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1981-04-14 第94回国会 衆議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和五十六年四月十四日(火曜日)     午後一時二分開議  出席委員    委員長 小此木彦三郎君    理事 加藤 六月君 理事 関谷 勝嗣君    理事 楢橋  進君 理事 宮崎 茂一君    理事 福岡 義登君 理事 吉原 米治君    理事 西中  清君 理事 中村 正雄君       阿部 文男君    木部 佳昭君       永田 亮一君    林  大幹君       古屋  亨君    三塚  博君       水野  清君    山村新治郎君       井岡 大治君    小林 恒人君       関  晴正君    浅井 美幸君       小渕 正義君    三浦  久君       四ツ谷光子君    中馬 弘毅君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 塩川正十郎君  出席政府委員         厚生省環境衛生         局水道環境部長 山村 勝美君         運輸大臣官房長 角田 達郎君         運輸大臣官房審         議官      小野 維之君         運輸省港湾局長 吉村 眞事君         海上保安庁長官 妹尾 弘人君  委員外出席者         環境庁水質保全         局企画課長   杉本 康人君         通商産業省機械         情報産業局電子         機器電機課長  田中 達雄君         運輸委員会調査         室長      荻生 敬一君     ————————————— 四月十三日  国内用船外機検査免除に関する請願足立篤  郎君紹介)(第二八一八号)  同(足立篤郎紹介)(第二八九三号)  同(斉藤滋与史君紹介)(第二八九四号)  同(足立篤郎紹介)(第二九七九号)  国鉄予讃線、土讃線のダイヤ改正等に関する請  願(塩崎潤君外五名紹介)(第二九〇〇号)  全国国鉄駅舎整備改築に関する請願野口幸  一君紹介)(第二九〇一号)  身体障害者に対する運輸行政に関する請願(石  田博英紹介)(第二九一七号)  同(粟山明君紹介)(第二九一八号)  重度障害者及び介護者国鉄特急料金割り引き  に関する請願足立篤郎紹介)(第二九八〇  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  広域臨海環境整備センター法案内閣提出第三  八号)  海上保安に関する件(日昇丸事故に関する問  題)      ————◇—————
  2. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 これより会議を開きます。  海上保安に関する件について調査を進めます。  この際、日昇丸事故に関する問題について海上保安庁長官から説明を求めます。妹尾海上保安庁長官
  3. 妹尾政府委員(妹尾弘人)

