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1981-03-31 第94回国会 衆議院 運輸委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十六年三月三十一日(火曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 小此木彦三郎君    理事 加藤 六月君 理事 関谷 勝嗣君    理事 楢橋  進君 理事 宮崎 茂一君    理事 福岡 義登君 理事 吉原 米治君    理事 西中  清君 理事 中村 正雄君       木部 佳昭君    古賀  誠君       佐藤 文生君    泰道 三八君       近岡理一郎君    永田 亮一君       浜野  剛君    林  大幹君       古屋  亨君    三塚  博君       箕輪  登君    森田  一君       井岡 大治君    伊賀 定盛君       関  晴正君    浅井 美幸君       小渕 正義君    三浦  久君       四ツ谷光子君    中馬 弘毅君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 塩川正十郎君  出席政府委員         運輸大臣官房長 角田 達郎君         運輸大臣官房審         議官      小野 維之君         運輸省港湾局長 吉村 眞事君  委員外出席者         運輸委員会調査         室長      荻生 敬一君     ————————————— 委員の異動 三月三十一日  辞任         補欠選任   阿部 文男君     古賀  誠君   水野  清君     森田  一君   山村治郎君     泰道 三八君 同日  辞任         補欠選任   古賀  誠君     阿部 文男君   泰道 三八君     山村治郎君   森田  一君     水野  清君     ————————————— 三月二十八日  国鉄運賃値上げ反対ローカル線確保等に関す  る請願三浦久紹介)(第二三二〇号)  国内用船外機検査免除に関する請願足立篤  郎君紹介)(第二三三三号)  同(塩崎潤紹介)(第二三六四号)  同(斉藤滋与史君紹介)(第二三六五号)  同(足立篤郎紹介)(第二三七八号)  同(斉藤滋与史君紹介)(第二三七九号)  気象業務整備拡充に関する請願五十嵐広三  君紹介)(第二三六三号)  同(小林恒人紹介)(第二三八〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法  律案内閣提出第三五号)  広域臨海環境整備センター法案内閣提出第三  八号)  港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第六三号)      ————◇—————
  2. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。井岡大治君。
  3. 井岡大治

    井岡委員 多くの同僚の諸君から御質問がございまして、大体の様子はわかったわけでございますが、ただ一この法案は四十二年に政府コンテナ船導入計画ということでおつくりになって、わが国の外資定期船整備がおくれているということ、それから二は、その整備港湾管理者に行わしめることは、港湾管理者財政港湾整備五カ年計画増大などでこれらの埠頭整備が十分期待できない。したがって、従来のような公共事業による整備は限界に達しているので、公団を設置して整備をする、こういうことだったと思うのですが、間違いありませんか。
  4. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先生指摘の、緊急な外貿埠頭整備が、港湾管理者の従来の公共事業方式では困難であるというのが一つ理由でございますが、もう一つ理由がございまして、その理由埠頭の効率的な運用を図らしめるということでございました。
  5. 井岡大治

    井岡委員 その効率的な運営、ここに問題があるわけですけれども、本来港湾整備管理者に行わしめたいのだけれども財政が非常に増大をして苦しいので、そのために従来の公共事業としてでなくて、港湾整備公団をつくってこれをやらす。もちろん、そのためには効率的な運営ということが入っておりますし、同時に、そのためにこそ専用バースにした、こういうように考えるわけです。その点を考えて、五十二年に福田内閣のもとで、外貿埠頭公団所在地港湾管理者移管すること、こういう閣議決定をしていますね。間違いありませんか。
  6. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 御指摘のとおりでございます。
  7. 井岡大治

    井岡委員 それが今度のいわゆる指定法人によるというように変わった理由、これをひとつお聞かせください。
  8. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 五十二年に先生指摘のとおり閣議決定がございまして、港湾管理者移管するものとして、五十四年度米俵でにその諸条件整備を図るという決定がなされております。  それで、その後いろいろと諸条件整備に関して準備をいたしたわけでございまして、その諸条件整備と申しますのは、港湾管理者に直接渡す場合もございましょうし、あるいは港湾管理者主体とするといいますか、港液管理者分身とでも申しましょうか、そういった受けざらを別につくって受ける場合もございましょうし、そういったいろいろな場合の利害得失等検討し、どうすればスムーズに引き渡すことができるかといったようなことを検討をいたしたわけでございます。そして、五十四年に港湾審議会管理部会にこの問題を御検討願うことをお願いいたしまして、その御答申を五十五年の十二月にいただいたわけでございます。その御答申の内容がこの法案の基本と申しますか、骨子になっておるわけでございまして、港湾管理者設立する、つまり港湾管理者主体となった法人運輸大臣指定をしてそれに承継をさせるのが適当である、こういう御答申をいただいて今回の法案を御提案申し上げたわけでございます。
  9. 井岡大治

    井岡委員 もとへ戻りますが、四十二年の審議の際に一番問題になったのは、この公団を、これは整備をするだけですから、いわゆる建設をするということが主たる目的ですから、建設が終わった段階でその業務をどこに渡すのか、このままやるのか、あるいはまた地方公共団体移管をするのか、港湾管理者移管をするのか、こういうことが論議になったことは御記憶ですね。
  10. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 四十二年に公団法律制定時に、借入金の償還が全部終わった段階で、公団仕事が終わった場合にはどういうふうに埠頭を取り扱うのか、こういった御議論があったということを承知いたしております。
  11. 井岡大治

