○川村清一君 どうも私は簡単に聞いているんですが、御答弁が長々しくて、そんなこと聞いていないのですよ。私の
理解に間違いがあるかないかということを聞いているので、おまえのその
理解は間違いなら間違いだと
指摘してくれればいいし、そのとおりだというなら、そのとおりだと言っていただけばよい。この次にまた何を質問されるかというようなことを心配されるものだから、用心深く先へ先へと言われて、そんなこと何も聞いてないじゃないですか。
それじゃ私、お聞きしますがね。これは
大臣、当然米の
転作を奨励すると。その
転作作物の中に当然
飼料作物が入っているんでしょう。
飼料作物が入っているということは畜産なり酪農が振興していくと、こういうことに結びつかなければ、何のために米だけを抑えて、そしてほかのものを——そうすると、それは
需給の
動向を見てなんて、私がこの次聞くのは牛乳のことなんだ。そうすると、牛乳はもう
需給がいっぱいだと、牛乳を、何といいますか、お米のようにもう
生産過剰でそれを減反しなければならないなんという
考え方があるから、危ないからそんな答弁はできないと思って用心されてそういう御答弁されるんではないかと思うんですが、勘ぐっての話ですが。
そこで、これは農水省から出された
資料に基づいて私はお尋ねするんです。これ、関連質問ですから時間はそうとりませんが、その
資料によりますれば、基準年五十三年における飲用向けの牛乳、この
生産が
農家の自家用飲用牛乳十二万六千トンを含めて三百七十三万五千トン、こうなっている。それから、乳製品の
需要については、
政府の
長期見通しの中に書かれておる基準年の
需要量というものは、国内
生産でもって二百四十万トン、それから輸入でもって百四万四千トン、それから在庫が二十九万一千トン、そして減耗が九万五千トン。乳製品の
需要は、国内
生産、輸入を含めて三百五万八千トンと、こうなっている。私は飲用の三百七十三万五千トンというものは、これはわかるんです。これは納得するんですけれども、乳製品の
需要の中で輸入の百四万四千トンというのはちょっと納得できないんです。
そこで、乳製品の総
需要が三百五万八千トンと計算すると、一人
当たりの供給量が、この参考
資料に入っておる五十三
年度において二十六・六キログラムということにこれは該当するんです。三百五万八千トンとすれば二十六・六キログラムにこれなるわけです。これは正しいと思うんです。
ところが、私がこれも
農林水産省で出しておる食料の
需給表などをずっと調べていきますというと、いま私が申し上げました百四万四千トンのほかに、この乳製品の輸入として
飼料用の脱粉が七十一万トン、これは生乳換算ですよ、換算して七十一万トンと。それから乳糖、ミルクカゼインが二十七万トン、それから調製食用脂それからココア調製品、これが二十五万トン、計百二十三万トン。この百二十三万トンというものは、これはいま申し上げた食料の
需給表に計上されていないんですよ。いないからして、この百二十三万トンというものが
長期見通しの中におけるところの基準年の五十三
年度のこの乳製品の総
需要量の中に入っていないんです、入っていない。入っていないというのはこれはどういうわけなんだと。この百二十三万トンといういま申し上げたこれらのものは、国内において、やはりこれは
飼料用の脱粉とか、あるいは薬品であるとか、あるいは工業用の原料であるとか食品の原料であるとか、こういうものに計上されているわけですね。これを基準年におけるところの
需要というものの中に入れますというと、これは相当大きくなりまして、先ほど申し上げましたよりもふえまして、総体でもって八百二十四万四千トンとなるわけです。ところが、
政府の方は、基準年における
需要七百一万四千トンと、こういうふうにしておることは、これはどう
考えても
需要を過小評価しておると私は
考えざるを得ないわけです。この七百一万四千トンというもので計算するから、五十三
年度の基準年次におけるところの一人
当たりの
消費量は二十六・六キログラムと、こうなるのであって、基準
年度をこれで
需要を押さえておきますというと、今度は長期の方で、この六十五
年度の、これからの十年間の最終
年度において、これは伸びれないわけですよ。
御
承知のように、もう一生懸命になって
政府の方は酪農を奨励いたしまして、そのいろんな
政府の
施策に基づいて、わが北海道あたりは御
承知のように大変な酪農地域をつくりまして、もう過重な借金をしょってみんな四苦八苦の状態である。これは御案内のとおりだと思うんですが、その中でもう牛乳が余ってきている。余ってきているから、いま
政府はナチュラルチーズ工場をつくろうなんという計画も立てているんですね。これは一体どういうことなんだ。これもう
長期見通しを見るというと、一体五十三年も——どこかにありましたなこれ、ちっとも上がらないんですよね、これは。この参考
資料の十二ページに、牛乳、乳製品の五十三年の
自給率八九%、それが六十五
年度へいっても
自給率八九%、同じなんです。まあ人口がふえるから一人
当たりは減るのかもしれませんけれども、こういったようなこと。
だから、どういうわけで、私がいま申し上げました、輸入しているこれら
飼料用の脱粉だとか乳糖、ミルクカゼインだとか、調製用食用脂、ココア調製品の基準年五十三年の百二十三万トンという輸入量がこの中に加わらないのか。加えていないことが納得できないんだ。それを
説明してください。