表現を使いましたが、本来のたてまえとして、そういうものは地元の了解なしに出すべきものではなかろうというふうに判断しておるわけでございます。
  241. 田口一男

    ○田口委員 この問題だけで時間がかかると思うのですけれども、いまのお話ですと、この法案が成立をする、そして法律に基づいてセンターができる、できたセンターがいま言った積み出し基地の選定なりそこに至る道路の問題なり何なりを決めるのですから、そちらの領域ということでしょう。ところが、これは後で私ちょっと言おうと思ったのですけれども、そうなると、部長も十分知ってみえるように、うちの在所に焼却場をつくるのは絶対反対といってむしろ旗を立てますね。そういったむしろ旗が立って、このやりとりをするのは全部センターでしょう。対応するところはセンターになるわけですね。ところが、決めておいた厚生省運輸省は、おれは知らぬということで冷ややかに見ておるということになるのじゃないですか。  ですから、私はこの法案全体を見て、後でも言おうと思ったのですけれども、今日の大都市及び大都市周辺の都市の廃棄物処理についてもうにっちもさっちもいかなくなっておる、最終処分場をどこかに求めなければならぬ、こういうことが発想になったことは私は理解ができるし、やはりスムーズにやっていかなければならぬ。スムーズにやっていかなければならぬと思えば思うほど、どうでしょうか、法律をつくった後、でき上がった後をちょっと描いてほしいのです。大阪湾の真ん中に島をつくろうと囲った、ところが、ごみが来なければ何にもならぬでしょう、積み出し基地ができぬのですから。わしのところは反対だ、わしのところは反対だというのでは、いかにりっぱな島の囲みができたにしても入れるものがない。これは一番問題じゃないですか、積み出し基地がスムーズに確保できること。  そうすると、何百何十何番地というふうな具体的なことではなくて、おまえさんの市には二カ所くらいつくりたい、ここには三カ所つくりたいということで事前にいろいろ積み上げていったら、センターができる、積み出し基地も確保ができた、すぐに仕事ができる、こういうものじゃないでしょうか。私はそこを一番心配をするわけですね。  そこで、時間がありませんからそれについての答えは後でまたもらいますが、大臣見えですから、いまから申し上げることをよく聞いておいていただきたいのですが、いま廃棄物、一般にごみといいますが、このごみ処理体系は、厚生省すでに御存じのように、まず集めてくる。集めたものを輸送をする。輸送してきたそのごみを焼くか砕くかして処理をするわけですね。そして、処理をした残り最後処分ということで廃棄物処理は一応終わる。ところが、さっきも申し上げたように、これは市町村固有事務ということになっているのですけれども、どんどんとごみがふえてまいりまして、私の地元なんかでも、ごみ山を登るという形容で、埋め立てるところがない。そこで、どんどん山になっておる。これは大都市周辺は大変なものだと思うのです。そういう状況の中で、一体ごみ処理がどのように行われておるのか、ここのところが問題なんですね。  一つの例として、お答えをいただきたいのですが、この間の十日の運輸委員会で、同僚議員の質問に対して、生ごみはこのセンターがやる埋立地には入れないというお答えがあったそうですけれども、あそこは御存じですか、東京の中央防波堤の外にある埋立地、行ってみたことありますか。暗たんたるものでしょう。カラス、ハエ、ああいう状態が、大なり小なり全国の都市で起こっておる。  この状況をずっと見ると、直営でやっておるところは、市町村固有事務ですから、本来は市町村直営でやるべきなんですけれども、あえて直営と言わなければならぬ。その直営でやっておるところは完全に焼却をしておる。ところが、大半は委託業者に下請といいますか、そういう形でごみ処理しておる。となりますと、前処理、自己処理ということをやっておるということなんですけれども、この下請業者が自分で処理をして、焼いて生ごみを完全なものにするのは三〇%くらい、あとの七〇%は生ごみそのまま、それがあの東京の中防外です、あの処理場を現出をしておる。  こういう状態を監督官庁の厚生省としては一体どうつかんでおるのか。一般廃棄物にしろ産業廃棄物にしろ、どういうふうに処理されておるのかということを一遍簡単にお答えをいただきたいと思うのです。
  242. 山村勝美

    山村政府委員 全国的に見ますと、可燃ごみのうち八五%が焼却されておるという状況にございます。今後五カ年で九一%まで上げたい、施設整備を進めたいというふうに考えております。  東京の場合の例示がございましたが、東京の場合は、可燃性のごみと先ほどおっしゃいました直営で当局が収集している分については一〇〇%の焼却が行われておる。ただし、大口の事業者等で直接搬入するごみ等につきましては、御指摘のとおり三〇%程度しか焼かれていない。あとの七〇%はそのまま生で埋められておるという実態があるようでございます。都の意向といたしましては、直接搬入される残り部分につきましても今後計画的に全量焼却を目指して進めるという意向でございますので、早急に施設整備が行われるよう指導いたしたいと思います。
  243. 田口一男

    ○田口委員 ちょっと急いで言いますが、一般廃棄物もそういう状況、特に産業廃棄物ということになりますと、これは警察庁の調べた資料によれば、昭和五十四年一月から十月までの間に約五千件摘発、検挙されたのですね、不法投棄ということで。  これは時間もないのに変な話をするようですが、私の地元三重県では、廃油、それを暴力団の輸送業者といいますか、処理業者が伊賀の山まで持っていきまして、夜陰に乗じてほうり込む。それが見つかって暴力団五名がつかまった。これは暴力団ですから大々的に報道されておりますけれども、大なり小なりこういう不法投棄ということが起こっておる。そういう実態がある。  実は各業者、それから産業廃棄物を出す排出企業が県なりに報告をしなければならぬということになっておるそうですが、一体これを扱っておる業者のそういう実態をどこまで厚生省としてつかんでおるのか。全国で約二万五千ぐらいあると聞いておるのですけれども、それをどこまでつかんでおるのか。そういった検挙された業者、私はいま三重県の例だけ申し上げましたけれども、方々であるわけですね。そういったことに対してどういう措置をとってきておるのか、ひとつ伺いたい。
  244. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のとおり、処理業者による処理において不法投棄等の廃棄物処理法違反事件が非常に多うございまして、あらゆる公害事犯の中でもかなり多い部分を占めておるわけでございます。これは現物をその場に残すという、証拠物件が残るという点で検挙しやすいという要素もあるようでございますが、五十四年で五千件に及ぶ違反でございます。そういう実態のあることは承知をいたしております。  後の始末という問題でございますが、検察当局の手にゆだねて裁かれておるということでございまして、今後とも衛生部局と警察とよく協力をして、できるだけ取り締まりを厳重にするよう指導いたしたいというふうに考えております。
  245. 田口一男

    ○田口委員 そういう例を数え上げれば枚挙にいとまがないのですが、そういったものがこのセンターをつくることによってすべて一件落着というふうに考えておるんじゃないかと思うんですね。たとえば不法投棄に至らなくても、そういう委託業者は、中小じゃなしに小零細業者ですから、一匹オオカミで自分でトラックを運転して運ぶ。そうしますと、混載、混ぜて載せる、産業廃棄物も載せれば一般廃棄物も載せる。そういった物を載せてその積み出し基地、どこか知りませんけれども、そういうところへ持っていく。生ごみは入れないよということならば、どうチェックするのか、チェックする方法ありますか。
  246. 山村勝美

    山村政府委員 零細業者の場合にかかわらず、排出者、排出の事業者とその業者契約をして廃棄をしているという流れになっておるわけでございますが、その事業者廃棄物業者委託するときにはその委託を明確にしまして、それで、その委託基準に違反したような場合には当然事業者にまでその責任が及ぶというような体系をつくりまして、いろいろ制度上は工夫をいたしておるわけでございますが、残念ながらまだ不法投棄等の違反行為が多いということでございまして、基本的にはその事業者及びそれの委託を受けた処理業者のモラルの問題でございまして、今後とも厳重に監視し、指導してまいりたいというふうに思っております。
  247. 田口一男

    ○田口委員 厳重に監視をしてもらわなくちゃならぬですけれども、実際問題として、そういった荷物をどんどんと持ってくる。その積み出し基地で一々チェックする、これは事実問題として不可能なんですね。ひょっと見たら上はシートをかけてある。それでも、いや埋立地まで行ったって検査できますよと言う。ダンプでぽんと捨てれば今度は底が見えるだけですね。上と底はわかるけれども、中に何が入っているのかわからない。  さらに、こういう問題は、今度は埋立地という面から見ても出てくると思うのです。いまの廃棄物処理法体系からいくと、家庭から出るものは一般廃棄物だ、事業活動をやって出てくるものは産業廃棄物だ。ところが、一般廃棄物産業廃棄物、そんな名前はどうでもいいけれども、受け取るごみはテレビのくず、映らぬようになったテレビ、それから冷蔵庫、自転車、モーターバイク。この間私、見に行ったらドラムかんまでほうってある。本当はそれを粉々に砕くなりぺしゃんこにするなりしてやれば問題はないんですけれども、十分チェックもせずに埋立地にほうり込んだ。そうすると、まあドラムかんなんというのはすぐわかりますけれども、冷蔵庫なんか、これは中は空ですからドラムかんと一緒ですよ、何年かたつうちに外壁が腐ってぺしゃんといくと空洞ができる。これは埋立地としては用をなさぬでしょう。そういったものを、これはけしからぬじゃないかといって仮に埋立地チェックをするとする。あとからどんどんとごみを運んでくるトラックに、おまえさん帰りなさいなんということを言っておればそこの出先の職員とトラブルが起こりますね。そうすると、当然に目をつぶって、まあほうれほうれ、こういうことになっていくのではないか。そういう心配が多分にある。確かに規則の上からいったら、テレビの中にはPCBが入っておりますから、それを抜き取った上で処理をしなさいということを通達は言ってはおりますけれども、見る限りでは、PCBを含んだものを抜き取りましたという証明書を張ったようなものはない。こういう有象無象というのか、ごみですからいろんなものが混載をされてチェックが十分できないまま埋め立てられた土地の高度利用、それこそフェニックスということになるのかどうか、私は疑問に思うわけです。本来、実際はそれをやらなければならぬのです。ですから、ぴしゃっとした完全無欠なごみと言うと言い方はおかしいのですけれども、完全無欠なものにして埋立地に持ってこられるような状態にいまなっておるのかというと、残念ながら私はなっていないと思う。  こうなると私は、この法案そのものを見た場合に、いまの都市問題、どんどんごみがふえる。それで、ほうり場所に困ったから海へ捨てようかというふうな単純なものじゃないと思うのです。一石二鳥じゃないか、要らぬものを埋め立てて土地をつくって、その土地を高価で売ればいいじゃないかというが、そんなものじゃないと思うのですね。そこのところの廃棄物処理ということについてまだまだ不完全ではないかと思うのです。  いま一般廃棄物産業廃棄物と分けたときに、出す人によって一般になり産業になりということは、私はちょっと法体系としてはおかしいのじゃないかと思うのですね。将来ピアノなんかもごみとしてほうられるかもわかりませんね。ピアノをつくっておる会社から出せば産業廃棄物だけれども、もうピアノもいよいよ音が出ないようになったから買いかえますといってぽんとほうったら、これは一般廃棄物なんですよ。この一般廃棄物の方は市町村処理しなければならぬ。その辺はどういう問題として受けとめていますか。
  248. 山村勝美

    山村政府委員 あくまで廃棄物処理責任を明らかにするという観点から整理をいたしております。
  249. 田口一男

    ○田口委員 私がいまのような具体例を挙げて申し上げたということは、そういった問題で毎日毎日出先の市町村の担当職員、それから委託業者も実のところは困っておるのじゃないかと思うからですね。そういう困っておることを何とかしなければならぬ、とりわけ最終処分場を確保しなければならぬ、こういう点でこのセンター法案というものが生まれた。これは一面、そういった関係自治体、関係業者から見ればうれしいことだと私は思っている。ところが、この法案審議の仕方なりなんなりを見てみますと、これは廃棄物最終処分場の確保という目的のための法律案なのか、または埋め立てをした土地を利用する、そして港湾整備をするということが目的なのか、これは一体どちらの目的なんですか。
  250. 山村勝美

    山村政府委員 今回の事業は、御案内のとおり、大都市圏における廃棄物最終処分場の問題解決のためということでございまして、それで……
  251. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 これは廃棄物処理する目的とそれから港湾の開発ということと併用した、いわば単純に廃棄物処理だけとか港湾整備とかいう、そういう割り切ったものじゃございませんで、複合した行政を一つの手法で解決していこうというものでございまして、これは新しい時代を迎えました現在の行政の中に新しい様式を切り開いていくものだと思うております。
  252. 田口一男