    井岡委員 今度の指定法人にする、こういうことを踏まえて御論議なさったのですか。
  12. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 四十二年当時の論議を踏まえて検討をいたしたつもりでございます。
  13. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、ちょっと違いますね。というのは、その当時運輸当局は、整備後の管理業務は必ず港湾管理者移管をする、このことを繰り返し御答弁なさっておいでになるのです。そうすると、今度の指定法人になさったということは踏まえて、その踏まえてがどの程度に生かされたのか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
  14. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答えいたします。  昭和四十二年の公団制定のときに、たしか二回にわたって当時の港湾局長が御答弁を申し上げておるというふうに承知いたしておりますが、この答弁の趣旨は私どもはこのように考えております。外貿埠頭公団設立目的が、先ほど申し上げましたように、二つあると申し上げましたが、その一つである外貿埠頭緊急整備とその財源償還でございますが、これが全部終わる、そしてかつ、もう一つ使命でありますところの外貿埠頭専用貸し付けをするという必要性も終わって、そして公団をもう解散をするといったような事態がもし起こりましたときには、この残った財産である埠頭をどうするかということに対しまして、港湾局長から、その財産港湾管理者に譲渡をするというのも一つの適当な方法かもしれない、こういうふうに御答弁を申し上げたというふうに私ども理解いたしております。  それで、今回公団解散されるわけでございますが、この解散というものは四十二年の当時に想定されておりました解散とはちょっと事情が違うように私ども思っておりまして、今回の解散は、外貿埠頭の緊急な整備の点はおおむね終わったというふうに考えておりますが、財源償還はまだ半ばでございますし、それから外貿埠頭専用貸し付けをしてこれを効率的に運用するという公団の持っておりました使命は依然として残っておるわけでございます。そして、これをだれかに承継してもらわなければいけないという事情があるわけで、ございまして、こういうことから、四十二年当時に御論議いただいたような事情とは若干事情が異なるわけで、その点から、港湾管理者に直接財産を譲渡することには問題があると考えて、指定法人承継させるという方法を考えたわけでございます。
  15. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、閣議というのは至ってあやふやなものですね。五十二年の閣議では、これは港湾管理者移管をする、こういう閣議決定なんですよ。その閣議決定がなされて、そうして二年間もほっぽり出して、五十四年にあなた方は港湾審議会に出されたのでしょう。ぼくは閣議決定というのは少なくとも国の政治の大本を占めるものだ、こういうように思うのです。それが決められておるにかかわらず、二年間ほっぽり出しておいて、そして事情が変わったと。どうも論議が合いませんよ。  この点どうですか、大臣閣議決定とはそんなあやふやなものですか。
  16. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 五十二年の三月十九日、そして五月の四日、五月の二十五日と、いろいろ閣議議論になったことは事実でございまして、たとえば五十二年の三月十九日のときには、いわゆる山中調査会というのが自由民主党の中にありまして、それを中心にいろいろな案を出しておるのですね。管理機構のあり方について各種の角度から検討されるが、両公団を統合するということも一つ方法だし、港湾管理者に返すのも一つの案だし、第三セクター移管案、こういうようないろいろな問題点が出ておるのです。ですから、公団設立いきさつからいって、港湾管理者に返すのも一つ方法ではないかという意見もある。これは確かにそういうことが出ておりましたが、しかし五十二年のその当時の記録を見ますと、いろいろな案が出ておって、これで決定をするんだということの決定はしていなかったように思うております。
  17. 井岡大治

    井岡委員 大臣、勘違いなさっておいでになるんじゃないですか。なるほど三月、六月、そういう山中案あるいは砂田案、いろいろな案が出ていますね。それはそれとして、五十二年の十二月二十三日の閣議で、行政改革推進計画において、京浜、阪神の両公団を廃止し、業務外貿埠頭所在地港湾管理者移管すること、こういうように閣議決定しているのですよ。ですから、閣議決定というのはそんなにあやふやなものですかと、こう聞いている。私は、閣議というのは国の政治大綱を決めるものだ、こう思っているのです。そうじゃないですか。  その点、大臣どうでしょう。
  18. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 閣議決定は、確かに「港湾管理者移管することとし、昭和五十四年度末までに諸条件整備を図る。」ということになっておりまして、その諸条件整備をいろいろやってまいりましたその経過の中で、結局、第三セクターと言いましょうか、そういう移管が——第三セクターじゃございませんが、いわゆる指定法人移管が一番いいという結論になって改めて閣議決定をした、こういういきさつでございます。
  19. 井岡大治

    井岡委員 移管をするということが前提で、その諸準備をするというのと違うのですか。移管をするというのが先で、そして、そのための諸準備を整える、こういうことと違うのですか。ぼくはそういうように思うのですがね。
  20. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、管理者移管をするものとしというその文言は、確かにそのとおりでございますが、直接に管理者に渡すというやり方もあるいは管理者主体を持ってそれを受ける組織をつくって、それに受けるのも、これはいろいろあると思いまして、諸条件整備と申します中には、そういったいろいろなやり方、そういうものの利害得失を十分に考えて、それでスムーズに受け渡しができるような状態をつくる、こういうことであると私ども理解をいたしたわけでございます。
  21. 井岡大治

    井岡委員 移管をしと書いてあるんですよ。こう決めているのです。移管大前提なんですよ。そのためにいまおっしゃったような諸準備を整えるんじゃないのですか。私は文革から見ても決定された精神から考えてもそういうように読むのです。また、そういうように理解するのです。これが常識じゃないですか。常識を離れたらいけませんよ。  この点、もう一遍答えてください。
  22. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾審議会審議過程におきましてもいろいろ御議論がありましたが、港湾管理者に直接渡す方式直営方式と申しておりましたが、先生方の御論議過程でも、管理者移管をすることの一つの変わった形として管理者設立法人に渡す方法論議をされておりまして、直営方式ばかりではなくて、管理者主体を持ってつくるような法人に渡すのも管理者移管するものの一つの形であるというふうに論議がなされておったように私ども理解をいたしております。
  23. 井岡大治