    妹尾政府委員 日昇丸事故につきまして、お手元に簡単な資料がございますので、これに若干補足を加えながら御説明させていただきたいと思います。  四月九日、貨物船日昇丸、これは総トン数二千三百五十トン、乗組員十五名、忽那海運所属で飯野海運にチャーターされた船舶でございますが、雑貨を積載して神戸港から上海港に向け航行中、同日午前十時三十分ごろ、鹿児島県下甑島の西南西三十七海里付近におきまして、米国原子力潜水艦ジョージワシントン、六千十九トンと衝突し、日昇丸機関室に浸水後間もなく沈没いたしました。  乗組員の話でございますが、当時の天候は雨または霧で、南東の風五メートル、波浪の高さ一メートル、視程二キロであったとのことでございます。  日昇丸乗組員救命いかだ二隻で脱出いたしましたが、同船海没の際に二名が行方不明となり、残りの十三名は漂流していたところを四月十日午前五時四分ごろ護衛艦「あおくも」に発見救助いたされました。  当庁では、護衛艦「あおくも」からの情報によりまして、佐世保海上保安部においては直ちに巡視船さつま」及び「かみしま」を出動いたさせ、また同時に航空機二機を発進させまして捜索を開始いたしました。巡視船「かみしま」は十二時五十二分に護衛艦と邂逅しまして、さきに救助されました遭難者を引き取りまして串木野へ移送いたしました。他方、巡視船さつま」と航空機は九時十二分漂流物を視認いたしまして、十四時三十分ごろ現場付近で流出中の油を発見し、引き続き遭難者捜索を行っております。  なお、護衛艦からの第一報によりますと、乗組員潜水艦らしいものを見たと言っておりますので、海上保安庁では防衛庁潜水艦可能性の有無について照会いたしましたところ、防衛庁の回答は自衛艦については該当がなしという返事でございました。また、外務省を通じまして外国艦船についての情報を照会いたしておりましたが、当日、外務省としては十二時前に米国大使館から米国潜水艦関係したらしいという情報があり、正式には同日の午後十時、アメリカ大使より、先ほどしましたジョージワシントンが衝突したらしいという遺憾の意を表明してまいったとのことでございます。  当庁といたしましては、また放射能汚染のおそれがありましたので、放射能調査を厳密に実施いたしておりますが、現在までのところ異常は認められておりません。  以上であります。
  4. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 これにて説明は終わりました。      ————◇—————
  5. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 次に、内閣提出広域臨海環境整備センター法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕正義君。
  6. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 若干前日の質疑と重複する部分があるかと思いますが、その点は御容赦いただきたいと思うわけであります。  まず最初に、このたびの広域臨海環境整備センター設立趣旨でございますが、現在の状況から判断されて、廃棄物処理について広域的な視点からとらえて問題を処理せねばいかぬような状況に来ているということで、今回のこの事業センター方式事業を行う、こういうことが設立趣旨だと思います。したがいまして、そういう点では一応設立趣旨は確かに理解できるわけでありますが、広域といいますと、そういう意味では少なくとも地方自治体が二都道府県以上にまたがるものではないかという感じがするわけであります。そういう場合に、確かに処理方向としてはそういう形の中でこれを考えることはわかりますが、実際問題としてそういう臨海地域までいろいろな廃棄物処理するために運ぶという運搬手段運搬方法、そういうものを考えますならばかなりコスト右向になることは否定できないと思います。  そういう点をかれこれ考えるならば、そういった意味で、それぞれの地方自治体が現在までやられている中でどのようなふぐあい実態的に出てきているのか。少なくともそういういろいろな悪条件を考えながらも、なおこういった方式のものでやらなければいけないような実情というものは果たして現在どこまで出ているのか。そういった状況等についてその実態を、少なくともこの広域地域対象になられるような地域現状についての実態をいま少しく御説明いただきたい、かように思います。
  7. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 廃棄物の問題が現在非常にむずかしくなっておりまして、広域的な処理が必要であるという趣旨については御理解いただけると思っておりますが、現実にどういうふうな支障が起こっておるのかという点について申し上げますと、このセンター設立する理由といたしまして、理由と申しますか、前に調査をいたしました結果、大阪湾の場合には一億四千万立方メートルという廃棄物臨海部処理が必要だという結果を得ております。  この結果はどういうふうにして得たかと申しますと、まず、その広域の予想されます場所から発生するごみを、先生いま御指摘ございましたように、それぞれの場所で可能な限り処理をする、運搬等も高くつきますから、遠くへ運ばないでその地域処理できるものをそれぞれに処理をすることをまず考えて差し引きまして、どうしても近くでは処理ができないといったようなものを集めて、集めるといいますか、足したものが一億四千万立方メートルでございます。  ちなみに、その全体のごみの量は三億五千万立方メートルでございますので、二億一千万立方メートルぐらいは、御指摘のように、それぞれの地域で、あるいは別の方法処理ができるわけでございますが、その残りはどうしてもこういった海面の埋め立てによって処理をしなければならないという実情でございます。
  8. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 一応推定されている状況でいま数字的な報告がありましたが、そういうものを解消するためにこういったものが一つの発想で出されたと思うわけであります。  そういったことから考えてみますならば、今回対象区域対象港湾、そういう形で一応指定可能性があるというのは大体東京周辺大阪周辺じゃないかというような気がするわけでありますが、実際に今回の広域臨海整備センター設立の中でこれからそういった対象になる地域というものは大体何カ所ぐらい、どういったところが大体考えられておるのか、その辺についてひとつお聞かせいただきたい。
  9. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 広域処理場設置を非常に強く要請しておりますような圏域といたしまして、現在のところ、大阪湾圏域東京湾圏域でございます。  大阪湾圏域につきましては、この法律が施行されました後、できるだけ速やかに対象区域指定を行いたいと思っております。また、東京湾につきましては、関係地方公共団体の合意が得られ次第、区域指定を行う必要があるというふうに考えております。  なお、厚生省といたしましては、中部圏につきましても広域処理が必要であるかどうかという必要性調査と申しますか、そういうことを現在やっておりまして、その成果を見まして、指定について検討いたしたいというふうに考えております。
  10. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 大阪湾東京湾並び中部地域ということで、これは大体常識的にもそういう広域地域ということになる、そういうことが考えられます。先ほどお話がありましたが、関係自治体との間で十分の理解を得ながらということになると思いますが、どうなんですか、われわれ素人から考えてみまして、確かに理念の面ではこういう広域地域臨海的な一つ処理方向を考えることは当然だと思いますが、そこの地域、そこの中心となるべき地方自治体の中においては、自分地方自治体以外のところのそういういろいろな廃棄物までを自分のところの交通公害その他、交通公害と言っては悪いですが、運搬その他の関係で、そういう意味においてかなり環境的にはいろいろ影響を与えると思いますが、そういう環境に悪影響を若干与えるようなそういう中で、広域だということで受け持たなければいかぬ、そういうことについて、関係地方自治体の了解が十分得られるという確信がおありかどうか、その点いかがですか。
  11. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 地元港湾区域との調整の問題でございましょうか。−そうしますと、広域処分を必要といたしております地方公共団体の数は、おそらく東京圏域にしろ大阪湾圏域しましても、百を超え、場合によっては二百に近くなるような数になろうかと思います。それと、運輸省の方で指定されます港湾区域港湾管理者との話し合いの上で固めていくわけでありますが、その間につきましては地方公共団体が多府県にまたがる問題でもありますので、私どもができるだけ調整に入りたいというふうに考えております。
  12. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 調整することは、仕事ですからそれは当然ですが、そういう港湾管理者といいますか、そういうところが、先ほど言うように、よその、よそと言っては悪いけれども自分のところ以外のところの分まで引き受けてやらなければいかぬというような意味で、運搬その他の中でかなり環境にいろいろな影響を与えると思います。  そういうことを考えますならば、俗に言う一種の迷惑料的なものの何らかの形の負担をというか、このセンターの活用といいますか、利用されるような地方自治体はそういうものを十分考えて、地元受け入れ自治体に何らかの形でそういうものを還元するようなことを何か考えないことには、今日までの状況から言って、果たしてスムーズに、素直にこの構想が実現するのだろうか、実はこういうような懸念を持たざるを得ないのですが、その点は関係省庁としていかがですか。
  13. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 この法案を作成いたしますまでの段階で、港湾管理者あるいは地方公共団体といろいろ協議をしてまいっております。先生指摘のように、やはりこの廃棄物受け入れることによるマイナスももちろん考えられるわけでございますけれどもマイナスを上回るプラスがあるというふうに各港湾管理者判断をしておられるわけでございまして、現在の時点では、何らかのそういった迷惑料等がなければ引き受けられないというような御意見は全然出ておりませんで、港湾管理者もこの構想には賛成をしていただいておると理解をいたしております。
  14. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 いまのお話を聞きまして、われわれのそういう心配が単なる杞憂であるというような感じがするわけであります。そういうことをより期待するわけであります。  では、具体的に少しお聞きいたします。  こういう整備センター規模、そういうものによっていろいろ変わってくると思いますが、今回の整備センターの中では大体どの程度規模、陣容の中で仕事をやっていこうと思われておるのか。たとえば職員は大体どの程度規模の中でこの業務をやろうとしておるのか。それは青写真が具体的にぴしゃりない段階では、いろいろなそういった計画の仕方がまた変わってくると思いますが、現在一応考えられている点では大体どの程度職員規模でこのセンターをスタートされようとしておられるのか、そこらあたり内容について何か固まったものがあればお示しいただきたいと思います。
  15. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 現在の段階で固まったものはございませんけれども先ほど先生から御指摘ありましたように、センター規模組織規模役員等はその行う業務量が確定してこないと最終的には決まらない、そして出資をしていただいた地方公共団体港湾管理者の総意によって決定されるものでございますので、現段階ではまだ確定したものはございませんが、当初の一年度あるいは二年度ぐらいについて考えますと、大阪湾圏域設立されますものは、一年、二年は業務内容調査主体でございます。その調査主体業務の間は、恐らく二十名か三十名ぐらいの規模でやれるのではないかというふうに考えております。その後、建設の事業あるいは廃棄物受け入れ処理をする事業、そういうものが最盛期に入ってまいりますと、それに応じて職員の数、組織規模はだんだん大きくしていかなければならないというふうに考えておりますが、その規模につきましては、先ほど申し上げましたように、やはり実際の状況がはっきり青写真で出てまいりませんと、なかなかはっきり確定はしかねるという感じでございます。
  16. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 それはわかりますが、今回の構想でいきますならば、当然、私は、たとえば大阪圏域の中では何カ所こういう形の中でやるか、もし一カ所であれば、少なくともその背後にある地方自治体のそういった廃棄物を何年ぐらいは処理可能だというところでの一つ推定といいますか、そういうものを立てた中で一つ計画ができ上がらなければいかぬと思います。  だから、そういう意味で、これで事業をやるからには、地域をどの程度区切るかによりますけれども、少なくとも十年間は十分受け持ち得る、可能だというような、何かそういうめどを持ちながら、それだったらば大阪地域においては何カ所ぐらいか、東京圏域においては何カ所ぐらいか、そういうものが具体的になければ、私はただアイデアだけの仕事であってはいかぬと思うのですが、そういう点では、面積といいますか、そういった面で考えた場合に、一カ所であればどれくらいの規模面積を大体考えているとか、二カ所であればどのくらいの規模を考え、少なくとも十年ないしは十五年間は大丈夫だということで、地域における廃棄物のこれから発生するであろうそういうものの都市ごと推定をしながら大体一つ計画ができ上がると思いますが、そういったものについて何か大まかな基本的なものがおありかどうか、その点をお尋ねいたします。
  17. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 冒頭にごみの量について御説明申し上げましたように、大阪湾圏域について私どもがいままで調査をいたしました結果によりますと、昭和六十年以降ほぼ十年くらいの間に、この広域廃棄物処理場受け入れなければならないごみの量が約一億四千万立方メートルくらいあるというふうに想定をいたしております。もちろん、この数字は、今後の廃棄物事前処理でございますとかあるいはリサイクルとか、そういったものがさらに現在よりも進んでまいりますれば恐らくそれよりは減る方向にいくのだろうと思いますが、現在の時点で想定されるのはその程度でございまして、この廃棄物を現在これまた調査をいたしております処理場をつくる可能性がある海域に当てはめてみますと、大体八百ヘクタールくらいの面積処理場になろうかというふうに考えておるわけでございます。  でございますので、その八百ヘクタールの処理場を一カ所にまとめてつくるのか、あるいは二カ所に分けた方がいいのかという問題は、今後センターができてからいろいろ実態に合わせて御計画になると思いますけれども、全部合わせた規模としては八百ヘクタール程度が要るのではないかというのが、現在まで私ども調査をいたしました結果でございます。
  18. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 これは港湾埋め立て関係になってくるわけでありますので後からの意見になりますが、いま八百ヘクタールぐらいの面積が必要であるということであります。こういうことはやはりそれぞれの港湾地域関係要素にもよりましょうが、そう何回も何回もこれを積み重ねていくということであってはいかぬのではないかという気がするわけでありますが、この点はまた後の問題のときにお尋ねいたします。  今日までこういった廃棄物処理によって港湾埋め立てをやった実績といいますか、そういうものは大体どの程度あるのか。たとえば各大阪圏東京圏中部圏、そういったところで実績として上がっておれば、そういったものが何カ所くらいで大体面積的にどれだけのものか、護岸として見た場合にはどの程度のものか、そういったものとあわせて、その後の跡地の利用状況といいますか、そういうもの等が現実的にもうはっきり利用されておるところか、まだ現在進行中なのか、いろいろあろうかと思いますが、そういう実績、そういうものとあわせて、それに要した事業費は大体どの程度が今日まで要ったのか、一連のそういう関係のものについての内容をひとつお知らせいただきたい、こう思います。
  19. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  東京湾大阪湾を御説明申し上げますが、東京湾におきましては、東京港において三カ所、廃棄物埋立護岸及び廃棄物埋立護岸としてではなくて廃棄物受け入れておる埋立地がございます。それから、川崎港で一カ所ございまして、横浜港においても三カ所ございます。それから、千葉港において一カ所ございます。東京湾といたしましては四港で八カ所の場所廃棄物埋立護岸整備及び廃棄物受け入れ埋立地整備が進められておりますが、これらの埋立地護岸の総延長を申し上げますと二万六千メートルになっております。そして、埋立面積の総計は約千ヘクタールに及んでおりまして、五十五年度末までの事業費投入高は千六百八十三億円になっております。  それから次に、大阪湾についてでございますが、大阪湾におきましては、大阪港に二カ所、それから堺泉北港において一カ所、尼崎西宮芦屋港におきまして一カ所、合計いたしまして三港で四カ所でございますが、廃棄物埋立護岸等整備が進められてきております。これらの護岸延長を総計いたしますと約二万二千メートルになっております。埋立面積は約八百ヘクタール程度でございまして、五十五年度末までに七百三億円の事業費を投入いたしております。  それで、これらの廃棄物埋立護岸等は、現在施設整備中あるいは施設整備が終わって廃棄物受け入れを行っておる段階でございまして、これが完成して土地利用がなされるという状態に至ったものはまだございません。しかし、今後埋立処分後の各地区の土地利用をどういうふうにする計画かと申し上げますと、埠頭用地等港湾関連用地や緑地とか都市機能用地等の用途に使うことが計画されておるわけでございます。
  20. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 その場合、みんなこれは少なくともそれぞれの関係で厄介な漁業補償との関係の中でそういう問題を処理して現在までこれが行われてきたと思いますが、大体そういった漁業補償に要した金がどの程度か、その詳細は要りませんから。東京湾事業をやるのに大体千六百八十三億要したわけですね。そして、約一千ヘクタールの土地が造成されたことになるわけであります。そういうこととのうらはらの関係になるわけでありますが、そういうことから、実際にそういった漁業関係補償に要した費用が一体大阪東京のいまの例示でいくとどの程度見込まれるのか、できれば参考までにお知らせいただきたいと思います。
  21. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 漁業補償実態でございますが、漁業補償は、それぞれ関係港湾管理者とその場所当該漁業協同組合との間で交渉をして決められるわけでございます。  それで、補償の金額につきましては、処分場の全体の規模の問題あるいはその海域漁業環境と申しますか、漁場の価値の問題、そういうものが違いますと全然異なってまいりまして、非常にばらつきが大きいわけでございます。それからまた、ほかのプロジェクトと一緒に補償をするというような例もたくさんございまして、そういうことから、漁業補償が一般的にどれぐらいということは、ちょっとなかなか申し上げられないかと思います。  しかし、たとえば過去の、大阪湾地域におきまして、先ほど申し上げました廃棄物埋立護岸等をやっておりますが、その場合の例を申し上げますと、事業費の〇・三%ぐらいのところから三%以上ぐらいのところまで、かなり、十倍程度の開きのある補償額になっておるようでございます。  ですから、現在私どもが考えております広域処理場につきましては、位置とか規模等が最終的に決まっておりませんので、どれぐらいの補償費を見込むべきかという点は、ちょっとまだいまの段階でははっきり申し上げることができないと思っております。
