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小笠原貞子君
公取の方、もうよろしゅうございます。ありがとうございました。
今度は福祉
灯油の問題でお伺いしたいと思います。
先ほども問題が出ましたけれ
ども、価格は十八リットル一かん去年の四月で六百二十五円、現在千四百円、二・二倍と急速な非常な
値上がりでございますし、道庁がまとめたのによりますと、一世帯の年間使用量は平均ドラムかんで十一本、値段にしますと十五万円を超えるというような大変な
北海道ならではの苦労があるわけでございます。そういう中で一番大変なのは年金
生活者や母子世帯、障害者を持った方々、
生活困窮者、こういう方であるということはもう御想像いただけると思うんですけれ
ども、私いろいろ申し上げますよりも、実際の手紙を見ていただきたいと思うんです。
この方はこう書いています。「私の家庭は、現在全聾の」
——耳が全く聞こえない「夫五十歳と私四十八歳、中三の娘の三人家族です。夫の仕事はアイヌ民芸の熊彫りですが、職場は零細企業のため経営も思わしくなくいまだに」
——これは十月四日付ですが、「いまだに九月分の賃金さえ手にしていない
状態です。労賃も大変低く、昨年は手取り七万が平均で、今春からやっと八万、九万の賃金を得るようになりました。」そして、「私は病弱のため働くこともできず、家計の穴埋めは夫の障害年金と児童扶養手当とを充て辛うじて
生活しております。」そして「いま冬を目前にして眠れぬほど悩んでいるのは
灯油の問題です。昨年の冬から今春にかけて死ぬほど苦しみました。」「私の家庭ではとうとうポット式」
——といいますのは、
北海道は大きな
石油ストーブで煙突をつけたストーブでなければ暖房をなかなかとれません。これが「取りつけることができませんでした。」東京なんかで使っているようなああいうポータブルのストーブしかつけることができなかった。「十一月、十二月厚着をしてそれでも何とか耐えましたが、一月に入るともう思考力も気力も奪われてしまうほどの室内の寒さでした。一月の末に娘がかぜをひきました。」「私に感染して気管支炎を引き起こしました。ぜんそく性気管支炎で激しい発作におそわれ」て、そして「三十九キロの体重が三十五キロになり、通院中何度もめまいにおそわれ、地下鉄の往復に恐怖を覚えました。」絶えずのどに絡まってくるたんを吐き出すという力もありませんでした。そして五月の終わりやっと暖かい日差しが出たときに、「生き延びられた、そんな思いでした。」と。この方がまたことしこういうように生きていくという問題として訴えを下さったわけです。
それから今度は年金
生活者の方ですけれ
ども、「私の家は十二万六千円の年金
生活です。」いろいろ書いてございます。「昨年は
灯油の実績主義に泣かされました。少しでも安く
灯油を買うためにそりを引いて十八リットルかんを二かんずつ
石油スタンドに通うと運賃がかからなくて得になるという
生活の
知恵」で、冬そりを持ってそして二かんずつ買ってきました。ところが実績主義のために
系列化されてしまって大変な苦労をいたしました。
こういうように年金
生活者の方、そして
生活の御苦労をなすっていらっしゃる方の苦労は、本当に幾らわかっているとおっしゃっても、私はわかっていただけないと思うわけでございます。
北海道の場合では十九市町村、岩手県は二十一市町村、青森県でも自治体単独事業として福祉
灯油を実施しております。われわれは何とかこれを国の段階でも
生活保護世帯、母子、障害者、老人、年金の
生活者を対象にして実施すべきであると
考えているわけでございます。自治体としても大変なんですね。国として何らかの助成も
考え、援助もしていただきたい。自治省、厚生省、
通産省、経企庁、それぞれの方々がこういう問題については
——もう
北海道なんかではこの問題は凍死するのが二、三人出てこなきゃ解決つかないというようなことまで大きな声で言われているような
状態でございます。ですから、各省庁協力し合って生きていけるようにしていただきたいということでございます。自治省、厚生省、
通産省、経企庁、皆さん御協力して何とか
考えていただけるかどうか、時間がもうございません、簡単にお答えをいただきたいと思います。
また、厚生省にお伺いしたいんですけれ
ども、この高くなった
灯油によって
生活保護世帯の方は冬季加算があるということになりますけれ
ども、五十四年の伸び率は約一〇%ほどであります。ところが
灯油の伸びは二・二倍になって実情には全く合わない。今後こういうような問題についてどのようにお
考えになっていただけるのか。また
生活保護をもらっている人はいいわよと。
生活保護をもらわないでがんばっているというボーダーラインの人たちが
北海道だけでざっと二十万世帯はいるというふうに見られるわけですね。だからそういうボーダーラインの層の人たちにも何とか凍死しないで生きていけるというような立場で
考えてお答えをいただきたいと思います。
時間がありませんので続いて質問をいたします。プロパンについて一言お伺いしたいんですけれ
ども、プロパンの問題も、
北海道価格百六十四円というのが五十一年でございます。約一〇%の差でございました。ところが五十四年には三百二十五円、この一〇%の差であったのが二〇%、倍の格差が出てきているわけです。だんだん開いてきて、
北海道価格というプロパンの問題が大きく出てくるんですね。だから、これは
通産省も乗り出して検討すべきだ、
調査をしていただきたいと思います。
それからプロパンの具体的問題で元売の仕切り価格、これは
北海道で格差がないというふうにいままでお答えになっていらしたと思うんですけれ
ども、これも北大の名誉教授の伊藤俊夫先生という方がいろいろお
調べになりまして、プロパンの流通実態
調査報告書というのをお出しになっているんです。この中で、
北海道のタンクに入るまでに輸送コストとして十キロ当たり三十円かかっていると。つまり仕切り価格は同じですよとおっしゃるけれ
ども、実際
調べてみると仕切り価格から差が出てきているということが明らかになってきたわけでございますので、この仕切り価格に差をつけない、ついていないんだとおっしゃるならば、すぐにお
調べをいただいて対処をしていただきたいということでございます。
時間がないので質問をずらっと並べましたが、各担当からお答えをいただきたいと思います。