    井岡委員 これは押し問答をしてもせんないことですから押し問答はしませんけれども管理者移管をするという限りは、その管理者移管するのも、あるいは港湾管理をしておる、それを、背景といいますか、あなた方の言う指定法人というのは背景だろうと思うのですけれども背景ということも一つ管理者移管することにはまるのだ、こういうお考えのようですが、私はこの点については納得をしません。しませんけれども、ここで押し問答しておっても同じことを言っているだけですから、それじゃお伺いしますが、この指定法人主管者と言うのですか、監督者はだれがやるのですか。
  24. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 お答え申し上げます。  この御提案申し上げております法律におきましては、運輸大臣指定法人監督いたすことになっております。運輸大臣監督をすることにいたしております理由は、東京横浜、大阪、神戸といいましたこういった各港は、全国向け外貿雑貨貨物搬出搬入の拠点の港湾でございまして、これらの港湾におきまして外貿埠頭整備及び管理を行っておりますが、これは外国貿易の増進という国家的な目的を実現するために行っているということでございます。そういうことに着目いたしまして、いままで公団という国の組織によって実施をさせてきたわけでございますが、指定法人業務移管されました後も、ただいま申し上げましたような業務の国家的な重要性といいますものは何ら変わるものではございません。外航海運政策との整合性も保持しながら、適切な外貿埠頭整備あるいは統一的な管理を行わせていく必要がございます。そういうことを揖保するという意味運輸大臣監督をするということにいたしたわけでございます。  したがって、この運輸大臣監督規定と申しますのは、指定法人業務の国家的な重要性に着目して行われるものでありますが、整備計画及び事業計画認可に際しましては、あらかじめ関係港湾管理者協議をするということを法律の中にうたっておりまして、こういうことによりまして港湾管理者港湾管理との整合性も十分に担保できるように努めているわけでございます。こういうふうにいたしまして地方行政との矛盾のないように法律をつくったわけでございます。
  25. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、港湾管理者はどういう位置になるのですか。
  26. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾管理者は、一般的に港湾管理者といたしまして、先ほど申し上げましたように、運輸大臣協議をいたしましたときに、港湾管理の立場から意見をおっしゃるわけでございますが、この法人につきましては財団法人設立者でございますから、設立者である地方公共団体として地方自治法によって監督をする道がございます。こういった監督は当然なされると思いますし、また寄付行為の定めるところによって別途監督をするということもあり得るし、恐らくなされることと考えております。
  27. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、やはり港湾管理者というのはサブですね。ということは、協議をする場合、大臣港湾運営について意見を聞くという程度でしょう。違うのですか。
  28. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 運輸大臣事業計画認可でございますとかあるいは整備計画認可をいたしますときに、港湾全体の管理者としての港湾管理者協議をいたすわけでございまして、港湾管理者自身法人に対する監督が、先ほど申し上げましたように、地方自治法一般的監督にとどまっておりますのは、これは設立者でございまして、先ほどから申し上げておりますように、この法人はいわば港湾管理者分身でございます。したがいまして、この程度監督で十分であると考えたわけでございます。
  29. 井岡大治

    井岡委員 そんな言い方をすると、分身だ、この点を明確にしていいですね。  大臣、これはだめを押しておきますよ。そうでないと、施行令をつくるんでしょう、その場合に、またいつの間にやらどこかに行ってしまったということになりかねない。だから、この点大臣、間違いありませんね。
  30. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 港湾管理者中心となってこの法人を申請するのでございますから、港湾管理者表裏一体のものとなってつくられるものである、これは間違いございません。
  31. 井岡大治

    井岡委員 どうもそこのところが、日本語はお互いに適当に解釈するところがありますからね。表裏一体分身とは大分違いますよ。表裏という限りにおいては二つに分かれているのです。分身だというのは一つのなにからこうなっているんです。だから、この点どうなんです。大臣じゃなくてもいいですが。
  32. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 分身と申し上げましたのは、港湾管理者設立をするわけでございます。寄付行為の作成も港湾管理者がいたすわけでございます。そういうことで、港湾管理者の意図がこの法人にはそのまま表現されるという意味分身と申し上げたわけでございます。この法律の中に寄付行為に関しますいろいろな問題を規定もいたしておりますが、これは決して港湾管理者を縛るということよりも、むしろ港湾審議会の御答申にありますように、この法人をスムーズに運営をして、円滑な承継が行われるための配慮からそういうことが書かれておるわけでございまして、考え方といたしましては、港湾管理者設立するということについては先ほど来申し上げたとおりでございます。
  33. 井岡大治