    ○田口委員 いま申し上げた二つの目的のどちらかという端的な言い方もこれはどうかと思うのですが、いま複合とおっしゃった。ところが、私は複合という意味は十分わかりますけれども、実際これからセンターが中心になって事業をやっていく場合に、事業計画を立てなければならぬでしょう。それに幾ら金がかかるかという資金計画も立てなければならぬ。東京湾の夢の島なんというのは跡地利用、不可能とは言いませんが、できぬ、十分じゃないですね。家を建てたらこうなっちゃう。そういうようなことで、この跡地利用をするならばやはり一〇〇%完全なものにしたい。完全なものにしようと思ったら、そういう生ごみであるとか冷蔵庫であるとか自転車であるとか、ピアノは入らぬにいたしましても、そんなものでは困る。  そうすると、大阪湾圏域の計画を見ますと、一般廃棄物産業廃棄物、陸上残土、しゅんせつ土砂合計一億四千万立米のうちで一般廃棄物は千五百万立米で十分の一、あとは産業廃棄物、陸上土砂ということで、埋め立てに可能なもの、後々問題のないものを入れていこう、早く仕上げようということになりがちですね。そうでしょう、常識で考えれば。早いところ埋立地を完成しようじゃないか、それには石ころか建設の後の残土を埋め込め、ごみはちょっと、そうすると、いつまでたっても都市における廃棄物処理場ということには進歩がない。せっかくいま大臣はこれは複合した新しい時代に適合するものだと言っても、現実入ってくるごみの方についてこういう状態ではどうしたって手抜かりが出るのではないか。そこのところをどうするか。後々廃棄物についてどういったことをやっていくかということをここで聞かしてもらわないと、このセンター法案は単に埋立地をつくって港湾整備をするのだということに固まってしまうきらいがあるのではないのか、ごみの方はいつまでたってもごみだ、ごみだということで後回しにされる危険が多分にあるのじゃないか、私はそういう心配がしてならぬのです。  それをひとつお答えをいただいて、私は終わりたいと思います。
  253. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 田口さんはごみということを家庭から出るごみを中心にお考えになっておりますけれども、現在私たちの環境を汚染し、生活環境を不愉快な状態にしておるのは、家庭ごみだけではなくして、いわば産業廃棄物もございましょうし、それから下水処理場の汚泥の処理ということもございましょうし、生活が多様化し、繁栄してまいりますと、いろいろな面でいわゆるごみと言いましょうか、廃棄物と言いましょうか、そういうようなものが非常に種類もふえてまいりました。  そこで、行政区分からいいましても、地方自治体の中でもとうてい行政的に処理できないものが廃棄物処理の中に出てまいりました。それを無差別にそれぞれの最終処理を自治体がやるということになってまいりましたら、これはまた違った公害を起こしておるのも事実でございます。先ほど質問の中に、ごみを捨てないで、残土だとか何かで埋めてしまうのだろうとおっしゃるかもわかりません。そういう質問がございました。けれども、あなた自身が三重県の出身で、たとえば鈴鹿のところへ行ってごらんなさい。こういうきれいな山の中になぜこんなプラスチックのかすを捨て、そして建築がらをがあっと捨てに来ているのかというと、捨てるところがないものだから仕方なしに夜陰に乗じてああいうような山の中のきれいなところへ捨てに行かざるを得なくなってきているのが現状なんです。そこで、家庭に出てくる一般ごみあるいは産業廃棄物というものを中心にして埋め立てをしていきますけれども、しかし行政上から出てくる残土だとか、あるいは汚泥とか、しゅんせつのかすとかいうものもあわせて処理するところをつくらなければならぬというのが今回の目的の中に入っておるのだ、こう御理解を魚でいただきたいと思うのであります。  それと同時に、こうして貴重な港湾の水域を一定の場所を区切って埋め立てするのであります。これは港湾行政の面からいっても、ごみを捨てるために港湾の一部を使わなければならぬということは、これはわれわれの立場からいいましても決して望ましいことではないのです。けれども、今日のごみ処理というものはそれではどこへ持っていくか。陸地の中で穴を掘ってそこへ埋めるか。これは行政経費からいってもとても賄えるものじゃない。また、そういうことをいたしましたらまた違った汚染が出てまいります。そうすると、いろいろ考えました結果は、一定の水域を限ってそこへごみを捨てさすという、いわば海面埋め立てと兼用したごみ処理をせざるを得なくなってきたということでございますので、御理解を賜りたいと思います。
  254. 田口一男

    ○田口委員 それじゃ終わります。
  255. 楢橋進

    ○楢橋委員長代理 小川省吾君。
  256. 小川省吾

    ○小川(省)委員 時間が制約をされておりますので、初めに主として大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  この広域臨海環境整備センター法案運輸省厚生省の共管の法案でございます。しかし、考えてみると、清掃事業というか、一般廃棄物最終処分場に関する法案でもございます。数十、数百という自治体が関与してくるものでございます。すぐれて地方自治に関係をする法律でございます。この法案の検討の経過において自治省がなぜ共管にならなかったのかという疑問があるわけであります。自治省との検討の経過がいかがであったのか、御説明を承りたいと思います。
  257. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 自治省とも意見の交換はいたしております。しかし、現在、国政のレベルにおきます行政の所管事項から申しますと、ごみ厚生省港湾関係運輸省、こうなってまいります。地方自治体を所管するのが自治省でございます。しかし、感覚からいいまして小川さんの感覚、私らもそうでございますが、自治省は自治体、これはわかるんだが、自治体がごみをやっているんではないか、こういうことでございます。けれども、自治省ごみが所掌事務ではございません。しかし、そう権限だけで割り切ってしまうべきではないと思います。権限のたてまえからいきますと所掌事務主務大臣となる、けれども、この運営をするのには、自治省初め環境庁なり建設省なりあるいは通産省、こういうところと十分協議しながら運営はいたします。
  258. 小川省吾

    ○小川(省)委員 また、聞くところによれば、一般廃棄物が約一割余で他の大部分産業廃棄物建設残土などのようでございますが、企業のために最終処分場を自治体の出資金によってつくってやるようなものだというふうに思うわけであります。この建設に当たって、自治体が当然廃棄物処分をやるわけでありますから、自治体の発言権や主張が保障されることになるのかどうか、お伺いをいたします。
  259. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 ごみのうちの一〇%が一般廃棄物でそのほかは建設残土が非常に多いわけでございますが、先ほども話に出ておりましたように、建設残土と申しましてもいわゆる民間の住宅とか建築の残土とかそういったものは考えておりませんので、地方公共団体公共事業として行います事業の結果出てきた残土をここへ入れる、つまり地方自治体のための捨て場でございます。ですから、そういう意味で、これを産業、企業のためにやる部分というのはまずほとんどないというふうに私ども考えておるわけでございます。  前段の御質問はそういうお答えになるわけでございますが、地方自治体廃棄物処理責任を持っておられるわけで、センターにはこれを委託をしてやらせるというたてまえになっております。したがいまして、センターに対しての委託契約の中でも、もちろん自治体のそういうごみ処理に対するいろいろな意味の主張は当然入り得ますし、それから基本計画を定めます場合、あるいはその後の実施計画を定めます場合、各段階におきまして、関係の地方公共団体あるいは港湾管理者の意向が聞かれる形が法案の中で保障されておりますので、そういうことで発言権が確保されるというふうに考えておる次第でございます。
  260. 小川省吾

    ○小川(省)委員 先ほど田口一男委員からも出ておりましたけれども、五十三年から、この建設に当たって、運輸省厚生省は八億という多額な国費を使って調査をいたしたようでございます。しかし、法案審議をされているこの段階で、いまだに調査結果は発表をされてはおらないわけでございます。私も十日の運輸委員会を傍聴したのでありますけれども、運輸省厚生省答弁によれば、調査はセンターに引き継ぐということを答弁をしておったわけでありますが、これは引き継いだことだけでは足らないだろうと思うのであります。多額な国費を使った調査なんですから、当然公表をしていただきたいというふうに思っております。関東地区や近畿地区の清掃関係者や港湾関係者は、この調査の結果を実は首を長くして待っておるわけでございますから、この調査結果をいつ発表してくれるのか、明らかにしていただきたいというふうに思っております。
  261. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたが、現在やっております調査の成果は、そのままで公表できる形の資料とか冊子とか、そういう形に取りまとめたものは余りないわけでございます。それで、本当の生の資料のままで出ているものもありますし、それからレポートというかっこうになっておりましても、学者がその生のものを生の言葉で書いておるというようなものが大半でございますので、公表をする必要があるということになりますれば、これを公表をできる形に取りまとめる必要がございます。  そういうことでございますので、いつの時点までというお約束をここで申し上げることはちょっとむずかしいかと思いますが、先ほど来御審議過程での問題がございますので、こういう事項を調査いたしましたという内容でございますね、この一覧表といいますか、これはもういつでも差し上げまして、その中から、先生の方から、この調査についてはどうなのか、よこすことができるのかというふうに御指摘いただけば、現在出せるような状態になっているものは当然差し上げなければいけないと思っておりますし、出せないものでも、そういった整理を早急にできますれば、提出、公表をいたしたい、こういうふうに思います。
  262. 小川省吾

    ○小川(省)委員 わかりましたけれども、法案審議をされている段階で、八億という多額な巨費を使って調査をしたものが公表されないというのは不親切きわまりないというふうに思うわけでございます。まあいいでしょう。  いずれにしても、この法案は十七日には採決に回るようでございますから、参議院が審議をしている段階では、ぜひひとつ公表をされるようにお願いをいたしたい。それから、いま言われるように、調査一覧表を下さるそうでありますから、これはぜひいただきたい。そして、この項目、この項目というように明らかにしていただきたいと思いますが、ひとつよろしくお願いをいたしたいと思っております。  二百を超える自治体やあるいは企業からの廃棄物の輸送による交通公害とか、積み出し基地周辺における騒音公害でありますとかあるいはまた悪臭公害とか、有害有毒物質、重金属等の検査のチェック体制をどう立てるかという問題ですが、あるいはまた漁業権の補償の問題であるとか海洋汚染の対策であるとか、こういう点についてのチェック体制の点についてはどのようになるわけですか。
  263. 山村勝美

    山村政府委員 広域処理場整備に当たりましての問題点一つは、内陸輸送、とりわけ搬入施設周辺の輸送経路における車の集中の問題かと存じます。この点につきましては、搬入施設を数多くつくって分散をしまして、また搬入施設への車の不規則な集中を避けるために、調整のための管理体制を十分とりまして、また輸送方法を車に限らずパイプライン、ベルトコンベヤー、その他の方法についても十分研究していかなければならないというふうに考えておりまして、センター計画策定に当たりましてそういう方法を検討するとともに、関係者とも十分話し合いをして、問題が生じないよう、万全の措置をとるよう指導してまいりたいと考えております。  また、受け入れ廃棄物チェック体制の問題でございますが、センターが直接受け入れる際に、まず搬入申請時のチェックをする必要があろうかと思います。廃棄物処理委託する者とセンターとが、一定期間にわたる受け入れ契約を締結することになりますが、その際センターは、廃棄物の性状あるいはどういう生産工程、どういう原料から出てくるかというようなことを十分確かめまして、書類を携行させるようなことを考えるわけでございます。その際、監督に当たっております都道府県意見も聞くというようなことについても指導してまいりたいというふうに考えております。  その後、搬入ゲートに参りまして、契約された廃棄物かどうかをチェックすることが大事でございまして、所定の契約カード等を携行したものを確認するとともに、持ち込まれた物の外観を検査し、さらに抜き取り検査をする等によってチェックする必要等について考えております。また、何よりも未然に防止することが必要でございますので、有害廃棄物処理が適正に行われますよう、都道府県を通して十分指導してまいりたいというふうに考えております。
  264. 小川省吾

    ○小川(省)委員 一応終了というか、埋立完成が十年くらいと見ているようでありますが、他の地方、いわば中国地方であるとか中部圏であるとか、あるいは九州等についてはどうしようと考えているのか、この点について伺います。
  265. 山村勝美

    山村政府委員 対象区域の指定の問題でございますが、当面大阪湾圏域及び東京湾圏域を想定いたしております。大阪湾圏域につきましては、この法律が通りました後に、五十六年度に予算措置も講じられておりますので、早速にも指定をし、準備に入りたいというふうに考えております。  また、東京湾圏域につきましては首都圏サミット、つまり六都県市首脳会議を通じて、その必要性について議論が行われている段階でございまして、関係地方公共団体間の合意が得られれば、対象区域及び対象港湾の指定を図るべきであるというふうに考えております。  なお、私どもといたしましては、中部圏につきましても広域処分が必要であるかどうかという調査に入っておりまして、その成果を見ながら今後検討していくことといたしております。
  266. 小川省吾

    ○小川(省)委員 この法案をざっとながめてみますと、どうしても運輸省は海面埋め立て重点を置いておって、地方自治体の本来の業務である清掃だとか廃棄物処理はどうも二の次のように思えるのですが、そういうことはありませんか。
  267. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほど来の御議論ございましたように、この法律は廃棄物最終処分場整備と、それから港湾の秩序ある開発整備というものを両立させるという観点で考えられたものでございまして、そのどちらが重点ということでもないということでございます。  運輸省といたしましては、この法案に対して港湾整備を行うというサイドから関与をいたしてまいりますわけで、運輸省の考えてまいります事柄の重点港湾にあるということは、これはそのとおりかと存ずるわけでございますが、法律の運用とか法律の成立の基本は、両方のねらいが複合されて両方でそれぞれ相まって効果を発揮するようにというふうにつくられておるように考えております。
  268. 小川省吾

    ○小川(省)委員 素人考えでございますが、海面を埋め立てていくだけなら、こんな地方自治法を超えるような法律案をつくらなくても、現有の公有水面埋立法で、これに手を加えるだけでもよかったのではないかというふうに思いますが、現行法のどこに不備があってこういうような動きになったのか、公有水面埋立法だけでは何ともならなかったのかどうか、伺いたいと思います。
  269. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 従来運輸省におきまして、公有水面埋立法というよりは港湾法に基づきます廃棄物埋立護岸という制度がございまして、この制度によって各港湾管理者が廃棄物埋立護岸をそれぞれの港湾において建設をいたしております。そして、その廃棄物埋立護岸に港湾管理者の、一般的に自治体でございますが、その自治体から出る廃棄物処理をしておったというのが現在までの状況でございまして、公有水面埋立法はそういった場合の埋め立ての手続の具備すべきいろいろな問題を規定した手続法でございますので、御指摘は多分いまの港湾法でやっている廃棄物埋立護岸の制度ではできなかったのかという御趣旨かと思って御答弁を申し上げておるわけですが、それですと、現在のそれぞれの港湾の自治体が自分のものしか処理をしておりません。それで、この法案の提案理由あるいは目的のところにもございますように、現在非常にそういった個々の自治体だけの処理では問題が解決できなくなっておる、大都市圏の非常に土地利用の棚密なところ、あるいは港湾の水面利用がきわめて錯綜しておるようなところでは対応できなくなったということで、この制度を考えたわけでございます。  つまり、従来の港湾法によります制度は、一般的にいいますと、内陸部のどこかで非常に困っている自治体がありましても、それをある港湾管理者が行った廃棄物埋立護岸の制度の中に受け入れるということは制度的には担保されておりませんし、あるいは港湾管理者が隣の港湾管理者とお互いに埋め立て施設を融通し合うというようなことも制度としては担保されておりません。
  270. 小川省吾

    ○小川(省)委員 想定をされる廃棄物の広域指定区域であるとか、予定の埋立港湾区域であるとか、積み出し港などの場所をいまの段階に明らかにしてもらえないかどうかという問題でありますが、先ほどの調査の一覧表を出していただいて、要求されれば資料を出しますということですから、要求すればそういう点を明らかにしていただけますか。
  271. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾の方で申しますと、それぞれ港湾において、どの海域が現在どういう利用をされておって、その結果埋め立てをする余地があるのかどうかとか、あるいはどの海域に船がどういうふうに通っておって、そこに島ができたらどういう影響があるのかとか、そういう調査をいたしております。そういう調査をいたした結果、候補海面としてある海面が利用できるかどうかというような調査は、現在、結果として持っておるわけでございますが、このセンターが実施いたします埋立処分場をどの位置に選定するかというのは、調査結果としてはまだできておりません。しかし、現在できております調査の内容につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
  272. 小川省吾

