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藤原房雄君 この場合、この憲法はもう三十数年の経過をいたしまして、特に戦後生まれがもう七割というような時代にもなってまいりまして、現在の憲法に対しての定着性という、その定着という言葉に、大臣はいろいろそういう形ではなくてというお話でございましたけれ
ども、これはいろんな考え方はあろうかと思いますけれ
ども、この現憲法に対しての理解とか定着性とか、まあこういうものについては深まりは出てきただろうと思うんであります。実質的に自民党の若い方々の中にも、これを機に改憲という御議論の方もいらっしゃるようでありますし、またいま地方議会におきましても、自主憲法制定ということでいろいろ議会の決議とか、あるいは
意見書を提出とか動いているようですが、改憲は相ならぬという決議をしたところもございますし、非常に
国民の大きな関心事であり、そしてまた、今日までの長い年月の中でそれなりに
国民の中に奥深く定着したものだと思います。その個々の条文、個々の問題については、社会情勢の変化、いろんなものがあろうと思います。
そういうことで、私は過日、法の番人という
立場の中で、これは法理論から言いますと、閣僚が口にしちゃいかぬのかという、そういうことを口にするとすぐに
罷免という言葉が出るなんというのはおかしいという大臣のお話がございましたけれ
ども、そういうことは慎重でなければならぬし、今後やっぱりこういう推移については、いろんな論議の中で大体一つの方向性というのは出てきたようでございますけれ
ども、私
どもはこういういろいろな議論をすることはこれは結構だと思うんですけれ
ども、どういう
意味で成果があったということを言われているのか。なし崩し的にそういうものが醸成されてくる、醸し出されていくという、やっぱり九条というのはいろんな経過があって今日あると思いますけれ
ども、しかし、真っ正面からの議論の上に立ってならいざ知らず、急迫した国際情勢の中でこういう問題が提起されて、そしてそれが
国民の世論を大きく動かしていくようなこういうことじゃなくて、やっぱり時間をかけ、各界各層いろんな
立場からの、そしてまた長期的な、急激な国際情勢の変化ということじゃなくて、やっぱり長い目で見た上でのこういう議論というものも、憲法ということになりますと必要なことなんだろうと思います。
そういうことで、過日の御
答弁にもございましたが、この憲法問題につきましては一応の姿勢といいますか、そういうものは大臣もはっきりおっしゃっておりますけれ
ども、十分にひとつ慎重な対応、こういうもので今後貫いていただきたいものだと思うんです。
まあ、このことについては深く私は云々するつもりはないんですが、次に、問題になっております
安川判事の、
安川事件のことについて、これは午前中もいろいろお話ございました。私
ども接する
国民のだれもが、
裁判官のこういう問題について、しかもちょっとここのところ問題が続いておりますし、さらにまた、鬼頭問題から、非常に法に明るい
立場を利用してといいますか、巧みな、普通の人にはできない法の網をかいくぐってのこういう問題、行動に、一般庶民としてはやり切れない気持ちでおるわけですね。
立法上のことについては午前中もお話ございましたし、またこれはもう本院といたしましてもそれなりに検討しなきゃならぬことだと思うんですが、まず最初にお伺いしたいのは、このたびのこういう一連の問題に対しまして、
最高裁の
長官からもいろいろ
国民に対してのお話があったようでありますけれ
ども、
人事局長、実はこのたびのこういう一連の事件についてはどう受けとめていらっしゃるのか。
そしてまた、これに対しまして、まあ精神的なことはさっきお話ありましたけれ
ども、何をどうするという具体的なことはなかなかむずかしいことなんですけれ
ども、私
どもは法作業というか、こういう問題については
立法府ですからいろいろ検討するわけですけれ
ども、今回の一連の事件を通して、いろいろお話あった中での皆さん方のそのお話の中で、私
どもやっぱり注意しなきゃならない点とか考えておかなきゃならない点とか、そういう
感触というものはある
程度私
どもはこの際得ておきたい、こんな気持ちがするわけです。一連のこのたびの事件等を通しまして、
最高裁としてはどのようにお考えになっていらっしゃって、また今後に対してどういうふうになさろうとしていらっしゃるのか、その辺のことについてお伺いをしたいと思います。