    井岡委員 指定法人をつくるのは港湾管理者がおつくりになる、それを大臣がお認めになる、こういうことなんですね。ここまではあなた方の言っていることは間違ってないのです。ぼくが言っているのは、あなたは先ほど分身だ、こう言ったでしょう。その分身というのは間違いないですか、こういって聞いているのです。  それを私がお聞きしたのは、五十二年の閣議決定管理者移管をするということを決められておる。私は、まあ大臣これはお答えになりませんけれども閣議というのは国の政治大綱を決めるところだ、こういうように判断しているわけです。まあそう信じているわけです。この移管をするというのについて、あなた方はその移管方法についてもいろいろある、こういうことで御答弁いただいて、そうして分身だ、こう言われた。私は、閣議移管するというのと分身だというのと、これを一体的に考えているのです。それが違ってくるというのは、分身というのは一体どういうものですかといって聞きたくなりますよ。どうなんです。
  34. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾管理者設立をする、そして港湾管理者主体的にこの法人運営に当たるという意味分身と申し上げたわけで、先ほど先生も御指摘のように、分身というのはそこから分かれておりますが、別の個体でございます。
  35. 井岡大治

    井岡委員 ごまかさないでくださいよ。ぼくは前に進もうと思っていたのですが。  移管をするということが、これが大前提でしょう、こういって聞いたのですね。そうしたらあなた方は、移管という方法にはいろいろありますということで、指定法人のことを港湾管理者がこれを設立するのです、こういうようにすりかえられたのです。そうして、分身だと言われたわけです。そうすると、この分身という言葉は一体何を意味しているんだろうか。あなたは何を指しておっしゃっておるのか、このことを聞いているのです。もう一度答えてください。先へ進もうと思ったけれども、これじゃちょっと進めませんよ。
  36. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾管理者設立をして、港湾管理者主体性を持って運営をする法人という意味で、分身と申し上げました。
  37. 井岡大治

    井岡委員 どうもその点については私は理解ができません。できませんけれども、ここで分身論議をやっておったのでは同じことをやりとりしているだけですから。ただ大臣、こういう過程のあることだけは、十分やはり御承知おきいただきたいと思うのです。ですから、施行令をおつくりになるときにはこの過程というものを十分に踏まえてつくっていただかなければ、私は、この監督というのは、一体港湾管理者というのはどういうなにになるのか。これは全くサブになってしまって、仕事だけはさせられる。指定法人をつくるための仕事だけはさせられるけれども、何の意義というか、何の地位というか、そういうものを持たないものになってしまう。同時に、そういうことであると、一元的な港湾行政というのをどういう方法でおやりになるのか。私は、国の政治大臣総括責任をお持ちになるのは、これは当然だと思うのです。ところが、やはり港湾管理者として、その港湾における一元的な行政というものに携わっているわけです。どういう考え方の、どういうなにで一元的な方法をおやりになるのですか。
  38. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほど申し上げましたように、運輸大臣がこの法人監督いたします際に、主要な部分については港湾管理者協議をし、あるいは意見を聞きながら進めるというようなことで、港湾管理者の意向は十分に生かし得るものと考えておりますし、当然のことでございますが、港湾管理者がそれぞれの港の管理に一元的な責任を持っておりますことは明らかでございますから、その一元的な行政の権能はこの法人にも当然に及ぶわけでございます。
  39. 井岡大治

    井岡委員 この法人にも当然及ぶ、これは当然でしょうね。及ばなかったらこれはもうひとり歩きしますよ。これじゃ一元的な港湾行政とは言えませんよ。そういう意味におけるものですか。それだけですか、港湾管理者というのは。
  40. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾管理者は一元的に港湾管理しておりますから、その港湾管理者管理しております中の外貿埠頭をこの法人管理をするということでございますので、その間に意思の疎通がなければならないことは当然でございますので、この監督規定の中にも、先ほども申し上げましたような協議規定あるいは意見聴取規定を入れておりますし、もちろんこの港湾でこの法人が定めます事業計画等は、港湾管理者が考えております港湾計画と当然一致しておらなければいけない。そういった意味一元性を十分確保しておるつもりでございます。
  41. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、五十四年の十月十三日の海事新聞にこんな記事が載っているんです。十三日の正午前に、森山運輸大臣鈴木東京都知事横浜市の松林義幸助役との間でトップ会談が持たれた。そうして、債権債務をそっくり引き受けます、業務は自治体が肩がわりします、こういう申し出をしているわけです。これは明らかに港湾管理者としての態度を明らかにしているわけです。  そうだとすると、いま言われたように、指定法人をつくること、それから港湾の中にあるから当然これらも一般的に港湾管理者監督をする、こういうものでないだろうと思うのです。かなり突っ込んだ討議がなされている。これを踏まえてあなた方は十一月から港湾審議会にこれをお諮りになっているんですね。ぼくは、この二年間というのは何しておったかと言いたいんですよ、実際言うと。全くやる気がなくて、あわてて、こういうように言われてきたから、こういうことで初めて腰を上げられた、こういうように理解したいのです。また、するのですよ。  このトップ会談というのは何のために持たれたのです。
  42. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 五十二年に、港湾管理者移管するものとして諸条件整備を図るという閣議決定がなされました。運輸省におきましては、これを検討する組織をすぐにその翌年の当初につくりまして検討を始めまして、港湾管理者でありますとか、あるいはこの埠頭を借り受けている利害関係者でありますとか、あるいは公団自身でありますとか、そういったところと意見の交換をし、どういうふうな問題があるかということを調査をいたしました。その結果、埠頭の借受者と港湾管理者意見の間にかなりの隔たりがありますことですとか、それから特に港湾管理者の中でも四港の港湾管理者意見が必ずしも一致をしていない、いろんな意見があってその間の意見の隔たりは相当に大きいということが判明したわけでございます。  そういう状態を踏まえまして、その間のいろんな問題点を煮詰めてまいったのに、先ほど来御指摘のございます二年間という期日がかかっておるわけでございまして、そして二年ではございませんが、一年と数カ月で港湾管理者の間の意見がほぼまとまって、基本的には港湾管理者で受け入れてよろしいという、先ほど指摘トップ会談がなされたわけでございます。基本的に受け入れられるという体制ができたものですから、それではさらに具体的に煮詰めようということで港湾審議会にお諮りを申し上げた、こういう経緯でございます。
  43. 井岡大治