  22. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 私が懸念するのは、こういったいろいろな国家的な一つの政策の中で逐次事業をやろうとした場合、必ずこういった問題に行き当たって、それで計画を変更せざるを得なかったり、予定よりかなりおくれたり、中止したりと、いろいろこれは内容によって違いますけれども、そういうのが最近は非常に多いわけであります。  したがいまして、いまの大阪湾の場合には、われわれが推定してみましても、大体あそこらあたりの現在これから計画されようという水域を見ましても、そう大きな漁業権の問題はないんじゃないかという気もしますけれども、いずれにいたしましても、こういった漁業権補償をどうするかというのが、この計画推進の中で大きなウエートになるんじゃないかと思うわけです。  そういう点で、先ほどから一応過去の実績がどの程度だったのかということをお尋ねしたわけでありますが、そういう点では、これからのこの計画を推進するに当たりまして、この点が一つ障害というふうにはならないかどうか、その点は関係当局は過去のそういう実績実態現状を見てどのような判断をなされておるのか、そこらあたりの御見解をお尋ねいたしたいと思います。
  23. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 五十六年度にセンター設立を予定しております大阪湾圏域におきましては、地元関係地方公共団体あるいは港湾管理者がたくさんございます。二府四県、五十六市二十九町一村、こういう関係地方公共団体が、促進協議会というものを五十五年十一月に設置をされたわけでございますが、この促進協議会設置されて以来、広域処理場整備の必要性につきまして、関係諸方面へ協議会として積極的に働きかけを行っていただいております。その関係諸方面へ働きかけをしていただいている中に、漁業関係の諸団体も入っておりまして、すでに昨年の十一月の段階から、この必要性については漁業関係者の御理解を得るように、地元関係地方公共団体からその説明あるいは了解をいただく努力が続けられております。  それで、広域処理場の建設自身は、もう当然のことでございますが、関係漁業者の了解を得た上で行われるべきものでございますので、この計画が進捗してまいりますその各段階に応じまして、それぞれの段階関係のある漁業関係者にあらかじめ説明をして理解を図る、そして調整がその段階ごとになされつつ、最終的には漁業補償というような形で調整が図られるというような努力を積み重ねていく必要があろうかと思っておりまして、その辺の事情については、地元の公共団体の皆様方、もうよく御承知のところでありますが、われわれからもその点は十分に御指導申し上げてまいりたいと思っております。
  24. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 次に、一番この関係の人たちが懸念されるのは、この海域といいますか、埋め立て海域の二次汚染というものをどなたも一番懸念され、心配されているのではないかと思うわけであります。要するに、護岸工事をやられて、産業廃棄物を含めてこういう廃棄物を一切埋めていくわけでありますから、そういう点で二次汚染というのが果たして絶無なのかどうかということが私は一番心配されることだと思います。  そういう意味で、護岸工事が、今日のわが国の土木技術からいけばもう心配ないかもわかりませんけれども、大体技術的にそういった海洋二次汚染だけは大丈夫、そういうことは心配はないと、こういった絶対的といいますか、そういった面で技術的に可能なのかどうか、そこらあたりに対するそういった海域関係の人たちの懸念や不安に対しては、大丈夫、心配ないということで太鼓判を打っていかれるのかどうか、そういった点についての何か見解がございますれば伺いたいし、あわせて、そういうものに対する対策、どのようにしてそういうことが発生しないようにやるという具体的な何か二次汚染防止のための対策をお持ちなのかどうか、そこら辺について状況をお知らせいただきたいと思います。
  25. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 廃棄物埋立護岸の構造は、内部に入りますものが廃棄物でございますので、埋立地からの汚水の漏出を防止する構造とするようにいたしております。そして、かつその管理を適切に行うことによりまして、周辺水域の汚染を防止することにしております。  そういったことが技術的に可能であるかという点でございますが、構造を漏出防止の構造とすることは現在の技術で十分可能でございます。中に入るものに応じてその漏出防止の程度を高める、非常に悪いものに対しては漏れにくいものにするといったような対応も十分にとれる現在の技術段階でございますので、技術的には御指摘の点は十分対応できるというふうに考えております。  なお、今回計画をいたしておりますこの廃棄物処理場には、原則として有害物質は受け入れをしないということを考えております。
  26. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 技術的にはそういう護岸工事は今日のわが国の土木技術からいって大体可能だろうと思うのでありますが、いま言われました産業廃棄物はそれぞれ自前の中で処理することになっておるわけでございますが、そういう意味で有害物質は対象から外すということですが、はっきり有害物質として対象になったような産業廃棄物についてはそれなりの規制があってきちっとできると思いますが、複合的といいますか、そのもの一つだけでは有害廃棄物でないけれども、何となしに全体の、何といいますか、最近は大型冷蔵庫、テレビその他、ああいった大型耐久消費財の大型ごみといいますか、こういうものがどんどん排出されまして、そういうものが一般廃棄物の中で処理されていくわけでありますが、そういう中において、何かそういう総合的な中で、結果的には有害廃棄物が入っておるということになりかねないようなものが、私はいまの廃棄物の中にあるんじゃないかと思いますが、そういう意味で、そこらあたりに対する懸念はないかどうか。あわせて、有害廃棄物対象から外すとしながらも、そこらあたりのチェックはどういう機能を持たせてやろうとされておるのか。これはまだまだいまの段階ではセンター設立青写真がないのでむずかしいかもしれませんが、少なくとも考え方だけは、そういうチェックをする機能というのははっきりさせておかなければいかぬと私は思いますが、そこらあたりのお考えがあればお示しをいただきたいと思います。
  27. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 前後しますが、センター広域処分場でのチェック体制につきましては、まず搬入申請の時点におきまして、廃棄物処理を委託する者とセンターが一定の期間受け入れ契約を締結するわけでございます。その際、センター廃棄物の性状あるいは排出状況など、どういう物が入るか、あるいはその廃棄物がどういう生産工程あるいは原料から出たものであるかとか、そういうチェックをした書類を出させましてまず排出源をチェックいたします。また、必要に応じて産業廃棄物の指導監督に当たっております都道府県の意見も聞いて万全を期すということが第一段階でございます。  第二段階は、搬入ゲートにおけるチェックでございまして、搬入ゲートにおきましてチェックカードのようなものをもって、搬入された廃棄物が同廃棄物であるかどうかをチェックし、その段階では外観検査あるいは必要に応じて抜き取り検査等によって成分のチェックをするということでございます。なお、適宜水質等の環境モニタリングを行うこともアフターケアとして必要であろうかというふうに考えておるわけでございます。  しかしながら、冒頭御疑問をいただきました有害廃棄物が紛れ込んでくるのではなかろうかという御指摘でございますが、私どもといたしましては、何よりもその混入を未然に防止する施策を強化する必要があるというふうに考えております。  有害産業廃棄物につきましては、事業者はその処理業務を適正に行わせるために産業廃棄物処理責任者という者を置いて責任を明確にし、また、その処理を他人に委託しようとする場合には、有害な産業廃棄物である旨及びどれくらいの量あるいはどういう性格のものであるかというようなことを記載した文書を受託者に交付し、それを携行せしめるというようなこととか、不法投棄した場合には厳しい罰則があるとか等によって一般のものよりも厳しい規制を行っているところでございまして、この法の運営の徹底を図ることが何よりも重要であるというふうに考えております。  現状必ずしも満足すべき状況ではないことから不安が持たれるわけでありますが、全国的な課題として事業者あるいは産業廃棄物処理業者の自覚を促すとともに、都道府県の指導監督のもとに適正な処理を行うよう厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
  28. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 次に、先ほどもちょっと触れたんですが、広域廃棄物処理という形で、直接の当事者であるそこの地方自治体は別として、非常に内陸部ですか、そういった地方自治体廃棄物まで全部そこまで、海岸線まで持ってくるわけですから、そういう意味で輸送コストや何かかなりコスト高になると思うのですが、そういうものの負担というものはどちらが負担するのか。受益者負担という形の中で、利用する人たちが負担すべきである、そういうことになりますと、利用する地方自治体が負担していくのか。地方自治体が負担するということはそこの住民が負担するということにもなるわけでありますが、いままでと違ってそういう意味で割り高な負担がこれは絶対発生してくると思うわけであります。そこらあたりについての費用負担のお考えはどのようにお持ちなのか、その点をお尋ねいたします。
  29. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 広域処分に関します費用負担の問題でございますが、搬入施設から船で広域処分場まで持っていくといういわゆるセンター業務につきましては、原価に照らして一律的に決めたいというふうに考えておりまして、御指摘のそこまで持ってくる輸送費につきましては、それぞれの地方公共団体あるいは事業者が負担すべきであるというふうに考えております。
  30. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 次に、これは将来的なものでありますけれども、実際この前から港湾整備計画がまた次がスタートしたわけでありますが、そういうそれぞれの港湾整備計画とこの廃棄物処理センター設置に伴うそういった港湾施設との関係はどういう兼ね合いの中で作業が進められるのか、そこらあたりの関連についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
  31. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 処分場埋め立て計画につきましては、センターの基本計画でまず定め、さらに、それの実施を実施計画で定めていくということになるわけでございますが、この基本計画センターがつくります際には港湾管理者協議をすることにしております。そういうことを通じまして港湾管理者の意向が十分にセンター計画に反映されるというふうになろうかと思うわけでございます。さらに、この基本計画ができ上がりますと運輸大臣及び厚生大臣の認可を受けることになっておりますが、運輸大臣がこれを認可する際には、港湾審議会という港湾計画を審議する審議会を運輸省に置いておりますが、この審議会の議を経ることになっております。この審議会の場で港湾関係の学識経験者の御意向を十分に伺って、その御意向に従って認可をするという形で、また港湾の利用計画との間の整合性を図っていこうというふうに考えております。  それともう一つ港湾の場合は、港湾計画を決めます場合に、地方の港湾ごとに地方港湾審議会という制度がございまして、港湾管理者港湾計画を決め、運輸大臣に提出する前に地方港湾審議会で御審議をいただくという制度になっておりますが、この地方港湾審議会にも港湾管理者が相談を受けた場合にはお諮りをして、地方港湾審議会の御意見を伺った上でその港湾管理者の意向をセンターの基本計画に反映させるというようなことが望ましいと思っておりまして、この点につきましては港湾管理者にそのような指導をしてまいりたいというふうに思っております。
  32. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 これもまた将来的なことになると思いますが、この整備センターをつくって、今度そういうことで工事を進めていくわけでありまして、その結果、跡地利用といいますか、住宅や公園、その他いろいろの利用計画が出てくると思います。そういうものは、整備センターの中の基本計画として将来的につくられるのではないかと思いますが、そういう場合に、地方自治体の都市計画というものがそれぞれあると思いますが、それとの兼ね合いといいますか、その関係はどのような形でつながっていくのだろうかということが、これはまだまだ先の話になりますが、一応そこらあたりについての考えがあればお尋ねしたいと思います。
  33. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 基本計画センターが作成をいたしますに当たっては、先ほど申し上げましたのは港湾管理者でございますが、そのほかに都府県に協議をいたすことになっております。この都府県は都市計画を作成する主体でございますので、都府県がこの協議に応じてセンターの基本計画の策定に参画をされる際には、都市計画との関連を十分に考慮して参加をしていただけるというふうに考えておりまして、この形で都市計画と基本計画との間の整合性がとれるというふうに考えております。
  34. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 次に、これは環境関係でちょっとお尋ねしますが、特に環境保全に関する中で、二十条一項六号の中の「整備に伴う環境保全上の措置」は、具体的にどういうものを考えているのか。予想される潮流の変化、海域の汚濁、こういったものは基本計画の中でどのように繰り入れられていくのかどうかということが一つ。  それから、二十条二項の五号に「周辺地域における生活環境」という形で一つうたってあるわけでありますが、この生活環境ということで一番影響を与えるのは、やはり先ほども触れましたような廃棄物運搬といいますか、そういう意味での交通公害だと思います。これらについての配慮というものが、これはなかなかむずかしい問題だと思うが、何か言葉としてだけじゃなしに、具体的に何かそういうものについての考え方があるのかどうか、その点が二つ目です。  それから三つ目に、センター建設時には環境への配慮ということが必ずいろいろ出てくるわけでありますが、二十条四項の中の「関係行政機関の長」ということがうたってあるわけでありますが、この長というのは、環境庁長官が常にこういった関係の中にあるというふうに考えていいのかどうか。この長というのはそういう意味なのかどうか、この三つについて、環境関係についてお尋ねいたします。
  35. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  最初の二十条一項の六号、「環境保全上の措置」の内容についての御質問についてお答えを申し上げます。  「環境保全上の措置」と申しますのは、これは環境を良好な状態に維持するためのもろもろの措置のことでございますが、具体的には潮流、水質、底質、生物相、大気質等に関しま調査をまず行いまして、それにそれぞれのいま申し上げましたような要素に関してこの事業を行いますことによる環境変化の予測をし、そして、その影響予測の結果に基づいて生活環境及び海洋環境に十分に配慮する、こういうことを具体的には考えておるわけでございます。当然その生活環境影響を及ぼす程度影響が、さっき申し上げましたようないろいろな自然的な要素に起こりますような場合には、この影響をできるだけ軽微にするにはどういう対策をとればよいか、そういった対策を樹立して、その対策を実施するということまでこのところで定めることになろうかと考えております。  それからもう一つ、二十条の四項の「関係行政機関」の中には環境庁がどういうふうな考え方で入っておるのかという御質問かと存じましたが、この事業環境に与える影響について非常に重要な関係を持つ事業であるというふうに考えておりますので、関係行政機関といたしましては、環境庁に御相談をするという必要があろうかと思っております。広域処理場整備と申しますのは、大都市圏において廃棄物広域的に処理するとともに、当該廃棄物を埋立用材として土地を埋めるわけでございます。そして、その処理環境の保全でありますとか国土の適正な用途に十分に寄与するということが必要な事業でございますので、それに関連する省庁に協議する中で、特に重要な環境問題については環境庁に十分御相談をするというふうに考えておるわけでございます。
  36. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 最後に、私これをもらったのですけれども、これは自治労が出している清掃行政の拡充強化という立場で、しかし結果的には今回の法案に賛成できぬということを書いてあるのです。私はこれを読ましていただいたのですが、ちょっとよく理解しにくいわけでありますが、要するに、ここに反対の理由に挙げられておる中に、一つこんなのがあるのです。「このセンター法案には賛成できません。中央省庁の権限争いや民間業者の利権を排し真に廃棄物の最終処分場を確保するため国民の世論を問い今国会での法案の見送りを要請します。」こういうふうに書いてあるのです。問題は、中央省庁の権限争いというのは一体どういうものを指すのか、私なりに考えてみたのですけれども厚生省環境庁と運輸省とが、何か権限争いをやるのかなということでちょっと考えてみたのですけれども、余り私なりにはぴんとこなかったわけであります。それから、民間業者の利権というとどういうものがあるのかなということを考えてみましたけれども、これもなかなか、土木関係事業のことについて何か言われているものかどうか、私なりにはっきり理解できなかったわけでありますが、こういう中央省庁の権限争いというのは、具体的に、関係者の皆さんにこういうものはどういうことかと聞いても、私たちの方でははっきりわかりませんと言われるかもしれませんが、大体中央省庁が権限争いをするというのは、この法案関係する場合、大体どういうものがあるのか、強いて考えてみればということで結構ですから、何かそういうものでありましたらひとつ、思い当たることがあればなおですが、なかったにしても、そういうことがないようにしなければいかぬためにも、何かあれば、そういうものでお尋ねしたいと思います。
  37. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  権限争いと申しますようなことは、この問題に関してはございません。法案を作成いたしま段階で、この問題に関与をされる省庁というのはたくさんございまして、法律の主管省としてこの法律にかかわっておりますのは厚生省及び運輸省でございますが、先ほど説明を申し上げました環境庁にいたしましても、その他いろいろな省庁がそれぞれの行政の権限の中で関係を持っておられます。そういう各省庁がやっておられます行政とこの業務というのが十分にマッチをして、そごすることなく運ばれるということが大変必要でございますので、法律作成の段階ではそれらの省庁と十分に御協議を申し上げました。その間に権限の争いというようなものは全然ございませんで、それぞれの省庁がお持ちの権限を十分に行使していただいて、それでこの事業をスムーズに進めていくための方策については各省庁と十分御協議を申し上げる次第でございます。
  38. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 特にこれは清掃行政の確立という立場から反対ということになっておるようでありますけれども、要するに地方自治ということで、自治省と、何か厚生省運輸省との兼ね合いで何かあるのじゃないかなという素人なりの推測ができるわけですけれども、そういう意味で、何かそういう権限の争いじゃないでしょうけれども、少なくともせっかくのこういった新しい近代社会の中における必要欠くべからざる廃棄物処理の行政の中で、中央省庁がそれぞれのセクショナリズムに陥って権限争いをしておってはどうにもならぬことでありますから、そういう点ではこういう批判が一部あるということは、事実かどうかわかりませんが、そういうことがないようにひとつこれからの行政をやっていただきたいと思います。  そういう意味で、ひとつ最後に運輸大臣の方から、そういったことは、批判を受けるようなことは絶対させません、しません、そういう何か御決意でもあればお尋ねして、私の質問をこれで終わりたいと思います。
  39. 塩川国務大臣(塩川正十郎)