    ○小川(省)委員 産業廃棄物の自己処理責任とかあるいは公共機関関与のあり方、あるいは処理業者に対する指導対策等を明らかにしていただきたいと思います。
  273. 山村勝美

    山村政府委員 産業廃棄物処理責任は、原則的には排出者の責任においてさるべきものでございまして、処理法上もその旨の規定が明らかにされているところでございます。しかし、産業廃棄物の中には、その性状とか発生形態、たとえば中小企業から出てくるような産業廃棄物につきましては、一般廃棄物とあわせて処理することが適当なもの、あるいは広域的な見地から処理することが望ましいといったものがございまして、廃棄物処理法におきましても、これら廃棄物につきまして地方公共団体関与による処理が認められているところでございます。このため、現在三十一カ所の処理公社ができておりまして、排出者から一定の費用負担のもとに、公共関与による処理を行っているところであります。  業者等の指導につきましては、廃棄物処理法の規定に基づいて厳正に指導してまいりたいというふうに考えております。
  274. 小川省吾

    ○小川(省)委員 運輸省としての管理委員会に対する指導のあり方あるいは関与のあり方などについてお尋ねをしたいわけでありますが、管理委員会ができて自治体の意思が十分に反映できるように指導をしていただけるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
  275. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 管理委員会の委員は、地方公共団体の長と港湾管理者の長がそれぞれ互選をいたしまして、それぞれが選出した委員が構成をするということになっております。  それで、港湾管理者の長から選出されました管理委員は、港湾整備という面からこのセンターの業務にかかわっていくというふうに考えております。  その面での私どもの関与といいますのは、特にこの点について監督するというような関与はする考えではございませんが、一般的に港湾の管理者と私どもの関係がございますので、いろんな意味で気がついたようなことはお話し申し上げるということになろうかと思います。
  276. 小川省吾

    ○小川(省)委員 お尋ねをしますが、運輸省として、あくまで地方自治を保障をし、地方自治体の意思を尊重をしていかれると思うのですが、尊重していくことを約束をしていただけるかどうか確認をしたいと思いますので、御答弁をお願いいたします。
  277. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お約束申し上げます。
  278. 小川省吾

    ○小川(省)委員 今回この法案が成立をするということになりますと、自治体の意思というものは国の強い権限で妨げられたり、あるいは関係自治体も安易に国の施策に便乗をし、清掃事業における自治体の行政責任が弱まってきて後退を引き起こすことになりかねないと懸念するものでありますけれども、住民のための清掃事業を積極的に推進する姿勢をとっていくことを保証をしてくださるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
  279. 山村勝美

    山村政府委員 センターは地方の委託を受けて仕事をしていくわけでございまして、現行の廃棄物処理法責任体制のもとに、地方自治のもとに推進さるべきものだと考えております。
  280. 小川省吾

    ○小川(省)委員 いろいろ御質問を申し上げてまいったわけでございますけれども、何といっても私はすぐれて地方自治の問題であるというふうに考えますので、ぜひひとつ地方自治を尊重をし、自治体の意思を尊重する、こういう姿勢でやっていただきたい、このことを強く要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  281. 楢橋進

    ○楢橋委員長代理 山本政弘君。
  282. 山本政弘

    ○山本(政)委員 厚生省の方、いらっしゃいますね。  廃棄物処理及び清掃に関する法律というのがありますね。その中で第十九条、立入検査があります。これはもう申し上げる必要はないと思いますけれども、廃棄物に対する運搬処分、そういうことに対して検査をするということだと思うのですが、二十条に環境衛生指導員というのがあります。この二十条の環境衛生指導員というのは「第十九条第一項の規定による立入検査及び廃棄物処理に関する指導の職務を行わせるため、都道府県及び保健所を設置する市に、環境衛生指導員を置く。」二項は「環境衛生指導員は、都道府県又は保健所を設置する市の職員であって、厚生省令で定める資格を有するもののうちから、都道府県知事又は市長が任命する。」こうあるのです。  そこで、廃棄物というものを処理する場合に、輸送体制というものが確立しなきゃならぬということは申すまでもないことでありますけれども、中間処理施設からの直接輸送あるいは中継地を経てから積み出し基地に行くというような方法があるけれども、その場合に、恐らく立入検査などを、あるいは処理に関する指導というものをおやりになるのだ、こう思うのですね。  そこで、お伺いしたいのは、この指導員というのは一定の資格が必要だと思うのですが、どんな資格が必要なんでしょう。
  283. 山村勝美

    山村政府委員 施行規則十六条に詳細に書いてあるわけでございますが、非常に長いので一部御紹介いたしますと、「医師、薬剤師又は獣医師」また「学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令に基づく大学又は旧専門学校令に基づく専門学校において医学、薬学、保健学、衛生学、獣医学、理学、工学若しくは農学の課程を修めて卒業した者」等学歴と、さらに「六年以上廃棄物処理その他環境衛生に関する実務に従事した経験を有する者」というような体系になっております。
  284. 山本政弘

    ○山本(政)委員 つまり学歴と経験というものが必要だ、こう言っているのですが、お伺いいたします。  東京に環境衛生指導員を置いていますでしょうか、そして大阪に置いているでしょうか。
  285. 山村勝美

    山村政府委員 ちょっといま資料ができていませんが、東京に六十六名ぐらいの数字が出ておったかと思います。それから、大阪府は百五、六十名の数字だったかというふうに記憶しております。
  286. 山本政弘

    ○山本(政)委員 六十六名と百五、六十名というお話がありましたけれども、私は午前中の質問が終わってから調べてみたのですが、東京都は環境衛生指導員は一人もおりません。そういう資格を持っておる人は一人もおらぬというのです。大阪は形だけあります。廃棄物処理及び清掃に関する法律十九条の規定による証明書、所属庁が書いてあり、大阪市長の判こが押してありますけれども、こういうものがあるだけ。しかも、こういう人たちについても学歴とか経験者とかいうものじゃないのですよ。  あなた方は一体そういうことでちゃんと監督行政がやれる、やっているとおっしゃるのですか。  ぼくはなぜこのことを聞くかというと、環境衛生指導員なんというものを置いて、要するに海面埋め立てではちゃんと廃棄物処理についてチェックしていると言うけれども、チェックされていないのですよ。現実に学歴と経験者はそんなに六十人もおりません。東京都に置いてないのですよ。どうします、それは。
  287. 山村勝美

    山村政府委員 先ほど申し上げた数字は、私どもの方で毎年行っております調査に基づくものでございますが、もし、そういう先生のおっしゃるような実態があるとすれば、十分指導してまいりたいというふうに考えます。
  288. 山本政弘

    ○山本(政)委員 つまり、それは恐らくぼくはペーパーレポートだけだと思うのですね。紙によって報告しているだけなんで、実態は何もない。私が直接調べた。どうするのですか。そんなことで、チェックというのはいままでやれているのでしょうか。それから、これから質問を申し上げるけれども、いろいろな問題が出ているときに、チェックができるのだろうかどうだろうか。そんな体制の中で一体あなた方は、先ほどから私は何回も申し上げたけれども、アセスも何もおやりにならないで、そして主体というものをつくりながら計画を実施されようとなさるのですか。大臣を呼んでください。質問できませんよ、そんなことだったら。もし調査をしてそういう事実がはっきりしたときにどうされますか。それはあなたでいいです、大臣でなくたって。
  289. 山村勝美

    山村政府委員 実態をよく調査いたしまして、そういう指導員の補充等につき指導をいたしたいと存じます。
  290. 山本政弘

    ○山本(政)委員 要するに、私が申し上げたいことは、東京も大阪環境衛生指導員というのはないのです。大阪は形だけが存在しているというのがこれなんです。そういう中で、一体いままで廃棄物に対するどういうチェックが行われてきたかということなんです。それから、いまから皆さん方がチェック体制を整えるのだ、こうおっしゃっているけれども、それが完璧にできますか。そういうやり方というのは大変おかしいと私は思うんですよ。そのことをまず問題にしたいのです。  二十六分だといいますから、大変残念ですけれども話を進めます。  そういうチェック体制がない中で昭和五十四年度の産業廃棄物処理業者の立入検査の実績は、これは何千台もあるんですね、その中で百七十二台抜き打ち検査をやっている。そうしたら、その中で出てきたのは、要するに違反をしているのが六十五あるのです。抜き打ち検査をしたら三分の一強が違反をやっている。つまり環境衛生指導員というものの存在はないということをこのことが証明しているだろうと私は思うのです。そういうばかなことはないだろうと思うのです。  その中で、これはどなたかが御質問されたかもわかりませんけれども、要するに廃棄物については二つに分けて考えていいだろうと思う。つまり陸上の輸送があるだろう。それから、海洋の輸送があるでしょう。センターができることによって、直接輸送の場合と、それから中継地のところまで輸送し、それからまた積み出し基地まで輸送するという二つほどの道があるだろうと思うのですけれども、その場合に、焼却して受けることがあるだろうと思うんですね。そういうことがありますね。つまり中間処理施設によって焼却することがありますね。そうすると、一体焼却率はいままで一〇〇%行われていますか。そのことをちょっと聞かせてください。
  291. 山村勝美

    山村政府委員 一般廃棄物の焼却率は全国で現在八五%という状況にございます。首都圏は大体平均をやや上回った程度だったように記憶をいたします。近畿圏はたしか可燃物の九七%は焼却されておると記憶をいたしております。
  292. 山本政弘

    ○山本(政)委員 私の資料が間違っておったら御訂正ください。一番、一番という言い方はなんですが、焼却率のいいところで八〇%を超えているくらい、ちょっと悪くなると七〇%くらいになるのです。九十何%というのはレアケースだろうと思うのです。そうしたら二〇%なり三〇%というものを焼却する場所が必要になってくるのではないでしょうか。その点、もしそういうことによって公害が起こり得るとするなら、それに対してどういうふうな対処をなさるのでしょうか。そのことをまずお伺いしたいと思うのです。
  293. 山村勝美

    山村政府委員 焼却率のとらえ方の問題でございますが、一般に排出されるごみの中身を見ますと、可燃物が八〇%、不燃物が二〇%ということでございまして、可燃物について見ますと、先ほど私が申し上げたような数字になります。全体を見ますと、全国的に見まして六十数%と下がってまいりますので、その辺の数字の違いではないかと理解いたします。  それから、いずれにしましてもまだ未焼却分がございます。これにつきましては原則的にはそれぞれの地方公共団体、あるいは一部事務組合等で対応できるということでございますので、センターがあえてそこで集約的に焼くという予定はいまのところございません。
  294. 山本政弘

    ○山本(政)委員 広島のように分別処理をする、五分類をやるわけじゃないでしょう、いまの東京なり首都圏においてやっていることは。とすると、要するに可燃物はいいかもわからぬけれども、あなたのおっしゃるように、あなたの意見を取り入れるとして、不燃物も一緒になって入っているわけですね。そうすると、そういうことについての処理はどうなさるのですか。
  295. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘のように、分別収集がまだ完全な体制になっておらないことは事実でございますが、少なくとも焼却炉に入れられないような不燃物は当然に抜かれてまいります。したがって、若干分別収集が不完全であるという要素を考慮いたしますれば、焼却する割合が今後ふえてまいるということでございまして、当該地域につきましてはできるだけ優先的に焼却施設整備について指導してまいりたいと考えております。
  296. 山本政弘

    ○山本(政)委員 ちょっとお伺いしますけれども、東京の場合にセンターはいつつくる予定なんですか。厚生省運輸省の間でそれは大体決まっているでしょう。
  297. 山村勝美

    山村政府委員 東京圏の場合は、事務的にいつつくるというようなことはできる情勢にはございませんで、いわゆる首都圏サミットという高度な判断で基本的にやる方向については確認されておるようでございますが、やるという意思決定はまだされていないという段階でございまして、いつになるか、いまのところわれわれとしても予測できない状況でございます。
  298. 山本政弘

    ○山本(政)委員 ちょっと確認します。やるという意思決定はまだされてないわけですね。港湾局長、そういうふうに理解していいですね。
  299. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 厚生省のいまの御答弁は、このセンターをもし設立するとすれば、その設立にかかわる都府県の首脳部がいままで集まっていろいろ話しておられるようだけれども、意思決定をされておられないようだと申し上げたのだと思います。
  300. 山本政弘

    ○山本(政)委員 もう一遍言ってください。よくわかりません。
  301. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 関係の地方公共団体、東京湾を囲む地方公共団体がございますが、その公共団体のそれぞれの長の意向がセンターをつくるというような方向で一致して固まっておられないように聞いているという意味でございます。
  302. 山本政弘

    ○山本(政)委員 そうすると、私はよくわからなくなるのですが、ちょっとお伺いいたしますよ。御答弁はどちらでもいいです。  この法案が成立した場合には、附則第一条によれば、「この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」というのは一体どうなるのですか。これは宙に浮くわけですか。附則にそう書いてありますね。間違っていたら教えてください。
  303. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 法律の附則はこのとおりでございますが、先ほど申し上げましたのは東京湾の実情を申し上げたわけでございます。当面大阪湾につきましては、この法律に従ってセンターを発足させるような運びがすぐにとられるようになろうと思いますが、東京湾につきましてはいつになるかわかりません、こう申し上げたわけでございます。
  304. 山本政弘

