○三浦(久)
委員 いまそういう港則法の適用を受けようということなんですけれども、しかし、それは荷役中の問題でしょう。じゃ航行中に消防船を一緒につけるとか、それからまた進路警戒船を一緒に同伴させるとか一そういうことはできないのですよ。ですから、これだけ船舶がふくそうしているところでいつ衝突が起きるかわからない。たとえば航行中に消防船をつけるとか消火船をつけるとか、また進路警戒船をつけるとかということは、海上交通安全法の適用航路にしていかなきゃならないのですよ。ところが、
運輸省に聞くと、そういうことは毛頭考えておりません、こう言うわけですね。そういうあなたがお認めになっていらっしゃる非常に危険なところで、海上交通安全法の適用を考えていないままこういうLPG
基地をつくり、タンカーがどんどん
出入りするのは、私は非常に危険だと思う。
特に、
先ほどあなたがおっしゃいましたけれども、火がつかない限り安全みたいな話をされましたね。ところが、LPGってにおいがないのですね。家庭用のやつはみんなにおいをつけているが、においがない。それからまた、普通のガスと違って、空中にぶうっと漏出をした場合に、普通のガスなら上へ上がっていきますが、これは空気より重いのでしょう。重いから下にどんどん沈んでいくのですよ。そして、空気中に非常に少ないパーセンテージで引火するのですね。たとえば二・一%から九・五%空気中に入っただけで燃えるわけでしょう。そういう非常に危険なものなんですよ。そして、火を近づけないと言いますけれども、
運輸大臣、火を近づけないことはできないのですよ。というのは、船舶がどんどん航行しているわけですから。これは自動車のエンジンや船舶のエンジンで引火しているでしょう。非常に低い温度でもってぶっと発火するのですね。これはもうそういう
性格なんです。ですから、よくプロパンガスが爆発しておりますけれども、たばこにちょっと火をつけただけでぼっと引火するんです。ですから、私は非常に事故の発生率は高いと見ているのです。
そして、特にこの港の入り口のところは、統計上波が高いところなんですよ。あそこの港の入り口付近の離島航路の欠航状態を見たらおわかりになりますよ。波が高くてしょっちゅう欠航しているんですから。そういうところへそんな危険なLPGのタンカーを持ってくる、しょっちゅう
出入りさせるというようなことは、私はやっちゃならないごとだと思う。何のために、
港湾の保全上必要なら変更命令を出せるという権限を
大臣が持っているのか。まさにこういうときこそ、私はこういう権限を使ってやらなければならないのじゃないかというふうに考えております。
大臣、私、
大臣にお尋ねしたいのですけれども、この問題は、三月十日ですか、長崎の県議会でも問題になっております。現在どういう状況かといいますと、神ノ島の町民は、ほとんど八〇%が反対署名をいたしております。そして、そのすぐ隣の小瀬戸町、ここにも自治会の役員が、賛成派はこの前の選挙で全部退きまして、反対派が役員に座る、そういう状況になっていますから、まず町ぐるみの反対と見ていいだろうと思うのですね。そして、この航路の手前側の端に香焼町というのがありますが、この香焼町議会も反対です。町長も反対であります。そして、これは
地方港湾審議会で審議されました。そのときに、長崎の市長さんですが、このような提案に困惑をしているということを席上述べられておるわけですね。ですから、何も地元のコンセンサスが得られているという問題ではございません。
そしてまた、三月十日の県議会では、わが党の中田議員の
質問に答えて、久保県知事、こういうように述べているのです。住民の理解を得るために最善の
努力をいたしたい、こうはっきり言われております。そして、住民の理解を得た後に
港湾審議会にかけたらどうかという
質問に対しては、
港湾審議会にかけるのは住民の同意を得た後にという意見ですが、もっともな意見だと思います、しかし並行的にやらしていただきたい、こういうふうに述べているのですね。ですから、住民の意思を無視するということは言ってない。
また、
環境影響評価の問題、アセスの問題ですけれども、これが著しくおくれていることはまことに遺憾に存じます、御意見のとおり、この種のものは、地元の説明に入る前に事前評価はやって、そして、その事前評価が集約されておるのが順序でございます、それがおくれているのは大変遺憾でございます、おわびいたします、こうまで言っておるわけです。
もう
一つは、市の態度の問題ですね。市長が賛成とも反対とも言わない態度をとっている。普通であれば、県のやることですから、賛成という態度をとるのはあたりまえですけれども、まだ市長は賛成の態度をとっていない。ですから、この県議会の中でどういうことを県知事が言っておるのかといいますと、市当局にも責任がある、なぜならば、市長に電話を入れて、賛成か反対かはっきりしろと言っておるけれども、市の判断がはっきりしない、だから市にも責任があるのだ、しかし、この問題を進めるか進めないかは、十分市長さんの意見を聞いて私としては決めたい、こういうことを三月の十日の県議会で述べておられるわけですね。
そうであれば、まだ地元でこれだけ大きな問題になっている問題でありますから、
運輸大臣としては慎重の上にも慎重を期す必要があるだろうと思うのです。中央
港湾審議会の答申が出たからといって直ちに変更すべきではないというような結論を県知事に出すのではなくて、当分地元のそういう状況を見守りながら慎重に対処していただきたいというふうに私は思いますけれども、
大臣の御所見を承りたいと思います。