    ○塩川国務大臣 権限争いといろいろ言われておりますが、先ほども局長が言っておりましたように、それは絶対ございません。また、これは新しいシステムで、いわば複合行政を処理する一つの形態として、新しい形で生まれてまいりました。そこで、これは行政の一つの大きい転換にもなると私は思うたりもいたしております。  自治省の方で言っておりますのは、地方自治体は、一般ごみ処理というのはいわば地方行政にとりましての固有事務でございますが、その事務の関係があるから、でき得れば自治省の方でもいろいろと意見を言いたいということであったと思うのです。しかし、それは運営の面で、われわれは自治省の意見も十分に聞いてまいりますから、これは権限ということじゃなくて、意見を言うことをやはり取り上げていけ、こういうことでございますので、誤解のないようにひとつお願いいたしたいと思うのであります。  この事業は、先ほどしましたように、新しい行政のスタイルでございますから、今後慎重にわれわれも対処していかなければならぬと思いますし、その際にはやはり農林省なり環境庁、そういうようないろいろな関係がございますから、十分に連絡をとりながら、運輸、厚生両省で責任を持ってこのごみ処理を図っていきたいと思うております。  それと、何かその行政事務に割り込んでいって、それがために現に従事しておる人に影響を与えるのではないかということをよく言われるのですが、これはとんでもない考え違いでございまして、いま市町村等の一般ごみ、あるいは県の産業廃棄物、これなんか処理に困っておるのです。その処理に困っておるところを捨てる場をつくってあげましょうということでございますから、私としたらこんな結構な話はないのじゃないか。何も行政に介入するとか、そんなことでは全然ございませんので、御心配ないようにお考えいただきたいと思います。
  40. 小渕(正)委員(小渕正義)