    ○山本(政)委員 大変割り切れないというか、大変おかしいのです。大阪湾についてはいろいろな推進の母体があってそれを進めているようだからやりましょう、東京湾の方はまだよく決まっていないから、それはいつになるかわかりませんというのだったら、こんなところで法案に東京湾のことなんかつけ加える必要はないとぼくは思うのですがね。皮肉じゃありません。  そこで、いま申し上げたように、直接の輸送にしろ中継基地を経るにしろ、沿道被害というものが恐らく出てくると思うのです。首都圏それから近畿圏の両方とも、広域的に運ばれてくる廃棄物というのは沿岸の積み出し基地で船に移されるわけでしょうから、これは素人考えかもわかりませんが、積みかえの作業に手間がかかるだろうし、積み出し基地への車の搬入台数は、地続きの埋め立てよりもかなり制限をされてくるということも事実だろうと思うのです。東京の中央防波堤の外側に処分場がありますけれども、ここでは一日四千五百台。船に積みかえている唯一の例である大阪北港処分場では一日四百五十台でしかない。それでも朝のピーク時には大変な混雑がある。そうすると、その十倍もある東京の場合には大変な交通渋滞が起こるだろうと思うのです。沿岸の各都府県に二カ所で基地が予定されておるようでありますけれども、どなたかのお話にあったと思いますが、仮に十トン車で行っても、いまそんな大きなものは行ってなくて、四トン車かせいぜい六トン車が中心であろうと思いますが、一日五千台で、かなり短い時間間隔の搬入が見込まれるだろうと思うのです。振動どか騒音とか交通渋滞とかいうものは大変だと思うのですが、そういうものについてどういうふうな対処をなさっているのだろうか。  それからもう一つは、さっき申し上げたように、有害な産業廃棄物チェックするということになっておりますけれども、思い出してください、環境衛生指導員などがきちんと整備されていない。恐らく覆いをめくってチェックするのが精いっぱいだろうと思うのですけれども、計画では、中継基地でも搬入物のチェック、計量検査をやるとなっている。それから、積み出しの基地でも搬入物のチェック、計量検査をやるとなっている。これは本当にやればそれでも私は救われる気持ちがするのですけれども、それでは実際にそういうことがやれるかどうかということですね。聞いてみますと、事業所とか処理業者からの申請書を信用するしかないというのが実態だというふうに言っておるのです。  第三番目には、海洋の汚染です。二枚の矢板を打ち込んで二重鋼管矢板形式だというのですけれども、一体それでにじみ出る汚水なり何なりを防ぐことができるのだろうか。率直に言いますと、東京湾という海面の中にごみ箱をつくるようなものだと私は思うのです。決して誇張した言い方じゃありません。そういうことに対して一体どういうふうにチェックをしていくのでしょうか。そういうチェック体制というのは完璧を期せられるのでしょうか、どうでしょうか。五分しかありませんから。
  305. 山村勝美

    山村政府委員 交通公害問題と受け入れ口でのチェック体制についてお答えいたします。  交通公害問題は、搬入施設周辺住民にとって重要な課題でございまして、この計画を進めるに当たっても最大の課題の一つというふうに認識をいたしております。これについては、先ほど御指摘のように、搬入施設を分散化するということでございまして、大阪湾の場合にはざっと見て八つぐらい考えられるかなというようなことでいろいろ計算をした経緯もございまして、いずれにしましても、島をつくってそこまで船で運ぶ、陸上輸送はできるだけ海に出る段階で分散をするという手当てが一つは必要であろうというように考えております。  また、個々の搬入施設に入る車の調整ということも必要であろうということで、付帯業務としてそういう輸送管理といった面についても配慮してまいりたいと考えております。  また、輸送の方法として、十トンクラスの車になろうかと思いますが、そういう車だけでなしに、中継基地からパイプラインで送るとかいうような方法についてもあわせて検討したいと思っておるところでございます。  いずれにしましても、これからセンター計画に当たって地元関係者と個々に詰めていくべき課題でございまして、問題が生じないよう指導いたしたいと考えております。  受け入れ廃棄物チェック体制の問題でございますが、行政検査に当たる環境衛生指導員は御指摘のような実態であるとすれば問題でございまして、それなりに別途手当てをする必要があろうかと存じますが、その前に、センターの職員がセンターの業務としてみずからの責任を果たせるよう、チェック体制センターみずからがしくということでございまして、県の指導員等と相談をするというようなこともこれまでの答弁で申し上げましたが、それが弱いといたしましても、センターの職員の資質の向上によりましてチェック体制がとれるよう指導してまいりたいというふうに考えております。
  306. 山本政弘

    ○山本(政)委員 チェック体制のことについてはひとつ要望を申し上げておきます。東京と大阪を調べて、私に報告してください。これはきちんと下さい。  もう一つは、言葉を返すようですけれども、あなた方の話を聞いていたら、要するに委員会が済めばもういいんだというような感じなんですよ。これはあなた方の報告書じゃありませんか。パイプラインを考えるなんと言うけれども、ここにこう響いておるのですよ。「将来的にはパイプラインの敷設、ベルトコンベヤーも可能として考えられるが、これらは長距離輸送という点では実現性に乏しい」みずから「乏しい」と書いておって、そんなことが考えられるなんて言えますか。こんなふざけたことはありませんよ。  それから、環境庁の方いらっしゃいますか。もう最後の質問ですから。これは私は本人に確認いたしました。四月二日の一時、企画調整局長水質保全局長のお二人に自治労の方々が交渉したと思います。そのときに参議院の山崎さんが同席をしている。何とおっしゃっているかというんです。センター法に対する環境庁の態度について、法案の目的、基本計画の中身にも明文化させるなど成果を上げている、こうおっしゃっておる。そうして、その後の事前チェック体制について一体どう考えるのだという質問に対して答えがあるのです。主体的には、アセスメント法案、今国会審議となるか、の審議を得た上でのこととなる。基本計画の策定、変更において協議にあずかるので、その段階チェックしたい、これはいいでしょう。また、港湾審議会でも港湾計画の問題として審議され、本庁も入るので十分環境問題を浸透させていきたい、こうおっしゃっておる。問題は第一番目です。アセスメント法案は今度は出ないでしょう。出ないにもかかわらず、こういう答弁をなすっているのです。それはもちろん調整官庁としての苦労があるかもわからぬと思うのです。しかし、そんなことで、とにかく多くの人たちが知りたいというようなことが全部ここではいいかげんに、この場限りでしのいでいったら何とかなるという感じに皆さんお考えになっておる。そんなばかなことはありませんよ。  何回も時間が終了したなんて来るから私はやめますけれども、もう一度機会があったら丹念に一遍質問させていただきたいと思います。  終わります。
  307. 楢橋進

    ○楢橋委員長代理 平石磨作太郎君。
  308. 平石磨作太郎

    ○平石委員 午前の質問に引き続き御質問をいたしたいと思います。  チェックの話を午前中に申し上げておったわけですが、だんだんの答弁を聞いておりますと、チェックについては全く計画を持っていらっしゃらない、こういうことが理解されるわけですが、いまのような状況で果たしてりっぱな埋め立てができるかどうか、非常な疑念を持つものです。それと同時に、いま部長の答弁の中で、中継基地のところで云々という答弁がなされておりました。先ほどの午前中のときにも大阪の例を私が出しましたように、一分に一台の割りで来る。まして今回のこの計画では相当、数千台の車が入ってくるはずですが、それを中継基地でチェックができるかどうか、およそナンセンスじゃないかと思うのです。午前中の答弁の中では、企業が契約段階において云々という話もあった。そこの契約のところだけでチェックが不可能とするのならやはり行政機関の中でチェック機能を持つべきである、そして、その体制を組むべきである、こういう指摘を午前中申し上げておいたわけです。そして、中継基地までは少なくとも地方団体責任において搬入してくるわけですから、そこから先が、埋め立てへ持っていくこと、これがセンターの方の仕事、業務になってくる、こういう説明を受けておるわけですが、センターの職員が、機能、資質を高めてチェックいたします、そこで間に合いますか、もう一回御答弁願いたい。
  309. 山村勝美

    山村政府委員 有害な産業廃棄物処理問題は、あくまで未然に混入しないような手段をとることが基本かと思うわけでございまして、現在、有害廃棄物処理体系につきましては、事業者責任においてやるという体系があるわけでございますので、それについて厳重に指導してまいりたいというわけでありまして、その辺のまず未然防止という点に一つの力点を置いてまいりたいと思うわけでございます。  なお、センターにおいてもそれぞれ契約のもとに確認をしながらやっていく体制をとるわけでございますので、確かにおっしゃるとおり、個々の搬入のたびにチェックすることだけでは不十分である、いろんな補完的な手段によって万全を期していく必要があるというふうに考えております。
  310. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そこで、午前中の質問の中でお聞きをしておいたのですが、一体今度の計画で、あの埋め立ての容量からいったときに近畿圏で何千台の自動車が要るのか、このことをお聞きしてありましたが、お答えいただきたい。
  311. 山村勝美

    山村政府委員 内陸部のトラック輸送、車のトン数によって当然に計算が違ってまいりますが、一つの試算といたしまして、一年二百四十日稼働ということで七千五百二十台という一つの試算をいたしております。     〔楢橋委員長代理退席、小此木委員長着     席〕
  312. 平石磨作太郎

    ○平石委員 これだけの数の車が毎日運行されるということになるわけです。当然そこには、チェックについては非常に困難な問題も出てまいります。と同時に、交通公害、その搬入、そして大阪市内にしろ東京都内にしろ交通事情は御案内のとおりもちろん過密の状態です。そういう中でこの運行がなされるわけですが、もちろんこの中継基地の問題あるいは埋め立てをどのようにするかという問題、こういう基本的な問題の解決がつかなければなりませんけれども、これは一点集中で運行するように考えておられるのかどうか、お伺いをしたい。
  313. 山村勝美

    山村政府委員 搬入基地搬入施設の数は一カ所とは考えておりませんで、湾域の幾つかの港等の施設から分散をして島状の広域処分場に入ってくるという形態を考えておりまして、したがいまして、内陸輸送も当然に分散をされてくるべきものというふうに予想をいたしております。
  314. 平石磨作太郎

    ○平石委員 こういうことについては、警察庁その他と連携をとりながらそういった計画を組んでおるわけですか、どうです。
  315. 山村勝美

    山村政府委員 現段階ではまだごく予備的な調査の段階でございますので、今後二年余かかって策定いたします基本計画段階までに警察庁当局ともよく相談をしてまいりたいというように考えております。
  316. 平石磨作太郎

    ○平石委員 私、けさも申し上げたように、こういう大事なことは、運輸大臣がおっしゃった基本計画の中で、事前調査として当然研究しておかなければならぬことですよ。センターができて、センターの業務としてそういったことを基本計画の中でするという形式ですから、そうすると、このもろもろの問題をここで論議しても、本当にただの仮定の問題だけで論議することになるのです。だから、やはり調査の段階でそういったものについてもつまびらかにしておく、そして周辺地域に及ぼす影響はどうなるか、住民の足を確保するためにどういうようにするか、あるいは生活環境にどのような影響が出てくるかといったようなことをつぶさに基本調査の段階で明らかにしておかねばならぬじゃないかというように私は思うのです。いまの七千台ということ、ちょっと算術的に考えてみましても、一分間に五・二台くらい出てくるということになる。一分間に五・二台もどんどん動き出すということになりますと、チェックの問題やら公害の問題が大変なことになってこよう。したがって、中継基地の設置の個所、こういったことが分散方式でやられるとするなら、およそここらあたりに埋め立てをします、大体ここらあたりが中継基地になるのですというような一つの絵があってもいいのじゃないか、そういうことが現在なされておりません。これはただ抽象的な運営の仕方だけの絵なんです。どこの地先を大体予定しているといったようなことが具体的に示されないと、住民は、果たしてどこへできるのか、そして生活環境にどのような影響が出てくるのかといったような予測も立たない、それに対する対策も立たないという結果に現在なっているわけでして、そういうことを私は強く要望したいわけです。  したがって、これからの基本計画をつくるに当たって、やはり住民の意思も聞いていくというような形でやっていただかないと、地方団体の方も政府の方も、これはセンター仕事でございますので私の方は余り関係がございません、住民から苦情が出た場合に、これはセンターへ行っておっしゃってください、警察行政も政府がやっておることですよ、いろいろな関係のある中で全部センターにまくり込んでしまうというような形で住民の意思が反映できないようなことでは円滑な運営はできない、私はこういうように考えられるわけです。したがって、問題点は全部後へ宿題に残して法律だけ通す、こういうように私は考えるわけです。そうではないとおっしゃるでしょうけれども、結果から判断したときにそうなってくるわけです。  それから、中継地へ搬入してきた場合に、大阪あたりの現地で聞いてみますと、風雨のときもあります、台風のときもあります。だから、一分間に五・二台の車が来て、交通事情も考えたときに、船は風雨のために出ないからやはりそこには集積地をつくらねばならぬ、こういうことが上がっておりました。今回の場合も当然のこととしてここの中継基地で、積み出し港のところで果たして全部さばけるということは予定できません。そうなりますと、どこか中間点に集積地を置かねばならぬのじゃないかというように考えるわけですが、そういう用意はないわけなんですか、お聞かせをいただきたい。
  317. 山村勝美

    山村政府委員 当然に内陸輸送と船の輸送の流れ、頻度等は違うわけでございますので、当然調整のための貯留槽と申しますか、そういうものは搬入基地に設ける必要があるというように考えております。
  318. 平石磨作太郎

    ○平石委員 地方団体が大体二百町村というように言われておるわけです。そうしますと、ばらばらに来るわけですね。そして、中継基地のところで混雑を避ける意味でもそういったような中間集積地というようなものも必要になってきます。そういうようにいろいろ経費の問題等にもかかってくるわけです。  それから、運輸省へお伺いしたいのですが、大阪湾、東京湾で船がいま一日当たりどのくらい運航されておるか、お知らせをいただきたい。
  319. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 大阪湾の入港船舶数が年間に三十万隻程度でございます。したがいまして、一日に直しますと、これは行き帰りもございますから、動いているのは常時何杯かということではなくて、入ってきておるのが一日八百四十隻という平均になっております。
  320. 平石磨作太郎

    ○平石委員 この船が毎日動いておるわけですね。だから、もちろん現状においても過密の状態じゃないかと私は思うのです。そういう過密の状態の中で船を幾らつくって、そして、その運航に差し支えがないか、安全航行が確保できるのか、この航行安全の面についてはどういうような対策をとっておられるか、お聞きしたいと思います。
  321. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 大阪湾の調査を私どもがいたしました中には、現在、大阪湾内で船の運航が、ある仮定を置いたタイプとしてどういうふうに動いているかということを考えまして、それと廃棄物運搬船がどういうかかわりになるかというのをシミュレーションという形でチェックをした調査をいたしております。そういうことでそれほどの問題はないだろうという結果を得ておりますが、数で申しますと、いま申し上げましたように、大阪湾に入ってきて、その中で動いている船が八百四十隻ございまして、廃棄物の方の、われわれが考えております方の海上輸送に必要な船は、これは船の大きさ等でまたいろいろございますけれども、われわれが考えられるものでは数が多くても一日に大体二十隻くらいではないかと思います。一日に二十隻の船が八百四十隻の中に入ってふえてまいるわけですが、率にすれば二%程度でございます。もちろん野放しにしておいてはいけないわけでございますから、基本計画の中の適合基準で、廃棄物搬入及びこれによる海面埋め立てに当たって、輸送活動その他の港湾及びその周辺の海域における活動との調整について十分配慮することとされていることというふうに書いてございますように、調整して運航の仕方等をあらかじめ決めておく必要があろうかと思います。そういうことさえやれば、この程度の船の数であれば十分に対応ができるというふうに判断をいたしております。
  322. 平石磨作太郎