    井岡委員 論理としてはそれで合っていますから、そのことについては私は深く追及はしませんけれども、その中で、この審議会に諮問をされてから、いわゆる民間にこれを任せろ、こういうことを言っていますね。民間団体はおれらに任せろ、いわゆる民間の専用埠頭にしろ、こう言っていますね。こういうこともあって、これは港湾管理者に任すということにしないでやはり指定法人にした、こういうように解釈するのが正しいんじゃないですか。この点どうなんですか。
  44. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾審議会にお諮りを申し上げまして、港湾審議会では、いろんな利害関係者の意見を十分に聞く心要があるということで懇談会を設置をされまして、五回ほど懇談会を開催をされております。そして、その懇談会の席上でいろんな御意見が出ておりますが、その御意見の内容を申し上げますと、港湾管理者の方から、港湾管理者直営にする方が望ましいのではないかという、一言で言えばそういう御意見が出ております。それから、今度は埠頭の借受者の方からは、民間の運営に任せて効率的な運用を図る方がよりよいのではないか、こういった御意見も出ておったことは御指摘のとおりでございます。そのほか学識経験者と申しますか、中立といいますか、そういった委員の方からは、そういった極端なやり方ではなくて、もっと中間的なものの方がよろしいのではないか、こういったいろんな御意見が出たわけでございます。  それで、そういう両方が出たからこういうふうになったのではないかという先生の御指摘でございますが、私どもはそうではなくて、極端といいますか、管理者に直接持っていく案あるいは民間の株式会社に渡す案というような案は、それぞれやはり問題点があるというような判断に、私どもというよりはその審議会の論議の場でだんだんなってまいりました。それで、御提案申し上げておりますこの案が一番いいのではないかというふうにお示しをいただいた、そのように考えております。
  45. 井岡大治

    井岡委員 審議会の持ち方なんですけれども審議会の持ち方を、移管をするんだ、これを前提にやってくれ、こういうなにでなくて、外貿埠頭をどうするのだ、こういう御諮問だったろうと私は思うのです。ここに一つの問題がある。だから、私が先ほどこの点については理解ができませんと、こう言ったのは、そこなんです。やはりこういう閣議決定というものをもっと大切にしてくださいよ。そうでないと国の政治を誤りますよ。閣議決定したって別なことを考えたらいいんだというようなことになってきたらどうなるんです。私は、あなた方の答申を求めるやり方というのは間違っておる、この点を指摘しておきたいと思うのです。  こんなことを言っておったら、もう時間がなくなりますから、次へ進みます。  そこで、この財団法人認可大臣がおやりになるわけですね。ただ、この財団法人をつくる際に、港湾管理者はどのような仕事をするのですか。どういうような手だてをするのですか。
  46. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 この法人は民法の財団法人でございますので、港湾管理者は、その民法の規定に従いまして財団法人設立の事務をいたします。もちろん新たに設立する場合あるいは既存のものを利用する場合もあろうかと思いますが、その設立をする事務をいたします。
  47. 井岡大治

    井岡委員 これは運輸省が認可をするわけですね。
  48. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 認可と申しますのは……(井岡委員財団法人をつくっただけではいかないでしょう。これは財団法人として認知しなければいかぬでしょう」と呼ぶ)法人認可は、運輸省の所管の法人でございます。
  49. 井岡大治

    井岡委員 指定法人監督するのは運輸大臣がやるのですか、それとも港湾管理者がやるのですか、どっちなんですか。
  50. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 指定法人としての監督は、先ほど申し上げましたように、運輸大臣がいたします。それから、公益法人監督業務は運輸省がいたすことになります。
  51. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、港湾管理者は何もしないわけですね。
  52. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先ほど申し上げましたように、港湾管理者は、地方自治法の関係で、この法人設立者でございますから、たとえば監査でございますとか、それから定款の中にその監督規定を置いて監督をすることは可能だと思っております。
  53. 井岡大治

    井岡委員 そうすると、どういうんですか、その定款のひな形、こういうようなものはあるんですか。
  54. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 寄付行為のひな形は、まだ現在の段階ではつくっておりません。
  55. 井岡大治

    井岡委員 私も法人組織を何回かつくりましたけれども、これは財団法人ではありません、社団法人法人つくりましたけれども、必ずひな形があるわけです。もちろんそこにはいろいろあります。同時に、必ず入れなければいけない項目があるわけです。こういうのをまだおつくりになっていない、こういうことなんですね。
  56. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 大変一般的な意味のモデル寄付行為といったようなものは持っておりますが、これはあくまでも一般的なものでございまして、この法人にその寄付行為のモデルが適用できるかどうかという検討はこれからいたすことにいたしております。
  57. 井岡大治

    井岡委員 その際に港湾管理者意見、こういうのをお聞きになりますか。
  58. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 港湾管理者とは、この問題を含めて今後密接に連絡をとり、打ち合わせをするつもりでございます。
  59. 井岡大治

