○福岡
委員 私は、日本社会党を代表し、政府
提出の
広域臨海環境整備センター法案及び日本共産党
提出の修正案に対し、いずれも反対の立場から討論を行います。
廃棄物問題が大きな社会問題となっており、緊急にその対策を必要としていることは論をまちません。しかし、政府
提出の
広域臨海環境整備センター法案では問題の解決が不可能であるばかりか、場合によっては
廃棄物処理の基本を誤らせるおそれすらあるのであります。以下、具体的問題点を
指摘し、法案に反対する理由を明らかにしたいと思います。
まず、政府
提出の法案について申し述べます。
第一の点は、
廃棄物発生の抑制対策を強化しなければならないということについてであります。
わが国の現状は、高度成長時代以来、大量生産、大量消費、大量廃棄の過剰社会となっております。この点につきましては、
廃棄物対策という観点からはもちろんでありますが、省資源、省エネルギー対策からも抜本的改善策を必要としているのであります。つまり産業構造の転換、計画的生産、有効な消費構造の確立、
廃棄物の再利用並びに自然への還元などの諸施策が強く要請されているのであります。しかるに、今日のわが国の
実情はこれらがきわめて不十分であります。また、これらの点は法案審議の
過程においても今後の方針が明らかにされておりません。
第二の点は、
一般廃棄物の減量対策、
産業廃棄物の排出規制、
産業廃棄物の排出
事業者の
処理責任、公共関与の必要な中小企業の
処理施策等、
廃棄物処理の基本にかかわる諸問題が明らかにされていないことについてであります。
これらの諸問題が明らかにされないまま
廃棄物を
埋め立てることになれば、生
ごみ、
有害産業廃棄物などがそのまま
埋め立てられる危険性があり、こうなれば海洋汚染などの環境破壊となることは必定であります。
第三の点は、本法案の目的としているフェニックス計画が公表されていないことについてであります。
埋立予定
港湾区域、積み出し港、中継基地の
場所などが一切明らかにされていないのであります。これらは漁業問題、交通公害、海上交通安全などの
関係できわめて重要であり、事前に公表し、
関係者からの
意見を求め、万全を期すべきでありますが、これらが一切公表されないまま法案に賛成することができないのであります。
第四の点は、地方自治と地方財政についてであります。
廃棄物処理は
地方自治体の固有の事務でありますが、本法案では国の権限が強く、地方自治を侵害するおそれがあります。また、本法案は
地方自治体に財政負担を強いるもので、地方財政を大きく圧迫するものであります。今日必要なことは、
廃棄物、特に
産業廃棄物に対する
行政権限と財政措置を明らかにすることであります。
次に、日本共産党の修正案について申し述べます。
この修正案は、さきに政府
提出法案について申し述べましたわれわれの見解と異なりますので、反対であります。
以上が、政府
提出法案及び日本共産党
提出修正案に対する問題点と反対理由であります。
政府は、本法案を撤回し、再検討されるよう要望して、反対討論を終わります。