    ○平石委員 それでは、次へ移らせていただきます。  この法律ができ上がって一応センターができる、そして地方団体処理すべきことが委託をされて業務が始まります。当然そこには経費負担という問題が出てくるわけです。この地方の経費負担については、団体等にお聞きをいたしますと非常な負担増が予想される。しかも、今度の計画の中では、本体的な工事については国庫補助が二五%、そして残り七五%については地方団体の負担だ、こういう計画になっておるようです。これは本体的な工事そのものについての考え方の計画のようですが、地方団体にとってみますと、もちろん責任はあるわけですけれども、それ以外にいま申し上げて、るる指摘されたような交通の問題やチェック機能の体制の強化の問題、それから住民に対するところの諸施策、いわばそういう公害等が生活環境に影響を及ぼすというようなことから周辺地域に対するいろいろの施策をしていかねばならない、付帯的な出費といいますか、費用負担といったものがかかってくるわけです。そういうことをいろいろ地方団体は心配をしておられるものもあります。したがって、コストが非常にかかる。それから、内陸部におけるところの地方団体は海岸線まで運ぶわけですから、輸送コストの問題も出てきます。  そのように、果たしてどれだけの経費がかかるものか、十分にわからないながらも、経費がふえるということについては皆さんが心配をしておるわけです。そして、埋め立てが行われてこれを処分をし、売却をし、そして一応利用料、使用料等でやってはいきますものの、将来ペイしていこうということであるならば、そこには当然安いコストでもってやらないと価格の面において差し支えが出てくる。もちろん良質な埋め立てをつくるためにチェックもしていかねばなりません。そのように不良なものであったら持ち抱えということになりますし、それから価格の面においてはどうしてもコスト高になってくる。コスト高になってきますと、むしろ余裕のあるところ、たとえて申しますならば大阪市あたりは、私、調査いたしてみますと、あの北港の北部をいまやっております。これが五十八年度に大体完了しよう。南部の方がこれから約十年間かかるという。そうすると、そこにはある程度の余裕があるわけです。緊急性があるといっても、将来のために大阪市は参加しておるようですが、そこにはある程度の余裕を持っておる。内陸部の団体にとりましても、あるいは内陸で処理ができるといったような、そこがコストの関係で、余りにもコストがかかり過ぎるともうやめた、現在は六府県の二百団体という形になって、加盟はいたして促進協議会もつくっておるようですが、いよいよになってきたときに、これは脱退してみずからの経費で処理した方がむしろいいのだといったようなことまで考えておる団体がおります。だから、先ほどからそれぞれ指摘されておるようなことを十分に計画し、示し、コストの面においてはある程度こんなことですといったようなことを示していかねばならぬし、それが出てきた段階で加盟から脱退しようかというようなことが起こり得ることも予想せねばなりません。そうしたときに、埋め立ての八百ヘクタールというものに影響も出てきます。  こういうことも経費負担の面から団体は心配をしておるわけですが、もしそういうことになったときに、この計画は遂行できるものと考えておられるか、お伺いを申し上げたい。そして、もしそういうことになって搬入廃棄物が少ない、したがって八百ヘクタール見込みなしということになったときに、港湾を管理せられる運輸省は、八百ヘクタールというもの、調査の段階においてすでに大阪湾一つの絵というものは描いておられると思うが、それに足らないとかいうようなことの影響が出てくると思うのですが、そこらあたり運輸省お答えをいただきたい。
  323. 山村勝美

    山村政府委員 このセンターは、内陸においてどうしても自己処理ができないものを引き受けようという基本的な考え方でございまして、もし区域内の地方公共団体で内陸部に処分地が確保できる団体についてはわざわざセンター委託をしないでみずから整備すべきものであろうと考えておるわけでございます。したがいまして、言いかえになりますが、内陸部の地方公共団体が利用するのは区域内での処理により得ない場合ということでございまして、沿岸部の地方公共団体に比較して廃棄物の輸送コストに伴う負担が大きくなってまいりますが、これはやむを得ないと考えておりまして、自分の行政区域を越えて他の地域廃棄物処理をしようということでございますので、若干の差はやむを得ないと考えております。  個別の市町村との具体的な計画は、実施計画段階で結ばれることになります。基本計画段階では入っていたけれども、実施計画段階で輸送コストを理由として不参加団体が出ることも予想されますが、それほど多数になるというようなことは考えられませんので、ごく一部の不参加団体が出ましても計画にそごを来すというようなことは心配ないのではないかと考えております。
  324. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 前提になる問題は、いま厚生省からお答えがあったとおりでございますが、そういうことで大きくそごすることはないと思うておりますので、基本的にこれを洗い直すというようなことではなくて、もし若干の公共団体がそのコストの関係でここには捨てないというようなことになられて計画が縮小の必要があれば、それに合わせた計画に変更するというような形で対応すればよろしいかと存じております。  八百ヘクタールというのは、先ほど来何度か申し上げたと思いますが、私どものいままで仮定を置いてこれぐらいどうしても必要だろうというのを推定したもので、いま先生が御指摘のようないろいろな事情を現実にアプライして、そして本当の基本計画というものができてくる、その基本計画ができてくれば恐らくそれはそれほど動かないだろうと考えておるわけでございます。
  325. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そこで、地方団体の負担の問題ですが、非常に心配をしておるわけです。この計画の中で補助対象をもっと広げてほしい、こういう要望がございます。それで、廃棄物処理施設、中仕切り、いわゆる中継基地、搬入道路、周辺整備は補助対象から外れておるということですが、それから廃棄物埋め立ての護岸と中仕切りの堤、揚陸岸壁、さらには余水の処理施設が必要なわけですが、これも補助対象外である、こういうことでございますが、これは補助対象に入れてほしいという話を聞いておるわけです。
  326. 山村勝美

    山村政府委員 現在、事務所、倉庫、公舎、既存の施設の撤去といった主として維持管理的な施設については、これを除外いたしております。御指摘の余水処理、排水処理施設搬入に関する施設に付帯するものについては補助対象といたしております。  中継基地という話がございましたが、中継基地をどうとらえるか、収集運搬施設原則的に補助対象としない、処理に関する施設については補助対象としておるという基本的な考えでございまして、中継基地をそのいずれと解釈するかによって異なりますので、実情によって判断をいたしたいと考えております。
  327. 平石磨作太郎

    ○平石委員 実情によって判断せられる、中継基地については地方団体としてはぜひ入れてほしい、こういう要望を非常に強く聞かされております。よろしくお願いしたいと思います。  そこで、自治省にお伺いをいたしますが、国庫補助が二五%、残り七五が地方の負担だ、それには当然起債がつく、こういうことに相なろうかと思うのですが、この起債について縁故債とかいったような高い率のものでは非常に困る、政府資金を起債に使ってほしいという考え方、それからもう一つは、大きな負担を長年にわたってやらねばならぬのですから、当然基準財政需要額の中に算入してもらいたい、こういう団体の話を聞きましたが、そういうことができるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  328. 矢野浩一郎

    ○矢野政府委員 今回のこの法律案によりまして行われる事業についての地方公共団体側の経費負担に関する財政措置でございますが、御案内のように、今回の法律案におきましては、地方団体が従来から行っておる清掃という仕事あるいは港湾管理者として行っておる仕事、その性格を尊重すると同時に、財源措置について、できるだけ現在通常の廃棄物処理について行われております仕組みに劣ることのないようという点を考えまして、地方団体からの委託によって行うということにしたわけでございます。センター自身で直接ということになりますと、一般の地方債につきましてもあるいは交付税の面につきましてもこれができないわけでございますが、市町村あるいは都道府県からの委託という形をとりますので、これにつきましては通常の場合と同様に、地方負担につきましては地方債の措置をしてまいりたい。  お尋ねの、地方債については、将来の金利負担等も考えて、できるだけ金利の安い政府資金にすべきではないかという点でございますが、現在の地方債計画におきましては、全体が政府資金ということになればまことに結構でございますけれども、御承知のように、政府資金は財投、資金運用部の方から回ってくるわけでございますけれども、五十六年度の場合でございましても地方債計画六兆九千三百億のうちの三兆一千八百億、約四六%弱が政府資金でございます。したがいまして、できるだけ私どもは政府資金の量をふやしたいと思っておりますけれども、この金利の安い政府資金につきましては、そういう観点からできるだけ財政力の弱い市町村、小さい市町村、資金調達能力のないところから優先的にまず充当をしてまいりたい。そういうことで、政府資金の充当につきましてはできるだけの努力をしてまいりたいと考えております。  それから、第二点の交付税の基準財政需要額についての算入の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、委託方式をとりますので、それぞれの地方団体ごとに事業量が決まりますれば、その国庫補助事業に対応する地方債につきましては、現在の仕組みでもその一部を基準財政需要額に算入するという制度がございますので、それにならいまして基準財政需要額に算入をしてまいるという措置をとってまいりたい。  いずれにいたしましても、委託という方式をとることによって、通常市町村が行った場合よりもこのセンター委託して行った場合が財政負担が大きいということにならないようにできるだけの努力をしてまいりたい、そういうぐあいに考えておるわけでございます。
  329. 平石磨作太郎

    ○平石委員 もう時間がなくなりましたが、運輸大臣見えいただきましたので。  いままでのだんだんの質問の中で、実施に当たってのいろいろな問題点がございます。そういったことを踏まえて、きわめて大事な仕事であるから、しかも地方住民に迷惑をかけない、団体にも余り迷惑をかけない、そしてスムーズにこういった処理が行われるように一段の努力を願いたいし、さらに指摘申し上げたことについては十分基本計画その他に反映をさせていただいて、スムーズにいけるように私は強く要望をしたいわけです。したがって、大臣最後の決意といいますか、所感といいますかをお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
  330. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 この法律は、御承知のように、いままで一つ事業主体では解決できなかったごみ処理の問題を、複合的な主体を一つつくりまして、新しい組織をつくりまして、それによって解決しようということでございまして、いわば私たちの立場から申しましたらこれは組織法でございます。でございますから、運輸省厚生省が直接事業をやるのではなくして、地方自治体が相談をしてやってください、その道を開きましょうということで道を開いたわけでございます。したがいまして、あくまでも地方自治体から出ておる役員が実施いたすわけでございます。したがって、政府としては指導と監督と助成と融資というような面におきまして強力なるバックアップをしていかなければならぬということでございますが、同時に、いま御質問にございましたような諸問題はこれからも重要な問題として十分鋭意努力しながら、そういう問題を起こさないようにしてこの事業の執行を図っていかなければならぬのでございまして、指導の面におきまして一段強化して実施さすつもりでございます。
  331. 平石磨作太郎

    ○平石委員 以上で終わります。
  332. 小此木彦三郎

    小此木委員長 米沢隆君。
  333. 米沢隆

    ○米沢委員 本法第一条「目的」に言います「廃棄物」とはどういうものか、廃棄物処理法第二条との関係について御説明いただきたい。
  334. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物の定義、範囲でございますが、本法では廃棄物については不要なもの、要らないものという一般的、包括的な概念でとらえておりまして、廃棄物処理法の方では責任を明確化する意味で「一般廃棄物」「産業廃棄物」等と詳細に決めておりますが、本法では包括的な概念で十分であるということから、特段廃棄物の定義を置かなかったものでございます。
  335. 米沢隆

    ○米沢委員 従来までもこの埋立護岸工事が数々実施されております。いただきました「廃棄物埋立護岸等の整備状況一覧表」等をながめましても、東京港、川崎、横浜、千葉、大阪、堺泉北、尼崎西宮芦屋等々、従来から廃棄物埋め立てによって護岸工事が行われておる。これを読みますと、そこの埋め立てに用いられました廃棄物というのは、この備考欄に「一般廃棄物、陸上残土、浚渫土砂等」と書いてあるわけですね。  こういうところから見ますと、従来までの廃棄物埋め立てによる護岸工事というものは産業廃棄物は入っておりませんね。そういうことでよろしいのですか。
  336. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 一部公共系の産業廃棄物、つまり下水の汚泥等はこの中に入っております。
  337. 米沢隆

    ○米沢委員 それでは、いわゆる公共工事等で出てきた建設土砂というものは従来どおり入る、その他の産業廃棄物というものは全然この対象にしない、こういうことになるのですか。
  338. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 今回のこの事業におきましては、産業廃棄物のうちどうしても個々の事業者におきましては処理の不可能な、非常に零細、中小の業者から出る産業廃棄物がございますが、こういったものはここへ受け入れなければ受け入れ方法がないというような観点から、中小企業産業廃棄物に限って受け入れることと考えております。
  339. 米沢隆

    ○米沢委員 そのいわゆる中小企業から出るものと大企業から出るものという、いわゆる出てくるところの規模で判断をされるのか、産業廃棄物の性質とか量とか、そういうものから判別されるのか、そのあたりはどうなっておるのですか。
  340. 山村勝美

    山村政府委員 産業廃棄物の中で区分をいたしますのは、有害な産業廃棄物を入れない、これは明らかにいたしております。規模によって入れる、入れないの議論は必ずしも明快に考えておりませんで、都道府県が当該地域において処理計画をつくった段階産業廃棄物処理が困難であるという判断をいたしましたら、中小企業に限らず、一部の大企業のものが入る可能性も十分に入っております。
  341. 米沢隆

    ○米沢委員 現在の廃棄物処理法の三条ですが、この解釈がどうもいろいろまちまちであるような気がいたします。  そこで、確認を申し上げたいのでありますけれどもも、現行法の三条は、事業活動に伴って発生した廃棄物であっても限定列挙に当てはまらないものはすべて一般廃棄物とされて地方公共団体が第一次的な処理義務を負うことになるというふうに解釈してよろしいですか。
  342. 山村勝美

    山村政府委員 そのとおりでございますが、ただし、そういう一般廃棄物について市町村責任を有することになりますが、それは市町村処理計画に基づきまして事業者みずから処分することを場所、方法等について指示できるというような仕組みになっておりますので、市町村が必ずしもみずから手を下してやるということではございません。
  343. 米沢隆