    井岡委員 この点はぜひそうしてください。そうでないと、せっかく一元的な港湾行政というものにこれは大変な禍根を残すことになる、私はこう思うのです。ですから、ぜひ港湾管理者意見は十分取り入れていただく。おのおの四つの法人ですから、横浜には横浜のスタイルがあるでしょう。神戸には神戸の考え方があるでしょう。こういう点を十分お聞きいただきたい、そうして納得のいく組織にしていただきたい、この点特にお願いしておきます。  そこで、いよいよ港湾運営というか、運営という大げさなものではありませんけれども港湾の秩序を守る、こういう意味から委員会理事会、こういうものをおつくりになって、理事会にかける場合は委員会の議を先に経なければいけない。この埠頭公団運営をする、こういう意味からのものは私は整っていると思うのです。ただ、港湾の全体の秩序というものを守るためにやはり何かを必要とするのではないか。  そこで、これは私の私案ですが、法制的にこうしろというものではありませんけれども、任意の外貿埠頭運営委員会委員会でも協議会でも結構ですが、こういうようなものをつくる。そうして、それには港湾管理者あるいは港湾管理者が任命する職員、あるいは埠頭公団の専用埠頭を借りておられる方々の代表、あるいは港湾で働いておる労働組合、こういうものを入れた港湾運営委員会あるいは協議会、何でも結構ですが、こういうようなものをつくったらどうか、こういうように考見るのですが、この点御所見を伺いたいと思います。
  60. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先生の御提案は、この法人の内部組織としてそういうものをつくってはどうかという御意見だと思いますが、港湾審議会の御答申の中にも、先生の御提案に近い御意見が盛り込まれておりまして、それはこの埠頭管理の公共性を確保しつつ、民間の創意工夫、活力の導入を図り、能率的かつ公正な運営をこの法人は行うべきである。そのために、理事会には中立的な立場にある学識経験者及び海運業界、港運業界等経済界を代表する立場にある学識経験者をも参画させるよう措置する、ほかに、埠頭借受者の意向の直接的なくみ上げのため、理事会とは別の外貿埠頭運営のための委員会を設けることとする、こういう御趣旨の答申をいただいておりまして、私どもはこの御答申の趣旨を受けて、この法人設立に当たってはそういう組織をつくっていくように促進をしてまいりたいというふうに考えております。  この運営委員会は、いま申し上げましたように、直接的にこの埠頭運営に対して埠頭借受者の意向のくみ上げを図る必要があるという観点から御提案をされておりますので、この構成員としましては港湾管理者、それから埠頭借受者の代表といいますか、そこから出てくる委員、それから学識経験者、こういったメンバーを実は考えておりまして、先生御提案のこの埠頭で働いている労働者の代表という点は、実は答申の中にも盛り込まれておりませんし、そういった面の御意見のくみ上げといいますか、聴取するのは、実は別の場所でした方がいいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  61. 井岡大治

    井岡委員 ぼくはせっかくおつくりになるのなら港湾全体の、だからぼくは秩序を保つためにと、こう言ったのですよ。だから、埠頭の借受人の代表とかあるいは何だとか、こういうだけならそれだけのものになってしまうのじゃないか。秩序ということが欠けているのですよ。そこにトラブルが起こったらどうするのです。  だから、これは次に私はお尋ねしたいと思っているのですが、もう時間がありませんから一緒に言いますが、これは専用埠頭でしょう。専用埠頭にしますと、いま港湾の労働行政の中で一番問題になっているのは港湾の運送事業者、この運送事業者が勝手に自分のところというか、別な人間、手帳を持たないような人間をどんどん雇ってくるわけですよ。そのために混乱が起こっているのです。私が秩序と言ったのは、そういう点を十分考えてもらいたい、こういうことなんです。だから、ぼくは任意ということを言ったのです。何も答申があるから、ないからというのじゃないのです。答申があるからやります、答申がないからやらないのだ、これじゃ私は行政じゃないと思うのです。答申がなくとも、行政というものはやはり創意工夫をするのが当然じゃないですか。この点どうなんです。
  62. 吉村眞事

    吉村(眞)政府委員 先生指摘のような労働問題といいますか、そういった問題が存在して、それに対する何らかの対応の機関が要るということは御指摘のとおりだと思うわけでございますが、この答申の中にも、公団時代に二者協議体制というような形でそういった問題の処理が行われておりますが、そういった体制は今後とも引き続き継続した方がよろしいというふうな御指摘もいただいておりまして、私ども港湾全体の秩序を保っていく意味からはそういうふうにされるのが望ましいというふうに考えております。先ほど、別の場でそういう問題は意見のくみ上げが行われた方がいいのではないかと申し上げたのは実はそのことを考えておりましたので、こういった二者協議体制といったような仕組みが現在すでにありまして非常にうまく動いておるわけでございますから、そういうやり方が今後も適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
  63. 井岡大治

    井岡委員 もう時間がございませんから、結論に入ります。  私は、二者協議体制はもっと発展させた方がいいと思うのです。こんなことを言ったらなんですけれども、私のいとこはあるなにのために警官に殺されたのですよ。これはあなた方御存じないと思います。私は後で知ったのですけれども、こういうトラブルがある。そういうことを考えて、運営ということに、協議会でもいいからそういう場を、お互い顔を合わせますとけんかなんかはできませんから、こういうものをつくったらどうか、こういうことを私は提案したわけです。このこともひとつどこかに置いておいていただきたいと思うのです。そうして、二者協議体制というものをもっと強力なものに、強力という表現は、日本語はむずかしいですから、内容のあるものにしてもらいたい、このことをつけ加えておきます。  いずれにしても、この法案過程において、大臣お聞きになられたとおり、私たちは若干疑義がありますし、その閣議決定というのが非常に軽く扱われている、このことについて私は本当に残念だと思うのです。国の大綱を決める閣議決定が、いつの間にか、まあこれは官僚という表現は適当ではありませんけれども審議会という名に隠れて曲げられているということについては私は残念に思います。  この点について、ひとつ最後に大臣の今後の港湾行政についての考え方をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  64. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 この移管につきましてはいろいろな経過がございまして、それは先ほども討議に出てきたとおりでございますが、要するに、今後港湾管理運営それから設備の充実というようなものが一貫して行われなければいかぬということ、しかも、その点についての港湾管理者意見を十分くみ取ってやっていくということが大事なことでございまして、それにつきましては、私たちも常時話し合いをしてまいりましたが、これからもその方針に従って一層密接に話し合ってやっていきたいと思うております。  なお、二者協議体制というもの、御承知のように二つございます。これもやはり継続し、そして充実さしていきたい、こう思うております。
  65. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  66. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。楢橋進君。
  67. 楢橋進