    小渕(正)委員 では、これで終わります。
  41. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 小林恒人君。
  42. 小林(恒)委員(小林恒人)

    ○小林(恒)委員 処理センター設置の基本的な考え方の中には、ただいまも大臣の決意表明の中にも明確にされておりますけれども廃棄物処理施設をつくるという、それも適切な処理の促進ということを主軸としながら、加えて港湾の秩序ある発展ということが目標とされていることについては、今日までの議論の中でも一定の明確度を増してきたのだと思っているのです。  ただ私は、四月の十日の本委員会の中で幾つかの点を御質問もし、あわせてこのセンター法そのものに遺漏なきを期するという意味では、すでに関係省庁との間に取り結びをされている、六省庁といわれております覚書の本委員会への提出を求めた経緯がありますけれども、現在段階まで私の手元に届いておらないという理由を明確にしていただきたいと思います。
  43. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 関係省庁との覚書でございますので、相手方の省庁とこの提出につきましていろいろと御相談をしなければなりませんで、現在まだその相談がおくれておりまして、本日御提出申し上げる運びになりませんでしたことをおわび申し上げます。
  44. 福岡委員(福岡義登)

    ○福岡委員 ただいま問題になっております資料の関係ですが、十日の委員会で小林君から資料提出について委員長に要望したわけであります。委員長は、理事会で相談をしてという話でございました。ところが、きのうでしたかけさでしたか、委員部の方から、要求者の小林恒人君の方と運輸省の方の話し合いで了解がついたから、これはひとつ理事会の議題にせぬでもよろしいですか、こういう話があったわけです。それならば結構でしようという返事をしておったのですが、ここへ来て小林君に聞いてみますと、そういう話は一切しておらぬ、こういうわけであります。依然として資料が欲しいという要求をしている。それから、役所の方へ聞きますと、どうも勘違いであったようで、小林さんが了解されたと思っておりましたので委員部の方へそういう連絡をいたしました。そこで、どうも行き違いがあったようでありますが、結論として、小林君が要求しておる資料が出てないということなのであります。  そこで、時間をとって悪いようでございますが、いま局長からちょっとお話がありましたけれども、十日の委員会の経過もあるわけですから、ここでちょっと理事会を開いていただきまして取り扱いについて相談をしていただきたいと思います。
  45. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 ちょっと速記をとめて。     〔速記中止〕
  46. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 速記を始めて。  では、小林委員に申し上げます。  事柄を正確に把握しなかったことはまことに遺憾に存じます。小林委員の申し出に関しましては、明日の理事会におきまして入念に協議いたします。  質問をお続けください。
  47. 小林(恒)委員(小林恒人)