    ○米沢委員 そこで、問題になりますのは、たとえば通達によりまして廃棄物処理法の対象にならないものがありますね。その中に、御承知のとおり、港湾、河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの、それから漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物等であって、当該漁業活動を行った現場付近において排出したもの、土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの、こういうものが通達によりまして廃棄物処理のシステムに乗らないということになっておるわけですね。  そこで、先ほどの説明の中で、今回のこのセンターは公共工事等をやった排土等については処理するけれども、従来から処理システムに乗っていなかったそういうものについてはどうも後ろ向きだというふうに理解をしたのですが、そうなりますと、一番問題になっておるのは、民間の建設土砂みたいなもの、こういうものがこれから先大変大きな問題になってくると私は思うのですね。その中には、確かに先ほどから出ておりますように、分別してきれいに分けて、こっちの方は市役所にお願いしましょう、こっちの方は自分で処理しましょうなんということにせよとなっておりますけれども、実際は民間の小規模のたとえば建築工事だとか、何か工務店がやる仕事だとか、そういうものについていつも排土みたいなものが問題になってくるわけです。そういう意味で、そういうものが今度のセンターで扱われないということになりますと、従来と同じように、不法投棄的なものがそのまま行われてくるという可能性があるような気がするのですけれども、その点どういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
  344. 山村勝美

    山村政府委員 この事業は、その公共的な性格から、処分に当たりまして公共事業にかかる陸上残土を中心に考えたものでございますが、今後センターが地方公共団体と協議を行って受け入れ対象を定めていくわけでございますが、それは地方公共団体等が行う公共事業から発生するものが主たるものとなろうということが予想されるわけであります。しかしながら、御指摘のような不法投棄等の問題がございまして、公共、民間を問わず問題になることも考えられますので、センター及び地方公共団体判断によりまして、排出者負担の原則のもとに弾力的な運用が図られることも必要かというふうに考えております。
  345. 米沢隆

    ○米沢委員 結局、産業廃棄物等は有害なものは受け入れない、しかし産業廃棄物の中でも列挙されておる、あるいは政令で定められておるもの以外は一般廃棄物ですから出てくる可能性があるわけですね、いまの話によりますと。そうなりますと、御承知のとおり、一番不法投棄という観点から問題になりますのは、結局大きな企業等もそういうような廃棄物処理するような部分については下請に出したり中小企業でやらせたりしていますね。そうしますと、中小企業そのものが処理能力がありませんから、自分でやれ、こう言われても結局はできないままに何とか処理しようということでこっそりということになる例があるわけでございます。  そういう意味で、いまおっしゃいましたように、建設土砂等を含めまして、中小企業等が本当は大企業の自己責任でやれということをもっと大きな声で言うてもらわねばいけませんけれども、仕事の仕組みとしては中小企業にその分野を任して、彼らがそれで飯を食っているとなれば、そこから処理するときに彼らが自分の責任でやらねばならない、こういうことになりますからちょっと気の毒な部分もあるわけで、そういう意味で、産業廃棄物の中でも一般廃棄物的なものについてはぜひちょっと幅を広げてこういうもので扱ってもらうように強く要請を申し上げたいと思うのでございます。  それからもう一つ、これは厚生省に考えてもらわねばなりませんが、不法投棄等の問題を考えましたとき、立法上の不備がございますね。というのは、捨てた人にはいろいろ罰が科せられるということになっておりますが、それを頼んだ者には全然問わないということになっているわけですね。ですから、大企業と中小企業の中に入っておる下請の処理屋さんと、それを頼む企業との関係におきましては、本当は先ほどから言いますように、自己責任でやってもらいたいということを声を高くして言うてもらわねばなりませんし、その責任ももっと追及されねばなりませんけれども、現在のところ不法投棄ということは、投棄する行為だけが罰せられまして、それを委託して、おまえら勝手にやれという立場にある者については全然法は無能である。このあたりはある時期に来たらぜひ改正しなければならぬ問題ではないか、私はそう思うのですが、厚生省の見解をちょっと伺っておきたいと思います。
  346. 山村勝美

    山村政府委員 事業者等が業者委託する場合、法律の定めによりまして委託基準に基づいて定めるわけでございます。委託基準に外れて処理をすれば業者処分されますし、委託基準を定めて、その委託基準の中で違反があった場合には事業者まで、もとまで戻るというようなシステムになっております。
  347. 米沢隆

    ○米沢委員 問題は、その許可業者については監督指導あたりができるシステムになっていますが、結局問題を起こすのは無許可業者ですね。この無許可業者については投棄だけを責めるということになっていますから、これは見ていないとどうしようもないのですね。そういう意味で、許可しておる業者がやる分についてはある程度法の網をかぶせることができますが、結局無許可業者、このあたりがやる不法投棄というものが野放しになっておる、こういうものは逆に累増しておる、こういう点をやはり検討課題の一つとして加えてもらいたいと要請をしておきたいと思います。  それから、海面埋め立てについてちょっとお伺いしたいのでありますが、今後大都市圏域における広域的な共同利用に供すべき最終処分地は海面埋め立てに求めざるを得ない、こういうことはこの法案でも目標といたしておりますし、ある程度理解をするわけでありますが、海面埋め立てといいますと直ちに漁業者との調整、先ほどから問題になっております漁業者との調整あるいは二次公害の発生という問題を想起するわけであります。この点、今後障害になることはないのかどうかということです。特に二次公害の発生しないための工法という点でどのような配慮が行われるのか、この点を聞かしてもらいたいと思います。すでに先ほど例を出しましたように、海面埋め立て処分場については、港湾において廃棄物埋立護岸として整備がなされているということでございまして、過去において問題は発生していなかったのか、その点をちょっと聞かしてもらいたいと思います。
  348. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 最初に、漁業者との調整の問題でございますが、当然この事業を実施いたします際には漁業者との調整を十分に行って、相互の納得の上でスムーズに事業を実施する必要はあろうかと思っております。したがいまして、この各段階におきましてセンターが漁業者と十分に説明、調整を行って、理解を得るように努めなければならないと思っておりますし、促進協議会の段階からすでに地元の漁業者にはいろいろと説明等が行われております。現在までの段階の私どもが聞いておりますところでは、その説明に対して漁業者の方の理解もある程度得られておるというふうに伺っております。  それから、埋立地の護岸の問題でございますが、従来行われております廃棄物埋立護岸におきましては、中に入りますのが廃棄物でありますから、ここからの浸出液というような問題が起こらないように、護岸の構造といたしましてはできるだけ水の漏れの少ない構造を選ぶというようにしております。そして、その中に入れる物あるいは入れ方等についての管理を十分に行ってまいりますれば、これは中から浸出液が漏れて海域の二次汚染を起こすというような問題は防ぐことができるように考えております。  それで、現在までやっております廃棄物埋立護岸の実情を申し上げますと、東京湾及び大阪湾で実施しております護岸では、その外側で場所を決めて定期的に水質の検査をいたしております。その検査の結果で現在まで問題が起こったという例はございませんので、先ほど申し上げましたような配慮をすることによって二次公害というのを防いでいくことができる。また、そういったセンター事業につきましても、水質チェックというようなチェックの機能は当然考えなければいけないというふうに考えております。
  349. 米沢隆

    ○米沢委員 過去においてその問題はなかったというような御発言のようでありますが、いま厚生省では産業廃棄物にかかわる調査研究の一つといたしまして、海面埋め立てにおける浸透防止工法に関する研究がテーマに上がっておりますね。これは過去における海面埋め立てが必ずしも問題なしとしないという反省の上に立ってこういう研究がなされておるのじゃないですか。
  350. 山村勝美

    山村政府委員 これは実験的なものでございまして、有機物、生ごみをそのまま埋めた場合に、それが砂質のところを通してどういう影響があるかとか、あるいは五年間埋めた場合にどういう傾向をたどって浸出液が出てくるのかというような実験的研究をちょっとやったものでございまして、記憶しておるところでは、二年目あたりから急激に、BODという有機物をあらわす指標で見ましても、かなり有機物は分解が進んで浸出液の質が改良されてくるというような、少し今回とは違うような実験の内容でございます。
  351. 米沢隆

    ○米沢委員 この海面埋め立てにかかわる浸透防止工法に関する研究というのは、いま御答弁いただいたようなものだけではないと思っておるのですが、記憶だけですか、それとも確実なものですか、それは。  この厚生白書等によりますと、埋立中に汚水が出たり、あるいは逆にそれを恐れる余り過大な設計となって大変コストが高くなる、そういうものを排除するために、埋め立てする場合に、そういういわゆる汚水が出ないような工法というものを研究する、そのためのいろんな調査じゃないですか。そう書いてありますけれどもね。
  352. 山村勝美

    山村政府委員 そういうことでございまして、護岸の透水性について実験をしまして、そういう実測値をもとに埋め立てをする際の浸透防止に対する技術の開発の基礎資料としようというようなものでございます。
  353. 米沢隆

    ○米沢委員 やはりこういう研究が必要であるということは、過去において問題なしとしなかったという点にあると私は思いますね。そういう意味では、この研究機関が、今後のこの護岸工事等に大いに役立てられるように御要請を申し上げておかねばならぬ、そう思います。  それから、埋立処分と跡地利用の問題についてでありますが、埋め立ては単なる廃棄物処理の問題としてとらえるのではなくて、都市環境整備の一環としてとらえるという発想はきわめて重要なことであると思います。ただ跡地は、土地造成の過程により軟地盤となるという可能性が避けられない。当然その利用にも制約が出てくると思われるわけでございます。実際は将来の土地利用の形態を考慮して埋め立てるということでございますけれども、そういう意味では、今度は埋立工法が、単に廃棄物をどんどん捨てていきながらいつの間にか造成地ができるというのではなくて、最後の跡地利用を考えた場合には、後の利用形態を考えて、地盤の軟弱だとかそういうものを配慮した埋立方式というのがやられるはずですよ。  そうなりますと、市町村ごみを捨てる場所という感覚で持ってきますよね。そういう意味では、ある程度コストは安いかもしれませんけれども、跡地利用ということを考えますと、造成の仕方から、時には土をまぜなければいけないし、時には何か別の物をまぜて軟弱なものをなくしてしまわねばならぬ。そういうことになりますと、ただ廃棄物を捨ててそれで何となく造成地ができるというものよりも、かなりのコストが要るのではないか。ひょっとしたら、ごみがやってきて待っておらなければいかぬかもしれないですね。  そういうことを考えましたときに、単に廃棄物を埋めて何となく表面ができ上がるという工法をとらないとすれば、私はかなりのコスト高になると思いますが、そういう工法はどういう工法をとられるのですか。
  354. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 この事業基本計画におきましては、この跡地の利用の態様が決められるわけでございますが、さらにその段階を経てまいります間で、港湾計画との調整、整合の問題が生じてまいります。  港湾計画におきましては、埋立地のどの部分にたとえば埠頭をつくる、どの部分に緑地を設ける、あるいはどの部分が倉庫等の業務用地になるといったような、そういう利用の平面図を決めることになっております。そういうふうに決まった港湾計画と整合を持ってこの廃棄物埋め立てがなされるということが、港湾の利用との関係で非常に必要でございますので、御指摘のように、投棄します廃棄物の種類と、その将来予想される利用の計画との間には若干関連をつけておかなければいけないというふうに思うわけでございます。  たとえば具体的に申し上げますと、大阪の北港北地区等では跡地を緑地として考えております。緑地として考えるときは、若干地耐力の弱いようなものでも差し支えがございませんので、そういう場所には地耐力を要しないようなごみを投棄するし、それから埠頭の岸壁の直背後の用地については良質のものを入れるというような埋め立てのやり方をする必要があろうかと思います。  このための費用でございますけれども、これは当然その埋め立てをやります場合に中仕切り等をつくって、全部一緒にどこでもいいから捨てるというようなやり方はしませんで、埋める場合には中仕切り等をつくって次々に埋めていくということをいたしますので、その中仕切り等の施工を工夫いたしますれば特に非常に余分のコストをかけるということなしにそういった選別といいますか、あとの利用形態に合わせたような埋め立ての施工方法が可能になるというふうに考えております。
  355. 米沢隆

    ○米沢委員 かなり簡単に考えていらっしゃいますけれども、簡単なようでむずかしいのは、埋立工法を廃棄物処分に力点を置いてさっとやるのか、それとも跡地利用に力点を置いてやるかによって、かなりのコスト高にならざるを得ないであろう。そうした場合、地方自治団体がこれをかぶることになるのかな、このコスト高分をどこが支払うのか、そういうことは考えていらっしゃいますか。
  356. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 跡地利用に対して非常に余分のコストがかかることはないというふうに私先ほど申し上げましたが、特に特筆するほどのコスト高にはならないと思います。若干の差異はあるかもしれませんが、これにつきましては、当然そういうふうな配慮をしてつくりました埋立地の方が跡地を利用する場合の価値も高いということになりますので、その間のバランスはとれるのではないかと思います。
  357. 米沢隆

    ○米沢委員 最後になりましたけれども、こういうことで大都市圏ごみ処理というものの将来展望がある程度開けるわけでありますが、大都市圏最後に残るのは、空きかん、空きびんという散在性の廃棄物をだれが回収してだれが処分するのかという問題、それから自動車のタイヤあるいはヤクルトなんかの容器、それから電気製品等の大型廃棄物、そのあたりをこれから先どういうかっこうで処分していくのかという問題、これは大中小を問わず大きな問題になっておりますが、特に都会地では問題になっていくのではないか。その点を、特にこれから先の対応策として厚生省はどういうふうに考えていらっしゃるのか。あわせて、たとえば空きかんとか空きびん、ゴム、電気製品だとかいうのは、結局処理法三条によると、事業者責任みたいなものがあるような気もしますし、結果的にその責任を追及できるような法的体系かなと思うと大変不備なような感じもするわけで、そういう意味で、古タイヤあたりを自動車メーカーに回収させられるような法的根拠があるのか、たとえばヤクルトの容器をヤクルトさんに回収してくれというような法的な根拠があるのかどうか、そのあたりもあわせて聞かしてもらいたいと思うのです。
  358. 山村勝美