    ○楢橋委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、本案に対し、賛成の討論を行うものであります。  京浜及び阪神外貿埠頭公団は、昭和四十二年に設立されて以来、コンテナ等の外航貨物の増加に対応して外貿埠頭計画的な整備を推進するとともに、専用使用方式を採用することにより埠頭の効率的使用に貢献してきたところでありますが、今日その整備についてはほぼその目的を達成したことから、行政改革の一環として両公団の廃止が取り上げられ、この法律案が提案されるに至ったものであります。  本法律案は、このような状況にかんがみ、まず第一に、特殊法人である両公団を廃止するとともに、その業務港湾管理者設立する財団法人であって運輸大臣指定するものに承継させることとし、現下の重要な政策課題である国の行政改革の要請にこたえようとするものであり、その意図は高く評価すべきものと考えます。  第二に、両公団の廃止問題の処理につきましては、公団自身を初め関係港湾管理者埠頭借受者等関係者が多岐にわたり、処理すべき問題も数多くあったわけでありますが、この法案の作成に至るまでにあらゆる努力と必要な手順が尽くされており、関係者の大方の合意を得ているものであります。  第三に、この法案においては、その業務の国家的重要性に配慮しつつも、港湾管理者の自主性にも配慮しており、国の監督は必要最小限度のものにとどめております。それとともに債権者の保護、埠頭借受者の意向の反映、公団職員の処遇等にも必要かつ十分な措置を講ずることとし、また今後の外貿埠頭整備について政府の無利子貸し付けを行うこととする等、公団業務の円滑な承継と継続的実施につき内容的にも満足すべきものとなっております。  以上申し述べましたように、本法律案行政改革の要請にこたえて両公団を廃止し、その業務量の減少に見合った適正な組織主体移管し、公共性を確保しながら能率的、機動的な運営を図ることをねらいとした適切な内容の法案であると考える次第であります。  政府は、本法律案の成立後、関係者と緊密な連絡をとりつつ業務の円滑な移管のために必要な措置を講ずるとともに、今後における外貿埠頭業務の適正な運営を確保することに努めるよう強く要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
  68. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 次に、伊賀定盛君。
  69. 伊賀定盛

    ○伊賀委員 私は、日本社会党を代表し、外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法律案に対し、反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、法案では二つの外貿埠頭公団解散し、四つの財団法人にその業務を分割承継させようとするものでありますが、これは行政改革の方向に逆行するものでありまして、容認することができません。二つの公団一つに統合することが行政改革になるのであります。また、新たな四法人を設置するのでなく、港湾管理者に直接移管する方法もあるわけでありますが、これも避けており、法案に賛成できません。  第二の反対理由は、外貿埠頭管理は広域的に行うことが必要であります。四分割して管理することは大きな弊害を伴います。  第三の反対理由は、政府の出資金を無利子貸し付けに切りかえることについてであります。このことは、外貿埠頭業務財政面での負担増となるばかりか、資本減少により社会的に影響を及ぼすととも大きな問題であります。  以上、反対理由を述べ、私の反対討論を終わります。(拍手)
  70. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 次に、三浦久君。
  71. 三浦久

    三浦(久)委員 私は、日本共産党を代表して、外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法律案に対して、反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、本法案行政改革の名に値しないものであるということであります。  本法案は、従来の二つの公団の行ってきた業務を新たに設立する四つの財団法人に引き継ごうとするものであります。  公団解散し、国の出資金の返還を求めることは当然のことでありますが、地方自治体の出資金を出えん金とし、財団法人がこれを受け入れ、従来の公団業務をそのまま引き継ぐことは、国の特殊法人を地方に分散して存続させることにほかならず、これは政府の提案理由である特殊法人の整理統合とも反するものであり、国民の強く求める行政の簡素化、効率化には全く逆行するものであります。  第二に、本法案は、特定の海運、倉庫大企業が外貿埠頭を独占して使用するという権益を全面的に保覆していることであります。  公団は、外貿埠頭建設し、長期にわたって大企業に専用貸し付けを行うという、まさに大企業奉仕を目的とした特殊法人として設立されたものであり、わが党は設立当時も反対をいたしました。今回、埠頭の貸付契約の引き継ぎを初め、貸付条件、貸付料に至るまで、法律条項により、従来と変更ないものと規定しておりますが、こうした特定の大手海運、倉庫会社の権益をあくまで擁護する本法案は断じて容認できないものであります。  第三に、承継する財団法人運輸大臣の強い監督下に置かれており、港湾管理者の意向や地方議会の意思が反映されないことであります。  これでは、行政事務を国から地方へ移管したとは決して言えないものであります。本来港湾は、公共施設として、港湾法に定めるように、港湾管理者管理運営のもとに建設管理運営が民主的に行われるべきであります。  わが党は、この立場から本法案に反対し、真の行政の簡素化、効率化のため地方自治体への全面移管を要求し、討論を終わります。(拍手)
  72. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  73. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これより採決いたします。  内閣提出外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  74. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  75. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 この際、本案に対し、楢橋進君外三名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。楢橋進君。
  76. 楢橋進