    ○小林(恒)委員 それでは、明日の理事会以降に保留をいたします。
  48. 小此木委員長(小此木彦三郎)

  49. 関委員(関晴正)

    ○関委員 私は、十日にもいろいろ御質問を申し上げたのですが、十日にもやはりこの法案内容に入って質問するというわけにはなかなかいかなかったわけです。きょう一時間と思いましたが、同志と分けまして三十分ずつということにしたのですが、実は小林さんと共同作業をしておったものですから、要求しておった資料が当然に土曜日の日には参りまして、日曜日には十分それがこなされて、そして、きょうにはそのこなれた上での質問をしよう、こうなっていたわけであります。ところが、どういうわけか、どこに陰謀があってその資料を提出されなかったのか、本当に残念です。初めからこんなことでいくと、本当に行き先が案ぜられるというのがこの法案のことになるのじゃないだろうかと私は思います。  そこで、与えられている時間に限って私の方から続けて質問をしたい、こう思います。  第一は、このフェニックス計画法案と言われるこの法案、これが本当にごみ対策の法案であるのか、港湾対策の法案であるのかということで運輸大臣に尋ねました際に、運輸大臣は、とにかくごみのために港湾が考えなければならないのだというようなお答えでございました。私は厚生省の方にただしますというと、これは本格的なごみ処理の問題で考えてきたものである、こう言われました。しかし、実際に処理される内容を見ますと、一般家庭から出るごみ処理量というものはわずかに一〇%前後、そして産業廃棄物なるものも二五%前後、あと残りはすべて建設業者の建設残土、そうして港湾しゅんせつの土砂ということに分けられているわけです。そういう点を見ますと、港湾が求めて島をつくるというところに本旨があるような気がしてなりません。厚生省で求めているような処理方式というものでいきますと、港湾の願うところの埋め立ての完成というものと合わないことになってくるだろう、こう思います。  そこで私は、本質的にごみというものはいかに処理されるべきものであるのか、この観点を抜きにしてこの法案の審議というものはむずかしいものだ、こう思っております。そういう意味では、どうしてこの運輸委員会にこのごみ法案が来たのか、実は私は疑問を持っているわけですよ。この法案は、ごみの問題を徹底して究明するところの所管の委員会において審議すべきものであったのだ、こう私は思います。しかし、いまわれわれの方に来てしまって、それを片づけることもしないでどうのこうのと言うわけにもまたいかないでしょうから、やがて参議院に渡る場合は、参議院では社労のあたりで十分に吟味してもらった方がいいであろう。この方が求めている政府にしてもいい結果が得られるのじゃないだろうか、こうも思いますので、私はそうあるべきじゃないか、こう考えております。  そこで、私は港湾の担当の者に聞くよりはごみの担当の方に先に聞きたいと思います。  今日、ごみ処理するに当たって、せっかくつくられた昭和四十五年の廃棄物処理及び清掃に関する法律の問題、ここにうたわれているものは、事業者の排出責任者というものは処理の責任もあるのだというあのPPP原則なるものです。このPPP原則なるものが法律にあるけれども、実質的にはこれがどの程度行われておりますか、この点についてお答えいただきます。
  50. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 御指摘のPPPの原則と実態でございますが、廃棄物処理法では「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」さらに「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。」この二点が規定してございます。ここで予定いたしておりますのは、事業者がみずから手を下してやらなければならないという意味ではございませんで、たとえば公共関与による処理でありますとか、処理業者に委託しての処理とかいうような別のルートが開かれておるわけであります。つまり、みずからが直接に処理を行うことを求めているわけではございません。したがいまして、委託する場合も、委託基準に従ってきっちり処理される体系であれば、事業者の責任を果たしておるというふうに理解をしております。  この法案におきましても、事業者はセンターに産業廃棄物処理を委託する、いわゆる委託業者の関係になってまいりますが、その処理に要する費用を利用料金あるいは捨て込み料金あるいは予納金という形で負担するという形でPPPの原則を果たしておるという姿でございます。  なお、実態と御指摘ございましたのは恐らく別の意味であろうかと思いますが、昨今、電気製品のPCB部品が適正に処理されずに一般の埋立処分に入っておるという実態指摘がございました。これについてはまことに残念に思っておりますが、従来の体系でPCBに関して申し上げますと、PCB部品は、市町村が収集し、あるいは電気メーカーが収集したものにつきまして、あらかじめそのPCB部品を除去して、除去したものについて埋め立てができる、PCB部品は埋め立てができないというたてまえになっております。したがいまして、現在の実態先ほど問題となっておりますPCB部品が処分場に入ったという点につきましては、その定められたことが適正に行われていなかったということでございまして、この点につきましては適正に行われるよう、厳重に指導監督してまいりたいというふうに考えております。
  51. 関委員(関晴正)

    ○関委員 私は、産業廃棄物処理が一般の民間に、とにかく業者に任せられている、それを都道府県が監督をしておると言うけれども、そういうような廃棄物がどこにおさまっているのかということについて、厚生省御存じで、ごらんになったことはありますか。
  52. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 PCBの部品その他、PCBそのものの保管につきましては、電気PCB協会その他業界の団体が保管し、処理をするという、通産省との話し合いで、そういうふうに整理されておりますので、実態は詳細に承知しておりません。
  53. 関委員(関晴正)

    ○関委員 担当の厚生省が、言うなれば地方自治体を指導し、そうして、ごみの最終処分場、処分地、これを当然把握していなければならないのに、電気業者、業界に任せている。任せているところまではいいのです。任せられている業者がどのようにして保管していくか、その姿について管理監督しているのかということなんです。お答えください。
  54. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 PCB問題が起きました四十七年に、PCB問題の関係省庁会議が持たれまして、三木環境庁長官時代でございましたが、そこで、そういう事業者の指導、保管等につきましては通産省が指導するということになっておりまして、実態は承知しないわけでございます。
  55. 関委員(関晴正)

    ○関委員 担当の省が承知しないということであれば、承知している省はどこになるのかわかりませんが、環境庁の方もお見えになっていると思いますので、もし、そちらでお答えできるならばお答えいただきたいと思います。
  56. 杉本説明員(杉本康人)

    ○杉本説明員 PCBの部品の処分の問題につきましては、先ほど厚生省からもお話があったと思いますが、通産省の御指導によりまして電気絶縁物協会が中心となりまして、それを抜き取って、そして処分をするということになっておりまして、この点につきましては通産省の御指導、そして、その都度通産省の方から環境庁には情報を入れていただくということになっております。
  57. 関委員(関晴正)

    ○関委員 それじゃ、通産省の方、お答えできますか。
  58. 田中説明員(田中達雄)

    ○田中説明員 お答え申し上げます。  PCB問題が発生いたしましてから、厚生省協議をいたしまして、通産、厚生両省の名前によります通達を各自治体、それから各関係工業団体に発出してございまして、その中では廃家電の処理につきましては、原則として従来どおり地方自治体が行うものとするが、PCBを使用した部品が入っている廃家電については、地方自治体と企業が協力をして事前に抜き取るように、抜き取ったPCB入り部品につきましては、きちんと保管管理する。それから、抜き取った後の家電につきましては、安全に処理できる旨の表示を付してこれを通常のルートに従って処理する、こういう形で現在までやってきてございます。
  59. 関委員(関晴正)

    ○関委員 ちっとも私の聞いておることに答えていないのです。私は、抜き取ってきてそれを保管しているという保管の状況をどのように見ていられますかと聞いているのです。業者任せでどこに保管されているのかも知らないのですか。そうしてまた、保管の状況処理状況についても聞いているわけなんです。抜き取りをもって処理が終わりですか、保管をもって最終駅ですか、お答えください。
  60. 田中説明員(田中達雄)