    山村政府委員 御指摘の諸問題、なお検討すべき余地が実態的に残っておるというふうに思っております。一般に商品が消費者の手を経て廃棄される場合には一般廃棄物として市町村にゆだねられるわけでありますが、これを製造業者、販売業者に回収処理させる等の措置をとらせた方が妥当であるといったような場合には、適正処理が困難であると認められるわけでございます。法三条二項には「製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」ということが、御指摘のように書いてあるわけですが、その目安といたしましては、現在の処理技術では適正な処理が困難な性状を有しておる、たとえばPCBのようなもの、それから技術的には処理が可能でもきわめて多額の費用を要するといったような場合、あるいは市町村処理施設そのものを損傷するおそれがあるといったような条件に当てはまる場合にそういう扱いをしておるわけでございます。  具体的にどのような商品が客観的にこうなるかということは一概に言えないわけですが、たとえばヤクルトのポリ容器につきましては自主回収という体制をとっておりますが、これはあくまで行政指導によってやっておるところでございます。また、その他のものにつきましても、個々の市町村においてその地域処理体制を考慮しながら必要な行政指導としてそういうものを別途処理させておるような例があるようであります。  空きかん、空きびんの問題は、空きびんの場合、きわめて一般的なものは、販売ルートを逆流する形でかなり業者に回収されておるようでありますが、とりわけ空きかんにつきましては、道路等の公共の場所に散乱が目立っております。これは散乱空きかんを拾い集めること、散らばっていることが問題でございます。つまり清掃ということでございましょうが、いわゆる収集運搬の前段階の問題でございまして、この廃棄物処理が困難であるものの処理については収集運搬以降の問題としてとらえておりまして、散在性の問題として空きかんについては別途考えていく必要があるというふうに考えております。
  359. 米沢隆

    ○米沢委員 終わります。
  360. 小此木彦三郎

    小此木委員長 藤田スミ君。
  361. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 まず最初に、問題の前提として確認をしておきたいと思います。  法律上は広域臨海環境整備センターが設立されましてから基本計画をつくり、この基本計画の中で埋め立ての規模だとか位置、廃棄物処理計画をつくるということになっておりますが、これらの点につきましてはもうすでに政府の方からもらっている資料のとおり、昭和六十一年から十年間で、大阪湾で約八百ヘクタールを埋め立て、一億四千万立米の廃棄物処理する必要がある、さらにこの処分が必要な一億四千万立米の内訳は、一般廃棄物で千五百万立米、産業廃棄物三千五百万立米、陸上残土で七千百万立米、しゅんせつ土砂が千九百万立米という見通しであると理解をしておりますが、確認をしておきたいと思います。
  362. 山村勝美

    山村政府委員 そのとおりでございます。
  363. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 そこで、運輸省にお伺いしますが、この法律を出すに当たって当然環境上の問題も検討されたと思います。どのような調査をされたのか、そして、どういう結果が出たのか、それにどれくらいの経費を費やしたのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  364. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  環境アセスメントの調査と申しますか、環境に関連をいたしました個々の項目について調査をいたしておりまして、地形、地質調査、気象、海象調査等の自然条件調査、それから環境影響調査といたしまして海流調査、水質調査、底質調査、生物調査、漁業調査、その他、そういった調査で五千九百万円、大阪湾において支出をいたしております。
  365. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 そういう調査をされたということでありますけれども、先ほど来の質疑の中でもはっきりしましたように、有害廃棄物処理の不十分さですね、特に有害物質の典型であるPCB、わけて水銀に至ってはほとんどそのチェック体制もできていない。それから、先ほど環境衛生指導員の整備が非常に不備であるという点も指摘されました。     〔小此木委員長退席、山崎委員長着席〕 そういうことから二次公害という問題が十分考えられるわけであります。  そういうことと加えまして、大阪湾で十年間に八百ヘクタールを埋め立てるということは、その調査の結果、当然汚染されるということも出てきたのじゃないかと思いますが、環境庁、どうなんでしょう。言うまでもなく、いまこの大阪湾というのは、そして瀬戸内海の環境というのは、置かれている現状は非常に重大だと思うのです。私はここで細々言いませんけれども、しかし大阪湾あるいは瀬戸内の汚染状況が非常に著しい、だから瀬戸内法という法律をつくって、その中でも特に、厳に埋め立てを抑制すべき海域だというふうにされているわけです。この法律が閣法である以上、環境庁としても大阪湾で一億四千万立米の廃棄物で八百ヘクタールを埋め立てるという大枠は認められたのだと思いますが、環境庁としてはどういう検討をされてこられたのか、お伺いをしたいと思います。
  366. 森下忠幸

    森下説明員 お答えいたします。  この法案につきまして環境庁の関心事といたしましては、一つは、広域処理場整備環境保全に十分留意して行われるものであるかどうかということが一つ。それから、廃棄物をできるだけ減量化した上で、貴重な海面でありますから海面に適正に処理がされるかどうかということでございます。  法案につきまして、この点についていろいろ検討いたしました。その結果、環境保全上の配慮とか適正な処理ということはこの法案の目的の中に入っておりますし、具体の仕組みといたしましては、業務にかかわる基本計画が、適合すべき基準として、たとえば廃棄物受け入れ基準が、関係地方公共団体が実施いたします廃棄物の減量化の施策の推進に寄与するものであること、あるいは広域処理場の周辺地域における生活環境並びに港湾及びその周辺の海洋環境の保全について十分配慮されていること、こういうふうな基準に合っているということが必要条件でございますし、あわせまして、今度、基本計画をつくります手続などの段階環境庁がこれに十分関与することができるということでございますものですからこの仕組みが組み込まれておるということからこれで十分関与できるというふうに判断したわけでございます。
  367. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 えらい甘いと思うのです。実際の実施主体が決まれば個々の計画についてのアセスメントはされるということでしたね。しかし、私は、もし環境上の問題があればその行為を中止するということも含めて検討するのが本当のアセスメントだと思っているのです。そのことは関西新国際空港の計画でもそうですね。十分環境影響に対する調査をやって、そうして、これが適当でないと判断をしたときにはやめるんだということを前提にしてあれだけの予算を使っていま調査をやっておられるわけです。  そのことから考えあわせますと、先ほどの五千九百万円というのはえらい心もとない話ですけれども、第一、この法案を通した上で具体的な位置や規模について実施主体がアセスメントする、先ほどの御答弁を聞いていましてもそういうことですが、それでは本当のアセスメントにならないんじゃないかというふうに考えますが、その点についてはどうでしょうか。
  368. 森下忠幸

    森下説明員 この基本計画の中で定めますことは、法律にはっきり書いてございまして、広域処理場の位置、規模、それから廃棄物受け入れ対象の区域、廃棄物の種類、量、受け入れ基準、それから工事の施行の問題とか海面埋め立ての実施の問題、それから造成された土地に関する事項、それから処理場整備に伴う環境保全上の措置についての事項、こういったものを基本計画の中に定めまして、この基本計画について主務大臣が認可をされるときに、関係の行政機関の長に協議をなさる。環境庁も長官がその行政機関の長の一員ということで、環境保全の観点から十分慎重にこれについてチェックができるというふうに考えております。  先ほどの先生のおっしゃいました規模とかにつきましては、まだ構想の段階でございまして、これが十分固まってまいりまして、規模、位置、それから法線、そういったものが具体化いたしまして、それに基づいたアセスメントが行われましたら、これについて私どもは十分慎重に審査してまいりたい、このように考えております。
  369. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私が聞いていることにちゃんと答えてほしいと思うのです。大阪湾で予定されている埋め立てはこれだけではありませんよね。八百ヘクタールのこの埋め立てのほかに、さっき言った空港の埋め立ても千二百ヘクタール、それから前島というのがいま計画で出ていますね。これは八百ヘクタールです。これだけ合わせますと二千八百ヘクタールになるわけです。この数字は、昭和三十五年から昭和五十五年まで、大阪での埋立面積が四千五百ヘクタールですから六割に相当しますよね。だから、私は、こういうものを個々にばらばらに、アセスメントをやった、大事ないんだというようなやり方がいいんだろうか、全体に総合して大阪湾がこういう計画によってどういうふうに変化していくかということを本当に慎重に検討するのが環境庁の立場だと思いますが、どうでしょうか。
  370. 深谷守平

    ○深谷説明員 お答えいたします。  瀬戸内海は、御指摘のように、問題の海域でございまして、特別措置法がつくられております。その中でも埋め立てについては瀬戸内海の特殊性にかんがみて十分配慮しなければならないということでございまして、その運用につきましては、瀬戸内海環境保全審議会の答申の埋め立てに関する基本方針、これに基づいてやっているわけでございまして、瀬戸内海につきましては汚れているというものの、漸次改善の方向に向かっておりまして、しかも、その水質につきましては総量規制、CODでございますが、それをやっておりますし、それから富栄養化対策というようなことの燐対策もやっているわけでございまして、改善の方向に向かっている。その中で埋め立てる場合には、やむを得ず埋め立てる場合においても、審議会の答申に基づきまして、その精神を体して、その精神に照らして慎重に個別に進めているわけでございまして、この問題もそういうような立場で十分検討してやってまいりたいと思っておるわけでございます。  以上でございます。
  371. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 やはり個別にということを言われたわけです。総量規制をやっていると言っても、実際には汚れてきていますよ。だから、この間も環境委員会でそのことがやはり問題になっているわけです。(「最近きれいになったよ」と呼ぶ者あり)きれいになってないんですよ。だから、困っているわけです。いまに魚が食べられなくなりますよ。だから、私は、環境庁がそんな安易な考え方を持たれたら困ると思うのです。瀬戸内法をなぜつくったのかということをよく考えてもらいたいわけです。大阪ではもう自然海岸はわずか数%というところまで来ていますよ。だから、八百ヘクタール埋め立てるということは、四十八年の瀬戸内法が施行されて以来、年平均で見てみましたら五百八十ヘクタールですから、その一年半分に相当するものが埋め立てられようとしているわけです。そういうものを大枠として認めるということは本当に承服できません。このままでは、アセスメントを事実上八百ヘクタールを安易に認めてしまうということは、まあある意味では環境庁の自殺行為になるというふうに私は考えます。  そこで、これはもう御答弁をいただいても同じでしょうから御答弁は結構ですけれども、しかし、それで十年この八百ヘクタールの埋め立てを行った後、その後の見通しについては、七十年以降の廃棄物処理の見通しですね、先ほどの議論を聞いていても、具体的な見通しというのはなかなかないなどいうふうに私は判断しましたが、その点について御答弁を願いたいと思います。
  372. 山村勝美

    山村政府委員 廃棄物は人間の日常生活並びに社会経済的な活動の所産として排出されることは避けがたいことでございまして、引き続き排出されてくるというものでございます。先ほど来の議論で、リサイクルその他中間処理等の徹底によって減量化を促進するといたしましても、最終的に処分すべき量はなくなることはないわけでございます。一方、地方公共団体最終処分場確保の見通しは、特に首都圏近畿圏等の大都市圏におきましては、土地利用状況から見ましてますます困難になることも考えられまして、七十一年以降におきましてもやはり広域処分の必要性はあるというふうに思っております。
  373. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 十年先の見通しがないということになりますと、そうしたら昭和七十年以降も十年ごとに八百ヘクタールずつ埋め立てていく可能性もあるということになるのでしょうか。具体的な見通しがないということは、逆に言えばそういうふうな可能性も出てくるというふうに考えざるを得ないのですけれども、運輸省はそのことを一〇〇%否定できますか。
  374. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 可能性という言葉が適当かどうかはわかりませんが、十年後の状態が想定をできる時期にそのような必要性があれば、その時点で再び計画をつくるということになろうかと思います。
  375. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 環境庁はどうでしょうか。次の十年に八百ヘクタール、もしかしたら時代の流れでもっとたくさん埋め立てにやならぬかもしらぬ。そのとき環境庁はどうなさるつもりなんですか。七十年以降になっても、また埋め立てを了承されるということですか。
  376. 森下忠幸

    森下説明員 この計画は、陸上で処理できるものはできるだけそこで処理して、減量化するということが前提でございまして、その減量化の努力をした結果、何ヘクタールになるか、八百というコースが一つございますけれども、環境庁はその個別の計画について別にオーケーしたわけでございませんで、まだその制度の仕組みについて結構だろうと言っておるわけでございますから、八百になるか五百になるか、これから具体的な計画に即して慎重に検討するということでございます。
  377. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 そうしたら、環境庁は次の埋め立てについてはノーと言うこともあり得るということですか。
  378. 森下忠幸

    森下説明員 そういうこともあろうかと思います。
  379. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私は、廃棄物処理について政府が本当に明確な見通しを持つべきだと思うのです。この法律は大都市圏域に限っているということですけれども、しかし現在の廃棄物行政に本当に抜本的で総合的なメスを入れて、先ほどからも言われていますように、廃棄物の発生量の抑制策だとか再生利用だとかあるいは資源化対策とか、こういうふうなものをきちっと立てていかなければ、海にこの埋め立てを最小限に抑えていくということは、ますますこの法律によって不可能になってしまうんじゃないかと思うのです。だって、安易に海面に埋め立てる傾向というのに拍車がかけられていく、そういうきらいがあるのではないかという心配を私は非常にしています。特に東京湾、大阪湾のみならず、他の地域に波及しかねない、波及していくのではないか、その歯どめがあるんだろうかという心配をするわけですが、どうでしょうか。
  380. 山村勝美

    山村政府委員 貴重な海面を有効に使っていく、また高い投資をして、高い金を払って最終的に処分をするということでございますので、大事に使っていく必要があるというふうに考えておりまして、そのための施策として、御指摘のように、資源化、再利用、あるいは焼却等による、あるいは圧縮等による中間処理によって減量化を図っていくことは徹底してやっていく必要があるというふうに考えております。特に資源化問題につきましては、昨今の省資源、省エネルギーを背景といたしまして、比較的歴史の浅い分野でございまして、まだまだ技術開発なりそういう処理体制整備というものが不十分でございまして、今後、いろんな事例も蓄積されてまいりましたので、それらを参考にしながら具体的なマニュアルづくり等をいたしまして、具体的に市町村を指導し、減量化に資していきたい。また、焼却等の施設につきましては、五カ年計画に基づきまして計画的に整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
  381. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 ほかの地域に波及しない歯どめはかけられるのかということについては、運輸省からも。
  382. 山村勝美