    ○楢橋委員 ただいま議題となりました本案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、特に左記事項につき適切な措置を講ずべきである。  一 両公団から指定法人への移行に際しては、港湾管理者埠頭借受者、職員団体との連携を密にして行うよう指導すること。  二 両公団の職員は、指定法人が雇用することとし、賃金、年金等その処遇については公団在職時に比べて不利益にならないよう誠意をもって対処すること。  三 指定法人に対し、組織及び要員の簡素化を図る等能率的な経営を行うよう十分指導し、埠頭借受者の負担が過重にならないよう配慮すること。  四 東京湾及び大阪湾における港湾の広域的管理運営がはかられるよう指定法人により構成される協議会を設置すること。 以上であります。  本附帯決議案は、当委員会における本案審査におきまして委員各位から述べられた御意見及び御指摘のありました問題につきましてこれを取りまとめたものでありまして、本法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、本委員会の決議をもってその実施に遺漏なきを期することといたすものであります。  以上をもって、本動議の趣旨説明を終わります。  何とぞ御賛成賜りますようお願い申し上げます。
  77. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  楢橋進君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  78. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。     —————————————
  79. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  81. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 この際、塩川運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川運輸大臣
  82. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 ただいま外貿埠頭公団解散及び業務承継に関する法律案につきまして、慎重審議の結果、御可決いただき、まことにありがとうございました。  また、附帯決議につきましては、政府といたしまして、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存であります。  どうもありがとうございました。      ————◇—————
  83. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 内閣提出広域臨海環境整備センター法案及び内閣提出港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  これより両案について順次趣旨の説明を聴取いたします。塩川運輸大臣
  84. 塩川正十郎

    塩川国務大臣 ただいま議題となりました広域臨海環境整備センター法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  大都市圏においては、廃棄物の発生量は膨大なものとなっておりますが、これらの区域では土地が高密度に利用されているため、内陸部において廃棄物の最終処分場を確保することは著しく困難な状況にあり、市町村はもとより都府県の区域を越えて廃棄物を広域的に処理するための海面埋立処分場の確保が強く要請されております。  一方、大都市圏における港湾では、背後の都市の健全な発展と活動を支えるため、港湾機能の一層の拡充、臨海部における再開発等を図る必要があり、そのためには、港湾における水域利用との調整をとりつつ埋め立てによる用地確保に努める必要があります。  このような要請に対処するため、関係地方公共団体及び関係港湾管理軒が共同して広域臨海環境整備センターを設立し、港湾において広域的処理を必要とする廃棄物の海面埋め立てを行うための広域処理場を建設し、廃棄物による海面埋め立てを行い、あわせて土地を造成する等の業務を行わせることといたしまして、この法律を提案することとした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、広域臨海環境整備センターは、その区域の全部または一部が広域処理対象区域内にある地方公共団体の長及び広域処理場整備対象港湾港湾管理者の長が発起人となり、厚生大臣及び運輸大臣認可を受けて設立されることとしております。  第二に、広域臨海環境整備センターに出資した地方公共団体の長及び港湾管理者の長から選任された者より構成される管理委員会を置き、定款の変更、広域処理場の整備に関する基本計画の作成等につきまして議決を経ることとしております。  第三に、広域臨海環境整備センターの業務といたしましては、港湾管理者の委託に基づく廃棄物埋立護岸の建設及び当該施設における廃棄物の海面埋め立てによる土地の造成、地方公共団体の委託に基づく一般廃棄物等の最終処分場の建設及び当該施設における一般廃棄物等の海面埋め立て等を.行うこととしております。  第四に、広域臨海環境整備センターは、広域処理対象区域の都府県及び広域処理場整備対象港湾港湾管理者協議して、広域処理場の整備に関する基本的事項を定めた基本計画を作成して、厚生大臣及び運輸大臣認可を受けることとしております。  第五に、広域臨海環境整備センターが作成する実施計画及び予算等の厚生大臣及び運輸大臣への提出、同センターに対する監督命令等につき、所要の規定を設けることとしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。  ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  港湾は、交通、産業、住民生活等の諸活動を支える重要な基盤であり、その整備の推進が、国民経済の健全な発展にとって、必要不可欠であることは申すまでもないところであります。  このような見地から、政府は、数次にわたり港湾整備五カ年計画を策定し、港湾整備計画的な実施を鋭意推進してまいりましたが、昭和五十年代後半におきましても、港湾取扱貨物量の着実な増加が見込まれるばかりでなく、さらに、貨物輸送の合理化、厳しいエネルギー情勢への対応、地域振興のための基盤施設の整備、船舶航行等の安全の確保、地域防災の推進、港湾及び海洋の環境の整備等の必要性増大しており、港湾整備に対する要請は量的に増大するとともにますます多様化し、かつ、差し迫ったものとなっております。  このような情勢にかんがみ、港湾整備を引き続き強力かつ計画的に実施するため、このたび、港湾整備緊急措置法の一部を改正し、昭和五十六年度を初年度とする新しい港湾整備五カ年計画を策定することとした次第であります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  85. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これにて、両案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る四月二日午前十一時理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十一分散会      ————◇—————