    ○田中説明員 失礼申し上げました。  現在PCBを使用した機器については有効に焼却処分をする技術が確立しておりません。したがいまして、協会及び業界が総力を結集しまして技術の開発をいま急いでいるところでございます。したがいまして、それができる間はきちんとPCB入りのものであることを表示を付して保管をしておくというのが現在の体制でございます。  それで、家電、廃家電から抜き取られましたPCB入りの部品につきましては、各地区にございますメーカーが結成をしております協議会でその倉庫に保管をしておる。それで、一方通産省といたしましては、各地区にあります通産局の職員が随時、現在使っておりますPCB入りの大きなコンデンサーとかトランスなどもチェックするようになってございますけれども、それとあわせてそういう保管場所の点検、確認、必要な場合には指導を行っている、こういうことでございます。
  61. 関委員(関晴正)

    ○関委員 その抜き取ったところのPCBが保管されている姿、どこの倉庫にどれだけあって、総量でどの程度になっているのか、私はこれを聞いているのです。そして、それをチェックしているのですかということもあわせて聞いている。どこそこへやっております、どこそこでやっておりますということだけではなくて、ちゃんとかように管理しております、してないならば、しておりません、野放し状態です、業者任せですというのなら、それでも結構なんです。どちらか明確に答えてください。
  62. 田中説明員(田中達雄)

    ○田中説明員 ここにはちょっと手元にデータを持ってございませんで、正確にはお答えできませんが、決して野放しということではなく、通産局の公害防止担当官及び公益事業部の人間が毎年定期的に立入監査する、こういう体制になってございます。
  63. 関委員(関晴正)

    ○関委員 ここには資料がないというなら、早く資料を取り寄せて報告してください。
  64. 田中説明員(田中達雄)

    ○田中説明員 至急調査いたしまして、先生のところへお届けいたします。
  65. 関委員(関晴正)

    ○関委員 ベントナイトの処理はどのように行われておりますか。
  66. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 ベントナイトにつきましては、廃棄物処理法に規定いたします処分基準に従いまして、海洋投入処分あるいは埋立処分あるいは水面埋立処分等の基準が決められております。実態がどうなっておるか、十分承知いたしませんが、かなりの量のものが出てまいりますので、産業廃棄物として適正に処理されるよう指導していく必要があるというふうに考えております。
  67. 関委員(関晴正)

    ○関委員 大変な話なんですね、いまの答弁も。適正に処理されるように指導していきたいと。私の聞いているのは、これがどう処理されていますかと聞いているのです。現実に私は川崎市に行きましたときにも、市でも、これの処理に当たっての能力がないと言っているのですね。方法も知らないと言う。そういう技術者もおらない、こういうわけなんです。そういう状態の中にあるのに、厚生省としては、これを指導するというのはわかりますが、どう指導しているのですか。専門家がいない、技術家がいない、処理方法もわからない。それにどう指導できるのですか。指導も何もできないでしょう。野放しということですか、そうでもないでしょう。  こんなのに話していても時間がむだですから、結論から言いますと、PCBといいベントナイトといい、そういう産業廃棄物における処理というものが非常に不完全で、きわめて危険で、どなたが見ているかというと、政府役人がここで見てきているという者が一人もいないという状態、全部業者任せ。そういう廃棄物がどんどん海に捨てられるようなことを考えると、これは大変な事態が起きますよ。そんな心配がないとちゃんと答えられればいいけれども、心配だらけでしょう。  そこで、どうせこれに入ったついでですから、私はもう一つお尋ねしたいのですが、これは港湾局長でも運輸大臣でもいいのですが、とにかく海に、港湾区域の中になるのか境界線あたりになるのかわからないけれども島をつくる。その島をつくるために、施工方法はセメントでやるのか、コンクリートでやるのか、あるいは矢板でやるのか、それぞれあるでしょう。しかし、そういう囲った廃棄物が外海の方に、海水の方に流れていくというような心配は絶対にないのだ、こう思っておられますかどうかということと、有光健さんという方の報告によりますと、東京の場合には一メートルにつき〇・一トンずつ流れるであろう、そうなると千五百トン、大阪の場合は一千トン汚水が流れる、こう言っているのです。この話がうそなのか。あなた方から言えば、一トンどころか一滴も出ない、こういう処理になるんだ、こう考えているか、お答えください。
  68. 吉村(眞)政府委員(吉村眞事)

    吉村(眞)政府委員 埋め立ての工法を考えてみますと、いろいろな方法がございます。遮水性の大きい方法からそれほど大きくない方法に至るまでいろいろな護岸の築造方法があろうかと思いますが、こういった廃棄物処理いたしま護岸の構造としては、遮水性が十分にあって、中からの浸出液が出ないというような構造を考える必要があろうかと思っております。そして、そういった構造の護岸を使いまして、これの管理を適正にする、つまり非常に有害な物を入れることはしないという管理をしておりますれば、浸出液が外へ出て二次汚染を起こすようなことは防げると考えております。  それから、東京護岸の実例として、ある程度の水の出入りがあるという御指摘でございますが、これは東京護岸の現在の構造として、その程度の水の出入りはあると考えます。これは中に埋める物と、それから、その外の潮汐の調査の問題でございますとか、そういうことをいろいろ勘案いたしまして、最も適当な護岸の構造を選ぶのがいいのじゃないかと思いますが、東京港の場合にその程度の水が出ましても、これは海水が入ったり出たりするという意味の出入があるという意味でございまして、それによって浸出する有害物質が出るという意味ではございませんで、これらの廃棄物護岸の場合は、その廃棄物護岸の外側で常時水質のチェックをいたしておりますが、そのチェックの結果では、有害な浸出物が外に漏れ出て二次汚染が生じたという例は現在までございません。  以上でございます。
  69. 関委員(関晴正)

    ○関委員 廃棄物の中に汚染物質がなければそういうお話もできるかと思います。しかし、前段に私が申し上げたように、PCBにしろあるいはベントナイトにしろ、その他の有害廃棄物がどんどん流れ込んでいくことは私はある、こう思っているのです。それが絶対ないというならば、これは別です。  なぜそんなことがあるかというと、今度はこれを受け入れ廃棄物を入れる業者の側、自治体の側、自治体の側はそういうことについてはちゃんとチェックするからいいでしょう。しかし、業者の側になると、必ずしもそういうふうにチェックがきちっといくだろうか。一般廃棄物も扱う、産業廃棄物も扱う、あるいは有毒廃棄物も扱う。それらの中で積まれた物が、下の方に有毒な物がある、あるいは不適当な物がある、その上に一般がある、こういうことで積んでくれば、それを一々チェックできるのかというのはこれまでの委員会においても論ぜられました。とにかく一分間に何台来るかわからない。私の計算では、うんと込み合うときになると二秒に一台ということにもなってくるのではないか。それほどの配送車がやってくるときに一々チェックがうまくいくだろうか。これは不可能だ、こう思うのです。  そういうようなことを考えますと、やはり入ってくることがある。入ってくることがある場合には、そういうような周りの包み方、囲いの仕方は絶対に流れないようにしなければならない。しかし、いま局長が答えたように、流れるであろう。また「世界」の今月号にも有光さんが言っているわけです。一メートルにつき〇・一トン。こういうことになると、よほど気をつけなければならない。  そこで、私はあなたの方に聞きました。矢板であれセメントであれ、どのくらいもちますか。コンクリートだから永久不変にもつというならいい。鉄だから永久不変に変わらないというならいい。しかし、見ても五十年だというんでしょう。では、八千億も金をかけて、矢板にしろセメントにしろ、囲って島をつくってみても、五十年たったらまたかえなければならないということになる。十年で、とにかくこれはとりあえずだという。そのあとはまた次々とやっていくだろうというけれども、やがて五十年経た後、また六十年、七十年とぐんぐんそういうものをまたかえていかなければならない。かえていって値打ちがあるだろうかということになると、かえたものには今度ごみを入れるわけでもありませんから、更新にかかる金だけですよ。  私は、そういうことを考えると、これは大変な法律だな、これは大変な事業だなということに思いが走るわけです。そういう点で、このあり方、やり方、とにかく廃棄物を海に捨てて、そうして進めるんだということから生ずる心配点、あるいは考えられる公害上の問題を環境庁の方からお答えいただければと思います。
  70. 杉本説明員(杉本康人)