    山村政府委員 最終処分地の問題は、これは基本的には全国的な問題でございまして、広域処分という観点から見ますと、その他の地域におきましては、個々の市町村の独自の行政区域内あるいは地域の数市町村共同をして一部事務組合等によって対処し得る状況にあるというふうに判断をいたしております。
  383. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 次に、先ほどもありましたけれども、非常に単純な計算をしたのですが、この八百ヘクタールの埋め立てで、ここに捨てるものを一般廃棄物だけに限ると九十年余り使える。それから、これを産業廃棄物一般廃棄物と両方処分したと計算すると三十年はもつということから、現状では十年先はどうなるかわからない。さらに埋め立てるかもしれない。国家百年の計という言葉がありますけれども、百年の計どころか十分の一の計で、その先どうなるかわからないという状態ですね。だったら、私は、いまこの海面に埋め立てるということをもうやむを得ないというようなことになっても、少なくともここに投棄するものは一般廃棄物、自治体が本当に困っている処理並びにそれに類する最小限のものにとどめていくべきだというふうに考えるわけです。そういうふうにすれば十年ということじゃなくて、二十年、三十年その活用は可能じゃないかというふうに考えますが、運輸省はどうでしょうか。
  384. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 今回この埋め立ての中に、かなりな部分が陸上残土及びしゅんせつ七砂で占められておるわけでございます。この陸上残土及びしゅんせつ土砂をここへ受け入れないで、一般の家庭廃棄物等に限ればもっともつではないかという御指摘のようでございますが、この陸上残土につきましてもこれを可能な限り排出は少なくするし、それから有効に利用できるところへは利用し、また別途の処理ができるものは別途の処理をするということを前提に考えまして、そして、どうしてもそういう処理の可能性のないもののうち、先ほど来申し上げておりますように、原則的には地方公共団体公共事業をやった結果出てきたもの、そういうものを受け入れざるを得ないというふうに判断をしたわけでございます。  それから、しゅんせつ土砂につきましても、港湾管理者が港湾の工事を行いまして、そして、この土砂のうち埋立地等に入れられるものは入れます。そして、どうしてもほかの埋立地処分をし、有効に使うことができない部分が残った場合にここに受け入れる、こういう趣旨でございますので、われわれの考えました趣旨は先生の御指摘と同じような趣旨計画をしたつもりでおります。  なお、そういうふうに構想をつくりましたからといって、それでいいというふうに最終的に考えてはおりませんで、今後ともそういうチャンスがあり、そういう方法が出てまいりますれば、できる限りそういった有効利用とか排出規制等のことは考えてまいりたいというふうに思っております。
  385. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 もともとこの法案の出発点は、年々処理が困難な廃棄物処理という点にあったはずなんですね。先ほど残土の残土だというように言われたわけですが、しかし、やむなく海に処分をするというならそれを最小限にとどめる、そして、できるだけ長くそこを活用するという点で、その残土の問題は別途解決の道を探していくべきだというふうに私は思うわけです。  先ほど数字的にもこの残土の量は非常にあいまいだなと私は思いました。だから、その残土の残った分だと言われてもそうかということにはなかなかならないわけですが、この跡地利用の問題で残土の活用というのはずいぶん変わってくると思うのです。先ほども言われましたけれども、公園緑地として利用すれば下が軟弱であっても、つまり土を余り入れなくてもやっていけるんだというようなこともあったわけです。  そういうふうに考えると、別の処理をもっと追求していくべきだ。跡地利用で強固な土地を求めないというふうに考えて、公園というふうに考えていけば残土の処理をここに求めなくてもいいじゃないか、もっと制限できるじゃないかと考えるわけです。その点についてはどうでしょうか。
  386. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 現在の時点で考えられることを十分に考えたつもりでございますという御答弁を申し上げました。そして、将来につきましては、なお可能な努力の分野があれば努力をいたしたいと思っております。
  387. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私は他の処分の可能性はあると思うのです。これは私どもはもちろん賛成しているわけではありませんよ。賛成しているわけではありませんが、運輸省みずからが計画しているあの空港はどうですか、関西新空港の計画。もし、これがゴーということになれば五億立米の土砂が必要になるのですよ。そうしたら、ここにそのままストレートに全部持っていくのが困難であったとしても、やはり相当量がそこで処分をするということも考えられるのじゃないかというふうに思うわけなんですが、そういうことについてはどうでしょうか。
  388. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 関西空港の計画との関連で、そこに残土等の良質な埋立素材になり得る廃棄物受け入れられないかという御趣旨でございますが、これはやはり可能な限り受け入れる必要があろうかと思っております。私ども、航空局ともその点につきましてはいろいろと相談をいたしまして、どういう程度受け入れられるか。これは空港の性格上、滑走路の下等は地耐力等非常に強固なものでなければいけないというような事情とか、それから空港の運用面を考えてどの部分はどの時期までに完成しなければいけないといったような工事の順序の問題でありますとか、こういうことはいろいろございますので、その点につきましては航空局の意見を聞いておりますが、そういった検討の結果、先生御指摘のように、大変多量の土砂を空港には使用するわけでございますが、そのうち廃棄物として出てまいります陸上残土等を受け入れられる限度は一千万立米かあるいはもうちょっと上回る程度だというふうに、航空局の方の意向を聞いておるわけでございます。したがいまして、入ります限りは空港の方にも入れればよろしいわけですけれども、期限が限られておるメーンの工事のところには余り入れられなくて、それが終わった次の段階のそれほど急がない工事のところに入れるというような観点が主眼になりますので、申し上げたように、そう大きな数字を期待できないということでございます。
  389. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私はこれでもう終わりますが、法律の目的を読むと、「廃棄物の適正な海面埋立てによる処理及びこれによる港湾の秩序ある整備」ということが書かれています。結局は廃棄物処理が主たる目的かのように書かれながら、先ほどからの御答弁をずっと聞いていましても、何が何でも十年で埋め立てる。結局港湾整備が主たる目的であって、ついでに廃棄物を捨てるということになるのではなかろうかというふうに考えざるを得ません。  私たちは量をもっと減らして、そして八百ヘクタールということではなく、もっと器を小さくして、そして十年という期限でやるとしても、その後はもっと廃棄物処理について総合対策を立てて海面埋め立てを最小限にとどめていく、もうこれからはそういうやり方はやらないという決意で出発をしていくならともかく、全然そういう姿勢が見られないわけです。  そういう意見を申し添えて、最後大臣の御見解を伺って終わりたいと思います。
  390. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 御承知のように、ごみ処理というのは自治体も困っておりますし、また、われわれの生活環境改善という問題から見ましても最大の問題でございまして、東京都では夢の島というようなことをやりましたですね。ああいうだらしのない処理の仕方をやっております。あれをいかがごらんになりますか。ああいうことをやってはいかぬというのが今度のこの法案処理なんです。  でございますから、われわれも何もそんな貴重な資源、そしてまた環境を持っておる海面をやたらに埋め立てていこうなんて、とうていそういうことは考えておらない。しかしながら、最後処理場としては現在そこしかしようがないじゃないか。ですから、いまおっしゃるように、できるだけこれを長くもたす。これは十年という計画を一応しておりますけれども、何も十年で埋め立てて早いことこの土地を売ってもうけようなんて、そんなことは全然考えておりません。ですから、十年のものが十五年、二十年ともたすようにいたしますし、そして、できるだけ陸上で処理し、それでもできないものだけを持ち込む。これはいま御質問ございましたし、よくわれわれもその意を体してこれからの指導監督に活用していきたいと思うておりますが、余り心配されないようにしていただければ結構かと思うております。
  391. 山崎平八郎

    ○山崎委員長 田島衞君。     〔山崎委員長退席、小此木委員長着席〕
  392. 田島衞

    ○田島委員 運輸大臣にお伺いをいたしますけれども、このセンターについて運輸省がねらいとするところの一番中心は何なのか、関連して、運輸省がこのセンターのいわゆる主役になる理由というのはどこにあるのか、その点についてお話をお聞きいたします。
  393. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 運輸省がこのセンターの主役になろうということは考えておりません。あくまでも主管は運輸、厚生両省でございまして、主体となってやりますのはセンターの役員、執行部でございます。それらは地方自治体の推薦もしくは関係者の中から出てまいりまして運営するということでございます。
  394. 田島衞

    ○田島委員 それでは、別の立場からお伺いしますけれども、このセンターの目的の中には幾つかのことがあります。たとえば広域的な廃棄物処理、それから海面埋め立てによるところの背後の都市の健全な発展と活動とか、あるいは港湾埋め立てによるところの港湾機能の一層の拡充とかいろいろあるわけですけれども、これはみんな平均なのか。そのうちに特に優先するというか、特にごみの問題が中心で、それに関連して海面埋め立てをやり、その海面埋め立てによって港湾機能の問題を考えようというのか。港湾機能の問題を先に考えて、それに資するために困っているごみ処理もそれじゃそこでやってやろうということなのか。発想にはおのずから順序があるだろうと思うのですけれども、その発想の順序は一体どっちが先なのか、聞かしてもらいたい。
  395. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 順序といいますか、従来の経緯等も含めてちょっと御説明を申し上げたいと思います。  港湾におきましては、従来から港湾管理者が土地造成を行っております。それで、その土地造成を行います場合に、従来から、つまり過去から埋立用材としてしゅんせつ土砂でありますとか陸上残土等の廃棄物を利用してきたことはかなり以前からのやり方でございました。ところが、大都市圏、東京圏あるいは近畿圏、大阪圏でございますが、こういった地域が主体でございますが、そういうところでは廃棄物処理の問題が非常に深刻化してまいりまして、こういったものばかりでなくて、一般的な廃棄物も海面に埋め立てる必要が出てくるというような事態がございまして、昭和四十八年度に実は港湾法を改正いたしました。そして、こういう廃棄物処理を目的とした廃棄物埋立護岸の整備港湾管理者の業務として取り入れたわけでございます。そして、この港湾整備の一環としてこういった埋め立てを行って、廃棄物受け入れてまいったわけでございます。  こういう実態が実は過去においてございまして、昭和六十年代の前半ころを展望いたしますと、東京圏、大阪圏というような大都市圏におきましては、ただいま申し上げましたような過去からやっておりました廃棄物埋立護岸等の受け入れ能力が限界に達してまいります。そして、それ以上は新たな対策を講じないと廃棄物受け入れができないというような事態が起こってまいりますので、この次の段階をどうするかということを考えなければならなくなってまいったわけでございます。  その際に、従来の廃棄物埋立護岸と申しますのは、港湾管理者が地方公共団体でございますので、その地方公共団体の中で発生したごみを地方公共団体である港湾管理者が廃棄物埋立護岸をつくって処理をするという、いわゆる広域でない個別の処理の態様でございまして、これでは困るというふうな状態がだんだん出てまいったわけでございます。内陸の市町村におきましては最終処分場に大変困って、もうこれを捨てるところがない。そうすると、そういう事態を踏まえまして、あるいは港湾管理者自身も相互に埋立護岸の中の使用を融通できるというようなことになると港湾の運営上非常に有利であるというようなことがございましたので、そういう観点をとらえて運輸省のサイドからはこういう構想を考えたわけでございます。  一方、厚生省のサイドからは、先ほど来御説明ありましたように、最終処分場で非常に困っておるという観点から、どうしても広域的なそういうものが必要だという発想がございました。  その両方の発想が、たまたまお話し合いをして一緒になった、こういう経緯でございまして、どちらの発想が先ということはないというふうに私は考える次第でございます。
  396. 田島衞

    ○田島委員 対象になる港湾というのは、いきなりぱっと港湾が生まれるわけではなくて、もともとある。それから、廃棄物の問題も最近の特別な都市の態様の変化があって急にふえるというのではない、きのうもあった事実であるし、あしたも同じようにある事実なんですけれども、センターができなければ困るのだ、センターのようなものができてそういう処理をしなければいけないのだというのなら、では、それができるまでの間は一体どうなるのか。それができるまでの間ちゃんと処理ができるということは、考えようによってはそういうものをつくらなくてもできるんではないのか、こういうことも当然言えると思うのです。別に急にごみが出るわけじゃなし、急に港湾が生まれたわけじゃない。そういう状況の中でこのセンター構想が生まれてきてここに法案が出てきたわけですけれども、当然そういう事実の陰にねらいというものがあるはずだと思うのです。時間がないからそのねらいを一生懸命聞いているんですけれども、本当のところのねらい、もしこれが本当のねらいなんですよというねらいがなくてやるとすると、まことに不可解だと思う。特に広域におけるごみ処理の問題等は関係する省庁が大変多い。多いのにかかわらず連合審査がまことにささやか、私どももたった十分しかもらえないということで、これでは本当にまともに善意でお互い質疑応答をする時間なんというのはないわけです。そういう点は大変残念だと思うのです。  もし、このセンター構想なるものがそれほど関係省庁、たとえば厚生、運輸両省において自信があって、こんないいことはないのだ、ぜひともやらなければいかぬということなら、なおさら時間をとって、聞いてください、どうでしょう、こんないいことないでしょうというような自信を持った対応の仕方というのがあってしかるべきだと思うのです。それが何か十分な連合審査の時間も与えずにやっているということは、何か逃げ腰、自信がないのじゃないか、こういう感じがしてならぬわけです。そんな感じは間違いだというところをぜひ聞かしてもらいたいのですけれども、大臣どうでしょうか。
  397. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 これはもう五年の長い間練りに練ってきました。それじゃ、なぜいま出しているかといいましたら、現在最終処理をやっております処理場が、関西、大阪湾地域では、六十一年でもう手に入らないんです。東京湾では六十二年でもう最終的に捨て込むところがなくなってしまう。そこで、地方団体等におきましては、最終処理場の確保ということがいま大変な問題で、いまからやりてやっとそれに間に合うということでございます。したがって、五年間やってまいりましたその結論に基づきまして、自信を持って提出させてもらったということでございます。
  398. 田島衞

    ○田島委員 もう時間がないそうですから、一つだけ。  行政改革とこのセンター構想とはどういう関係になるのか、これについての行管庁の意見はどういう意見なのか、簡単でいいですから、ちょっと聞かしてください。
  399. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 行管庁が来ておりませんので。  私は、いわば国務大臣という立場から申しまして、これはむしろ行政改革を推進していく方のやり方だと思うておるのです。と申しますのは、一部事務組合によるのでもなければ地方公社によるのでもない。そういうものではできないので、こういう新しい機関をつくったわけでございまして、しかも、この機関は、御承知のように、民間的経営の要素を盛り込んで執行するものでございます。その意味におきまして、いわば全くの官庁ではない法人として活躍することでございますから、行政改革の面から申しましても、私は新しいスタイルの行政処理能力を持った機関をつくったことだと思うております。
  400. 田島衞

    ○田島委員 大臣お答えに誤りないことを期待して、終わります。
  401. 小此木彦三郎

    小此木委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。  これにて散会いたします。     午後六時二分散会