    ○杉本説明員 このフェニックス計画によります廃棄物処分のための埋め立てにつきましては、いま御指摘がありましたように、海洋の環境の保全という点に非常に心配な面がございます。そういうようなことから、この法律の第一条の目的自身にも「環境の保全に留意しつつ」という文言も入ってございますし、また、この内容を見ましても、基本計画の中で、基本計画の項目の中にそういう環境の問題を書き込むことになっております。また、環境保全という観点から、この基本計画の作成が主務大臣の認可ということになっておりますが、この主務大臣の認可に当たりましては関係行政機関の長に協議をする。当然環境庁長官に協議がございますが、その際におきまして環境保全の観点から、環境庁としまして、十分御配慮をいただくように御意見も申し上げるというふうに考えている次第でございます。
  71. 関委員(関晴正)

    ○関委員 実は私はきょうは、ごみ処理することについて最も科学的に、そうして生態的に自然に合致した方法で事を運ぶ道をどんなに探求しても探求し過ぎることはないだろうと思っているわけです。今日まで、言うなれば、資源愛護のために再生しようという運動、再び大地に物を生かそうじゃないかという還元の方針、そうしてリサイクル運動というものが非常に高まってきたわけです。このリサイクル運動というものを、減量化にしろ、減容化にしろ、あるいは再生化にしろ、とにかく資源を愛し、資源をいたわり、資源を活用する思想を国民運動として一大展開すべきときに当たっているのではないだろうか。そういう国民運動的なリサイクル運動を進めるのが私は筋ではないだろうか、こう思っているのです。それによって廃棄物なんてぐんと減ってしまいますよ。国民生活も変わってくると思うのです。大量生産、大量消費、大量廃棄という資本主義下の高度成長下の誤れる姿を直していくのが、廃棄物処理するところの担当機関と言えば担当機関の厚生省のいまや大きな任務じゃないだろうか。その厚生省がすべき任務を怠って、すべてごみは海へ海へということになるならば、私は、これは誤りだと思うのです。  そういう意味で、リサイクル運動等に関連して、あるいは都市の中で、広島、四十八年には六十六万トンもあったごみが、わずか五年の間に半分ですよ、三十三万トン、すばらしいじゃないですか。この広島の例を東京にも大阪にも持ち込んで指導することがいま先ではないでしょうか。そんなすばらしいものがあるのかということをもっともっと、なぜ政府は宣伝しようとしないのか。私は、厚生省がフェニックスだと言う。不死鳥であると言う。しかし、私はこのフェニックス計画というものの不死鳥という意味がどこにあらわれているんだろうかとどんなに分別しても、いま出てくるのは不死鳥計画だと思われない。生きてこないですよ。殺しきりですよ。  そういうふうに思いますと、やり方、歩み方に間違いがある、こう思うのですが、この点について、本当は園田厚生大臣に私は聞きたいところなんです。大臣の出席も求めていたのですけれども、何かきょうはおいでになれない、こういうことですから、そういう意味でひとつ責任のあるこれに対する考え方と、将来的な一つの理念と申しましょうか、それについてお答えをいただきたいと思います。
  72. 山村政府委員(山村勝美)

    山村政府委員 貴重な水面を長期にわたり有効に使うということは、基本的に御指摘のとおりでございまして、この法律におきましても、受け入れ基準等が減量化等の施策に資するというような事項が入っておるところでございます。基本的にリサイクル問題につきましては、これが単に資源化、エネルギー利用のみならず、本法の意図する広域処理場の有効利用という観点からの減量化につながる問題であります。広島についての詳細な数字は現在承知いたしませんが、かなり減少したというふうに理解をいたしております。  今後どのように展開していくかという点でございますが、今日実態を見ますと、とにかく家庭から出るごみが、単に捨てられる、使い捨てられるというだけでなしに、分けて出される、資源ごみ及び廃棄ごみというふうに分けて出されることが基本でございます。したがいまして、先生の御指摘のあった国民運動としてやっていくということについては全く賛成でございまして、いろいろそういう点について、過去数年にわたって有効利用の方法等について調査もいたしてまいりました。現在その成果がある程度出てきたような段階でございます。  いろいろネックを考えてみますと、先ほど申し上げた、一つは、排出時点における分別の徹底、これがまず第一点であろうかと思います。これには、また繰り返しになりますが、国民運動的に住民が協力するという体制づくり、それの指導としての自治体地方公共団体の啓蒙指導ということも当然に必要かと思います。現在、環境衛生週間等を設けておりますので、そういう機会に国としてもせいぜいその趣旨の徹底を図ってまいりたいというふうに現在考えております。分別収集をやっている実態を見ましても、まだまだ行き届いておりませんで、広島、町田、沼津、その他豊橋、かなり先進的にやっている都市もございます。それらを範としながら、分別収集が徹底するように指導してまいりたいというふうに考えております。  それから、もう一つのネックは再生資源市場が不安定である。需要が不安定である。価格が不安定である。故紙が安くなりますと、途端に排出量がふえるというような現象も明らかに出ておりますので、そういうものについてはどういう手が打てるんだろうか、これは厚生省ひとりでできる議論ではないと思っておりますが、流通所管省庁ともおいおい研究をしていくべき課題であろうというふうに考えております。  それから、事前に、都市のごみとして出る以前の回収につきましては、住民の集団回収とか廃品回収業者によるちり紙交換等による回収、あるいは酒店等からのびんの逆流といいますか、販売ルートの逆流、そういったルートをさらに強化していくことになりますが、その市に入ってきたごみからのさらに回収をするということにつきましては、機械的な選別をさらに技術的に深めてその普及を図るということでありましょうが、現時点では現在補助事業等で実施はいたしておりますが、まだ必ずしも価格としても万全な体制には入っていない。これらについても整備を促進していく必要があろうと思います。  さらに、農村との結合という意味では、廃棄物中の有機物質を取り出しまして、それを肥料として農村に還元するといういわゆるリサイクル、そういった形のリサイクルも当然にやっていかなければならない。  さらに、焼却等で発生いたします熱を利用いたしまして、発電設備の普及を図っていく。さらに、その余熱を利用しまして老人ホームとかプールとか、いわゆる福祉施設等への給湯を図る、あるいは地域暖房を図るということもかなり行われつつある段階でございます。発電につきましては、技術的、経済的に可能な発電の潜在能力といいますか、それに対しましては、約三分の一ぐらいまではすでに工事中を含めて到達しておるような状況でございます。  また、豊橋市にユーレックス計画というのがございますが、都市、農村の廃棄物を合わせましてそれを肥料化し、熱を温室等に供給するといういわゆる都市農村結合計画といったモデル事業も実施してきたところでございまして、これらも一つのモデルとして紹介し、各都市の事情によって相違いたしますので、そういうことが適用可能なところについてはそのような指導をしてまいりたいというふうに考えております。  そうこう、いろいろ事例が蓄積されてまいりまして、これらを集約的に何かマニュアル的なものに取りまとめて、それをベースに各地方公共団体を指導していってはどうかというようなことを内々検討している段階でございまして、各方面の知恵をかりながら、あるいは協力を求めながら、実施可能なものから逐次実施するよう指導してまいりたいというように考えております。
  73. 関委員(関晴正)

    ○関委員 あと時間がありませんので終わらなければなりませんが、先ほどの御答弁の中に、再生品の品物が価格上市場に出回ることについての難点がある旨のお話がありました。これらについても、そういう品物は確かに質が悪い。悪いだろうけれども、資源を生かすという道を開くならば、それを買い取る先においてもまず厚生省が真っ先に買ってあげる、あるいは自治体、市町村が真っ先にそれを買い上げてあげる、こういうスタイルをとるというと、その問題もある程度進んでいくんじゃないだろうか、こう思います。  いずれにしても、私は、ごみに対する日本国民一丸となって再生の道、そうして、ごみを海へ捨てればいいんだというような安易な道、これはとってはならない、こう思いますので、その旨を申し上げて、きょうの部は終わりたい、こう思います。
  74. 小此木委員長(小此木彦三郎)

    小此木委員長 次回は、明十五日午前九時三十分理事会、午前十時運輸委員会地方行政委員会社会労働委員会環境委員会連合審査会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十九分散会